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Oracle® Fusion Middleware Oracle DatabaseのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成
12c (12.2.0.1)
E70107-04
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15.3 初期ロードの構成

Oracle GoldenGateでは、Oracle専用の次のロード方式がサポートされます。

方法を選択してその構成手順に従い、ロード・プロセスとパラメータ・ファイルを作成します。

変更同期パラメータ・ファイルで使用するパラメータの一部は、初期ロードのExtractおよびReplicatパラメータ・ファイルにも必要です。共通性を利用するには、次の方法を使用します。

  • 共通のパラメータを一方のパラメータ・ファイルから他方にコピーします。

  • 共通のパラメータを中央のファイルに格納し、各パラメータ・ファイルでOBEYパラメータを使用して取得します。

  • 共通のパラメータに対するOracle GoldenGateマクロを作成し、MACROパラメータを使用して各パラメータ・ファイルからマクロをコールします。

パラメータ・ファイルの使用の詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

15.3.1 Oracle Data Pumpを使用したロードの構成

この方法では、Oracle Data Pumpユーティリティを使用して、ターゲット・データを構築します。コピーが停止したときのSCNで、Extract、データ・ポンプおよびReplicatを起動します。コピーに含まれているトランザクションは、整合性違反によるコリジョンを回避するためにスキップされます。プロセスの開始地点から、Oracle GoldenGateはデータ同期を維持します。

この方法では、初期ロードOracle GoldenGateプロセスは不要です。

15.3.2 SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための構成

図15-2に、SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための構成を示します。

図15-2 SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための構成

図15-2の説明が続きます
「図15-2 SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための構成」の説明が続きます

この方法では、Oracle GoldenGate初期ロードExtractを構成して実行し、全ソース・レコードを抽出して初期ロードReplicatタスクに直接送信します。初期ロードReplicatタスクはSQL*Loaderと通信し、ダイレクトパス・バルク・ロードでデータをロードします。データ・マッピングと変換は、初期ロードExtractまたは初期ロードReplicat、あるいはその両方で行えます。ロード時、「統合モードでのキャプチャの構成」または「クラシック・モードでのキャプチャの構成」および「Oracle GoldenGateの適用の構成」で構成した変更同期グループによって増分変更がレプリケートされ、ロードの結果に反映されます。

制限:

  • この方法では、LOBまたはLONGのデータの抽出はサポートされません。かわりの方法については、「入力ファイルからSQL*Loaderへのインスタンス化の実行」を参照してください。

  • この方法では、サイズに関係なく、LOBを含むマテリアライズド・ビューはサポートされません。データの暗号化もサポートされません。

SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための構成手順

  1. LOCK ANY TABLEをターゲットOracle DatabaseのReplicatデータベース・ユーザーに付与します。
  2. ソースおよびターゲット・システムでGGSCIを実行します。
  3. 両方のシステムでManagerを起動します。
    START MANAGER
    
  4. ソース・システムで、初期ロードExtractを作成します。
    ADD EXTRACT initial-load_Extract, SOURCEISTABLE
    

    説明:

    • initial-load_Extractは、8文字以内の初期ロードExtractの名前です。

    • SOURCEISTABLEでは、Extractに全レコードをソース表から直接読み取るように指示します。

  5. ソース・システムで、初期ロードExtractパラメータ・ファイルを作成します。
    EDIT PARAMS initial-load_Extract
    
  6. 次に示す順序で初期ロードExtractパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。次の例は、マルチテナント・コンテナ・データベースに関連付けられている3つの部分からなる表名を示しています。詳細は、表15-1を参照してください。
    EXTRACT initext
    USERIDALIAS tiger1
    RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2
    RMTTASK replicat, GROUP initrep
    TABLE hq.hr.*;

    表15-1 SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための初期ロードExtractパラメータ

    パラメータ 説明

    EXTRACT initial-load_Extract

    ADD EXTRACTで指定した初期ロードExtractの名前を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    USERIDALIAS alias

    Extractに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在する必要があります。詳細は、「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください

    RMTHOST hostname, MGRPORT portnumber[, ENCRYPT algorithm KEYNAME keyname]

    ターゲット・システム、Managerが稼働しているポート、およびTCP/IP経由でのデータ暗号化(オプション)を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    RMTTASK REPLICAT, GROUP initial-load_Replicat

