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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理
12c (12.2.1)
E67377-02
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1 Oracle WebCenter Portalの管理の概要

この章では、Oracle WebCenter Portalおよび管理ツールの概要を示します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 Oracle WebCenter Portalの概要

Oracle WebCenter Portalへようこそ。

企業ではOracle WebCenter Portalを使用して、Oracle Fusion MiddlewareおよびOracle Fusion Applicationsに次世代のユーザー・エクスペリエンス(UX)の基盤を提供する、エンタープライズ規模のイントラネットおよびエクストラネット・ポータルを構築します。通常、Oracle WebCenter Portalを使用して構築されたポータルでは、何千ものユーザーによる、複数のバックエンド・ソースからのコンテンツおよびデータの作成、更新およびアクセスがサポートされます。WebCenter Portalは、主要ポータル製品と関連テクノロジーの豊富なポートフォリオから最高のUX機能を利用して、直観的なユーザー・エクスペリエンスを提供します。ユーザーの観点から見た場合、統合はシームレスです。

WebCenter Portalの詳細な概要については、『Oracle WebCenter Portalの使用』のOracle WebCenter Portalの概要説明の項を参照してください。

この項では、WebCenter Portalのコンポーネントおよびアーキテクチャについて説明し、次のトピックで構成されています。

1.2 Oracle WebCenter Portalのアーキテクチャ

Oracle WebCenter Portalは次のコンポーネントで構成されています。

1.2.1 WebCenter Portal Framework

次のものを含むポータル機能をADFに挿入します。

  • ランタイム・アプリケーションのカスタマイズ(アプリケーションを再デプロイせずに、ポータル・コンポーザを使用してWebCenter Portalを即時変更できます)

  • JSR-168およびJSR-286標準ベースのWSRPポートレットのサポート

  • JSFページおよびOracle ADFタスク・フローを標準ベースのポートレットとして公開できる、Oracle JSF Portlet Bridge

1.2.2 Application Development Framework

Oracle Application Development Framework (ADF)は、JSFの上に存在する生産性レイヤーであり、次のものを提供します。

  • データベース、Webサービス、XML、CSV、BPELなどのバックエンドへの統合されたアクセス

  • バックエンドのデータ制御によりユーザー・インタフェースに接続する、データ・バインディング(JSR 227)

  • 100個を超えるデータ認識JSFビュー・コンポーネント

  • タスク・フローを含むネイティブ・コンポーネント・モデル

  • ファイングレインJAASセキュリティ・モデル

1.2.3 ポータル・コンポーザ

ポータル・コンポーザは、WebCenter Portalのブラウザ・ベースの作成、編集および管理のすべての領域を含みます。

  • エンタープライズ・ポータル、複数のサイトおよびコミュニティを作成するためのブラウザ・ベースのプラットフォーム。

  • ホーム・ポータルとは、ユーザーが自分のプロファイル、使用可能なポータル、ポータル・テンプレートおよびドキュメントへのアクセス権を持つ場所であり、ホーム・ポータルの独自のビューの特定の要素をカスタマイズできます。

  • 実行時にポータルをカスタマイズでき、ポータルの設定変更や、ポータル・ページおよびデバイス対応のページ・バリアントを作成できる、ブラウザ・ベースのポータル・エディタです。直観的なページ・エディタでページ・レイアウトやプロパティ、配線を変更することができ、タスク・フロー、ポートレット、スレッド・ディスカッション、ブログ、Wiki、お知らせ、RSS、アクティビティ・ストリーム、検索およびその他のコンポーネントが含まれます。

1.2.4 ツールとサービス

表1-1 に、WebCenter Portalで使用可能なツールとサービスを示します。

表1-1 WebCenter Portalのツールとサービス

A - I L - T

アクティビティ・ストリーム

リンク

分析

リスト

お知らせ

メール

ディスカッション

ノート

ドキュメント(Wikiおよびブログを含む)

ピープル・コネクション

イベント

RSS

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)

検索

 

タグ

WebCenter Portalのツールとサービスは、次のものを提供します。

  • エンタープライズレベルのサービスとのシームレスな統合

  • バックエンド・サービスを抽象化するシン・アダプタ・レイヤー。例:

