Oracle® Mobile Application Framework Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発 2.1.3.0.0 E67370-01 |
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この章では、JDeveloperでのMAFアプリケーションの作成方法と、アプリケーション作成時にJDeveloperによって生成されるファイルやその他のアーティファクトについて説明します。
この章の内容は次のとおりです。
JDeveloperのOracle Mobile Application Framework (MAF)拡張機能には、MAFアプリケーションの開発、テストおよびデプロイメントを容易にする様々な概要エディタやその他のウィザードが用意されています。これらのウィザードを使用すると、MAFアプリケーションの作成、1つ以上のアプリケーション機能の定義、アプリケーション機能へのコンテンツの追加、およびMAFアプリケーションのテスト環境またはデバイスへのデプロイを比較的短時間に行えます。
図2-1は、JDeveloperの「アプリケーション」ウィンドウにWorkBetterサンプル・アプリケーションを表示したもので、このウィンドウではMAFアプリケーションの開発に使用する様々なアイテムを特定します。
MAFアプリケーションを新規作成すると、デフォルトでmaf-features.xml
ファイルの概要エディタが開きます。この概要エディタを使用して、MAFアプリケーションに含めるアプリケーション機能を定義します。
maf-application.xml
ファイルの概要エディタは、特にMAFアプリケーションの名前、アプリケーション用にレンダリングされるデフォルトのナビゲーション・メニュー(ナビゲーション・バーまたはSpringboard)、セキュリティ、およびアプリケーションのデバイス・アクセス・オプションを指定する場合に使用します。
デフォルトで、JDeveloperはMAFアプリケーションを2つのデータ・コントロール(ApplicationFeaturesとDeviceFeatures)とともに作成します。これらのデータ・コントロールでは、MAF AMXページにドラッグ可能な操作を公開し、ユーザーがその操作をページにドロップすると、操作の構成を実行するためのコンテキスト・メニューがJDeveloperによって表示されます。たとえば、hideNavigationBar()
操作をページにドラッグすると、エンド・ユーザーがアプリケーションのナビゲーション・バーを非表示にするコントロールを構成するためのコンテキスト・メニューが、JDeveloperによって表示されます。
WorkBetterサンプル・アプリケーションは、MAFに用意されている様々なサンプル・アプリケーションの1つで、MAFを使用したモバイル・アプリケーションの作成方法を示します。詳細は、付録G「サンプルのMAFアプリケーション」を参照してください。
JDeveloperによってウィザードにデフォルト・オプションが提示されるので、次のように実行すると、1つのMAF AMXページを表示する、1つのアプリケーション機能を備えたMAFアプリケーションを作成できます。
第2.2項「MAFアプリケーションの作成」の説明に従って、MAFアプリケーションを作成します。
第2.3項「MAFアプリケーションのアプリケーション機能の定義」の説明に従って、MAFアプリケーションのアプリケーション機能を定義します。
第2.4項「アプリケーション機能へのコンテンツの追加」の説明に従って、アプリケーション機能にコンテンツを追加します。
MAFアプリケーションを作成するには、事前にJDeveloperにMAF拡張機能をダウンロード、インストールおよび構成する必要があります。詳細は、『Oracle Mobile Application Framework Oracle Mobile Application Frameworkのインストール』を参照してください。このタスクを完了したら、JDeveloperの作成ウィザードを使用してMAFアプリケーションを作成します。
アプリケーションの作成ウィザードを使用して、JDeveloperでMAFアプリケーションを作成します。
MAFアプリケーションの作成手順:
メイン・メニューで「ファイル」を選択し、次に「アプリケーション」→「新規」を選択します。
「新規ギャラリ」の「アイテム」リストで、「モバイル・アプリケーション・フレームワーク・アプリケーション」をダブルクリックします。
モバイル・アプリケーション・フレームワーク・アプリケーションの作成ウィザードで、名前、ディレクトリ、デフォルトのパッケージなど、アプリケーションとプロジェクトの詳細情報を入力します。ウィザードのヘルプを参照するには、[F1]を押すか「ヘルプ」をクリックします。
「終了」をクリックします。
