10 データベース管理

データベースには、ライブラリの構成とすべてのライブラリカートリッジの場所に関するすべての情報が格納されます。

バックアップおよび回復される ACSLS 制御ファイルには、$ ACS_home の下の data/external にあるユーザーが構成可能なファイルと data/internal/client_config にあるいくつかのファイルが含まれます。

この章では、データベースのインポートとエクスポート、インポートされたデータベースとライブラリ構成の検証、データベースのバックアップ、およびデータベースの復元と回復について説明します。

  • データベースのエクスポートとインポートには次が含まれます。

    • データベースのディスクファイルまたはローカルテープデバイスへのエクスポート

    • ディスクファイルまたはローカルテープデバイスからのデータベースのインポート

    • ACSLS 制御構成ファイルのインポート

    • カスタマイズされた動的変数のマージ

    • インポートされたデータベースとライブラリ構成の検証

  • データベースと ACSLS 制御ファイルのバックアップには次が含まれます。

    • 自動データベースバックアップ

    • ローカルテープデバイスまたはディスクへの手動のバックアップの実行

    • UNIX ファイルへのバックアップ

    • 別のサーバーに復元できるバックアップの作成

  • データベースと ACSLS 制御ファイルの回復と復元には次が含まれます。

    • データベースの最新のバックアップへの復元

    • 特定のファイルからの回復

    • ACSLS 制御ファイルの復元

    • 別のサーバーで作成されたバックアップの復元

    • データベースの再起動

使用されるユーティリティー

次のユーティリティーを使用します。

  • 次にバックアップするための bdb.acsss ユーティリティー:

    • 指定された UNIX ファイル

    • テープデバイス

    • デフォルトのファイルと場所

  • 次のための rdb.acsss ユーティリティー:

    • データベースの破損からの回復

    • 意図しない結果を生成する変更から

    • サーバー障害から

  • ACSLS のバージョン間の移行のための db_export.sh および db_import.sh ユーティリティー。これには、以降のリリースへの移行または以前のリリースへの移行が含まれます。

ACSLS をインストールするときに、自動的にデータベース管理ソフトウェアもインストールします。ACSLS のインストール後、次の実行時に、ACSLS データベースが初期化されます。

  • acsss_config を使用して、ライブラリハードウェアを構成します

  • db_import.sh を使用して、以前にエクスポートされたデータベースをインポートします

  • rbd.acsss.sh を使用して、別のサーバーに作成されたデータベースバックアップを回復します

データベースのエクスポート

このセクションでは、ACSLS データベースとその関連付けられた ACSLS 制御ファイルを、ACSLS の以前のバージョン、ACSLS の同じリリースレベルから移行するか、または以前のリリースに戻す方法について説明します。

注:

ACSLS の実行中は db_export.sh を実行できません。これにより、データベースの整合性のあるコピーが確実に取得されます。

db_export.sh ユーティリティーは、テープまたは指定されたファイル上のデータベースの ASCII 表現をディスクに作成します。これは ACSLS 制御ファイルの収集も担当します。このユーティリティーは 2 つの方法で使用できます。

  • これをオプションなしで実行した場合、エクスポートされたファイルはデフォルトのテープデバイス /dev/rmt/rmt/0n にコピーされます。

    db_export.sh 
    
  • 別のテープデバイスを使用する場合は、-f オプションのあとに目的のテープデバイスを続けて使用します。

    db_export.sh -f /dev/rmt/3n
    
  • 同じマシン上のローカルファイルにエクスポートする場合は、-f オプションを使用して、ファイルのパス名を指定します。

    db_export.sh -f /export/save/acsls_export.03_Dec_2014
    

ファイルに保存する場合、結果は 2 つの個別のファイルになります。データベーステーブルはユーザーが指定したファイル名で保存されます。その他の制御ファイルは .misc 拡張子を持つ同一のパス名になります。

db_export.sh によって生成されるファイルは、アップグレードまたは回復時に db_import.sh ユーティリティーへの入力として使用されます。

注:

これはすべての以前の ACSLS バージョンを最新バージョンに移行するための望ましい方法です。

-f オプションを付けても付けなくても、db_export.sh ユーティリティーを実行すると、エクスポートする ACSLS のバージョンを選択するように求められます。