    • コンテンツ・アダプタ: Content Server

    • プレゼンス・アダプタ: Microsoft Lync

  • 統合された接続アーキテクチャによって表されるバックエンド・システム

  • 機能豊富なタスク・フロー・コンポーネントによって提示されるサービスへのユーザー・インタフェース

詳細は、「ツールおよびサービスの管理」を参照してください。

1.2.5 ディスカッション・サーバー

ディスカッション・サーバーは、Oracle WebCenter Portalとともに提供されるため、ポータルにディスカッション・フォーラムおよびお知らせを統合できます。詳細は、「お知らせおよびディスカッションの管理」を参照してください。

1.2.6 分析

WebCenter Portalの分析機能により、ユーザーは、次のような様々なユーザー・アクティビティを表示できます。

  • ログイン・データ

  • ページ・ビュー

  • ポートレット・ビュー

  • 検索メトリック

  • ページ・レスポンス・データ

  • ポータルの使用状況

詳細は、「分析の管理」を参照してください。

1.3 Oracle WebCenter Portalのトポロジ

この項では、Oracle WebCenter Portalのトポロジおよび構成について説明します。この項の内容は次のとおりです。

1.3.1 初期設定のOracle WebCenter Portalトポロジ

Oracle WebCenter Portalのインストールにより、Oracleホーム・ディレクトリの下にWebCenter Portal製品ホーム・ディレクトリ(wcportal)が作成され、WebCenter Portalのバイナリとサポート・ファイルが格納されます(図1-1 )。

図1-1 Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造」の説明

また、インストールによって、様々なWebCenter Portalコンポーネントをホストする管理サーバーおよび複数の管理対象サーバーを含むWebCenter Portalドメイン(デフォルト名はbase_domain)も作成されます。図1-2 では、アプリケーションは黄色で表示され、それらが実行される管理対象サーバーは茶色で表示されます。

図1-2 初期設定のWebCenter Portalトポロジ

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 初期設定のWebCenter Portalトポロジ」の説明

初期設定の管理対象サーバーは、次のOracle WebCenter Portalコンポーネントをホストします。

  • WC_Portal: WebCenter Portal (Oracleの初期設定のポータル・アプリケーション)および分析をホストします

  • WC_Portlet: 初期設定のポートレット、ページレット・プロデューサおよびWebCenter Portalツールをホストします

  • WC_Collaboration: ディスカッション・サーバーおよび統合のために選択した追加のサービスをホストします

管理対象サーバーの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareの理解に関する項を参照してください。

1.3.2 Oracle WebCenter Portal管理対象サーバー

Oracle WebCenter Portalのインストール時に、管理対象サーバーは、システム・ライブラリおよびOracle ADFライブラリでプロビジョニングされます。表1-2 に、管理対象サーバー、およびそれらで実行するアプリケーションをリストします。

表1-2 Oracle WebCenter Portal管理対象サーバーおよびアプリケーション

管理対象サーバー インストールされるアプリケーション アプリケーション名

WC_Portal

WebCenter Portal

WebCenter Portalオンライン・ヘルプ

分析

webcenter

webcenter-help

analytics-collector

WC_Portlet

OmniPortlet

WSRPツール

ページレット・プロデューサ

portalTools

wsrp-tools

pagelet-producer

WC_Collaboration

ディスカッション・サーバー

owc_discussions

1.3.3 Oracle WebCenter Portalの起動順序

管理対象サーバーの起動時には、アプリケーションおよびライブラリは次の順序で起動されます。

  1. JRFライブラリとして知られるOracleシステム・ライブラリ。

  2. Oracle ADFライブラリ。

  3. Oracle DMSおよびOracle Web Services Manager (wsm-pm)アプリケーションなどのインストゥルメンテーション・アプリケーション。

  4. 表1-2 に示したOracle WebCenter Portalアプリケーション。

起動順序は、依存の順序でもあります。依存するコンポーネントが正常にデプロイされない場合は、後のコンポーネントが正しく機能しない可能性があります。

アプリケーションの起動は、ディスカッション・サーバーまたは他のバックエンド・サーバーなどの外部サービスが使用可能かどうかには依存しません。詳細は、「Oracle WebCenter Portalの依存性」を参照してください。