    プロセス・タイプ(REPLICAT)と初期ロードReplicatの名前を指定します。ターゲット・システムのManagerに、初期ロードReplicatを1回かぎりのタスクとして動的に起動するように指示します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    TABLE [container.]schema.table;

    キャプチャする表を指定します。

    • マルチテナント・コンテナ・データベースの場合、containerはプラガブル・データベースの名前です。3つの部分からなる名前を使用するかわりに、SOURCECATALOGパラメータを使用してデフォルトのプラガブル・データベースを指定できます。

    • schemaは、スキーマ名です。

    • tableは、表名です。

    オブジェクト名の指定に関する重要情報は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。


  7. ファイルを保存して閉じます。
  8. ターゲット・システムで、初期ロードReplicatを作成します。
    ADD REPLICAT initial-load Replicat, SPECIALRUN
    

    説明:

    • initial-load Replicatは、初期ロードReplicatタスクの名前です。

    • SPECIALRUNでは、初期ロードReplicatを、継続的プロセスではなく、ワンタイム・タスクとして識別します。

  9. ターゲット・システムで、初期ロードReplicatパラメータ・ファイルを作成します。
    EDIT PARAMS initial-load Replicat
    
  10. 次に示す順序で初期ロードReplicatパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。次の例は、マルチテナント・コンテナ・データベースに関連付けられている3つの部分からなるソース表名を示しています。説明については、表15-2を参照してください。
    REPLICAT initrep
    USERIDALIAS tiger2
    BULKLOAD
    ASSUMETARGETDEFS
    MAP hq.hr.*, TARGET hr2.*;
    

    表15-2 SQL*Loaderへダイレクト・バルク・ロードするための初期ロードReplicatパラメータ

    パラメータ 説明

    REPLICAT initial-load Replicat

    ADD REPLICATで指定した初期ロードReplicatタスクの名前を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    USERIDALIAS alias

    Replicatに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在する必要があります。詳細は、「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください

    BULKLOAD

    Oracle SQL*Loaderインタフェースと直接対話するようReplicatに指示します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください

    ASSUMETARGETDEFS

    ソースとターゲットの表が、セマンティクスを含めて同一であるものとします。ソースとターゲットの定義が異なる場合、変更同期と初期ロードの両方のプロセスが使用するソース定義ファイルを作成して指定する必要があります。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    データ定義ファイルの詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

    MAP [container.]schema.table, TARGET schema.table;

    ソース表とターゲット表の関係を指定します。

    • ソースがマルチテナント・コンテナ・データベースの場合、containerはこのMAP 文で指定されたソース・オブジェクトを含むプラガブル・データベースの名前です。3つの部分からなる名前を使用するかわりに、SOURCECATALOGパラメータを使用してデフォルトのソース・プラガブル・データベースを指定できます。

    • schemaは、スキーマ名です。

    • tableは、表名です。

    オブジェクト名の指定に関する重要情報は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。


15.3.3 入力ファイルからSQL*Loaderへのロードの構成

図15-3 入力ファイルからSQL*Loaderへのロードの構成

図15-3の説明が続きます
「図15-3 入力ファイルからSQL*Loaderへのロードの構成」の説明が続きます

この方法では、初期ロードExtractはソース表からソース・レコードを抽出し、抽出ファイルに外部ASCII形式で書き込みます。ファイルはSQL*Loaderによって読み取られます。ロード時、第4章で構成した変更同期グループによって増分変更がレプリケートされ、ロードの結果に反映されます。ロード処理の一環として、Oracle GoldenGateで初期ロードReplicatを使用して、データベース・ユーティリティに必要な実行ファイルと制御ファイルを作成します。制御ファイルは動的に生成され、変換ルールで事前構成できないため、すべてのデータ変換はソース・システムで初期ロードExtractによって実行される必要があります。

ファイルからSQL*Loaderへのロードを構成する手順

  1. ソースおよびターゲット・システムでGGSCIを実行します。
  2. 両方のシステムでManagerを起動します。
    START MANAGER
    
  3. ソース・システムで、初期ロードExtractパラメータ・ファイルを作成します。
    EDIT PARAMS initial-load Extract
    
  4. 次に示す順序で初期ロードExtractパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。次の例は、マルチテナント・コンテナ・データベースに関連付けられている3つの部分からなる表名を示しています。詳細は、表15-3を参照してください。
    SOURCEISTABLE
    USERIDALIAS tiger1
    RMTHOST fin1, MGRPORT 7809 ENCRYPT AES192, KEYNAME securekey2
    ENCRYPTTRAIL AES192
    FORMATASCII, SQLLOADER
    RMTFILE /ggs/dirdat/ie
    TABLE hq.hr.*;
     

