40 SQL*Plusを使用したアプリケーション・コンテナおよびシードの作成と削除

アプリケーション・コンテナとアプリケーション・シードは、CDBシードの使用、既存のPDBまたは非CDBのクローニング、切断されたPDBの接続など、複数の方法で作成できます。アプリケーション・コンテナをCDBから削除したり、アプリケーション・コンテナからアプリケーション・シードを削除することもできます。

40.1 SQL*Plusを使用したアプリケーション・コンテナの作成と削除

アプリケーション・コンテナは、CDBシードの使用、既存のPDBまたは非CDBのクローニング、切断されたPDBの接続など、複数の方法で作成できます。アプリケーション・コンテナをCDBから削除することもできます。

40.1.1 アプリケーション・コンテナの作成

CREATE PLUGGABLE DATABASE文を使用して、CDB内にアプリケーション・コンテナを作成できます。

40.1.1.1 アプリケーション・コンテナの作成について

AS APPLICATION CONTAINER句をCREATE PLUGGABLE DATABASE文に含めた場合、文では新規アプリケーション・コンテナが作成されます。

アプリケーション・コンテナは、アプリケーション・ルートおよび1つ以上のアプリケーションのデータを格納するアプリケーションPDBのコレクションから構成されます。アプリケーションPDBはアプリケーション・ルートに接続され、オプションで新規アプリケーションPDBを素早く簡単に作成するためにアプリケーション・シードを作成できます。アプリケーションPDBとアプリケーション・ルートはアプリケーション共通オブジェクトを共有できます。

アプリケーション共通オブジェクトには3つのタイプがあります。

  • メタデータリンク・アプリケーション共通オブジェクトは、表などの特定のオブジェクトのメタデータを格納するため、アプリケーション共通オブジェクトを共有するコンテナは同じ構造を持ちますが、データは異なります。

  • データリンク・アプリケーション共通オブジェクトはアプリケーション・ルートで一度定義され、ホストされるアプリケーションPDBのコンテキストで読取り専用オブジェクトとして共有されます。

  • 拡張データリンク・アプリケーション共通オブジェクトは、共有データをアプリケーション・ルートに格納しますが、アプリケーションPDBがそのオブジェクトに追加してデータを格納することも許可します。追加されるデータは、各アプリケーションPDBに固有のローカル・データです。

アプリケーション・コンテナは、CREATE PLUGGABLE DATABASE文にAS APPLICATION CONTAINER句を含めることで作成します。アプリケーション・コンテナを作成する次の手法を使用できます。

  • CDBシードの使用

  • 既存のPDBまたは非CDBのクローニング

  • PDBの再配置

  • 切断されたPDBの接続

現在のコンテナがCDBルートで、AS APPLICATION CONTAINER句がCREATE PLUGGABLE DATABASE文に含まれている場合は、アプリケーション・コンテナが作成されます。

注意:

いずれかのアプリケーションPDBがアプリケーション・コンテナに属する場合、そのアプリケーション・コンテナはアップグレードまたは削除できません。

アプリケーション・コンテナへの既存のアプリケーションの移行

既存のPDBを使用してアプリケーション・コンテナを作成して、アプリケーションをアプリケーション・コンテナに移行できます。既存のアプリケーションをアプリケーション・コンテナに移行している場合、追加タスクを実行する必要があります。接続されるPDBは、データを含むアプリケーションのデータベース・オブジェクトを含む必要があります。DBMS_PDBパッケージのプロシージャを実行して、データベース・オブジェクトをアプリケーションに関連付ける必要があります。また、アプリケーションの共通ユーザー、ロールまたはプロファイルがアプリケーション・ルートに存在する場合、DBMS_PDBパッケージのプロシージャを実行して、アプリケーションに関連付ける必要があります。

アプリケーションをアプリケーション・コンテナに移行した後、アプリケーション・コンテナにアプリケーションPDBを作成できます。既存のPDBを使用して、アプリケーションPDBを作成できます。