1.3.4 Oracle WebCenter Portalの依存性

WebCenter Portalは、複数の外部サーバー、ツールおよびサービスを使用します(表1-3 )。「構成」列に、接続を構成または初期化するためにWebCenter Portalに提供される情報のタイプをリストします。「アクセス」列には、サービスの実行時アクセスで使用されるプロトコルの一覧を示します。

表1-3 依存するリソース - アクセス・タイプ

外部サーバー、ツールまたはサービス 構成 アクセス

分析

分析コレクタへのUDPアクセス

UDP

ディスカッション・サーバー

ディスカッション・サーバー管理へのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

Content Server

管理サーバーへのソケット接続。WebCenter Portalの外側にあるContent Serverへのアクセスが必要な場合にのみ、HTTPアクセスが必要になります。

ソケットまたはHTTP

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー

インスタント・メッセージおよびプレゼンス・サーバー管理へのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

メール・サーバー

IMAP/SMTPサーバー

IMAP/SMTP

個人イベント・サーバー

カレンダ・サービスへのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

ポートレット

プロバイダWSDLのHTTPロケーション

SOAP/HTTP

検索サーバー

検索サーバーへのHTTPアクセス

HTTP

SOAサーバー接続

BPELサーバーへのHTTPアクセス

SOAP/HTTP

MDSおよびスキーマ

JDBC

JDBC

サーバーまたはサービスが利用できないときでも、WebCenter Portalの起動は可能ですが、アプリケーションの実行時にエラーが表示される場合があります。唯一の例外は、Oracle Metadata Services Repository (MDS)であり、MDSがない場合は、WebCenter Portalが機能しなくなります。

1.3.5 Oracle WebCenter Portalの構成に関する考慮事項

WebCenter Portalの主な構成ファイルを表1-4 に示します。これらのファイルは、アプリケーションのデプロイメントの.EARファイル内で供給されます。

表1-4 WebCenter Portalの構成ファイル

アーティファクト 用途

adf-config.xml

WebCenter Portalがどのディスカッション・サーバーまたはメール・サーバーを現在使用しているかなど、Application Development Framework (ADF)およびアプリケーションの設定に関する基本構成を格納します。

connections.xml

外部サービスへの接続のための基本構成を格納します。

WebCenter Portalは、構成データを格納するためにOracle Metadata Services (MDS)リポジトリを使用し、Oracle WebLogicフレームワーク内のJDBCデータ・ソースとしてMDSリポジトリにアクセスします。

MDSリポジトリは、アプリケーションのカスタマイズとして、WebCenter Portalへのデプロイ後の構成変更を格納します。MDSは、デプロイされた元バージョンのadf-config.xmlおよびconnections.xmlをベース・ドキュメントとして使用し、単一のカスタマイズ・レイヤーを使用して後続のすべてのアプリケーション・カスタマイズを別個にMDSに格納します。

WebCenter Portalが起動すると、MDSに格納されているアプリケーション・カスタマイズが適切なベース・ドキュメントに適用され、アプリケーションは、マージ済ドキュメント(カスタマイズが適用されたベース・ドキュメント)を構成プロパティの最終セットとして使用します。

サーバー・クラスタにデプロイされるアプリケーションの場合、クラスタのすべてのメンバーは、MDSリポジトリ内の同じ場所から読み取ります。

Oracleはデプロイ後構成のための複数の管理ツールを提供するため、一般には、管理者は、adf-config.xmlおよびconnections.xmlなどのファイルのためにベース・ドキュメントのコンテンツ(またはMDSカスタマイズ・データ)を調べたり手動で変更したりする必要はありません。ベース・ドキュメントの場所を特定する必要がある場合や、MDS内の情報を確認する必要がある場合は、「Oracle WebCenter Portalの構成」を参照してください。

利用可能な構成ツールの詳細は、「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」を参照してください。

注意:

