Oracle ASM リソースグループを登録および構成する方法 (clsetup)
クラスタ用に Oracle ASM リソースグループを登録および構成すると、Oracle ASM リソースグループが作成されます。
この手順は、1 つのノードからのみ実行します。
注 -
現在、clsetup ユーティリティーによる継続管理ができるのは、グローバルクラスタで実行されている Oracle RAC フレームワークのみです。ゾーンクラスタで構成された Support for Oracle RAC フレームワークを継続管理するには、代わりに Oracle Solaris Cluster の保守コマンドを使用する必要があります。
始める前に
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Oracle ASM ディスクグループが構成されていることを確認します。詳細は、Oracle ASM の使用を参照してください。
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Oracle ASM を実行するために作成したプロジェクトはすべて、そのアプリケーションを実行するユーザー用の projects ネームサービスデータベース内に存在します。アプリケーション用のカスタムプロジェクトが作成されていない場合、デフォルトのプロジェクトが使用されます。詳細は、projects(1) のマニュアルページを参照してください。
次の情報を用意してください。
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Oracle Grid Infrastructure ホームディレクトリの名前。
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Oracle ASM システム識別子 (SID) のリスト。
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使用する Oracle ASM ディスクグループの名前。
注 -
Oracle RAC のサポート 構成で Solaris Volume Manager ミラー化論理ボリュームを利用する Oracle ASM を使用する必要がある場合は、次のいずれかの状況が発生する可能性があります。
このような問題を軽減するには、SUNW.ScalDeviceGroup リソースタイプの IOTimeout プロパティーの設定を大きくします。
# clresource set -p IOTimeout=timeout-value-in-seconds resource-name
IOTimeout プロパティーのデフォルトは 30 秒ですが、これよりも大きく設定できます。少なくとも 240 秒の値から始めて、各システムに最適な設定を個別に決定します。
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いずれかのクラスタノード上で root 役割になります。
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clsetup ユーティリティーを起動し、前提条件を確認して、Support for Oracle RAC 構成セクションにナビゲートします。
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Support for Oracle RAC の場所を選択します。
グローバルクラスタまたはゾーンクラスタを選択します。clsetup ユーティリティーにより、構成する Support for Oracle RAC コンポーネントのリストが表示されます。
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自動ストレージ管理 (ASM) を構成することを選択します。
clsetup ユーティリティーは、選択するクラスタノードのリストを表示します。
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clsetup ユーティリティーのプロンプトに従って、次の情報を指定します。
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Oracle ASM が実行されるクラスタノード
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Oracle RAC フレームワークリソースグループのノードリストに表示される順序でノードが一覧表示されていることを確認します。
ノードを選択するには、選択するノードに対応するオプションの番号のコンマまたはスペースで区切られたリストを入力します。
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使用する Oracle ASM インスタンスリソース
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使用できる Oracle ASM インスタンスリソースがない場合は、clsetup ユーティリティーから、リソースを作成するよう求められます。
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Oracle Grid Infrastructure ホームディレクトリ
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フルパスを指定します。
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Oracle ASM が実行されるプロジェクト
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Oracle ASM が実行されるプロジェクトを作成しなかった場合は、デフォルトのプロジェクトを選択します。
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Oracle ASM SID
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クラスタで検出された ASM システム識別子 (SID) のリストが正しくない場合は、それらの SID を変更できます。
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Oracle ASM ディスクグループリソース
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ディスクグループリソースを作成するか、既存のディスクグループリソースを使用するかを選択します。
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Oracle Grid Infrastructure ホームディレクトリのファイルシステムマウントポイントを管理する Oracle ASM ストレージリソース
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ストレージリソースが存在しない場合は、Oracle ASM の構成が完了したときに、clsetup ユーティリティーによって作成されます。
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Oracle ASM ディスクグループを管理する Oracle ASM ディスクグループリソース
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ディスクグループリソースを作成するか、既存のディスクグループリソースを使用するかを選択します。
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Oracle ASM ディスクグループ
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オブジェクト名を確認します。
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Oracle Solaris Cluster オブジェクトに別の名前が必要な場合は、変更する名前を選択し、プロンプトに従って新しい名前を入力します。
