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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
12c (12.2.1.1)
E77231-01
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14 トポロジへのOracle Service Busの追加

次の各項では、エンタープライズ・デプロイメント・トポロジにOracle Service Bus (OSB)を追加する手順について説明します。

14.1 トポロジにOracle Service Busを追加する際に使用する変数

この章のタスクを実行する際、この項にリストするディレクトリ変数を使用します。

いくつかのディレクトリ変数の値については、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」に定義されています。

  • ORACLE_HOME

  • ASERVER_HOME

  • MSERVER_HOME

  • JAVA_HOME

  • OHS_DOMAIN_HOME

さらに、「エンタープライズ・トポロジによって必要とされる物理および仮想IPアドレス」で定義されている次の仮想IP (VIP)アドレスを参照することになります。

  • ADMINVHN

この項のアクションは、次のホスト・コンピュータで実行します。

  • SOAHOST1

  • SOAHOST2

  • WEBHOST1

  • WEBHOST2

14.2 Oracle Serviceの独自のドメインでの構成について

Oracle Service Busをエンタープライズ・トポロジに追加する際、既存のSOAドメインに追加することも、Oracle SOA Suiteドメインとは別にOracle Service Bus用の新たなドメインを作成することもできます。

詳細は、「Oracle Service Busのトポロジ・オプションの理解」を参照してください。

Oracle Service Busを別個のドメイン内に構成すると決定した場合、トポロジにOracle Serviceを追加する手順を使用する際に、次の点に留意してください。

  • SOA管理対象サーバーまたはSOAクラスタへの参照はすべて無視してください。ドメインのこれらの要素が存在するのは、Oracle SOA Suiteを含めることですでに拡張されたドメインを拡張する場合のみです。

  • リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行して、Oracle Service BusドメインのSOAINFRAスキーマを作成する必要があります。このスキーマは、Oracle Service Busで必要とされます。Oracle Service Busドメインには、一意のSOAINFRAスキーマとスキーマ接頭辞を使用する必要があります。

14.3 トポロジへのOSBの追加の概要

この項では、Oracle Service Busをドメインに追加するために実行する必要のある手順の概要を示します。

表14-1に、Oracle Service Busのために既存のSOAドメインまたは既存のInfrastructureドメインを拡張する手順の概要を示します。これらの手順では、初期Infrastructureドメインの作成に必要な手順をすでに実行し、Oracle SOA Suiteを追加するためにドメインを拡張したことを前提としています。

表14-1 Oracle Service Busを追加するためのSOAドメインの拡張手順

手順 説明 詳細情報

Oracle Service Busソフトウェアのインストール

ターゲット・システムへのOSBソフトウェアのインストール

Oracle Service Busソフトウェアのインストール

オプションで、サポートされているデータベースにSOAINFRAスキーマをインストールします。

OSBでは、wlsbjmsrpDataSourceデータ・ソースにSOAINFRAスキーマが必要です。OSBを独自のドメインで実行する場合は、サポートされているデータベースでOSBに別個のSOAINFRAスキーマがインストールされていることを確認する必要があります。

OSBドメインで使用されるSOAINFRAスキーマには一意のスキーマを使用してください。

Oracle SOA Suiteデータベース・スキーマの作成

オプションで、新しいInfrastructureドメインを作成します。

OSBを独自のドメインで実行する場合は、まずInfrastuctureドメインを作成して、OSBを含めることでこのドメインを拡張できるようにする必要があります。

エンタープライズ・デプロイメント用の初期インフラストラクチャ・ドメインの作成

ドメイン拡張のための構成ウィザードの実行

Oracle Service Busコンポーネントを追加するためにSOAまたはInfrastructureドメインを拡張します

Oracle Service Busを追加するためのSOAまたはInfrastructureドメインの拡張

トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成

クラスタ内のサーバーでトランザクション回復サービスの移行機能を活用するには、サーバーとそのバックアップ・サーバーからアクセス可能な場所にトランザクション・ログを格納します。

トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成

SOAHOST1の管理対象サーバー・ディレクトリ、さらにはSOAHOST2へのドメイン構成の伝播

Oracle Service Busでは、WebLogic Serverの起動スクリプトに多少の更新が必要です。これらの変更は、packコマンドとunpackコマンドを使用して伝播させます。

ドメイン・ディレクトリおよびマシンへの拡張済ドメインの伝播

Oracle Service Busサーバーの起動

Oracle Service Busサーバーは既存のドメインを拡張します。そのため、管理サーバーおよびそれぞれのノード・マネージャはSOAHOST1およびSOAHOST2で稼働しています。

WLS_OSB1管理対象サーバーの起動と検証

WLS_OSB管理対象サーバーの検証

管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認し、URLにアクセスしてサーバーのステータスを確認します。

WLS_OSB2管理対象サーバーの起動と検証

WLS_OSBn管理対象サーバーについてのOracle HTTP Serverの構成

Oracle Service BusコンソールおよびOracle Service BusサービスにOracle HTTP Serverからルーティングできるようにするため、WebLogicClusterパラメータをこのクラスタにあるノードのリストに設定します。