構成ミスをもたらす可能性があるため、adf-config.xmlまたはconnections.xmlを手動で編集することはお薦めしません。

WebCenter Portalは、デプロイ後の構成情報をMDSに格納しますが、ポートレット・プロデューサおよびディスカッション・サーバーのための構成情報は、ファイル・システムまたはデータベースに格納されます(表1-5 )。

表1-5 WebCenter Portalの構成の場所

アプリケーション 構成情報の格納場所がMDS 構成情報の格納場所がファイル・システム 構成情報の格納場所がデータベース

WebCenter Portal

はい

いいえ

いいえ

ポートレット・プロデューサ

いいえ

はい

いいえ

ディスカッション・サーバー

いいえ

はい

はい

1.3.6 ディスカッション・サーバーの構成

Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーは、構成情報をそのデータベースに格納します。また、起動構成情報をDOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WC_COLLABORATION/owc_discussionsに格納します。このディレクトリには、jive_startup.xmljive.licenseファイル、およびディスカッション・サーバー・インスタンスのためのログ・ファイルを含むlogsディレクトリが含まれます。

1.3.7 Oracle WebCenter Portalの状態および構成の永続性

WebCenter PortalはJ2EEアプリケーションとして実行され、アプリケーションの状態と構成はMDSリポジトリに永続的に残ります。アプリケーション内のユーザー・セッション情報は、ローカルでメモリーに保持されます。クラスタ環境では、この状態は、クラスタの他のメンバーにレプリケートされます。

ポートレットまたはサービス環境内のアプリケーション・カスタマイズは、そのサービスによって存続します。初期設定では、Oracleポートレット、構築した任意のカスタム・ポートレット、およびディスカッション・サーバーには、すべて、それら固有のデータベース永続性メカニズムがあります。

1.3.8 分析に関する考慮事項

WebCenter Portalの分析機能には、状態はありません。分析コレクタによって受け取られた要求は、すぐに実行されます。WebCenter Portalによって開始される要求、または分析コレクタによって処理される要求など、転送中の状態は保証されません。

1.3.9 Oracle WebCenter Portalのログ・ファイルの場所

WebCenter Portal、ポートレット・プロデューサ、ディスカッション・サーバーなどで実行される操作は、アプリケーションを実行しているWebLogic管理対象サーバーに直接ログ記録されます。

DOMAIN_HOME/servers/Server_Name/logs/Server_Name-diagnostic.log

たとえば、WebCenter Portalの診断は、/base_domain/servers/WC_Portal/logs/WC_Portal-diagnostic.logにログ記録されます

各WebLogic管理対象サーバーのログ・ファイルは、Oracle WebLogic Server管理コンソールから表示できます。ログを表示するには、Oracle WebLogic Server管理コンソールhttp://<admin_server_host>:<port>/consoleにアクセスし、診断ログ・ファイルをクリックします。

Fusion Middleware Controlから診断ログを表示および構成することもできます。「ログ情報の表示および構成」を参照してください。

1.4 Oracle WebCenter Portalのインストールの理解

WebCenter Portalのインストールには、多少の計画が必要です。考慮する質問の一部には、次のものがあります。

  • どのOracle WebCenter Portalコンポーネントを使用しますか。

  • 何人のユーザーがこのデプロイメントにアクセスしますか。

  • エンタープライズ・デプロイメントのためにどのように高可用性を提供できますか。

  • WebCenter Portalをどのように保護できますか。

Oracle WebCenter Portalのインストールおよびインストール後の管理タスクの詳細は、『Oracle WebCenter Portalのインストールおよび構成』を参照してください。

インストール後のエンタープライズ構成は、『Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』を参照してください。

インストール後の高可用性構成は、『高可用性ガイド』を参照してください。

インストール後のセキュリティ構成は、「デプロイ後のセキュリティ構成タスク」を参照してください。

初期設定のトポロジは、「Oracle WebCenter Portalのトポロジ」で簡単に説明しています。トポロジの特定の領域は対応する各章で説明しており、たとえば、セキュリティ関連の側面は「Oracle WebCenter Portalセキュリティの管理」で説明しています。

