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Oracle® Fusion Middleware Oracle Service Busのインストールと構成
12c (12.2.1.1)
E77347-02
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2 Oracle Service Busのインストールおよび構成の準備

Oracle Service Busのインストールを準備するには、使用システムが基本的な要件に合致しているかどうかを確認してから、正しいインストール・ソフトウェアを取得します。

2.1 標準インストール・トポロジのインストールと構成のロードマップ

このロードマップでは、標準インストール・トポロジをインストールして構成するために必要なすべての手順を示します。

表2-1 標準インストールのロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

システム環境を確認します

インストールの前に、最小限のシステム要件およびネットワーク要件を満たしていることを確認します。

「システム環境を確認する際のロードマップ」を参照してください。

インストールの前後で必要になる必須パッチの確認

インストールしているソフトウェアに必要な必須パッチがあるかどうかについては、Oracle Fusion Middleware Infrastructureのリリース・ノートを確認してください。

Oracle Fusion Middleware Infrastructureリリース・ノートのインストールと構成に関する項を参照してください。

適切なディストリビューションを入手します

Oracle Fusion Middleware InfrastructureOracle Service Busの両方の配布を入手する必要があります。

「製品の配布について」を参照してください。

インストール・ディレクトリを決めます

インストーラが必要なインストール・ディレクトリにアクセスできること、またはそれを作成できることを確認します。また、ディレクトリが最低要件を満たすシステムに存在していることを確認します。

『Oracle Fusion Middlewareの理解』のOracle Fusion Middlewareの主要なディレクトリに関する項を参照してください。

前提条件ソフトウェアのインストール

Oracle Fusion Middleware Infrastructureをインストールして、Oracle Service Bus用のOracleホーム・ディレクトリを作成します。

Oracle Fusion Middleware Infrastructureの場合、『Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』を参照してください。Infrastructureのインストールのみ実行する必要があります。Infrastructureのドメインを構成する必要はありません。

ソフトウェアをインストールします

Oracle Universal Installerを実行して、Oracle Service Busをインストールします。

ソフトウェアのインストールにより、使用しているシステムにソフトウェアが転送され、Oracleホーム・ディレクトリが作成されます。

「Oracle Service Busソフトウェアのインストール」を参照してください。

データベース・プロファイルを選択して、必要なカスタム変数を確認します。

必要なスキーマをデータベースにインストールする前に、Oracle Service Busスキーマに合せた設定が必要になるカスタム変数についての情報を確認します。

「Oracle Fusion Middlewareインストールのデータベース要件の理解」を参照してください。

スキーマの作成

リポジトリ作成ユーティリティを実行して、構成に必要なスキーマを作成します。

「データベース・スキーマの作成」を参照してください。

WebLogicドメインの作成

構成ウィザード/アシスタントを使用して、WebLogicドメインを作成して構成します。

Oracle Service Busの標準トポロジの作成については、「ドメインの構成」を参照してください。

高可用性のためのドメインの管理と準備

ドメインを管理するための追加のツールおよびリソースを確認し、可用性が高くなるようにドメインを構成します。

「ドメイン構成後の次の手順」を参照してください。

2.2 システム環境の確認のロードマップ

インストールおよび構成プロセスを開始する前に、システム環境を確認する必要があります。

次の表は、Oracle Service Busをインストールおよび構成するために、ご使用の環境が適切に準備されていることを確認するための重要なタスクおよび判断項目を示します。

表2-2 システム環境の検証ロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

動作保証およびシステム要件を確認します

インストールおよび構成について、ご使用のオペレーティング・システムが動作保証され適切に構成されることを確認します。

「動作保証、システム要件および相互運用性の確認」を参照してください。

適切なインストール・ユーザーを特定します

インストール・ユーザーが、ソフトウェアをインストールおよび構成するための適切な権限を持っていることを確認します。

「インストール・ユーザーの選択」を参照してください。

目的のシステムでインストール・ディレクトリおよび構成ディレクトリを選択します

推奨ディレクトリ構造に従って、インストールおよび構成に必要なディレクトリが作成できることを確認します。

「インストールおよび構成のためのディレクトリの理解」を参照してください。

動作保証されたJDKをインストールします

配布のインストール・プログラムは、ご使用のシステムで動作保証されたJDKを必要とします。

「Oracle Fusion MiddlewareインストールのJDK要件の理解」を参照してください。

中間層のスキーマのデータベースのインストールと構成

WebLogicドメインを構成するには、Oracle Service Busで必要なスキーマに対して適切に構成された、動作保証済のデータベースにアクセスできる必要があります。

