プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理
12c (12.2.1)
E67377-02
目次へ移動
目次

前
次

11 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの管理

この章では、WebCenter Portalのインスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)を構成および管理する方法について説明します。

WebCenter Portalのバックエンドのツールとサービスを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンド行ツールを使用してください。デプロイ後にアプリケーションに加えた変更はすべて、MDSメタデータ・ストアにカスタマイズとして格納されます。「Oracle WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」を参照してください。

注意:

Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して行ったインスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成変更は動的ではないため、変更を有効にするには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

権限

この章のタスクを実行するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールでWebLogic ServerのAdminロール、WebCenter Portal管理を使用して付与されるAdministratorロールが付与されている必要があります。

ロールと権限の詳細は、「管理操作、ロールおよびツールの理解」を参照してください。

11.1 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続について

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)を使用すると、認証された他のアプリケーション・ユーザーのプレゼンス・ステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認して、インスタント・メッセージ(IM)やメールなどの対話オプションに簡単にアクセスできます。

バックエンド・プレゼンス・サーバーへの単一の接続が必要です。WebCenter PortalはMicrosoft Lync 2010に対して動作保証されています。

注意:

Oracle Beehive Server接続は、このリリースではサポートされていません。

アプリケーションのプレゼンス・サーバー接続は、Fusion Middleware ControlコンソールまたはWLSTを使用して登録できます。IMPを機能させるには、接続をアクティブとしてマークする必要があります。追加のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、一度にアクティブにできる接続は1つのみです。

11.2 インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの前提条件

この項では、Microsoft Lync 2010をインスタント・メッセージおよびプレゼンスのプレゼンス・サーバーとして使用するための前提条件を示します。

この項では、次の内容について説明します。

11.2.1 Microsoft Lync: インストール

インストールの詳細は、Microsoft Lync 2010のドキュメントを参照してください。

11.2.2 Microsoft Lync: 構成

この項では、次の内容について説明します。

Microsoft Lync 2010をIMPのプレゼンス・サーバーとして使用するには、Microsoft Lync 2010用のWebCenter PortalのProxyアプリケーションを、次のいずれかのトポロジでデプロイする必要があります。

11.2.2.1 シンプル・デプロイ

このトポロジでは、Lyncボックス上にホストされているInternet Information Services (IIS)サーバーにWebCenter PortalのProxyアプリケーションをデプロイします。

  1. Microsoft Unified Communications Managed API (UCMA) 2.0をLyncボックスにインストールします。

    詳細は、「UCMA v2.0のインストール」を参照してください。

  2. WebCenter PortalのProxyアプリケーションをIISサーバーにデプロイします。

    このプロキシ・アプリケーションは、Lyncサーバーとのやり取り、および情報の送受信のためのWebサービスを提供します。WebCenter PortalはこれらのWebサービスと通信し、データを表示します。詳細は、「WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール」を参照してください。

11.2.2.2 リモート・デプロイ

このトポロジでは、Lyncボックスに対してリモートであるIISサーバーにWebCenter PortalのProxyアプリケーションをデプロイします。つまり、IISサーバーとLyncサーバーが別々のマシン上にホストされます。

このプロキシ・アプリケーションはリモート・ボックス上にホストされるため、アプリケーションとLyncの間に信頼関係を設定する必要があります。これは、アプリケーションのプロビジョニングと呼ばれます。プロビジョニングは、Microsoft UCMA v2.0に付属のApplication Provisionerユーティリティを使用して行います。

図11-1 に、様々なデプロイ・エンティティで実行される手順(UCMA v2.0のインストールを含む)の概要を示します。

図11-1 Microsoft Lyncの構成: リモート・デプロイ

図11-1の説明が続きます
「図11-1 Microsoft Lyncの構成: リモート・デプロイ」の説明

これらの手順の詳細は、次の項で説明します。

11.2.2.2.1 Application Provisionerの構築

この項では、Lyncにアクセスする他のIISサーバーをプロビジョニングするための、Microsoft社による手順を示します。

  1. Visual Studio 2008を任意の開発者ボックスにインストールします(必ずしもIIS/Lyncである必要はありません)。
  2. 「UCMA v2.0のインストール」の手順に従って、UCMAバージョン2.0を同じボックスにインストールします。