$ db_export.sh

データベースの /dev/tape へのエクスポート

次のオプションから選択することによってエクスポートするリリースを選択します。

テープにエクスポートする場合は、巻き戻しなし (no-rewind) デバイスが必要です。

1: ACSLS 5.3.2 or 5.4 
2: ACSLS 6.0 or 6.0.1 
3: ACSLS 6.0.1 with L700e 
4: ACSLS 6.0.1 with PUT0201 
5: ACSLS 6.1, 7.0, or 7.1/7.1.1 before PUT0701 
6: ACSLS 7.1/7.1.1 with PUT0701 or ACSLS 7.2 (any) 
7: ACSLS 7.3 (any) 
8: ACSLS 8.0, 8.01, 8.02, and 8.1 
9: ACSLS 8.2 or later 
E: Exit 

以前のリリースへのエクスポートの前のサポートされていないテープライブラリ、ドライブ、およびカートリッジの取り外し

テープライブラリ、テープドライブ、またはカートリッジメディアタイプの一部をサポートしていない ACSLS の以前のリリースにデータベースをエクスポートする場合は、データベースをエクスポートする前に、サポートされていないテープライブラリを構成から削除し、テープドライブとカートリッジをライブラリから取り外します。そうしないと、次が発生する可能性があります。

  • ライブラリをサポートしていない以前の ACSLS リリースを選択する場合、データベースをエクスポートする前に構成からライブラリを削除するように求められます。

  • テープドライブを、それらをサポートしていない以前の ACSLS リリースにエクスポートした場合、ドライブは「unknown」として報告され、使用できません。

  • メディアタイプをサポートしていない以前の ACSLS リリースにカートリッジをエクスポートすると、カートリッジが不在としてマークされるため、それらを手動でライブラリから取り外す必要があります。

Linux にエクスポートする前の論理ライブラリの削除

Linux 上で実行される ACSLS は、ファイバターゲットを使用してアクセスされる論理ライブラリをサポートしていません。Linux 上で実行される ACSLS にデータベースをエクスポートする場合は、論理ライブラリをすべて削除します。そうしないと、Linux で実行されるすべての論理ライブラリを使用できなくなります。

ディスクファイルへのエクスポート

次の手順に示すように、ACSLS データベースと ACSLS 制御ファイルをディスクファイルにエクスポートできます。

  1. acsss としてログインします。

  2. ACSLS を無効にします。

    acsss disable (UNIX コマンドプロンプトから)

  3. db_export.sh ユーティリティーを起動します。

    db_export.sh -f /path/db_file

  4. 移行先のバージョンの目的のオプションを選択します。

    • これを実行すると、ユーティリティーに、テーブルデータが正常にエクスポートされたことを示す出力が表示されます。

    • エクスポートが完了すると、エクスポートが成功したことを示すメッセージが表示されます。

    • db_export.sh ユーティリティーは、-f オプションで指定された場所に 2 つのファイル db_filedb_file.misc を作成します。

  5. これらのファイルは削除されないセキュアな場所に配置するか、移動してください。

    次のディレクトリは ACSLS 保守がインストールされるときに削除される可能性があるため、これらのファイルをこのディレクトリ内または下に配置しないでください。

    • $ACS_HOME
      (ACSSS ホームディレクトリ)

    • $ACSDB_BACKUP_DIR (/export/backup など)
      (ACSLS バックアップが格納されているディレクトリ)

    • /tmp

      注:

      新しいリリースのオペレーティングシステムをインストールする予定がある場合は、ACSLS サーバーにエクスポートされたファイルを保存しないでください。
  6. ACSLS とデータベースを起動するには、次のコマンドを入力します。

    acsss enable

テープへのエクスポート

次の手順に示すように、ACSLS データベースと ACSLS 制御ファイルをテープにエクスポートできます。

データベースと ACSLS 制御ファイルをテープにエクスポートするには:

  1. acsss としてログインします。

  2. ACSLS を無効にします。

    acsss disable (UNIX コマンドプロンプトから)

  3. デフォルトのテープデバイスに空のテープを挿入します。

  4. db_export.sh ユーティリティーを起動します。

    db_export.sh -f tape_device

    例: dbexport.sh -f /dev/rmt/0mn

  5. エクスポートする目的のオプションを選択します。

    これを実行すると、ユーティリティーに、テーブルデータが正常にエクスポートされ、ACSLS ファイルが正常にバックアップされたことを示す出力が表示されます。エクスポートが完了すると、メッセージが表示されます。