1.5 管理操作、ロールおよびツールの理解

Oracle WebCenter Portalは、WebCenter Portalのデプロイ、構成、起動と停止、および維持のための複数の異なるツールを提供します。これらすべてのツールは、「Oracle WebCenter Portalの管理ツール」で説明しています。

実行できる管理タスクは、割り当てられているOracle WebLogic Serverロール(AdminOperatorまたはMonitor)によって異なります。表1-6 に、一般的な操作のために必要なOracle WebLogic Serverロールをリストします。これらのロールは、操作がFusion Middleware Control、WLSTコマンドまたはWebLogic Server管理コンソールを介して実行されるかどうかに該当します。

表1-6 WebCenterポータルの操作およびOracle WebLogic Serverロール

操作 Adminロール Operatorロール Monitorロール

WebCenter Portal

起動および停止

はい

はい

いいえ

パフォーマンス・メトリックの表示

はい

はい

はい

ログ情報の表示

はい

はい

はい

ログ・ファイルの構成

はい

はい

はい

構成の表示

はい

はい

はい

新しい接続の構成

はい

はい

いいえ

接続の編集

はい

はい

いいえ

接続の削除

はい

はい

いいえ

アプリケーションのデプロイ

はい

いいえ

いいえ

セキュリティの構成

はい

いいえ

いいえ

セキュリティの表示(アプリケーション・ロール/ポリシー)

はい

はい

はい

WebCenter Portalのみ

アプリケーション全体のエクスポート

はい

いいえ

いいえ

アプリケーション全体のインポート

はい

いいえ

いいえ

表1-7 に、WebCenter Portalに関連する様々な管理操作を実行するために使用できるツールをまとめています。WebCenter Portalロールベースのセキュリティの詳細は、「ポータル間のセキュリティの管理」を参照してください。

表1-7 WebCenter Portalの操作および管理ツール

操作 Fusion Middleware Control WLSTコマンド WebLogic Server管理コンソール WebCenter Portal管理

WebCenter Portal

起動および停止

はい

はい

はい

いいえ

パフォーマンス・メトリックの表示

はい

いいえ

いいえ

いいえ

ログ情報の表示

はい

いいえ

いいえ

いいえ

ログ・ファイルの構成

はい

いいえ

いいえ

いいえ

構成の表示

はい

はい

いいえ

いいえ

新しい接続の構成

はい

はい

いいえ

いいえ

接続の編集

はい

はい

いいえ

いいえ

接続の削除

はい

はい

いいえ

いいえ

ポートレット・プロデューサの管理

はい

はい

いいえ

はい

外部アプリケーションの管理

はい

はい

いいえ

はい

アプリケーションのデプロイ

はい

はい

はい

いいえ

セキュリティの構成

はい

はい

はい

いいえ

WebCenter Portalのみ

ワークフローの構成

はい

はい

いいえ

いいえ

アプリケーション全体のエクスポート

はい

はい

いいえ

いいえ

アプリケーション全体のインポート

はい

はい

いいえ

いいえ

WebCenter Portalのカスタマイズ

いいえ

いいえ

いいえ

はい

アプリケーション・ユーザーおよびロールの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ページの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ポータルの管理

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ポータルのエクスポート

いいえ

いいえ

いいえ

はい

ポータルのインポート

いいえ

いいえ

いいえ

はい

1.6 パフォーマンスのモニタリングおよび診断

パフォーマンスのモニタリングにより、管理者は、環境内の問題およびパフォーマンスのボトルネックを識別できます。「Oracle WebCenter Portalのパフォーマンスのモニタリング」では、WebCenter Portalで使用できるパフォーマンス・メトリックの範囲、およびFusion Middleware Controlを使用したパフォーマンス・メトリックのモニター方法について説明します。また、診断ログ・ファイルに記録された情報を分析することにより、問題をトラブルシューティングする方法についても説明します。

1.7 セキュリティの理解

Oracle WebCenter Portalの推奨セキュリティ・モデルは、Java Authentication and Authorization Service (JAAS)モデルを実装するOracle ADF Securityに基づいています。次の章では、WebCenter Portalアプリケーションのセキュリティ構成について説明します。

