目次 前 次 PDF


CICS Runtime構成ファイル

CICS Runtime構成ファイル
概要
CICS Runtimeの管理は、Tuxedoのネイティブ・ツールと、CICSに固有の機能に使用される、限られた数の構成表に基づいて行われます。CICS構成では、現在、リソースはCSD内で定義されていますが、以前は独立した表として定義されていました。この後者の手法が、CICS Runtimeで使用されるものです。
リソース構成表は、トランザクション、トランザクション・クラス、プログラム、ファイル、TSキュー・モデルなど、それぞれ特定のタイプのリソースを記述しています。各表には、リソースに関連する特定のパラメータが含まれます。
Tuxedoとリソース・ファイルの担当内容
トランザクションのようなCICSリソースとそのすべての特性(優先プログラム、再起動可能など)は、リソース構成ファイルに記述されます。どのマシン上にあるどのグループの何台のサーバーがこのトランザクションを提供するかなど、Tuxedo構成の要素はTuxedo構成ファイルUBBCONFIGに記述されます。
このようにして、担当内容は明確に分けられます。
リソース定義ディレクトリ
リソース構成ファイルはすべて、Well Known環境変数${KIXCONFIG}によって示される共通ディレクトリに格納されます。
CICSタイプの情報を記述する各表は、起動時にサーバーが読み取るファイルに格納されます。
構成ファイルの紹介
一般的な内容
各リソース構成表は、トランザクション、トランザクション・クラス、プログラム、ファイル、TSキューなどのリソース・タイプを、このリソースに関連するすべての固有パラメータとともに記述しています。
中央ファイルでは、リソース・グループのリストを定義します。ART CICSサーバーを構成する際、管理者はロードするリストを指定します。1つのリストに、何百あるいは何千という個別リソースを含む数十のリソース・グループが含まれる場合があります。
構造
各リソース表には、パラメータの列が3つあります。
 
この項では、これらの構成ファイルの各々を詳細に説明していきます。
グループ構成ファイルのリスト
表4-1では、アプリケーション・サーバーがロードできるリソース・グループのリストを定義します。
ファイル名はlist_of_groups.descです。
list_of_groups.desc定義の書式は次のとおりです。
List_name;group_name
List_name;group_name
… …
List_name;group_name
例:
LIST1;SIMPAPP
LIST1;SIMPAPP1
 
トランザクション構成ファイル
表4-2では、アプリケーション・ユーザーが使用できるトランザクションをその特性とともにリストします。
ファイル名はtransactions.descです。
 
システム初期化パラメータでCONFDATA=SHOWが指定されている場合、トランザクション定義のCONFDATAは無視されます。
デフォルト値はENABLEDです。
各トランザクションは、CICSランタイム・サーバー(ARTSTRN、ARTATRNなど)によってOracle Tuxedoサービスとして通知されます。各サーバーがそれぞれ独自のサービスのみを通知するように、-lオプションを使用して、トランザクションを別々のグループに分け、そのグループを別々のサーバーに割り当てることができます。
注意:
Tranclasses構成ファイル
表4-3では、並列トランザクション・アクティビティを規制するために使用できるtranclassをリストし、定義します。
ファイル名はtranclasses.descです。
 
セマンティック情報
ネイティブ・ソースのCICS定義
トランザクション・クラスに属するものとして定義されたトランザクションは、スケジューリング制約の影響を受けてからでないと、実行が可能になりません。アクティブなトランザクション・クラスに属するトランザクションがすでに実行されている場合、新しいトランザクションはすべて、キューに登録されます。実行するトランザクションの最大数を指定するには、MAXACTIVE属性を使用します。列のサイズを制限するには、PURGETHRESH属性を使用できます。
トランザクションをトランザクション・クラスに入れることによって、CICSがタスクをディスパッチする方法を制御できます。
ターゲット・プラットフォームの概念へのマッピング
Tuxedoでは、トランザクションのスケジューリングと、リソースがトランザクションのグループに対して与える影響とは、異なる方法で実行されます。指定のトランザクションを提供するサーバーの数により、トランザクションのスケジューリングや、影響を受けるリソースの、トランザクションのグループに対する相対的な量が管理されます。
MAXACTIVE 1の特殊な事例
この事例は非常に特殊で、アプリケーションの機能特性に影響を与えます。
これにより、このクラスの2つのトランザクションが同時に実行されることがなくなります。ターゲット・プラットフォーム上で維持される相互排他的な動作を定義することで、アプリケーションの正しい動作が保証されます。
単一のサーバーARTSTR1が、MAXACTIVE = 1である1つのTRANCLASSに属するトランザクションを提供します。
プログラム構成ファイル
表4-4では、トランザクションの最初のプログラムとして、またはEXEC CICS LINKおよびXCTLによって起動されるものとして参照できるプログラムをリストし、定義します。
ファイル名はprograms.descです。
 
