この章では、次の ACSLS ユーティリティーについて説明します。
acs_renumber.shを使用すると、接続されているライブラリを再構成しなくても、ライブラリコンプレックス内の指定された ACS の識別子を変更できます。
acsss マクロは、ACSLS の起動と停止、および保守とトラブルシューティングの制御とモニターを行います。
bdb.acsssは、ACSLS データベースおよび ACSLS 制御ファイルをバックアップします。
動的構成 (config) ユーティリティーは、ACSLS をオンラインで実行した状態のままで、ACSLS ライブラリ (およびコンポーネント) に構成変更を動的に実行します。それらの構成ユーティリティーを次に示します。
config acsは、動的に ACS を追加したり、既存の ACS およびそのコンポーネントを再構成したりします。
config drives
- 既存のドライブパネルで、ドライブの追加、ドライブタイプの変更、およびドライブの削除を動的に行います。
config lsmは、既存の LSM およびそのすべてのコンポーネントを動的に再構成します。これらのコンポーネントには、CAP、パネル、およびドライブが含まれます。
config portsは、ACS へのポート接続を動的に再構成します。
db_export.sh
は、ACSLS のアップグレードインストールまたは再インストールを準備するために ACSLS データベースの情報および ACSLS 制御ファイルをエクスポートします。
db_import.sh
は、db_export.shユーティリティーを使用したときにエクスポートされた ACSLS データベースの情報および ACSLS 制御ファイルをインポートします。
del_vol
は、オフラインの LSM からボリュームを削除します。
drives_media.shは、現在の ACSLS のリリースによってサポートされるすべてのドライブタイプ、メディアタイプ、およびドライブとメディアの互換性を表示します。
ejecting.shは、大量の取り出し操作を迅速かつ効率的に行います。
free_cells.shを使用すると、ACSLS によって制御されているライブラリ内の空きセルをモニターおよび管理できます。
getHba.shは、ファイバチャネル HBA ポートを管理します。
get_license_infoは、使用権ライセンスのソフトウェアでの施行が ACSLS で採用されなくなったため、ACSLS リリース 7.3.1 および 8.0.1 以降では削除されています。ACSLS によって制御されているライブラリの空きセル数を表示および管理するには、free_cells.shを使用します。
greplogは、acsss_event
ログをフィルタ処理して、特定のキーワードを含むメッセージを含めたり除外したりします。
install_scsi_Linux.shは、ACSLS にライブラリを構成するときに使用できる /dev/mchanger
リンクを作成します。
lib_type.shは、指定された ACS ID に接続されている LSM の LSM タイプを返します。
licensekey.shは、ライセンスキー検証が採用されなくなったため、ACSLS リリース 7.3.1 および 8.0.1 以降では削除されています。
moving.shは、複数のカートリッジを 1 つ以上の LSM に移動します。
probeFibre.shは、Emulex (LP10000) または QLogic (QLA2300) ファイバチャネル HBA の背後に接続されている各デバイスのモデル番号、リビジョンレベル、およびターゲット LUN アドレスを表示します。
rdb.acsss
は、ACSLS データベースおよび ACSLS 制御ファイルを復元します。
showDevs.sh
は、Solaris 上に構成されているすべての mchanger デバイスの詳細を表示します。
showDrives.shは、ACSLS に接続されているすべての構成済みのドライブのリストを表示します。
stats_report
は、ライブラリボリュームの統計情報を収集します。
userAdmin.shは、ACSLS GUI ユーザーのパスワードを管理します。ユーザーの追加、ユーザーの削除、ユーザーの一覧表示、ユーザーパスワードの変更を行うことができます。
volrpt
はボリュームレポートを作成します。
watch_vols
は、CAP を使用して挿入されたボリュームに所有権およびプールの関連付けを自動的に割り当てます。
ACSLS ユーティリティーを使用する場合は、次の一般的なガイドラインに従ってください。
通常、この章で説明しているユーティリティーは、ユーザー acsss
が実行することが意図されています。これらを実行するために必要な権限および環境の依存関係を継承するには、ユーザー acsss
としてログインしてください。
su
を使用する場合は、su - acsss
を使用してください。
次の操作を行なった場合は、bdb.acsss
を使用してデータベースをテープに手動でバックアップすることをお勧めします。
ライブラリハードウェアの構成。
データベースのインポート。ACSLS の新しいバージョンにアップグレードしたあとに、以前のバージョンで作成されたデータベースバックアップを使用しないでください。アップグレードしたらすぐに新しいバックアップを作成します。
データベースの回復。
正確で一貫性のあるデータベースが回復されるように、最新のデータベースバックアップを常に使用してください。
ユーティリティーが失敗した場合は、すべてのイベントログを保持します。これらのログは、問題の解決をサポートするために役立ちます。
ACSLS 7.x で使用された起動スクリプトおよび停止スクリプトは、ACSLS 8.x.ではサポートされません。
ACSLS 8.x は、Solaris Service Management Facility (SMF) に統合されたライブラリ管理アプリケーションを起動および停止するための新しいメカニズムを提供しています。これは、ACSLS で使用されていた rc.accsss
および kill.acsss
に置き換わるものです。このメカニズムは、アプリケーションのステータスをモニターする機能も提供しています。
ACSLS 8.x を起動および停止するには acsss
コマンドを使用します。単一のコマンド acsss
によって、ACSLS の起動、停止、およびモニタリングの機能が提供されます。このユーティリティーは $ACS_HOME
ディレクトリにあり、すべてのユーザーがアクセスできます。
次のセクションでは、ACSLS ユーティリティーについて説明します。
これは、接続されているライブラリを再構成しなくても、ライブラリコンプレックス内の指定された ACS の識別子を変更できる簡単なツールです。ライブラリ内のすべての LSM、CAP、ドライブ、およびボリュームは ACS との関係で識別されるため、割り当てる新しい ACS ID と各ライブラリリソースが一致するように、このユーティリティーはすべての各種データベーステーブルを更新します。
新しい論理ライブラリは現在アクティブなパターンを使用します。たとえば、ACS 0 を 1 に変更した場合、1001 および 1002 はそのままですが、ACS 1 内の新しい論理ライブラリは 2001 となります。ACS 6 を ACS 0 に変更した場合、7001 はそのままですが、ACS 0 内の新しい論理ライブラリ 1003 になります。新しく追加されるものは ACS に基づいて予測できますが、実際の対応関係はなくなります。
注:
このユーティリティーによって行われた変更は ACSLS サーバーにのみ適用され、これらのリソースを使用するクライアントアプリケーションには適用されません。このため、サーバーで ACS ID を変更したあとに、クライアントのデータベースを再構成する必要がある場合があります。注:
このスクリプトを実行する前に、ACSLS を無効にする必要があります。ACS に割り当てられている番号を変更するには、acs_renumber.sh
を実行します。対話型セッションでは、変更するとクライアントアプリケーションに影響を与えることが最初に警告され、続行するかどうかを確認されます。
$ acs_renumber.sh N O T I C E Changes made by this script will impact client applications that use ACSLS. Specifically, drive i.d. mappings and LSM id's will change. Continue...? (y or n):
「y
」と応答すると、変更が行われる前に、このルーチンによって既存のデータベースが自動的にバックアップされます。これにより、変更を元に戻す必要がある場合に、以前の構成に復元できます。(acs_renumber.sh
ルーチンを繰り返して実行することによって変更を元に戻すこともできます。)
このルーチンは現在構成されている ACS のリストを表示し、それぞれについて、その ACS の番号を変更するかどうかを尋ねます。変更する場合は、割り当てる新しい値の入力を求められます。
Current ACS list: ACS-0 (SL8500) Do you wish to renumber ACS-0? (y or n): What is the new value for ACS-0? 5
入力を受け入れ (この例では、応答は 5 です)、ルーチンは保留中の変更の確認を求めます。
Change ACS-0 to ACS-5. Correct? (y or n):
「y」と応答すると、ルーチンは関連するすべてのデータベーステーブルの更新を開始し、行なった変更のチェックポイントを作成するために、自動的にデータベースをバックアップします。
Updating tables: Changing ACS-0 to ACS-5 acstable: 1 records captable: 4 records celltable: 13424 records drivetable: 128 records handtable: 16 records lmutable: 0 records lsmtable: 8 records paneltable: 280 records porttable: 1 records ptptable: 16 records scr_distr_table: 0 records volumetable: 0 records Complete! Current ACS list: ACS-5 (SL8500) Now backing up the database changes...
