11 レポートおよびロギング

この章では、次のことを行う方法について説明します。

  • カスタムボリュームレポートを作成します

  • ボリューム移動の統計情報のレポートを作成します

カスタムボリュームレポートの作成

volrpt ユーティリティーを使用すると、ボリュームレポートを作成できます。詳細は、volrptを参照してください。$ACS_HOME/data/external/volrpt/owner_id.volrpt は、カスタマイズしたボリュームレポートを作成するためのテンプレートとして実行または使用できるサンプル入力ファイルです。カスタマイズしたボリュームレポートを $ACS_HOME/data/external/volrpt ディレクトリに保存することもできます。この手順は、volrpt ユーティリティーの入力ファイルを作成して、カスタムボリュームレポートを作成する場合に使用します。

カスタムボリュームレポートを作成するには、次の手順を実行します。

  1. acsss としてログインします。

  2. UNIX コマンドツールを開きます。

  3. カスタムボリュームレポートディレクトリに変更します。

    cd /home/ACSSS/data/external/volrpt

  4. ボリュームレポートのサンプルファイルを、新しいカスタムファイルにコピーします。

    cp owner_id.volrpt my.volrpt

    my.volrpt は新しいファイルに割り当てる名前です。

  5. vi などのテキストエディタを使用して my.volrpt ファイルを編集し、カスタムレポートに表示するフィールドおよび形式を指定します。

    • サンプルファイル内に一覧されているフィールドを指定できます。

    • 各エントリの形式は次のとおりです: field_name field_length delimiter_length

    • フィールドの長さおよび区切りには任意のサイズを指定できます。指定したすべてのフィールドが、レポートを出力したときに 1 行に収まるようにしてください。

    • 詳細な編集手順はサンプルファイルに示されています。

  6. ファイルの編集が終了したら、保存します。

カスタムボリュームレポート

次の例に示すように、入力ファイルにフィールド、フィールドの長さ、および区切りの長さを指定することによって、カスタマイズされたレポートを作成します。

################################################################
#
# FIle name: owner_id.volrpt
#
# This file describes the report layout for volrpt invoked with   # the -f option. # volrpt -f <filename>
#
# The format of a line is:
# field_namefield_lengthdelimiter_length
#
# The field length is the number of characters which will be printed for
# the field. The delimiter length is the number of spaces that will be
# printed after the field. If you leave out the lengths, or specify a
# value of -1, the default values will be used. Default delimiters are
# always 2. ere are the fields and their default lengths.
# 
# ACCESS_COUNT       5      2
# ACCESS_DATE       15      2
# CELL_ID           14      2
# DRIVE_ID          10      2
# ENTRY_DATE        15      2
# LABEL_ATTR         5      2
# LOCK_ID            5      2
# LOCK_TIME         15      2
# MAX_USE            5      2
# MEDIA_TYPE         7      2
# OWNER_ID          20      2
# POOL_ID            5      2
# VOLUME_ID          6      2
# VOL_STATUS        17      2
# VOLUME_TYPE        4      2
#
# Revision History:
# xx/xx/xx Name     Changes
#
################################################################
VOLUME_ID            6      2
MEDIA_TYPE           7      2
DRIVE_ID            12      2
CELL_ID             14      2
OWNER ID            -1      0

この入力ファイルから、表示されるカスタマイズされたレポートを生成します。ほかの使用方法としては、次の例に示すように、カスタマイズされたレポートを使用してボリュームの所有者を報告できます。

入力ファイルを使用した、カスタマイズされたボリュームレポートの例:

2014-06-30 13:22:07

TOTAL    VOLUMES:2   SEQUENCE:   sort by volume identifier

Volume   Media                     Home                   Owner

Label    Type       Drive ID       Location               ID

RB1400   3480       Not-in-drv     0, 1, 1, 0, 0          cray
RB1401   DD3A       0, 0, 1, 0     0, 1, 2, 0, 0          cray

カスタムボリュームレポートの例

次の volrpt には、ACS 0 と 1、不在ボリュームと取り出し済みのボリュームが含まれており、ボリュームのステータスが示されています。

入力 volrpt オプション:

volrpt -f my.volrpt -a 0 1 -i

これらの制御文は、出力を選択およびフォーマットするために使用します。

カスタムボリュームレポート制御文の例:

CELL_ID          14           2
VOLUME_ID         6           2
VOL_STATUS       17           0
POOL_ID           5           2
ACCESS_COUNT      5           1
LOCK_ID           5           1
OWNER_ID         20           0

不在ボリュームおよび取り出し済みのボリュームを示すカスタム volrpt の例:

VOLUME REPORT UTILITY

2014-06-03 15:27:48

TOTAL VOLUMES: 61      SEQUENCE: sort by volume identifier

Home            Volume   Volume         Pool  Times  Lock Owner
Location---     Label   Status          ID    Mount  ID   ID------------

1, 0, 0, 0, 0   ABC001  VOLUME_HOME      0    2     0     presc
0,-1, 0, 0, 0   ABC002  VOLUME_ABSENT    0    0     0
0,-1, 0, 0, 0   ABC003  VOLUME_ABSENT    0    0     0
1, 3, 0, 0, 3   ABC004  VOLUME_MISSING   0    0     0
1, 3, 0, 0, 4   ABC005  VOLUME_MISSING   4    0     28001 tom
1, 3, 0, 0, 5   ABC006  VOLUME_MISSING   0    0     0
0,-1, 0, 0, 0   ABC007  VOLUME_ABSENT    0    0     0
1, 0, 0, 0, 7   ABC008  VOLUME_HOME      0    0     0
0,-1, 0, 0, 0   ABC009  VOLUME_ABSENT    0    0     0
0,-1, 0, 0, 0   ABC010  VOLUME_ABSENT    0    0     0     presc
1, 0, 0, 0,10   ABC011  VOLUME_HOME      0    0     0
1, 0, 0, 0,12   ABC012  VOLUME_HOME      0    0     2371  abc012
1, 0, 0, 0,13   ABC013  VOLUME_HOME      0    0     28001
1, 0, 0, 0,14   ABC014  VOLUME_HOME      0    0     28001
0,-1, 0, 0, 0   ABC015  VOLUME_ABSENT    1    0     29712
0,-1, 0, 0, 0   ABC016  VOLUME_EJECTED   1    0     29712
0,-1, 0, 0, 0   ABC017  VOLUME_ABSENT    1    0     29712
0,-1, 0, 0, 0   ABC018  VOLUME_ABSENT    1    0     29712
1, 0, 0, 0,19   ABC019  VOLUME_HOME      1    0     0
1, 0, 0, 0,20   ABC020  VOLUME_HOME      1    0     0
0,-1, 0, 0, 0   ABC021  VOLUME_ABSENT    0    0     0
0,-1, 0, 0, 0   ABC022  VOLUME_ABSENT    4    0     0

ロギングボリューム統計レポートの作成

ボリュームログファイル ( acsss_stats.log) を使用して、ボリューム移動の統計情報をログに記録できます。これらの統計は、ボリュームの位置が変更されたことを ACSLS が検出したときに記録されたエントリで構成されます。ACSLS は、挿入、取り出し、マウント、マウント解除が行われたとき、およびボリュームの位置が (通常は手動で移動することによって) 変更されたことを監査が検出したときにエントリをログに記録します。

acsss_config 構成プログラムを使用して、次を実行します。

  • LIB_VOL_STATS 変数を使用して、ボリューム統計のロギングを有効または無効にします。

  • ボリューム統計ログファイルの最大サイズを指定します。

  • ボリューム統計ログファイルのロールオーバーファイルの数を指定します。

stats_report ユーティリティーは、acsss_stats.log を使用してすべてのマウントおよびテープドライブの使用を報告します。

ボリューム統計ログファイルには、ボリューム統計のロギングが有効または無効のいずれであるかを通知する収集モードのエントリ、およびボリューム統計情報のエントリが含まれています。

ボリューム統計ログファイルのエントリの例:

2014-06-30 08:53:00 CONFIG
Library volume statistics on.

