注意:
Upgrade Assistantを起動する前に、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』、サポートされているアップグレード開始点の詳細を説明したコンポーネント固有のドキュメントおよび特定のインストール・タイプの前提条件とアップグレード・パスを参照してください。ここでは、以下の項目について説明します。
Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantを使用して、サポートされている11gおよび12cのコンポーネント・スキーマ、コンポーネント構成およびスタンドアロン・システム・コンポーネント構成をFusion Middleware 12c (12.2.1)にアップグレードします。リリース12c (12.2.1)時点では、Upgrade Assistantを使用して、アップグレード前の準備状況チェックを実行することもできます。
oracle_common/upgrade/bin/ua
oracle_common\upgrade\bin\ua
Upgrade Assistantを実行すると、次のタスクが実行されます。
—readiness
モードで実行すると、ドメインに関連付けられたスキーマおよびコンポーネント構成に対してアップグレード前のチェックが実行されます。このチェックは、ドメインがオンラインであるときに実行する必要があります。注意:
Upgrade Assistantを拡張する前に、SYSDBA以外のユーザーを作成することをお薦めします。Upgrade Assistantを他のFusion Middlewareツールおよびプロセスとともに使用して、11gおよび12cコンポーネントの12c (12.2.1)へのアップグレードを実行します。
11gから12cへのアップグレード・プロセスは、以前のリリースからのアップグレードの場合と大きく異なります。アップグレード・プロセスにおけるUpgrade Assistantおよび他のアップグレード・ツールの使用方法を理解するには、12cアップグレード・プロセスの理解に関する項を参照してください
通常のアップグレードでは、次で説明するように、Upgrade Assistantを複数回使用できます。
Upgrade Assistantを-readiness
モードで実行することにより、実際にアップグレードを実行する前にアップグレードの潜在的な問題を特定できます。準備状況チェックは、システムがオンライン中に実行できます。準備状況チェックは、既存のドメインまたはデータベース・スキーマをスキャンし、スキャンの結果が記載されたテキスト・ファイルを生成する読取り専用操作です。準備状況チェックでは、スキーマが特定のドメインの一部である必要はありません。アップグレード前の環境に問題がある場合、アップグレードする前にこれらの問題を修正してから、準備状況チェックを再実行できます。
注意:
Upgrade Assistantによってのみ実行可能なアップグレード手順は、準備状況チェック機能によってチェックされます。または、準備状況チェックを-response
モードで実行して、レスポンス・ファイルを使用してサイレント準備状況チェックを実行することもできます。Upgrade Assistantでのレスポンス・ファイルの使用の詳細は、「レスポンス・ファイル・モードでのUpgrade Assistantの起動」を参照してください。
アップグレード・プロセスの調査フェーズは別の操作です。通常、調査フェーズ中に実行されるチェックより、準備状況チェックの方が徹底しています。準備状況チェックは、実際のアップグレードを開始する前に実行する読取り専用プロセスです。調査フェーズは「アップグレード」をクリックする直前に移行し、スキーマおよび構成問題に関する潜在的な問題を特定します。
注意:
準備状況チェックは、実際にアップグレードを開始する前にのみ実行する必要があります。すでにアップグレード手順を実行した場合、準備状況チェックを実行しないでください。実行しても結果が正しくない可能性があります。アップグレード前の準備状況チェックの実行の詳細は、「アップグレード前の準備状況チェックの実行」を参照してください。
注意: アップグレードを実行した際に、アップグレードの正常な実行を妨げる問題が発生した場合、バックアップを使用してアップグレード前の環境に戻し、アップグレードを再実行する必要がある場合があります。準備状況チェックを実行すると、これらの問題の一部を特定し、システムのダウンタイムが延長されることを回避できます。
Upgrade Assistantにはスキーマのアップグレードに対して2つのオプションが用意されています。「個別に選択されたスキーマ」および「ドメインで使用されるすべてのスキーマ」です。
個別に選択されたスキーマ
このオプションを使用すると、アップグレードするコンポーネント・スキーマを選択できます。ドメイン内にアップグレードしないコンポーネント・スキーマがある場合に、このオプションを選択します。
たとえば、ドメインの外部にあるRCUを使用してスキーマを作成してUpgrade Assistantを試行してから、Upgrade Assistantを使用してこれらをアップグレードします。
ドメインで使用されるすべてのスキーマ
このオプションにより、Upgrade Assistantは指定したドメイン内のすべての使用可能なスキーマを検出し、それらをアップグレードに含めることができます。
スキーマがアップグレードされたら、別の再構成ウィザードを使用して、既存のドメインを再構成します。
再構成ウィザードの使用方法の詳細は、「WebLogicドメインの再構成」を参照してください。
