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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
12c (12.2.1.1)
E77231-01
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16 Oracle Enterprise Schedulerを含めるドメインの拡張

次の各項では、Oracle Enterprise Schedulerソフトウェアを含めることでエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを拡張する方法について説明します。

16.1 この章で使用される変数

この章のタスクを実行する際、この項にリストするディレクトリ変数を使用します。

いくつかのディレクトリ変数の値については、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」に定義されています。

  • ORACLE_HOME

  • ASERVER_HOME

  • MSERVER_HOME

  • OHS_DOMAIN_HOME

さらに、「エンタープライズ・トポロジによって必要とされる物理および仮想IPアドレス」で定義されている次の仮想IP (VIP)アドレスを参照することになります。

  • ADMINVHN

この章のアクションは、次のホスト・コンピュータで実行します。

  • SOAHOST1

  • SOAHOST2

  • WEBHOST1

  • WEBHOST2

16.2 SOAドメインへのOracle Enterprise Schedulerの追加の概要

この項では、SOAドメインへのOracle Enterprise Schedulerの追加について概説します。

表16-1は、Oracle Enterprise Schedulerを追加するためのSOAドメイン拡張の大まかな手順と説明を示しています。

表16-1 Oracle Enterprise Schedulerを追加するためのSOAドメインの拡張手順

手順 説明 詳細情報

ESS用のデータベース・スキーマの作成

RCU画面に移動し、データベース・スキーマを作成します。

ESS用のデータベース・スキーマの作成

ドメイン拡張のための構成ウィザードの実行

Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントを追加するために、SOA/OSBドメイン拡張します。

Oracle Enterprise Schedulerを追加するためのSOAドメインの拡張

トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成

クラスタ内のサーバーでトランザクション回復サービスの移行機能を活用するには、サーバーとそのバックアップ・サーバーからアクセス可能な場所にトランザクション・ログを格納します。

トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成

SOAHOST1の管理対象サーバー・ディレクトリ、さらにはSOAHOST2へのドメイン構成の伝播

Oracle Enterprise Schedulerは、WebLogic Server起動スクリプトに対するいくつかの更新を必要とします。これらの変更は、packコマンドとunpackコマンドを使用して伝播させます。

ドメイン・ディレクトリおよびマシンへの拡張済ドメインの伝播

Oracle Enterprise Schedulerサーバーの起動

Oracle Enterprise Schedulerサーバーは、既存のドメインを拡張します。そのため、管理サーバーおよびそれぞれのノード・マネージャはSOAHOST1およびSOAHOST2で稼働しています。

WLS_ESS1管理対象サーバーの起動

WLS_ESS管理対象サーバーの検証

管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認し、URLにアクセスしてサーバーのステータスを確認します。

WLS_ESS2管理対象サーバーの起動と検証

WLS_ESSn管理対象サーバーに対するOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP ServerがOracle Enterprise Schedulerコンソールおよびサービスにルーティングできるようにするには、WebLogicClusterパラメータを、クラスタ内のノードのリストに設定します。

WLS_ESS管理対象サーバーに対するOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証

サーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。

ハードウェア・ロード・バランサを介したOracle Enterprise Schedulerへのアクセスの検証

Oracle Enterprise Schedulerのバックアップ

この後の手順でエラーが発生した場合の即座のリストアを目的として、ドメイン構成をバックアップします。

Oracle Enterprise Scheduler構成のバックアップ

16.3 ESS用のデータベース・スキーマの作成

Oracle ESSサーバーを構成する前に、このリリースのOracle Fusion Middlewareで使用する動作保証されたデータベースに必要なスキーマをインストールする必要があります。

次の各項の手順に従ってスキーマをインストールします。

16.3.1 リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の起動

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を起動するには:

  1. 対象のシステムで、ORACLE_HOME/oracle_common/binディレクトリに移動します。
  2. 対象のシステムで、JAVA_HOME環境変数に、動作保証されたJDKの場所が設定されていることを確認します。この場所は、binディレクトリより上の階層にする必要があります。たとえば、JDKが/u01/oracle/products/jdkに存在する場合は、次のようになります。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    export JAVA_HOME=/u01/oracle/products/jdk
  3. RCUを起動します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    ./rcu