    Application Provisionerアプリケーションは、UCMA SDKに付属しています。

  3. UCMA Coreをインストールした場所(たとえば、C:\Program Files\Microsoft Lync 2010 R2\UCMA SDK 2.0\UCMACore\Sample Applications\Collaboration\ApplicationProvisionerなど)の下にあるディレクトリSample Applications\Collaboration\ApplicationProvisionerへ移動します。
  4. Visual Studio 2008でアプリケーションを開き、http://msdn.microsoft.com/en-us/library/gg448038.aspxに従ってApplication.csファイルを編集します。
  5. Visual Studio 2008を使用してアプリケーションを構築します。

    これにより、ApplicationProvisioner.exeファイルが生成されます。

  6. この実行可能ファイルをLyncボックスにコピーします。
  7. 次の「LyncサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニング」の手順を参照してください。
11.2.2.2.2 LyncサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニング

  1. Lyncセットアップ・パッケージに付属のOCSWMIBC.msiファイルを実行します。

    UCMA 2.0アプリケーションをLync Server 2010に対して直接デプロイする場合は、Lync Server 2010環境で使用されているSIPドメインを、Office Communications Server 2007 R2 SIPドメイン・リストに追加してからMerge-CsLegacyTopologyコマンドレットを実行する必要があります。アプリケーションは、OCS 2007 R2に対してデプロイされている場合と同様にデプロイされ、Lync Server 2010に対して実行されるように移行されます。ドメインを追加するには、「WBemTestを使用したAllowedDomainsの追加」を参照してください。

  2. 前の項で生成されたApplicationProvisioner.exeファイルを実行します。

    「Application Provisioner」ダイアログが表示されます。

  3. 「Application Provisioner」ダイアログで、「アプリケーション名」にアプリケーション名としてWebCenterProxyApplicationと入力し、「検索または作成」をクリックします。
  4. 「アプリケーション プールを作成します。」ダイアログの「Lync Pool Fqdn」の一覧で、使用するアプリケーションのプールを選択します。
    • 「リッスンするポート」にアプリケーションのリスニング・ポートを入力します(例: 6001)。

    • 「アプリケーション サーバーFqdn」に、アプリケーションをデプロイするコンピュータの完全修飾ドメイン名(FQDN)を入力します。(これはIISボックスです。)

    • アプリケーションを複数のコンピュータにデプロイする場合、「負荷分散アプリケーション」チェック・ボックスを選択し、「ロード バランサーFqdn」にロード・バランサのFQDNを入力します。

    アプリケーション・プールは、「Application Provisioner」ダイアログに表示されます。

  5. サーバーのエントリをダブルクリックします。

    「サーバーの表示」ダイアログが表示されます。そこに表示される情報は、サーバーのFQDN、ポート、GRUUです。

  6. 新しく作成した信頼済みエントリをLync Server 2010に移行します。
  7. LyncサーバーでLync Certificateウィザードを使用して、前の手順で書き留めておいたサーバーFQDNをサブジェクト名として証明書を作成します。

    この証明書は、IISサーバーからの要求の認可に使用されます。

  8. 証明書が作成されたら、証明書を表示します。
  9. 「詳細」タブで、「ファイルにコピー」をクリックします。

    証明書のエクスポート・ウィザードが表示されます。

  10. 秘密鍵を使用して、証明書をファイルにエクスポートします。

    証明書の名前が付いた.pfx (Personal Information Exchange)ファイルが生成されます。

  11. 次の「WBemTestを使用したAllowedDomainsの追加」の手順を参照してください。
11.2.2.2.3 WBemTestを使用したAllowedDomainsの追加