Upgrade Assistantはアップグレード可能なすべてのスキーマを識別し、含めます。アップグレードするスキーマを選択することもできます。アップグレードを開始する前に、使用可能なスキーマのリストを確認するには、スキーマのバージョン・レジストリを問い合せます。
ヒント:
スキーマ・バージョン・レジストリから収集した情報と対応するスキーマを比較し、ドメイン内にまだアップグレードできないスキーマがあるかどうかを判断します。
Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBA権限を持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。
SET LINE 120 COLUMN MRC_NAME FORMAT A14 COLUMN COMP_ID FORMAT A20 COLUMN VERSION FORMAT A12 COLUMN STATUS FORMAT A9 COLUMN UPGRADED FORMAT A8 SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;
SQLスクリプト(version.sql
など)に保存されると、次のレポートが生成されます。
VERSIONの数値が11.1.1.6.0以上で、STATUS列がVALIDであれば、そのスキーマはアップグレードでサポートされます。
あるスキーマではアップグレードの必要がない場合、schema_version_registry
表には、12.2.1アップグレード後もアップグレード前のバージョンでそのスキーマが保持されます。
アップグレードが必要なスキーマに関する注意
ほとんどのコンポーネントで、アップグレードできるスキーマ・バージョンの開始点は、11gリリース1 (11.1.1.6、1.1.1.7、11.1.1.8または11.1.1.9)または12c (12.1.2または12.1.3)のみです。スキーマが、サポートされているバージョンでない場合、12c (12.2.1)のアップグレード手順を使用する前に、それらをアップグレードする必要があります。
Oracle Enterprise Data QualityやOracle Golden Gate Veridataなど、一部のコンポーネントでは、サポートされている標準的なOracle Fusion Middlewareバージョン以外のバージョンからのアップグレードがサポートされています。
アップグレードに必要なスキーマに関する追加情報は、コンポーネント固有のインストールおよびアップグレードのドキュメントを参照してください。
11gでファイルベースのポリシー・ストアを使用していた場合、Upgrade Assistantを実行する前に、ファイルベースのポリシー・ストアをデータベースベースのセキュリティ・ストアに再度関連付ける必要があります。
詳細は、「アップグレード前のファイルベースのポリシー・ストアの再関連付け」を参照してください。
11gでOIDベースのポリシー・ストアを使用していた場合は、アップグレード前に新しい12c OPSSスキーマが作成済であることを確認してください。
Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1)リリースでアップグレード可能な製品のスキーマのみをアップグレードできます。まだ12c (12.2.1)へのアップグレードが可能になっていないコンポーネントを含むドメインをアップグレードしないでください。
データベースにスキーマが作成されると、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)は、schema_version_registry
という表を作成して維持します。一部のスキーマではアップグレードが必要ない場合があるため、アップグレードを実行する前にこの表を参照してください。
注意: 「スキーマ」列は、接頭辞とスキーマ名の間にアンダースコア(_)を使用したデフォルトのスキーマ名フォーマットを示します。デフォルトの接頭辞はDEV
ですが、RCUを使用すると、スキーマに新しく接頭辞を作成できます。
表1-1 Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1)へアップグレードできるスキーマ
コンポーネント名 | スキーマ | アップグレード前のスキーマ・バージョン | アップグレード後のスキーマ・バージョン | 依存関係および追加情報 |
---|---|---|---|---|
AS共通スキーマ |
||||
監査サービス1 |
|
11.1.1.6 11.1.1.7 11.1.1.9 12.1.2 12.1.3 |
12.2.1 |
依存関係はありません。 このスキーマの最新バージョンは12.2.1です。 |
メタデータ・サービス |
|
11.1.1.6. 11.1.1.7 11.1.1.9 12.1.2 12.1.3 |
12.2.1 |
依存関係はありません。 このスキーマの最新バージョンは12.2.1です。 |
プラットフォーム・セキュリティ・サービス2 |
|
11.1.1.6 11.1.1.7 11.1.1.9 12.1.2 12.1.3 |
12.2.1 |
|
共通インフラストラクチャ・サービス(LocalSvcTbl) |
|
12.1.2 12.1.3 |
12.1.3 |
SOAINFRAなどの他のコンポーネントを12c (12.2.1)にアップグレードする場合は、 |
ユーザー・メッセージング・サービス |
|
11.1.1.6 11.1.1.7 11.1.1.9 12.1.2 12.1.3 |
