IDR をインストールする前に、IDR によって対処される問題や IDR で提供されている内容など、その IDR に関する情報を取得します。
使用例 11 IDR パッケージアーカイブに関する情報を取得する次のコマンドは、アーカイブには、solaris パブリッシャーによって発行された 3 つのパッケージが含まれていることを示しています。
$ pkgrepo info -s idr1929.2.p5p PUBLISHER PACKAGES STATUS UPDATED solaris 3 online 2015-06-24T09:01:20Z
pkgrepo list および pkg list コマンドは、パッケージアーカイブ内のパッケージに関する同様の、ただし異なる情報を提供します。インストールまたは更新するパッケージの名前は idr1929 です。パッケージアーカイブの名前は、アーカイブが IDR 1929 のバージョン 2 であることを示しています。次の出力は、使用例 16, IDR の名前が変更されているかどうかを表示する に説明するように、idr1834 が名前変更されていることを示しています。
$ pkgrepo list -s idr1929.2.p5p PUBLISHER NAME O VERSION solaris idr1834 r 2,5.11:20150624T090119Z solaris idr1929 2,5.11:20150624T090120Z solaris system/install/media/internal 0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2:20150624T090120Z $ pkg list -afg idr1929.2.p5p NAME (PUBLISHER) VERSION IFO idr1834 2 --r idr1929 2 --- system/install/media/internal 0.5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2 ---使用例 12 この IDR で提供されている内容を表示する
次のコマンドは、idr1929 パッケージに system/install/media/internal パッケージのカスタムバージョンが組み込まれていることを示しています。system/install/media/internal パッケージのバージョンはこの IDR を指定しています。バージョン文字列の枝番の部分の末尾にある 1929.2 フィールドを見てください。パッケージのバージョン文字列のフィールドについては、障害管理リソース識別子を参照してください。使用例 11, IDR パッケージアーカイブに関する情報を取得するのコマンドは、IDR パッケージアーカイブには、IDR パッケージで提供されているこのカスタムバージョンのパッケージが含まれていることを示しました。
$ pkg contents -g idr1929.2.p5p -o type,fmri -t depend idr1929 TYPE FMRI incorporate pkg:/system/install/media/internal@0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2
次のコマンドは、このカスタムバージョンの system/install/media/internal パッケージは idr1929@2 パッケージに対して require 依存関係を持っていることを示しています。つまり、このバージョンの system/install/media/internal はこの IDR がインストールされている場合にのみインストールされます。
$ pkg contents -g idr1929.2.p5p -o type,fmri -t depend media/internal TYPE FMRI require idr1929@2使用例 13 IDR によって対処される問題を表示する
次のコマンドは、idr1929 が対処している問題レポートの番号を表示します。複数の問題レポートが表示されることもあります。
$ pkg contents -Hg idr1929.2.p5p -o value -t set -a name='*bug*' idr1929 16857802使用例 14 IDR をインストールできる Oracle Solaris リリースを判定する
次のコマンドは、この IDR がどの Oracle Solaris リリース向けに構築されたかを表示します。
$ pkg contents -Hg idr1929.2.p5p -o value -t set -a name="*description*" idr1929 i386 IDR built for release : Solaris 11.2 SRU # 10.5.0
この IDR は、構築された対象のリリースだけでなく、ほかの Oracle Solaris リリースにもインストールできる場合があります。使用例 12, この IDR で提供されている内容を表示するに示すように、この IDR で提供されているすべてのパッケージのバージョンを一覧表示し、そのリストを、それらのパッケージの使用可能なすべてのバージョンのリストと比較します。IDR で提供されているものと同じバージョンのパッケージをインストールできる、任意の Oracle Solaris リリース上に IDR をインストールできます。この例では、idr1929 は、バージョン 5.11-0.175.2.9.0.3.2 の system/install/media/internal パッケージをインストールできる任意の Oracle Solaris リリース上にインストールできます。
使用例 15 IDR のリリースノートの場所を表示する次のコマンドは、インストールされている IDR のリリースノートがある場所を表示します。
$ pkg contents -Ht file idr1929 usr/share/doc/release-notes/idr1929.txt
また、pkg history コマンドを使用してリリースノートを表示することもできます。操作履歴の表示の説明に従って、-n、-t、および -N オプションを使用してください。
IDR がインストールされていない場合は、IDR をインストールする方法に示すように、-nv オプションを指定して pkg install コマンドを使用することで、IDR をインストールせずにリリースノートを表示できます。
使用例 16 IDR の名前が変更されているかどうかを表示する使用例 11, IDR パッケージアーカイブに関する情報を取得するの pkgrepo list および pkg list コマンドは、idr1834 パッケージの名前が変更されていることを示しています。次のコマンドは、idr1834 が idr1929 に名前変更されていることを示しています。明示的に idr1834 をインストールすると、idr1929 が代わりにインストールされ、idr1834 がすでにインストールされている場合は削除されます。
$ pkg info -g idr1929.2.p5p idr1834 Name: idr1834 Summary: Superseding pkg for idr1834.1 State: Not installed (Renamed) Renamed to: pkg://solaris/idr1929@2,5.11 Publisher: solaris Version: 2 Build Release: 5.11 Branch: None Packaging Date: June 24, 2015 09:01:19 AM Size: 5.46 kB FMRI: pkg://solaris/idr1834@2,5.11:20150624T090119Z