指定されたプログラムのRESCOUNT情報を有効にするかどうかを指定します。デフォルト値はDISABLEDで、このフィールドが指定されない場合に使用されます。
これは、使用するTuxedoバッファのサブタイプと同じである必要があります。Tuxedo RECORDバッファで呼び出される場合、ARTDPLのみでサポートされます。
これは、使用するTuxedoバッファのサブタイプと同じである必要があります。Tuxedo RECORDバッファで呼び出される場合、ARTDPLのみでサポートされます。
TSキュー・モデル構成ファイル
表4-5では、CICSアプリケーションで参照できるTSキュー・モデルをリストし、定義します。
ファイル名はtsqmodel.descです
 
AUXILIARY (デフォルト): RDBMSベースの場所とファイルベースの場所の両方がサポートされます。RECOVERYYに設定されている場合、データベースベースの場所が使用されます。RECOVERYNに設定されている場合、ファイルベースの場所が使用されます。
MAIN: 主記憶域のTSQが使用されます。これにより、アクセスのパフォーマンスが向上します。主記憶域に格納されているTSQデータはリカバリ不能です。
Y: キューはRDBMSに格納され、リカバリ機能を提供します。
N (デフォルト): キューはファイルまたは主記憶域に格納され、リカバリ機能はサポートされません。
ENQモデル構成ファイル
表4-6では、CICSアプリケーションで参照できるENQモデルをリストし、定義します。
ファイル名はenqmodel.descです。
 
TDキュー・エクストラ・パーティション構成ファイル
表4-7では、CICSアプリケーションで使用できるエクストラ・パーティションTDキューをリストし、定義します。
ファイル名はtdqextra.descです。
 
D = DEFERRED: CEMT INQUIRE|SET TDQUEUEコマンドを使用して開くように指示するまで、データ・セットは閉じたままです。
I = INITIAL: データ・セットはインストール時に開きます。ただし、DSNAME属性が指定されていず、起動JCLのDD文でデータ・セット名が指定されていない場合、一時データ・キューはCICS起動時にJESに割り当てられます。
F= FIXED: 固定レコード。RECORDFORMAT FIXEDを指定する場合、ブロック書式も指定する必要があります。
V= VARIABLE: 可変レコード。RECORDFORMAT VARIABLEを指定する場合、ブロック書式も指定する必要があります。
値Iを設定すると、関数td_extra_actions_int (インテグレータが提供する必要があります)の呼出しがトリガーされます。
TDキュー・イントラ・パーティション構成ファイル
表4-8では、CICSアプリケーションで使用できるイントラ・パーティションTDキューをリストし、定義します。
ファイル名はtdqintra.descです。
 
値Iを設定すると、関数td_intra_actions_int (インテグレータが提供する必要があります)の呼出しがトリガーされます。
Tに設定されている場合、TERMINALを示します。
ATIFACILITYTに設定されている場合、ターミナル名。
マップセット構成ファイル
表4-9では、CICSアプリケーションで参照できるマップセットをリストし、定義します。詳細は、「システム・コマンドとトランザクション」の「tcxmapgen(1)」を参照してください。
ファイル名はmapsets.descです。
MAPSET定義の書式は次のとおりです。
[mapset]
<field_name_1>=<field_value_1>
<field_name_2>=<field_value_2>
… …
<field_name_n>=<field_value_n>
例:
[mapset]
name=ABANNER
filename=abanner.mpdef
 