12.2.1 |
12.2.1の新規インストールであるシステムをアップグレードする場合、スキーマ名は |
WebLogic診断フレームワーク |
|
11.1.1.6 11.1.1.7 12.1.2 |
12.2.1 |
|
Oracle Data Integrator |
||||
Data Integrator (マスターおよび作業リポジトリ) |
|
11.1.1.6 11.1.1.7 11.1.1.9 12.1.2 12.1.3 |
12.2.1 |
なし。 |
Oracle SOA Suite |
||||
SOAインフラストラクチャ(Oracle Business Activity Monitoring、Business Process ManagementおよびOracle Service Busを含む) |
|
11.1.1.6 11.1.1.7 11.1.1.9 12.1.3 |
12.2.1 |
|
Oracle Enterprise Scheduler |
|
11.1.1.6 11.1.1.7 11.1.1.9 12.1.3 |
12.2.1 |
|
Oracle Managed File Transfer。 |
|
12.1.3 |
12.2.1 |
prefix_MDS、prefix_IAUおよびprefix_UMSもアップグレードする必要があります。 |
Oracle WebCenter |
||||
Oracle WebCenter Contentサーバー |
|
11.1.1.6 11.1.1.7 11.1.1.83 11.1.1.9 |
12.2.1 |
prefix_MDSスキーマを最初にアップグレードする必要があります。 |
Oracle WebCenter Enterprise Capture |
|
11.1.1.8 |
12.2.1 |
prefix_MDSおよびprefix_OPSSスキーマを最初にアップグレードする必要があります。 |
Oracle WebCenterポータル |
|
11.1.1.74 11.1.1.8 |
12.2.1 |
prefix_MDSスキーマを最初にアップグレードする必要があります。 |
Oracle Enterprise Data Quality |
||||
Enterprise Data Quality |
|
11.1.1.7.3 12.1.3 |
12.2.1 |
|
Oracle Golden Gate Monitor |
||||
Golden Gate Monitor |
|
11.1.1.7 12.1.3 |
12.2.1 |
|
Oracle Golden Gate Veridata |
||||
Veridata |
|
11.2.1 12.1.3 |
12.2.1 |
Upgrade Assistantを使用して構成をアップグレードすると、構成されるコンポーネントおよび最新バージョンにアップグレードできるコンポーネントのリストがUpgrade Assistantによって自動的に作成されます。Upgrade Assistantを実行してスキーマをアップグレードした後は、再構成ウィザードを使用してドメインを再構成します。再構成した後、残りの構成プロパティをアップグレードするには、再度Upgrade Assistantを使用します。
Upgrade Assistantを使用して、次のコンポーネント構成を12c (12.2.1)にアップグレードできます。
Oracle Data Integrator (ODI)
Oracle Enterprise Data Quality (EDQ)
Oracle Forms
Oracle Reports
Oracle Golden Gate Monitor (OGGMON)
Oracle Golden Gate Veridata
Oracle HTTP Server(OHS)
JRFインフラストラクチャ
Oracle MapViewer
Oracle Managed File Transfer (MFT)
Oracle Traffic Director (OTD)
Oracle User Messaging Service(UMS)
Oracle WebCenter Content (WCC)
Oracle Web Services Manager。
注意: 推奨されないか12.2.1リリースではまだ使用できない既存のFusion Middleware 11gコンポーネントを使用し続ける場合は、アップグレードを試みないでください
アップグレードしたコンポーネントとともにこれらを使用し続ける場合は、アップグレードする前にこのリリースの相互運用性および互換性ガイドを参照してください。アップグレードによってFusion Middleware 11gコンポーネントに非互換性の問題が発生するかを確認する必要があります。
この項では、Upgrade Assistantを実行する前に実行する必要がある手順について説明します。
アップグレード前のチェックリストを参照して、アップグレード前の要件をすべて満たしているか確認してください。また、アップグレードする各コンポーネントに対してコンポーネント固有のアップグレード前のタスクがすべて完了していることも確認してください。
Oracle Fusion Middlewareアップグレード前のチェックリスト
注意:
Oracle Fusion Middlewareアップグレード前のチェックリストに加え、各コンポーネントには、アップグレード前に実行するコンポーネント固有の追加のタスクが必要な場合があります。アップグレードを開始する前に、必ずコンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。Upgrade Assistantを実行する前に、すべてのOracle Fusion Middleware管理対象サーバー、管理サーバーおよびアップグレードするスキーマまたは構成データを使用している可能性があるシステム・コンポーネント(OHSなど)を停止します。
