ほとんどの場合、IDR で対処されていた問題に対してシステムが無防備になるため、IDR を明示的に削除するべきではありません。IDR の削除は、IDR で対処された問題に対する修正を含んでいる SRU に更新するプロセスの一環として行われる必要があります。
IDR を明示的に削除できる 1 つの事例は、IDR が診断作業のみを実行し、その診断情報を収集する必要がなくなったときです。
IDR パッケージのサマリーには、このパッケージを削除する方法の説明が含まれています。
古い IDR の場合は、2 とおりの手順が指定されています。1 つのコマンドは、Oracle Solaris 11.2 SRU 10 以上を実行しているシステム用で、もう 1 つのコマンドは、SRU 10 よりも前の Oracle Solaris 11.2 リリースを実行しているシステム用です。
info、contents、および search サブコマンドのどれでも、パッケージのサマリーを表示できます。
$ pkg info idr1929 Name: idr1929 Summary: To back out This IDR : # /usr/bin/pkg uninstall -r idr1929; on Solaris systems < 11.2 SRU 10 : # /usr/bin/pkg update --ignore-missing -r --reject idr1929 pkg:/system/install/media/internal@0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2:20150321T014312Z ...
$ pkg contents -Ho value -a name=pkg.summary idr1929
$ pkg search -Hlo value idr1929::pkg.summary:
新しい IDR の場合は、1 とおりの手順が指定されています。
$ pkg search -Hlo value idr2353::pkg.summary: To back out This IDR : # /usr/bin/pkg uninstall -r idr2353
使用例 15, IDR のリリースノートの場所を表示するに示すコマンドを使用して、インストールされているリリースノートファイル内のこの情報を表示することもできます。
Oracle Solaris 11.4 を含む、Oracle Solaris 11.2 SRU 10 以上を実行しているシステムでは、次の例に示すように pkg uninstall コマンドを使用します。
$ pkg uninstall -r idr1929
-r オプションは、この大域ゾーンに関連付けられたすべての非大域ゾーン内で削除を実行します。
SRU 10 よりも前の Oracle Solaris 11.2 リリースを実行しているシステムでは、次の例に示すように pkg update コマンドを使用します。
$ pkg update -r --ignore-missing --reject idr1929 \ pkg:/system/install/media/internal@0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2:20150321T014312Z
-r オプションは、この大域ゾーンに関連付けられたすべての非大域ゾーン内で削除を実行します。
--ignore-missing オプションは、更新されるパッケージの一部がインストールされていない場合に update 操作を失敗させないことを意味します。
--reject オプションは、IDR パッケージによってインストールされたパッケージを削除します。