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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド
13cリリース1
E70363-03
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36 ラックの管理

この章には次の情報が含まれています。

36.1 ラック管理のスタート・ガイド

ターゲット管理とは、Enterprise Managerがサーバー・ハードウェア、シャーシ、ラック、電力配分装置、ネットワーク機器、オペレーティング・システム、仮想ソフトウェアおよびクラスタリング・ソフトウェアなどのターゲットの管理およびモニタリングを開始するプロセスです。ターゲットの検出および管理は、ソフトウェアでのほぼすべての処理の前提条件です。検出機能を使用すると、迅速かつ容易にターゲットを追加できます。ガイド付きプロセスを使用して、電力配分装置およびラックを検出できます。

36.2 ユーザー・インタフェース内でのラック情報の場所

表36-1に、情報が記載されている場所を示します。

表36-1 BUI内でのラック情報の場所

オブジェクト 場所

ラック

Enterprise Managerのユーザー・インタフェースで、「ターゲット」の下の「すべてのターゲット」をクリックします。「検索の絞込み」セクションで、「ターゲット・タイプ」の下の「サーバー、ストレージおよびネットワーク」をクリックします。「システム・インフラストラクチャ・ラック」をクリックして、表示されたリストからラックを選択します。

ラックの物理ビュー

Enterprise Managerのユーザー・インタフェースで、「ターゲット」の下の「すべてのターゲット」をクリックします。「検索の絞込み」セクションで、「ターゲット・タイプ」の下の「サーバー、ストレージおよびネットワーク」をクリックします。「システム・インフラストラクチャ・ラック」をクリックして、表示されたリストからラックを選択します。「ダッシュボード」タブをクリックします。オプションの右側にあるフォトリアリスティック・ビュー・ラジオ・ボタンを選択します。


36.3 ラックの処理

要件に応じて、次の処理を実行できます。

  • ラックの作成

  • ラックの表示

  • ラックへのターゲットの配置

  • ラックでのターゲットの編集

  • ラックからのターゲットの削除

  • ラックの削除

36.4 ラック管理のターゲット・ナビゲーション

ターゲット・ナビゲーション・ツリーには、ラックとラック内のすべてのターゲットがツリー構造で表示されます。いずれかのターゲットをクリックすると、選択したターゲットのランディング・ページに移動します。


注意:

ターゲット・ナビゲーション・ツリーは、ラックにターゲットが移入されている場合にのみアクティブになります。

図36-1 ラック管理のターゲット・ナビゲーション

図36-1の説明が続きます
「図36-1 ラック管理のターゲット・ナビゲーション」の説明

36.5 ラックの作成

ラック・ターゲットは、Enterprise Controllerによって管理されるその他のハードウェア・ターゲットのコンテナとしての役割を果します。ラックを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Enterprise Managerにログインします。

  2. 「設定」で、「ターゲットの追加」「ターゲットの手動追加」の順にクリックします。

  3. 「概要」セクションで、「ガイド付きプロセスを使用したターゲットの追加」をクリックします。

  4. 「ガイド付きプロセスを使用した追加」画面で、「システム・インフラストラクチャ・ラック」にスクロール・ダウンして「追加」をクリックします。

  5. システム・インフラストラクチャ・ラック検出画面で、必要な情報を入力します。

    1. 「ターゲット名」フィールドに、ラックの名前を入力します。

    2. 「タイプ」フィールドで、ラックのタイプと、必要に応じてその他の情報を選択します。

    3. (オプション)「グローバル・プロパティ」セクションで、「場所」などのその他の情報も設定できます。

  6. 画面の右上隅の「追加」をクリックします。ジョブが正常に実行されると、空のラックが作成されます。これで、ラックのランディング画面に移動して、ラックにハードウェア・ターゲットを追加できます。次の図は、空のラックのイメージです。

    図36-2 空のラック

    図36-2の説明が続きます
    「図36-2 空のラック」の説明

36.5.1 コマンドライン・インタフェースを使用したラックの作成

コマンドライン・インタフェースを使用してラックを作成できます。

CLIを使用してラックを作成するには、次の手順を実行します。

  1. OMSが実行されているホストでコマンドライン・インタフェースを開きます。

  2. 次のコマンドを使用して、emcliにログインします。
    emcli login –username=<your user name>

  3. 要求されたら、パスワードを入力します。

  4. emcli_syncを実行します。

  5. 次のコマンドを使用して、新しいラックを追加します。

    emcli add_target \

    -name="Name of your Rack" \

    -type=oracle_si_rack \

    -subseparator=properties='=' \

    -separator=properties=';' \

    -properties='EngineeredSystemId=SomeID;RackType=SomeType;RackSubtype=SomeSubtype;TotalSlots=42'

  6. emcli add_targetコマンドで、次のように設定します。

    • Name of your Rackname of your Rackを置換します

    • プロパティの値を設定します

36.5.1.1 ラックのプロパティ

ラックには、EngineeredSystemId、RackType、RackSubtypeおよびTotalSlotsという4つのプロパティがあります。プロパティの説明は、表36-2「プロパティの説明」を参照してください。