16.3.2 エンタープライズ・スケジューラ・スキーマを作成するためのRCU画面のナビゲート

スキーマ作成に必要なタスクは、次のとおりです。

タスク1   RCUの導入

「次へ」をクリックします。

タスク2   スキーマ作成の方法の選択

データベースでDBAアクティビティを実行するために必要な権限を持っている場合は、「システム・ロードおよび製品ロードの同時実行」を選択します。この手順は、必要な権限が付与されていることを前提としています。

データベースに対するDBAアクティビティの実行に必要なパーミッションまたは権限が付与されていない場合は、この画面で、「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択する必要があります。これによってSQLスクリプトが生成され、これをデータベース管理者が利用できます。『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』でシステム・ロードと製品ロードの理解に関する項を参照してください。

タスク3   データベース接続の詳細の指定

RCUがデータベースに接続できるようにするために、データベース接続の詳細を指定します。「ホスト名」に、ご使用のRAC DBのSCANアドレスを入力します。

「次へ」をクリックして続行し、データベースへの接続が成功したことを通知するダイアログ・ウィンドウで「OK」をクリックします。

タスク4   カスタム接頭辞の指定とスキーマの選択

「既存の接頭辞の選択」を選択して、元のドメイン作成スキーマで使用した接頭辞を指定します。

Oracle AS共通スキーマを開き、コンポーネント・リストで「Oracle Enterprise Scheduler」を選択します。

カスタム接頭辞は、これらのスキーマを論理的にグループ化して、このドメイン内でのみ使用することを目的としています。複数のドメイン間でのスキーマの共有はサポートされていないため、ドメインごとに固有のスキーマのセットを作成する必要があります。

ヒント:

カスタム接頭辞の詳細は、『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』のカスタム接頭辞の理解に関する項を参照してください。

マルチドメイン環境のスキーマを編成する方法の詳細は、『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』のスキーマの作成計画に関する項を参照してください。

ヒント:

ここに入力するカスタム接頭辞は、メモしておく必要があります。このカスタム接頭辞は、後述するドメイン作成のプロセスで必要になります。

「次へ」をクリックして先に進み、スキーマ作成の前提条件チェックが成功したことを確認するダイアログ・ウィンドウの「OK」をクリックします。

タスク5   スキーマのパスワードの指定

スキーマのパスワードをデータベースに設定する方法を指定してから、パスワードの指定と確認を行います。

ヒント:

この画面で設定するパスワードは、メモしておく必要があります。このパスワードは、後述するドメイン作成のプロセスで必要になります。

タスク6   カスタム変数の指定

デフォルトおよび一時表領域の選択で「次へ」をクリックし(デフォルトを受け入れ)、作成する表領域に関する警告を表示する「確認」ポップアップ・ウィンドウをクリックします。

タスク7   スキーマ作成の完了

RCU画面の残りの部分を先に進めて、スキーマ作成を完了します。「完了サマリー」画面が表示されたら、「閉じる」をクリックしてRCUを終了します。

16.4 Oracle Enterprise Schedulerを追加するためのSOAドメインの拡張

この項では、Oracle Enterprise Schedulerを含める既存のエンタープライズ・デプロイメントのSOAドメインの拡張手順について説明します。

ドメインを拡張するには、次のタスクを実行する必要があります。

16.4.1 構成ウィザードの起動

注意:

ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverrides.shという名前のファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のjavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うように構成できます。このファイルに追加したカスタマイズは、ドメインのアップグレード操作時に保持され、packコマンドとunpackコマンドの使用時にリモート・サーバーに継承されます。

ドメインの構成を開始するには:

  1. ドメインの構成中に、構成のロック、保存、アクティブ化が行われないように、管理サーバーを停止します。

    詳細は、「SOAHOST1での構成ウィザードの起動」でノード・マネージャを使用して管理サーバーを停止する手順を参照してください。

  2. 次のディレクトリに移動し、WebLogic Server構成ウィザードを起動します。
    ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    ./config.sh