「Oracle Fusion Middlewareインストールのデータベース要件の理解」を参照してください。

2.2.1 動作保証、システム要件および相互運用性の確認

ご使用の環境がインストールに必要な要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスおよびシステム要件のドキュメントをあわせて使用することをお薦めします。

  1. 環境が動作保証要件を満たしていることの確認

    製品を、サポートされているハードウェアおよびソフトウェア構成上にインストールすることを確認してください。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

    Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しています。新しい動作保証情報が発表された場合は、適切な動作保証ドキュメントにすぐに追加されます。動作保証情報は随時発表されます。そのため、動作保証ドキュメントはドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  2. 動作保証情報を確認するためのシステム要件ドキュメントの使用

    Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントを使用して、動作保証要件が満たされていることを確認してください。たとえば、目的とする製品を64ビットOracle Linux 6.5上でインストールした場合の動作が動作保証ドキュメントにより保証された場合、求められる最低限の要件をお使いのシステムが満たしていることをそのドキュメントで確認してください。そこにはディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージとパッチおよびその他のオペレーティング・システム固有のアイテムなどのシステム要件などが含まれます。システム要件は、今後変更される場合があります。そのため、システム要件のドキュメントはドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  3. 複数の製品間での相互運用性の確認

    同一リリースの、または異なるリリースが混在した状態のFusion Middleware製品を複数インストールし使用する方法については、相互運用性および互換性の理解のOracle Fusion Middleware 12cの相互運用性および互換性を参照してください。

2.2.2 インストール・ユーザーの選択

システムでインストールおよび構成を実行するユーザーには十分な権限が必要です。

2.2.2.1 ユーザー権限の理解

Fusion Middleware製品をインストールするユーザーは、そのファイルを所有し、そのファイルに対する特定の権限を持ちます。

  • 実行可能ファイル以外(.jar.properties.xmlなど)のすべてのファイルに対する読取り権限と書込み権限。その他の同じグループのすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限のみがあります。

  • すべての実行可能ファイル(.exe.shまたは.cmd)に対する読取り、書込みおよび実行権限。同じグループのその他のすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限および実行権限のみがあります。

したがって、ソフトウェアをインストールするユーザー以外のユーザーも、ドメインまたはFusion Middleware製品を構成するためにOracleホームのインストール・バイナリを使用できます。

構成中に生成されたファイルは、構成ウィザードを実行したユーザーが所有者になり、前述のインストール・ユーザーと同じ権限を持ちます。ただし、セキュリティ・センシティブなファイルは、グループ権限では作成されません。ドメインを作成したユーザーのみが読取りおよび書込み権限を持ち、ドメインを管理できます。

次に例を示します。

  • 例1: 1人のユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合

    この例は、同じユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合の権限を示します。

    すべてのファイルに対して適切な権限があるようにするには、同じ所有者が構成ウィザードを使用してOracle Fusion Middleware製品のインストールとWebLogic Serverドメインの構成の両方のタスクを実行することをお薦めします。

    ドメインを作成したユーザーがソフトウェアをインストールしたユーザーと異なる場合、次の例で示すように、両者は同じ権限を持っている必要があります。

  • 例2: Oracleホームとドメインを別のユーザーが作成する場合

    この例では、一方のユーザーがOracleホームを作成し、もう一方のユーザーがドメインを構成した場合の権限が示されています。

注意:

特定のドメイン・ファイルには、グループ権限がありません。たとえば、cwallet.ssoです。

インストーラを起動する前に次の点を考慮してください。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、インストールの前にシステム上でumask027に設定することをお薦めします。これにより、インストール時にファイルの権限を適切に設定できます。以下のコマンドを使用します。

    umask 027

    このコマンドは、製品のインストーラと同じ端末ウィンドウで実行する必要があります。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、インストール・プログラムをrootユーザーで実行しないでください。rootユーザーでインストーラを実行した場合、起動時の検証に失敗しインストールを続けられないことがあります。