  6. プログラムが完了し、プロンプトが再表示されたときにのみ、ドライブからカートリッジを取り外してください。

    注意:

    プログラムがエクスポートを完了する前に、カートリッジを取り外すと、ファイルが失われます。「カートリッジを保護」と書き、エクスポートされたデータベースとして内容を識別するためにはっきりとマークを付けます。

    ライブラリにカートリッジを残しておかないでください。

  7. ACSLS とデータベースを起動するには、次のコマンドを入力します。

    acsss enable

データベースのインポート

db_import.sh ユーティリティーを使用すると、次の属性が新しいデータベースにインポートされます。

  • ボリューム: これらのデータベーステーブルには、次のようなライブラリ内の各ボリュームに関連付けられたすべての情報が含まれます。

    • ボリュームが存在する場所

    • カートリッジのタイプ (データ、スクラッチ、クリーニングなど)

    • 最後に関連付けられたスクラッチプール

    • カートリッジの現在のステータス (ホーム、マウント済みなど)

    • 挿入日と最後にアクセスされた日付

    • 挿入日からのマウントの数

    • 最大使用回数 (クリーニングカートリッジの場合)

    • 関連付けられたロック ID およびユーザー ID (カートリッジがロックされている場合)

  • ACS とライブラリ: データベーステーブルには、LSM、ドライブ、パネル、セルなどの ACS およびライブラリコンポーネントが含まれます。

  • ACSLS 制御ファイルには、次を含む初期インストール以降のすべての構成の更新が含まれます。

    • アクセス制御情報

    • 固定ボリュームの設定

    • スクラッチメディアの設定

    • カスタム volrpt テンプレート

  • 動的および静的変数: 以前のリリースでカスタマイズされた動的変数をインポートできます

このセクションでは、db_import.sh ユーティリティーを使用して次を実行する方法について説明します。

  • ACSLS データベースを再作成します

  • 重要な ACSLS 制御ファイルを回復します

  • db_export.sh ユーティリティーを使用して、エクスポートされたデータからカスタマイズされた動的変数を回復します。

ディスクファイルからのインポート

次の手順に示すように、ディスクファイルから ACSLS データベースと ACSLS 制御ファイルをインポートできます。

ディスクファイルから ACSLS データベース、ACSLS 制御ファイル、またはカスタマイズされた動的変数をインポートするには:

  1. acsss としてログインします。

  2. ACSLS を無効にします。

    acsss disable (UNIX コマンドプロンプトから)

  3. db_import.sh ユーティリティーを起動します。

    db_import.sh -f db_file
    
    ACSLS Import Utility
    
       If importing from tape, a no-rewind device is required.
    
        What would you like to do:
    
        1) Import data, control files, and dynamic variables from
           from a DIFFERENT release or platform version of ACSLS (upgrade)
    
        2) Import data, control files, and dynamic variables from the SAME
           release (version and PUT level) and platform of ACSLS(Disaster Recovery)
    
        3) Import database tables only (any level of ACSLS)
    
        4) Import control files only (any level of ACSLS)
    
        5. Merge customized dynamic variables only (any level of ACSLS)
    
        E) Exit
    
        Please select one of the above:
    
    • オプション 1 - 異なるリリースまたはプラットフォームバージョンからのデータ、制御ファイル、および動的変数のインポート。

      このオプションは、別のリリースに移動するかまたは ACSLS のアップグレード時に、データベースファイル、制御ファイル、および動的変数をインポートするために使用します。

      注意:

      既存のデータベースと制御テーブルと動的変数の設定は破棄され、再構築されて、エクスポートから提供されたデータが取り込まれます。結果は最終で、データベースを再構築しなければ回復されません。既存のテーブル内の情報を保持するには、db_export.sh を使用して、テーブルデータをエクスポートしていないかぎり続行しないでください。

      このオプションは以前の環境からカスタマイズされた動的変数も回復します。これは、以前にカスタマイズされた動的変数を記録する必要がなく、ACSLS のバージョンをアップグレードする場合に役立ちます。ディレクトリ acs.home 内の data/external 下のアクセス制御ファイルを含むすべてのファイルが回復されます。アクセス制御が構成されている場合、data/internal/client_config も回復されます。

