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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理
12c (12.2.1)
E67377-02
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12 メールの管理

この章では、WebCenter Portalのメールを構成および管理する方法について説明します。また、「メールの送信」機能の構成方法についても説明しますが、この機能を使用すると、アプリケーション・アセットはそれ自身から直接メールを送信できます。「メールの送信」機能には、メールは必要ありません。つまり、「メール」コンポーネントがWebCenter Portalで構成されていない場合でも、ユーザーはメール通知を送信できます。

WebCenter Portalのバックエンド・サーバーを確認および構成するには、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンド行ツールを使用してください。デプロイ後に加えた変更はすべて、MDSメタデータ・ストアにカスタマイズとして格納されます。「Oracle WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」を参照してください。

注意:

Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して行ったメールの構成変更は動的ではないため、変更を有効にするには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

権限

この章のタスクを実行するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールでWebLogic ServerのAdminロール、WebCenter Portal管理を使用して付与されるAdministratorロールが付与されている必要があります。

ロールと権限の詳細は、「管理操作、ロールおよびツールの理解」を参照してください。

メールに関する問題のトラブルシューティングは、「メールに関する問題のトラブルシューティング」を参照してください。

12.1 メール・サーバー接続について

Oracle WebCenter Portalでは、Microsoft Exchange Serverや、IMAP4およびSMTPをサポートするすべてのメール・サーバーをサポートしています。ユーザーがWebCenter Portal内でメールにアクセスし、読取り、返信、転送といった基本的な操作を実行できるようにするには、まず、適切なメール・サーバーを登録する必要があります。メールは事前には構成されていません。

複数のメール・サーバー接続に登録できます。

WebCenter Portalでは、複数のメール接続がサポートされています。アクティブとしてマークされたメール接続が、WebCenter Portalでのメールのデフォルトの接続です。すべての追加の接続は代替として提供され、ユーザーは、使用する接続をユーザー・プリファレンスで選択できます。

12.2 メールの構成ロードマップ

この項では、ロードマップを構成プロセスにおける管理者のガイドとして使用します。

図12-1図12-1に、WebCenter Portalでメールを動作させるための前提条件と必要な作業の概要を示します。

表12-1 WebCenter Portal用のメールの構成

担当者 タスク サブタスク

管理者

1. WebCenter Portalと、メール・サーバーのバックエンド・コンポーネントをインストールします(「メール・サーバー: インストール」を参照)

1.a Microsoft Exchange 2007、2010または2013の場合のみ、追加の構成手順を実行します(「WebCenter PortalのためのMicrosoft Exchange Server 2007、2010または2013の構成」を参照)

2. 次のいずれかのツールを使用して、WebCenter Portalとメール・サーバー間の接続を構成します(メール・サーバーを外部アプリケーションに関連付けます)。

エンド・ユーザー

3. ページにメール・タスク・フローを追加します。

4. 次のいずれかの方法でメールにアクセスします

  • メール・タスク・フローで「メールにログイン」をクリックし、メール・サーバーのログイン資格証明を入力します

  • 「プリファレンス」→「メール」ページに移動してメール資格証明を指定します。

12.3 メール・サーバーの前提条件

この項では、次の内容について説明します。

12.3.1 メール・サーバー: インストール

インストールの詳細は、ご使用のメール・サーバーのドキュメントを参照してください。

12.3.2 メール・サーバー: 構成

WebCenter Portalでは、ポータル配信リストを作成および管理できます。この機能は、Microsoft Exchangeでのみサポートされます。

有効な場合、ポータル配信リストはポータルが作成されるたびに自動的に作成されます。LDAPベースDN (サポートされるLDAPベースDNは1つのみ)が変化せず、Microsoft Exchange Active Directory上に作成されたユーザーがWebCenter Portalで使用されるアイデンティティ・ストアに作成されたユーザーに対応している場合、ポータルに追加されたユーザーは対応するポータル配信リストに自動的に追加され、ポータルから削除されたユーザーは対応するポータル配信リストから自動的に削除されます。この機能を無効化するには、LDAP (Active Directory)サーバーの詳細をメール接続に入力しないでください。

詳細は、「Fusion Middleware Controlを使用したメール・サーバーの登録」の手順7を参照してください。

メール・サーバーでのユーザーの追加の詳細は、メール・サーバーの製品ドキュメントを参照してください。WebCenter Portalのアイデンティティ・ストアへのユーザーの追加の詳細は、「組込みLDAPアイデンティティ・ストアへのユーザーの追加」を参照してください。