  • 製品のインストールを管理する際(パッチ適用、管理対象サーバーの起動など)は、製品インストールに使用したものと同じユーザーIDを使用する必要があります。

  • Windowsオペレーティング・システムでは、製品のインストールに管理者権限が必要です。詳細は、「Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認」を参照してください。

2.2.2.2 UNIXオペレーティング・システムでの非デフォルト・ユーザー権限の理解

デフォルトの権限設定を変更すると、インストールの、さらに場合によってはシステムのセキュリティが脆弱になります。デフォルトの権限の設定を変更することはお薦めしません。

他のユーザーが特定のファイルまたは実行可能ファイルへのアクセスを必要とする場合は、ファイルのアクセス権を変更するかわりに、UNIXのsudoコマンド(または他の同様のコマンド)の使用を検討してください。

さらにサポートが必要な場合は、ご使用のUNIXオペレーティング・システムに付属している管理者ガイドを参照するか、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

2.2.2.3 Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認

Windowsのレジストリを更新するには管理者権限が必要です。

デフォルトでは、管理者グループのメンバーは一般レベルの権限でサインインしますが、管理タスクを実行する際には高いレベルの権限を要求できます。

高い権限が必要なタスクを実行するには:

  1. 左下の「スタート」メニューまたはWindowsアイコンから、コマンド・プロンプトアイテムを検索します。
  2. コマンド・プロンプトを右クリックして「管理者として実行」を選択します。
    新しいコマンド・プロンプト・ウィンドウが開き、このウィンドウで実行されるすべてのアクションは管理者権限で実行されます。

    注意:

    システムでユーザーアクセス制御が有効な場合、このアクションの確認を求めるウインドウが表示される場合があります。確認し、この手順を続行します。
  3. 必要なタスクを実行します。

    たとえば、製品のインストーラを起動するには:

    jarファイルの場合は、次のように入力します。

    java —jar distribution_name.jar

    実行可能ファイル(.exe.bin、または.sh file)の場合、次のように入力します:

    distribution_name.exe

2.2.3 インストールおよび構成のためのディレクトリの理解

インストールとドメイン構成のプロセス中に、Oracleホーム、ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームのディレクトリの場所の指定について計画する必要があります。

次の項では、これらのディレクトリを作成する場所を決めるために役立つ情報を示します。

2.2.3.1 推奨ディレクトリ構造の理解

Oracleホーム、ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームには、推奨される特定の場所があります。

図2-1に推奨するディレクトリ構造を示します。

図2-1 Oracle Fusion Middlewareの推奨ディレクトリ構造



システムでベースの場所(Oracleベース)を決め、(/home/oracleなど)そこから2つのサブ・ディレクトリを別々に作成します。productディレクトリには、製品のバイナリ・ファイルとすべてのOracleホーム・ディレクトリを含めます。configディレクトリにはドメイン・データとアプリケーション・データを格納します。

Oracleホームには構成データを保存しないことをお薦めします。製品を別のメジャー・リリースにアップグレードする場合、バイナリ用に新しいOracleホームの作成が必要になります。また構成データは、Oracleホームのバイナリからアクセス可能な場所に置く必要があります。

このドキュメント全体の例を通じて、/home/oracle/productディレクトリ(Oracleホーム)と/home/oracle/configディレクトリ(アプリケーション・データと構成データ)を使用していますが、これらのディレクトリはご使用のシステムの実際のディレクトリに読み替えてください。

2.2.3.2 Oracleホーム・ディレクトリについて

Oracle Fusion Middleware製品をインストールするときは、Oracleホーム・ディレクトリを使用する必要があります。

このディレクトリは、同じマシンにインストールされた複数のFusion Middleware製品で使用される共通ファイルのリポジトリです。これらのファイルは、Fusion Middlewareをシステムで正しく動作させるために重要です。これらによって、インストール時の製品間の依存関係のチェックが容易になります。このためOracleホーム・ディレクトリは、システムにインストールされるすべてのOracle Fusion Middleware製品の中心的なサポート・ディレクトリとみなすことができます。