acsss
マクロは、ACSLS に関連付けられているさまざまなサービスを起動および停止する主要な起動、停止、およびステータスのコマンドです。インストール内容によりますが、ACSLS アプリケーションは Solaris または Linux システムにインストールされる最大 7 つのサービスで構成された集合体です。
acsdb
- ACSLS ライブラリデータベースを管理します。
acsls
- ライブラリ操作を実行するライブラリ制御ソフトウェア。
weblogic
- ACSLS GUI の Web サーバー。
surrogate
- java サービスと acsls の間の通信リンク。
rmi-registry
- 名前付き java オブジェクトおよびメソッドの検索サービス。
smce
- 論理ライブラリの SCSI メディアチェンジャーエミュレーション。
stmf
- 論理ライブラリのターゲットモードフレームワーク。
acsls
サービスおよび acsdb
サービスはすべてのインストールで共通しています。weblogic
、surrogate
、および rmi-registry
サービスは、ACSLS GUI のサポートが構成されている場所に存在します。smce
および stmf
サービスは、(Solaris 上に) 論理ライブラリが構成されている場合にのみ適用されます。
すべてのサービスは、1 つのマクロ acsss
を使用して ACSLS ユーザーによって操作され、このマクロは異なるコンポーネント間の依存関係によって必要となる定義済みの順序でこれらのサービスを起動および停止します。このマクロは、Solaris の Service Management Facility (SMF) および Linux の init.d
サービスユーティリティーにコマンドを発行して、実際の作業を行わせます。
コマンド | 機能 |
---|---|
enable |
これは ACSLS に関連付けられているすべてのサービスを起動するためのデフォルトの方法です。有効にすると、各種サービスが有効な状態で維持され、システムのリブート後に自動的に再度有効になります。 |
temp-enable |
acsss enable と同じですが、システムのリブート後にサービスは再起動しません。 |
maint-enable |
ACSLS データベースが関係しない一般的な保守作業での使用を目的としています。このオプションを使用すると、ACSLS が無効になっていても、GUI ユーザーは GUI インフラストラクチャーでログイン状態を維持できます。このメソッドは、マイナーなソフトウェアパッチのインストールを行う場合に使用されます。acsls および smce サービスのいずれも有効になりません。 |
db |
これは、db_export 、db_import 、およびacsss_config を含むデータベース保守作業での使用が推奨されている制御モードです。ACSLS データベースエンジンを有効化し、ACSLS GUI を含むその他すべての ACSLS サービスを無効化します。 |
disable |
ACSLS 処理の停止に使用するデフォルトメソッドです。これは完全な停止ではなく、acsls および smce サービスが無効化されたあとでも、データベースと GUI ログインセッションのアクティブの状態が維持されるため保守作業を実行できます。結果の状態は、acsss maint-enable と同じです。ACSLS とライブラリをアイドル状態にしてからサービスを無効化するため、サーバーを停止するのにもっとも安全なメソッドです。 |
force-disable |
acsss disable と同じですが、この操作では、アイドル状態になるのを待たずに acsls と smce を無効化します。 |
shutdown |
これは、すべての ACSLS サービスを完全にシャットダウンします。ソフトウェアのインストールやアンインストールのほか、データベース (acsdb) または GUI インフラストラクチャー (rmi-registry および surrogate) のシャットダウンが必要になるその他の保守作業での使用を目的としています。 |
status |
さまざまな ACSLS サービスの簡易的なステータスレポートを提供します。 |
a-status |
acsdb サービスの動作ステータスを返します。 |
d-status |
acsls サービスの動作ステータスを返します。 |
g-status |
ACSLS GUI のステータスを表示します。 |
l-status |
さまざまな ACSLS サービスの冗長ステータスサマリーを表示するほか、トラブルシューティング時の詳細分析に役立つログデータへのポインタも表示します。参照先のログはサービスの開始や停止に失敗したときに役立ちます。 |
p-status |
acsss status と同様で、各サービス契約によってモニターされているさまざまなプロセス ID のリストが表示されます。 |
w-status |
Weblogic サービスのステータスを表示します。 |
timeout |
Solaris 上の acsls サービスの SMF 起動の timeout を報告します。 |
legal |
ACSLS の法律上の注意点を英語またはフランス語で表示します。 |
ほとんどの場合、上位 3 つのコマンド (enable
、disable
、および status
) のみを使用します。残りのコマンドは、ソフトウェアを保守する場合の利便性のためにあります。
bdb.acsss
ユーティリティーは、ACSLS 環境を再構築するときに必要な ACSLS データベースの内容および ACSLS 制御ファイルをバックアップします。バックアップは、指定した tar ファイルまたはテープデバイス、またはデフォルトとして定義されているディレクトリ内に出力されます。
このユーティリティーは、ACSLS を停止することなく、ACSLS データベースのバックアップを実行します (ホットバックアップ)。
-f
オプションを指定しない場合は、/export/backup/<
time_stamp
>.tar
ファイルが作成されます。time_stamp
は bdb.acsss
コマンドが実行された時間です。bdb.acsss
の実行後にテープの内容を確認するには、次の例を特定のテープデバイスに変更します。
Solaris の場合:
tar tvbf 2048 /dev/rmt/0mn
tar tvbf
コマンドの実行後、テープは次のブロックに進みます。tar tvbf
コマンドの実行後に rdb.acsss
を実行する場合は、テープを巻き戻すか、再度位置設定してください。
bdb.acsss
[-f
backup_file
| tape_device
]
オプションを指定せずに bdb.acsss
を入力した場合は、このバックアップが実行された時点にデータベースを復元する機能を提供するデフォルトのバックアップが実行されます。
-f
backup_file
ACSLS データベースのバックアップを出力する UNIX ファイルを指定します。ファイルおよびディレクトリへの書き込み権限が必要です。
-f
tape_device
ACSLS サーバーに接続および構成されているテープデバイスを指定します。
bdb.acsss
ユーティリティーは、必要に応じてデータベースの回復に使用できるバックアップを作成するために、ACSLS データベースをテープまたは外部ネットワークファイルにバックアップするために使用します。
次の操作を行なったあとに、bdb.acsss を使用してデータベースを手動でバックアップすることをお勧めします。
acsss_config
の実行。
データベースのインポート。ACSLS の新しいバージョンにアップグレードしたあとに、以前のバージョンで作成されたデータベースバックアップを使用しないでください。
ライブラリ全体の監査。
データベースの回復。
例 1:
$ bdb.acsss -f /export/backup/my_backup
この例では、my_backup
という名前のファイルが
/export/backup
ディレクトリに作成されました。ファイルがある場所にファイルを保持するか、別のファイルシステム、別のサーバー、または書き込み可能な CD デバイスに移動するかを選択できます。
このファイルは、バックアップが実行されたときの状態にデータベースの復元するために使用できます。たとえば、バックアップが金曜日の午後 1:00 に実行され、復元が月曜日の午前 6:00 に実行された場合、データベースは金曜日の午後 1:00 の状態に戻ります。
この同じ -f
オプションに、ファイル名の代わりにテープデバイスを指定でき、バックアップは指定されたテープデバイスに書き込まれます。
例 2:
$bdb.acsss -f /dev/rmt/0mn
この例では、テープデバイス /dev/rmt/0mn
にテープアーカイブが作成されました。これは、あとで使用するためにオフサイトの場所に格納できます。
関連項目:
動的構成 (config
) ユーティリティーを使用すると、ACSLS がオンラインで実行しているときに、ACSLS ライブラリ (およびコンポーネント) に構成の変更を実装できます。これらの構成の変更は、acsss_config.log
ファイルに記録されます。
次の動的構成ユーティリティーがサポートされています。
config acs
config drives
config lsm
config ports
config
ユーティリティーの使用には次の利点があります。
ACSLS は実行を続けることができ、影響を受けないライブラリコンポーネントへのマウントリクエストを実行できます。
ほかの構成情報はすべて変更せずに、指定したライブラリコンポーネントを再構成できます。たとえば、次を指定する場合:
ACS の場合、ほかの ACS の構成は影響を受けません。
LSM の場合、ほかの LSM の構成は影響を受けません。
ドライブパネル、パネル上のドライブ、既存のすべてのドライブに対するマウントおよびマウント解除は影響を受けません。
次の点を理解することが重要です。
動的 config
ユーティリティーを使用するには、ACSLS が実行されている必要があります。
acsss_config
を使用して ACSLS の初期構成を作成する必要があります。ACSLS の動作を制御する変数の設定を参照してください。
イベント通知はすべての動的構成変更を報告します。
動的構成を実行する前に、追加または再構成しているすべてのコンポーネントの準備ができていることを確認します。
acsss_config.log
ファイルは、表示されたメッセージに関する詳細を提供します。
構成変更の確認を行なっていない場合は、[[CTRL]]+C
を押して操作を取り消す (cancel
) ことができます。
動的構成は、構成変更の前後に自動バックアップを実行します。
構成変更を確認したあとに取り消すことはできません。構成変更を元に戻す場合は、ACSLS を停止して、構成変更が行われる直前に取得されたバックアップを復元します。
構成変更の確認は 10 分後にタイムアウトします。
ACS (または最後の ACS) のみを削除することはできません。
ACS 内の最後の CAP、または ACSLS に定義されている最後のドライブを取り外さないでください。
動的構成ユーティリティーには 2 つの重要な制限があります。
ACS の削除、あるいはライブラリへのポート (接続) の削除または変更を行うことはできません。
既存の SCSI/ファイバで接続されたライブラリの場合は、config acs
ユーティリティーおよび config lsm
ユーティリティーでドライブ構成のみを更新できます。パネル構成または CAP 構成は更新されません。config drives
および config acs
new
は、SCSI/ファイバで接続されたライブラリに対して制限なしに動作します。config ports
ユーティリティーは、SCSI/ファイバで接続されたライブラリではサポートされません。
解決方法:
動的構成でサポートされない構成変更の場合は、ACSLS を停止して acsss_config
を使用する必要があります。
config acs
ユーティリティーを使用すると、次を行うことができます。
ACS の追加、または既存の ACS とそのコンポーネントの再構成
すべての ACS 番号を順番に割り当てることなくライブラリを構成または再構成できます。
たとえば、9310 ライブラリから SL8500 に移行してから、9310 を削除するとします。9310 には ACS 0、SL8500 には ACS 1 の番号が付けられます。config acs
を使用すると、すべてのカートリッジとドライブを SL8500 に移行し、その後、SL8500 の番号を変更せずに 9310 を取り外すことができます。
ACSLS を停止せずに、config acs
acs_id new を使用して SL8500 ライブラリを追加します。
9310 から SL8500 にドライブを移動し、config acs
acs_id を使用して両方の ACS のドライブ構成を更新します。
9310 からカートリッジを取り出して、SL8500 に挿入します。
最後に、ACSLS を停止する機能停止をスケジュールし、acsss_config
を使用して構成から 9310 を削除します。9310 を構成しないでください。SL8500 が (デフォルトのゼロではなく) ACS 1 であることを忘れずに指定してください。
パーティション分割された ACS の構成。
LSM の追加または取り外し。config lsm
ユーティリティーで行うことができるのは、既存の LSM の再構成のみであるためです。
各 ACS には少なくとも 1 つの CAP が必要です。これは、別のパーティションと共有される CAP にできます。ACSLS システム全体に対して少なくとも 1 つのドライブが構成されている必要があります。
たとえば、ACSLS が 4 つのライブラリをサポートしている場合、3 つのライブラリにはゼロ (0) 個のドライブを含めることができます。ただし、4 番目のライブラリには、少なくとも 1 つのドライブが含まれている必要があります。
新しい ACS を追加するには:
次のコマンドを入力します。
config acs new
新しい ACS の ACS 番号を指定します。
ACSLS では、すべての ACS 番号を順番に割り当てることなく、ライブラリの構成または再構成を行うことができます。
すでに使用されている ACS 番号および最初の 5 つの使用可能な ACS 番号が表示されます。