1.8 WebCenter Portalアプリケーションのデプロイ

「ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイ」では、WSRPポートレット・プロデューサ・アプリケーションのデプロイについて説明します。

注意:

WebCenter Portalは、インストール時にデプロイされます。(EARファイルとしてデプロイすることはできません)。詳細は、『Oracle WebCenter Portalのインストールおよび構成』のOracle WebCenter Portalのインストールに関する項を参照してください。

1.9 データの移行、バックアップおよびリカバリ

Oracle WebCenter Portalでは、様々な機能領域についての構成および内容に関連するデータが複数の場所に格納されています。Oracle WebCenter Portalには、障害回復や、開発からステージングおよび本番までの本番ライフサイクル全体を容易にするための一連のユーティリティが用意されており、それによりこのデータをバックアップし、ステージング環境と本番環境間でデータを移動できます。

「WebCenter Portalのバックアップ、リカバリおよびクローニングの管理」では、これらの作業に利用可能なバックアップ、インポートおよびエクスポートの機能とツールについて説明します。

1.10 Oracle WebCenter Portalの管理ツール

Oracle WebCenter Portalには、次の管理ツールがあります。

管理者は、構成ファイルを編集するかわりに、これらのツールを使用して管理タスクを実行する必要があります。最適なツールを決定するためのヘルプは、「構成ツール」を参照してください。

1.10.1 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソール

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールは、Oracle WebCenter Portalをインストールする際にデプロイされるブラウザベースの管理アプリケーションです。Fusion Middleware Controlコンソールを使用すると、ドメイン(Oracle WebCenter Portalを含むドメインなど)をモニターおよび管理できます。

Fusion Middleware Controlでは、多種多様なパフォーマンス・データおよび管理機能を整理し、個別のWebベースのホームページで提供しています。これらのホームページでは、Webブラウザから、WebCenter Portalコンポーネントの最も重要なモニタリング・データおよび最も一般的な管理機能をすぐに見つけることができます。Fusion Middleware Controlコンソールの一般情報は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用の開始に関する項を参照してください。

Fusion Middleware Controlは、Oracle WebCenter Portalの主要管理ツールです。このツールを使用して、次のことができます。

  • バックエンドのサービスとツールの構成

  • セキュリティ管理の構成

  • プロセス・ライフ・サイクルの制御

  • ログ・ファイルへのアクセスおよびログ構成の管理

  • データ移行の管理

  • パフォーマンスのモニター

  • 実行時の問題の診断

  • 関連コンポーネントの管理(親管理対象サーバー、MDS、ポートレット・プロデューサなど)

1.10.1.1 Fusion Middleware Controlコンソールの表示

Fusion Middleware Controlの起動の詳細は、「Fusion Middleware Controlコンソールの表示」を参照してください。

1.10.2 Oracle WebLogic Server管理コンソール

Oracle WebLogic Server管理コンソールは、WebLogic Serverドメインの管理に使用されるブラウザ・ベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。

管理サーバーは、管理コンソール(管理サーバー管理対象サーバーのホスト・アプリケーションへネットワーク・アクセスできる、サポートされている任意のWebブラウザからアクセス可能なWebアプリケーション)をホストします。

管理コンソールを使用すると、以下の操作ができます。

  • WebLogic Serverインスタンスの構成、起動、停止

  • WebLogic Serverクラスタの構成

  • データベース接続(JDBC)、メッセージング(JMS)などのWebLogic Serverサービスの構成

  • セキュリティ・パラメータの構成(ユーザー、グループおよびロールの作成や管理など)

  • アプリケーションの構成とデプロイ

  • サーバー・パフォーマンスとアプリケーション・パフォーマンスのモニター

  • サーバー・ログ・ファイルとドメイン・ログ・ファイルの表示

  • アプリケーションのデプロイメント記述子の表示

  • 選択した実行時アプリケーションのデプロイメント記述子要素の編集

Oracle WebLogic Server管理コンソールの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle WebLogic Server管理コンソールの表示に関する項を参照してください。