16.4.2 Oracle Enterprise Schedulerを含めるドメイン拡張を行うための構成ウィザード画面への移動

この手順では、「Oracle SOA Suiteを含めるドメインの拡張」で作成したドメインを拡張して、Oracle Enterprise Schedulerコンポーネントを含めます。

この項の手順は、Oracle Fusion Middleware Infrastructureドメインを直接拡張するために必要な手順とほぼ同じになりますが、画面に表示される一部のオプション、ライブラリ、コンポーネントは異なります。

ドメインを作成して構成するためのタスクは次のとおりです。

タスク1   ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。

「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数の値を選択します。これは、「エンタープライズ・デプロイメント用の初期インフラストラクチャ・ドメインの作成」で作成した管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。

ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください

ヒント:

この画面に示されるその他のオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「構成タイプ」に関する項を参照してください。

タスク2   構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。

Oracle Enterprise Scheduler Service Basic - 12.2.1.1.0 [oracle_common]

Oracle Enterprise Manager Plugin for ESS - 12.2.1.1.0 [em]

「次へ」をクリックします。

タスク3   データ・ソース構成タイプの指定

注意:

拡張前に作成されたカスタム・データソース(リース・データソースなど)は、この画面の前に表示されます。「データソース」行を確認し、「次へ」をクリックします。テスト・データソース画面で、その妥当性が確認されます。「次へ」をクリックします。

Infrastructureドメインに必要なFusion Middlewareスキーマを参照するためのドメインをすでに構成済であるため、すべてのフィールドが事前移入されています。すべてのフィールドにおける資格証明が、Oracle Fusion Middleware Infrastructureの構成中に指定したものと同じであることを確認します。

データベース接続情報の確認が完了した後で、「RCU構成の取得」をクリックします。「接続結果ログ」の次の出力は、操作が成功したことを示しています。

Connecting to the database server...OK
Retrieving schema data from database server...OK
Binding local schema components with retrieved data...OK
Successfully Done.

ヒント:

RCUデータのオプションの詳細は、『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』のサービス表スキーマの理解に関する項を参照してください。

この画面のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のデータ・ソース・デフォルトに関する項を参照してください。