絶対パスを指定しなかった場合、KIX_MAP_PATH環境変数で定義されたディレクトリでこれが検索されます。
このフィールドを指定しない場合、デフォルトのマップセット・バイナリ・ファイル名<MAPSET_name>.mpdefが使用されます(<MAPSET_name>は、CICS MAP関連のAPIで指定されたMAPSET名のパラメータです)。
ENABLEDに設定されている場合、リソースは使用可能です。
DISABLEDに設定されている場合、リソースをシステムで使用することはできません。
この属性では、MAPSETがロードされると使用されるキャッシング・スキームを指定します。NORMALでは、キャッシュにMAPSETがロードされたままの状態になります。キャッシュがオーバーフローし、それがキャッシュ内で最も古くて使用頻度の少ないMAPSETである場合、アンロードします。TRANSIENTでは、MAPSETが使用中でない場合はそれをアンロードします。
 
システム構成ファイル
表4-10では、CICSアプリケーションで使用できるsystemをリストし、定義します。
ファイル名はsystem.descです。
system.desc定義の書式は次のとおりです。
[SYSIDNT]
<field_name_1>=<field_value_1>
<field_name_2>=<field_value_2>
… …
例:
[KIXA]
APPLID = DBDCKIXA
INITPARM =(DBCONNA=’instance1,database1,artuser1,abc123’)
[KIXB]
APPLID = DBDCKIXB
INITPARM =(DBCONNA=’instance2,database2,artuser2,123abc’)
注意:
\を使用すると、別の行にパラメータを続けて記述できます。Oracle Tuxedo Application Runtime for CICSでは、現在の行の「\」より後ろの空白を省略して、オペランドを連結できます。この場合、現在の行の「\」の後ろには空白のみ記述できます。それ以外の場合は、「\」はバックスラッシュとして扱われます。
定義済のシステム初期化パラメータのロード/検出
定義済のシステム初期化パラメータをロードしたり、検出するには、CLOPT -sを指定する必要があります。
例:
ARTSTRN
CLOPT=”-- -s KIXA”
この例では、ARTSTRNKIXAという名前のシステム・セクションのみをロードします(KIXBはロードされません)。
現在のCICSリージョンのAPPLIDの定義
現在のCICSリージョンのAPPLIDを定義するには、CLOPT -aを指定するか(リスト4-1)、APPLIDパラメータをsystem.descで指定します(リスト4-2)。
リスト4-1 CLOPT -aを指定する例
*SERVERS
CLOPT=”-- -a abcdefgh“
 
リスト4-2 APPLIDを指定する例
[KIXR]
APPLID=1234567a
 
Oracle Tuxedo Application Runtime for CICSでは、まずCLOPT -aが指定されているかどうかがチェックされます。指定されている場合、値はJOBNAMEとして使用されます。指定されていない場合、system.descファイルに設定されているAPPLIDの値はJOBNAMEとして使用されます。-aまたはAPPLIDのどちらもsystem.descに設定されていない場合は、デフォルト値DBDCCICSが使用されます。
どちらにしても、値が8文字を超える場合、最初の8文字のみが含まれるように切り捨てられます。値が8文字未満の場合は、ちょうど8文字になるように後でAPPLIDに空白が追加されます。
GMTEXTの指定
GMTEXTを指定するには、次の例を参照してください。
リスト4-3 GMTEXTを指定する例
[KIXR]
APPLID=DBDCKIXR
GMTEXT='An Information Development CICS Terminal'
 
GMTEXTには、次の2つの形式があります。
メッセージ全体を一重引用符で囲む必要があります。テキスト内でアポストロフィを句読点として使用できます。そのためには、アポストロフィを2つ続けてコーディングして1つのアポストロフィを表す必要があります。
例:
GMTEXT='User''s logon message text.'
アポストロフィはエスケープ文字として機能しません。(この方法により、メッセージの編集が簡単になっています。)
例:
GMTEXT=User's logon message text.
 