新しい ACS の ACS 番号を入力します。
ACS をパーティション分割された SL8500 または SL3000 内に配置するかどうかを選択します。
「y」を入力した場合は、ACS のパーティション ID を指定するように求められます。
このパーティション ID は、SL コンソール上のパーティション ID と一致する必要があります。
これがパーティション分割されたライブラリではない場合、または SCSI/ファイバで接続されている場合は、「n」を入力します。
ACSLS は、パーティション分割された SCSI/ファイバ接続ライブラリ (SL500 など) をサポートしていません。また、パーティション分割された SCSI/ファイバ接続ライブラリには、パーティション ID はありません。
ACS への接続数に続けて、デバイスまたはホスト ID を入力します。
最大 15 接続を持つことができます。
注:
すべてのポートが同じ ACS に接続されることを確認します。新しい ACS 構成が表示されます。
新しい ACS の追加を確認します。
確認すると、構成情報が表示され、データベースが更新されます。
ACS を再構成するときは、可能な場合、ACS をオンラインまたは診断モードにしてください。
ACS を再構成するには:
次のコマンドを入力します。
config acs
acs_id
古い構成と新しい構成が表示されます。
新しい構成を確認します。
確認後、データベースが更新されます。
構成が変更されていない場合は、確認を求められずに構成が表示され、ユーティリティーが終了します。これの例:
ドライブタイプまたはシリアル番号あるいはその両方の変更のみ
LSM シリアル番号の変更
4410 と 9310 の間の LSM タイプの変更のみ
SL8500 ロボットなどのハンドの数の変更。
ただし、確認を必要とするほかの変更とともにこれらの変更が発生した場合は、新しい構成を確認します。その後、データベースが更新されます。
ACS およびそのコンポーネントがデータベースから削除されます。
config drives
ユーティリティーを使用すると、既存のドライブパネル上のすべてのドライブを再構成できます。これには、ドライブの追加、既存ドライブのドライブタイプおよびシリアル番号の更新、データベースから削除されたドライブの削除が含まれます。
config drives
ユーティリティーは、ドライブ構成を動的に変更する (既存のドライブパネル上のドライブの取り付け、交換、または取り外しを含む) ために使用します。テープライブラリのハードウェア構成へのその他の変更 (ストレージセルの数または場所あるいはその両方の変更、CAP の数またはサイズの変更、ドライブパネルがあるストレージセルパネルの交換など) は、config lsm または config acs
ユーティリティーを使用して行う必要があります。
注:
変更されたドライブ構成を持つパネルを含む LSM は、オンラインまたは診断モードである必要があります。
再構成されているドライブパネルで、すべてのドライブの準備ができている必要があります。
追加、取り外し、または変更が行われたドライブを認識するには、SCSI 接続されたライブラリを IPL する必要があります。ライブラリを IPL するときには、すべてのドライブの準備ができている必要があります。
既存のドライブを新しいドライブに交換するときに、LSM、ドライブタイプをオンラインに変更した場合、または config drives
を実行した場合、ドライブタイプおよびドライブのシリアル番号が自動的に更新されます。
このユーティリティーを使用すると、既存の LSM およびそのすべてのコンポーネントを再構成できます。これらのコンポーネントには、CAP、パネル、およびドライブが含まれます。
ACS に LSM を追加または削除する場合は、config acs
ユーティリティーを使用する必要があります。
パネルを変更するときの手順:
取り外すか、変更しているパネルがあり、カートリッジが空にされている場合、LSM はオンラインのままにできます。
取り外すか、変更しているパネルがあり、カートリッジが含まれている場合は、LSM を再構成して影響を受けるパネルを監査するまで、影響を受ける LSM を診断に変更 (vary
) することをお勧めします。この手順を実行しない場合、マウントおよびマウント解除が失敗することがあります。
パネルを追加して、それらのパネルにカートリッジを手動で配置した場合は、監査を実行してデータベースを一致させます。
LSM を再構成するには:
次のコマンドを入力します。
config lsm
lsm_id
古い構成と新しい構成が表示されます。
パネルの横にある「y
」は、パネルタイプが変更されたことを通知しています。詳細は、acsss_config.log
ファイルを参照してください。
新しい構成を確認します。
確認後、データベースが更新されます。
構成が変更されていない場合は、確認を求められずに構成が表示され、ユーティリティーが終了します。
小さい変更は確認なしで自動的に行われます。例:
ドライブタイプまたはシリアル番号あるいはその両方の変更のみ
LSM シリアル番号の変更
4410 と 9310 の間の LSM タイプの変更のみ
SL8500 ロボットなどのハンドの数の変更。
ただし、確認を必要とするほかの変更とともにこれらの変更が発生した場合は、新しい構成を確認します。その後、データベースが更新されます。
config ports
ユーティリティーを使用すると、ACS にポート接続を動的に追加できます。
注:
すべての新しいポートは、既存のポートと同じ ACS に接続される必要があります。config acs
acs_id を実行してから、config ports
acs_id を実行します。
1 つの ACS を別の ACS に置き換える場合、またはポート接続アドレスを変更する場合は、ACSLS を停止して acsss_config
を使用します。
次のコマンドを入力します。
config port
acs_id または config ports acs_id
指定した ACS の現在のポート接続が表示されます。
指定した ACS のポート接続の数を入力します。
最大 15 接続を持つことができます。
デバイスまたはホスト ID を指定します。
注:
新しいポートが既存のポートと同じ ACS に接続されることを確認します。古い構成と新しい構成が表示されます。
ポートの順序の変更は構成変更ではありません。接続は現在データベースに記録されている順序で表示されます。
新しい構成を確認します。
確認後、データベースが更新されます。
構成を変更していない場合は、構成が表示されて、ユーティリティーが終了します。
db_export.sh
ユーティリティーは、ACSLS のアップグレードインストールまたは再インストールを準備するために、ACSLS データベーステーブルのデータおよび ACSLS 制御ファイルをエクスポートします。
注:
ACSLS が実行されている場合は、db_export.sh
ユーティリティーを実行できません。db_export.sh
を実行する前に、acsss
disable
を実行します。-f
db_file
ACSLS データベースのバックアップを出力する UNIX ファイルを指定します。ディレクトリおよびファイルの両方に対する書き込みアクセス権。
注記:
データベースをファイルにエクスポートする場合、ファイルは非揮発性のディレクトリ内にある必要があります。ACSLS を再インストールする場合、再インストール作業によって $ACS_HOME または $ACSDB_BKUP (/export/backup など)
ディレクトリが破棄されます。エクスポートされたファイルはファイルシステム内の別の場所に配置してください。
ファイル名をパスなしで指定した場合、db_export
は現在の作業ディレクトリ内にそのファイル名でデータベースファイルを保存します。同じディレクトリの <filename>.misc
という名前のファイルに ACSLS 制御ファイルが保存されます。
一部のテープライブラリ、テープドライブ、またはカートリッジのメディアタイプをサポートしていない ACSLS の以前のリリースにデータベースをエクスポートする場合は、データベースをエクスポートする前に、サポートされていないテープライブラリを構成から削除し、ライブラリからテープドライブとカートリッジを取り出します。
-f
tape_device
ACSLS サーバーに接続および構成されているテープデバイスを指定します。
オプションを指定しない場合、システムはテープデバイスをデフォルトで選択します。
db_import.sh
ユーティリティーは、db_export.sh
ユーティリティーを使用したときにエクスポートされた ACSLS データベーステーブルのデータおよび ACSLS 制御ファイルをインポートします。ACSLS 制御ファイルは $ACS_HOME/data/external
にあり、ユーザーが定義できる変数および ACSLS の構成が含まれています。これらは、アクセス制御設定、スクラッチ優先順位、拡張ストア LSM、カスタム volrpt
設定、ボリューム属性 (watch_vols ユーティリティー用)、などを指定します。また、db_import.sh
ユーティリティーは、災害回復機能、および別のオペレーティングシステムに移動する場合または以前のリリースから移行する場合にカスタマイズされた動的変数を維持する機能を提供します。
-f
db_file
db_export.sh
によって作成された UNIX ファイルを指定します。
-f
tape_device
ACSLS サーバーに接続および構成されているテープデバイスを指定します。
オプションを指定しない場合、システムはテープデバイスをデフォルトで選択します。
del_vol
ユーティリティーは、ライブラリ内のボリュームを検査します。ボリュームを見つけることができない場合、del_vol
は、リクエストに応じて、ボリュームが見つからないまたは不在としてマークするか、データベースから削除します。
ボリュームの参照されているすべての場所を検証できない (LSM がオフラインである場合、ドライブの準備ができていない場合など) 場合、-n
(no_confirm_flag
) がオンである場合を除き、ボリュームを不在としてマークするか、削除することの確認を求められます。ボリュームを取り出すと、ボリュームおよびそれに関連付けられている情報 (スクラッチプールのメンバーシップ、現在のロックと保留中のロックなど) がデータベースから削除されます。
-q
(quiet_flag
) が入力されている場合を除き、ボリューム関連の情報が表示されます。複数のオプションを使用する場合は、個別のオプションの形式にするか、連続した文字列の形式にすることができます。
-n
オプションを指定した場合を除き、ボリュームを不在としてマークするか、削除する前に、del_vol
によって確認を求められます。
ボリュームがライブラリ内にある場合、データベースではアクティブなボリュームのままになります。
ボリュームがライブラリ内で見つからない場合、ボリュームを削除することを指定した場合を除き、不在としてマークされます。
ボリュームが配置されている可能性があるセルまたはドライブにアクセスできない (ライブラリまたはドライブがオフラインであるか、稼働していないため) 場合は、ボリュームを削除することが指定されている場合を除き、ボリュームが見つからないとしてマークされます。
注:
このユーティリティーは、ライブラリ内で見つかったボリュームを削除しません。
del_vol
ユーティリティーを使用すると、不在ステータスまたは取り出し済みステータスの期限切れを待つことなく、ボリュームレコードを削除できます。
del_vol
ユーティリティーをサポートするには、ACSLS が実行されている (有効化されている) 必要があります。
-n
確認なしモード。ユーザーに確認を求めずに、見つからないボリュームを不在としてマークするか、削除します。
-q
非出力モード。データベースから抽出された情報の一部を出力しません。
-d
不在ステータスまたは取り出し済みステータスの期限切れを待つことなく、指定されたボリュームを削除します。
-f
テープドライブ内でスタックしたカートリッジを再挿入することを許可します。-f
オプションを使用すると、ボリュームがライブラリ内に実際に存在するかどうかを確認せずに、ボリュームを削除するか、不在としてマークできます。これにより、障害のあるテープドライブにあったボリュームをデータベースから削除できます。このオプションを使用すると、ドライブの修復中に、ドライブからボリュームを取り出し、それをデータベースから削除してから、通常にライブラリで使用するためにボリュームを再挿入できます。
vol_id
削除するボリュームシリアル番号。
注:
ボリュームシリアル番号にドル ($) 記号が含まれている場合は、単一引用符で囲みます。例: del_vol ’AB$001’del_vol
は、カートリッジをオフラインの LSM から取り出し、オンラインの LSM に再挿入することによって、自動的にマウントできるようにするために使用できます。
オフラインの LSM からカートリッジを取り出します。
del_vol
を使用して、カートリッジを不在としてマークします。
オンラインの LSM にカートリッジを挿入します。
このユーティリティーを使用するには、ACSLS およびデータベースが起動および実行されている (アイドル状態ではない) 必要があります。
注:
データベースからカートリッジを誤って削除した場合は、削除されたカートリッジのホームセルを含むサブパネルを監査 (audit
) して、カートリッジをデータベースに再入力する必要があります。システムの回復中に del_vol
を実行すると、予期しない結果となることがあります。回復シーケンスは、vary LSM online
を実行しているときにも行われます。このルーチンは、現在のリリースの ACSLS によってサポートされるすべてのドライブタイプ、メディアタイプ、およびドライブとメディアの互換性を表示します。通常、情報は標準出力に表示されます。
サポートされているライブラリ、ドライブタイプ、メディアタイプ、およびドライブとメディアの互換性の最新のリストについては、ACSLS の製品情報ガイドを参照してください。
ejecting.sh
ユーティリティーは、大量取り出しボールト操作を容易にします。このユーティリティーは、指定された CAP およびボリュームのリストから動作し、ジョブ全体が完了するまで、並列で複数の取り出し操作を実行します。ユーザーがボリュームをソート順に取り出すことをリクエストした場合を除き、このユーティリティーは各ボリュームをもっとも近くにある指定された CAP に取り出します。