Microsoft Exchange 2007、Microsoft Exchange 2010およびMicrosoft Exchange 2013は、構成の前提条件がある唯一のメール・サーバーです。他のメール・サーバーを使用している場合は、この項の以降の部分を省略してかまいません。

12.3.2.1 WebCenter PortalのためのMicrosoft Exchange Server 2007、2010または2013の構成

Microsoft Exchange Server 2007、2010または2013の証明書をWebCenter Portalキーストアに追加する必要があります。これには、次の手順が必要になります。

  1. Microsoft Exchange Serverからの証明書の取得
  2. WebCenter Portalキーストアへの証明書の追加
  3. 証明書をインポートしたら、サーバーを再起動します。
12.3.2.1.1 Microsoft Exchange Serverからの証明書の取得

ご使用のメール・サーバーのインストール管理者から証明書を取得します。この項では、Microsoft Exchange Serverから証明書を取得する方法の1つを説明します。

Microsoft Exchange Server 2007、2010または2013から証明書を取得する手順は次のとおりです。

  1. ブラウザを開き、次のコマンドを使用してIMAPサーバーに接続します。
    https://host_name/owa
    

    host_nameはMicrosoft Exchange Serverのホスト名です。

  2. ページにカーソルを置いて、右クリックし、「プロパティ」を選択します。次に、「証明書」をクリックします。
  3. ポップアップ・ウィンドウで、「詳細」タブをクリックし、「ファイルにコピー...」をクリックします。

    必ずDER encoded binary (X.509)形式を使用して、ファイルにコピーしてください。

  4. .DER形式の証明書を.PEM形式に変換します。

    注意:

    WebLogicは.PEM形式のみを認識します。

    Firefox 3.0以降を使用すると、証明書を.PEM形式で直接ダウンロードできます。それ以外のブラウザの場合、WebLogic Serverのder2pemツールを使用して.PEM形式に変換してください。der2pemの詳細は、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』を参照してください。

12.3.2.1.1.1 WebCenter Portalキーストアへの証明書の追加

  1. ダウンロードした証明書をキーストアにインポートします。通常、キーストアはJAVA_HOMEにあるcacertsという名前のファイルです。例:
    keytool -import -alias imap_cer -file cert_file.cer -keystore cacerts -storepass changeit
    

    cert_fileは、ダウンロードした証明書ファイルの名前です。標準インストールでは、JAVA_HOMEは次の場所にあります。

    /scratch/wcinstall/ps2/1225/wlshome/jrockit_160_17_R28.0.0-616
    

    キーストアへの証明書の追加の詳細は、「証明書の構成とエクスポート」を参照してください。

  2. サーバーを再起動します。
12.3.2.1.1.1.1 Microsoft Exchange Serverに関する考慮事項

  • IMAPポートは993で、secured=trueです。SMTPポートは587で、secured=trueです。

  • 次のエラーが表示される場合は、ドメイン起動ファイルsetDomainEnv.sh内のトラスト・ストアのエントリを変更する必要があります。

    Caused by: java.io.IOException: Keystore was tampered with, or password was incorrect
     at sun.security.provider.JavaKeyStore.engineLoad(JavaKeyStore.java:771)
     at sun.security.provider.JavaKeyStore$JKS.engineLoad(JavaKeyStore.java:38)
     at java.security.KeyStore.load(KeyStore.java:1185)
     at com.sun.net.ssl.internal.ssl.TrustManagerFactoryImpl.getCacertsKeyStore (TrustManagerFactoryImpl.java:202)
     at com.sun.net.ssl.internal.ssl.DefaultSSLContextImpl.getDefaultTrustManager (DefaultSSLContextImpl.java:70) 
    

    このエントリを変更するには:

    1. WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーをシャットダウンします。

    2. 次にある、ドメイン起動スクリプトsetDomainEnvを編集します。

      UNIX: DOMAIN_HOME/bin/setDomainEnv.sh

      Windows: DOMAIN_HOME\bin\setDomainEnv.cmd

    3. 次のように、Javaプロパティを追加します。

      -Djavax.net.ssl.trustStore=<path to truststore> -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=<truststore password>
      

      例:

      set JAVA_PROPERTIES=
      -Dplatform.home=%WL_HOME% -Dwls.home=%WLS_HOME% -Dweblogic.home=%WLS_HOME%
      -Djavax.net.ssl.trustStore=C:\jive\mailtool\jssecacerts
      -Djavax.net.ssl.trustStorePassword=changeit
      
