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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド
12c (12.2.1.1.0)
E77227-02
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マルチディメンション・データ・ソースからのメタデータのインポート

マルチディメンション・データ・ソースからOracle BIリポジトリの物理レイヤーにメタデータをインポートできます。

マルチディメンション・データ・ソースを使用できることで、Oracle BIサーバーは、Essbase、Oracle OLAP、Hyperion Financial Management、Hyperion Planning、Microsoft Analysis Services、SAP/BW (SAP/ビジネスウェアハウス)などのソースのデータに接続して抽出できます。

マルチディメンション・データ・ソースとリレーショナル・データ・ソースの設定の主な違いは、物理レイヤーにあります。ビジネス・モデルとプレゼンテーション・レイヤーにおけるマルチディメンション・データ・ソースとリレーショナル・データ・ソースの設定は、ほとんど同じです。

インポート・プロセスでは、マルチディメンション・データ・ソースの各キューブが1つの物理キューブ表として作成されます。Oracle BIサーバーでは、メトリック、ディメンション、階層などのキューブ・メタデータがインポートされます。キューブをインポートしたら、物理キューブ列に正しい集計ルールがあり、階層タイプが正しいことを確認する必要があります。詳細は、物理階層オブジェクトでの作業を参照してください。

注意:

マルチディメンション・データ・ソースから物理スキーマを手動で作成すると、多大な労力を要するうえ、エラーが発生しやすくなります。そのため、インポート手法を使用することを強くお薦めします。

ビジネス・モデルで使用しない階層や列は、物理レイヤーから削除することをお薦めします。これによって、管理ツールで不要なオブジェクトを保守する必要がなくなり、パフォーマンスが向上する可能性があります。

メタデータを物理レイヤーの既存のデータベースにインポートする場合、COUNT_STAR_SUPPORTEDオプションが「データベース・プロパティ」ダイアログの「機能」タブで選択されていることを確認します。COUNT_STAR_SUPPORTEDオプションを選択しないでメタデータをインポートする場合、「行数の更新」オプションはデータベースの物理表の右クリック・メニューに表示されません。

マルチディメンション・データ・ソースからメタデータをインポートするには:

  1. 管理ツールで、ファイルを選択してから、メタデータのインポートを選択します。

    注意:

    既存のデータベースおよび接続プールをすでに定義している場合は、物理レイヤーの接続プールを右クリックし、「メタデータのインポート」を選択します。メタデータのインポート・ウィザードが開き、情報があらかじめ入力された「データ・ソースの選択」画面が表示されます。この方法を使用して、増分インポートを実行することもできます。

  2. 「データ・ソースの選択」画面の「接続タイプ」フィールドで、データ・ソースに適した接続のタイプを選択します。

    「データ・ソースの選択」画面の残りのフィールドやオプションは、選択した接続タイプによって異なります。表は、マルチディメンション接続タイプを示しています。

    接続タイプ 説明

    ODBC 3.5

    ODBC 3.5接続タイプは、Oracle RPASデータ・ソースに使用します。DSNエントリを選択し、選択したデータ・ソースのユーザー名とパスワードを入力します。詳細は、ODBCデータ・ソース名(DSN)の設定を参照してください。

    Essbase 9+

    このオプションは、Essbase 9またはEssbase 11で使用します。「Essbase Server」フィールドに、Essbaseサーバーを実行しているコンピュータのホスト名を入力し、データ・ソースの有効なユーザー名とパスワードを入力します。この情報は、データ・ソース管理者から入手してください。

    Essbase Serverがデフォルト以外のポートで実行していたり、Essbase Clusterの一部である場合には、ポート番号をhostname:portのフォーマットで「Essbase Server」フィールドに含める必要があります。

    次の点に注意してください。

    • Essbase Clusterからメタデータをインポートできますが、「Essbase Server」フィールドに個別のEssbase Serverのホスト名とポート番号を指定する必要があります。

    • Essbaseデータ・ソースのデータを物理レイヤーでモデリングする方法は、Essbaseデータ・ソースでの作業を参照してください。

    XMLA

    XMLA接続タイプは、Microsoft Analysis ServicesおよびSAP/BWに使用します。スキーマのインポート元のデータ・ソースのURLを入力します。次に、プロバイダ・タイプ(Analysis Services 2000やSAP/BW 3.5/7.0など)と、データ・ソースの有効なユーザー名およびパスワードを入力します。