  1. WBemTest.exeを起動するには、コマンド・プロンプト・ウィンドウで、WBemTestと入力して[Enter]を押します。
  2. 「Windows Management Instrumentationテスト」ダイアログで、「接続」をクリックします。
  3. 「接続」ダイアログで、「接続」をクリックします。
  4. 「Windows Management Instrumentationテスト」ダイアログで、「クラスの列挙」をクリックします。
  5. 「スーパークラス情報」ダイアログで、「OK」をクリックします。
  6. 「クエリ結果」ダイアログで、「MSFT_SIPDomainData()」までスクロール・ダウンして、このエントリをダブルクリックします。
  7. 「MSFT_SIPDomainDataのオブジェクト エディタ」ダイアログで、「インスタンス」をクリックします。

    「クエリ結果」ダイアログが表示され、MSFT_SIPDomainData WMIクラスの各インスタンスのInstanceIDが表示されます。これらのエントリはAllowedDomainエントリです。

  8. AllowedDomainエントリを追加するために、「追加」をクリックします。
  9. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「アドレス」をダブルクリックします。
  10. 「プロパティ エディタ」ダイアログで、「NULLでない」ラジオ・ボタンを選択します。
  11. 「値」テキスト入力ペインに、Lyncサーバーのドメイン(例: contoso.com)を入力して、「プロパティの保存」をクリックします。
  12. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「権限あり」をダブルクリックして、「権限あり」プロパティをNullではなくFalseに設定してから、「プロパティの保存」をクリックします。
  13. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログの「プロパティ」リストボックスで、「既定のドメイン」をダブルクリックして、「既定のドメイン」プロパティをNullではなくTrueに設定してから、「プロパティの保存」をクリックします。
  14. 「MSFT_SIPDomainDataのインスタンス」ダイアログで、「オブジェクトの保存」をクリックします。
  15. 次の「Topology BuilderまたはPowerShellコマンドレットを使用した信頼済サービス・エントリの移行」の手順に移動します。
11.2.2.2.4 Topology BuilderまたはPowerShellコマンドレットを使用した信頼済サービス・エントリの移行

Microsoft Lync Server 2010 Topology Builderを使用して信頼済サービス エントリを移行する手順は次のとおりです。

  1. Microsoft Lync Server 2010のトポロジ ビルダーを起動します。

  2. 既存のトポロジが読み込まれたら、「アクション」で「2007 トポロジのマージ」または「2007 R2 トポロジのマージ」を選択します。

  3. その結果として起動されるウィザードで、デフォルトのオプションをそのまま使用して最後まで進みます。

  4. 「トポロジの公開」を選択し、前の手順と同じようにウィザードを完了します。

  5. ウィザードが終了したら、正常に実行が完了したことを確認します。

    ユーザー・インタフェースにエラーが表示されていないことを確認してください。

Microsoft Lync Server 2010 PowerShellコマンドレットを使用して信頼済サービス エントリを移行する手順は次のとおりです。

  1. 「スタート」メニューから「Microsoft Lync Server 2010」プログラム・グループにある「Lync Server管理シェル」を実行します。
  2. 次のPowerShellコマンドレットを実行します。
    Merge-CsLegacyTopology -TopologyXmlFileName D:\output.xml
    
  3. 次のPowerShellコマンドレットを実行します。
    Publish-CsTopology -FileName D:\output.xml

「IISサーバーの構成」を参照してください。

11.2.2.2.5 IISサーバーの構成

リモート・デプロイのシナリオでは、IISサーバーはWebCenter PortalのProxyアプリケーションをホストするため、前の項の情報を使用して、IISを信頼された認証局にしてください。

  1. 秘密鍵を使用してLyncサーバーによって発行された証明書をインストールします。LyncサーバーでのWebCenter PortalのProxyアプリケーションのプロビジョニングの手順7で生成した.pfxファイルをIISボックスにコピーし、それをダブルクリックします。

    証明書のインポート・ウィザードが表示されます。

  2. LOCAL_MACHINEの下の個人用フォルダに証明書をインポートします。
  3. C:/WINDOWS/system32/drivers/etc/hostsにLyncサーバーのプール名のエントリを次の形式で作成します。
    <ip-address-of-lync-box> <poolname-of-lync-box>
    

    例:

    10.177.252.146 pool01.example.com
    
  4. IISサーバーはWebCenter PortalのProxyアプリケーションをホストするため、IISサーバーにMicrosoft UCMA v2.0をインストールします。

    詳細は、「UCMA v2.0のインストール」を参照してください。

  5. UCMAをインストールしたら、このプロキシ・アプリケーションをIISサーバー上にデプロイします。

    WebCenter PortalのProxyアプリケーションは、Lyncとのやり取り、および情報の送受信のためのWebサービスを提供します。WebCenter PortalはこれらのWebサービスと通信し、データを表示します。詳細は、「WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール」を参照してください。

  6. WebCenter PortalのProxyアプリケーションが抽出された場所に移動して、Web.configを開き、appSettings XMLノードを編集して、前の項(第12.2.2.2.5項「IISサーバーの構成」)の手順7で書き留めておいた値を追加します。

    RemoteDeploymentの値は、必ずtrueに設定します。たとえば、appsettings XMLノードは次のように表示されます。

    <appSettings>
      <add key="ApplicationName" value="WebCenterProxyApplication"/>
      <add key="RemoteDeployment" value="true"/>
      <add key="ApplicationFQDN" value="iis.server.com"/>
      <add key="ApplicationGRUU" value="sip:iis.server.com@EXAMPLE.COM;gruu;opaque=srvr:WebCenterProxyApplication:7mhSo94PlUK-5Q2bKPLyMAAA"/>
      <add key="ApplicationPort" value="6001"/>
    </appSettings> 

注意:

ログ・ファイルに次のような例外が記録されている場合は、

ErrorCode = -2146893039
FailureReason = NoAuthenticatingAuthority
e.Message = "Unable to perform authentication of credentials."
base {Microsoft.Rtc.Signaling.FailureResponseException} = {"Unable to perform authentication of credentials."}
InnerException = {"NegotiateSecurityAssociation failed, error: \-2146893039"}

Web.configに次のエントリを追加してください。

<identity impersonate="true" userName="Administrator" password="MyPassword*"/>

usernameは管理者のユーザー名、passwordは管理者のパスワードです。

信頼関係が確立され、WebCenter PortalのProxyアプリケーションがLyncと対話できるようになりました。

11.2.2.2.6 UCMA v2.0のインストール

Microsoft Unified Communications Managed API v2.0 (UCMA)は、Lync環境と対話可能なサーバー・アプリケーションを上級開発者が構築できるエンドポイントAPIです。

シンプル・デプロイでは、UCMAがLyncと同じボックスにインストールされます。リモート・デプロイでは、Lyncコア・ライブラリはLyncボックスにインストールされ、UCMAはIIS(プロキシ)ボックスにインストールされます。

  1. UCMA v2.0インストールを次の場所からダウンロードします。http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=b20967b1-6cf5-4a4b-b7ae-622653ac929f&displaylang=en
  2. UcmaSDKWebDownload.msiファイルをダウンロードして実行します。

    フォルダC:\Microsoft Unified Communications Managed API 2.0 SDK Installer package\amd64にファイルが抽出されます。

  3. (前の手順でファイルが抽出された)ディレクトリに移動しvcredist_x86.exeを実行します。

    UCMA APIに必要な、Visual C++ライブラリのランタイム・コンポーネントがインストールされます。

  4. ディレクトリSetupに移動し、UcmaRedist.msiを実行します。

    GACのUCMA 2.0アセンブリがインストールされます。

11.2.2.2.7 WebCenter PortalのProxyアプリケーションのインストール

  1. コンパニオンCDからowc_ocs2007.zipを抽出します。

    OCSWebServicesという名前のディレクトリが作成されます。

  2. インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャを開きます。
  3. IISマネージャでサーバー・ノードを開き、「サイト」を開きます。
  4. Lync内部Webサイトを右クリックして、「アプリケーションの追加」を選択します。
  5. アプリケーションの追加ウィザードで、「エイリアス」フィールドに仮想ディレクトリの別名(たとえば、RTC)を入力します。
  6. owc_ocs2007.zipファイルから抽出されたディレクトリのパスを入力し、「OK」をクリックします。