注意:
複数のセクションが同じSYSIDNTを共有する場合、このCICSリージョンの最終的な構成には、それらのセクションに定義されているすべてのパラメータが含まれます。これらのセクションに同じパラメータが複数定義されている場合は、最後のパラメータのみが有効です。
ASSIGN INITPARMを呼び出す各CICSアプリケーション・プログラムのシステム初期化表(SIT)の初期化パラメータを指定します。
INITPARMの書式は、INITPARM=(pgmname_1='parmstring_1'[,...,pgmname_n='parmstring_n'])です。現在program='parmstring'のセットを255までサポートします。
programの値は1 - 8文字の英数字で構成される必要があり、長さ制限を超える場合は切り捨てられます。
parmstringの値は最大60文字で、長さ制限を超える場合は切り捨てられます。パラメータの文字列は一重引用符で囲みます。文字列内に含まれる引用符はすべて重複している必要があります。
注意:
各セクションにINITPARMパラメータが複数指定されている場合は、最後の定義のみが有効になります。
GMTEXTは、システム初期化パラメータです。GMTEXTでは、デフォルト・ログオン・メッセージ・テキスト(Oracle Tuxedo Application Runtime for CICS)または独自のメッセージ・テキストのいずれをログオン画面に表示するかを指定します。メッセージ・テキストは、ターミナルでART for CICSにログオンするとCSGMトランザクションによって表示されます。
GMTEXTは最大246文字で、それより長い場合は切り捨てられます。(例については、「GMTEXTの指定」を参照してください。)
GMTEXTを有効にするには、ARTCNXサーバーの[SYSIDNT]でCLOPT -sオプションを構成する必要があります。詳細は、「ARTCNX構成」を参照してください。
注意:
GMTRANを有効にするには、typeterms.descLOGONMSG=YESを指定することも必要です。ただし、LOGONMSGNOに指定した場合は、画面がクリアされます。
使用されている画面サイズが代替の画面サイズと同じ場合、BMSはALTSUFFIXで指定される接尾辞をマップセット名に追加します。つまり、トランザクションがTYPETERM定義で指定されるSCRNSIZE(ALTERNATE)を持つ場合、またはデフォルト画面と代替画面のサイズが同じ場合、BMSのマップ選択ルーチンは、ALTSUFFIXで指定される接尾辞を使用して、マップセットのロードを試みます。
オプション。SRM_IPCKEYでは、共有メモリー・セグメントのIPCKEY (識別子)を指定します。
SRM_IPCKEYは、ARTSRMサーバーが共有メモリーを使用してランタイム情報を格納する場合にのみ使用します(ARTSRMがデータベースを使用する場合、SRM_IPCKEYは無視されます)。共有メモリーを使用するときにSRM_IPCKEYを指定しない場合、ARTSRMはそのTuxedoグループ番号を使用してIPCKEYを生成します。
1つのCICSリージョン内では、そのリージョンのすべてのARTSRMについてSRM_IPCKEYが同じである必要があり、それらのARTSRMサーバーはすべて同じマシンで実行されている必要があります。
ARTSRMのストレージ・メディアを指定します。
Memory (デフォルト): 共有メモリーを使用してデータを格納します
DB: データベースを使用してデータを格納します
PGAIPGMシステム初期化パラメータでは、初期化時のプログラム自動インストール機能の状態を指定します。
INACTIVE: プログラム自動インストール機能は無効です。
ACTIVE (デフォルト): プログラム自動インストール機能は有効です。
CICSのINQUIRE SYSTEM RELEASEコマンドで返されるCICSシステム・コードを指定します。
CICSシステム・コードは、環境変数KIX_CICS_RELEASEを介して、またはシステム構成ファイルのCICS_RELEASEを介して指定できます。
KIX_CICS_RELEASEsystems.descCICS_RELEASEが両方とも構成されている場合は、systems.desc内の値が返されます。
KIX_CICS_RELEASEsystems.descCICS_RELEASEが両方とも構成されていない場合は、値0660 (CICS 4.1に対応)が返されます。
注意:
ターミナル構成ファイル
表4-11では、CICSアプリケーションで使用できるterminalをリストし、定義します。
ファイル名はterminals.descです。
terminal定義の書式は次のとおりです。
[terminal]
<field_name_1>=<field_value_1>
<field_name_2>=<field_value_2>
… …
例:
[terminal]
name=0001
netname=CICS0001
katakana=YES
[terminal]
name=0002
netname=CICS0002
katakana=YES
ART CICSは、Tuxedo /Qを使用してすべてのターミナル・ランタイム・ステータスを格納します。Tuxedo /Qの構成および使用の詳細は、「非同期CICS遅延トランザクションの実装」を参照してください。
 