    4. 管理対象サーバーを再起動します。

12.3.3 メール・サーバー: セキュリティに関する考慮事項

詳細は、「SSLを使用したWebCenter PortalからIMAPおよびSMTPへの接続の保護」を参照してください。

注意:

LDAPがセキュア・モードで実行するように構成されている場合は、LDAP保護プロパティを追加(true/falseに設定)して、配信リストの作成時にLDAPを使用するようにしてください。詳細については、表12-4 を参照してください。

12.3.4 メール・サーバー: 制限事項

WebCenter Portalでは、メールでWebCenter Portal配信リストの自動管理を可能にするために、Microsoft Exchangeメール・サーバー接続が必要です。

12.4 メール・サーバーの登録

複数のメール・サーバー接続に登録できます。新しいメール接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項では、次の内容について説明します。

12.4.1 Fusion Middleware Controlを使用したメール・サーバーの登録

メール・サーバーをWebCenter Portalに登録する手順は次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。

    詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください

  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「メール・サーバー」を選択します。
  4. 新規のメール・サーバーに接続するには、「追加」をクリックします(図12-2 )。

    図12-2 メール・サーバーの構成

    図12-2の説明が続きます
    「図12-2 メール・サーバーの構成」の説明
  5. この接続の一意の名前を入力し、この接続をアプリケーションのアクティブな(またはデフォルトの)接続にするかどうかを指定します(表12-2 )。

    表12-2 メール・サーバー接続: 名前

    フィールド 説明

    接続名

    接続の一意の名前を入力します。この名前は、WebCenter Portalのすべての接続タイプ間で一意である必要があります。

    アクティブな接続

    この接続をメールのデフォルトの(またはアクティブな)接続にするかどうかを指定します。

    複数のメール・サーバー接続を登録できます。

    WebCenter Portalでは、複数のメール接続がサポートされています。アクティブとしてマークされたメール接続が、メールのデフォルトの接続です。すべての追加の接続は代替として提供され、ユーザーは、使用する接続をユーザー・プリファレンスで選択できます。

  6. メール・サーバーの接続の詳細を入力します(表12-3 )。

    表12-3 メール・サーバー接続の詳細

    フィールド 説明

    IMAPホスト

    IMAP (Internet Message Access Protocol)が実行されているコンピュータのホスト名を入力します。

    IMAPポート

    IMAPがリスニングするポートを入力します。

    IMAP保護

    IMAPを介する受信メールに保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。

    SMTPホスト

    SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)が実行されているコンピュータのホスト名を入力します。

    SMTPポート

    SMTPがリスニングするポートを入力します。

    SMTP保護

    SMTPを介する送信メールに保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。

    関連付けられている外部アプリケーション

    メール・サーバーを外部アプリケーションに関連付けます。外部アプリケーション資格証明情報を使用して、IMAPおよびSMTPサーバーに対応するユーザーが認証されます。メールは、IMAPとSMTPの両方に対するユーザーの認証に同じ資格証明を使用します。

    リストから既存の外部アプリケーションを選択することも、「新規作成」をクリックして新規の外部アプリケーションを構成することもできます。詳細は、「外部アプリケーションの管理」を参照してください。

    メールの外部アプリケーションでは、Authentication Method=POSTを使用する必要があります。また、一部のメール・ヘッダー・フィールドをカスタマイズできます(「ユーザーに表示」が有効の場合)。

    • プロパティ: mail.user.emailAddress (メールの送信者)

      プロパティ: mail.user.displayName (メールの表示名)

      プロパティ: mail.user.replyToAddress (メールの返信先アドレス)

    これらのプロパティは、特定のメール・アドレスが外部アプリケーションとメール・サーバーで同じであることを保証します。これらのプロパティはメール接続に追加され、メールで「送信元」「表示名」および「返信先」の各フィールドに使用されます(図12-3)。追加プロパティの構成については、表12-7 を参照してください。

    アプリケーションで、要求時にユーザーID情報をメール送信する機能を備えた自己登録ページを用意している場合、ここで選択した外部アプリケーションに対してパブリック資格証明が構成されていることを確認してください。パブリック資格証明が定義されていない場合、要求時にユーザーにメールが送信されません。たとえば、WebCenter Portalでは、デフォルトの自己登録ページでこの機能を提供しています。