Oracle Service Bus用のOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証

サーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。

ロード・バランサを使用したOracle Service Bus URLの検証

OracleファイルとFTPアダプタの高可用性化

OracleファイルとFTPアダプタのアウトバウンド操作に対する高可用性を、データベースのmutexロック操作を使用して実現します。

Oracle DB、ファイルおよびFTPのアダプタの高可用性化

Oracle Service Bus構成のバックアップ

この後の手順でエラーが発生した場合の即座のリストアを目的として、ドメイン構成をバックアップします。

Oracle Service Bus構成のバックアップ

14.4 Oracle Service Busを追加するためのドメインの拡張の前提条件

現在のドメインを拡張する前に、既存のデプロイメントが次の前提条件を満たしていることを確認します。

  • インストールのバックアップ - 既存のFusion Middlewareホームとドメインをバックアップしていない場合は、今すぐバックアップすることをお薦めします。

    既存のFusion Middlewareホームとドメインをバックアップするには、「SOAエンタープライズ・デプロイメントにおけるバックアップとリカバリの実行」を参照してください。

  • 共有記憶域のOracleホームにInfrastructureおよびSOAソフトウェア・バイナリがインストールされ、SOAHOST1とSOAHOST2から使用できることを確認します。

  • Oracle Service BusがSOAと同じドメイン内に構成されている場合は、適切なSOAINFRAスキーマ(wlsbjmsrpDataSourceによって使用されるもの)がすでに使用可能になっていること。OSBが独自のドメイン内に構成されている場合、RCUを実行し、SOAドメインで使用されているSOAINFRAスキーマとは異なるスキーマ接頭辞を使用して、サポートされているデータベースにSOAINFRAスキーマをインストールする必要があります。

  • 前の章の説明どおりに、ノード・マネージャ、管理サーバー、(任意でSOAサーバー)、およびWSMサーバーをすでに構成していること。必要に応じて、サーバー移行、トランザクション・ログ、一貫性など、SOAシステムのその他のすべての構成手順が完了していること。

  • 各ホスト・コンピュータのシステム・クロックが同期していることを確認します(まだ、確認していない場合)。これは、各クラスタ内のホストで可能なかぎり同時にdateコマンドを実行することで行えます。

    また、そのために使用できるサードパーティおよびオープンソースのユーティリティもあります。

14.5 Oracle Service Busソフトウェアのインストール

次の各項で、エンタープライズ・デプロイメントでOracle Service Busをインストールする方法について説明します。

14.5.1 Oracle Service Busインストーラの起動

インストール・プログラムを起動するには、次の手順を実行します。

  1. ターゲット・システムSOAHOST1にログインします。
  2. インストール・プログラムをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  3. 次のように、Java実行可能ファイルへのパス を入力します。
    export JAVA_HOME=JAVA_HOME
    export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH
    

    この例では、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」に記載され、エンタープライズ・デプロイメント・ワークブックに入力されている変数の値で、JAVA_HOMEを置き換えます。

  4. 次のコマンドを入力して、インストール・プログラムを起動します。
    java -d64 -jar fmw_12.2.1.1.0_osb.jar
    

    インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備ができています。

14.5.2 OSBインストール画面のナビゲート

表14-2は、インストール・プログラムの各画面の説明です。

表14-2 SOAのインストール画面

画面 説明

ようこそ

製品のインストーラの紹介画面です。

自動更新

この画面では、使用可能なパッチを探してMy Oracle Supportを自動的に検索するか、組織にすでにダウンロードしたパッチを探してローカル・ディレクトリを自動的に検索します。

インストールの場所

この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。

既存のSOAドメインを拡張する場合は、OSBソフトウェアをSOAソフトウェアがすでにインストールされている既存のOracleホームにインストールします。

OSBを別のドメイン内に構成する場合は、OSBソフトウェアをInfrastructureのOracleホームにインストールします。

インストール・タイプ

この画面を使用してインストールのタイプと、それに従ってインストールされる製品および機能を選択します。

このトポロジの場合は、「Service Bus」を選択します。

前提条件チェック

この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。

警告メッセージまたはエラー・メッセージが表示された場合は、第1.4項に記載されているドキュメントのいずれかを参照してください。

インストールの進行状況

この画面では、インストールの進行状況を参照できます。

インストール完了

インストールが完了すると、この画面が表示されます。この画面の情報を確認してから、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。

14.5.3 他のホスト・コンピュータへのソフトウェアのインストール

SOAHOST2用に別の共有記憶域ボリュームまたはパーティションを構成している場合は、SOAHOST2にもソフトウェアをインストールする必要があります。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントをインストールおよび構成する場合の共有記憶域の推奨事項」を参照してください。

Oracleホーム(ソフトウェア・バイナリが含まれている)をインストールする場所は、ホストによって異なることに注意してください。ご使用のOracleホーム・ディレクトリの正しい場所を特定するには、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」のガイドラインを参照してください。

14.5.4 OSBインストールの検証

インストールの完了後、次のタスクを正常に実行することでインストールを検証できます。

14.5.4.1 インストール・ログ・ファイルの確認

インストール・ログ・ファイルの内容を確認し、何も問題が発生していないことを確認します。ログ・ファイルの説明とその場所の詳細は、Oracle Universal Installerを使用したソフトウェアのインストールのインストール・ログ・ファイルの理解に関する項を参照してください。

14.5.4.2 ディレクトリ構造のチェック

インストールの内容は、インストール中に選択したオプションによって異なります。

Oracle Service Busを追加すると、次のディレクトリおよびサブディレクトリが追加されます。

ORACLE_HOME/osb/

bin
common
config
doc
financial
L10N
lib
osb
plugins
tools

インストール後のディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の「Oracle Fusion Middlewareの主要ディレクトリとは」を参照してください。