Oracleホーム・ディレクトリは、Fusion MiddlewareドキュメントでORACLE_HOMEと呼ばれています。

Oracleホームの考慮事項

Oracleホーム・ディレクトリを作成し、Fusion Middleware製品をインストールするときに、次の点に注意してください。

  • Oracleホーム・ディレクトリの名前に空白を含めないでください。Oracleホーム・ディレクトリのパスに空白が含まれていると、エラー・メッセージが表示されます。

  • 単一のOracleホーム・ディレクトリには、Oracle Fusion Middlewareの各製品に1つのインスタンスのみインストールできます。異なるバージョンの製品を同じマシンにインストールするには、それぞれのバージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリに格納する必要があります。

    単一のOracleホームに複数の異なる製品をインストールすることもできますが、Oracleホームには各製品で1つのバージョンのみをインストールできます。

複数のホーム・ディレクトリ

ほとんどの場合、Oracleホームは1つで十分ですが、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合もあります。たとえば次の場合に、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する必要があります。

  • それぞれ製品のスタックが別々の開発と本番環境を別々に管理する場合。2つのディレクトリを使用するこのにより、準備ができるまで本番環境を変更せずに、開発環境を更新できるようになります。

  • 2つのバージョンのFusion Middleware製品を同時に保持する場合。たとえば製品の既存のバージョンを残したまま新しいバージョンをインストールする必要がある場合。この場合、製品の各バージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。

  • 相互に互換性のない複数の製品をインストールする必要があります。詳細は、相互運用性および互換性の理解のOracle Fusion Middleware 12cの相互運用性および互換性を参照してください。

注意:

複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合は、各製品の構成段階で重複しないポート範囲を指定する必要があります。

2.2.3.3 ドメイン・ホーム・ディレクトリについて

ドメイン・ホームは、構成するドメインが作成されるディレクトリです。

デフォルトのドメイン・ホームの場所は、ORACLE_HOME/user_projects/domains/domain_nameです。ただし、このデフォルトの場所を使用しないことをお薦めします。ドメイン・ホームは、Oracleホーム・ディレクトリの外部に置きます(例: /home/oracle/config/domains)。configディレクトリには、ドメインとアプリケーションのデータが含まれている必要があります。新規インストール、パッチの適用およびその他の操作によって、ORACLE_HOMEのみが更新され、ドメインの構成は更新されないように、ドメイン専用のディレクトリをお薦めします。

推奨ディレクトリ構造とドメイン・ホームの場所については、「推奨ディレクトリ構造の理解」を参照してください。

Fusion Middlewareドキュメントで、ドメイン・ホーム・ディレクトリはDOMAIN_HOMEと呼ばれ、ドメイン名を含むそれ以下のすべてのフォルダが含まれます。たとえば、ドメイン名がexampledomainで、/home/oracle/config/domainsディレクトリにドメイン・データを配置する場合、ドキュメントでのDOMAIN_HOME/home/oracle/config/domains/exampledomainを指します。

2.2.3.4 アプリケーション・ホーム・ディレクトリについて

アプリケーション・ホームは、構成するドメインのアプリケーションが作成されるディレクトリです。

デフォルトのアプリケーション・ホームの場所は、ORACLE_HOME/user_projects/applications/domain_nameです。ただし、アプリケーション・ホームは、Oracleホーム・ディレクトリの外部に配置することをお薦めします。製品を別のメジャー・リリースにアップグレードする場合、バイナリ用に新しいOracleホームの作成が必要になるからです。

推奨ディレクトリ構造とアプリケーション・ホームの場所については、「推奨ディレクトリ構造の理解」を参照してください。

Fusion Middlewareドキュメントでは、アプリケーション・ホーム・ディレクトリのことをAPPLICATION_HOMEと呼び、ドメイン名を含むそれ以下のすべてのフォルダが含まれます。たとえば、ドメイン名がexampledomainで、/home/oracle/config/applicationsディレクトリにアプリケーション・データを配置した場合、ドキュメントでは/home/oracle/config/applications/exampledomainを示すためにAPPLICATION_HOMEを使用しています。

2.2.3.5 同じドメインへの複数の製品のインストール

1つのドメインに複数の製品をインストールして構成するには、2つの方法があります。

  • 方法1

    スキーマの作成やドメイン内の全サーバーの起動によるドメイン構成の成功の確認も含めて、製品Aのインストールと構成を行います。

    これはFusion Middlewareライブラリのインストール・ガイドすべてで採用されている方法です。製品の数に応じて、必要なだけこの手順を繰り返すことができます。この方法では、一度に1つの製品を検証し、製品を段階的に追加することができます。