    • オプション 2 - 同じリリースまたはプラットフォームバージョンからのデータ、制御ファイル、および動的変数のインポート

      このオプションは、データベースと制御ファイルの両方を含む ACSLS 環境を再作成するために使用します。これは次の場合に使用されます。

      • ハードウェアの障害からの回復、またはハードウェアのアップグレード時。

      • データのエクスポート元の ACSLS サーバーと同じにするため、ACSLS サーバーを再構築する必要があります。

    • オプション 3 - 任意の ACSLS リリースレベルからのデータベーステーブルのみのインポート

      このオプションは、任意の ACSLS リリースレベルからデータベースファイルのみをインポートする場合に使用します。

      このオプションは、既存のデータベーステーブルおよび制御ファイルを破棄し、それらを再構築し、エクスポートされたデータベースから提供されたデータをそれらに取り込みます。既存のテーブル内の情報を保持するには、db_export.sh を使用して、データをエクスポートしていないかぎり続行しないでください。

    • オプション 4 - 任意の ACSLS リリースレベルからの ACSLS 制御ファイルのインポート

      このオプションは、任意のバージョンの ACSLS から ACSLS 制御ファイルのみをインポートする場合に使用します。これは、ディレクトリ acs.home 内の data/external 下のアクセス制御ファイルを含むすべてのファイルをインポートします。アクセス制御が構成されている場合、data/internal/client_config もインポートします。

      このオプションは同じバージョンから ACSLS データベースファイル、制御ファイル、動的変数を回復します。これは、ディレクトリ acs.home 内の data/external 下の access 制御ファイルを含むすべてのファイルを回復します。

      このオプションは以前の環境からカスタマイズされた動的変数を回復します。これは、以前にカスタマイズされた動的変数を記録する必要がなく、ACSLS のバージョンをアップグレードする場合にきわめて役立つオプションです。

      このオプションを選択すると、データベースのエクスポートから設定が収集され、新しい変数の設定で共有メモリーが再構成されます。

    • オプション 5 - カスタマイズされた動的変数のみのマージ

      これは、以前にカスタマイズされた動的変数を記録する必要がなく、ACSLS のバージョンをアップグレードする場合にきわめて役立つオプションです。このオプションを選択すると、データベースのエクスポートから設定が収集され、新しい変数の設定で共有メモリーが再構成されます。

      警告:

      このオプションを実行する前に ACSLS 7.2.0 からインポートし、ACSLS を起動すると、特定のデータが失われる可能性があります。ACSLS を以前のバージョンからアップグレードし、カスタマイズされた動的変数があった場合、ACSLS を起動する前に、カスタマイズされた変数をインポートする必要があります。

  4. インポートされたデータベースとライブラリ構成の検証の説明に従って、インストールを検証します。

  5. ACSLS を起動するには、次のコマンドを入力します。

    acsss enable

テープからのインポート

次の手順を使用して、テープから ACSLS データベースをインポートし、ACSLS 制御ファイルを回復して、カスタマイズされた動的変数を再構築します。

  1. acsss としてログインします。

  2. ACSLS を無効にします。

    acsss disable (UNIX コマンドプロンプトから)

  3. db_export.sh コマンドでエクスポートしたデータベースのテープをテープドライブに挿入します。

  4. UNIX コマンドプロンプトで、次を入力して、データベースインポートユーティリティーを実行します。

    db_import.sh

    db_import.sh ユーティリティーは、ディスクファイルからのインポートに示すように、そのメインメニューを表示します。詳細情報も提供します。

    注:

    別の端末からテープの巻き戻しを行なっているときに、端末から db_import ユーティリティーを実行すると、「unsuccessful」メッセージを受け取ります。
  5. メニューオプションについては、手順db_import.sh ユーティリティーを起動します。を参照してください。

  6. インポートされたデータベースとライブラリ構成の検証の説明に従って、インストールを検証します。

  7. デフォルトのテープデバイス以外のテープ (巻き戻しなし (no rewind)) からインポートします。

  8. ACSLS を起動するには、次のコマンドを入力します。

    acsss enable

ファイバ用の mchanger の新しいプラットフォームへの移行

SCSI メディアチェンジャー (mchanger) は ACSLS とファイバ接続ライブラリ間で通信するファイバ接続ライブラリデバイスドライバです。mchanger は ACSLS に接続されているファイバ接続ライブラリごとに作成する必要があります。

/dev/mchanger# デバイスドライバリンクの番号は、別のプラットフォームやリリースに ACSLS をインポートすると変更されることがあり、これによって問題が発生する可能性があります。たとえば、古い ACSLS サーバーで /dev/mchanger3 経由で接続されていた SL500 または SL150 ライブラリが、新しい ACSLS サーバーでは /dev/mchanger4 経由で接続されることがあります。