14.5.4.3 Oracleホームの内容の表示

Oracleホームの内容を、viewInventoryスクリプトを使用して表示することもできます。詳細は、Oracle Universal Installerを使用したソフトウェアのインストールのOracleホームの内容の表示に関する項を参照してください。

14.6 Oracle Service Busを追加するためのSOAまたはInfrastructureドメインの拡張

この項では、Oracle Service Busを含めることで既存のエンタープライズ・デプロイメントSOAドメインを拡張する手順について説明します。

ドメインを拡張するには、次の各項で説明するタスクを実行する必要があります。

14.6.1 構成ウィザードの起動

注意:

ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverrides.shという名前のファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のjavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うように構成できます。このファイルに追加したカスタマイズは、ドメインのアップグレード操作時に保持され、packコマンドとunpackコマンドの使用時にリモート・サーバーに継承されます。

ドメインの構成を開始するには:

  1. ドメインの構成中に、構成のロック、保存、アクティブ化が行われないように、管理サーバーを停止します。

    詳細は、「SOAHOST1での構成ウィザードの起動」でノード・マネージャを使用して管理サーバーを停止する手順を参照してください。

  2. 次のディレクトリに移動し、WebLogic Server構成ウィザードを起動します。
    ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    ./config.sh

14.6.2 Oracle Service Busの構成ウィザード画面のナビゲート

この手順では、「Oracle SOA Suiteを含めるドメインの拡張」で作成したドメインを拡張して、Oracle Service Busソフトウェア・コンポーネントと管理対象サーバーを追加します。

Oracle Service Busを追加して管理サーバーとWSM-PMクラスタのみを含むドメインを拡張する場合の手順は、この項で説明する手順とほぼ同じになりますが、画面に表示される一部のオプション、ライブラリ、コンポーネントは異なる場合があります。

ドメインを作成して構成するためのタスクは次のとおりです。

タスク1   ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。

「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数の値を選択します。これは、「エンタープライズ・デプロイメント用の初期インフラストラクチャ・ドメインの作成」で作成した管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。

ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください

ヒント:

この画面に示されるその他のオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「構成タイプ」に関する項を参照してください。

タスク2   構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。

Oracle Service Bus - 12.2.1.1.0 [osb]

このテンプレートを選択すると、次の項目が依存関係として自動的に選択されます。

  • WebLogic Advanced Web Services for JAX-RPC Extension - 12.2.1.1.0 [oracle_common]

  • ODSI XQuery 2004 Components - 12.1.3.0 [oracle_common]

注意:

ODSI用の12.2.1.1.0テンプレートはありません。12.1.3テンプレートは12.2.1構成に役立ちます。

また、初期ドメインを作成するために使用したため、次の追加のテンプレートもすでに選択されているはずです。

  • Oracle Enterprise Manager - 12.2.1.1.0 [em]

  • Oracle WSM Policy Manager - 12.2.1.1.0 [oracle_common]

  • Oracle JRF - 12.2.1.1.0 [oracle_common]

  • WebLogic Coherenceクラスタの拡張 - 12.2.1.1.0 [wlserver]

タスク3   データ・ソース構成タイプの指定

Infrastructureドメインに必要なFusion Middlewareスキーマを参照するためのドメインをすでに構成済であるため、すべてのフィールドが事前移入されています。すべてのフィールドにおける資格証明が、Oracle Fusion Middleware Infrastructureの構成中に指定したものと同じであることを確認します。

データベース接続情報の確認が完了した後で、「RCU構成の取得」をクリックします。「接続結果ログ」の次の出力は、操作が成功したことを示しています。

Connecting to the database server...OK
Retrieving schema data from database server...OK
Binding local schema components with retrieved data...OK
Successfully Done.

ヒント:

RCUデータのオプションの詳細は、『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』のサービス表スキーマの理解に関する項を参照してください。

この画面のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のデータ・ソース・デフォルトに関する項を参照してください。

タスク4   JDBCコンポーネント・スキーマ情報の指定

OSB JMSレポート・プロバイダ・コンポーネント・スキーマを選択し、「GridLinkへ変換」オプションをクリックして「次へ」をクリックします。

「次へ」をクリックします。

タスク5   GridLink Oracle RACデータベース接続の詳細情報の指定

「GridLink Oracle RACコンポーネント・スキーマ」画面で、次の表に示すように、RACデータベースおよびコンポーネント・スキーマへの接続に必要な情報を入力します。

要素 説明と推奨値

SCAN、ホスト名とポート

「SCAN」チェック・ボックスを選択します。

「ホスト名」フィールドに、Oracle RACデータベースのSingle Client Access Name (SCAN)アドレスを入力します。

「ポート」フィールドには、データベースのリスニング・ポートを入力します(1521など)

「ONSホスト」と「ポート」

「ONSホスト」フィールドには、Oracle RACデータベースのSCANアドレスを入力します。

「ポート」フィールドには、ONSリモート・ポートを入力します(通常は6200)。

FANの有効化

データベースがFANイベントを受信して処理できるように、「FANの有効化」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。