    たとえば、このzipファイルを「C:\」に抽出した場合は、C:\OCSWebServicesを入力します。あるいは、「参照」ボタンを使用して、そのディレクトリにナビゲートします。「OK」をクリックします。

  7. 新しく作成したアプリケーションを右クリックし、「アクセス許可の編集」を選択して「プロパティ」ダイアログを表示します。
  8. 「セキュリティ」タブで、アクセス許可を編集してユーザー「すべてのユーザー」に読取りアクセス許可を付与します。
  9. 次のURL書式を使用してWebサイトにアクセスすることで、Webサービスをテストします。http://localhost/lync_internal_web_site/OCSWebService.asmx

    lync_internal_web_siteは、Oracle RTC Webサービス用に作成した仮想ディレクトリです。

    例:

    http://localhost/RTC/OCSWebService.asmx

11.2.3 Microsoft Lync: セキュリティに関する考慮事項

ユーザーが資格証明を提供してLyncサーバーに対して自分を認証できるように、Microsoft Lync接続用の外部アプリケーションを構成する必要があります。

保護されたアプリケーションでは、ユーザーがプレゼンス・ステータスを取得できます。Lyncでは、セキュリティが必要な場合、信頼できるプライベート・ネットワーク上にLyncが存在する必要があります。

Lyncには、外部資格情報を変更するためのオプションが用意されています。これは、外部アプリケーションを使用するかわりになります。ログインしたユーザーは、「プレゼンス」タグをクリックし、メニューから「資格情報の変更」を選択できます。

詳細は、「Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録」を参照してください。

11.3 インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

WebCenter Portalには複数のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、同時にアクティブにできる接続はそのうち1つのみです。

新しい(アクティブな)プレゼンス・サーバーの使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項では、次の内容について説明します。

11.3.1 Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

プレゼンス・サーバー接続を登録するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。
  4. 新しいプレゼンス・サーバーに接続するには、「追加」をクリックします(図11-2 )。

    図11-2 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成

    図11-2の説明が続きます
    「図11-2 インスタント・メッセージおよびプレゼンスの構成」の説明
  5. この接続の一意の名前を入力し、プレゼンス・サーバー・タイプを指定して、この接続をアプリケーションのアクティブな(またはデフォルトの)接続にするかどうかを指定します(表11-1)。

    表11-1 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 名前

    フィールド 説明

    接続名

    接続の一意の名前を入力します。この名前は、WebCenter Portalのすべての接続タイプ間で一意である必要があります。

    接続タイプ

    プレゼンス・サーバーのタイプを指定します。

    注意: Microsoft Lync接続は、Microsoft Office Communications Server 2010接続タイプを使用します。(Oracle Beehive Server接続は、このリリースではサポートされていません。)

    アクティブな接続

    これを選択すると、この接続がWebCenter Portalでインスタント・メッセージおよびプレゼンスに使用されます。

    1つのアプリケーションに対して複数のプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、IMPで使用される接続はデフォルトの(またはアクティブな)接続1つのみです。

  6. インスタント・メッセージおよびプレゼンスをホストするサーバーの接続の詳細を入力します(表11-2 )。

    表11-2 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 接続の詳細

    フィールド 説明

    サーバーURL

    インスタント・メッセージおよびプレゼンスをホストするサーバーのURLを入力します。

    例: http://mylynchost.com:8888

    ユーザー・ドメイン

    この接続に関連付ける(Microsoft Office Communications Serverの) Active Directoryドメインの名前を入力します。Lync接続の場合はユーザー・ドメインが必須です。

    ユーザー・ドメインの詳細は、Microsoft社のドキュメントを参照してください。

    プール名

    この接続に関連付けられているプールの名前を入力します。このプール名は必須です。

    プール名の詳細は、Microsoft社のドキュメントを参照してください。

    関連付けられている外部アプリケーション

    インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーを外部アプリケーションと関連付けます。外部アプリケーションの資格証明情報が、ユーザーをインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーに対して認証するために使用されます。