可能な場合、その操作がオペレータによる不要な CAP 操作を減らすことができるときは、もっとも近い CAP の代わりに空き領域がある近くの CAP が使用されます。この一般的なアプローチによって、カートリッジの移動が減り、不要な LSM パススルー移行が排除され、オペレータの全体的なワークロードが軽減されます。
すべての取り出しジョブは、操作が起動された単一のシェルウィンドウでモニターされ、要約が表示されます。複数の XTERM ウィンドウで使用する場合は、以降の -x
オプションを参照してください。特定の CAP が満杯になり、オペレータが「Remove cartridges from CAP
」を行う準備ができるたびに、ユーザーに通知されます。操作全体が完了すると、オペレータに通知されます。
過去の 10 日間のすべての取り出し操作の結果を示す一連のログが、$ACS_HOME/log/ejectingLogs
ディレクトリに保持されます。個別の各ログは、操作が完了したときに取得されたタイムスタンプによって識別されます。
標準: ejecting.sh [-dmox] -c <CAP リスト> -v <ボリュームリストファイル>
ポリシーの指定: ejecting.sh [dmox] -p <ポリシーファイル>
レガシー形式: ejecting.sh <CAP ID> <ボリュームリストファイル>
-c <
CAP リスト>
コマンド行で、CAP ID のリストはスペースで区切ります。CAP リスト内のすべての CAP は、同じ ACS 内にある必要があります。
例: -c 0,1,0 0,1,1 0,5,0 0,5,1 0,9,0
アスタリスク (*) を使用したワイルドカード表現は、すべての LSM または LSM 内のすべての CAP、あるいはその両方を指定するために有効です。
例:
-c 0,1,*
(LSM-1 内のすべての CAP)
-c 0,*,0
(すべての LSM の CAP-0)
-c 0,*,*
(すべての LSM のすべての CAP)
オンラインで使用可能な CAP のみが操作のために選択されます。ワイルドカード表現を指定した場合は、ゼロ以外の優先順位の CAP のみが選択されます。
ACS は数値表現である必要があり、ワイルドカードによって参照できません。
大きいライブラリのコンテキストでは、ボールト操作の速度と効率性に関して、CAP の選択が大きな違いとなることがあります。指定する CAP が多すぎると、複数の部分的に満たされた CAP を保守するために、オペレータの不要な作業が増加することがあります。特定のワークロードに指定する CAP が少なすぎると、ボトルネックが発生してロボット装置の待ち時間が増加することがあります。大きいボリュームリストの場合の経験則として、選択する CAP が異なるレール上のライブラリコンプレックスおよび異なるライブラリモジュールに分散されるようにしてください。多数のボリュームに対して少数の CAP を選択するときは、ライブラリを領域に分割して、各領域の中央にある CAP を選択します。
-v <ボリュームファイル>
これは単純なテキストファイルへのフルパスまたは相対パス名を使用したファイル指定です。ファイルには、取り出すボリュームを表す VOL-ID (VOLSER) のリストが含まれるようにしてください。指定した CAP と同じ ACS 内に含まれているボリュームのみが影響を受けます。マウントされているボリュームは取り出されません。
-p <
ポリシーファイル>
ポリシーファイルはフルパス名または相対パス名を使用して指定します。このテキストファイルには、CAP およびボリュームに対して定義されたポリシーが含まれています。ファイルの形式には、単語「caps:」の後ろに操作に使用する CAP のリストが続くもの、および単語「vols:」の後ろにボリュームリストファイルのフルパス名が続くものがあります。
例:
caps: 0,1,0 0,1,1 0,5,0 0,5,1 0,9,0 0,9,1
vols: /export/backup/volumes_to_eject.txt
-d
display
オプションは、eject
操作を実行する前に、ボリュームと CAP の割り当てを表示するように ejecting.sh
に指示します。ボリュームと移動先の CAP の完全なリストを表示するか、各 LSM から各 CAP に移行するボリューム数を示すサマリーを単に表示するかを選択できます。
表示内容を確認したあとに、続行するか、操作を中止するかを選択できます。
-m
「04」から「99」のオペレータメッセージコードでジョブにラベルを付けます。サポートされているライブラリの場合、この数値コードがオペレータコンソールに表示されます。
-o
ボールト操作でボリュームをソート順にスタックする必要がある場合があります。このオプションを使用すると、ルーチンは、ボリュームリストで見つかった順番、および指定された CAP の順序に従って、指定されたボリュームを一覧表示されている CAP に移動します。CAP の順序は、すべてのボリュームが取り出されるまで、最初の CAP から最後の CAP まで繰り返されます。
注:
ボリュームから CAP の順序が優先されるため、このオプションは LSM パススルールートを制限することによってボリュームの移動を最適化しようとしません。-x
個別の各 CAP の eject
のペイロードに専用の XTERM ウィンドウを使用します。全体的な大量取り出し操作を行なっているときに、個々の取り出しジョブの追跡を続ける場合に、このオプションが役立つことがあります。各 CAP の eject
が起動されると XTERM セッションがポップアップし、対応する eject
が完了すると閉じられます。
Windows 端末から操作する場合は、X11 対応のソフトウェアがインストールされていることを確認してください。X11 は Solaris または Linux では標準です。ローカルマシンから ACSLS サーバーへの表示アクセス制御を開く必要があります。
例: xhost + <
acsls_server_hostname
>
このユーティリティーは、ログイン ID (who am i
) をチェックして表示内容の送信先を判断します。これを表示するには、ローカルコンソールまたはデスクトップマシンから ACSLS サーバーに直接ログインする必要があります。
レガシー形式
ejecting.sh <
CAP ID
> <
ボリュームファイル
>
このユーティリティーのレガシー形式は維持されています。これは、1 つの CAP ID、およびボリュームの単純なリストを含むファイルのパス名を受け取ります。その後、CAP のサイズに最適化された一連の eject
コマンドを生成し、結果として得られるコマンドを標準出力に表示します。指定された CAP を介して完全なボリュームリストを取り出すために必要であるため、この表示には多くの eject
コマンドが含まれています。
オペレータは、レガシー ejecting.sh
の出力を直接 cmd_proc
にパイプして、操作を実行できます。
例:
ejecting.sh 0,1,0 /export/backup/myVolumeList | cmd_proc -lq
または、出力をファイルにリダイレクトして、あとで cmd_proc
にリダイレクトできます。
例:
ejecting.sh 0,1,0 /export/backup/myVolList > /tmp/eject.dat cmd_proc -lq < /tmp/eject.dat
ejecting.sh のすべてのインスタンスは、$ACS_HOME/log/ejectingLogs/
ディレクトリにログ記録されます。各ログファイルは日付とタイムスタンプから名前が付けられます。次に例を示します。
ejecting.log.14-Oct_13:13:10
各 ejecting.log
には、オペレータシェルに表示された取り出し操作全体が要約されています。検出されたエラーはここに表示されます。
ejecting.log
には、次の理由でユーティリティーによって無視されたボリュームのリストが含まれていることがあります。
ボリューム ID が無効です。
ボリュームが指定された ACS に含まれていません。
ボリュームは使用中です。
ejectingLogs
ディレクトリに蓄積されたファイルは 10 日後に削除されます。10 日を経過した古いログは、ejecting.sh
の新しい各呼び出しで削除されます。
free_cells.sh
ユーティリティーを使用すると、ACSLS によって管理されているライブラリ内の空きセルをモニターおよび管理できます。このユーティリティーは、LSM、ACS、および ACSLS サーバーの空きセル数を報告します。
このユーティリティーは、$ACS_HOME/utils
ディレクトリにあります
LSM が L5500 ではない (空きセルの合計のみを一覧表示)
オプションの選択なし
LSM 1,3
空きセルの合計数 = 2,345
-a
オプション (割り当て済みのセルおよびセルの合計数も一覧表示)
LSM 1,3
空きセルの合計数 = 3,345
割り当て済みのセル = 3,155
セルの合計数 = 6,500
LSM が L5500 である (LTO および非 LTO の空きセルを個別に一覧表示)
オプションの選択なし
LSM 0,2
LTO の空きセル = 573
非 LTO の空きセル = 467
空きセルの合計数 = = 1,040
-a
オプション (割り当て済みのセルおよびセルの合計数も一覧表示)
LSM 0,2
LTO の空きセル = 573
非 LTO の空きセル = 467
空きセルの合計数 = = 1,040
割り当て済みのセル = 4,460
セルの合計数 = 5,500
ACS 内に LSM が 1 つだけがある場合は、次の例に示すように ACS のみが一覧表示されます。
ACS に L5500 が含まれていない
オプションの選択なし (空きセルの合計数のみ表示)
ACS 1
空きセルの合計数 = 5,342
-a
オプション (割り当て済みのセルおよびセルの合計数も表示)
ACS 1
空きセルの合計数 = 5,342
割り当て済みのセル = 5,658
セルの合計数 = 11,000
ACS に L5500 が含まれている (LTO および非 LTO の空きセルを個別に表示)
オプションの選択なし
ACS 0
LTO の空きセル = 1,573
非 LTO の空きセル = 968
空きセルの合計数 = 2,541
-a
オプション (割り当て済みのセルおよびセルの合計数も表示)
ACS 0
LTO の空きセル = 1, 573
非 LTO の空きセル = 968
空きセルの合計数 = 2,541
割り当て済みのセル = 2,959
セルの合計数 = 5,500
ACS に L5500 が含まれていない
この場合、空きセルの合計数のみが表示されます
オプションの選択なし
ACSLS Server
空きセルの合計数 = 7,883
-a
オプション
ACSLS Server
空きセルの合計数 = 7,883
割り当て済みのセル =14,117
セルの合計数 =22,000
ACS に L5500 が含まれている
L5500 ライブラリが管理されている場合、LTO の空きセルおよび空きセルの合計数のみが表示されます。L5500 ライブラリは LTO と非 LTO のセルが区別される唯一のライブラリであるため、非 LTO の空きセルは表示されません。
オプションの選択なし
ACSLS Server
LTO の空きセル = 1,573
空きセルの合計数 = 7,883
-a
オプション
ACSLS Server
LTO の空きセル = 1,573
空きセルの合計数 = 7,883
割り当て済みのセル =14,117
セルの合計数 =22,000
getHba.sh
ユーティリティーは、ファイバチャネル HBA ポートを管理します。
getHba.sh
getHba.sh
ユーティリティーはインストール時に実行され、install.sh
によって呼び出される install_acsss.sh
によって呼び出されます。このユーティリティーは、新しい HBA がシステムに追加されたとき、または HBA ポートが再配置されたときに直接実行できます。このユーティリティーは、ACSLS 論理ライブラリへのクライアントアクセスポイントを明らかにするために、イニシエータからターゲットモードに変更する適切な HBA ポートを識別します。
このユーティリティーを使用する最適な方法は、getHba.sh
を実行する前に FC 接続を設定することです。これにより、getHba.sh
が既存の接続についての役立つ情報を表示できます。
このユーティリティーは、最初にターゲットモードのアダプタがすでに構成されているかどうかを評価します。ターゲットポートが存在しない場合、ユーティリティーのフローは次に説明されているように続行されます。ユーティリティーが既存のターゲットポートを検出した場合は、次の選択肢のメニューが表示されます。
必要なアクションを選択します。
既存の HBA ポートの構成を維持します。
追加のターゲットモードのポートを構成します。
既存のターゲットポートをイニシエータモードに復元します。
オプション | 説明 |
---|---|
1 | このユーティリティーを終了します。 |
2 | ユーティリティーは現在イニシエータモードで動作しているポートを一覧表示します。ポートに「リモート HBA に接続しました」と表示される場合は、他方の端にイニシエータがあり、それを ACSLS ターゲットポートになる潜在的な候補にすることを意味します。ポートに「ターゲットデバイスに接続しました」と表示される場合は、テープライブラリまたはディスクが接続されており、そのポートはターゲットモード操作のための良い選択ではない可能性があります。 |
3 | ターゲットモード操作のために構成されている各ポートを識別し、そのポートをイニシエータモードに復元することの確認を求めます。 |
オプション 2 の例
ターゲットモードに変更するローカルの HBA ポートを選択します。次のリストから選択します。
HBA Port WWN 2100001b32055d85 Not connected.
HBA Port WWN 2101001b32255d85 Connected to a remote HBA.
HBA Port WWN 2102001b32055d85 Connected to a target device.
None of these.