タスク4   JDBCコンポーネント・スキーマ情報の指定

ESSスキーマおよびESS MDSスキーマを選択します。

スキーマを選択すると、ページ上のフィールドがアクティブ化され、データベース接続フィールドに自動的に値が移入されます。

「GridLinkへ変換」をクリックし、「次へ」をクリックします。

タスク5   GridLink Oracle RACデータベース接続の詳細情報の指定
タスク6   拡張構成の選択

拡張構成の選択画面で、次を選択します。

管理対象サーバー、クラスタおよびCoherence

「次へ」をクリックします。

タスク7   管理対象サーバーの構成

「管理対象サーバー」画面で、エンタープライズ・スケジューラに必要な管理対象サーバーを追加します。

  • 自動的に作成されたサーバーを選択し、「名前の変更」をクリックして、名前をWLS_ESS1に変更します。

  • 「追加」をクリックして別の新規サーバーを追加し、サーバー名としてWLS_ESS2と入力します。

  • WLS_ESS1およびWLS_ESS2サーバーに、表16-2内の属性を指定します。

「次へ」をクリックします。

表16-2 管理対象サーバー

名前 リスニング・アドレス リスニング・ポート SSLリスニング・ポート SSL有効 サーバー・グループ

WLS_SOA1

SOAHOST1

8001

n/a

いいえ

SOA-MGD-SVRS-ONLY

WLS_SOA2

SOAHOST2

8001

n/a

いいえ

SOA-MGD-SVRS-ONLY

WLS_WSM1

SOAHOST1

7010

n/a

いいえ

JRF-MAN-SVR

WSMPM-MAN-SVR

WSM-CACHE-SVR

WLS_WSM2

SOAHOST2

7010

n/a

いいえ

JRF-MAN-SVR

WSMPM-MAN-SVR

WSM-CACHE-SVR

WLS_OSB1

SOAHOST1

8011

n/a

いいえ

OSB-MGD-SVRS-ONLY

WLS_OSB2

SOAHOST2

8011

n/a

いいえ

OSB-MGD-SVRS-ONLY

WLS_ESS1

SOAHOST1

8021

n/a

いいえ

ESS-MGD-SVRS

WLS_ESS2

SOAHOST2

8021

n/a

いいえ

ESS-MGD-SVRS

Oracle SOA Suiteが構成されているドメインを拡張する場合にかぎり、WLS_SOA管理対象サーバーが表示されます。

Oracle Service Busが構成されているドメインを拡張する場合にかぎり、WLS_OSB管理対象サーバーが表示されます。

タスク8   クラスタの構成

「クラスタの構成」画面で、次の表に示される各プロパティの値を使用して、エンタープライズ・スケジューラ・クラスタを追加します。

「次へ」をクリックします。

名前 クラスタ・アドレス フロントエンド・ホストADMIN.mycompany.com フロントエンドHTTPポート フロントエンドHTTPS

SOA_Cluster

空白のままにします。

soa.example.com

80

443

WSM-PM_Cluster

空白のままにします

空白のままにします

空白のままにします

空白のままにします

OSB_Cluster

空白のままにします

osb.example.com

80

443

ESS_Cluster

空白のままにします

soa.example.com

80

443

Oracle SOA Suiteが構成されているドメインを拡張する場合にかぎり、SOA_Clusterクラスタが表示されます。

Oracle Service Busが構成されているドメインを拡張する場合にかぎり、OSB_Clusterクラスタが表示されます。

タスク9   クラスタへの管理対象サーバーの割当て

「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次のようにサーバーをクラスタに割り当てます。

  • SOA_Cluster - SOAドメインを拡張する場合

    • WLS_SOA1

    • WLS_SOA2

  • WSM-PM_Cluster:

    • WLS_WSM1

    • WLS_WSM2

  • OSB_Cluster - OSBドメインを拡張する場合:

    • WLS_OSB1

    • WLS_OSB2

  • ESS_Cluster:

    • WLS_ESS1

    • WLS_ESS2

「次へ」をクリックします。

タスク10   Coherenceクラスタの構成

「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。ポート番号値は、初期Infrastructureドメインの作成中に定義されているため、9991のままにします。

タスク11 既存のマシンの検証

「Unixマシン」タブで、次のエントリが表示されることを確認します。

名前 ノード・マネージャのリスニング・アドレス

SOAHOST1

SOAHOST1

SOAHOST2

SOAHOST2

ADMINHOST

ADMINVHN

その他のすべてのフィールドはデフォルト値のままにします。

「次へ」をクリックします。

タスク12   マシンへのサーバーの割当て

「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。

  • ADMINHOST:

    • AdminServer

  • SOAHOST1

    • WLS_SOA1 (SOAドメインを拡張する場合)

    • WLS_WSM1

    • WLS_OSB1 (OSBドメインを拡張する場合)

    • WLS_ESS1

  • SOAHOST2

    • WLS_SOA2 (SOAドメインを拡張する場合)

    • WLS_WSM2

    • WLS_OSB2 (OSBドメインを拡張する場合)

    • WLS_ESS2

「次へ」をクリックします。

タスク13   構成の仕様の確認とドメインの構成

「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。

「更新」をクリックします。

「ドメインの拡張」画面で、「完了」をクリックします。

タスク14   管理サーバーの起動

管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。

16.5 トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成

各管理対象サーバーでは、サーバーが調整およびコミットする、完了していない可能性のあるトランザクションに関する情報を格納するトランザクション・ログを使用します。Oracle WebLogic Serverは、システム・クラッシュやネットワーク障害のリカバリでこのトランザクション・ログを使用します。クラスタ内の管理対象サーバーに対してトランザクション・リカバリ・サービスの移行機能を活用するには、管理対象サーバーとそのバックアップ・サーバーからアクセス可能な場所にトランザクション・ログを格納します。

注意:

トランザクション・リカバリ・サービスの移行機能を有効にするには、クラスタにある他のサーバーで使用可能な永続記憶域ソリューションの場所を指定します。クラスタ内のすべての管理対象サーバーがこのディレクトリにアクセスできる必要があります。また、このディレクトリは、サーバーを再起動する前にも存在している必要があります。