JDeveloperは、MAFアプリケーションを2つのプロジェクト(ApplicationControllerとViewController)および2つのデータ・コントロール(ApplicationFeaturesとDeviceFeatures)とともに作成します。また、MAFアプリケーションの構成用ファイルと、MAFアプリケーションをAndroidまたはiOSプラットフォームにデプロイする際にそのアプリケーションで必要になるファイルも作成されます。
デフォルトで、新規作成したMAFアプリケーションのViewControllerプロジェクト内にあるmaf-features.xml
ファイルの概要エディタが表示されます(図2-2を参照)。この概要エディタを使用して、1つ以上のアプリケーション機能をMAFアプリケーションに追加します。MAFアプリケーションには、少なくとも1つのアプリケーション機能が必要です。MAFアプリケーションへのアプリケーション機能の追加の詳細は、第2.3項「MAFアプリケーションのアプリケーション機能の定義」を参照してください。
MAFアプリケーションの作成時にJDeveloperによって生成されるファイルおよびアーティファクトの詳細は、付録C「MAFアプリケーションとプロジェクト・ファイル」を参照してください。
MAFアプリケーションには、少なくとも1つのアプリケーション機能が必要です。たとえば、WorkBetterサンプル・アプリケーションには4つのアプリケーション機能(ダッシュボード、人々、組織およびSpringboard)が含まれています。図2-3は、これらのうち3つのアプリケーション機能が、そのアプリケーションのカスタムSpringboardに表示されている様子を示しています。
MAFアプリケーションのアプリケーション機能を定義するには、maf-features.xml
ファイルの概要エディタを使用します。
MAFアプリケーションのアプリケーション機能を定義する手順:
「Application」ウィンドウで、ViewControllerプロジェクトを展開し、「アプリケーション・ソース」およびMETA-INFを展開します。
maf-feature.xmlファイルをダブルクリックします。
「機能」ページで「追加」アイコンをクリックします。
次のようにして、「MAF機能の作成」ダイアログに必要な情報を入力します。
機能名: アプリケーション機能の表示名を入力します。
機能ID: アプリケーション機能の一意のIDを入力するか、JDeveloperによって生成される値をそのまま使用します。
ディレクトリ: アプリケーション機能のディレクトリを指定するか、JDeveloperによって生成される値をそのまま使用します。
「対応する機能参照をmaf-application.xmlに追加」チェック・ボックスを選択し、アプリケーション機能をMAFアプリケーションに追加します。このチェック・ボックスはデフォルトで選択されています。
「OK」をクリックします。
アプリケーション機能を定義した後で行うタスクの1つに、アプリケーション機能へのコンテンツの追加があります。アプリケーション機能のコンテンツのレンダリング・タイプを次の中から選択します。
MAF AMXページ: アプリケーション機能をMAF AMXページとしてレンダリングする場合は、このコンテンツ・タイプを選択します。
MAFタスク・フロー: アプリケーション機能を、タスク・フローを構成するアクティビティのコレクションとしてレンダリングする場合は、このコンテンツ・タイプを選択します。タスク・フローに含めることのできるアクティビティには、ビュー(MAF AMXページの表示)、メソッド・コール(マネージドBeanのメソッドの起動)、タスク・フロー・コール(別のタスク・フローのコール)などがあります。
ローカルHTML: アプリケーション機能をHTMLページとしてレンダリングする場合に選択します。
リモートURL: アプリケーション機能をリモートURLからのコンテンツでレンダリングする場合に選択します。
アプリケーション機能にコンテンツ・タイプを追加する一般的な手順は、すべてのコンテンツ・タイプで同じです。具体的には、maf-features.xml
ファイルの概要エディタにある「機能」ページの「コンテンツ」タブで、アプリケーション機能に追加するコンテンツのタイプを選択します。各コンテンツ・タイプに固有の手順については、第5章「MAFアプリケーション機能のコンテンツ・タイプの定義」を参照してください。
定義時にアプリケーション機能がMAFアプリケーションへ自動的に追加されるようにするには、「MAF機能の作成」ダイアログで「対応する機能参照をmaf-application.xmlに追加」チェック・ボックスを選択します(第2.3.1項「アプリケーション機能の定義方法」を参照)。
作成時にMAFアプリケーションへ追加しなかったアプリケーション機能を追加する場合は、maf-application.xml
ファイルの概要エディタの「機能参照」ページを使用し、maf-application.xml
ファイルの概要エディタの「機能参照」ページを使用します。