1.10.2.1 ドメイン構成のロック

構成を変更する前に、本番モードのドメインの構成設定をロックする必要があります。管理コンソールのチェンジ・センター(図1-3 )に移動し、「ロックして編集」をクリックします。

構成の更新が完了したら、「構成の解放」をクリックして変更を解放します。

ドメインが開発モードの場合は、「ロックして編集」オプションを使用できず、変更は自動的にコミットされます。

図1-3 Oracle WebLogic Server管理コンソール内のチェンジ・センター

チェンジ・センターのロックおよび編集

1.10.3 Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)

WebLogic Scripting Tool (WLST)により、コマンド行から、Oracle WebCenter PortalなどのOracle Fusion Middlewareコンポーネントを管理できます。

WLSTは、Jythonに基づいた、Oracle WebLogic Serverドメインを管理するための完全なコマンド行スクリプト環境です。WLSTは、ローカル変数、条件変数およびフロー制御文などのJythonの標準機能に対するサポートに加えて、Oracle WebLogic Serverに固有の一連のスクリプト機能(コマンド)も提供します。WebLogicのスクリプト言語は、Jythonの言語構文に従って個々のニーズに合せて拡張できます。

Oracleでは、WebCenter Portalを詳細に管理およびモニターしたり、コンテンツ・リポジトリ、ポートレット・プロデューサ、外部アプリケーションなどのバックエンド・サービスへの接続を管理するためのWLSTコマンドを提供しています。Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドは、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスのWebCenter PortalのカスタムWLSTコマンドに関する項で説明されています。

1.10.3.1 Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行

Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドは、Oracleホーム・ディレクトリ(ORACLE_HOME)から実行する必要があります

注意:

間違ったディレクトリからWLSTコマンドを実行しようとすると、NameErrorが表示されます。WLSTコマンドは、常にOracleホーム・ディレクトリから実行します。

「Oracle WebCenter Portalのトラブルシューティング」も参照してください。

コマンド行からWLSTを実行するには:

  1. 次のように、Oracleホーム・ディレクトリに移動してWLSTスクリプトを起動します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/common/bin/wlst.sh

    (Windows) ORACLE_HOME\common\bin\wlst.cmd

  2. WLSTコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力してOracle WebCenter Portalの管理サーバーに接続します。
    wls:/offline>connect('user_name','password', 'protocol(optional):host_name:port_number')
    

    ここで

    • user_nameは、管理サーバーに接続しているオペレータのユーザー名です。

    • passwordは、管理サーバーに接続しているオペレータのパスワードです。

    • protocolは、管理サーバーとの接続用のプロトコルであり、オプションです

    • host_nameは、管理サーバーのホスト名です。

    • port_numberは、管理サーバーのポート番号です。

    例:

    connect(username='weblogic', password='mypassword', url='t3://myhost.example.com:7001')
    

    次のように、対話モードでパラメータなしで管理サーバーに接続することもできます。

    wls:/offline> connect()
    Please enter your username :weblogic
    Please enter your password :
    Please enter your server URL [t3://localhost:7001]:t3://myhost.example.com:7001
    Connecting to t3://myhost.example.com:7001 with userid weblogic ...
    Successfully connected to Admin Server 'AdminServer' that belongs to domain 'wc_domain'.
    

    このコマンドのヘルプについては、WLSTコマンド・プロンプトでhelp('connect')と入力してください。

    注意:

    SSLが有効な場合は、wlst.shまたはwlst.cmdファイルを編集して、次の行をJVM_ARGSに追加する必要があります。

    -Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true
    -Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust
    

    またはsetenv CONFIG_JVM_ARGS

    -Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true
    -Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust
  3. 管理サーバーに接続すると、Oracle WebCenter PortalのWLSTコマンドや、その他の汎用WLSTコマンドを実行できます。
1.10.3.1.1 Oracle WebCenter Portal WLSTコマンドの実行のヒント

  • Oracle WebCenter PortalのWLSTコマンドをリストするには、WLSTコマンド・プロンプトで、help('webcenter')と入力します。

    メッセージNo help for webcenter found...が表示される場合は、WLSTスクリプトを誤ったディレクトリから実行している可能性があります。たとえば、wlst.shまたはwlst.cmdを、ORACLE_HOME/common/binではなくoracle_commonディレクトリから実行している可能性があります。

  • 特定のコマンドのヘルプについては、WLSTコマンド・プロンプトで、help('WLST_command_name')と入力します。

  • コマンドの実行時と、特にWLSTスクリプトの記述時に、引数名を含めます。たとえば、次のように入力することをお薦めします。

    createExtAppConnection(appName='webcenter', name='myXApp'...