2014-06-30 09:23:08 EJECT
U01120 Home 0,0,1,3,5 Cap 1,0,0 Client Host Id 129.81.15.25

2014-06-30 10:36:05 ENTER
PB0444 Home 0,0,4,3,5 Cap 0,0,0 Client Host Id 129.81.15.25

2014-06-30 10:42:48 MOUNT
PB0478 Home 0,0,1,35,1 Drive 0,0,1,0 Client Host Id Local

2014-06-30 10:43:19 DISMOUNT
PB0478 Home 0,0,1,35,1 Drive 0,0,1,0 Client Host Id Local

2014-06-30 10:43:19 AUDIT 
RB0478 0,0,1,35,1  STATUS_VOLUME_NOT_FOUND Client Host Id JBHUTTO

2014-06-30  10:43:19  AUDIT
PB0444  0,0,1,32,1 STATUS_VOLUME_FOUND Client Host Id JBHUTTO

2014-06-30 10:45:00 CONFIG
Library volume statistics off.

2015-01-16 09:51:07 ACSCR
0A1235 Home 0,0,5,14,14 STATUS_VOLUME_NOT_FOUND Client Host Id Local

2015-01-16 09:40:13 ACSCR
0A123A Home 0,0,5,14,15 STATUS_VOLUME_FOUND Client Host Id Local

前述の例では、収集モードのエントリは、統計収集が 2014 年 6 月 30 日午前 8:53 に開始され、同じ日の午前 10:45 に終了したことを示しています。これらの収集の開始時間および停止時間の間に、この収集期間のボリューム統計のエントリがあります。

ボリューム統計情報のエントリの形式は次のとおりです。

  • yyyy-mm-dd hh:mm:ss command

    vol_id home_loc function_loc client_host_ID

ここでは:

  • yyyy-mm-dd はエントリの年、月、および日です。4 桁の年形式がサポートされています。日付の形式は acsss_config を使用して指定します。

  • hh:mm:ss は、エントリの時間、分、および秒です。

  • command は、ボリュームを移動したか、(監査によって) ボリュームの移動が検出された ACSLS のコマンドまたはクライアントリクエストです。

    • MOUNT はマウントリクエストです。

    • DISMOUNT はマウント解除リクエストです。

    • ENTER は、手動または自動モードの enter リクエストです。

    • EJECT は取り出しリクエストです。

    • 監査 は監査リクエストです。

    • ACSMV は移動リクエストです。

    • ACSCR はボリューム回復アクティビティーです。このアクティビティーは ACSLS 処理によって自動的に生成されます。

  • vol_id はボリューム識別子です。

  • home_loc はボリュームのホーム (ストレージセル) 位置です。

  • function_loc は、ボリュームを使用した次のリクエストのボリュームの位置です。

    • mount または dismount リクエスト

      位置はトランスポート ID です。

    • enter または eject リクエスト

      位置は CAP ID です。

  • audit リクエストは、監査が次のいずれかのエラーを検出したことを指定します。

    • STATUS_VOLUME_FOUND

      監査がデータベースに指定された位置と一致しない位置でボリュームを見つけました。

    • STATUS_VOLUME_NOT_FOUND

      監査がデータベースに指定された位置でボリュームを見つけられませんでした。

    • ボリューム回復アクティビティー

      位置はセル ID またはトランスポート ID であり、ボリューム回復によって次のいずれかの状況が検出されたことを示します。

      • STATUS_VOLUME_FOUND

        データベースに記録されていないボリュームが見つかり、追加されます。

      • STATUS_VOLUME_NOT_FOUND

        データベース内のボリュームが記録されている位置で見つからず、削除されます。

  • client_host_ID は次のいずれかです。

    • クライアントアプリケーションのリクエストの場合は、ホストの IP アドレスです。

    • cmd_proc のコマンドの場合、cmd_proc が開始されたシェルの環境に環境変数 LIBVOLSTATS_CMD_PROC_ID が設定されている (ASCII 文字のみ) 場合、エントリはその環境変数の値の最初の 12 文字です。

    • cmd_proc コマンドの場合、環境変数 LIBVOLSTATS_CMD_PROC_ID が設定されていないか、ASCII 以外の文字が含まれている場合、エントリはローカルです。