アプリケーション機能を機能アーカイブ(FAR)ファイルからインポートして、MAFアプリケーションに追加することもできます。MAFアプリケーションにアプリケーション機能を追加するには、事前にそのアプリケーション機能をMAFアプリケーションにインポートする必要があります。FARファイルからのインポートの詳細は、第8章「MAFアプリケーション・コンテンツの再使用」を参照してください。
図2-4は、「機能参照」ページを示したもので、このページを使用してMAFアプリケーションにアプリケーション機能を追加します。
MAFアプリケーションにアプリケーション機能を追加するには、maf-application.xml
ファイルの概要エディタの「機能参照」ページを使用します。
MAFアプリケーションにアプリケーション機能を追加する手順:
「アプリケーション」ウィンドウで、「アプリケーション・リソース」パネルを開きます。
「アプリケーション・リソース」パネルでDescriptorsを展開し、ADF META-INFを展開します。
maf-application.xmlファイルをダブルクリックし、表示される概要エディタで「機能参照」ナビゲーション・タブをクリックします。
「機能参照」ページで「追加」アイコンをクリックします。
「機能参照の挿入」ダイアログで、ドロップダウン・リストからアプリケーション機能のIDを選択します。
「OK」をクリックします。
MAFアプリケーションに追加するアプリケーション機能を参照するためのエントリが、JDeveloperによってmaf-application.xml
ファイルに書き込まれます。
maf-application.xml
ファイルの<adfmf:featureReference>
要素のrefId
属性は、maf-feature.xml
ファイル内の対応するアプリケーション機能を特定します。このため、maf-application.xml
ファイル内の<adfmf:featureReference>
要素のrefId
属性の値は、maf-feature.xml
ファイル内の<adfmf:feature>
要素に対して定義されたid
属性の値と一致する必要があります。
一貫した命名規則を使用して、アプリケーション機能IDの一意性を確保します。アプリケーション機能IDはMAFアプリケーション全体を通して一意である必要があります。
例2-1に、WorkBetterサンプル・アプリケーションのmaf-application.xml
ファイルとmaf-feature.xml
ファイルに含まれている人々アプリケーション機能のエントリを示します。
例2-1 WorkBetterアプリケーションに含まれているアプリケーション機能の機能参照と機能ID
<!-- Feature Reference ID in maf-application.xml File --> <adfmf:featureReference id="fr2" refId="People"/> ... <!-- Feature ID in maf-feature.xml File --> <adfmf:feature id="People" name="People" icon="images/people.png" image="images/people.png"> ...
第12章「MAF AMXページの作成」で説明されているように、MAF AMXコンポーネントを使用すると、プラットフォーム固有の言語で作成されたページとまったく同じように実行されるページを作成できます。MAF AMXページでは、豊富なコンポーネント・セットを使用して、ユーザー・インタフェースを宣言的に作成できます。図2-5に、MAF AMXページの宣言的な開発を示します。
これらのページは、(MAFアプリケーションを作成し、その中にアプリケーション機能を埋め込む)アプリケーション・アセンブラによって作成される場合や、別の開発者によって作成され、アプリケーション機能またはMAFアプリケーションに対するリソースとしてMAFアプリケーションに組み込まれる場合もあります。
MAF AMXページを作成するプロジェクトによって、このページが単一のアプリケーション機能のユーザー・インタフェース・コンテンツの配信に使用されるのか、またはMAFアプリケーション全体に対するリソースとして使用されるのかが決まります。たとえば、図2-9に示すような、アプリケーション・コントローラ・プロジェクト内で作成されたページは、アプリケーション全体のリソースとして使用されます。
ヒント: ページの保守を容易にするために、ページをページ・フラグメントと呼ばれる再利用可能なセグメントに分割できます。MAF AMXページは、1つ以上のページ・フラグメントで構成されます。 |