ターミナルの1文字のALTSUFFIX名を指定します。英数字または空白(接尾辞なし)のみ指定できます。値は大文字と小文字が区別されず、自動的に大文字に変換されます。
KATAKANAのサポートが必要かどうかを指定します。
NO: デフォルト値。KATAKANA機能は無効です。
YES: KATAKANA機能は有効です。
その他の値: 無効な値。システムは自動的にtypeterms.desc内でKATAKANAを検索します。
注意:
同じTERMIDのエントリが複数存在する場合、最後のエントリが有効です。
注意:
NETNAMEの値は一意である必要があります。そうでない場合、ARTCNXサーバーは起動に失敗し、ULOGおよびstdoutにエラー出力をレポートします。
YES: トランザクションが開始され、メッセージが自動的にターミナルに送信されます。
NO: ターミナルはメッセージを受信することも、入力を送信することもできません。
デフォルト値はYESです。このフィールドが前述のどちらの値にも定義されていない場合は、YESとして処理されます。
YES: CICS内から自動的に開始されたトランザクションでターミナルを使用できます。
NO: CICS内から自動的に開始されたトランザクションでターミナルを使用できません。
このフィールドが前述のどちらの値にも定義されていない場合は、UNKNOWNとして処理されます。ただし、typeterms.desc内の同じフィールドもUNKNOWNに定義されている場合、このフィールドの値は最終的にYESです。
YES:
トランザクションをユーザーがターミナルで開始できます。ATI(YES)も指定すると、トランザクションを自動的に開始することもできます。この場合、一時データ制御と間隔制御のどちらによる場合でも、自動トランザクション開始は、ターミナル制御表の適切なターミナル・エントリに条件を設定します。ATITTIの両方がYESとして指定され、ターミナルにトランザクションがない場合、ターミナル制御はユーザー定義タスクを開始します。このタスクは、ターミナルにメッセージを送信することが想定されます。
問合せやオーダー・エントリなどのトランザクション処理で使用されるターミナルの場合は、TTI(YES)およびATI(NO)を指定します。これは、ターミナル・リクエストなしではメッセージが送信されなかったり、それを経由してトランザクションが入力される、ディスプレイ・ステーションやハードコピー・ターミナルにも適用されます。3790問合せ論理ユニットに指定できるのはこれのみです。
NO:
トランザクションをユーザーがターミナルで開始できません。NOを指定した場合、ATI(YES)を指定すると、トランザクションを自動的に開始できます。このようなターミナルの例には、ウェアハウスなど、遠隔地にあり、無人だがメッセージを受信できるターミナルがあります。
このフィールドが前述のどちらの値にも定義されていない場合は、UNKNOWNとして処理されます。ただし、typeterms.desc内の同じフィールドもUNKNOWNに定義されている場合、このフィールドの値は最終的にYESです。
注意:
ART CICSでは「.」が予約されています。terminals.descを定義する際、ユーザーはNAMEでもNETNAMEでもこれを使用できません。
Typeterm構成ファイル
表4-12では、ARTTCPでサポートされるTypetermをリストし、定義します。
ファイル名はtypeterms.descです。
typeterm定義の書式は次のとおりです。
[typeterm]
<field_name_1>=<field_value_1>
<field_name_2>=<field_value_2>
… …
<field_name_n>=<field_value_n>
例:
[typeterm]
name=IBM-3278-2
userarealen=255
katakana=YES
 