注:
論理ライブラリ機能を使用しない場合は、「none of these」を選択します。選択を行うと、確認を求められます。
2 HBA Port WWN 2101001b32055d85 /pci@0,0/pci10de,377@f/pci1077,143@0 Is this correct? (y or n):
変更する機会が与えられます。「n」と応答すると、使用可能なポートのリストがふたたび表示され、選択を求められます。「y」と応答すると、再構成する追加のポートがあるかどうかを尋ねられます。
このユーティリティーは、ターゲットグループおよびターゲットグループのメンバーの追加に進み、ターゲットモードの変更を有効にするためにサーバーをリブートするように指示されます。
ターゲットグループの作成: 2101001b32255d85
オプション 3 の例
このオプションを使用すると、既存のターゲットの構成を解除し、ネイティブモードのイニシエータとして HBA を復元できます。
# cd $ACS_HOME/install # ./getHba.sh A Target-mode port has already been configured: Target: wwn.2100001B32050A28 Connected to ... Initiator: wwn.210100E08BA61A29 Please select a desired action: 1) Keep the HBA port configuration as it is. 2) Configure an additional target-mode port. 3) Restore a target port to initiator mode. 3 Target: wwn.2100001b32050a28 Do you wish to restore this port to initiator mode? (y or n): y Removing 'qlt' binding in /etc/driver_aliases Are there additional ports you wish to reconfigure? (y or n): n A reboot will be necessary for these changes to take effect.
このユーティリティーは、使用権ライセンスのソフトウェアでの施行が ACSLS で採用されなくなったため、ACSLS リリース 7.3.1 および 8.0.1 以降では削除されています。ACSLS によって制御されているライブラリの空きセル数を表示および管理するには、free_cells.shを使用します。
特定のキーワードを含むメッセージが含まれるように、または除外されるように acsss_event
ログをフィルタリングするには、greplog
ユーティリティーを使用します。このルーチンの構文は、UNIX の「grep
」関数と似ています。greplog
は acsss_event
.log
に使用するために設計されていますが、レコードが空白行で区切られた任意のタイプのメッセージファイルに対して機能する可能性があります。
install_scsi_Linux.sh
ユーティリティーは、ACSLS にライブラリを構成するときに使用できる /dev/mchanger*
リンクを作成します。それらの mchanger 名は、ライブラリによって報告されるシリアル番号を使用して生成されるようになり、SAN ファブリックの変更またはサーバーのリブート (どちらもライブラリの基となるデバイスパスが変更される可能性があります) が行われても変わらない信頼できる識別子を ACSLS に提供します。
作成された /dev/mchanger
リンクおよび関連付けられているライブラリについての情報は、showDevs.sh
ユーティリティーを使用すると、スクリプトの出力の一部として表示されます。そのユーティリティーは、スタンドアロン操作として実行して (mchanger リンクが作成されたあとに)、ライブラリの情報を表示することもできます。
install_scsi_Linux.sh
出力例:
========================================================================== # install/install_scsi_Linux.sh [root@acslsdevx1 install]# ./install_scsi_Linux.sh Installing SCSI device(s) for Oracle StorageTek ACSLS. Adding ACSLS rules for udev ... Starting udev: [ OK ] Successfully built the following... /dev/mchanger-3500104f00079f9d2: STK SL500 V-1485 336-cells 10-drives /dev/mchanger-3500104f0007a8532: STK SL500 V-1485 205-cells 6-drives /dev/mchanger-3500104f000cc6a67: STK SL150 V-0182 59-cells 4-drives Installation of SCSI device(s) successfully completed. # =========================================================================== # utils/showDevs.sh /dev/mchanger-3500104f00079f9d2: STK SL500 V-1485 336-cells 10-drives /dev/mchanger-3500104f0007a8532: STK SL500 V-1485 205-cells 6-drives /dev/mchanger-3500104f000cc6a67: STK SL150 V-0182 59-cells 4-drive # ============================================================================
このルーチンは、指定された ACS ID に接続されている LSM の LSM タイプを返します。共通したタイプの複数の LSM が構成に存在する場合は、複数の LSM に対して単一のタイプのみが返されます。
moving.sh ユーティリティー
は、複数のカートリッジを 1 つまたは複数の LSM に移動します。このユーティリティーは、移動するカートリッジを一覧しているファイルを読み取ります。それらのカートリッジ:
1 つまたは複数の LSM 内のカートリッジ
同じ LSM またはほかの LSM 内のほかのパネルに移動されるパネル上のカートリッジ
選択したカートリッジのグループ
moving.sh
の制限:
vol_list_file
内のすべての移動先の LSM およびカートリッジは、同じ ACS 内にある必要があります
移動先の LSM がオフラインであるか、空きセルが含まれていない場合は、カートリッジはその LSM に移動されません
注記:
moving.sh
ユーティリティーは、ACSLS が実行されている場合にのみ実行されます
内部的には、moving.sh
は一度に 1 つのカートリッジのみを移動して、ライブラリのパフォーマンス (マウントおよびマウント解除) に影響を与えないようにされています
ボリュームの個別のリストを作成したあとに、複数の移動ユーティリティーを並列で実行できます。次のことを確認してください
移動先 LSM が同じです。すべてのカートリッジを収容するための空きセルが LSM 内に十分あることを確認します
1 つの SL8500 ライブラリ内に移動している場合 - エレベータは 2 つのみであるため、一度に 2 つを超える移動ユーティリティーを実行してもパフォーマンスは向上しません
moving.sh -f
vol
_list_file -t
lsm_id または lsm_id のリスト
ここでは:
-f
vol_list_file
移動するボリュームのリストを含むファイルの名前。
注:
ボリューム ID は次の規則に従う必要があります。1 行に 1 つのカートリッジ ID。vol_id は有効な ACSLS ボリューム ID である必要があります。vol_id の末尾または先頭にスペースが含まれている場合は、単一引用符または二重引用符で囲む必要があります。-t
lsm_id
s
カートリッジが移動される 1 つ以上の LSM ID を指定します。各 LSM ID は、スペースで区切り、同じ ACS に属するようにしてください。
moving.sh
ユーティリティーは、カートリッジのリストをほかの LSM に移動する場合、または同じ LSM 内の 1 つのパネルから別のパネルに移動する場合に使用します。
カスタムボリュームレポートまたは display volume
コマンドを使用すると、LSM から移動するボリュームのリストを含むファイルを作成できます。
moving.sh
ユーティリティーは次の場合に使用します。
SL8500 が最初にパーティション分割または再パーティション分割され、1 つ以上のレール (LSM) が既存のパーティション (ACS) から取り外される場合、moving.sh
はパーティションから取り外される LSM からパーティションに残る LSM にカートリッジを移動できます。
LSM が ACS から取り外された場合、moving.sh
は ACS 内に残っている LSM にカートリッジを移動できます。
たとえば、SL8500 がライブラリコンプレックス (ACS) から取り外される場合、moving.sh
は取り外される SL8500 からライブラリ内に残る LSM にカートリッジを移動します。これは、9310 の LSM が 9310 の ACS から取り外されるときにも適用されます。
ストレージ拡張モジュールが SL8500 から取り外される場合、取り外されるパネルからライブラリに残るパネルにカートリッジを移動できます。
ライブラリのパフォーマンスを最適化するには、カートリッジをアーカイブするために使用される LSM (ドライブがないか、ほとんどない) に非アクティブなカートリッジを移動します。これにより、新しいアクティブなカートリッジのためのドライブを持つ LSM のスペースが解放されます。
開始する前に、LSM から移動するボリュームのリストを含むファイルを作成する必要があります。volrpt (カスタムボリュームレポート) または display volume
コマンドのいずれかを使用できます。
vol_list_file
の作成
volrpt -d -f custom_volrpt_input -l
lsm_id
> vol_list_file
ここで、custom_volrpt_input
ファイルは次のとおりです。
VOLUME_ID 6
出力例:
$ volrpt -d -f my_custom -l 0,2 > my_file_list $ cat my_file_list ABC744 ABC748 ABC756 ACS151 EN0823 O00373
display volume
コマンドを使用した vol_list_file の作成
ボリュームのリストを表示します。
例:
display volume * -home acs,lsm,panel,*,* -f
vol_id
この例は、-home
パラメータによって識別されたパネル上のすべてのボリュームを選択しています。行および列にはワイルドカードが指定されています。vol_id のみが出力されます。
出力例:
ACSSA> display volume * -home 0,3,5,*,* -f vol_id 2007-02-12 15:31:45 Display Volume Vol_id PG0350 PG0353 PG0356 PG0358 PQ0616
vol_list_file
を作成して名前を付けます。
ボリュームのリスト (display コマンドから作成された) をこのファイルにカット&ペーストします。
出力を編集します。
vol_list_file
には、空白行および先頭のスペースを含めることはできません。次の vi コマンドを使用してそれらを削除します。
:%s/ˆ[ ]*//g
これを行わないと、次の例に示すようにエラーメッセージが表示されます。
$ moving.sh -f my_file_list -t 0,2 Error in file my_file_list. Invalid entry ABC748 ABC756 ACS151 EN0823
このエラーメッセージは、ボリューム ABC748 および ABC756 の前に余分なスペースがあるために生成されました。
以降の手順では、次のことを行う方法について説明します。
ACS から LSM を削除する前にカートリッジを移動する
パネルを変更または削除する前にカートリッジを移動する
ライブラリを再構成または再パーティション分割したあとに、LSM を ACS から取り外した場合は、LSM のすべてのカートリッジにアクセスできなくなります。このため、LSM を取り外す前に、そのすべてのカートリッジを ACS 内に残る LSM に移動してください。次の手順を使用します。
パーティション分割された SL8500 内のレガシーパーティションからレール (LSM) を取り外す場合。
LSM を ACS から取り外す場合。ACS には 9310 または SL8500 ライブラリを含めることができます。
新しい構成を計画します。
パフォーマンス向上のためにカートリッジとドライブを編成します。
ライブラリ構成を変更する直前に LSM を空にします。
空にする LSM にあるカートリッジの数、およびカートリッジを移動する LSM 内の空きセルの数を判別します。
free_cells.sh -a
を使用して、これらの LSM 内のカートリッジ (割り当て済みのセル) および空きセルの数を判別します。
移動および再構成をスケジュールします。
システムへの影響が最小限になるように移動をスケジュールします。
カートリッジの移動には時間がかかり、ライブラリの再構成または SL8500 の再パーティション分割は中断を伴います。
ターゲット LSM に移動されるカートリッジのための十分な空きセルがあることを確認します。必要に応じて、カートリッジを取り出してスペースを解放します。
取り外される LSM 内のすべてのドライブをオフラインに変更 (vary
) します。
これにより、次のことを防ぐことができます。
次のコマンドを使用して、空にしている LSM を診断モードに変更 (vary
) し、アクセスを cmd_proc
のみに制限します。
vary lsm
lsm_id
diagnostic
例: vary lsm 0,1 diagnostic
次のコマンドを使用して、カスタム volrpt
を実行し、空にしている LSM 内のすべてのカートリッジをファイルに出力します。
volrpt -f
custom_volrpt_input
-l
from_lsm_id
>
move_vols_list
ここで、custom-volrpt_input
は次のとおりです。
VOLUME_ID 6
例: volrpt -f volrpt_input -l 0,1 > move_vols_list
詳細については、ロギングボリューム統計レポートの作成を参照してください。
次のコマンドを使用して、空にしている LSM からカートリッジを移動します。
moving.sh -f