    ターゲット・データベース」については、次のいずれかを実行します。

    • 新規」を選択し、新しいデータベース・オブジェクトに使用する名前を入力します。

    • 既存」を選択し、「参照」をクリックして、既存のデータベース・オブジェクトを選択します。

    Oracle OLAP

    データ・ソース名」フィールドにデータ・ソースの名前(ネット・サービス名)を入力し、データ・ソースの有効なユーザー名とパスワードを入力します。データ・ソース名は、tnsnames.oraファイルに作成したエントリと同じです。必ず、Oracle Business Intelligence環境のtnsnames.oraファイル内の名前を使用してください。ネット・サービス名のかわりに、接続文字列全体を入力することもできます。

    URLの場合は、biadminservletのURLを指定します。このサーブレットは、Oracle OLAPメタデータ・インポートに使用されます。サーブレットの名前はservicesです。たとえば、URLフィールドに次のような文字列を入力します。

    http://localhost:9704/biadminservlet/services

    biadminservletは、使用前に開始しておく必要があります。インポート・エラーを受信した場合、管理コンソールでサーブレットのステータスをチェックします。管理サーバーの診断ログおよびドメイン・ログを参照することもできます。

    Oracle OLAPデータ・ソースのデータを物理レイヤーでモデリングする方法は、Oracle OLAPデータ・ソースでの作業を参照してください。

    注意:

    OLAPオプションを使用するOracle Databaseデータ・ソースには、リレーショナル表とマルチディメンション表の両方を含めることができます。ただし、管理ツールで同じデータベース・オブジェクトに両方の表タイプを持つことは避けてください。表タイプ別に異なるデータベース機能セットを指定することが必要な場合があるためです。

    たとえば、データベース機能GROUP_BY_GROUPING_SETS_SUPPORTEDが有効な場合、Oracle OLAP問合せは失敗します。ただし、Oracle Databaseのリレーショナル表については、この機能を有効にする必要がある場合があります。

    リレーショナル表とマルチディメンション表について、2つの異なるデータベース・オブジェクトを作成することをお薦めします。

    Hyperion ADM

    Hyperion Financial ManagementまたはHyperion PlanningサーバーのURLを指定します。

    ADMネイティブ・ドライバを使用するHyperion Financial Management 11.1.2.1および11.1.2.2では、次の形式を使用してドライバおよびアプリケーション名(キューブ名)を含めます。

    adm:native:HsvADMDriver:ip_or_host:application_name

    次に例を示します。

    adm:native:HsvADMDriver:192.0.2.254:UCFHFM

    ADMシン・クライアント・ドライバを使用するHyperion Financial Management 11.1.2.3および11.1.2.4では、次の形式を使用してドライバおよびアプリケーション名(キューブ名)を含めます。

    adm:thin:com.hyperion.ap.hsp.HspAdmDriver:[ip_or_host]:[port]:[application_name
    

    次に例を示します。

    adm:thin:com.hyperion.ap.hsp.HspAdmDriver:192.0.2.254:8300:UCFHP
    

    Hyperion Planning 11.1.2.4以上の場合、インストーラはすべての必要なクライアント・ドライバ.jarファイルを配信しません。すべての必要な.jarファイルがあることを確認するには、Hyperionのインスタンスに移動し、adm.jar、ap.jarおよびHspAdm.jarファイルを検索してコピーし、MIDDLEWARE_HOME\oracle_common\modulesに貼り付けます。

    ADMシン・クライアント・ドライバを使用するHyperion Planning 11.1.2.4以上では、次の形式を使用してドライバおよびアプリケーション名(キューブ名)を含めます。

    adm:thin:com.oracle.hfm.HsvADMDriver:[server]:[application_name]

    また、使用するデータ・ソースについて、プロバイダ・タイプを選択して、有効なユーザー名およびパスワードを入力する必要があります。

    メタデータをインポートする前に、オンラインとオフラインの両方のJavaHostプロセスを開始します。

    詳細は、Hyperion Financial Managementデータ・ソースおよびHyperion Planningデータ・ソースでの作業を参照してください。