ターミナルの画面サイズの合計列数を指定します。SCRNSIZE=alternateの場合、このパラメータは必須です。
ターミナルの画面サイズの合計行数を指定します。SCRNSIZE=alternateの場合、このパラメータは必須です。
typetermの1文字のALTSUFFIX名を指定します。英数字または空白(接尾辞なし)のみ指定できます。値は大文字と小文字が区別されず、自動的に大文字に変換されます。
デフォルト値はDEFAULTで、代替の画面サイズでマップ/テキストを送信/受信しません。
ターミナル上でGood Morning (CSGM)トランザクションが自動的に起動されるかどうかを示します。
Oracle Tuxedo ARTには、デフォルトのCSGMトランザクションが用意されています。デフォルトのGood Morning (CSGM)トランザクションの構成に関する項を参照してください。
ENABLEDに設定されている場合、リソースは使用可能です。
DISABLEDに設定されている場合、リソースをシステムで使用することはできません
YES: アルファベットの小文字を大文字に変換します。
NO: アルファベットの小文字を大文字に変換しません
TRAN: トランザクションIDのみを小文字から大文字に変換します。
KATAKANAのサポートが必要かどうかを指定します。デフォルト値はNOです。KATAKANA機能は、KATAKANAYESに指定されている場合のみ有効です。
注意:
KATAKANAは、terminals.descまたはtypeterms.descで設定できます。ただし、terminals.descKATAKANAYESまたはNOに指定されていない場合、typeterms.descKATAKANAが有効になります。
YES: トランザクションを自動トランザクション開始によりターミナルで開始できます。
NO: トランザクションを自動トランザクション開始によりターミナルで開始できません。
ATI(YES)を指定すると、一時データ制御によって、または別のトランザクションが発行したEXEC CICS STARTコマンドによって、トランザクションをターミナルで開始できます。ターミナルにすでにトランザクションがある場合は、それが終了するまで、ATIトランザクションは保留されます。ATI(YES)を指定する場合は、1バイト以上のIOAREALENを指定する必要があります。ただし、ATIおよびIOAREALENが、YESおよび0という強制的なデフォルト値を持つDEVICE(APPC)の場合は除きます。
ATIYESとして指定され、CREATESESSYESとして指定されている場合、ターミナルがACQUIREDでないときにトランザクションが開始されると、それが自動的に取得されます。
YES:
トランザクションをユーザーがターミナルで開始できます。ATI(YES)も指定すると、トランザクションを自動的に開始することもできます。この場合、一時データ制御と間隔制御のどちらによる場合でも、自動トランザクション開始は、ターミナル制御表の適切なターミナル・エントリに条件を設定します。ATITTIの両方がYESとして指定され、ターミナルにトランザクションがない場合、ターミナル制御はユーザー定義タスクを開始します。このタスクは、ターミナルにメッセージを送信することが想定されます。
問合せやオーダー・エントリなどのトランザクション処理で使用されるターミナルの場合は、TTI(YES)およびATI(NO)を指定します。これは、ターミナル・リクエストなしではメッセージが送信されなかったり、それを経由してトランザクションが入力される、ディスプレイ・ステーションやハードコピー・ターミナルにも適用されます。3790問合せ論理ユニットに指定できるのはこれのみです。
NO:
トランザクションをユーザーがターミナルで開始できません。NOを指定した場合、ATI(YES)を指定すると、トランザクションを自動的に開始できます。このようなターミナルの例には、ウェアハウスなど、遠隔地にあり、無人だがメッセージを受信できるターミナルがあります。
接続構成ファイル
表4-13では、ART CICSアプリケーション・サーバーでロードできるconnectionをリストし、定義します。接続構成ファイルは、ARTCTRNの設定では必須ですが、他のサーバーの設定ではオプションです。
ファイル名はconnections.descです。
connection定義の書式は次のとおりです。
[CONNID]
<field_name_1>=<field_value_1>
<field_name_2>=<field_value_2>
...
<field_name_n>=<field_value_n>
 
0~9990~999
モードセット内の最大セッション数を指定します。書式はMAXIMUM=value_1,value_2で、Value_1value_2以上である必要があります。
Webサービス構成ファイル
表4-14では、CICSアプリケーションで使用できるweb serviceを定義します。
ファイル名はwebservice.descです。
 
プログラム・リスト構成ファイル
表4-15では、CICSアプリケーション・サーバーARTDPLの起動または停止に使用可能なプログラムのリストをリストし、定義します。
ファイル名はprogram_list_table.descです。
program_list_table.desc定義の書式は次のとおりです。
[plt]
<field_name_1>=<field_value_1>
<field_name_2>=<field_value_2>
...
<field_name_n>=<field_value_n>
例:
[plt]
SUFFIX=p1
PROGRAM= RSSBT001, RSSBT002
注意:
\を使用すると、別の行にパラメータを続けて記述できます。Oracle Tuxedo Application Runtime for CICSでは、現在の行の\より後ろの空白を省略して、オペランドを連結できます。この場合、現在の行の\の後ろには空白のみを記述できます。それ以外の場合、\はバックスラッシュとして扱われます
定義済のプログラム・リストをロードしたり、検出するには、次の2つの方法があります。1つは、-bまたは-dオプションをARTDPL CLOPTに追加する方法で、もう1つは、SUFFIXをsystem.descのPLTPI/PLTSDパラメータに定義する方法です。
例:
ARTDPL CLOPT="-s KIXA -l SIMPAPP -b p1"
この例では、ARTDPLは、初期化時にRSSBT001RSSBT002という名前のプログラムをロードし、実行します。
 