タスク6   JDBC接続のテスト

「JDBCデータ・ソースのテスト」画面で、すべての接続が正常であることを確認します。

接続のテストは自動的に行われます。「ステータス」列に結果が表示されます。正常でない接続がある場合は、「前へ」をクリックして前の画面に戻り、入力を訂正します。

すべての接続に成功したら「次へ」をクリックします。

タスク7   拡張構成の選択

拡張構成の選択画面で、次を選択します。

  • トポロジ

    サーバー・テンプレート、管理対象サーバー、クラスタ、仮想ターゲットおよびCoherenceの設定の追加、削除または変更。

  • JMSファイル・ストア

「次へ」をクリックします。

タスク8   管理対象サーバーの構成

「管理対象サーバー」画面で、Oracle Service Busに必要な管理対象サーバーを追加します。

  • 自動的に作成されたサーバーを選択し、「名前の変更」をクリックして、名前をWLS_OSB1に変更します。

  • 「追加」をクリックし他の新規サーバーを追加して、サーバー名としてWLS_OSB2と入力します。

  • WLS_OSB1およびWLS_OSB2サーバーに、表14-3内の属性を指定します。

  • OSBサーバーのサーバー・グループとして「OSB-MGD-SVRS-ONLY」を選択します。デフォルトで選択されているOSB-MGD-SVRS-COMBINEDの選択を解除します。

最後に、追加されたサーバーの構成が表14-3に一致している必要があります。

「次へ」をクリックします。

表14-3 構成ウィザードでのOracle Service Bus管理対象サーバーの構成

名前 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLリスニング・ポート SSL有効 サーバー・グループ

WLS_SOA1

SOAHOST1

8001

n/a

いいえ

SOA-MGD-SVRS-ONLY

WLS_SOA2

SOAHOST2

8001

n/a

いいえ

SOA-MGD-SVRS-ONLY

WLS_WSM1

SOAHOST1

7010

n/a

いいえ

JRF-MAN-SVR

WSMPM-MAN-SVR

WSM-CACHE-SVR

WLS_WSM2

SOAHOST2

7010

n/a

いいえ

JRF-MAN-SVR

WSMPM-MAN-SVR

WSM-CACHE-SVR

WLS_OSB1

SOAHOST1

8011

n/a

いいえ

OSB-MGD-SVRS-ONLY

WLS_OSB2

SOAHOST2

8011

n/a

いいえ

OSB-MGD-SVRS-ONLY

WLS_SOA管理対象サーバーは、Oracle Service Busを含めて既存のOracle SOA Suiteドメインを拡張する場合に表示されます。

タスク9   クラスタの構成

このタスクでは、Oracle SOA Suiteソフトウェアのターゲットとすることができる管理対象サーバーのクラスタを作成します。

クラスタの「フロントエンド・ホスト」プロパティも設定します。これにより、WebLogic Serverは必要に応じてWebサービス・コールバックやその他のリダイレクトを、各リクエストのHOSTヘッダーにあるアドレスではなく、ロード・バランサ上のosb.example.comにリダイレクトするようになります。

osb.example.com仮想サーバー・アドレスの詳細は、「ハードウェア・ロード・バランサでの仮想ホストの構成」を参照してください。

「クラスタ」画面を使用して、新しいクラスタを作成します。

  1. 「追加」ボタンをクリックします。

  2. 「クラスタ名」フィールドで、OSB_Clusterを指定します。

  3. 「フロントエンド・ホスト」フィールドでosb.example.comを指定します。

  4. 「フロントエンドHTTPポート」80を指定し、「フロントエンドHTTPSポート」443を指定します。

注意:

デフォルトでは、クラスタ内のサーバー・インスタンスは、ユニキャストを使用して相互に通信します。マルチキャストを使用するようにクラスタの通信を変更する場合は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』のユニキャストまたはマルチキャストを選択する際の考慮事項に関する項を参照してください。

ヒント:

この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「クラスタ」に関する項を参照してください。

タスク10   クラスタへの管理対象サーバーの割当て

「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次のようにサーバーをクラスタに割り当てます。

WLS_SOA管理対象サーバーは、Oracle Service Busを含めて既存のOracle SOA Suiteドメインを拡張する場合に表示されます。

  • SOA_Cluster - SOAドメインを拡張する場合

    • WLS_SOA1

    • WLS_SOA2

  • WSM-PM_Cluster:

    • WLS_WSM1

    • WLS_WSM2

  • OSB_Cluster:

    • WLS_OSB1

    • WLS_OSB2

「次へ」をクリックします。

タスク11   Coherenceクラスタの構成

「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。ポート番号値は、初期Infrastructureドメインの作成中に定義されているため、9991のままにします。

タスク12 既存のマシンの検証

次のエントリが表示されることを確認します。

名前 ノード・マネージャのリスニング・アドレス

SOAHOST1

SOAHOST1

SOAHOST2

SOAHOST2

ADMINHOST

ADMINVHN

その他のすべてのフィールドはデフォルト値のままにします。

「次へ」をクリックします。

タスク13   マシンへのサーバーの割当て

「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。

  • ADMINHOST:

    • AdminServer

  • SOAHOST1

    • WLS_SOA1 (SOAドメインを拡張する場合)

    • WLS_WSM1

    • WLS_OSB1

  • SOAHOST2:

    • WLS_SOA2 (SOAドメインを拡張する場合)