    製品Bをインストールするには、管理サーバーを停止して、新たな製品の追加中にドメインへの更新が行われないようにします。その上で、製品Bのインストール・ガイドの指示に従って、必要なスキーマの作成も含め作業を行います。最後に、製品Bを含めるように製品Aのドメインを拡張してから、すべてのサーバーを再び起動します。

  • 方法2

    必要な製品をすべて、構成はせずにインストールした後、すべての製品に対してスキーマを作成します。スキーマを作成した後、各製品で必要となるテンプレートをすべてを使用してドメインを構成し、その後すべてのサーバーを起動します。

    複数の製品が稼働するドメインを作成するにはこちらの方が若干速い可能性がありますが、Fusion Middlewareライブラリにはこの方法でドメインを作成する際の具体的手順が示されていません。適宜サポート・ドキュメントを参照する必要があります。

2.2.3.6 共有記憶域の準備

Oracle Fusion Middlewareでは、1つのOracleホームから複数のOracle WebLogic Serverドメインを構成できます。これにより、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールしたり、複数のホストをインストールするためにOracleホストを再利用したりすることもできます。

共有記憶域を使用する予定のある場合、詳細は『高可用性ガイド』 の共有記憶域の使用に関する項を参照してください。

2.2.4 Oracle Fusion MiddlewareインストールのJDK要件の理解

ほとんどのFusion Middleware製品は、.jarファイル形式で配布されます。これらのディストリビューションにJDKは含まれていません.jar配布インストーラを実行するには、動作保証されたJDKがすでにシステムにインストールされている必要があります。

JDKがOracleホームの外部にインストールされていることを確認してください。Oracleホームの下にJDKをインストールすると、将来タスクを実行しようとしたときに、問題が発生します。Oracle Universal Installerは、Oracleホーム・ディレクトリが空であるかどうかを検証し、空のディレクトリが指定されるまで、インストールを進めません。JDKのインストールは、/home/oracle/products/jdkディレクトリに配置することをお薦めします。

一部の製品(Oracle HTTP ServerおよびOracle JDeveloperなど)は、プラットフォーム固有のディストリビューションとして提供されています。プラットフォーム固有の配布には、.bin (UNIXオペレーティング・システム用)または.exe (Windowsオペレーティング・システム用)インストーラが含まれます。この場合は、プラットフォーム固有のJDKが配布に含まれており、JDKを別途インストールする必要はありません。ただし、認定されたJDKのバージョンによっては、より新しいバージョンにそのJDKをアップグレードする必要があります。

Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成のページで動作保証情報を参照し、必要なJDKバージョンであることを確認してください。

必要なJDKをダウンロードするには、次のURLにアクセスしてJava SE JDKをダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html

2.2.5 Oracle Fusion Middlewareインストールのデータベース要件の理解

多くのOracle Fusion Middleware製品は、構成の前にデータベース・スキーマが必要です。このようなスキーマをインストールできるデータベースがない場合は、動作保証されたデータベースをインストールして構成する必要があります。

オペレーティング・システムで動作保証されているデータベースを調べるには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

スキーマ作成用にデータベースが適切に構成されていることを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様ドキュメントのリポジトリ作成ユーティリティの要件に関する項を参照してください。

注意:

12cでは、動作保証されたOracleデータベースのみがOracle Fusion Middleware Infrastructure標準インストール・トポロジに使用できます。

データベースが適切に構成されると、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行して、データベースに製品のスキーマを作成します。このツールは各Oracle Fusion Middleware製品のOracleホームで使用できます。RCUの詳細は、『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』の「リポジトリ作成ユーティリティの理解」を参照してください。

2.2.5.1 SOA Suiteスキーマに必要なカスタム変数について

Oracle SOA Suiteのスキーマをインストールするときに、2つのカスタム変数の設定を求めるプロンプトが表示されます。この変数は、該当するスキーマがデータベースに作成される方法に影響します。