また、Fusion Middlewareデータベース・スキーマを含むデータベースは、Upgrade Assistantを実行する前に停止する必要があります。データベース・サーバーをシャットダウンして再起動するか、Upgrade Assistantによってアップグレードされるデータベース・インスタンス上で他のデータベース・ユーザーが稼働していないことを確認します。これを行わないと、結果としてアップグレードが不完全になったり、障害が発生する場合があります。
ノード・マネージャを実行している場合は、ノード・マネージャも停止する必要があります。これを行うには、ノード・マネージャが実行されているコンソール・ウィンドウを閉じるか、stopNodeManager
WLSTコマンドを使用します。
Oracle Fusion Middlewareの停止手順は、Oracle Fusion Middleware環境の停止についての説明を参照してください。
Upgrade Assistantはスキーマのアップグレード、コンポーネント構成およびスタンドアロン・システムのコンポーネント構成に使用されます。
注意:
Upgrade Assistantは可能であればいつでも、SYSDBA以外のユーザーが実行する必要があります。非SYSDBAユーザーの作成手順については、「非SYSDBAユーザーの作成」に記載されています。スキーマを持つコンポーネントが含まれているOracleホームからUpgrade Assistantを実行する場合、「スキーマ」アップグレード・オプションが表示されます。Upgrade Assistantにより、スキーマのアップグレード候補のコンポーネントのみがリストされます。コンポーネント・リストからアップグレードするスキーマを選択できます。
表1-2に、スキーマをアップグレードするためにUpgrade Assistantを実行したときに表示される画面を示しますが、これは選択するオプションによって異なります。
表1-2 スキーマのアップグレード: Upgrade Assistantのナビゲート画面
画面のタイトル | 画面が表示されるタイミング | 説明 |
---|---|---|
常時。 |
この画面では、アップグレード・アシスタントの概要と、アップグレード前の重要なタスクについての情報が示されます。 |
|
常時。 |
この画面で、実行するスキーマのアップグレード操作を選択します。画面上のオプションは、次で選択したオプションに応じて変わります。
|
|
個別に選択されたスキーマを選択した場合。 |
この画面では、アップグレード可能なスキーマがあるインストール済のOracle Fusion Middlewareコンポーネントのリストが提供されます。コンポーネントを選択すると、スキーマとすべての依存関係が自動的に選択されます。 |
|
「ドメインで使用されるすべてのスキーマ」を選択した場合。 |
この画面は読取り専用で、アップグレードに含まれる特定のドメイン・ディレクトリ内のすべてのコンポーネントおよびスキーマが表示されます。 |
|
常時。 |
この画面では、アップグレードを続行する前にすべての前提条件が満たされていることを確認する必要があります。続行する前にボックスを確認します。 |
|
常時。 |
この画面で、選択したスキーマとそのスキーマをホストするデータベースへの接続に必要な情報を入力します。 画面名は、選択したスキーマ・タイプによって変わります(例: MDSスキーマ)。 リリース12.1.2のUCSUMSスキーマでは、コンポーネントIDまたはスキーマ名が変わるため、Upgrade Assistantは、使用可能なスキーマを自動的に認識し、それらをドロップダウン・リストに表示することはありません。テキスト・フィールドに手動で名前を入力する必要があります。名前は、アップグレードの開始点に応じて、prefix_ |
|
常時。 |
この画面には、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するUpgrade Assistantのステータスが表示されます。
注意: 調査フェーズ中に検出された問題は、バックアップからリストアしなくても修正できます。 |
|
常時。 |
この画面で、選択したオプションのサマリーをレビューし、アップグレード・プロセスを開始します。 |
|
常時。 |
この画面には、アップグレード処理のステータスが表示されます。 |
|
アップグレードに成功した場合。 |
アップグレードが成功しました。新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションのウィンドウに表示されます。 |
|
アップグレードに失敗した場合。 |
アップグレードは特定のコンポーネントで失敗しました。Upgrade Assistantを再起動する必要があります。 Upgrade Assistantのログは
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs にあります。注意: アップグレードで障害が発生した場合、アップグレード前の環境をバックアップからリストアし、問題を修正して、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。この操作中にファイルが変更されているため、この問題を修正してUpgrade Assistantを再起動することはできません。 |