    • WLS_WSM2

    • WLS_OSB2

「次へ」をクリックします。

タスク14 JMSファイル・ストアの構成

構成セッションで作成したJMSファイル・ストアを構成します(Wsee FileStoreUMS JMS FileStore、およびFileStore)。

「JMSファイル・ストア」画面で、各OSB永続ストアに次のディレクトリを割り当てます。

ORACLE_RUNTIME/domain_name/OSB_Cluster/jms

この例では、ORACLE_RUNTIMEを、ご使用の環境の変数値に置き換えます。OSB_Clusterを、OSBクラスタに割り当てた名前に置き換えます。

表示されるJMS構成警告は無視してください。

タスク15   構成の仕様の確認とドメインの構成

「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。

「更新」をクリックします。

「ドメインの拡張」画面で、「完了」をクリックします。

タスク16   管理サーバーの起動

管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。

14.7 トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成

各管理対象サーバーでは、サーバーが調整およびコミットする、完了していない可能性のあるトランザクションに関する情報を格納するトランザクション・ログを使用します。Oracle WebLogic Serverは、システム・クラッシュやネットワーク障害のリカバリでこのトランザクション・ログを使用します。クラスタ内の管理対象サーバーに対してトランザクション・リカバリ・サービスの移行機能を活用するには、管理対象サーバーとそのバックアップ・サーバーからアクセス可能な場所にトランザクション・ログを格納します。

注意:

トランザクション・リカバリ・サービスの移行機能を有効にするには、クラスタにある他のサーバーで使用可能な永続記憶域ソリューションの場所を指定します。クラスタ内のすべての管理対象サーバーがこのディレクトリにアクセスできる必要があります。また、このディレクトリは、サーバーを再起動する前にも存在している必要があります。

お薦めする場所は、デュアル・ポートのSCSIディスクまたはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)です。記憶域エラーが発生した場合に確実に保護するには、記憶域レベルで適切な複製およびバックアップ・メカニズムを設定しておくことが重要です。

この情報は、ファイルベースのトランザクション・ログに適用されます。トランザクション・ログに対して、データベース・ベースの永続ストアを構成することもできます。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントでのTLOGおよびJMSに対するJDBC永続ストアの使用」を参照してください。

デフォルトの永続ストアの場所を設定する手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    ADMINVHN:7001/console
    
  2. 「チェンジ・センター」セクションで、「ロックして編集」をクリックします。

  3. クラスタ内の管理対象サーバーごとに、次を実行します。

    1. 「ドメイン構造」ウィンドウで、「環境」ノードを開いて「サーバー」ノードをクリックします。

      「サーバーのサマリー」ページが表示されます。

    2. 表の「名前」列で、サーバーの名前(ハイパーリンクとして表示)をクリックします。

      選択したサーバーの設定ページが開き、「構成」タブがデフォルトで表示されます。

    3. 「構成」タブで、「サービス」タブをクリックします。

    4. ページの「デフォルト・ストア」セクションに、デフォルトの永続ストアがデータファイルを格納するフォルダのパスを入力します。

      エンタープライズ・デプロイメントの場合は、ORACLE_RUNTIMEディレクトリの場所を使用します。このサブディレクトリは、クラスタのトランザクション・ログの中央の共有場所の役割を果します。詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。

      例:

      ORACLE_RUNTIME/domain_name/cluster_name/tlogs
      

      この例では、ORACLE_RUNTIMEを、ご使用の環境の変数値に置き換えます。domain_nameを、ドメインに割り当てた名前に置き換えます。cluster_nameを、先ほど作成したクラスタ名で置き換えます。

    5. 「保存」をクリックします。

  4. 「保存」をクリックして、「変更のアクティブ化」をクリックします。

  5. クラスタ内の他のサーバーで手順1から4を完了します。

注意:

構成手順の後半で、トランザクション・ログの場所と作成について検証します。

14.8 ドメイン・ディレクトリおよびマシンへの拡張済ドメインの伝播

OSBインスタンスを含めることでドメインを拡張し、SOAHOST1上の管理サーバーを再起動したら、そのドメイン変更をドメイン・ディレクトリおよびマシンに伝播する必要があります。

更新済ドメインをWEBHOST1およびWEBHOST2マシンに伝播する必要はありません。それらのホスト・コンピュータ上のOracle HTTP Serverインスタンスに対する変更はないためです。

詳細は、次の項を参照してください。

14.8.1 変更を他のドメイン・ディレクトリおよびマシンに伝播するために必要なタスクのサマリー

表14-4は、変更をすべてのドメイン・ディレクトリとマシンに伝播するために必要な手順をまとめたものです。

表14-4 ドメイン変更をドメイン・ディレクトリおよびマシンに伝播するために必要なタスクのサマリー

タスク 説明 詳細情報

SOAHOST1での拡張済ドメインの圧縮

Packコマンドを使用して、新しいOSBサーバー構成が含まれる新しいテンプレートJARファイルを作成します。

ドメインを圧縮する場合は、soadomaintemplateExtOSB.jarというテンプレートJARファイルを作成します。

SOAHOST1での拡張済ドメインの圧縮

SOAHOST1の管理対象サーバー・ディレクトリでのドメインの解凍

SOAHOST1のローカル記憶域上の管理対象サーバー・ディレクトリにテンプレートJARファイルを解凍します。

SOAHOST1の管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリでのドメインの解凍

SOAHOST2でのドメインの解凍

SOAHOST2のローカル記憶域上の管理対象サーバー・ディレクトリにテンプレートJARファイルを解凍します。

SOAHOST2でのドメインの解凍

14.8.2 WLS_OSB1管理対象サーバーの起動と検証

ドメインの拡張、管理サーバーの再起動、および他のホストへのドメインの伝播を完了したら、次の手順を使用して、WLS_OSB1サーバーを起動し、そのサーバーが正常に構成されていることを検証します。

14.8.2.1 WLS_OSB1管理対象サーバーの起動

  1. ブラウザに次のURLを入力し、Fusion Middleware Controlログイン画面を表示します。
    http://ADMINVHN:7001/em
    