    注意:

    インポート前に、「Hyperion Financial Managementデータ・ソースの設定について」に記載されている事前構成手順を確認して完了してください。

    SAP BWネイティブ

    次の情報を指定します。

    • システムIPまたはホスト名: SAPデータ・サーバーのホスト名またはIPアドレス。このフィールドは、SAP/BW接続文字列のパラメータashostに対応します。

    • システム番号: SAPシステム番号。これは、Web Application Server (WAS)とも呼ばれるSAPインスタンスに割り当てられた2桁の番号です。このフィールドは、SAP/BW接続文字列のパラメータsysnrに対応します。

    • クライアント番号: SAPクライアント番号。これは、SAPでクライアントと呼ばれる自己完結型の単位に割り当てられた3桁の番号です。クライアントは、トレーニング、開発、テスト、本番クライアントなどです。また、大企業の個々の部門を表す場合もあります。このフィールドは、SAP/BW接続文字列のパラメータclientに対応します。

    • 言語: データ・ソースへのログイン時に使用されるSAP言語コード(例: 英語の場合はEN、ドイツ語の場合はDE)。このフィールドは、SAP/BW接続文字列のパラメータlangに対応します。

    • 追加パラメータ: パラメータ=値という形式の追加接続文字列パラメータ。複数のパラメータを指定する場合はコロンで区切ります。このフィールドはオプションです。

    • ユーザー名: データ・ソースの有効なユーザー名。

    • パスワード: 対応するユーザー・パスワード。パスワードは大文字と小文字が区別されます。

    最初の5つのフィールドは、SAP/BW接続文字列の要素を構成します。形式は次のとおりです。

    ashost=value:sysnr=value:client=value:lang=value:additional_param=value

    次に例を示します。

    ashost=10.30.0.19:sysnr=00:client=100:lang=EN

    注意: インポート前に、SAP/BWデータ・ソースの設定に記載されている事前構成手順を必ず実行してください。

    他のデータ・ソース・タイプについては、別の項で説明します。

    「データ・ソースの選択」画面で情報を入力し終わったら、「次へ」をクリックします。

  3. Oracle RPASデータ・ソースの場合のみ、「メタデータ型の選択」画面が表示されます。Oracle RPASについては、「」、「キー」および「外部キー」を選択してください。次に、「次」をクリックします。

    詳細は、Oracle RPASデータ・ソースからのメタデータのインポートについてを参照してください。

  4. 「メタデータ・オブジェクトの選択」画面で、インポートするオブジェクトを「使用可能」リストから選択し、> (選択項目をインポート)ボタンまたは>> (すべてインポート)ボタンを使用して「選択済」リストに移動します。「<」(選択対象を削除)ボタンおよび「<<」(すべて削除)ボタンを使用して、「選択済」リストから「使用可能」リストにオブジェクトを戻すこともできます。

    特定の項目を検索するには、「検索」ボックスにキーワードを入力し、「下方検索」または「上方検索」をクリックします。

    すでにインポートされているオブジェクトを含め、すべてのオブジェクトを表示するには、「完全な構造の表示」を選択します。このオプションの選択を解除すると、インポート可能なオブジェクトのみが表示されます。このオプションを選択した場合、すでにインポートされているオブジェクトはグレー表示されます。

    Essbaseデータ・ソースの場合、UDA(ユーザー定義属性)をインポートするには、「UDAのインポート」を選択します。

  5. 「終了」をクリックします。

    インポートできなかったオブジェクトがある場合、警告メッセージのリストが表示されます。メッセージが表示されたダイアログで、次の処理を実行できます。

    • 特定の用語を検索するには、「検索」、「再検索」の順にクリックします。

    • 別のファイルにメッセージを貼り付けることができるようにウィンドウの内容をコピーするには、「コピー」をクリックします。

メタデータをインポートしたら、データベースと接続プールの設定が正しいことを確認してください。インポート時にOracle BIサーバーが正確なデータベース・タイプを特定できず、類似するタイプをデータベース・オブジェクトに割り当てることがまれにあります。このようなオブジェクトの処理の詳細は、データベース・オブジェクトの設定および接続プールの作成または変更を参照してください。