    次のように入力することはお薦めしません。

    createExtAppConnection('webcenter', 'myXApp'...

    どちらの構文も有効ですが、引数名を含める場合に、エラーまたは構成ミスの可能性が少なくなります。また、将来、引数を追加する場合も、コマンドが失敗することや誤ったプロパティを構成することがありません。

  • クラスタ化環境では、コマンドを実行するときに、必ず「server」引数を指定してください。Oracle WebCenter PortalのすべてのWLSTコマンドには、server引数が含まれています。この引数は、WebCenter Portalがクラスタにデプロイされている場合には必須になります。

  • Oracle WebCenter PortalのWLSTコマンドのオンライン・ドキュメントは、WebCenter WLSTコマンド・リファレンスのWebCenter PortalのカスタムWLSTコマンドに関する項で参照できます

1.10.4 システムMBeanブラウザ

Fusion Middleware Controlには、Oracle WebLogic Serverまたは選択したアプリケーションのMBeanを参照できる、一連のMBeanブラウザが用意されています。

注意:

システムMBeanブラウザから、WebCenter PortalのMBeanをモニターおよび構成できますが、構成のためのツールとしてはお薦めしません。WebCenter Portalの設定は、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、ホームページから構成することをお薦めします。

アプリケーションのMBeanにアクセスするには:

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、WebCenter Portalのホームページに移動します。詳細は、WebCenter Portalのホームページへの移動」を参照してください。
  2. 「WebCenter Portal」メニューから、「システムMBeanブラウザ」を選択します。
  3. 「アプリケーション定義のMBean」で、表示または構成するMBeanに移動します。

    たとえば、次のようにして、adf-config.xmlおよびconnections.xmlのMBeanに移動できます(図1-4 )。

    • adf-config - 「oracle.adf.share.config」「サーバー: (サーバー名)」「アプリケーション: (アプリケーション名)」「ADFConfig」「ADFConfig」「ADFConfig」をクリックします

    • connections - 「oracle.adf.share.connections」「サーバー: (サーバー名)」「アプリケーション: (アプリケーション名)」「ADFConnnections」「ADFConnnections」をクリックします

  4. MBeanの属性を表示するには、「属性」タブでMBeanを選択し、必要な属性をクリックします。一部の属性の値は変更できます。これを行うには、「値」列に値を入力します。

    図1-4 システムMBeanブラウザ

    図1-4の説明が続きます
    「図1-4 システムMBeanブラウザ」の説明
  5. 親MBean (たとえば、ADFConfigまたはADFConnections)に移動して「操作」タブを選択し、「保存」をクリックして変更を保存します。
  6. WebCenter Portalがデプロイされている管理対象サーバーを再起動します。詳細は、「WebCenter Portalアプリケーションがデプロイされる管理対象サーバーの起動および停止」を参照してください。

1.10.5 WebCenter Portalの管理ページ

WebCenter Portalにはいくつかの管理ページがあり、これらは管理者のユーザー名とパスワードを使用してWebCenter Portalにログインしたユーザーのみに表示されます。

WebCenter Portalの管理ページでは、次のことができます。

  • WebCenter Portalのカスタマイズ

  • ユーザーおよびロールの管理

  • ツールとサービスの設定の管理

  • ポートレット・プロデューサおよび外部アプリケーションの管理

  • 個々のポータルおよびポータル・テンプレートの管理

  • ビジネス・ロール・ページの作成および管理

  • 個人用ページの管理

  • 個々のポータルおよびポータル・テンプレートのエクスポートとインポート

詳細は、「WebCenter Portal管理の設定ページへのアクセス」を参照してください。