Linux では mchanger 名の形式が異なるため、ACSLS Linux サーバーから新しい Linux サーバーに移動するときはこれは問題になりません。Linux サーバーでは、番号の代わりに mchanger 名にライブラリシリアル番号が含まれます。

次の手順は、ファイバ接続ライブラリ用にメディアチェンジャードライバを構成していて、新しい ACSLS リリースまたはサーバープラットフォームに移行する場合の問題を回避します。

  1. Solaris または AIX ACSLS サーバーで、古い ACSLS サーバー上の各ファイバ接続ライブラリに関連付けられた mchanger 番号を記録します。古い ACSLS サーバーのファイバ接続ライブラリに関する詳細の記録を参照してください。

  2. ライブラリの新しい mchanger 名で構成を更新します。ファイバ接続ライブラリの mchanger 名を変更するための ACSLS の再構成を参照してください。

古い ACSLS サーバーのファイバ接続ライブラリに関する詳細の記録

Solaris または AIX ACSLS サーバーで、古い ACSLS サーバーからデータベースをエクスポートする前に、古い ACSLS サーバー上の各ファイバ接続ライブラリに関連付けられた mchanger 番号を記録します。各ファイバ接続 ACS に関連付けられた mchanger およびライブラリのシリアル番号を示す cmd_proc および showDevs.sh ユーティリティーからの出力を保存します。

cmd_proc:
  • query lmu all

    これは ACSLS とそれらのポート接続によって制御されるすべての ACS を表示します。Solaris および AIX システム上のファイバ接続ライブラリのポート名は /dev/mchanger# になります。ここで、# は番号です。

  • display lsm * -f type serial_num

    これは ACSLS によって管理されるすべての LSM のライブラリタイプとシリアル番号を表示します。SL500 または SL150 などのライブラリタイプを使用して、ファイバ接続ライブラリを識別します。シリアル番号を使用して、特定のライブラリを識別します。

ユーティリティー:

showDevs.sh -s

–s オプションを付けた showDevs.sh ユーティリティーは、ファイバ接続ライブラリを識別する mchanger デバイスリンク、ライブラリのタイプ、ライブラリのシリアル番号、および詳細を表示します。

ファイバ接続ライブラリの mchanger 名を変更するための ACSLS の再構成

データベースをインポートしたあとに、Linux へ移行するか Linux から移行する場合、または同じ mchanger 番号が Solaris に構成されていない場合、これらのライブラリの新しい mchanger 名で構成を更新する必要があります。

acsss_config の使用:

  1. acsss としてログインします。

  2. showDevs.sh を使用して、すべてのファイバ接続ライブラリを表示します。

    –s オプションを付けた showDevs.sh ユーティリティーは、ファイバ接続ライブラリを識別する mchanger デバイスリンク、ライブラリのタイプ、ライブラリのシリアル番号、および詳細を表示します。

  3. acsss_config からのプロンプトにコピー&ペーストできるように、showDevs.sh からの出力をファイルに保存します。

  4. 1 つの端末ウィンドウに showDevs.sh -s からの出力を表示した状態で、2 つ目の端末ウィンドウを開き、acsss としてログインします。

  5. 2 つ目の端末ウィンドウで、acsss_config を実行します。

  6. 「Option 8: Define or Change Library Configuration」を選択します。

  7. 「Configure library communications? (y/n)」に y と応答します。

  8. 「Library server data base exists and will be overwritten, continue (y or n)?」に y と応答します。

  9. query lmu all からの保存された出力を参照して、古い ACSLS サーバー上に構成されたすべての ACS を再構成します。

    1. 古い ACSLS サーバーにあったとおりに、すべての ACS を同じ順番、同じ ACS 番号で構成します。

    2. ファイバ接続以外のライブラリを、パーティション分割するかまたはパーティション分割しないで、および古い ACSLS サーバー上と同じポート接続で構成します。

  10. ファイバ接続ライブラリのポート接続を構成するときに、新しい ACSLS サーバーで使用される新しい mchanger リンク名を指定します。Linux 上の mchanger リンク名の場合、これを行う簡単な方法は、showDevs.sh 出力からそれらをコピーし、acsss_config のプロンプト後にそれらを貼り付ける方法です。