  2. 管理サーバー資格証明を使用してFusion Middleware Controlにログインします。
  3. 「ターゲット・ナビゲーション」ペインで、ドメインを開き、ドメイン内の管理対象サーバーを表示します。
  4. WLS_OSB1管理対象サーバーのみを選択し、Oracle WebLogic Serverツールバーで「起動」をクリックします。

    注意:

    OSBサーバーは、ポリシー・アクセス・サービスに依存して機能します。これは、OSBサーバーが起動する前に、ドメイン内のWSM-PM管理対象サーバーが稼働していてアクセス可能になっている必要があることを意味します。

  5. 起動操作が完了したら、「ドメイン」ホーム・ページに移動し、WLS_OSB1管理対象サーバーが稼働中であることを確認します。

14.8.2.2 エンタープライズ・デプロイメント管理グループへのMiddlewareAdministratorsロールの追加

WLS_OSB1管理対象サーバーのOracle Service Bus構成を検証する前に、Oracle Service BusのMiddlewareAdministrators管理ロールをエンタープライズ・デプロイメント管理グループ(SOA Administrators)に追加して、外部LDAPディレクトリにIntegrationAdministratorsグループを追加します。

このタスクを実行するには、「Oracle SOA Suite製品の管理のためのロールの構成」を参照してください。

14.8.2.3 SOAインフラストラクチャへのログインによる管理対象サーバーの検証

MiddlewareAdministratorロールをSOA Administratorsグループに追加した後、次のようにWLS_OSB1管理対象サーバーのOracle Service Busソフトウェアの構成を検証できます。

  1. Webブラウザを使用して次のURLに移動します。
    http://SOAHOST1:8011/sbinspection.wsil
    

    SOAHOST1を、Enterprise Deployment Workbookに入力されているこの変数の値に置き換えます。詳細は、「エンタープライズ・トポロジで必要とされる物理IPアドレスと仮想IPアドレス」を参照してください。

  2. エンタープライズ・デプロイメント管理ユーザー(SOA Administrators)を使用してログインします。

    デフォルトのインストールでは、これにより、Webサービス・コールに対して次のHTTPレスポンスが返されます。

    <ins:inspection xmlns:ins="http://schemas.xmlsoap.org/ws/2001/10/inspection/"/>
    

14.8.3 WLS_OSB2管理対象サーバーの起動と検証

WLS_OSB2でも、前の項と同様の手順を実行します。

  1. 管理サーバー資格証明を使用してFusion Middleware Controlにログインします。
  2. 「ターゲット・ナビゲーション」ペインで、ドメインを開き、ドメイン内の管理対象サーバーを表示します。
  3. WLS_OSB2管理対象サーバーのみを選択し、Oracle WebLogic Serverツールバーで「起動」をクリックします。
  4. 起動操作が完了したら、「ドメイン」ホーム・ページに移動し、WLS_OSB2管理対象サーバーが稼働中であることを確認します。WLS_OSB2用の同等のURLにアクセスします。
    http://SOAHOST2:8011/sbinspection.wsil
    
  5. 次のURLにアクセスし、管理サーバーへのOracle Service Busコンソールのデプロイメントが適切であることを確認します。
    http://ADMINVHN:7001/servicebus/

14.8.4 トランザクション・ログの場所と作成の検証

WLS_OSB1およびWLS_OSB2管理対象サーバーが稼働したら、「トランザクション・リカバリ用デフォルト永続ストアの構成」で実行した手順に基づいて、トランザクション・ログ・ディレクトリとトランザクション・ログが想定どおりに作成されていることを確認します。

ORACLE_RUNTIME/domain_name/OSB_Cluster/tlogs
  • _WLS_WLS_OSB1000000.DAT

  • _WLS_WLS_OSB2000000.DAT

14.8.5 OSBシングルトン・サービスのターゲット指定が適切であるかどうかの確認

Oracle Service Busは、OSB_Cluster内のいずれか1つのWLSサーバー上でのみ稼働するシングルトン・サービスをいくつか使用します。

適切なターゲット指定が存在し、WLS_OSB1のみが次のアプリケーションのターゲットとなることを確認します。

  • Service Bus Domain Singleton Marker Application

そのためには、次の手順に従ってください。

  1. ブラウザで、次のURLにアクセスします。
    http://ADMINVHN:7001/console
    
  2. 管理者としてログインします。
  3. 左側にある「ドメイン構造」ツリーで、「デプロイメント」をクリックします。
  4. Service Bus Domain Singleton Marker Applicationを探します。表の「ターゲット」列にターゲットとしてWLS_OSB1のみが表示されていることを確認します。

14.9 拡張したドメイン用のWeb層の構成

次の項では、Web層のWebサーバー・インスタンスを構成して、拡張したドメイン内の適切なクラスタにパブリックURLと内部URLの両方に対するリクエストをルーティングする方法について説明します。

14.9.1 拡張したドメイン用のOracle Traffic Directorの構成

このドメインでOracle Traffic Directorを構成した場合、状況によっては、Oracle Traffic Director構成に別のオリジン・サーバー・プール、仮想サーバーまたはルートを追加する必要があります。各Oracle Fusion Middleware製品のOracle Traffic Directorの要件を理解するには、「オリジン・サーバーおよび仮想ホストのサマリー」を参照してください。

オリジン・サーバー・プール、仮想サーバーおよびルートを追加する手順は、「エンタープライズ・デプロイメント用のOracle Traffic Director仮想サーバーの定義」を参照してください。