  7. WebCenter Portal配信リストを管理するActive DirectoryサーバーのLDAP接続の詳細を指定します(表12-4 )。

    WebCenter Portalは、配信リストをActive Directoryサーバーで管理するMicrosoft Exchangeをサポートしています。

    注意:

    配信リストWebCenter Portalで動作させるには、Active Directoryサーバーの詳細をメール接続の一部として指定する必要があります。

    表12-4 LDAPディレクトリ・サーバーの構成パラメータ

    フィールド 説明

    LDAPホスト

    LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)ディレクトリ・サーバーが実行されているコンピュータのホスト名を入力します。

    LDAPポート

    LDAPディレクトリ・サーバーがリスニングするポートを入力します。

    LDAPベースDN

    LDAPスキーマのベース識別名を入力します。例: CN=Users,DC=oracle,DC=com

    LDAPドメイン

    配信リスト名の後ろに追加するドメインを入力します。

    たとえば、このドメイン値をexample.comに設定した場合、Finance ProjectというポータルFinanceProject@example.comという配信リストを保持します。

    LDAP管理者ユーザー名

    LDAPディレクトリ・サーバー管理者のユーザー名を入力します。

    LDAPスキーマにエントリを作成する権限のある有効なユーザーを指定してください。

    LDAP管理者のパスワード

    LDAPディレクトリ・サーバー管理者のパスワードを入力します。

    このパスワードは保護されたストアに格納されます。

    LDAPデフォルト・ユーザー

    モデレーション機能を付与するユーザー名のカンマ区切りリストを入力します。これらのユーザーは、作成されるすべてのポータル配信リストのメンバーになります。ここで指定するユーザーは、(「LDAPベースDN」フィールドで指定した)ベースLDAPスキーマに存在する必要があります。

    LDAP保護

    WebCenter PortalとLDAPディレクトリ・サーバー間に保護された接続(SSL)が必要かどうかを指定します。

  8. メール・サーバー接続の拡張オプションを構成します(表12-5 )。

    表12-5 メール・サーバー接続: 拡張構成

    フィールド 説明

    接続タイムアウト(秒)

    接続の適切なタイムアウトを指定します。

    これは、WebCenter Portalが接続タイムアウト・メッセージを発行するまでにメール・サーバーからのレスポンスを待機する時間(秒)です。

    デフォルトは-1で、これはデフォルトが使用されることを意味します。デフォルトは10秒です。

  9. オプションとして、メール・サーバー接続にパラメータを追加できます(表12-6 )。

    表12-6 メールに接続する追加のプロパティ

    追加の接続プロパティ 説明

    charset

    接続のために使用される文字セットを示します。

    デフォルトのcharsetは、UTF-8です。ISO-8859-1などの他のキャラクタセットを使用する場合は、charset接続プロパティを設定します。

    各種のIMAPプロパティ

    任意の有効なIMAP接続プロパティ。例: mail.imap.connectionpoolsize

    有効なプロトコル・プロパティのリストは、メール・サーバーのドキュメントを参照してください。標準IMAPプロパティのリストは、Java Mail APIを参照してください。

    https://javamail.java.net/nonav/docs/api/com/sun/mail/imap/package-summary.html

    各種のSMTPプロパティ

    任意の有効なSMTP接続プロパティ。例: mail.smtp.timeout

    有効なプロトコル・プロパティのリストは、メール・サーバーのドキュメントを参照してください。標準SMTPプロパティのリストは、Java Mail APIを参照してください。

    https://javamail.java.net/nonav/docs/api/com/sun/mail/smtp/package-summary.html

    メール・サーバーへの接続に追加のパラメータが必要な場合は、「追加プロパティ」を開き、必要な詳細を入力します(表12-7 を参照)。

    表12-7 メール接続: 追加プロパティ

    フィールド 説明

    追加

    「追加」をクリックして、追加の接続パラメータを指定します。

    • プロパティ名: 接続プロパティの名前を入力します。

    • プロパティ値: プロパティのデフォルト値を入力します。

    • プロパティはセキュアか: 暗号化が必要かどうかを指定します。選択した場合、プロパティの値は、暗号化を使用してセキュアに格納されます。

      たとえば、この値が実際のパスワードである場合、admin.passwordプロパティを保護するためにこのオプションを選択します。

    削除

    「削除」をクリックして、選択したプロパティを削除します。

    「削除」をクリックする前に、正しい行を選択します。

    注意: 「OK」をクリックするまで、削除された行は無効として表示されます。

    図12-3 メール接続の追加プロパティ

    図12-3の説明が続きます
    「図12-3 メール接続の追加プロパティ」の説明
  10. 「OK」をクリックして、この接続を保存します。
  11. 新しい(アクティブな)接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