プログラム・リストを指定します。書式はPROGRAM=program [,...,programn]です。
PROGRAMのプログラムがprograms.descに定義されていない、または無効になっている場合は、アプリケーション・サーバーが起動または停止する際に、このプログラムは無視されます。
Program_list_table.descに同じSUFFIXを持つ項目が複数定義されている場合は、最初の項目のみが有効になります。
POOL定義ファイル
表4-16では、CICSアプリケーションで使用できるpoolを定義します。
ファイル名はpool.descです。
pool.desc定義の書式は次のとおりです。
[POOL]
<field_name_1>=<field_value_1>
<field_name_2>=<field_value_2>
例:
[POOL]
NAME=TSPOOL1
 
1-100
TCP/IPソケット・リスナー構成ファイル
この構成ファイルでは、TCP/IPソケット・リスナー情報を定義します。表4‑17では、そのパラメータをリストします。
ファイル名はlistener.descです。動的構成はサポートされていません。書式は次のとおりです。
[ListenerGroupID]
<field_name_1>=<field_value_1>
<field_name_2>=<field_value_2>
 
リスナー・アドレス・ファミリ。INET (デフォルト)またはINET6を使用します。
このパラメータはエンハンス・バージョンのリスナーに固有で、CSSTTYPICの場合にのみ適用可能です。EXEC CICS STARTコマンドで使用される遅延間隔をhhmmss(時間/分/秒)の書式で指定します。
KC値(デフォルト)のみをサポートし、EXEC CICS STARTを使用して遅延間隔なしでユーザー・トランザクションが開始されることを示します。
このパラメータはエンハンス・バージョンのリスナーに固有で、ARTATRN/ARTATR1でリスナーが開始するデフォルト・トランザクションを指定します。
デフォルト値のSTANDARDは、これが、クライアントが標準ヘッダーを送信する必要がある元のART for CICSリスナーであることを示します。値ENHANCEDは、これがクライアントからの標準ヘッダーを必要としないエンハンスされたART for CICSリスナーであることを示します。
このリスナーがTAKESOCKETへのレスポンスを待機する時間(秒単位)。この時間が過ぎると、リスナーはサーバー・トランザクションが開始しなかったか、TAKESOCKETが失敗したと見なします。この時点で、リスナーはサーバーが起動に失敗し、ソケット(接続)を閉じることを示すメッセージをクライアントに送信します。デフォルト値は60です。
このパラメータはエンハンス・バージョンのリスナーに固有で、クライアントから受信するデータの長さを指定します。有効な範囲は0から999バイトです。値が0の場合、リスナーはクライアントからデータを読み込みません。
NOは、リスナーがクライアント・データの標準読取りを実行することを示します。ユーザー・トランザクションでは、トランザクション入力メッセージ(TIM)のデータ領域2部分のこのデータにアクセスします。値YESは、リスナーがプレビュー・オプションを使用してデータを読み取ることを示します。データはTCP/IPのキューに残り、TIMを介したアクセスではなく、ユーザー・トランザクションで実際に読み取ります。
このリスナーがRECVリクエストへのレスポンスを待機する時間(秒単位)。この時間が過ぎると、リスナーはクライアントが失敗し、ソケットを閉じて接続を終了すると見なします。このパラメータが指定されない場合、読取りタイムアウトのチェックは実行されません。
作成されるソケットのタイプ。TCPのみをサポートします。
URIMAP構成ファイル
HTTPのURIに一致し、リクエストの処理方法に関する情報を提供するリソース定義。
ファイル名はurimaps.descです。
 
このパラメータは、URIMAPのステータスを示します。デフォルト値はENABLEDです。
このパラメータでは、URIMAP定義が適用されるURIのパス・コンポーネントを指定します。PATHは、パス・コンポーネントの先頭のスラッシュ(/)を含めて最大255文字です。
このパラメータでは、URIMAP定義が適用されるURIのスキーム・コンポーネントを指定します。デフォルト値はHTTPです。
このパラメータでは、このURIMAP定義の対象が、HTTPサーバーとしてのCICS (SERVER)、HTTPクライアントとしてのCICS (CLIENT)、Webサービス(PIPELINE)、Atomフィード(ATOM)のいずれであるかを指定します。デフォルト値はSERVERです。
ART for CICSでは、CLIENTのみがサポートされています。
 
このパラメータでは、URIMAP定義が適用されるURIのホスト名か、そのIPv4またはIPv6アドレスを指定します。

Copyright ©1994, 2017,Oracle and/or its affiliates. All rights reserved