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Oracle Solaris Cluster オブジェクト名の選択を確認するには、「d」と入力します。
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構成を作成するには、「c」と入力します。
clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにこのユーティリティーがコマンドを実行していることを示す進行状況のメッセージを表示します。構成が完了した時点で、clsetup ユーティリティーは、構成を作成するためにユーティリティーが実行したコマンドを表示します。
構成プロセスが完了したら、Return キーを繰り返し押して、clsetup ユーティリティーを終了します。必要に応じて、ほかの必要なタスクを実行している間、clsetup ユーティリティーを動作させたままにし、そのあとでユーティリティーを再度使用できます。
次の表に、このタスクの完了時に clsetup ユーティリティーによって作成されるデフォルトのリソースの構成を示します。
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リソースタイプ: SUNW.scalable_rac_server_proxy
リソース名: rac_server_proxy-rs
リソースグループ: rac_server_proxy-rg
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Oracle RAC のサポート フレームワークリソースに対する強い依存関係。
クラスタ Oracle ASM ディスクグループリソースに対するオフライン再起動依存性。
Oracle Grid Infrastructure フレームワークリソースに対するオフライン再起動依存性。
Solaris Volume Manager for Sun Cluster で構成した場合、Oracle RAC のサポート インスタンスプロキシリソースグループから Oracle RAC のサポート フレームワークリソースグループへの強い肯定的なアフィニティー。
ハードウェア RAID で構成した場合、Oracle RAC のサポート インスタンスプロキシリソースグループからクラスタ Oracle ASM ディスクグループリソースグループへの強い肯定的なアフィニティー。
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Oracle RAC のサポート インスタンスプロキシリソース
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リソースタイプ: SUNW.oracle_asm_diskgroup
リソース名: asm-dg-rs
リソースグループ: asm-dg-rg
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クラスタ Oracle ASM ディスクグループリソースグループからクラスタ Oracle ASM インスタンスリソースグループへの強い肯定的なアフィニティー。
Solaris Volume Manager for Sun Cluster で構成した場合:
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クラスタ Oracle ASM インスタンスリソースに対する強い依存性。
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データベースファイル用のスケーラブルなデバイスグループリソースに対するオフライン再起動依存性。
ハードウェア RAID で構成した場合、クラスタ Oracle ASM ディスクグループリソースに対するオフライン再起動依存性。
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クラスタ Oracle ASM ディスクグループリソース
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SPARC: リソースタイプ: SUNW.scalable_oracle_asm_instance_proxy
リソース名: asm-inst-rs
リソースグループ: asm-inst-rg
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Oracle Grid Infrastructure リソースに対するオフライン再起動依存性。
ハードウェア RAID で構成した場合、クラスタ Oracle ASM インスタンスリソースグループから Oracle Clusterware フレームワークリソースグループへの強い肯定的なアフィニティー。
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クラスタ Oracle ASM インスタンスリソース
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SPARC: リソースタイプ: SUNW.sqfs
リソース名: asm-home-sqfs-rs
リソースグループ: asm-home-sqfs-rg
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スケーラブルな wait_zc_boot リソースおよびスケーラブルなデバイスグループリソースに対する強い依存性 (そのリソースがある場合)。
ボリュームマネージャーなしで StorageTek QFS を使用している場合、このリソースはほかのどのリソースにも依存しません。
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StorageTek QFS メタデータサーバー上の Oracle ASM ホームのリソース。Oracle ファイルに使用されている StorageTek QFS 共有ファイルシステムごとに 1 つのリソースが作成されます。
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リソースタイプ: SUNW.ScalMountPoint
リソース名: asm-mp-rs
リソースグループ: asm-mp-rg
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StorageTek QFS メタデータサーバーのリソース (存在する場合) に対する強い依存関係。
スケーラブルなデバイスグループリソースに対するオフライン再起動依存性 (そのリソースがある場合)。
ボリュームマネージャーなしで 認定済み NAS デバイス上のファイルシステムを使用する場合、このリソースは他のリソースに依存しません。
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スケーラブルなファイルシステムマウントポイント上の Oracle Grid Infrastructure ホームのリソース。Oracle ファイルに使用されている共有ファイルシステムごとに 1 つのリソースが作成されます。
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リソースタイプ: SUNW.ScalDeviceGroup
リソース名: scaldg-name-rs。dg-name はリソースが表すデバイスグループの名前です
リソースグループ: scaldg-rg
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デバイスグループに関連付けられたボリュームマネージャーの複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループ内のリソースに対する強い依存関係: Solaris Volume Manager リソースまたは Oracle Solaris Cluster リソースのどちらか。
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スケーラブルなデバイスグループリソース。Oracle ファイルに使用するスケーラブルなデバイスグループごとに 1 つのリソースが作成されます。
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次のステップ
クラスタでの Oracle RAC のサポート の実行の有効化に進みます。