お薦めする場所は、デュアル・ポートのSCSIディスクまたはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)です。記憶域エラーが発生した場合に確実に保護するには、記憶域レベルで適切な複製およびバックアップ・メカニズムを設定しておくことが重要です。

この情報は、ファイルベースのトランザクション・ログに適用されます。トランザクション・ログに対して、データベース・ベースの永続ストアを構成することもできます。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントでのTLOGおよびJMSに対するJDBC永続ストアの使用」を参照してください。

デフォルトの永続ストアの場所を設定する手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

    ADMINVHN:7001/console
    
  2. 「チェンジ・センター」セクションで、「ロックして編集」をクリックします。

  3. クラスタ内の管理対象サーバーごとに、次を実行します。

    1. 「ドメイン構造」ウィンドウで、「環境」ノードを開いて「サーバー」ノードをクリックします。

      「サーバーのサマリー」ページが表示されます。

    2. 表の「名前」列で、サーバーの名前(ハイパーリンクとして表示)をクリックします。

      選択したサーバーの設定ページが開き、「構成」タブがデフォルトで表示されます。

    3. 「構成」タブで、「サービス」タブをクリックします。

    4. ページの「デフォルト・ストア」セクションに、デフォルトの永続ストアがデータファイルを格納するフォルダのパスを入力します。

      エンタープライズ・デプロイメントの場合は、ORACLE_RUNTIMEディレクトリの場所を使用します。このサブディレクトリは、クラスタのトランザクション・ログの中央の共有場所の役割を果します。詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。

      例:

      ORACLE_RUNTIME/domain_name/cluster_name/tlogs
      

      この例では、ORACLE_RUNTIMEを、ご使用の環境の変数値に置き換えます。domain_nameを、ドメインに割り当てた名前に置き換えます。cluster_nameを、先ほど作成したクラスタ名で置き換えます。

    5. 「保存」をクリックします。

  4. 「保存」をクリックして、「変更のアクティブ化」をクリックします。

  5. クラスタ内の他のサーバーで手順1から4を完了します。

注意:

構成手順の後半で、トランザクション・ログの場所と作成について検証します。

16.6 ドメイン・ディレクトリおよびマシンへの拡張済ドメインの伝播

ESSインスタンスを含めることでドメインを拡張し、SOAHOST1上の管理サーバーを再起動したら、そのドメイン変更をドメイン・ディレクトリおよびマシンに伝播する必要があります。

次の表は、変更をすべてのドメイン・ディレクトリとマシンに伝播するために必要な手順をまとめたものです。

タスク 説明 詳細情報

SOAHOST1での拡張済ドメインの圧縮

Packコマンドを使用して、新しいESSサーバー構成が含まれる新しいテンプレートJARファイルを作成します。

ドメインを圧縮する場合は、soadomaintemplateExtESS.jarというテンプレートJARファイルを作成します。

SOAHOST1での拡張済ドメインの圧縮

SOAHOST1の管理対象サーバー・ディレクトリでのドメインの解凍

SOAHOST1のローカル記憶域上の管理対象サーバー・ディレクトリにテンプレートJARファイルを解凍します。

SOAHOST1の管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリでのドメインの解凍

SOAHOST2でのドメインの解凍

SOAHOST2のローカル記憶域上の管理対象サーバー・ディレクトリにテンプレートJARファイルを解凍します。

SOAHOST2でのドメインの解凍

16.7 SOA管理者グループへのESSAdminロールの追加

WLS_ESS1管理対象サーバーのOracle Enterprise Scheduler構成を検証する前に、ESSAdminロールをエンタープライズ・デプロイメントの管理グループ(SOA Administrators)に追加します。

このタスクを実行するには、「Oracle SOA Suite製品の管理のためのロールの構成」を参照してください。

16.8 WLS_ESS1管理対象サーバーの起動

これでドメインの拡張、管理サーバーの再起動、およびドメインの他のホストへの伝播を完了したので、新しく構成したESSサーバーを起動できます。

  1. ブラウザに次のURLを入力し、Fusion Middleware Controlログイン画面を表示します。
    http://ADMINVHN:7001/em
    

