この章では、次のことを行う方法について説明します。
カスタムボリュームレポートを作成します
ボリューム移動の統計情報のレポートを作成します
volrpt
ユーティリティーを使用すると、ボリュームレポートを作成できます。詳細は、volrptを参照してください。$ACS_HOME/data/external/volrpt/owner_id.volrpt
は、カスタマイズしたボリュームレポートを作成するためのテンプレートとして実行または使用できるサンプル入力ファイルです。カスタマイズしたボリュームレポートを $ACS_HOME/data/external/volrpt
ディレクトリに保存することもできます。この手順は、volrpt
ユーティリティーの入力ファイルを作成して、カスタムボリュームレポートを作成する場合に使用します。
カスタムボリュームレポートを作成するには、次の手順を実行します。
acsss
としてログインします。
UNIX コマンドツールを開きます。
カスタムボリュームレポートディレクトリに変更します。
cd /home/ACSSS/data/external/volrpt
ボリュームレポートのサンプルファイルを、新しいカスタムファイルにコピーします。
cp owner_id.volrpt
my.volrpt
my.volrpt
は新しいファイルに割り当てる名前です。
vi などのテキストエディタを使用して my.volrpt
ファイルを編集し、カスタムレポートに表示するフィールドおよび形式を指定します。
サンプルファイル内に一覧されているフィールドを指定できます。
各エントリの形式は次のとおりです: field_name field_length delimiter_length
フィールドの長さおよび区切りには任意のサイズを指定できます。指定したすべてのフィールドが、レポートを出力したときに 1 行に収まるようにしてください。
詳細な編集手順はサンプルファイルに示されています。
ファイルの編集が終了したら、保存します。
次の例に示すように、入力ファイルにフィールド、フィールドの長さ、および区切りの長さを指定することによって、カスタマイズされたレポートを作成します。
################################################################ # # FIle name: owner_id.volrpt # # This file describes the report layout for volrpt invoked with # the -f option. # volrpt -f <filename> # # The format of a line is: # field_namefield_lengthdelimiter_length # # The field length is the number of characters which will be printed for # the field. The delimiter length is the number of spaces that will be # printed after the field. If you leave out the lengths, or specify a # value of -1, the default values will be used. Default delimiters are # always 2. ere are the fields and their default lengths. # # ACCESS_COUNT 5 2 # ACCESS_DATE 15 2 # CELL_ID 14 2 # DRIVE_ID 10 2 # ENTRY_DATE 15 2 # LABEL_ATTR 5 2 # LOCK_ID 5 2 # LOCK_TIME 15 2 # MAX_USE 5 2 # MEDIA_TYPE 7 2 # OWNER_ID 20 2 # POOL_ID 5 2 # VOLUME_ID 6 2 # VOL_STATUS 17 2 # VOLUME_TYPE 4 2 # # Revision History: # xx/xx/xx Name Changes # ################################################################ VOLUME_ID 6 2 MEDIA_TYPE 7 2 DRIVE_ID 12 2 CELL_ID 14 2 OWNER ID -1 0
この入力ファイルから、表示されるカスタマイズされたレポートを生成します。ほかの使用方法としては、次の例に示すように、カスタマイズされたレポートを使用してボリュームの所有者を報告できます。
入力ファイルを使用した、カスタマイズされたボリュームレポートの例:
2014-06-30 13:22:07 TOTAL VOLUMES:2 SEQUENCE: sort by volume identifier Volume Media Home Owner Label Type Drive ID Location ID RB1400 3480 Not-in-drv 0, 1, 1, 0, 0 cray RB1401 DD3A 0, 0, 1, 0 0, 1, 2, 0, 0 cray
次の volrpt
には、ACS 0 と 1、不在ボリュームと取り出し済みのボリュームが含まれており、ボリュームのステータスが示されています。
入力 volrpt
オプション:
volrpt -f my.volrpt -a 0 1 -i
これらの制御文は、出力を選択およびフォーマットするために使用します。
カスタムボリュームレポート制御文の例:
CELL_ID 14 2 VOLUME_ID 6 2 VOL_STATUS 17 0 POOL_ID 5 2 ACCESS_COUNT 5 1 LOCK_ID 5 1 OWNER_ID 20 0
不在ボリュームおよび取り出し済みのボリュームを示すカスタム volrpt
の例:
VOLUME REPORT UTILITY 2014-06-03 15:27:48 TOTAL VOLUMES: 61 SEQUENCE: sort by volume identifier Home Volume Volume Pool Times Lock Owner Location--- Label Status ID Mount ID ID------------ 1, 0, 0, 0, 0 ABC001 VOLUME_HOME 0 2 0 presc 0,-1, 0, 0, 0 ABC002 VOLUME_ABSENT 0 0 0 0,-1, 0, 0, 0 ABC003 VOLUME_ABSENT 0 0 0 1, 3, 0, 0, 3 ABC004 VOLUME_MISSING 0 0 0 1, 3, 0, 0, 4 ABC005 VOLUME_MISSING 4 0 28001 tom 1, 3, 0, 0, 5 ABC006 VOLUME_MISSING 0 0 0 0,-1, 0, 0, 0 ABC007 VOLUME_ABSENT 0 0 0 1, 0, 0, 0, 7 ABC008 VOLUME_HOME 0 0 0 0,-1, 0, 0, 0 ABC009 VOLUME_ABSENT 0 0 0 0,-1, 0, 0, 0 ABC010 VOLUME_ABSENT 0 0 0 presc 1, 0, 0, 0,10 ABC011 VOLUME_HOME 0 0 0 1, 0, 0, 0,12 ABC012 VOLUME_HOME 0 0 2371 abc012 1, 0, 0, 0,13 ABC013 VOLUME_HOME 0 0 28001 1, 0, 0, 0,14 ABC014 VOLUME_HOME 0 0 28001 0,-1, 0, 0, 0 ABC015 VOLUME_ABSENT 1 0 29712 0,-1, 0, 0, 0 ABC016 VOLUME_EJECTED 1 0 29712 0,-1, 0, 0, 0 ABC017 VOLUME_ABSENT 1 0 29712 0,-1, 0, 0, 0 ABC018 VOLUME_ABSENT 1 0 29712 1, 0, 0, 0,19 ABC019 VOLUME_HOME 1 0 0 1, 0, 0, 0,20 ABC020 VOLUME_HOME 1 0 0 0,-1, 0, 0, 0 ABC021 VOLUME_ABSENT 0 0 0 0,-1, 0, 0, 0 ABC022 VOLUME_ABSENT 4 0 0
ボリュームログファイル ( acsss_stats.log
) を使用して、ボリューム移動の統計情報をログに記録できます。これらの統計は、ボリュームの位置が変更されたことを ACSLS が検出したときに記録されたエントリで構成されます。ACSLS は、挿入、取り出し、マウント、マウント解除が行われたとき、およびボリュームの位置が (通常は手動で移動することによって) 変更されたことを監査が検出したときにエントリをログに記録します。
acsss_config 構成プログラムを使用して、次を実行します。
LIB_VOL_STATS
変数を使用して、ボリューム統計のロギングを有効または無効にします。
ボリューム統計ログファイルの最大サイズを指定します。
ボリューム統計ログファイルのロールオーバーファイルの数を指定します。
stats_report
ユーティリティーは、acsss_stats.log
を使用してすべてのマウントおよびテープドライブの使用を報告します。
ボリューム統計ログファイルには、ボリューム統計のロギングが有効または無効のいずれであるかを通知する収集モードのエントリ、およびボリューム統計情報のエントリが含まれています。
ボリューム統計ログファイルのエントリの例:
2014-06-30 08:53:00 CONFIG Library volume statistics on. 2014-06-30 09:23:08 EJECT U01120 Home 0,0,1,3,5 Cap 1,0,0 Client Host Id 129.81.15.25 2014-06-30 10:36:05 ENTER PB0444 Home 0,0,4,3,5 Cap 0,0,0 Client Host Id 129.81.15.25 2014-06-30 10:42:48 MOUNT PB0478 Home 0,0,1,35,1 Drive 0,0,1,0 Client Host Id Local 2014-06-30 10:43:19 DISMOUNT PB0478 Home 0,0,1,35,1 Drive 0,0,1,0 Client Host Id Local 2014-06-30 10:43:19 AUDIT RB0478 0,0,1,35,1 STATUS_VOLUME_NOT_FOUND Client Host Id JBHUTTO 2014-06-30 10:43:19 AUDIT PB0444 0,0,1,32,1 STATUS_VOLUME_FOUND Client Host Id JBHUTTO 2014-06-30 10:45:00 CONFIG Library volume statistics off. 2015-01-16 09:51:07 ACSCR 0A1235 Home 0,0,5,14,14 STATUS_VOLUME_NOT_FOUND Client Host Id Local 2015-01-16 09:40:13 ACSCR 0A123A Home 0,0,5,14,15 STATUS_VOLUME_FOUND Client Host Id Local
前述の例では、収集モードのエントリは、統計収集が 2014 年 6 月 30 日午前 8:53 に開始され、同じ日の午前 10:45 に終了したことを示しています。これらの収集の開始時間および停止時間の間に、この収集期間のボリューム統計のエントリがあります。
ボリューム統計情報のエントリの形式は次のとおりです。
yyyy-mm-dd hh:mm:ss
command
vol_id home_loc function_loc client_host_ID
ここでは:
yyyy-mm-dd
はエントリの年、月、および日です。4 桁の年形式がサポートされています。日付の形式は acsss_config
を使用して指定します。
hh:mm:ss
は、エントリの時間、分、および秒です。
command
は、ボリュームを移動したか、(監査によって) ボリュームの移動が検出された ACSLS のコマンドまたはクライアントリクエストです。
MOUNT
はマウントリクエストです。
DISMOUNT
はマウント解除リクエストです。
ENTER
は、手動または自動モードの enter
リクエストです。
EJECT
は取り出しリクエストです。
監査
は監査リクエストです。
ACSMV
は移動リクエストです。
ACSCR
はボリューム回復アクティビティーです。このアクティビティーは ACSLS 処理によって自動的に生成されます。
vol_id
はボリューム識別子です。
home_loc
はボリュームのホーム (ストレージセル) 位置です。
function_loc
は、ボリュームを使用した次のリクエストのボリュームの位置です。
mount
または dismount
リクエスト
位置はトランスポート ID です。
enter
または eject
リクエスト
位置は CAP ID です。
audit
リクエストは、監査が次のいずれかのエラーを検出したことを指定します。
STATUS_VOLUME_FOUND
監査がデータベースに指定された位置と一致しない位置でボリュームを見つけました。
STATUS_VOLUME_NOT_FOUND
監査がデータベースに指定された位置でボリュームを見つけられませんでした。
ボリューム回復アクティビティー
位置はセル ID またはトランスポート ID であり、ボリューム回復によって次のいずれかの状況が検出されたことを示します。
STATUS_VOLUME_FOUND
データベースに記録されていないボリュームが見つかり、追加されます。
STATUS_VOLUME_NOT_FOUND
データベース内のボリュームが記録されている位置で見つからず、削除されます。
client_host_ID
は次のいずれかです。
クライアントアプリケーションのリクエストの場合は、ホストの IP アドレスです。
cmd_proc
のコマンドの場合、cmd_proc
が開始されたシェルの環境に環境変数 LIBVOLSTATS_CMD_PROC_ID
が設定されている (ASCII 文字のみ) 場合、エントリはその環境変数の値の最初の 12 文字です。
cmd_proc
コマンドの場合、環境変数 LIBVOLSTATS_CMD_PROC_ID
が設定されていないか、ASCII 以外の文字が含まれている場合、エントリはローカルです。