40.1.1.2 アプリケーション・コンテナの準備

アプリケーション・コンテナを作成する前に、前提条件を満たす必要があります。

  • CDBが存在していることが必要です。

    「CDBの作成および構成」を参照してください。

  • CDBは、読取り/書込みモードである必要があります。

  • 現在のユーザーは、現在のコンテナがCDBルートである共通ユーザーである必要があります。

  • 現行ユーザーにはCREATE PLUGGABLE DATABASEシステム権限が必要です。

  • 各アプリケーション・コンテナに対して一意のアプリケーション・コンテナ名を決定する必要があります。各アプリケーション・コンテナ名は、単一CDB内のすべてのコンテナに関して一意である必要があり、各アプリケーション・コンテナ名はインスタンスが特定のリスナーを通じてアクセスされるすべてのCDBのスコープ内で一意である必要があります。

    アプリケーション・コンテナ名は、アプリケーション・コンテナをCDB内の他のコンテナから区別するために使用されます。アプリケーション・コンテナ名のルールは、大文字と小文字が区別されないなど、サービス名のルールと同じです。サービス名のルールの詳細は、『Oracle Database Net Servicesリファレンス』を参照してください。

  • 物理スタンバイ・データベースがあるOracle Data Guard構成でアプリケーション・コンテナを作成している場合は、アプリケーション・コンテナを作成する前に追加タスクを完了する必要があります。詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

  • PDBを使用して既存のアプリケーションをアプリケーション・コンテナに移行している場合、PDBをアプリケーション・ルートにクローニングするか、PDBをアプリケーション・ルートに再配置するか、PDBをアプリケーション・ルートに接続することを可能にする必要があります。

40.1.1.3 アプリケーション・コンテナの作成

AS APPLICATION CONTAINER句を指定したCREATE PLUGGABLE DATABASE文を使用して、アプリケーション・コンテナを作成できます。

アプリケーション・コンテナを作成する前に、「アプリケーション・コンテナの準備」で説明した前提条件を満たします。
  1. SQL*Plusで、現在のコンテナがCDBルートであることを確認します。
  2. CREATE PLUGGABLE DATABASE文を実行し、AS APPLICATION CONTAINER句を含めます。要求された場合には、他の句を指定します。
    アプリケーション・コンテナを作成した後、それはマウント・モードになり、そのステータスはNEWになります。アプリケーション・コンテナのオープン・モードは、V$PDBSビューのOPEN_MODE列を問い合せることで表示できます。CDB_PDBSまたはDBA_PDBSビューのSTATUS列を問い合せて、アプリケーション・コンテナのステータスを表示できます。
    新規デフォルト・サービスがアプリケーション・コンテナに対して作成されます。サービスにはアプリケーション・コンテナと同じ名前があり、アプリケーション・コンテナへのアクセスに使用できます。このサービスにアクセスするクライアントには、Oracle Net Serviceが正しく構成されている必要があります。
  3. 新規アプリケーション・コンテナを読取り/書込みモードでオープンします。
    Oracle Databaseの新規アプリケーション・コンテナを読取り/書込みモードでオープンして、新規アプリケーション・コンテナのCDBへの統合を完了する必要があります。アプリケーション・コンテナを読取り専用モードでオープンしようとすると、エラーが返されます。アプリケーション・コンテナを読取り/書込みモードでオープンした後、そのステータスはNORMALになります。
  4. アプリケーション・コンテナをバックアップします。
    アプリケーション・コンテナは、バックアップしていないとリカバリできません。

    注意:

    アプリケーション・コンテナの作成中にエラーが返された場合、作成されているアプリケーション・コンテナはUNUSABLE状態になります。CDB_PDBSまたはDBA_PDBSビューを問い合せてアプリケーション・コンテナの状態を確認したり、アラート・ログをチェックしてアプリケーション・コンテナの作成エラーの詳細を確認できます。使用不可のアプリケーション・コンテナは削除することのみができ、使用不可のアプリケーション・コンテナと同じ名前のアプリケーション・コンテナまたはPDBを作成できるようにするには、その前にそのアプリケーション・コンテナを削除する必要があります。

  5. 既存のアプリケーションをアプリケーション・コンテナに移行している場合、「アプリケーション・コンテナへの既存のアプリケーションの移行」の手順に従います。
アプリケーション・コンテナはアプリケーション・ルートで作成されます。アプリケーションPDBをアプリケーション・コンテナに作成できます。