move_vols_list
-t
dest_lsm_id
カートリッジが LSM に挿入されていたり、「フロート」されたりしていることがあるため、volrpt
を使用して LSM が空であることをチェックします。
volrpt -l from_lsm_id
空でない場合は、カスタム volrpt
をふたたび実行して、現在 LSM にあるボリュームを選択します。次に、moving.sh
を再度実行します (手順 3 および 4)。
注:
元のボリュームのリストを使用してmoving.sh
を再度実行しないでください。空にしている LSM をオフラインに変更 (vary
) して、ボリュームがそこに移動されることを防ぎます。
vary lsm
lsm_id offline
注:
LSM をパーティションまたは ACS あるいはその両方から取り外します。config acs
acs_id または acsss_config のいずれかを使用して、ACS を再構成します。
注:
SL3000 はドライブおよびセルレベルにパーティション分割でき、SL8500 は拡張パーティション分割を使用してドライブおよびセルアレイレベルにパーティション分割できます。あるパーティションから別のパーティションにセルが割り当て直されている場合は、それらのセル内のカートリッジは孤立し、以前に含まれていたパーティションではアクセスできなくなります。ほかのパーティションを管理するホストが、カートリッジ上のデータを上書きする可能性があります。パーティションの境界が変更されるときにカートリッジが孤立することを防ぐために、再パーティション分割する前に、ライブラリによって、パーティション内に残るセルにそれらが移動されます。SL3000 は単一の LSM であるため、既存の ACSLS の移動コマンドは機能しません。それらは単にライブラリ内のどこかに移動されます。パーティションから削除される別のセルにそれらが移動される可能性もあります。
次のいずれかの方法を使用してカートリッジを移動します。
StorageTek ライブラリコンソール (SL Console) を使用します。
ライブラリを監査して、ボリュームの場所を監査します。
詳細および手順については、『SL8500 ユーザーズガイド』または『SL3000 ユーザーズガイド』を参照してください。
次の ACSLS 手順を使用します。
volrptまたはdisplay コマンドオプションの使用を使用して、ボリュームの場所を表示します。
次の display コマンドを使用して、特定のパネル内で使用可能な (空の) セルのリストを表示します。
display cell a,l,p,*,* -status empty -f status
詳細については、display コマンドオプションの使用を参照してください。
LSM ID の代わりに空きセルを指定することによって、カートリッジを特定のセルに移動します。1 つのセルを移動する場合は、move コマンドを使用します。
move
AAAAAA a,l,p,r,c
9310 でセルパネルをドライブパネルに変更する前、または SL8500 内のストレージ拡張モジュールを取り外す前に、カートリッジを移動する必要があります。
手順 1 - 4 はACS から LSM を削除する前にカートリッジを移動すると同じ手順です。
手順 5: 空にしているパネルのカートリッジを選択し、それらをファイルに出力します。
カスタム volrpt
を実行して、空にしている LSM 内のすべてのカートリッジをファイルに出力します。(ホームセル ID に) パネル番号を含めます。
volrpt -f
custom_volrpt_input -l from_lsm_id > move_vols_list_1
ここで、custom-volrpt_input
は次のとおりです。
VOLUME_ID 6 CELL_ID 14
空にしているパネルのボリュームを選択して、それらの vol_id を move_vols_list_2
に出力します。
display volume
コマンドを使用して、空にしているパネル内のカートリッジを選択します。
display volume * -home acs,lsm,panel,*,* -f volume >
move_vols_list_2
これは、-home パラメータによって識別されるパネル上のすべてのボリュームを選択します。行および列にはワイルドカードが指定されています。vol_id のみが出力され、出力がファイルに書き込まれます。
出力を編集し、先頭のスペースおよび末尾の空白行を削除します。
注:
宛先または「移動先」LSM がソースまたは「移動元」LSM と同じで、複数のパネルが空の場合は、一部のボリュームが空のパネルに戻されます。そのパネルからボリュームを選択し、それらを繰り返し移動して、パネルをクリアする必要があります。手順 6 - 9 はACS から LSM を削除する前にカートリッジを移動すると同じ手順です。
手順 10。config lsm
lsm_id または acsss_config を使用して、LSM を再構成します。
LSM 0,4 から LSM 0,0 および 0,1 へのカートリッジの移動
カートリッジを LSM 0,4 から LSM 0,0 および 0,1 に移動するには、volrpt を使用して LSM 0,4 内のカートリッジのリストを含むファイルを作成してから、次のように moving.sh
ユーティリティーを実行します。
出力例:
$ moving.sh -f vol_list.txt -t 0,0 0,1 Number of free cells in LSM 0,0 : 308 Number of free cells in LSM 0,1 : 362 ----------------------------------------- Total number of free cells : 670 Total number of volumes to move : 7 Cartridge CAB001 moved to 0,0,3,0,0 Cartridge CAB002 moved to 0,0,4,0,0 Cartridge CAB003 moved to 0,0,5,0,0 Cartridge CAB004 moved to 0,0,6,0,0 Cartridge CAB005 moved to 0,0,7,0,0 Cartridge CAB006 moved to 0,0,8,0,0 Cartridge CAB007 moved to 0,0,9,0,0 Summary ======= Number of free cells remaining in LSM 0,0 : 301 Number of free cells remaining in LSM 0,1 : 362 ------------------------------------------------ Total number of free cells remaining : 663 Number of cartridges moved : 7 Number of cartridges not moved : 0
LSM 0,4 0,5 0,6 および 0,7 から LSM 0,0 0,1 0,2 および 0,3 へのカートリッジの移動
各 LSM を隣接する LSM に移動することによってパフォーマンスを最適化するには:
volrpt
を使用して、LSM 0,4 0,5 0,6 および 0,7 内のカートリッジのリストを含むファイルを準備します。
個別の UNIX コマンド端末で、同時に 4 つの moving.sh
ユーティリティーを実行します。
ソース LSM と移動先 LSM、および使用されるパススルーポートはすべて異なるため、moving.sh
の個別のインスタンス間に競合はありません。
出力例:
moving.sh -f vol_list_0-4.txt -t 0,0 moving.sh -f vol_list_0-5.txt -t 0,1 moving.sh -f vol_list_0-6.txt -t 0,2 moving.sh -f vol_list_0-7.txt -t 0,3
moving.sh
ユーティリティーは、非アクティブなカートリッジをアーカイブ LSM に移動するために使用できます。アーカイブ LSM は、マウントされる確率が低いカートリッジを格納する LSM (ドライブがないか、ほとんどない) です。SL8500 内の上部レールは、CAP に直接アクセスできないため、アーカイブ LSM に適しています。
ライブラリにある必要がない非アクティブなカートリッジは、取り出すことができます。自動マウントに使用可能である必要がある非アクティブなカートリッジは、アーカイブ LSM に移動してください。
非アクティブなカートリッジをアーカイブ LSM に移動するには:
非アクティブなカートリッジを識別します。たとえば、過去 3 か月間にアクセスされていないカートリッジを選択するには、次の手順に従います。
カスタム volrpt を実行して、検査している LSM 内のすべてのカートリッジを出力し、結果をファイルに出力します。
volrpt -f
custom_volrpt_input -l
from_lsm_id >
move_vols_list_1
ここで、custom-volrpt_input は次のとおりです。
VOLUME_ID 6
ACCESS_DATE 15
access_date
が 3 か月より前のカートリッジを選択し、移動するボリュームのリストを含むファイルにそれらの vol_id を出力します。
非アクティブなカートリッジをアーカイブ LSM に移動します。
moving.sh
move_vols_list_2 archival_lsm_id
このユーティリティーは、最新のファイバチャネル HBA の背後にあるすべての直接接続されたライブラリまたは SAN 接続されたライブラリを表示します。
probeFibre.sh
ユーティリティーは、各ファイバ接続されたライブラリのモデル番号、LUN ID、および WWPN (World Wide Port Name) を表示します。probeFibre.sh
ユーティリティーは、各ライブラリの mchanger デバイスが作成される前でも実行できます。
このユーティリティーは、root
でアクセスする必要があります。
rdb.acsss
ユーティリティーは、自動バックアップ機能または bdb.acsss
ユーティリティーのいずれかによって作成されたバックアップを使用して、ACSLS データベースと ACSLS 制御ファイルを復元します。ACSLS 制御ファイルは $ACS_HOME/data
内にあり、ACSLS 用のいくつかの異なる環境変数を定義します。これらは、アクセス制御設定、スクラッチ優先順位、拡張ストア LSM、カスタム volrpt
設定、およびボリューム属性 (watch_vols
ユーティリティー用) などを指定します。
テープバックアップから復元する場合は、テープから ACSLS データベースおよび制御ファイルを復元する前に、テープデバイスを巻き戻すか、位置設定してください。rdb.acsss
を実行する前に、次のいずれかのコマンドを使用して、テープを巻き戻すか、バックアップがある場所に位置設定します。
mt -f /dev/rmt/0mn rewind mt -f /dev/rmt/0mn nbsf 1
rdb.acsss
を実行すると、次の例に示すように、メニューに 4 つのオプションが表示されます。
Please enter the number followed by Return for your choice from the following menu. Press? followed by the Return key for help. 1: Restore from a list of current local disk backup files 2: Restore from a previous tape or file backup 3: Restore database only (do not include ACSLS control files) 4: Restore only ACSLS non-database control files E: Exit
Restore from a current local disk backup
ローカルディスク上の現在のすべての ACSLS バックアップファイルが一覧表示されます。
説明: データベースはそのバックアップの時点に復元されます。ACSLS 制御ファイルはバックアップのみから復元されます。バックアップはデフォルトのバックアップディレクトリ ($ACSDB_BKUP
) に保存されます。データベースは一覧および選択されたデータベースバックアップの状態に復元されます。通常は 8 つの異なる日付が一覧表示されますが、csss_config
に設定されているデータベースの保持期間によって異なります。
使用法: このオプションは壊れたデータベースを復元するために使用します。このオプションを使用すると、すべてのバックアップが表示され、表示されている任意のデータベースバックアップを復元できます。
例:
Menu choice: 1 rcvr_previous.sh 2642: ACSLS database recovery started. You have taken backups on the following days. Please enter the corresponding date and time to the backup that you wish to recover from. ACSLS database and control files will be restored to that time. 2011-10-02 04:38:48 2011-10-03 00:00:01 2011-10-04 00:00:01 2011-10-05 00:00:01 2011-10-05 11:49:06 Please enter the recovery date and time (YYYY-MM-DD HH:MM:SS): HINT: You may copy and paste to enter the date and time.
適切なバックアップの目的の日付と時間を入力する必要があり、データベースがその時点に復元されます。
Restore from previous tape or file backup
説明: このオプションは、別のファイルシステム (NFS など) またはバックアップデバイス (テープなど) にコピーされたデータベースを回復する場合に選択します。ACSLS 制御ファイルが復元されます。
使用法: データベースをサーバーまたはまったく異なるサーバーに復元する必要があるハードウェア障害などの壊滅的なイベントの場合に使用します。プラットフォーム (OS バージョン/アップデートおよび ACSLS リリース/PUT レベル) が同じである必要があります。
Option 2: Menu choice: 2. rcvr_manual.sh 2635: ACSLS recovery started To recover the ACSLS environment either: - Mount a ACSLS backup tape in a tape device and specify this tape device with '-f tape_device', or - Specify a file name containing a ACSLS backup with '-f backup_file'.