また、物理列や階層レベルなど、インポートしたデータを物理レイヤーで視覚的に調べて、インポートが正常に完了していることを確認することをお薦めします。

Essbaseデータ・ソースの場合、デフォルトですべての階層が「非バランス型」としてインポートされます。物理階層ごとに「階層タイプ」プロパティを確認し、必要に応じて値を変更してください。Essbaseでサポートされている階層タイプは、「非バランス型」、「完全なバランス型」および「」です。

Oracle RPASデータ・ソースからのメタデータのインポートについて

Oracle BI管理を使用したOracle RPASからのメタデータのインポートについて学習します。

管理ツールを使用して、Oracle RPASからメタデータをインポートする場合:

  • Oracle RPASスキーマはWindowsでのみインポートできます。

  • RPASスキーマをインポートする前に、ODBC DSNセットアップ・ページのディメンション表の正規化フィールドの値をはいに設定する必要があります。理由は次のとおりです。

    • この値をはいに設定すると、適切なスキーマ・モデル(スノーフレーク・スキーマ)が使用されて、結合が正しく作成され、データのドリルダウンが可能になります。

    • この値をいいえに設定すると、あまり適切でないスキーマ・モデル(スター・スキーマ)が使用されて、すべての表間に結合が作成され、ドリルダウンが正しく機能しなくなります。このように作成された結合の多くは不要で、手動で削除する必要があります。

    詳細は、ODBCデータ・ソース名(DSN)の設定を参照してください。

  • 管理ツールにRPASスキーマをインポートする場合は、データとともに結合をインポートする必要があります。そのためには、メタデータのインポート・ウィザードでメタデータ型として「キー」および「外部キー」を選択します。

  • RPASスキーマをインポートしたら、ODBC DSNセットアップ・ページのディメンション表の正規化フィールドの値をいいえに変更してください。Oracle BIサーバーでRPASドライバに対する最適化されたSQLが正しく生成されるようにするには、インポート後にこの設定を「いいえ」に戻す必要があります。

    注意: ディメンション表の正規化の設定値をいいえに変更しなかった場合、ほとんどの問合せは失敗し、次のようなエラー・メッセージが表示されます。

    [nQSError: 16001] ODBC error state: S0022 code: 0 message: [Oracle Retail][RPAS 
    ODBC]Column:YEAR_LABEL not found..[nQSError: 16014] SQL statement preparation 
    failed. Statement execute failed.
    
  • Oracle RPASが唯一のデータ・ソースである場合は、NQSConfig.INIファイルでNULL_VALUES_SORT_FIRSTの値をONに設定する必要があります。NQSConfig.INIでの値の設定の詳細は、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイドを参照してください。

Oracle RPASデータ・ソースからのメタデータのインポート後に、スキーマのデータベース・オブジェクトが自動的に作成されます。RPASのバージョンによっては、「データ・ソース定義」:「データベース・プロパティ」(「データベース」ダイアログの「一般」タブにあります)を次の理由で調節する必要が生じる場合もあります。

RPASが「データ・ソース定義」の「データベース」フィールドで指定されていて、RPASのバージョンが1.2.2以前である場合、Oracle BIサーバーでは、SQLが生成されてデータベースに送信されるときに集計ナビゲーションを実行しますが、これは論理表ソースのナビゲーションで通常に実行される方法とは異なります。生成済SQLで使用される表名は自動的に生成されるため、生成済SQLとデータベース表名との間で不一致が生じます。SQLを実行可能にするには、次のように処理する必要があります。

  • メタデータにリストされた表の名前を変更して、生成された名前が正しくなるようにします。

  • 生成された名前と同じ名前の表をデータベースに作成します。

データベースに同じ名前の表がなかったり、標準の集計ナビゲーションをOracle Business Intelligence内に入れる場合には、「データ・ソース定義」の「データベース」フィールドをRPASからODBC Basicに変更する必要があります。詳細は、物理レイヤーにおけるデータベース・オブジェクトの手動作成を参照してください。