これらの変数は、次の各項でさらに詳しく説明します。

2.2.5.1.1 データベース・プロファイル・カスタム変数について

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の「カスタム変数」画面にある、データベース・プロファイル・カスタム変数を使用すると、SOAインフラストラクチャ・スキーマをインストールするデータベースに関する予測サイズまたはプロファイルを確認できます。

Oracle SOA Suite構成に必要なデータベースのサイズを推定する場合は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のデータベース増加管理戦略の開発に関する項に記載された情報を考慮に入れてください。

データベース・プロファイルとして「SMALL」または「MEDIUM」と入力すると、スキーマの作成時に、RCUは特別なアクションを実行します。「SMALL」「MEDIUM」オプションは、情報提供の目的にのみ入力する必要があります。

データベース・プロファイルとして「LARGE」を入力すると、RCUは、間隔パーティション化というOracleデータベースの機能を使用して、SOAインフラストラクチャ・スキーマを作成します。間隔パーティション化により、多数のコンポジット・アプリケーションを処理する必要がある場合に、データベースの効率が向上します。「LARGE」データベース・プロファイルを選択すると、RCUは、Oracle SOA Suiteの削除スクリプトとガイドラインでサポートされる方法で、間隔パーティション化した表を作成します。

データベースのパーティション化に関する詳細は、Oracle Database VLDBおよびパーティション化ガイドで、次の内容に関する項を参照してください。

  • パーティション化の概念

  • 間隔パーティション化

データベース・プロファイルの詳細は、パフォーマンスのチューニングを参照してください。

2.2.5.1.2 Healthcare Integrationカスタム変数について

Healthcare Integrationカスタム変数は、Oracle SOA SuiteのHealthcare Integrationユーザー・インタフェースをアクティブ化する際に利用されます。インタフェースは、Oracle Business Process Management用にサポートされていません。

Healthcare Integrationユーザー・インタフェースをOracle SOA Suiteで使用する予定が無い場合、Healthcare Integrationカスタム変数の値はNOに設定します。Healthcare Integrationユーザー・インタフェースをOracle SOA Suiteで使用する予定がある場合は、YESに設定します。この変数を設定しない場合、Healthcare Integrationユーザー・インタフェースはインストールおよび構成を終えても正常に動作しません。

変数をYESに設定した場合、RCUによりデータベース内に追加のマテリアライズド・ビューが作成されます。Healthcare Integrationユーザー・インタフェースには、このビューが必要になります。NOに設定した場合は、次に示すSQLスクリプトをデータベースで実行することで、これに該当する追加のスキーマ構成タスクを後から実行できます。このスクリプトは、B2Bインストール・タイプにHealthcareを選択すると、Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームにインストールされます。

ORACLE_HOME/common/sql/soainfra/sql/oracle/b2b_mv.sql

Healthcare Integrationユーザー・インタフェースの詳細は、『Oracle SOA Suiteヘルスケア統合ユーザーズ・ガイド』のOracle SOA Suite for Healthcare Integrationユーザー・インタフェースの使用に関する項を参照してください。

2.3 製品の配布について

最初のOracle Service Busドメインは、Oracle WebLogic ServerソフトウェアとOracle Java Required Files (JRF)ソフトウェアの両方を含むOracle Fusion Middleware Infrastructureディストリビューションを使用して作成します。

Oracle JRFソフトウェアは次のものから構成されます。

  • Oracle Web Services Manager。

  • Oracle Application Development Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。

  • リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)

  • Oracle Fusion Middleware製品のサポートに必要なその他のライブラリおよびテクノロジ

配布のインストールと構成を行うには、動作保証されたJDKがシステムに存在していることが必要です。12c (12.2.1.1)では、動作保証されたJDKは1.8.0_77です。

注意:

配布の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品の配布の理解と入手に関する項を参照してください。

2.4 製品の配布の入手

Oracle Fusion MiddlewareインフラストラクチャおよびOracle Service Busとして配布される製品は、Oracle Technology Network (OTN)で入手できます。

Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの入手先とダウンロードについては、OTNでOracle Fusion Middlewareダウンロード、インストール、構成のReadmeファイルを参照してください。

製品の配布を入手しインストーラを実行する前に、動作保証されたJDKがシステムにインストールされていることを確認してください。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のJDKのインストールに関する項を参照してください。