ACSLS データベースは指定したファイルから回復されます。
-f [ backup_file | tape_device ] を入力してください。
例 1: -f
backup_file でファイルを指定
Please mount tape (if used) and enter backup source: -f /export/backup/
my_backup.bak
これは、my_backup.bak
というバックアップを復元します。データベースおよび ACSLS 制御ファイルの両方が復元され、ACSLS はバックアップが実行されたときの状態になります。
例 2: テープデバイスに作成されたバックアップの復元
テープデバイスに作成されたバックアップの復元では、同じオプションを使用しますが動作が少し異なります。バックアップがテープデバイスに作成されるときに、テープ上に tar アーカイブが作成されますが、それには名前がありません。テープからバックアップを復元するときは、テープデバイスのみを指定します。
ヒント: テープデバイスで no rewind を使用してください。
Please mount tape (if used) and enter backup source: -f /dev/rmt/0mn
この場合、デバイス /dev/rmt/0mn
が対象となり、有効なデータベースバックアップがあることが確認されます。バックアップが存在していて有効である場合は、それが復元されます。
テープを巻き戻す手順:
rdb.acsss
を試行する前に、テープを巻き戻すか、バックアップファイルがある正しい場所に位置設定する必要があります。
注:
tar tvbf
コマンドの実行後、テープは次のブロックに進みます。tar tvbf
コマンドを実行したあとに rdb.acsss
を実行する場合は、テープの巻き戻し/再位置設定を行なったことを確認します。テープは、次のコマンドを使用して巻き戻し/位置設定できます。
mt -f /dev/rmt/0mn rewind または mt -f /dev/rmt/0mn nbsf 1 ---> SOLARIS
bdb.acsss
のあとにテープの内容を確認するには、次のコマンドを使用します。
tar tvbf 2048 /dev/rmt/0mn ---> SOLARIS
Restore database only (do not include ACSLS control files)
説明: このオプションはデータのみを復元する機能を提供します。一部の環境では、ACSLS データベースをそのデータを含めて復元する必要があるが、ACSLS のデータベース以外の制御ファイルを復元する必要がない場合があります。
Option 3: Menu choice: 3 To recover the ACSLS database data only, either: - Mount an ACSLS backup tape in a tape device and specify this tape device with '-f tape_device', or - Specify a file name containing an ACSLS backup with '-f backup_file'. The ACSLS database data will be recovered from the file specified. ****This option does not include the ACSLS control files**** Please enter -f [ backup_file | tape_device ]:
Restore only ACSLS non-database control files
説明: ACSLS 制御ファイルのみを復元します。$ACS_HOME/data/internal
ディレクトリにあるファイルを復元する前に、既存のファイルの末尾に「.bak
」という拡張子が追加されてバックアップが作成されます。
$ACS_HOME/data/internal/dynamic_variables/dv_config.dat.bak $ACS_HOME/data/internal/dynamic_variables/dv_trace.dat $ACS_HOME/data/internal/release.vars.bak
これは、$ACS_HOME/data/external
にあるファイルには当てはまりません。回復する前に、ACSLS 制御ファイルのバックアップは実行されません。
Option 4: Menu choice: 4 To recover the ACSLS non-database control files either: - Mount an ACSLS backup tape in a tape device and specify this tape device with '-f tape_device', or - Specify a file name containing an ACSLS backup with '-f backup_file'. ACSLS non-database control files will be recovered from the file specified. Please enter -f [ backup_file | tape_device ]:
例:
Please enter -f [ backup_file | tape_device ]: -f $ACSDB_BKUP/my_file.bak
-f -$ACSDB_BKUP/my_file.bak
は、指定されたファイルから ACSLS 制御ファイルを回復します。
-f /dev/rmt/0mn
は、指定されたテープデバイスから ACSLS 制御ファイルを回復します
Exit
rdb.acsss
ユーティリティーを終了すると、デフォルトのディレクトリ $ACSDB_BKUP
へのバックアップが開始されます。
showDevs.sh
ユーティリティーは、/dev
ディレクトリ内の各 mchanger インスタンスに関連付けられている重要なデバイス属性を表示します。重要な属性には、ライブラリモデル番号、リビジョンレベル、セルの容量、および接続されているドライブの数が含まれます。追加の属性は、次のオプションを使用して表示できます。
このユーティリティーは、いくつかのオプションを使用して実行できます。
引数なし。
このオプションは、各 mchanger、ライブラリモデルとコードレベル、およびセルとドライブの数を表示します。
-w
World Wide Name - 基本情報とともに、接続されているライブラリの WWPN を表示します。
-s
シリアル番号 - 基本情報とともに、ライブラリのシリアル番号を表示します。
注:
サーバー側の HBA 情報 (HBA のポートの WWPN を含む) および接続されているすべてのライブラリの WWPN を表示するには、root
ユーザーとして probeFibre.sh
ユーティリティーを使用します。このユーティリティーは、ACSLS に接続されているすべての構成済みのドライブのリストを表示します。ドライブの場所の単純なリストは、ドライブタイプによってソートされます。冗長 (-v
) オプションを使用した場合、このユーティリティーは、各ドライブのドライブ状態、ドライブステータス、および割り当てられている論理ステータスを示すサマリーを表示します。
stats_report
ユーティリティーは、ライブラリボリュームの統計レポートを生成します。このユーティリティーを実行するには、acsss
としてログインする必要があります。
stats_report [
vol_statsX.log ...]
ここでは:
vol_statsX.log -
このオプションの引数を使用すると、1 つ以上のアーカイブされたボリューム統計情報のログファイル名を指定できます。
(アーカイブされたファイルの形式は vol_statsX.log
です (ここで、0 < = X < = 8 です)。)
1 つのアーカイブされたファイルを入力として使用します。
$stats_report vol_stats0.log
時間中心およびドライブ中心のレポートは、ユーザー入力ファイルの名前がレポートファイル名の前に追加されて生成されます。
たとえば、vol_stats0.log
を指定した場合、レポートは次の名前で $ACS_HOME/log
ディレクトリに生成されます。
vol_stats0_drive_centric.txt および vol_stats0_time_centric.txt
アーカイブされたすべてのボリューム統計ファイルのレポートを一度に生成するには、次の手順に従います。
個別のファイルから完全なログを生成します
$cd $ACS_HOME/log $cat vol_stats8.log .... vol_stats0.log acsss_stats.log > vol_statsXXXX.log where vol_statsXXXX.log
(文字列 vol_stats
が必須ですが、XXXX は FULL などにすることができます) はすべての vol_statsX.log (ここで、0 <= X <= 8) および acsss_stats.log を逆順に連結したファイルです。
stats_report
を実行します
$stats_report vol_statsXXXX.log
レポートは、vol_statsXXXX_drive_centric.txt
および vol_statsXXXX_time_centric.txt
として生成されます。
ファイル名を引数として指定しない場合、時間中心およびドライブ中心のレポートは $ACS_HOME/log/acsss_stats.log
から生成されます。
stats_report
は、現在の acsss_stats.log
を使用して、ボリューム統計情報の 2 つのレポートを準備します。ライブラリボリュームの統計情報の収集を有効にするには、LIB_VOL_STATS
変数を設定します。これは、acsss_config
(オプション 3) の処理またはコマンド行のコマンド dv_config -p LIB_VOL_STATS
を使用して行うことができます。ACSLS
は、ログがデフォルトサイズの 500K バイトに達すると、9 個の acsss_stats.log
ファイルを自動的にまとめて保持します。
ログファイルのサイズおよび保持するファイル数は、変数 LIB_STATS_FILE_NUM
および VOL_STATS_FILE_SIZE
を介して制御されます。これらの変数は、上記で説明した LIB_VOL_STATS
と同様の方法を使用して設定します。
レポートの 2 つのタイプ:
drive_centric.txt
このレポートには、ドライブの順序付けされたリストが含まれています。各ドライブレコードには、ドライブにマウントされているすべてのカートリッジ、リクエスタ、リクエストの時間、およびマウントの経過期間が含まれています。
time_centric.txt
注:
このレポートには、1 時間単位で一覧されたドライブリソースの使用状況が含まれています。各期間のレコードには、リクエスタ、特定のドライブ、その期間のそのドライブのマウント数、およびその時間のドライブの使用時間が含まれています。ドライブの使用時間が 1 つの期間で 60 分を超えている場合は、マウントが 2 つの期間に及んでいるため、2 番目の期間には一覧表示されないことを示しています。stats_report
によって作成される最初のレポートはドライブの表示です。
注:
ログに DISMOUNT
レコードがあるが、対応する MOUNT
レコードがない場合、次の理由である可能性があります。
ログがロールオーバーされました、または
不明なロギングの問題が原因で、操作が記録されました。
この場合、生成されるレポートからレコードが除外されます。
ログに MOUNT
レコードがあるが、対応する DISMOUNT
レコードがない場合、次の理由である可能性があります。
DISMOUNT
がまだ行われていません、または
不明なロギングの問題が原因で、操作が記録されませんでした。
この場合、マウント経過時間は上記の場合を示す -1 に設定されます。これらのレコードは、時間中心レポートの合計マウント経過時間の計算から除外されます。
サマータイムから標準時間に移行する場合に、計算されたマウント経過時間が負になるシナリオが発生することがあります。それらを抑制するために、マウント経過時間の絶対値が使用されます。
メニュー起動型の userAdmin.sh
ユーティリティーは、ACSLS GUI ユーザーのパスワードを管理します。これは、$ACS_HOME
/install
ディレクトリにあります。ユーザーの追加、ユーザーの削除、ユーザーの一覧表示、ユーザーパスワードの変更を行うことができます。このユーティリティーを使用するには、WebLogic が動作している必要があります。動作していない場合は、メニューが表示される前に、このユーティリティーによって WebLogic が起動され、オンラインであることが確認されます。
このユーティリティーは、root
によって実行され、acsls_admin
認証が必要になります。acsls_admin
ユーザーアカウントは、ACSLS 8.4 のインストール時に構成されます。
ユーザーの追加またはユーザーのパスワードの変更を行う場合、ユーザー名および割り当てるパスワードの入力を求められます。パスワードはサイズおよび有効な文字に関する WebLogic の条件に対して検証されます。
ユーザーを削除するときに、そのアカウントの GUI セッションがまだアクティブであることがあります。ユーザーがログアウトするか、セッションを終了すると、そのユーザーは再度ログインできなくなります。セッションを強制的にすぐに終了する唯一の方法は、GUI を再起動することです。ACSLS GUI を再起動する (すべてのセッションを終了します) ためのオプションが提供されています。
このユーティリティーを使用して acsls_admin
ユーザーのパスワードを変更することはできません。acsls_admin
のパスワードを変更またはリセットする必要がある場合は、次の手順に従います。
wlinstall.sh
ユーティリティーを実行します。
$installDir/wlinstall/wlinstall.sh
userAdmin
.sh
を実行して、残りのユーザーアカウントを再設定します。
userAdmin.sh