  11. ACSLS ライブラリハードウェアの再構成を終了します。

インポートされたデータベースとライブラリ構成の検証

ACSLS を検証するには、次の手順を使用して、カートリッジをマウントまたはマウント解除します。

  1. acsss としてログインしていることを確認します。

  2. ACSLS が実行されていない場合は、次のコマンドを入力して起動します。

    acsss enable

  3. 次のコマンドを入力して、cmd_proc からサーバーをクエリーします。

    query server

    サーバーが回復モードであることを示すメッセージが表示された場合は、サーバーが実行中になったことを示すメッセージを待ちます。

  4. 次がオンラインであることを確認します。そうでない場合は、vary コマンドでそれらをオンラインにします。

    query port all

    query acs all

    query lsm all

    query drive all

  5. LSM に少なくとも 1 つのカートリッジがありますか。

    • はい - 手順を続けます。

    • いいえ - カートリッジを LSM に挿入します。

  6. 次のコマンドを入力して、カートリッジをマウントします。

    mount vol_id drive_id

    query drive コマンドを使用して使用可能なドライブの ID を取得し、query volume コマンドを使用してライブラリカートリッジの ID を取得します。

  7. マウント成功を示すメッセージが表示されましたか。

    マウント成功メッセージ:

    Mount: vol_id mounted on drive_id

    • はい - 手順は終了です。

    • いいえ - エラーメッセージが表示された場合は、この検証手順を再度実行し、有効で使用可能なドライブおよびライブラリカートリッジを指定していることを確認します。まだマウントまたはマウント解除に失敗する場合は、サポートに連絡して支援を求めてください。

  8. 次のコマンドを入力して、カートリッジをマウント解除します。

    dismount vol_id drive_id force

    ここで、vol_id はボリュームで、drive_id はステップ 6 で指定したドライブです。

自動データベースバックアップ

ACSLS は、24 時間おきの真夜中、または acsss_config のバックアップオプションに指定された時間と曜日に、データベースからディスクへのバックアップファイルを自動的に作成します。

テープへの手動バックアップの実行

ACSLS が作成する自動データベースバックアップに加えて、bdb.acsss ユーティリティーを定期的に実行して、遠隔地に保存でき、必要に応じて、データベースの障害回復に使用できるテープバックアップを手動で作成してください。

遠隔地のデバイスに転送される定期的なバックアップによって、ACSLS サーバーに障害が発生した場合に迅速な復元が可能になります。

次のあとに bdb.acsss を使用して、手動でデータベースをテープにバックアップします。

  • acsss_config の実行。

  • データベースのインポート。

  • ライブラリ全体の監査。

  • データベースの回復。

ACSLS サーバーに接続された、指定されたテープデバイスへのバックアップ

ACSLS サーバーに接続されている、指定されたテープデバイスに ACSLS データベースバックアップするには、次を実行します。

  1. acsss としてログインします。

  2. テープデバイスに空のテープを挿入します。

  3. 端末ウィンドウから次のコマンドを入力します。

    bdb.acsss -f tape_device

    ここで、tape_device は、ACSLS サーバーに接続されているテープデバイスを指定します。

  4. バックアップの進捗を報告するメッセージが表示されます。

    次のメッセージが表示されるまで待ちます。

    Check tape device (/dev/rmt/0mn) to make sure you have a tape in the tape drive.

    [Hit RETURN to continue or Ctrl-C to exit]

    Press RETURN.

  5. 次のメッセージが表示されるまで待ちます。

    ACSLS database backup successfully completed.

    : ACSLS データベースをテープデバイス /dev/rmt/0mn にバックアップするには、次のコマンドを入力します。

    bdb.acsss -f /dev/rmt/0mn

UNIX ファイルへのバックアップ

障害回復のために、ファイルがリモートディスク上にないかぎり、UNIX ファイルにバックアップすることはお勧めしません。bdb.acsssを参照してください。

ACSLS データベースを UNIX ファイルにバックアップするには、次を実行します。

  1. acsss としてログインします。

  2. 端末ウィンドウから次のコマンドを入力します。

    bdb.acsss -f db_file

    ここで、db_file は、ACSLS データベースを格納する UNIX ファイルを指定します。ファイルへの書き込みアクセス権限を持っている必要があります。

  3. 次のメッセージが表示されるまで待ちます。

    ACSLS database backup successfully completed.