MAFでは、MAFタスク・フローを介してMAF AMXビュー・ページおよび他のアクティビティを配置して適切なシーケンスにすることができます。第12.2項「タスク・フローの作成」で説明されているように、MAFタスク・フローはアプリケーションのフローの視覚的に表現したものです。これは、(図2-6に示すWorkBetterサンプル・アプリケーションのデフォルトのListページやDetailページなどのビュー・アクティビティのような) MAF AMXで作成されるユーザー・インタフェース・ページや、マネージドBeanでメソッドをコールできる非視覚的なアクティビティで構成されます。タスク・フローの非視覚的な要素は、EL式を評価したり、別のタスク・フローをコールするために使用できます。図2-6で示されるように、MAFではタスク・フロー・コンポーネントをダイアグラマにドラッグしてタスク・フローを宣言的に作成できます。MAFには、バインド・タスク・フローとバインドなしタスク・フローという2種類のタスク・フローがあり、バインド・タスク・フローにはWorkBetterサンプル・アプリケーションのListページのような単一のエントリ・ポイントが含まれ、バインドなしタスク・フローにはアプリケーション・フローとなる複数のエントリ・ポイントが含まれることがあります。WorkBetterサンプル・アプリケーションは、開発コンピュータ上のjdev_install
/jdeveloper/jdev/extensions/oracle.maf/Samples
ディレクトリのPublicSamples.zip
ファイル内にあります。
図2-7に、MAFタスク・フロー、AMXページ、MAFページ・フラグメントと呼ばれるMAF AMXページの再利用可能な部分、およびアプリケーション機能を追加するためにMAFに提供されているウィザードを示します。これらのウィザードにアクセスするには、「アプリケーション」ウィンドウでビュー・コントローラ・プロジェクトまたはアプリケーション・コントローラ・プロジェクトを選択して、「ファイル」→「新規」を選択します。「クライアント層」内の「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」を選択した後、いずれかのウィザードを選択します。
MAF AMXページ・ウィザードを使用して、アプリケーション機能のユーザー・インタフェースに使用されるAMXページや、MAFアプリケーションを構成するアプリケーション機能の間で共有可能なアプリケーション・レベルのリソース(ログイン・ページなど)として使用されるAMXページを作成できます。アプリケーション機能コンテンツの詳細は、第5章「MAFアプリケーション機能のコンテンツ・タイプの定義」を参照してください。
アプリケーション機能のコンテンツとしてMAF AMXページを作成するには:
「アプリケーション」ウィンドウで、ビュー・コントローラ・プロジェクトを右クリックします。
「ファイル」を選択し、「新規」を選択します。
「新規ギャラリ」の「クライアント層」ノードで、「MAF AMXページ」を選択して、「OK」をクリックします。
「ファイル名」フィールドに名前を入力して、「MAF AMXページの作成」ダイアログの入力を完了します(図2-8を参照)。「ディレクトリ」フィールドに、ファイルの場所を入力します。この場所は、ビュー・コントローラ・プロジェクトのpublic_html
フォルダ内である必要があります。
「パネル・ページ」内で、ヘッダーおよびフッターの作成に使用する「ファセット」を選択(または選択解除)します。「OK」をクリックします。
詳細は、第13.2.2項「パネル・ページ・コンポーネントの使用方法」を参照してください。
MAF AMXページを作成します。AMXコンポーネントの使用方法の詳細は、第12.3.1.2項「MAF AMXページの作成」を参照してください。第5.3項「アプリケーション機能のコンテンツをMAF AMXページまたはタスク・フローとして定義する方法」も参照してください。
MAF AMXアプリケーションに対するリソースとしてMAF AMXページを作成するには:
「アプリケーション」ウィンドウで、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトを選択します。
「ファイル」を選択し、「新規」を選択します。
「新規ギャラリ」の「クライアント層」ノードで、「MAF AMXページ」を選択して、「OK」をクリックします。
「ファイル名」フィールドに名前を入力して、「MAF AMXページの作成」ダイアログの入力を完了します(図2-9を参照)。「ディレクトリ」フィールドに、ファイルの場所を入力します。この場所は、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトのpublic_html
フォルダ内である必要があります。「OK」をクリックします。
MAF AMXページを作成します。詳細は、第12.3.1.2項「MAF AMXページの作成」を参照してください。
アプリケーション機能のコンテンツをMAFタスク・フローとして配信できます。
アプリケーション機能のコンテンツとしてMAFタスク・フローを作成するには:
「アプリケーション」ウィンドウで、ビュー・コントローラ・プロジェクトを選択します。
「ファイル」を選択し、「新規」を選択します。
「新規ギャラリ」の「クライアント層」ノードで、「MAFタスク・フロー」を選択して、「OK」をクリックします。