    外部アプリケーションは必須です。

    リストから既存の外部アプリケーションを選択することも、「新規作成」をクリックして新規の外部アプリケーションを構成することもできます。

    インスタント・メッセージおよびプレゼンス用に構成する外部アプリケーションでは、POST認証方式を使用する必要があります。また、Display to Userに構成(選択)されたAccountという追加のフィールド(名前プロパティ)も指定する必要があります。詳細は、「外部アプリケーションの管理」を参照してください。

  7. 「拡張構成」フィールドにタイムアウトを入力します(表11-4 )。

    表11-3 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 拡張構成

    フィールド 説明

    接続タイムアウト(秒)

    接続の適切なタイムアウトを指定します。

    これは、WebCenter Portalが接続タイムアウト・メッセージを発行するまでにプレゼンス・サーバーからのレスポンスを待機する時間(秒)です。

    デフォルトは-1です。これは、デフォルトが使用されることを示します。デフォルトは10秒です。

  8. プレゼンス・サーバーに接続するためには追加のパラメータが必要になる場合があります。

    プレゼンス・サーバーへの接続に追加のパラメータが必要な場合は、「追加プロパティ」を開き、必要な詳細を入力します(表11-4 )。

    表11-4 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続: 追加プロパティ

    フィールド 説明

    追加

    「追加」をクリックして、追加の接続パラメータを指定します。

    • プロパティ名: 接続プロパティの名前を入力します。

    • プロパティ値: プロパティのデフォルト値を入力します。

    • プロパティはセキュアか: 暗号化が必要かどうかを指定します。選択した場合、プロパティの値は、暗号化を使用してセキュアに格納されます。

      たとえば、この値が実際のパスワードである場合、admin.passwordプロパティを保護するためにこのオプションを選択します。

    削除

    「削除」をクリックして、選択したプロパティを削除します。

    「削除」をクリックする前に、正しい行を選択します。

    注意: 「OK」をクリックするまで、削除された行は無効として表示されます。

  9. 「OK」をクリックして、この接続を保存します。
  10. 新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

11.3.2 WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの登録

WLSTコマンドのcreateIMPConnectionを使用して、プレゼンス・サーバーの接続を作成します。コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスcreateIMPConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

新規のIMP接続をアクティブに使用するようにインスタント・メッセージおよびプレゼンスを構成するには、default=trueを設定します。詳細は、「WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択」を参照してください。

注意:

新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のコマンド行を使用した管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。

11.4 インスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

WebCenter Portalには複数のインスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続を登録できますが、一度にアクティブにできる接続は1つのみです。アクティブな接続WebCenter Portalのバックエンド・プレゼンス・サーバーになります。

この項では、次の内容について説明します。

11.4.1 Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

アクティブな接続を変更するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。

    「インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の管理」表に、現在のアクティブな接続(ある場合)が示されます。

  4. アクティブな(またはデフォルトの)接続にする接続を選択し、「編集」をクリックします。
  5. 「アクティブな接続」チェック・ボックスを選択します。
  6. 「OK」をクリックして、接続を更新します。
  7. 新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

11.4.2 WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス用のアクティブな接続の選択

WLSTコマンドのsetIMPConnectiondefault=trueで使用して、既存のプレゼンス・サーバー接続をアクティブ化します。コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetIMPConnectionに関する項を参照してください。

プレゼンス・サーバー接続を無効化するには、その接続を削除するか、別の接続を「アクティブな接続」にするか、removeIMPServicePropertyコマンドを使用します。

removeIMPServiceProperty('appName='webcenter', property='selected.connection')

このコマンドを使用すると、接続の詳細は保持されますが、この接続はアクティブな接続として示されなくなります。詳細は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスremoveIMPServicePropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

注意:

このアクティブな接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のコマンド行を使用した管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。

11.5 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続の詳細はいつでも変更できます。

更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項では、次の内容について説明します。

11.5.1 Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーの接続の詳細を更新する手順は、次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。
  4. 接続名を選択し、「編集」をクリックします。
  5. 必要に応じて接続の詳細を編集します。