回復と復元

このセクションでは、次の復元/回復手順について説明します。

  • 破損または消失したデータベースの最新のバックアップへの復元

  • 破損または消失したデータベースの指定された日時への復元

  • ディスクの障害からの回復

  • 障害が発生したサーバーの障害回復

  • 特定のバックアップファイルからの回復

  • データベース以外、ACSLS 制御ファイルの復元

これらの手順のほとんどは、rdb.acsss ユーティリティーを使用します。これは、最新のバックアップまたは指定された日時からのデータベースの復元、bdb.acsss によって作成されたバックアップを使用した障害回復、および bdb.acsss によって作成された ACSLS 制御ファイルの復元のためのオプションを提供します。これらのオプションの詳細については、rdb.acsss を参照してください。

注:

バックアップ後にカートリッジのホームセルが最後の場所から変更された場合、復元されたデータベースは最新になりません。マウント解除時のカートリッジの移動を防ぐには: 各 LSM がその ACS 内の唯一の LSM である必要がある (ほとんどの SCSI ライブラリに当てはまる) か、またはパススルーポート経由でほかの LSM に接続されているすべての LSM に対して拡張ストア機能が有効になっている必要があります。

詳細は、拡張ストア機能の使用を参照してください。すべての接続された LSM に対して拡張ストア機能が有効にされていないか、またはカートリッジが挿入または取り出し済みの場合、復元後にライブラリを監査して、データベースを最新にし、パススルーポート経由でほかの LSM に接続されているすべての LSM を有効にします。

注:

rdb.acsss ユーティリティーの一般的なオプションとして、-f オプションを指定しないでください。データベースを外部ネットワークファイルまたは代替のテープデバイスにバックアップした場合、rdb.acsss を入力したあとにのみ -f オプションを使用してください。3 番目の回復オプションを選択します。プロンプトが表示されたら、-f と外部ネットワークファイルまたは別のテープデバイスへのパス名を入力します。詳細は、オプション 2 を選択します。を参照してください。

データベースの最新のバックアップへの復元

この手順では、自動バックアップによってローカルディスクに作成された最新のバックアップにデータベースを復元します。ACSLS 制御ファイルも復元されます。

破損または消失したデータベースを最新のバックアップに復元するには、次の手順を実行します。

  1. acsss としてログインします。

  2. ACSLS を無効にします。

    acsss disable

  3. 次のコマンドを入力します。

    rdb.acsss

  4. オプション 1 を選択します。

    1.Restore from a current local disk backup

  5. 手順についてはrdb.acsssを参照してください。

  6. ACSLS を起動するには、次のコマンドを入力します。

    acsss enable

障害が発生したサーバーからの回復

プライマリディスクとセカンダリディスクの両方が失われたか破損した場合に、障害回復のためにこの手順を使用します。

障害が発生したサーバーから回復するには、次の手順を実行します。

  1. オペレーティングシステムをインストールします。

  2. ACSLS をインストールします。

    注意:

    ディスクの障害の前に使用していた同じディレクトリに ACSLS をインストールする必要があります
  3. acsss としてログインします。

  4. ACSLS を無効にします。

    acsss disable

  5. 次のコマンドを入力します。

    rdb.acsss

  6. オプション 2 を選択します。

    2.Restore from a previous tape or network file backup

  7. 手順についてはrdb.acsssを参照してください。

  8. ACSLS を起動するには、次のコマンドを入力します。

    acsss enable

  9. デフォルトの設定を受け入れない場合は、acsss_config を実行して、自動バックアップの日時と保存期間を再指定する必要があります。

ACSLS 制御ファイルの復元

この手順では、ACSLS 制御ファイルを復元します。これらは、access 制御ファイル、固定ボリュームファイル、スクラッチ優先順位ファイル、カスタム volrpt ファイルなどの data/external ディレクトリ内のすべてのファイルを含むデータベース以外のファイルです。これらのファイルは、bdb.acsss のテープまたは外部ネットワークファイルへのバックアップから復元されます。

ACSLS 制御ファイルを復元するには、次の手順を実行します。

  1. acsss としてログインします。

  2. ACSLS を無効にします。

    acsss disable

  3. 次のコマンドを入力します。

    rdb.acsss

  4. オプション 4 を選択します。

    Restore only ACSLS non-database control files

  5. 手順についてはrdb.acsssを参照してください。

  6. ACSLS とデータベースを起動するには、次のコマンドを入力します。

    acsss enable