    この例では、次のようになります。

  2. 管理サーバー資格証明を使用してFusion Middleware Controlにログインします。
  3. 「ターゲット・ナビゲーション」ペインで、ドメインを開き、ドメイン内の管理対象サーバーを表示します。

    図16-1 WLS_ESS1管理対象サーバー

    図16-1の説明が続きます
    「図16-1 WLS_ESS1管理対象サーバー」の説明
  4. WLS_ESS1管理対象サーバーのみを選択し、Oracle WebLogic Serverツールバーで「起動」をクリックします。

    注意:

    SOAサーバーは、ポリシー・アクセス・サービスに依存して機能します。つまり、SOAサーバーが起動される前に、ドメイン内のWSM-PMサーバーがアクセス可能な状態になっている必要があります。

  5. 起動操作が完了したら、「ドメイン」ホーム・ページに移動し、WLS_ESS1管理対象サーバーが稼働中であることを確認します。
  6. ESSソフトウェアが構成されていることを検証するには、ブラウザに次のURLを入力します。
    http://SOAHOST1:8021/EssHealthCheck
    

    デフォルトのインストールでは、次の図に示すように、これはHTTPレスポンスです。

    ヘルス・チェック・ボタンをクリックし、welogic_soa管理資格証明を使用してログインします。

    次の図に示すように、返信で、Oracle Enterprise Schedule (ESS)が稼働中であることが報告されます。

16.9 WLS_ESS2管理対象サーバーの起動と検証

この項の手順に従って、WLS_ESS2管理対象サーバーを起動および検証します。

WLS_ESS2でも、前の項と同様の手順を実行します。

  1. 管理サーバー資格証明を使用してFusion Middleware Controlにログインします。
  2. 「ターゲット・ナビゲーション」ペインで、ドメインを開き、ドメイン内の管理対象サーバーを表示します。
  3. WLS_ESS2管理対象サーバーのみを選択し、Oracle WebLogic Serverツールバーで「起動」をクリックします。
  4. 起動操作が完了したら、「ドメイン」ホーム・ページに移動し、WLS_ESS2管理対象サーバーが稼働中であることを確認し、次のようにWLS_ESS2用の同等のURLにアクセスします。
    http://SOAHOST2:8021/EssHealthCheck
    

    ヘルス・チェック・ボタンをクリックし、welogic_soa管理資格証明を使用してログインします。

    図16-*に示すように、返信で、Oracle Enterprise Schedulerが稼働中であることが報告されます。

16.10 トランザクション・ログの場所と作成の検証

WLS_ESS1およびWLS_ESS2が起動して稼働したら、トランザクション・ログ・ディレクトリを確認し、トランザクション・ログが予期したように作成されたことを確認します。

「トランザクション・リカバリ用のデフォルト永続ストアの構成」で実行した手順に基づいて、次のコマンドを実行し、確認します。

ORACLE_RUNTIME/domain_name/ESS_Cluster/tlogs
  • _WLS_WLS_ESS1000000.DAT

  • _WLS_WLS_ESS2000000.DAT

16.11 拡張したドメイン用のWeb層の構成

次の項では、Web層のWebサーバー・インスタンスを構成して、拡張したドメイン内の適切なクラスタにパブリックURLと内部URLの両方に対するリクエストをルーティングする方法について説明します。

16.11.1 拡張したドメイン用のOracle Traffic Directorの構成

このドメインでOracle Traffic Directorを構成した場合、状況によっては、Oracle Traffic Director構成に別のオリジン・サーバー・プール、仮想サーバーまたはルートを追加する必要があります。各Oracle Fusion Middleware製品のOracle Traffic Directorの要件を理解するには、「オリジン・サーバーおよび仮想ホストのサマリー」を参照してください。

オリジン・サーバー・プール、仮想サーバーおよびルートを追加する手順は、「エンタープライズ・デプロイメント用のOracle Traffic Director仮想サーバーの定義」を参照してください。

