Oracle® Fusion Middleware Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成 12c (12.2.0.1) E70107-04 |
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Extractがクラシック・キャプチャ・モードで動作する場合、キャプチャ処理の継続性および整合性を保証するには、アーカイブ・ロギングを有効にします。Extractが処理を終了する前にオンライン・ログが再利用される場合、アーカイブ・ログがセカンダリ・データ・ソースになります。オープン・トランザクションのアーカイブ・ログは、Extractでリカバリを実行するためにこれらからのデータの再キャプチャが必要となる場合に備え、システム上に保存する必要があります。
警告:
アーカイブ・ロギングを有効にできない場合、トランザクションがまだアクティブな間にExtractの停止につながる障害が発生した場合、ソースとターゲットのオブジェクトを完全に再同期し、レプリケーションを再インスタンス化する必要があるというリスクを伴います。この方法で操作する必要がある場合、次のガイドラインに従ってオンライン・ログを構成し、オンライン・ログが再利用される前にExtractでキャプチャする必要のあるデータが保持されるようにします。長時間のトランザクションに加え、ネットワークの機能停止とその他の外部要因によって発生するExtractのバックログも考慮してください。
RAC構成では、Oracle GoldenGateがインストールされているクラスタを含むクラスタのすべてのノードのオンラインおよびアーカイブのログにExtractがアクセスできるようにしておく必要があります。
Extractで使用される可能性がある様々なリカバリ・モード、およびそれぞれのログ保存要件について次に要約します。
デフォルトでは制限付きリカバリ・モードが有効で、ExtractではBR
パラメータを使用して設定されている制限付きリカバリ期間の2倍までさかのぼってログにアクセスする必要があります。この期間は、CHECKPOINTSECS
パラメータによって制御されている、Extractの標準のチェックポイント間隔の整数倍です。これらの2つのパラメータによってOracle GoldenGateの制限付きリカバリ機能が制御され、障害が発生したときにオープンしていた最も古いトランザクションがどんなに古くても、Extractで障害後にインメモリー・キャプチャされたデータのリカバリが可能です。制限付きリカバリの詳細は、Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。
Extractでリカバリを試みたときに制限付きリカバリ・メカニズムが失敗した場合、Extractは通常のリカバリ・モードに戻ります。この場合、失敗時にオープンしていたメモリー内で最も古いトランザクションの始まりが含まれているアーカイブ・ログと、それ以降のすべてのログへのアクセス権をExtractに設定しておく必要があります。
必要なログがシステム上に保持されるようにするためのオプションは、Oracleのバージョンによって異なります。
これらのバージョンの場合、Oracle Recovery Manager (RMAN)を使用して、Extractでリカバリに必要となるログが保存されるようExtractを構成できます。REGISTER EXTRACT
コマンドを発行する場合、この機能を有効にします。詳細は、「プロセス・グループの作成」を参照してください。この機能を使用するには、Extractデータベース・ユーザーに、「Oracle GoldenGate資格証明の確立」に示す基本的な権限以外に次の権限がある必要があります。
表11-3 Extractデータベース権限: ログ保存
Oracle EEのバージョン | 権限 |
---|---|
11.1および11.2.0.1 |
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11.2.0.3以降 |
パッケージを実行してOracle GoldenGateの管理権限を付与します。 exec dbms_goldengate_auth.grant_admin_privilege('
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ログ保存が有効な場合、Extractは制限付きリカバリを実行するのに十分なログを保持しますが、LOGRETENTION
オプションをSR
に設定したTRANLOGOPTIONS
パラメータを使用して、通常のリカバリに必要なログをRMANを介して保持するようExtractを構成できます。RMANログ保存の使用を無効にするオプションもあります。Extractを構成する前に『Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX』に記載されているLOGRETENTION
のオプションを確認してください。LOGRETENTION
をDISABLED
に設定する場合は、「保存するデータ量の判断」を参照してください。
注意:
11.2.0.3より前のOracleバージョンのOracle RACでRMANログ保存をサポートするには、Extractグループを追加する前にBUGFIX 11879974で提供されているデータベース・パッチをダウンロードおよびインストールする必要があります。
RMANログ保存機能により、各Extractグループに基本の(ただし機能しない)Oracle Streamsのキャプチャ・プロセスが作成されます。キャプチャの名前は、関連するExtractグループの名前に基づきます。ログ保存機能は、他のローカルのOracle Streamsインストールと同時に動作可能です。Extractグループを作成するとき、ログは現在のデータベースSCNから保存されます。
注意:
記憶域が一杯の場合は、Extractで必要とされてもRMANによってアーカイブ・ログがパージされます。この制限は、Extract (および他のOracleレプリケーション・コンポーネント)の要件がデータベースへのREDOの可用性を妨げないようにするために存在します。
Enterprise Edition以外のバージョンのOracleの場合は、任意の管理ツールを使用してログ保存プロセスを管理する必要があります。「保存するデータ量の判断」の指示に従います。
ログ保存を管理する場合、Extractで通常のリカバリ(制限付きリカバリではなく)を実行するのに必要となるログに迅速にアクセスできるようにしてください。「Extractリカバリ・モード別のログ保存要件」を参照してください。アーカイブをデータベース・システムから移動する必要がある場合、TRANLOGOPTIONS
パラメータで別の場所を指定することができます。「アーカイブ場所の指定」を参照してください。
推奨される保存期間は少なくとも24時間であり、これはオンラインおよびアーカイブのログを含むトランザクション・データを保存できる時間に相当します。Extractが任意の時点で必要とする可能性がある最も古いログを判断するには、SHOWTRANS
オプションを使用してSEND EXTRACT
コマンドを発行します。データ量とビジネス要件を考慮して最適な保存時間を決定するためにテストを実行しなければならない場合があります。
処理時にExtractで必要なデータがオンラインまたはアーカイブのログに保存されていなかった場合、次のいずれかの修正処理が必要になる可能性があります。
Extractを変更して、ログ・データが使用できる後の時点から取得します(さらにターゲットで起こり得るデータ損失を受け入れます)。
ソースおよびターゲットのデータを再同期してから、Oracle GoldenGate環境の開始をさらに繰り返す。
古いアーカイブ・ファイルが新しいバックアップで上書きされる原因となるバックアップグレードまたはアーカイブのオプションを使用していないことを確認します。理想的には、新しいバックアップは、古い名前とは異なる名前の別のファイルにしてください。これによって、Extractが特定のログを探す際にそのログが確実に存在することになり、また、サポートのために必要になった場合に確実にデータを使用できます。
アーカイブ・ログがOracleのデフォルト・ディレクトリ以外の場所にある場合は、Extractパラメータ・ファイルでTRANLOGOPTIONS
パラメータのALTARCHIVELOGDEST
オプションを使用してそのディレクトリを指定します。
OracleパラメータLOG_ARCHIVE_FORMAT
で指定されている形式にサブディレクトリが含まれている場合、TRANLOGOPTIONS
のALTARCHIVEDLOGFORMAT
オプションを使用しなければならないこともあります。ALTARCHIVEDLOGFORMAT
によって、サブディレクトリをパスから削除する代替形式が指定されます。たとえば、%T/log_%t_%s_%r.arc
はlog_%t_%s_%r.arc
に変更されます。ALTARCHIVEDLOGFORMAT
を使用するかわりに、手動でサブディレクトリを作成してから、ログ・ファイルをそれに移動することもできます。