    パラメータの詳細は、表11-2 を参照してください。

  6. OK」をクリックして、変更を保存します。
  7. 更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

11.5.2 WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の詳細の変更

WLSTコマンドのsetIMPConnectionを使用して、プレゼンス・サーバー接続の詳細を編集します。コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetIMPConnectionに関する項を参照してください。

プレゼンス・サーバーへの接続に追加のパラメータが必要な場合は、setIMPConnectionPropertyコマンドを使用します。詳細は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetIMPConnectionPropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

注意:

更新された(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』の管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。

11.6 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続はいつでも削除できますが、アクティブな接続を削除する際には注意が必要です。ユーザー・プレゼンス・オプションはバックエンド・インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバーを必要とするため、アクティブな接続を削除すると、ユーザー・プレゼンス・オプションは使用できなくなります。

接続を削除するとき、インスタント・メッセージおよびプレゼンスに関連付けられている外部アプリケーションの目的がこの接続をサポートすることのみであれば、その外部アプリケーションを削除することを考慮してください。詳細は、「外部アプリケーション接続の削除」を参照してください。

この項では、次の内容について説明します。

11.6.1 Fusion Middleware Controlを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー接続を削除するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「インスタント・メッセージおよびプレゼンス」を選択します。
  4. 接続名を選択し、「削除」をクリックします。
  5. この変更を行うには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

    詳細は、「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

    注意:

    管理対象サーバーを再起動する前に、別の接続をアクティブとしてマークしてください。そうしないと、インスタント・メッセージおよびプレゼンスが無効になります。

11.6.2 WLSTを使用したインスタント・メッセージおよびプレゼンス接続の削除

WLSTコマンドのdeleteConnectionを使用して、プレゼンス・サーバーの接続を削除します。コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスdeleteConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

11.7 インスタント・メッセージおよびプレゼンスのデフォルトの設定

WLSTコマンドのsetIMPServicePropertyを使用して、IMPのデフォルトを設定します。

  • selected.connection: インスタント・メッセージおよびプレゼンスで使用する接続。

  • rtc.cache.time: インスタント・メッセージおよびプレゼンス・データのキャッシュ・タイムアウト。

  • resolve.display.name.from.user.profile: ユーザー表示名がない場合に表示する内容を設定します。0に設定すると、表示名の情報がない場合には、ユーザー名のみがアプリケーションに表示されます。1に設定しており、表示名情報が利用不可能な場合、表示名がユーザー・プロファイル・データから読み込まれます。このオプションを1に設定すると、パフォーマンスに影響します。デフォルト設定は0です。

    表示名は、プレゼンス・データでは必須でありません。アプリケーションが表示名をデフォルトで提供しないことがあり、この情報が重要と思われる場合は、resolve.display.name.from.user.profile1に設定することで、表示名を常に表示できます。

  • im.address.resolver.class: ユーザー名からIMアドレスおよびIMアドレスからユーザー名へのマッピングに使用するリゾルバ実装。デフォルト設定は、oracle.webcenter.collab.rtc.IMPAddressResolverImplです。この実装は、次の場所と順序でIMアドレスを検索します。

    • ユーザー・プリファレンス

    • ユーザー資格証明

    • ユーザー・プロファイル

  • im.address.profile.attribute: ユーザーのIMアドレスを特定するために使用するユーザー・プロファイル属性。デフォルト設定は、BUSINESS_EMAILです。im.address.profile.attributeでこのデフォルトを変更できます。

コマンドの構文と詳細な例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetIMPServicePropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

11.8 インスタント・メッセージおよびプレゼンス接続のテスト

Oracle RTC Webサービスでは、呼び出して妥当性をテストできる一連のWebメソッドを公開しています。接続を検証するには、Webサービスのエンドポイントにアクセスしてみます。次の例は、アプリケーション・コンテキスト・パスを/RTCと仮定しています。

  • protocol://host/RTC/ApplicationConfigurationService.asmx

  • protocol://host/RTC/RTCService.asmx

  • protocol://host/RTC/OCSWebService.asmx