16.11.2 WLS_ESS管理対象サーバーに対するOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルに対して次の変更を行い、Web層のOracle HTTP Serverインスタンスが、SOAHOST1およびSOAHOST2上のWLS_ESS管理対象サーバーにOracle Enterprise Schedulerのリクエストを正しくルーティングできるようにします。

Oracle HTTP Serverが、アプリケーション層にOracle Enterprise Schedulerのリクエストをルーティングできるようにするには:

  1. SOAHOST1にログインし、ディレクトリを最初のOracle HTTP Serverインスタンス(ohs1)の構成ディレクトリに変更します。
    cd OHS_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs1/moduleconf
    
  2. 次のディレクティブを、soa_vh.confファイルの<VirtualHost>タグ内に追加します。
    <Location /ess >
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:8021,SOAHOST2:8021
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
    <Location /EssHealthCheck >
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:8021,SOAHOST2:8021
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
    <Location /ess-async >
        WLSRequest ON
        WebLogicCluster SOAHOST1:8021,SOAHOST2:8022
        WLProxySSL ON
        WLProxySSLPassThrough ON  
    </Location>
    
    <Location /ess-wsjob >
        WLSRequest ON
        WebLogicCluster SOAHOST1:8021,SOAHOST2:8022
        WLProxySSL ON
        WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
    
  3. ディレクトリを次の場所に変更して、2番目のOracle HTTP Serverインスタンス(ohs2)の構成ファイルを更新できるようにします。
    cd OHS_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs2/moduleconf
    
  4. soa_vh.confファイルを開き、<VirualHost>タグにOracle Business Process Managementディレクティブを追加します。
  5. WEBHOST1およびWEBHOST2でOracle HTTP Serverを再起動します。

16.11.3 WebLogicプロキシ・プラグインの構成

ESSクラスタの「WebLogicプラグインの有効化」パラメータを設定します。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。
  2. 「ドメイン構造」ペインで、「環境」ノードを開きます。
  3. 「クラスタ」をクリックします。
  4. Oracle HTTP Serverからのリクエストをプロキシ設定する、ESS_Clusterクラスタを選択します。

    「構成: 一般」タブが表示されます。

  5. 「詳細」セクションまでスクロール・ダウンして、開きます。
  6. 「ロックして編集」をクリックします。
  7. 「WebLogicプラグインの有効化」を「はい」に設定します。
  8. 変更を保存してアクティブ化をクリックします。
  9. ESSサーバーを再起動して、変更内容を有効にします。

16.12 ハードウェア・ロード・バランサを介したOracle Enterprise Schedulerへのアクセスの検証

URLを検証して、HTTP ServerからOracle ESSコンポーネントへのルーティングとフェイルオーバーが適切に機能することを確認します。

ロード・バランサを介したシステム・アクセスの構成の詳細は、第3.3項「ロード・バランサの構成」を参照してください。

URLを検証する手順は次のとおりです。

  1. WLS_ESS1が稼動している状態で、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してWLS_ESS2を停止します。
  2. 「WLS_ESS2管理対象サーバーの起動と検証」で示すように、Webブラウザから次のURLにアクセスして、HTTPレスポンスを確認します。
    https://soa.example.com/EssHealthCheck
    
  3. Oracle WebLogic Server管理コンソールでWLS_ESS2を起動します。
  4. Oracle WebLogic Server管理コンソールでWLS_ESS1を停止します。
  5. ロード・バランサのアドレスを使用して、これらのURLを検証します。
    https://soa.example.com:443/EssHealthCheck
    https://soa.example.com/ess

16.13 Oracle Enterprise Scheduler構成のバックアップ

Oracleのベスト・プラクティスとしては、ドメインの拡張が正常に完了した後や別の論理ポイントでバックアップを作成することをお薦めします。インストールが正常に行われたことを確認したら、バックアップを作成します。これは、後の手順で問題が発生した場合に即座にリストアするための迅速なバックアップになります。

バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了すると、このバックアップは破棄できます。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了したら、バックアップとリカバリの通常のデプロイメント固有プロセスを開始できます。

構成をバックアップする方法の詳細は、「SOAエンタープライズ・デプロイメントにおけるバックアップとリカバリの実行」を参照してください。