例40-1 CDBシードを使用したアプリケーション・コンテナの作成

この例では、次の要因を想定しています。

  • ストレージ制限は、アプリケーション・コンテナには不要です。したがって、STORAGE句は必要ありません。

  • アプリケーション・コンテナにはデフォルトの表領域は必要ありません。

  • PATH_PREFIX句は必要ありません。

  • FILE_NAME_CONVERT句およびCREATE_FILE_DEST句は必要ありません。

    CDBに対してOracle Managed Filesが有効であるか、またはPDB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータが設定されています。CDBシードに関連付けられているファイルは、Oracle Managed Files構成または初期化パラメータ設定に基づいて新しい場所にコピーされます。

  • ターゲットの場所に、作成される新しい一時ファイルと同じ名前のファイルはありません。したがって、TEMPFILE REUSE句は必要ありません。

  • Oracleの事前定義されたロールをPDB_DBAロールに付与する必要はありません。

前述の要因に基づき、次の文でCDBシードからアプリケーション・コンテナを作成します。

CREATE PLUGGABLE DATABASE salesact AS APPLICATION CONTAINER ADMIN USER salesadm IDENTIFIED BY password;

例40-2 ローカルPDBのクローニングによるアプリケーション・コンテナの作成

この例では、次の要因を想定しています。

  • PATH_PREFIX句は必要ありません。

  • コピーしたファイルのターゲットの場所を指定するには、FILE_NAME_CONVERT句が必要です。この例では、ファイルは/disk1/oracle/pdb1/から/disk2/oracle/hract/にコピーされます。

    CREATE_FILE_DEST句は使用されず、Oracle Managed FilesもPDB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータも、コピーしたファイルのターゲットの場所の指定に使用されません。

    PDBのデータファイルの場所を表示するには、例45-7の問合せを実行します。

  • アプリケーション・ルートに対してストレージ制限を適用する必要があります。したがって、STORAGE句が必要です。特に、アプリケーション・ルートに属するすべての表領域が2GBを超えていない必要があります。このストレージ制限は、アプリケーション・ルートに接続されているアプリケーションPDBには適用されません。

  • ターゲットの場所に、作成される新しい一時ファイルと同じ名前のファイルはありません。したがって、TEMPFILE REUSE句は必要ありません。

前述の要因に基づき、次の文によって、pdb1 PDBからhractがアプリケーション・コンテナとしてクローニングされます。

CREATE PLUGGABLE DATABASE hract AS APPLICATION CONTAINER FROM pdb1 
  FILE_NAME_CONVERT = ('/disk1/oracle/pdb1/', '/disk2/oracle/hract/')
  STORAGE (MAXSIZE 2G);

注意:

既存のアプリケーションを新しいアプリケーション・コンテナに移行している場合、「アプリケーション・コンテナへの既存のアプリケーションの移行」の手順に従います。

例40-3 切断されたPDBの接続によるアプリケーション・コンテナの作成

この例では、次の要因を想定しています。

  • 新しいアプリケーション・コンテナは、CDB内に既存のPDBまたはアプリケーション・コンテナを作成するために使用された同じ切断されたPDBには基づいていません。したがって、AS CLONE句は必要ありません。

  • PATH_PREFIX句は必要ありません。

  • XMLファイルでは、ファイルの現在の場所が正確に記述されていません。したがって、SOURCE_FILE_NAME_CONVERT句またはSOURCE_FILE_DIRECTORY句が必要です。この例では、ファイルが/disk1/oracle/payroll/に存在することがXMLファイルで示されていますが、ファイルは/disk2/oracle/payroll/にあり、SOURCE_FILE_NAME_CONVERT句が使用されています。

  • ファイルは、正しい場所に存在します。したがって、NOCOPYが含まれています。

  • アプリケーション・コンテナに対してストレージ制限を適用する必要があります。したがって、STORAGE句が必要です。特に、アプリケーション・コンテナに属するすべての表領域が2GBを超えていない必要があります。

  • ターゲットの場所に、XMLファイルで指定されている一時ファイルと同じ名前のファイルがあります。したがって、TEMPFILE REUSE句が必要です。

前述の要因に基づき、次の文によってPDBを接続します。

CREATE PLUGGABLE DATABASE payrollact AS APPLICATION CONTAINER USING '/disk1/usr/payrollpdb.xml' 
  SOURCE_FILE_NAME_CONVERT = ('/disk1/oracle/payroll/', '/disk2/oracle/payroll/')
  NOCOPY
  STORAGE (MAXSIZE 2G)
  TEMPFILE REUSE;