14.9.2 Oracle Service Bus用のOracle HTTP Serverの構成

Oracle Service Busクラスタにリクエストを正しくルーティングするようにWeb層のOracle HTTP Serverインスタンスを構成するには、次の手順を使用して、soa.example.com仮想サーバーのパラメータを作成して定義するOracle HTTP Server構成ファイルを追加作成します。

この手順では、「管理およびOracle Web Services Manager用のOracle HTTP Serverの構成」で説明されているOracle HTTP Server構成タスクが実行済であることを想定しています。

注意:

HTTPプロキシ・サービスを構成する場合は、すべてのプロキシ・サービスのルーティングを容易にするためにプロキシ・サービスのコンテキスト・パスを共通名から始めることができます。例:

/osb/project-name/folder-name/proxy-service-name

パラメータを設定する手順は次のとおりです。

  1. WEBHOST1にログインし、ディレクトリを最初のOracle HTTP Serverインスタンス(ohs1)の構成ディレクトリに変更します。
    cd OHS_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs1/moduleconf
    
  2. 新しい構成ファイル(osb_vh.confという名前のファイル)を作成し、次の<VirtualHost>ディレクティブをそのファイルに追加します。
    <VirtualHost WEBHOST1:7777>
        ServerName https://osb.example.com:443
        ServerAdmin you@your.address
        RewriteEngine On
        RewriteOptions inherit
    </VirtualHost>
    
  3. <VirtualHost>タグ内に、次のディレクティブを追加します。
    <Location /sbinspection.wsil>
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
    <Location /sbresource>
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
    <Location /osb>
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
    <Location /alsb>
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    

    osb_vh.confファイルは、例14-1のように表示されます。

  4. 次のエントリをadmin_vh.confファイルの<VirtualHost>タグ内に追加します。
    <Location /sbconsole >
      WLSRequest ON
      WebLogicHost ADMINVHN
      WeblogicPort 7001
    </Location>
    
    <Location /servicebus>
      WLSRequest ON
      WebLogicHost ADMINVHN
      WeblogicPort 7001
    </Location>
    
    <Location /lwpfconsole >
      WLSRequest ON
      WebLogicHost ADMINVHN
      WeblogicPort 7001
    </Location>
    

    admin_vh.confファイルは、例14-2のように表示されます。

  5. WEBHOST2でosb_vh.confファイルおよびadmin_vh.confファイルを、2つ目のOracle HTTP Serverインスタンス(ohs2)の構成ディレクトリにコピーします。
    OHS_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs2/moduleconf
    
  6. osb_vh.confファイルを編集して、<VirtualHost>ディレクティブ内のWEBHOST1への参照をWEBHOST2への参照に変更します。
  7. WEBHOST1およびWEBHOST2でOracle HTTP Serverを再起動します。

例14-1 osb_vh.confファイル

<VirtualHost WEBHOST1:7777>
  ServerName https://osb.example.com:443
  ServerAdmin you@your.address
  RewriteEngine On
  RewriteOptions inherit

<Location /sbinspection.wsil >
  WLSRequest ON
  WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
  WLProxySSL ON
  WLProxySSLPassThrough ON
</Location>

<Location /sbresource >
  WLSRequest ON
  WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
  WLProxySSL ON
  WLProxySSLPassThrough ON
</Location>

<Location /osb >
  WLSRequest ON
  WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
  WLProxySSL ON
  WLProxySSLPassThrough ON
</Location>

<Location /alsb >
  WLSRequest ON
  WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
  WLProxySSL ON
  WLProxySSLPassThrough ON
</Location>

例14-2 admin_vh.confファイル

# The admin URLs should only be accessible via the admin virtual host 

<VirtualHost WEBHOST1:7777>
    ServerName admin.example.com:80
    ServerAdmin you@your.address
    RewriteEngine On
    RewriteOptions inherit

# Admin Server and EM
<Location /console>
    WLSRequest ON
    WebLogicHost ADMINVHN
    WeblogicPort 7001
</Location>

<Location /consolehelp>
    WLSRequest ON
    WebLogicHost ADMINVHN
    WeblogicPort 7001
</Location>

<Location /em>
    WLSRequest ON
    WebLogicHost ADMINVHN
    WeblogicPort 7001
</Location>

<Location /sbconsole >
    WLSRequest ON
    WebLogicHost ADMINVHN
    WeblogicPort 7001
</Location>

<Location /servicebus>
    WLSRequest ON
    WebLogicHost ADMINVHN
    WeblogicPort 7001
   </Location>
</VirtualHost>

<Location /lwpfconsole >
  WLSRequest ON
  WebLogicHost ADMINVHN
  WeblogicPort 7001
</Location>
</VirtualHost>

14.9.3 WebLogicプロキシ・プラグインの構成

OSBクラスタの「WebLogicプラグインの有効化」パラメータを設定します。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
  2. 「ドメイン構造」ペインで、「環境」ノードを開きます。
  3. 「クラスタ」をクリックします。
  4. Oracle HTTP Serverからのリクエストのプロキシ先とするOSB_Clusterクラスタを選択します。

    「構成: 一般」タブが表示されます。

  5. 「詳細」セクションまでスクロール・ダウンして、開きます。
  6. 「ロックして編集」をクリックします。
  7. 「WebLogicプラグインの有効化」を「はい」に設定します。
  8. 変更を保存してアクティブ化をクリックします。OSBサーバーを再起動して、変更を有効にします。

