ネットワークアーキテクチャーの計画

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ネットワークアーキテクチャーの計画

OpenStack を評価できるようにすることが目的である単一ノード構成では、ネットワークインタフェースカードが 1 つあれば十分です。しかし、マルチノード構成の場合は、単一のネットワークインタフェースを使用するだけでは、クラウドの高負荷のネットワークトラフィックを処理できる帯域幅を提供するには不十分です。エンタープライズ OpenStack 設定で単一のネットワークインタフェースを使用する場合は、すぐにパフォーマンスが重大な問題となります。

さまざまなタイプのネットワークトラフィックの分離

さまざまなタイプのネットワークトラフィックがクラウドインフラストラクチャーを通過します。各トラフィックタイプをホストするには、次のように別々のネットワークまたはサブネットを持つ必要があります。

ゲストまたはテナントネットワーク – OpenStack クラウド内の仮想マシン (VM) 間のトラフィックをホストします。
ストレージネットワーク – 外部ストレージシステム上にある VM とそれらのアプリケーションデータセット間のトラフィックをホストします。
管理または API ネットワーク – クラウドインフラストラクチャーの操作全体を管理する OpenStack コンポーネント間のトラフィック (管理者が生成したトラフィックを含む) をホストします。
外部ネットワーク – 企業ネットワークとインターネットの両方で構成される仮想エンティティー間 (OpenStack クラウドやより広範なネットワーク内の VM とそれらのプライベートネットワーク間など) のトラフィックをホストします。

次の図は、マルチノード OpenStack 構成での複数ネットワークアーキテクチャーの例です。

図 1 複数のネットワークアーキテクチャーの例

この例では、必要に応じてアーキテクチャーをさらに拡大できます。たとえば、冗長ストレージシステムを使用することを決定した場合は、各システムへのトラフィックを管理するために別々のストレージサブネットを作成します。

特定のトラフィック用に別々のネットワークを使用すると、次のような利点が得られます。

ネットワークの信頼性と可用性 – 複数のネットワークがあることで、単一ネットワーク構成に固有の単一障害点のリスクが回避されます。
パフォーマンスと拡張性 – 単一のネットワークインタフェースを使用する場合と比較して、さまざまなネットワークトラフィックパスとして機能する複数のインタフェースがあることで、潜在的な輻輳とそれに続くパフォーマンスの低下が回避されます。
安全性 – ネットワークを分離することで、OpenStack フレームワークのさまざまな部分へのアクセスが制御されます。
管理可能性 – クラウド管理者にとって、OpenStack フレームワーク全体の管理が簡単になります。

統一ネットワーク設計への準拠

Oracle Solaris では、ネットワークアダプタのデータリンクは netn という命名規則に従います。ここで、n はゼロから始まる番号です。この番号は、カーネルのブートプロセス中にアダプタが検出される順序に基づいて割り当てられます。

各ハードウェアノード上で同じタイプのネットワークアダプタを使用し、それらをマザーボード上の同じオプションスロットに取り付けてください。すべてのサーバー上で、同じネットワークに各ネットワークアダプタポートを構成します。たとえば、すべてのシステムのインタフェース net0 は外部ネットワークへの接続用に使用され、net1 はゲストネットワーク用に予約されているとします。この構成では、各 OpenStack ノード上で、カーネルのインタフェースポート命数法とデバイスリンク名の一貫性が保持されます。統一ネットワーク構成を使用すると、特に Neutron でエラスティック仮想スイッチ (EVS) を設定する際に、後続の OpenStack 構成手順が容易になります。

論理ホスト名の割り当て

論理ホスト名の使用は、どのネットワーク構成シナリオにも適用される優れた方法です。エンタープライズ OpenStack インフラストラクチャーでは、複数の IP アドレスが必要です。クラウドを構成する際に IP アドレスを指定すると、その数値を記憶し、管理する必要があるので構成が複雑になります。OpenStack の構成情報はデータベースに格納されます。IP アドレス構成を変更する必要がある場合、これらのデータベースや OpenStack の情報が格納される方法に関する深い知識がないと、データベースの修正は困難になります。

設定に使用するホスト名と IP アドレスのマッピングを準備します。名前解決には DNS または /etc/hosts ファイルを使用します。構成をテストして、正常に機能していることを確認します。Oracle Solaris 用の Oracle OpenStack をインストールしたら、構成ファイルの接続パラメータを定義する際に、IP アドレスの代わりにホスト名を指定します。