注意:

既存のアプリケーションを新しいアプリケーション・コンテナに移行している場合、「アプリケーション・コンテナへの既存のアプリケーションの移行」の手順に従います。

40.1.2 CDBからのアプリケーション・コンテナの切断

アプリケーション・コンテナをCDBから切断できます。

40.1.2.1 アプリケーション・コンテナの切断について

アプリケーション・コンテナを切断すると、アプリケーション・コンテナがCDBから関連付け解除されます。アプリケーション・コンテナは、アプリケーション・コンテナを別のCDBに移動する場合、またはアプリケーション・コンテナの使用が不要になった場合に切断します。

アプリケーション・コンテナの切断は、PDBの切断と似ています。アプリケーション・コンテナを切断するには、CDBルートに接続し、ALTER PLUGGABLE DATABASE文を使用して、XMLファイルまたは.pdbファイルを指定します。XMLファイル(拡張子.xml)を指定すると、それには切断後にアプリケーション・コンテナに関するメタデータが含まれます。このSQL文によってXMLファイルが作成され、このXMLファイルには、ターゲットCDBでCREATE PLUGGABLE DATABASE文を使用してアプリケーション・コンテナを接続できるようにするのに必要な情報が含められます。.pdbファイルを指定すると、それにはアプリケーション・コンテナについて記述したXMLファイルおよびアプリケーション・コンテナで使用されるファイル(データファイルやウォレット・ファイルなど)の圧縮アーカイブが含まれます。.pdbファイルにより、単一の圧縮されたファイル(複数ファイルではない)を新しい場所にコピーしてアプリケーション・コンテナをCDBに接続できます。

切断する前に、アプリケーション・コンテナにアプリケーションPDBが接続されていない必要があり、クローズされている必要があります。アプリケーション・コンテナを切断する場合、切断されたアプリケーション・コンテナはマウント・モードになります。切断操作により、記録するアプリケーション・コンテナのデータファイルに、たとえばアプリケーション・コンテナが正常に切断されたことなどの変更が加えられることがあります。依然としてCDBの一部であるため、切断されたアプリケーション・コンテナはCDB全体のRMANバックアップに含まれています。このような方法によるバックアップは、切断されたアプリケーション・コンテナが将来必要になった場合に備えてアーカイブするのに便利です。

アプリケーション・コンテナをCDBから完全に削除するには、それを削除できます。切断されたアプリケーション・コンテナに対してサポートされる操作は、アプリケーション・コンテナの削除のみです。アプリケーション・コンテナは、同じCDBに再接続する前に、CDBから削除する必要があります。アプリケーション・コンテナは、CDBに接続されているときにのみ使用可能です。

関連項目:

40.1.2.2 アプリケーション・コンテナの切断

アプリケーション・コンテナを切断する場合は、前提条件を満たす必要があります。

  • 現在のユーザーにはSYSDBAまたはSYSOPER管理権限が必要であり、その権限は共通で付与されているか、またはPDBでローカルに付与されている必要があります。ユーザーは、接続時にAS SYSDBAまたはAS SYSOPERを使用して権限を行使する必要があります。

  • アプリケーション・コンテナは少なくとも1回オープンされている必要があります。

  • アプリケーション・コンテナにアプリケーションPDBが接続されていない必要があります。

  • アプリケーション・コンテナにアプリケーション・シードが接続されていない必要があります。

注意:

透過的データ暗号化で暗号化されているデータが含まれたアプリケーション・コンテナを切断する場合は、『Oracle Database Advanced Securityガイド』の指示に従います。

アプリケーション・コンテナを切断するには:

  1. SQL*Plusで、現在のコンテナがCDBのルートであることを確認します。

    「現在のコンテナについて」および「SQL*Plusを使用したCDB内のコンテナへのアクセス」を参照してください。

  2. アプリケーション・コンテナをクローズします。

    Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)環境では、アプリケーション・コンテナがすべてのインスタンスでクローズされている必要があります。

  3. UNPLUG INTO句を指定してALTER PLUGGABLE DATABASE文を実行し、切断するアプリケーション・コンテナおよびアプリケーション・コンテナのXMLメタデータ・ファイルまたは.pdbファイルの名前と場所を指定します。