表36-2 プロパティの説明

プロパティ 説明 指定できる値 必須 注意

EngineeredSystemId

エンジニアド・システムの一意の識別子

任意の文字列

いいえ

ラックが一部のエンジニアド・システムに属さないスタンドアロンの場合、指定する必要はありません

RackType

ラックタイプ(汎用42UキャビネットまたはOracle Exalogic、SPARC SuperClusterなどのよく知られたタイプ)

  • GENERIC: 汎用42Uラック・キャビネット

  • EXALOGIC: Exalogic Sun Rack II 42Uラック・キャビネット

  • EXADATA: Exadata Sun Rack II 42Uラック・キャビネット

  • SUPERCLUSTER: SuperCluster Sun Rack II 42Uラック・キャビネット

  • BIGDATA: Oracle Big Data Appliance Sun Rack II 42Uラック・キャビネット

  • OPCA: Oracle Private Cloud Appliance Sun Rack II 42Uラック・キャビネット

  • ZDLRA: Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance Sun Rack II 42Uラック・キャビネット

  • EXADATA_STORAGE_EXPANSION: Oracle Exadata Storage Expansion Sun Rack II 42Uラック・キャビネット

はい

ラックが一部のエンジニアド・システムに属さないスタンドアロンの場合は、GENERICを指定します

RackSubtype

ラック・タイプに準拠したRackTypeサイズのオプション仕様。たとえば、Full、Quarterなど。このプロパティはエンジニアド・システム・ラックにのみ適用できます。

  • UNDEFINED

  • FULL

  • HALF

  • QUARTER

  • EIGHTH

いいえ

なし

TotalSlots

ラック内のスロットの合計数。

42

はい

42スロットのラックのみがサポートされます。


次に、汎用ラックを作成するコマンドの例を示します。

emcli add_target \

-name="Name of your Rack" \

-type=oracle_si_rack \

-subseparator=properties='=' \

-separator=properties=';' \

-properties=RackType=GENERIC;TotalSlots=42'

36.6 ラック情報の表示

ラック情報の画面は、2つの部分に分かれています。一番上の領域は、システムの概要を示すダッシュレットで構成されています。メイン・リージョンには、ラックの詳細情報が表示されます。

ダッシュレットは、3つずつ1つ以上のシリーズにグループ化され、ナビゲーション・スイッチを使用して切り替えることができます。

第1シリーズの最初のダッシュレットには、ラックのシリアル番号、合計数、占有されているスロットの数などのラックの概要が表示されます。情報を入手できる場合はラックの場所も表示されます。

第1シリーズの2番目のダッシュレットには、ラック上で中継されたオープン・インシデントの数と、ラック内のすべてのターゲットが表示されます。表示された数字のいずれかをクリックすると、指定された重要度のインシデントのリストが表示されます。

第1シリーズの3番目のダッシュレットには、ラックのフェーズ当たりの電力使用量(アンペア単位)が表示されます。

第2シリーズの最初のダッシュレットには、オンラインであるターゲットの数、オフラインであるターゲットの数、その他のステータスであるターゲットの集計数が表示されます。

第2シリーズの2番目のダッシュレットには、ラックの占有率が表示されます。ラックのスロット占有状況とPDU占有状況がグラフィック表現で表示されます。

第2シリーズの3番目のダッシュレットには、ラックに対して行われた最後の構成変更が表示されます。


注意:

「第2」ダッシュレット・シリーズ・アイコン(ダッシュレットの下に表示)をクリックすると、その他のダッシュレットが表示されます。「第1」ダッシュレット・シリーズ・アイコンをクリックすると、1組目のダッシュレットが表示されます。

36.6.1 ラックの物理ビュー

ラックの物理ビューを表示するには、ラックのランディング・ページのメイン・セクションにある1つ目のタブをクリックします。ラックのフォトリアリスティック・ビューには、ラックと、ラックにターゲットを配置する方法の概要を示した内容が表示されます。ラック内のいずれかのターゲットをクリックすると、選択したターゲットの詳細情報を表示できます。ラック自体の情報を表示するには、ラックをクリックします。物理ビューの表示は、様々に切り替えることができます。

  • フォトリアリスティック・ビューには、システムのリアルな写真と、すべてのコンポーネントの詳細なグラフィックスが表示されます。

  • 構成図ビューはデータ指向で、ロケータ・ライト、ステータス、温度、ホスト名などの、最も重要な情報が表示されます。ビューの各コンポーネントは、コンポーネントを簡単に識別できるように、タイプに基づいて色分けされています。右側の温度の表示オプションをクリックすると、その情報を提供しているターゲットの温度が表示されます。ターゲットを空のスロットに配置するには、「温度」トグルの下の「空のスロット」オプションを選択します。選択しない場合、空のスロットはアクティブになりません。