SOA SuiteおよびBPMのアップグレードの場合のみ:
クローズされているアクティブなSOAインスタンス・データの12c (12.2.1)へのアップグレードは、Upgrade AssistantでのSOAスキーマ・アップグレード・プロセスの一部として自動的に行われます。詳細は、「SOAインスタンス・データのアップグレードの管理と監視」を参照してください。
管理対象WebLogicドメインのコンポーネントを含むOracleホームからUpgrade Assistantを実行する場合、「ドメインによって使用されるすべての構成」アップグレード・オプションを使用できます。
コンポーネント・スキーマをアップグレードした後、再構成ウィザードを実行して、ドメインを再構成する必要があります。詳細は、再構成ウィザードを使用したOracle WebLogicドメインの再構成に関する項を参照してください。ドメインを再構成した後、Upgrade Assistantを再度使用して、この項の説明に従ってコンポーネント構成をアップグレードします。
Oracle Web Services Manager (OWSM)などのWebLogicコンポーネント構成をアップグレードすると、Upgrade Assistantに次の画面が表示されます。
表1-3 Upgrade Assistant画面: Oracle WebLogicコンポーネント構成のアップグレード
画面 | 画面が表示されるタイミング | 説明 |
---|---|---|
常時。 |
この画面では、アップグレード・アシスタントの概要と、アップグレード前の重要なタスクについての情報が示されます。 |
|
アップグレード・タイプとして「ドメインによって使用されるすべての構成」を選択したときの画面名は、「WebLogicコンポーネント」です。 |
管理対象WebLogic Serverドメインのコンポーネント構成をアップグレードするには、「ドメインによって使用されるすべての構成」オプションを選択します。構成のアップグレードは、12.2.1ではオフラインです。アップグレードするドメインのドメイン・ディレクトリを入力してください。 |
|
「ドメインによって使用されるすべての構成」オプションが選択されている場合のみ。 |
この画面では、WebLogicドメインのコンポーネント構成アップグレードに含められるコンポーネントのリストが提供されます。ドメインの名前は、ドメイン内にあるコンポーネントのリストとともに提供されます。 |
|
常時。 |
この画面では、アップグレードを続行する前にすべての前提条件が満たされていることを確認する必要があります。続行する前にボックスを確認してください。 |
|
UMS 11g構成ファイルをホストするリモート管理対象サーバーがある場合(つまり、管理サーバーで、必要な構成ファイルにローカルにアクセスできない場合)のみ。 |
この画面では、UMS 11g構成ファイルをホストするリモート管理対象サーバーのログイン資格証明を指定します。必要な前提条件をすべて満たし、必要なログイン情報を指定した場合、アップグレード・アシスタントにより、リモート構成ファイルが自動的にコピーされます。 |
|
常時。 |
この画面には、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するUpgrade Assistantのステータスが表示されます。 |
|
常時。 |
この画面を使用して、選択したオプションのサマリーをレビューし、アップグレード・プロセスを開始します。 |
|
常時。 |
この画面には、アップグレード処理のステータスが表示されます。 |
|
または |
常時。 |
アップグレードが成功しました。新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションのウィンドウに表示されます。 または 特定のコンポーネントのアップグレードが失敗したため、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。 |
次のトピックでは、アップグレードの完了後に実行する基本的なタスクについて説明します。リストされている製品がアップグレードされていないために、これらのタスクの一部が環境に適用されない場合があります。
アップグレード後の手順の詳細は、必ずコンポーネント固有のアップグレード・ドキュメントを参照してください。
注意: アップグレードした後は、この項で説明されたタスクを正常に完了できるようになっているはずです。これらのタスクのうち1つ以上が、新しくアップグレードした環境で完了できない場合、「アップグレードのトラブルシューティング」 を参照してください。
この項では、新しくアップグレードしたドメインで実行できる一般的な管理タスクについて説明します。
注意: 次の表内の管理タスクはオプションです。アップグレードした環境に適用するタスクのみを実行してください。
表1-4 アップグレード後の基本的な管理タスク
タスク | 説明 | 詳細 |
---|---|---|
製品およびサーバーの起動と停止 |
Oracle Fusion Middleware(管理サーバー、管理対象サーバー、コンポーネントを含む)起動と停止の方法について学習します。 これらのタスクを実行することで、アップグレードが成功しているか検証されます。 |
「Oracle Fusion Middlewareの起動と停止」 |
アップグレードされたアプリケーションの起動および停止 |
新しい12.2.1環境でアップグレードされたアプリケーションを起動して、正常に動作するが確認する方法を説明します。 |