「ファイル名」フィールドに名前を入力して、「MAFタスク・フローの作成」ダイアログの入力を完了します(図2-10を参照)。「ディレクトリ」フィールドに、ファイルの場所を入力します。この場所は、ビュー・コントローラ・プロジェクトのpublic_html
フォルダ内である必要があります。「OK」をクリックします。
タスク・フローを構築します。第12.2項「タスク・フローの作成」も参照してください。
JDeveloperは、MAF AMXページとタスク・フローを、ビュー・コントローラ・プロジェクトの「Webコンテンツ」ノードに配置します(図2-11
のcustom_springboard.amx
およびViewController-task-flow.xmlを参照。これらは、このプロジェクト内で作成されるタスク・フローのデフォルト名です)。これらのアーティファクトはmaf-feature.xml
ファイル内で参照されています。カスタマイズされたアプリケーション・スプラッシュ画面(または起動)イメージやナビゲーション・バー・イメージなどの他のリソースも「Webコンテンツ」ノードにあります。バインドなしタスク・フローを管理するために、JDeveloperではadfc-mobile-config.xml
ファイルが生成されます。このファイルを使用して、ビュー(ユーザー・インタフェース・ページ)、様々なアクティビティ間の遷移を定義する制御ルール、タスク・フローのレンダリング・ロジックを管理するマネージドBeanなど、様々なタスク・フロー・コンポーネントを追加することにより、タスク・フローを宣言的に作成または更新できます。
JDeveloperは、MAF AMXページとタスク・フローを、MAFアプリケーションに対するアプリケーション・リソースとして、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトの「Webコンテンツ」ノードに配置します。図2-11に示すように、MAF AMXページ用のファイルはapplication_resource.amx
という名前で、タスク・フローのファイルはApplicationController-task-flow.xml
という名前です(デフォルト名)。
デプロイ時に、MAFアプリケーションをOMSS (Oracle Mobile Security Suite)でラップしてOMSSのエンタープライズ・モバイル・アプリケーション管理機能を活用するように選択できます。OMSSを使用すると、優れたユーザー操作性を維持しつつ、社内のアプリケーションやデータにモバイル・デバイスから安全にアクセスできます。Mobile Security Containerでは、企業または個人が所有しているiOSやAndroidモバイル・デバイス上で、エンタープライズ・ワークスペースを作成します。従業員は、企業向けのセキュリティとシングル・サインオン認証を使用して、イントラネット、企業データおよびアプリケーションにシームレスにアクセスできます。
モバイル・セキュリティ・アプリケーション・コンテナ化ツールを使用すると、標準化されたセキュリティ・レイヤーをネイティブ・モバイル・アプリケーションに追加できます。コンテナ化プロセスはシンプルで、次のセキュリティ・サービスをアプリケーションに追加します。
セキュアなデータ転送: エンタープライズ・ファイアウォールの背後にあるアプリケーション・バックエンド・リソースへのモバイル・セキュリティ・アクセス・サーバーを介した暗号化済AppTunnel。
認証: Secure Workspaceアプリケーションによって管理され、セキュア・ワークスペースの複数のアプリケーションにまたがって、シングル・サインオンを提供します。
セキュアなデータ記憶域: ファイル、データベース、アプリケーション・キャッシュおよびユーザー・プリファレンスなどのアプリケーション・データの暗号化済記憶域。
データ・リークの制御: 他の信頼できるアプリケーションに対してファイル共有とコピーおよび貼付けを制限する機能。これにより、電子メール、メッセージ送信、出力および保存などのデータ共有を制限できます。
動的ポリシー・エンジン: 認証頻度、ジオフェンスとタイム・フェンスおよびリモート・ロックとワイプなどの50を超える詳細なアプリケーション制御。
OMSSシングル・サインオン認証とMAFアプリケーション・サービスへのユーザー・アイデンティティの伝播は、ログイン接続にWeb SSO認証サーバー・タイプを使用するよう構成されているアプリケーションに対してのみサポートされます。コンテナ認証に成功した後、HTTP基本認証、OAuth認証またはMobile-Social認証を使用するアプリケーションでMAFアプリケーションにログインする必要があります。これらの認証タイプとOMSSでのその役割の詳細は、第29.5.13項「ログイン接続とコンテナ化されたMAFアプリケーションに関する必知事項」を参照してください。
コンテナ化の手順は単純で、コンテナ化によってMAFアプリケーションの開発工程が変わることはありません。実際、コンテナ化を考慮してアプリケーション・コードを特別に変更する必要はありません。MAFアプリケーションは、OMSSコンテナ化を有効にしてデプロイするかどうかに関係なく、同じように開発できます。