12.4.2 WLSTを使用したメール・サーバーの登録

WLSTコマンドのcreateMailConnectionを使用して、メール・サーバーの接続を作成します。コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスcreateMailConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドのsetMailConnectionPropertyを使用して、外部アプリケーションを介して必要な追加プロパティを追加します。メールの外部アプリケーションでは、Authentication Method=POSTを使用する必要があります。また、一部のメール・ヘッダー・フィールドをカスタマイズできます(「ユーザーに表示」が有効の場合)。例:

setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.emailAddress', value='john.doe@example.com')

setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.displayName', value='John Doe')

setMailConnectionProperty(appName='webcenter', name='NotificationSharedConn', key='mail.user.replyToAddress', value='feedback@example.com')

ここで:

  • mail.user.emailAddress = 電子メール・アドレス(メールの送信元)

  • mail.user.displayName = 自分の名前(メールの表示名)

  • mail.user.replyToAddress = 返信先アドレス(メールに返信するときのアドレス)

これらのプロパティは、特定のメール・アドレスが外部アプリケーションとメール・サーバーで同じであることを保証します。これらのプロパティはメール接続に追加され、メールで「送信元」、「表示名」および「返信先」の各フィールドに使用されます。

Exchange 2007の場合のみ: デフォルトのプロパティ値28に更新して、汎用配信リストを作成します。次に示すように、メール・プロパティのmail.exchange.dl.group.typeの値に8を指定します。

setMailServiceProperty(appName='webcenter', property='mail.exchange.dl.group.type', value='8')

アプリケーションで、要求時にユーザーID情報をメール送信する機能を備えた自己登録ページを用意している場合、ここで選択した外部アプリケーションに対してパブリック資格証明が構成されていることを確認してください。パブリック資格証明が定義されていない場合、要求時にユーザーにメールが送信されません。WebCenter Portalでは、デフォルトの自己登録ページでこの機能を提供しています。

コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetMailConnectionPropertyに関する項を参照してください。

新規のメール・サーバー接続をデフォルトの接続として使用するようにメールを構成するには、default=trueを設定します。詳細は、「WLSTを使用したアクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択」を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

注意:

新しいメール接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のコマンド行を使用した管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。

12.5 アクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択

WebCenter Portalには複数のメール・サーバー接続を登録できますが、デフォルトの接続として指定できる接続は1つのみです。デフォルトの接続は、次の項目のバックエンド・メール・サーバーとなります。

  • メール・タスク・フロー

  • WebCenter Portal配信リスト

  • 「メールの送信」アイコンがあるすべての場所

この項では、次の内容について説明します。

12.5.1 Fusion Middleware Controlを使用したアクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択

デフォルトの接続を変更するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。

    詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください

  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「メール・サーバー」を選択します。

    「メール・サーバー接続の管理」表に、現在のアクティブな接続(ある場合)が示されます(図12-4 )。

    図12-4 メール・サーバー: アクティブな接続

    図12-4の説明が続きます
    「図12-4 メール・サーバー: アクティブな接続」の説明
  4. アクティブな(またはデフォルトの)接続にする接続を選択し、「編集」をクリックします。
  5. 「アクティブな接続」チェック・ボックスを選択します。
  6. 「OK」をクリックして、接続を更新します。
  7. 新しいデフォルト接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

12.5.2 WLSTを使用したアクティブな(またはデフォルトの)メール・サーバー接続の選択

WLSTコマンドのsetMailConnectiondefault=trueで使用して、既存のメール・サーバー接続をメール用のデフォルトの接続にします。コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetMailConnectionに関する項を参照してください。

デフォルト引数をtrueからfalseに変更しても、その接続がメール用のデフォルトの接続でなくなることはありません。

メール・サーバー接続を無効にするには、その接続を削除するか、別の接続を「アクティブな接続」にするか、またはremoveMailServicePropertyコマンドを使用します。

removeMailServiceProperty(appName='webcenter', property='selected.connection')

このコマンドを使用すると、接続の詳細は保持されますが、この接続はアクティブな接続として示されなくなります。詳細は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスremoveMailServicePropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