# ./userAdmin.sh ACSLS GUI User Administration Weblogic is online. Please enter the acsls_admin password: Authenticating.........Connected! Menu: 1) Add a user account. 2) Remove a user account. 3) Change a user password. 4) List users. 5) Restart ACSLS GUI. 6) Exit. Please select by number: 1 --- Add a User --- Please enter the id of the user you wish to add: acsss Do you wish to add a GUI account for user 'acsss'? (y/n) y Please assign a password for 'acsss'. Passwd: Please confirm password: Passwd: Connecting.......... User accounts has been added. Please select by number: 2 --- Remove a User --- Please enter the name of the user you wish to remove: accounts Do you wish to remove the ACSLS GUI account for user 'accounts'? (y/n) y Connecting.......... The account for accounts has been removed for future logins.> To disable any current login session for accounts, you must restart the ACSLS GUI. Please select by number: 3 --- Change Password --- Enter the user name: acsss Passwd: Please confirm password: Passwd: Connecting.......... Password changed for acsss! Please select by number: 4 --- List Users --- Connecting.......... Configured WebLogic users: OracleSystemUser acsls_admin acsss Please select by number: 5 Do you wish to restart the ACSLS GUI (affects all users)? (y/n) y Restarting: Disabling WebLogic ........................... Enabling WebLogic ................................ Please select by number: e #
volrpt
ユーティリティーはボリュームレポートを作成します。
-s
ソート順序を指定します。このオプションを指定しない場合、デフォルトではボリューム ID によってソートされます。このオプションを指定する場合は、次のいずれかの値を指定する必要があります。
vol
ボリューム ID でソートします。
loc
ボリュームのホーム位置でソートします。
use
ボリュームの使用状況 (マウント数) によってソートします。
-d
出力に改ページまたはヘッダー情報を含めないことを指定します。この出力は、pr
などのほかのプログラムの入力として使用できます。
-f
filename
filename はカスタム volrpt テンプレートを指定します。
-z
識別子フィールドをゼロで埋めます。
-a
指定された ACS にレポートを制限します。複数の ACS を指定できます (空白を使用して acs_id を区切ります)。
-l
指定された LSM にレポートを制限します。複数の LSM を指定できます (空白を使用して lsm_ids を区切ります)。
-v
指定したボリューム (またはボリュームの範囲) にレポートを制限します。1 つの vol_id
、空白で区切られた vol_id のリスト、または vol_id-vol_id
によって示されたボリュームの範囲を指定できます。
identifier_list
-v、-a、および -l オプションで説明されています。これは、ACS、LSM、およびボリューム (またはボリュームの範囲) のリストです。
-i
不在のカートリッジおよび取り出し済みカートリッジを含む、すべてのボリュームを報告します。
このオプションを指定しない場合、不在のカートリッジおよび取り出し済みカートリッジは報告されません。
volrpt
ユーティリティーは、ライブラリカートリッジのレポート (物理的な位置、履歴、属性、および使用状況など) を作成するために使用します。volrpt を使用して、データベースを復元したあとに検証することもできます。-a、-l
、または -v
オプションを使用して、レポートする ACS、LSM、またはカートリッジを指定できます。これらのオプションをいずれも指定しない場合、volrpt
は ACS 0 のみを報告します。
注:
先頭および末尾の空白に関する特別な考慮事項。先頭または末尾にスペースが含まれているボリュームに引数を指定する場合は、引数を単一引用符で囲んでください。単一引用符が 1 つのシェルコンポーネントから別のシェルコンポーネントに渡されるようにするには、引用符をエスケープ文字でタグ付けする必要があります。UNIX では、標準のエスケープ文字はバックスラッシュ (\
) です。
例:
ローカルマシンで先頭にスペースがあるボリューム ID を参照する volrpt
コマンドを記述するには、次のようにコマンドを送信します。
volrpt -v \'0000\'-\'9999\’
リモートシェル (rsh) を使用して同じコマンドを送信するには、引数全体を二重引用符で囲みます。
rsh
<acsls_hostname>
-l acsss bin/volrpt -v "\' 0000\'-\' 9999\'"
次の例は、ボリューム ID、場所、ラベルタイプ、メディアタイプ、および使用状況の履歴のフィールドが含まれている標準のボリュームレポートを示しています。
VOLUME REPORT UTILITY 2002-06-30 14:01:21 TOTAL VOLUMES: 400 SEQUENCE: sort by volume identifier Volume Home LabelVolume Times|---Entered---||--Last Used--| Label Location AttrType/Media MountedDateTime DateTime CLN000 0,0,1,0,3 ExtC/STK1U 108/22/0109:30 10/04/01 14:26 RB0000 0,1,2,1,10Ext.D/STK1R 310/01/0108:16 10/01/01 08:18 RB1400 0,0,10,1,3Ext.S/STK1R 24310/01/0109:30 10/06/01 11:04 RB1401 0,0,10,3,5Virt.D/STK1R 1210/01/0103:29 10/05/01 23:11 ” " " " " "" " " " " " "" " " " " " "" TB1440 0,1,3,1,9 Ext.D/STK2P 4308/12/0109:1109/28/0117:52 " " " " " "" " " " " " "" " " " " " ""
Volume Type/Media
列で、C はクリーニングカートリッジ、D はデータカートリッジ、P はテープドライブによって消費済み (使用済み) として報告されたクリーニングカートリッジ、および S はスクラッチカートリッジを示します。
カスタマイズしたレポートを作成するには、-f
filename
オプションを使用します。詳細は、ロギングボリューム統計レポートの作成を参照してください。
$ACS_HOME/data/external/volrpt/owner_id.volrpt
は、テンプレートとして実行または使用することで、カスタマイズされたボリュームレポートを作成できる入力ファイルの例です。カスタマイズしたボリュームレポートを $ACS_HOME/data/external/volrpt
ディレクトリに保存することもできます。
ボリュームレポートは標準の UNIX のリダイレクションを使用してファイルにリダイレクトできます。
volrpt > file
デフォルトでは、volrpt はリスト内の最初の ACS のみを報告します。ACS 0 および ACS1 の両方のカートリッジを報告するには、次のコマンドを入力します。
volrpt -a 0 1
LSM 0,1 および 2,1 のカートリッジをホームセル位置でソートして報告するには、次のコマンドを入力します。
volrpt -s loc -l 0,1 2,1
注:
volrpt
は、正常に完了した場合、指定されたボリュームレポートを表示します。-f
オプションを指定して、volrpt
が指定されたファイルを見つけられないか、複数の入力ファイルが指定された場合、volrpt
は stderr
にメッセージを出力して終了します。入力ファイル内のフィールドのエラーの場合、volrpt
はメッセージを stderr
に出力してエラーのある行を無視しますが終了しません。
カートリッジが指定されたボリューム ID のリスト、範囲、またはライブラリコンポーネント内で見つからない場合、volrpt
は no volumes found
メッセージを返します。
パラメータを指定しない場合は、デフォルトの ACS 0 が使用されます。
ライブラリコンポーネントが -a、-l
、または -v
オプションを使用して指定されたがボリュームが見つからない場合は、次のようなメッセージが表示されます。
-a
オプション (ACS)
メッセージ:
単一の acs_id
が指定され、ボリュームがない場合は、次のエラーが表示されます: No Volumes found for ACS: (<
acsid>)
例:
$ volrpt -a 2 No Volumes found for ACS: (2)
複数の acs_id
が指定され、それらにボリュームがない場合は、次のエラーが表示されます:
No Volumes found for ACS: (<
acsid1>)(<
acsid2>)
例:
$ volrpt -a 0 1 No Volumes found for LSM: (0) (1)
-l
オプション (LSM)
メッセージ:
単一の lsm_id
が指定され、ボリュームがない場合は、次のエラーが表示されます: No Volumes found for LSM: (<
lsmid>)
例:
$ volrpt -l 1,1 No Volumes found for LSM: (1,1)
複数の lsm_id が指定され、それらにボリュームがない場合は、次のエラーが表示されます: No Volumes found for LSM: (<
lsmid1>)(<
lsmid2>)
例:
$ volrpt -l 1,1 1,2 No Volumes found for LSM: (1,1) (1,2)
-v
オプション (ボリューム)
メッセージ:
単一の volid
が指定され、ボリュームがない場合は、次のエラーが表示されます: Volume(s) not: (<
volid>)
例:
$ volrpt -v BBB112 No Volumes found: (BBB112)
複数の volid が指定され、それらにボリュームがない場合は、次のエラーが表示されます: Volume(s) not found: (<
volid1>)(<
volid2>)
例:
$ volrpt -v BBB112 BBB114 No Volumes found: (BBB112) (BBB114)
-v
オプションはボリュームの範囲に使用することもでき、ボリュームがない場合は同様のメッセージが生成されます。
単一のボリュームの範囲が指定され、ボリュームがない場合は、次のエラーが表示されます: Volume(s) not: (<
volrange>).
例:
$ volrpt -v BBB112-BBB116 No Volumes found: (BBB112-BBB116)
複数のボリュームの範囲が指定され、ボリュームがない場合は、次のエラーが表示されます: Volume(s) not: (<
volrange1>) (<
volrange2>)
例:
$ volrpt -v BBB112-BBB116 BBB220-BBB224 No Volumes found: (BBB112-BBB116) (BBB220-BBB224)
ACS または LSM が構成されていない場合
volrpt
が存在しない acs_id または lsm_id とともに使用された場合は、識別子に従ってメッセージが表示されます。
-a
(ACS)
ACS 識別子 (<acsid>) は構成されていません
-l
(LSM)
LSM 識別子 (<lsmid>) は構成されていません
ロギングボリューム統計レポートの作成を参照してください。
このユーティリティーは、次のボリュームに事前定義されたポリシーを適用します。
新しく挿入されました
監査またはカートリッジ回復によって検出されました
監査、カートリッジ回復、または挿入 (enter
) によって再アクティブ化されました
これらのポリシーは次のファイルに定義されます。
$ACS_HOME/data/external/vol_attr.dat
このファイルには、ユーザー定義のボリューム ID またはボリュームの範囲のリスト、および記録されている各ボリュームのユーザー指定のポリシーが含まれています。そのファイルに一覧されている各ボリュームまたはボリュームの範囲について、ボリュームが挿入されたときのボリュームの所有権、プールの関連付け、推奨される LSM の位置、および論理ライブラリの割り当てを定義できます。ポリシーを定義する具体的な手順については、vol_attr.dat
ファイル内に詳しく説明されています。
watch_vols
ユーティリティーは、acsss_stats.log
を使用して、新しく挿入されたボリューム、あるいは監査またはカートリッジの回復によって検出または再アクティブ化されたボリュームの存在を識別します。この機能を有効にするには、acsss_config
(オプション 3) を使用してボリューム統計情報を有効にする必要があります。ボリュームの統計を有効にすると、watch_vols
は、vol_attr.dat
に定義されているエントリと一致するボリュームを見つけるために acsss_stats.log
の末尾をモニターします。一致が見つかると、そのボリュームに対して定義されているポリシーが自動的に適用されます。
ボリューム ID は次の規則に従う必要があります。
1 行に 1 つの vol_id
またはボリュームの範囲。
vol_id は有効な ACSLS ボリューム ID である必要があります。
vol_id の末尾または先頭にスペースが含まれている場合は、それらをアンダースコア (_) として表す必要があります。たとえば、「_V234_」です。
ユーティリティーの実行中のステータスを確認するには、パラメータなしで watch_vols
を起動します。watch_vols
のステータス (実行中または停止) が不明な場合は、コマンド watch_vols
を引数なしで実行すると、現在のステータスが表示されます。
watch_vols
には 2 つのオプション (start
および stop
) があります。
watch_vols start
start パラメータを指定して呼び出された場合、watch_vols
は vol_attr.dat
に定義されているポリシーを確認します。形式または構文にエラーがある場合、watch_vols
は、エラーを表示して、vol_attr.dat
に必要な訂正を行います。定義されたポリシーが watch_vols によって受け入れられると、ユーティリティーはバックグラウンドで実行されるデーモンを起動します。このデーモンは、ACSLS が実行されている場合、継続して実行されます。これは ACSLS が再起動されるたびに自動的に起動されます。
vol_attr.dat
のポリシーテーブルはいつでも更新できます。ポリシーを更新するために watch_vols
を停止する必要はありません。実行しているプログラムに更新をコミットするには、単に watch_vols
start
を実行します。
watch_vols stop
このコマンドは、指定したボリュームに対する以降のポリシーの適用を停止します。
すべての watch_vols
アクティビティーのログは、次のログファイルに保持されます。
$ACS_HOME/log/watch_vols_event.log
ボリュームの所有権、pool_id
、または LSM のホーム位置が変更されるたびに、このファイルに記録されます。