このセクションでは、HA for Oracle Database リソースタイプのアップグレードに関する次の情報を提供します。
HA for Oracle Database データサービスの既存のリソースタイプは次のとおりです。
SUNW.oracle_listener。Oracle Database リスナーを表します。
Oracle Database サーバーを表す SUNW.oracle_server
Oracle ASM 用の HA for Oracle Database データサービスには、既存のリソースタイプのほかに、追加のリソースタイプが 3 つ含まれています。これらのリソースタイプは次のとおりです。
SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy。Oracle Solaris Cluster 構成に含まれるシングルまたはクラスタインスタンス Oracle ASM ディスクグループを表します。このリソースタイプの詳細は、SUNW.scalable_asm_diskgroup_proxy(7) のマニュアルページを参照してください。
SUNW.scalable_asm_instance。Oracle Solaris Cluster 構成に含まれるシングルインスタンス Oracle ASM を表します。このリソースタイプの詳細は、SUNW.scalable_asm_instance(7) のマニュアルページを参照してください。
SUNW.scalable_asm_instance_proxy。Oracle Solaris Cluster 構成に含まれるクラスタ Oracle ASM インスタンスのプロキシを表します。このリソースタイプの詳細は、SUNW.scalable_asm_instance_proxy(7) のマニュアルページを参照してください。
HA for Oracle Database の旧バージョンからアップグレードする場合は、既存のリソースタイプをアップグレードします。
リソースタイプのアップグレード方法を説明する一般的な手順については、规划和管理 Oracle Solaris Cluster 4.4 数据服务 の リソースタイプのアップグレードを参照してください。
SUNW.oracle_listener リソースタイプのアップグレードを完了するために必要な情報は、次のサブセクションで提供しています。
現在登録されているリソースタイプのバージョンを判定するには、次のリストから 1 つのコマンドを使用します。
clresourcetype list
clresourcetype show
このリソースタイプ用のリソースタイプ登録 (RTR) ファイルは /SUNW.oracle_listener です。
登録されているかどうかに関係なく、最後にインストールされた /opt/cluster/lib/rgm/rtreg/SUNW.oracle_listener リソースタイプのバージョンを判定するには、次のコマンドを使用します。
# grep -i RT_VERSION /opt/cluster/lib/rgm/rtreg/SUNW.oracle_listener
最後にインストールされたリソースタイプのバージョンが登録されているバージョンより新しい場合は、すべての機能を利用するために新しいバージョンに移行してください。
SUNW.oracle_listener リソースタイプの各インスタンスを編集するために必要な情報は次のとおりです。
移行はいつでも実行できます。
障害モニターが Oracle Database リスナーの検証に使用するタイムアウト値 (秒) を指定する必要がある場合は、Probe_timeout 拡張プロパティーを設定します。詳細は、SUNW.oracle_listener 拡張プロパティーを参照してください。
次の例は、SUNW.oracle_listener リソースタイプのインスタンスを編集するためのコマンドを示しています。
使用例 7 SUNW.oracle_listener リソースタイプのインスタンスの編集# clresource set -p Type_version=N \ -p probe_timeout=60 oracle-lrs
このコマンドは、SUNW.oracle_listener リソースを次のように編集します。
SUNW.oracle_listener リソースに oracle-lrs という名前が付けられます。
このリソースの Type_version プロパティーが N に設定されます。これは、移行先のリソースタイプのバージョン番号を表します。
障害モニターが Oracle Database リスナーの検証に使用するタイムアウト値 (秒) が 60 秒に設定されます。
SUNW.oracle_server リソースタイプのアップグレードを完了するために必要な情報は、次のサブセクションで提供しています。
登録されているリソースタイプのバージョンを判定するには、次のリストから 1 つのコマンドを使用します。
clresourcetype list
clresourcetype show
このリソースタイプ用のリソースタイプ登録 (RTR) ファイルは /opt/SUNWscor/oracle_server/etc/SUNW.oracle_server です。
登録されているかどうかに関係なく、最後にインストールされた SUNW.oracle_server リソースタイプのバージョンを判定するには、次のコマンドを使用します。
# grep -i RT_VERSION /opt/cluster/lib/rgm/rtreg/SUNW.oracle_server
最後にインストールされたリソースタイプのバージョンが登録されているバージョンより新しい場合は、すべての機能を利用するために新しいバージョンに移行してください。
SUNW.oracle_server リソースタイプの各インスタンスを編集するために必要な情報は次のとおりです。
移行はいつでも実行できます。
サーバー障害モニターのアクションをカスタマイズした場合は、Custom_action_file 拡張プロパティーを設定します。詳細は、HA for Oracle Database サーバー 障害モニターのカスタマイズを参照してください。
次の例は、SUNW.oracle_server リソースタイプのインスタンスを編集するためのコマンドを示しています。
使用例 8 SUNW.oracle_server リソースタイプのインスタンスの編集# clresource set -p Type_version=N \ -p custom_action_file=/opt/SUNWscor/oracle_server/etc/srv_mon_cust_actions \ oracle-srs
このコマンドは、SUNW.oracle_server リソースを次のように編集します。
SUNW.oracle_server リソースに oracle-srs という名前が付けられます。
このリソースの Type_version プロパティーが N に設定されます。これは、移行先のリソースタイプのバージョン番号を表します。
このリソースの障害モニターのカスタムアクションが、ファイル /opt/SUNWscor/oracle_server/etc/srv_mon_cust_actions で指定されます。