14.9.4 ロード・バランサを使用したOracle Service Bus URLの検証

Oracle Service Bus URLを検証して、ハードウェア・ロード・バランサからHTTP Serverインスタンスを経由してOracle Service Busコンポーネントに至るルーティングとフェイルオーバーが適切に機能することを確認します。

URLを検証する手順は次のとおりです。

  1. WLS_OSB1が稼動している状態で、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_OSB2を停止します。
  2. 次のURLにアクセスし、HTTPレスポンスが「WLS_OSB2管理対象サーバーの起動と検証」のとおりであることを確認します。
    https://osb.example.com/
    
  3. Oracle WebLogic Server管理コンソールでWLS_OSB2を起動します。
  4. Oracle WebLogic Server管理コンソールでWLS_OSB1を停止します。
  5. 同じURLにアクセスし、HTTPレスポンスが「WLS_OSB2管理対象サーバーの起動と検証」のとおりであることを確認します。

    注意:

    OSB_ClusterにフロントエンドURLが設定されているため、URLへのリクエストはLBRへの再ルーティングになりますが、どのようなケースでも、Oracle HTTP Server内のマウント・ポイントおよびフェイルオーバーの検証には十分です。

  6. ロード・バランサのアドレスを使用して、このURLを検証します。
    http://osb.example.com:443/sbinspection.wsil
    

    http://osb.example.com:80/servicebusも検証できます。

14.10 Oracle Service Busの構成後タスク

ドメインにOracle Service Busをインストールして構成した後、次のような構成後タスクを検討します。

14.10.1 Oracle DB、ファイルおよびFTPのアダプタの高可用性化

Oracle SOA SuiteとOracle Service Busは、同じデータベース、ファイルおよびFTP JCAアダプタを使用します。

Oracle SOA Suiteを構成する前にOracle リポジトリ作成ユーティリティを使用するときに、これらのアダプタに必要なデータベース・スキーマを作成します。データベース・アダプタの構成は、WebLogic Serverのリソース・レベルでは必要ありません。

その他のアダプタに必要な構成は、「OracleファイルとFTPアダプタの高可用性化」に記載されています。

SOAドメインの拡張としてOracle Service Busを構成する場合は、アダプタに対する構成はすでに行われているため構成に加える必要はありません。

Oracle Service BusをOracle Fusion Middleware Infrastructureドメインの拡張としてデプロイする(Oracle SOA Suiteを含まない)場合は、次の操作を実行する必要があります。

14.10.2 エンタープライズ・デプロイメント用の個別のOracle Service Busサービスの構成

IBM WebSphereのMQ接続リソースとMQトランスポートをOracle Service Bus内で使用するには、MQクライアント・ライブラリをクラスパスに追加する必要があります。

必要なMQライブラリをドメイン・ホーム・ディレクトリの次の場所にコピーするのも1つの方法です。

DOMAIN_HOME/lib

これは、カスタム・アサーションおよびJBoss統合サービスの場合にもあてはまります。

  • JBoss初期コンテキスト・ファクトリ・クラスを使用している場合は、クラスおよび依存クラスをDOMAIN_HOME/libディレクトリに含めてください。

  • 同様に、カスタム・アサーションの場合は、アサーションに必要なJARファイルを作成し、DOMAIN_HOME/libディレクトリにそのJARファイルを追加します。

さらに、エンタープライズ・デプロイメントでこれらのサービスを使用するには、必要なライブラリを管理サーバー・ドメイン・ホーム(ASERVER_HOME/lib)と管理対象サーバー・ドメイン・ホーム(MSERVER_HOME/lib)に追加する必要があります。

Oracle Service Busのサービスの構成およびデプロイの詳細は、『Oracle Service Busでのサービスの開発』を参照してください。

14.10.3 Oracle Service Busサーバーとハードウェア・ロード・バランサ間のSSL通信の有効化

Oracle Service Busを含めてドメインを拡張した後、管理サーバーと管理対象サーバーがハードウェア・ロード・バランサのフロントエンドのSSL URLにアクセスできることを確認する必要もあります。

これにより、Oracle Service BusのWebサービスとその他のサービスが、フロントエンドのセキュアURLとのコールバックやその他の通信を起動できるようになります。

詳細は、「中間層とハードウェア・ロード・バランサ間のSSL通信の有効化」を参照してください。

14.10.4 Oracle Service Bus構成のバックアップ

Oracleのベスト・プラクティスとしては、ドメインの拡張が正常に完了した後や別の論理ポイントでバックアップを作成することをお薦めします。インストールが正常に行われたことを確認したら、バックアップを作成します。これは、後の手順で問題が発生した場合に即座にリストアするための迅速なバックアップになります。

バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了すると、このバックアップは破棄できます。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了したら、バックアップとリカバリの通常のデプロイメント固有プロセスを開始できます。

構成をバックアップする方法の詳細は、「SOAエンタープライズ・デプロイメントにおけるバックアップとリカバリの実行」を参照してください。

14.11 Oracle Service Busに対する自動サービス移行およびJDBC永続ストアの有効化

Oracle Service Busが高可用性を実現するように構成するには、フェイルオーバーおよびゼロ・データ損失を実現する自動サービス移行でOracle Service Bus管理対象サーバーを構成します。

サーバー移行の有効化の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントでの自動サービス移行の構成」を参照してください。

可用性を高めるために、データベース内にトランザクション・ログ・ストアとJMSストアを構成することもできます。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントでのTLOGおよびJMSに対するJDBC永続ストアの使用」を参照してください。