次のコマンドは、idr1834 パッケージの内容は idr1929 パッケージに対する依存関係のみであることを示しています。signature アクションは簡潔にするために省略されています。
$ pkg contents -mg idr1929.2.p5p idr1834 set name=pkg.fmri value=pkg://solaris/idr1834@2,5.11:20150624T090119Z set name=pkg.summary value="Superseding pkg for idr1834.1" set name=pkg.renamed value=true depend fmri=pkg://solaris/idr1929@2,5.11 type=require
IDR パッケージでは、名前の変更を使用することにより、インストール済みの IDR を管理者が明示的に削除しなくても、その IDR がインストールされているシステムを新しい SRU バージョンに更新できるようになっています。
次のコマンドは、インストールする IDR によって対処されるすべての問題の識別子を一覧表示します。
$ pkg contents -g idr1929.2.p5p -Ho value -t set -a name='*bug*' idr1929 ['problemID1, 'problemID2']
次のコマンドは、これらの同じ問題に対処するすべてのインストール済みパッケージを一覧表示します。
$ pkg search -lo value,pkg.name problemID1 OR problemID2
インストールする IDR によって対処される問題が、現在インストール済みの IDR でも対処されている場合は、この同じ問題に対処するインストール済みの IDR が、インストールする IDR によって削除されるかどうかを確認してください。新しい IDR をインストールすることによって古い IDR が削除されるかどうかを確認するには、pkg list および pkg info コマンドを使用するか、-nv オプションを指定して pkg install コマンドを使用します。両方の IDR がインストールされることになる場合は、サポート担当者に連絡してください。
この手順は、非大域ゾーンがこのリポジトリにアクセスできるようにするために必要です。このシステムに非大域ゾーンが含まれていない場合でも、構成済みのパブリッシャーの起点にこれらのパッケージを追加することがベストプラクティスです。
$ pkg set-publisher -g idr1929.2.p5p solaris $ pkg publisher PUBLISHER TYPE STATUS P LOCATION solaris origin online F file:///var/share/repos/idr1929.2.p5p/ solaris origin online F https://pkg.oracle.com/solaris/support/
使用しているすべての IDR パッケージのローカルリポジトリを作成することをお勧めします。Oracle Solaris 12 パッケージリポジトリのコピーと作成を参照してください。pkg5srv ユーザーがリポジトリの内容にアクセスできることを確認します。非大域ゾーンがリポジトリの内容にアクセスできることを確認します。
次の pkg contents コマンドは、IDR にバージョン 5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2 の media/internal パッケージが組み込まれていることを示しています。
$ pkg contents -ro type,fmri -t depend idr1929 TYPE FMRI incorporate pkg:/system/install/media/internal@0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2
バージョン 5.11-0.175.2.9.0.3.2 の media/internal パッケージがシステムにインストールされている場合は、この IDR をインストールできます。
次のコマンドは、何がインストールされるかを示しますが、実際にはインストールを実行しません。このイメージに非大域ゾーンがある場合は、-r オプションを指定します。インストール操作では、IDR のリリースノートが表示されます。リリースノートには、IDR によって対処されるバグ、IDR パッケージによってインストールされるパッケージ、および IDR の削除手順が記載されています。
$ pkg install -nvr idr1929 Packages to install: 1 Estimated space available: 31.42 GB Estimated space to be consumed: 122.34 MB Create boot environment: No Create backup boot environment: No Rebuild boot archive: No Changed packages: solaris idr1929 None -> 2,5.11:20150624T090120Z Release Notes: # Release Notes for IDR : idr1929 # ------------------------------- Release : Solaris 11.2 SRU # 10.5.0 Platform : i386 Bug(s) addressed : 16857802 : AI zlib download timeout should be longer Package(s) included : pkg:/system/install/media/internal Removal instruction : # /usr/bin/pkg uninstall -r idr1929 If this IDR is installed on a system running Solaris 11.2 SRU9 or less, use this command to remove: # /usr/bin/pkg update --ignore-missing -r --reject pkg:/system/install/media/internal@0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2:20150321T014312Z Generic Instructions : 1) If system is configured with 'Zones', ensure that IDR is available in a configured repository. Special Instructions for : idr1929 None.
前のコマンドからの出力は、idr1929 パッケージがインストールされることを示しています。あるバージョンの idr1834 がシステムにすでにインストールされている場合、idr1929 のインストールはブロックされることに注意してください。その場合は、idr1929 をインストールする代わりに idr1834 を更新する必要があります。idr1834 の更新の結果として、使用例 17, 置換用 IDR をインストールするに示すように idr1929 がインストールされます。
IDR をインストールするときは、新しい BE またはバックアップ BE が作成されることを確認してください。IDR をインストールしたあとで問題が発生した場合は、古い BE またはバックアップ BE にリブートできます。
前のコマンドの出力は、このインストールでは新しい BE もバックアップ BE も作成されないことを示しています。次のコマンドは、現在の BE に IDR をインストールする前に、バックアップ BE を作成します。
$ pkg install --backup-be-name pre-idr1929 idr1929