注意:

アクティブな接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のコマンド行を使用した管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。

12.6 メール・サーバー接続の詳細の変更

メール・サーバー接続の詳細はいつでも変更できます。

更新されたメール接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。

この項では、次の内容について説明します。

12.6.1 Fusion Middleware Controlを使用したメール・サーバー接続の詳細の変更

メール・サーバー接続の詳細を更新する手順は、次のとおりです。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。

    詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください

  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「メール・サーバー」を選択します
  4. 接続名を選択し、「編集」をクリックします。
  5. 必要に応じて接続の詳細を編集します。

    パラメータの詳細は、表12-3 を参照してください。

  6. OK」をクリックして、変更を保存します。
  7. 更新された接続の詳細の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

12.6.2 WLSTを使用したメール・サーバー接続の詳細の変更

WLSTコマンドのsetMailConnectionを使用して、既存のメール・サーバー接続の詳細を編集します。コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetMailConnectionに関する項を参照してください。

メール・サーバーとの接続に追加のパラメータが必要な場合は、setMailConnectionPropertyコマンドを使用します。詳細は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetMailConnectionPropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

注意:

更新された接続の使用を開始するには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』の管理対象サーバーの起動および停止に関する項を参照してください。

12.7 メール・サーバー接続の削除

メール・サーバー接続はいつでも削除できますが、アクティブな(またはデフォルトの)接続を削除する際には注意が必要です。メール・タスク・フローはバックエンド・メール・サーバーを必要とするため、アクティブな接続を削除すると機能しなくなります。

接続を削除するとき、メール・サーバー接続に関連付けられている外部アプリケーションの目的がこの接続をサポートすることのみであれば、その外部アプリケーションを削除することを考慮してください。詳細は、「外部アプリケーション接続の削除」を参照してください。

この項では、次の内容について説明します。

12.7.1 Fusion Middleware Controlを使用したメール接続の削除

メール・サーバー接続を削除するには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。

    詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください

  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「設定」「サービス構成」を選択します。
  3. 「WebCenter Portalサービス構成」ページで、「メール・サーバー」を選択します。
  4. 接続名を選択し、「削除」をクリックします。
  5. この変更を行うには、WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動する必要があります。詳細は、「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

    注意:

    管理対象サーバーを再起動する前に、別の接続をアクティブとしてマークしてください。そうしないとメールが無効になります。

12.7.2 WLSTを使用したメール接続の削除

WLSTコマンドのdeleteConnectionを使用して、メール・サーバーの接続を削除します。コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスdeleteConnectionに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

12.8 メールのデフォルトの設定

WLSTコマンドのsetMailServicePropertyを使用して、メールのデフォルトを設定します。

  • address.delimiter: 複数のメール・アドレスの区切りに使用するデリミタを定義します。デフォルトではカンマが使用されます。

    いくつかのメール・サーバーでは、lastname, firstnameの形式のメール・アドレスを必要とします。その場合、セミコロンが必要です。

  • mail.emailgateway.polling.frequency: 新着のメール・メッセージがないかどうかポータル配信リストが確認される間隔(秒)。デフォルトは1800秒(30分)です。

    WebCenter Portal配信リストによるメール通信は、ディスカッション・フォーラム投稿としてディスカッション・サーバー上で公開できます。詳細は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のディスカッション・フォーラムでのポータル・メールの公開に関する項を参照してください。

  • mail.messages.fetch.size: メール受信箱に表示する最大のメッセージ数。

  • resolve.email.address.to.name: LDAPが構成されている場合に、ユーザー電子メール・アドレスをWebCenter Portalのユーザー名に解決するかどうかを指定します。有効な値は、1 (true)および0 (false)です。デフォルト値は0です。

    1に設定すると、電子メール・アドレスのかわりにWebCenter Portalのユーザー名がメール・タスク・フローに表示されます。

    メールが電子メール・アドレスを提供したときにプレゼンス情報を取得できないために、インスタント・メッセージとプレゼンスがユーザー名を使用してプレゼンス・ステータスを取得する必要がある場合は、このプロパティを1に設定します。この値を1に設定すると、アプリケーションのパフォーマンスに影響与えます。したがって、このプロパティを設定する場合はそれを考慮する必要があります。

  • mail.recipient.limit: 受信者数をメッセージに制限します。たとえば、この値を「500」に設定すると、受信者数が500に制限されます。

コマンドの構文と例は、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスsetMailServicePropertyに関する項を参照してください。