    表15-3 ファイルからSQL*Loaderへロードするための初期ロードExtractパラメータ

    パラメータ 説明

    SOURCEISTABLE

    Extractを、ソース表から直接レコードを抽出する初期ロード・プロセスとして指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    USERIDALIAS alias

    Extractに割り当てられているデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在する必要があります。詳細は、「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください

    RMTHOST hostname, MGRPORT portnumber[, ENCRYPT algorithm KEYNAME keyname]

    ターゲット・システム、Managerが稼働しているポート、およびTCP/IP経由でのデータ暗号化(オプション)を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    ENCRYPTTRAIL algorithm

    リモート・ファイルでデータを暗号化します。詳細は、『Oracle GoldenGate for Windows and UNIXリファレンス』を参照してください。

    FORMATASCII, SQLLOADER

    SQL*Loaderに対応した、固定長でASCII形式のリモート・ファイルを作成します。このパラメータは、RMTFILEの前にリストする必要があります。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    RMTFILE path

    Extractによって作成され、ロード・データが書き込まれる抽出ファイルの絶対パスまたはフルパス名を指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    TABLE [container.]schema.table;

    キャプチャする表を指定します。

    • マルチテナント・コンテナ・データベースの場合、containerはプラガブル・データベースの名前です。3つの部分からなる名前を使用するかわりに、SOURCECATALOGパラメータを使用してデフォルトのプラガブル・データベースを指定できます。

    • schemaは、スキーマ名です。

    • tableは、表名です。

    オブジェクト名の指定に関する重要情報は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。


  5. パラメータ・ファイルを保存して閉じます。
  6. ターゲット・システムで、初期ロードReplicatパラメータ・ファイルを作成します。
    EDIT PARAMS initial-load Replicat
    
  7. 次に示す順序で初期ロードReplicatパラメータを入力します。パラメータ文ごとに新しい行を開始します。次の例は、マルチテナント・コンテナ・データベースに関連付けられている3つの部分からなるソース表名を示しています。説明については、表15-4を参照してください。
    GENLOADFILES sqlldr.tpl 
    USERIDALIAS tiger2
    EXTFILE /ggs/dirdat/ie
    ASSUMETARGETDEFS
    MAP hq.hr.*, TARGET hr2.*;
     

    表15-4 ファイルからSQL*Loaderへロードするための初期ロードReplicatパラメータ

    パラメータ 説明

    GENLOADFILES template

    データベース・ユーティリティの実行ファイルと制御ファイルを生成します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    USERIDALIAS alias

    Replicatに割り当てられているユーザーのデータベース・ログイン資格証明のエイリアスを指定します。この資格証明は、Oracle GoldenGate資格証明ストアに存在する必要があります。詳細は、「Oracle GoldenGate資格証明の確立」を参照してください

    EXTFILE path

    ExtractパラメータRMTFILEで指定した抽出ファイルを指定します。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    ASSUMETARGETDEFS

    ソースとターゲットの表が、セマンティクスを含めて同一であるものとします。ソースとターゲットの定義が異なる場合、変更同期と初期ロードの両方のプロセスが使用するソース定義ファイルを作成して指定する必要があります。Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIXを参照してください。

    データ定義ファイルの詳細は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

    MAP [container.]schema.table, TARGET schema.table;

    ソース表とターゲット表の関係を指定します。

    • ソースがマルチテナント・コンテナ・データベースの場合、containerはこのMAP 文で指定されたソース・オブジェクトを含むプラガブル・データベースの名前です。3つの部分からなる名前を使用するかわりに、SOURCECATALOGパラメータを使用してデフォルトのソース・プラガブル・データベースを指定できます。

    • schemaは、スキーマ名です。

    • tableは、表名です。

    オブジェクト名の指定に関する重要情報は、Oracle GoldenGateの管理for Windows and UNIXを参照してください。

  8. パラメータ・ファイルを保存して閉じます。