  • 表ビューは、物理ビューを表で表したもので、表示対象コンポーネントと最も重要な情報のリストが表示されます。

図36-3 ラックのフォトリアリスティック・ビュー

図36-3の説明が続きます
「図36-3 ラックのフォトリアリスティック・ビュー」の説明

36.6.2 「ファームウェア」ビュー

ラックのランディング・ページのメイン・セクションにある2つ目のタブをクリックして、「ファームウェア」ビューを表示します。「ファームウェア」ビューには、ラックに配置されたすべてのターゲットのファームウェアが表形式で表示されます。ターゲット名、ターゲット・タイプ、ファームウェア・タイプおよびファームウェア・バージョンが表形式で表示されます。検索オプションは、すべての列の表ヘッダー(たとえば「ターゲット名」、「ターゲット・タイプ」、「ファームウェア・タイプ」、「ファームウェアのバージョン」)上で使用できます。「ターゲット・タイプ」検索フィールドで、ドロップダウン・リストからターゲットのタイプを選択します。ファームウェア検索フィールドにファームウェア・タイプを入力して、選択したファームウェア・タイプのターゲットのみを表示できます。

36.6.3 「負荷」ビュー

「負荷」ビューには、ラック内のPDUの負荷に関する詳細情報が表示されます。モジュール当たりのPDUフェーズ負荷のグラフィカル・ビューに、PDUフェーズ負荷の時間履歴が表示されます。

36.6.4 「温度」ビュー

「温度」ビューには、ラック内のすべてのターゲットの温度が表示されます。過去7日間の平均および最高の温度など、履歴データも表示されます。

36.7 ラック内のターゲットの配置

ラックを作成した後、ラックにハードウェア・ターゲットを配置(追加)できます。空のラックのフォトリアリスティック画像が前面ビューと背面ビューとともに表示されます。ラック内のスロットには、ラック・スロットとPDUスロットの2タイプがあります。ラック・スロットには、スイッチ、サーバー、ZFSアプライアンス、ストレージ・セルおよびラックに配置できるその他のターゲットを配置できます。PDUスロットには、PDUを配置できます。

空または占有されているラックやPDUスロットを右クリックして、アクション・メニューを起動できます。

36.7.1 ラック内のターゲットの配置

ラックにターゲットを配置するには、次の手順を実行します。

  1. ラックの空のスロットを右クリックし、「ターゲットの配置」をクリックします。ターゲットをラックに配置ウィザードが開きます。

  2. 「選択したターゲット」フィールドで、検索アイコンをクリックして追加するターゲットを検出します。

    1. 「ターゲット・タイプ」フィールドで、追加するターゲットのタイプに対応するチェック・ボックスを選択します。検出されたターゲットがリストされます。

    2. ターゲットをリストから選択し、「選択」をクリックします。

  3. 「位置」フィールドの値は、クリックしたスロット位置から、自動的に記入されます。ターゲットを異なるスロットに配置する場合、ターゲットを配置する空のスロットの位置を入力します。

  4. 「高さ」フィールドで、ターゲットの高さを指定します。入力以前に表示される高さは、選択したターゲットのタイプに基づいています。

  5. 「向き」フィールドで、ターゲットの方向(「全体」、「前面」または「背面」など)を指定します。(スイッチなど、一部のターゲットは、スロットの半分のみを占有します)。

  6. 「水平位置」フィールドで、「全体」、「左」または「右」を指定します。これは、そのターゲットの占有状態に基づきます。一部のターゲットはスロット全体を占有し、一部はスロットの左または右の側を占有します。

  7. 「OK」をクリックします。ターゲットは、ラックに配置されます。

36.7.2 ラック内のターゲット配置の編集

ラック内のターゲットの位置を編集したり、必要に応じてターゲットを別のスロットに配置することができます。

ターゲットの位置を編集するには、次の手順を実行します。

  1. ターゲットを右クリックして、「ターゲットの編集」を選択します。

  2. 該当する値を編集し、「OK」をクリックします。

36.7.3 ラックからのターゲットの削除

ラックに配置されたターゲットを削除できます。

ラックからターゲットを削除するには、次の手順を実行します。

  1. ラックの物理ビューに移動します。

  2. 削除するターゲットを右クリックして、「ターゲットの削除」をクリックします。

  3. 「OK」をクリックして確定します。ターゲットがラックから削除されます。


注意:

ターゲットはラックから削除されますが、Enterprise Managerによって引き続きモニタリングされます。

36.7.4 ラックの削除

Enterprise Managerのターゲットとしてラックを削除できます。ラック・ターゲットを削除するとき、ラックにターゲットが配置されている場合、そのターゲットをEnterprise Managerから削除することはできず、引き続き「すべてのターゲット」ビューでアクセスできます。

ラックを削除するには、次の手順を実行します。

  1. ラックのランディング・ページで、「ターゲット」メニュー・ドロップダウン・リストをクリックします。

    図36-4 ラックの削除

    図36-4の説明が続きます
    「図36-4 ラックの削除」の説明

  2. 「ターゲット設定」をクリックしてから、「ターゲットの削除」をクリックします。

  3. 「はい」をクリックして確認します。ラックが削除されます。