WLSTコマンドの実行方法の詳細は、「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。

12.9 メール・サーバー接続のテスト

Thunderbird、Outlookなどの任意のクライアントを使用してメール・サーバーに接続することによって、メール・サーバーが稼働していることを確認します。

Microsoft Exchangeの場合、「Administrative Tools」「Services」に移動して、次のコンポーネントが実行中(「Status」が「Started」)であることを確認します。

  • Microsoft Exchange IMAP4

  • 簡易メール転送プロトコル(SMTP)

12.10 WebCenter Portalのメール通知の送信の構成

システム管理者は、WebCenter Portalの管理設定を使用したメール・オプションの設定を担当します(図12-5 )。「メールの送信」通知の使用の詳細は、『Oracle WebCenter Portalの使用』の「メールの送信」機能に関する項を参照してください。

図12-5 メール・オプションの設定

図12-5の説明が続きます
「図12-5 メール・オプションの設定」の説明

このページから、メール送信機能のメール・クライアントを割り当てることができます。この機能により、アプリケーション・アセットは、メール送信アイコンを使用して、タスク・フローから直接メールを送信できます(図12-6 )。

図12-6 メール送信アイコン

メール送信アイコン

たとえば、ユーザーはお知らせのメール送信アイコンをクリックして、お知らせテキスト、作成者、作成日および場所などの情報があらかじめ入力されたメール・ウィンドウを開くことができます。これらは必要に応じて、編集したりメールに追加したりできます。メール・ウィンドウの事前入力方法は、送信側のリソースによって異なります。たとえば、お知らせからでは、お知らせのタイトルがあらかじめ入力された状態で、メール送信のメール・ウィンドウが開きます。

ポータル内では、ポータルのすべてのメンバーにメールを送信できます。これが、ポータル作成時のデフォルトの配信リストになります。ポータル・マネージャ(および、ポータルでManage Security and Configuration権限を付与されたすべてのユーザー)が、ポータルの管理者設定の「ツールとサービス」ページでこれを設定します。『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルのメール配信リストの構成に関する項を参照してください。

WebCenter Portalのすべてのメール送信通知において、Microsoft Outlook、Mozilla Thunderbirdなどのローカル・メール・クライアント、またはWebCenter Portal独自のメール・サービスを使用できます。ローカル・メール・クライアントがデフォルトです。メール送信機能には、メール・サービスは必要ありません。つまり、メール・サービスが未構成の場合でも、WebCenter Portalのメール・サービスでメール送信機能を使用できます。アプリケーション・スペシャリストまたはポータル・マネージャは、ポータル・メンバーがデフォルトのメール・クライアント設定をオーバーライドできるかどうかを指定できます。

注意:

一部のブラウザでは、英語以外の多数の言語について、「メールの送信」の通知が文字化けします。マルチバイト・キャラクタがエンコードされている場合(mailto:プロトコルの場合は必須)、URLの長さがブラウザの制限を超過します。回避策として、ローカル・メール・クライアントではなくWebCenter Portalのメール・サービスを使用するように、「メールの送信」機能を構成してください。

システム管理者として、ユーザーがデフォルトのメール・クライアント設定をオーバーライドできるかどうかを指定することもできます。

12.10.1 メール通知の送信の共有メール接続の有効化

メール・サーバー接続に関連付けられた外部アプリケーションに対して、共有資格証明が構成されている場合、ユーザーはWebCenter Portalのメール・サービスを使用してメールを送信するときに資格証明を指定する必要がなくなります。

共有メール接続を有効にするには:

  1. ポータルがメールの送信にWebCenter Portalのメール・サービスを使用していることを確認します。

    1. 「設定」ページで(「WebCenter Portal管理の設定ページへのアクセス」を参照)、「ツールとサービス」をクリックします。

    2. 「メール」を選択します。

    3. 「メールの送信のデフォルト・メール・クライアント」「WebCenter Portalのメール・サービス」に設定されていることを確認します。

    「WebCenter Portalのメール通知の送信の構成」も参照してください。

  2. 共有資格証明で構成された外部アプリケーションを使用するメール接続を設定し、このメール接続の名前を記録します。

  3. 共有メール資格証明が必要になるポータルを開き、共有メール接続の名前を指定します。

    詳細は、『Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルの共有メール接続の構成に関する項を参照してください。