「アプリケーションの起動と停止」 |
Secure Sockets Layer (SSL)の構成 |
Oracle Fusion Middlewareコンポーネント間で、SSLを使用したセキュアな通信を設定する方法について学習します。 |
Oracle Fusion MiddlewareでのSSLの構成に関する項 |
アプリケーションのデプロイ |
アプリケーションをOracle Fusion Middlewareにデプロイする方法を学習します。 |
「アプリケーションのデプロイ」 |
Oracle Fusion Middlewareのモニタリング |
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのステータスを追跡する方法を学習します。 |
「Oracle Fusion Middlewareの監視」 |
Web層のフロントエンドのWebLogicドメインへの追加 |
OracleのWeb層でWebページ(静的と動的)をホストし、組込みのクラスタ、ロード・バランシングおよびフェイルオーバーの機能とともにセキュリティと高パフォーマンスを実現します。特にWeb層にはOracle HTTP Serverが含まれます。 |
Oracle HTTP Serverのインストールと構成 |
トポロジのCoherenceのチューニングと構成 |
標準インストール・トポロジには、記憶域が有効な管理対象Coherenceサーバーが含まれるCoherenceクラスタがあります。この構成はCoherenceの使用には適切な出発点ですが、特定の要件によっては、本番環境でのパフォーマンスを向上させるためにCoherenceをチューニングして再構成することを検討してください。 |
Coherenceクラスタの詳細は、「Coherenceクラスタの構成と管理」を参照してください Coherenceのチューニングの詳細は、『Oracle Coherenceの管理』を参照してください。 HTTPセッション・データの格納の詳細は、「WebLogic ServerでのCoherence*Webの使用方法」を参照してください。 Coherenceアプリケーションの作成とデプロイの詳細は、『Oracle WebLogic Server Oracle Coherenceアプリケーションの開発 』を参照してください。 |
次のSQLコマンドを使用して、schema_version_registry
のスキーマ・バージョンが正しくアップグレードされていることを検証できます。
SET LINE 120 COLUMN MRC_NAME FORMAT A14 COLUMN COMP_ID FORMAT A20 COLUMN VERSION FORMAT A12 COLUMN STATUS FORMAT A9 COLUMN UPGRADED FORMAT A8 SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;
VERSION列内の数値はすべて、アップグレード前のチェック時に指定したバージョンである必要があります。詳細は、「Upgrade Assistantでアップグレードできるスキーマの識別」を参照してください。
問合せ結果のSTATUSフィールドは、スキーマへのパッチ適用処理中は「UPGRADING」または「UPGRADED」に、処理が終了すると「VALID」になります。
ステータスが「INVALID」と表示された場合は、ステータスのアップグレードが失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。
Oracle Databaseを使用している場合は、Upgrade Assistantを実行した後、データベース・オブジェクトを再コンパイルしてください。そのためには、SYSとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコマンドを実行します。
SQL>@/rdbms/admin/utlrp.sql
これによって、アップグレード・アシスタントによってアップグレードされたデータベース・オブジェクトがコンパイルされます。
その後、次の問合せを発行して、無効なデータベース・オブジェクトがなくなったことを確認します。
SELECT owner, object_name FROM all_objects WHERE status='INVALID';
この時点では、アップグレードされたスキーマに、無効になっているデータベース・オブジェクトはないはずです。もしあった場合は、utlrp.sql
コマンドをもう一度実行して再確認します。問題が続く場合は、サービス・リクエストを提出します。
_IAU
を11gの開始点からアップグレードすると、Upgrade Assistantは、2つの補助スキーマ(IAU_APPEND
およびIAU_VIEWER
)を更新し、それらを12.2.1のschema_version_registry
に追加します。これらのスキーマは、11.1.1.6または11.1.1.7のschema_version_registry
表に含まれていませんでした。
リリース11.1.1.7より、OPSS監査データはJPS表ではなく、IAU共通の表に保存されます。_OPSS
スキーマを11.1.1.6から12.2.1にアップグレードする場合、JPS表の既存データはレポートまたは監査目的では変更されないため、JPS表に列を追加してアップグレードする必要はありません。
エディション・ベースの再定義(EBR)対応のスキーマをサポートする最初のリリース
エディション・ベースの再定義(EBR)対応のスキーマをサポートする最初のリリース