OMSSコンテナ化を有効にしてプリケーションをデプロイする場合、JDeveloperではOMSSが提供するモバイル・セキュリティ・アプリケーション・コンテナ化ツールを実行して、MAFアプリケーションをコンテナ化します。
デプロイ後、MAFアプリケーションの開発者はOMSSのシステム管理者と協力して、アプリケーションをOMSSモバイル・アプリケーション・カタログに追加し、適切なポリシーを構成します。詳細は、『Oracle Mobile Security Suiteの管理』のモバイル・アプリケーションの管理を参照してください。
ユーザーがコンテナ化されたMAFアプリケーションを起動すると、Secure WorkspaceアプリケーションがMobile Security Containerにリダイレクトし、そこでSSO認証を実行してから、セッションをMAFアプリケーションに戻します。コンテナ化されたMAFアプリケーションでは、内部Webサイトやサービスへの接続にVPNは必要ありません。かわりに、アプリケーションとモバイル・セキュリティ・アクセス・サーバー(MSAS)との間にセキュアなAppTunnelが構築され、これにより、モバイル・デバイス・ユーザーがアクセス登録した内部サイトおよびサービスへのアクセスにセキュアなトランスポートが提供されます。
OMSSコンテナ化がMAFアプリケーションにどのような影響を与えるかについては、次の各項を参照してください。
OMSSでMAFアプリケーションをコンテナ化するためのJDeveloperの手順は、第27.9項「Oracle Mobile Security Suite (OMSS)でのデプロイ」を参照してください。
社内ファイアウォールの背後にあるセキュアなWebサービスへのアクセスの詳細は、第15.7.3項「Webサービスとコンテナ化されたMAFアプリケーションへのアクセスに関する必知事項」を参照してください。
コンテナ化されたMAFアプリケーションの認証プロセスの詳細は、第29.4項「コンテナ化されたMAFアプリケーションの認証プロセスの概要」を参照してください。
モバイル・デバイスおよびワークスペース・コンテナに関連するOMSS管理タスクの詳細は、OMSSドキュメント・ライブラリで、次の一連のリソースを参照してください。
OMSSのバックグラウンド情報は、『Oracle Mobile Security Suiteの管理』のOracle Mobile Security Suiteの理解を参照してください。
システム管理者がOMSSモバイル・セキュリティ・マネージャのコンソールを使用して、MAFアプリケーション・ユーザーのモバイル・デバイスとワークスペースをエンロールする方法の詳細は、『Oracle Mobile Security Suiteの管理』のデバイスとワークスペースのエンロールを参照してください。
システム管理者がOMSSモバイル・アプリケーション・カタログを使用して、デバイスとワークスペースにプロビジョニングされたMAFアプリケーションを管理する方法の詳細は、『Oracle Mobile Security Suiteの管理』のモバイル・アプリケーションの管理を参照してください。
システム管理者がOMSSモバイル・セキュリティ・マネージャのコンソールを使用して、MAFアプリケーション機能によって共有されている社内ファイルへのアクセスを管理する方法の詳細は、『Oracle Mobile Security Suiteの管理』のモバイル・セキュリティ・ポリシーの管理を参照してください。
リソースの保護と認証に関連するMSAS管理タスクの詳細は、OMSSドキュメント・ライブラリで、次の一連のリソースを参照してください。
MSASのバックグラウンド情報は、『Oracle Mobile Security Access Serverの管理』のモバイル・セキュリティ・アクセス・サーバーの開始を参照してください。
システム管理者がプロキシ・アプリケーションを作成して、MAFアプリケーションがアクセスする保護されたリソースの転送プロキシURLを定義する方法の詳細は、『Oracle Mobile Security Access Serverの管理』のモバイル・セキュリティ・アクセス・サーバー・アプリケーションの管理を参照してください。
システム管理者が事前定義済のセキュリティ・ポリシーを転送プロキシURLにアタッチし、保護されたWebサービスへのMAFアプリケーションによるアクセスを保護する方法の詳細は、『Oracle Mobile Security Access Serverの管理』のモバイル・セキュリティ・アクセス・サーバー・リソースの保護を参照してください。
システム管理者がMSASの認証エンドポイントを構成し、Secure WorkspaceアプリケーションでMAFアプリケーション・ユーザーのモバイル・デバイスの認証が処理されるようにする方法の詳細は、『Oracle Mobile Security Access Serverの管理』のモバイル・セキュリティ・アクセス・サーバー・インスタンスの構成を参照してください。