例40-4 アプリケーション・コンテナsalesactの切断

このALTER PLUGGABLE DATABASE文は、アプリケーション・コンテナsalesactを切断し、salesact.xmlメタデータ・ファイルを/oracle/data/ディレクトリに作成します。

ALTER PLUGGABLE DATABASE salesact UNPLUG INTO '/oracle/data/saleact.xml';

40.1.3 アプリケーション・コンテナの削除

DROP PLUGGABLE DATABASE文を使用して、アプリケーション・コンテナを削除できます。アプリケーション・コンテナは、アプリケーション・コンテナをあるCDBから別のCDBに移動する場合、またはアプリケーション・コンテナが不要になった場合に削除できます。

アプリケーション・コンテナの削除は、PDBの削除と非常に似ています。アプリケーション・コンテナを削除する場合、CDBの制御ファイルが変更され、削除されたアプリケーション・コンテナへの参照がすべて除外されます。アプリケーション・コンテナに関連付けられているアーカイブREDOログ・ファイルおよびバックアップは削除されませんが、Oracle Recovery Manager (RMAN)を使用して削除できます。

アプリケーション・コンテナを削除する場合、次のいずれかの句を使用して、アプリケーション・コンテナのデータファイルを保持または削除できます。

  • KEEP DATAFILESはデフォルトであり、データファイルを保持します。

    KEEP DATAFILESが指定されていても、アプリケーション・コンテナの一時ファイルは不要になったため削除されます。

  • INCLUDING DATAFILESでは、ディスクからデータファイルを削除します。

    アプリケーション・コンテナがSNAPSHOT COPY句を指定して作成された場合は、アプリケーション・コンテナを削除する際にINCLUDING DATAFILESを指定する必要があります。

次の前提条件を満たしている必要があります。

  • アプリケーション・コンテナはマウント・モードであるか、切断されている必要があります。

    「PDBのオープン・モードの変更」を参照してください。

    「アプリケーション・コンテナの切断」を参照してください。

  • 現在のユーザーにはSYSDBAまたはSYSOPER管理権限が必要であり、その権限は共通で付与されているか、またはアプリケーション・コンテナでローカルに付与されている必要があります。ユーザーは、接続時にAS SYSDBAまたはAS SYSOPERを使用して権限を行使する必要があります。

  • アプリケーション・コンテナにアプリケーションPDBが接続されていない必要があります。

  • アプリケーション・コンテナにアプリケーション・シードが接続されていない必要があります。

注意:

これは、破壊的な操作です。

アプリケーション・コンテナを削除するには:

  1. SQL*Plusで、現在のコンテナがCDBルートであることを確認します。

    「現在のコンテナについて」および「SQL*Plusを使用したCDB内のコンテナへのアクセス」を参照してください。

  2. DROP PLUGGABLE DATABASE文を実行し、削除するアプリケーション・コンテナを指定します。

例40-5 データファイルを保持した状態でのアプリケーション・コンテナsalesactの削除

DROP PLUGGABLE DATABASE salesact
  KEEP DATAFILES;

例40-6 アプリケーション・コンテナsalesactとデータファイルの削除

DROP PLUGGABLE DATABASE saleact
  INCLUDING DATAFILES;

40.2 SQL*Plusを使用したアプリケーション・シードの作成と削除

アプリケーション・シードは、CDBシードの使用、既存のPDBまたは非CDBのクローニング、切断されたPDBの接続など、複数の方法で作成できます。アプリケーション・シードをアプリケーション・コンテナから削除することもできます。

40.2.1 アプリケーション・シードの作成

CREATE PLUGGABLE DATABASE文を使用して、アプリケーション・コンテナ内にアプリケーション・シードを作成できます。

40.2.1.1 アプリケーション・シードの作成について

AS SEED句を指定したCREATE PLUGGABLE DATABASE文を使用して、アプリケーション・コンテナに新規アプリケーション・シードを作成できます。

アプリケーション・シードを使用して、アプリケーションPDBにアプリケーション・ルートのアプリケーションがインストールされているアプリケーション・コンテナをプロビジョニングできます。通常は、アプリケーション・コンテナのアプリケーションは、アプリケーション・シードが作成される前にアプリケーション・ルートにインストールされます。アプリケーション・シードの作成後、アプリケーションがアプリケーション・シードにインストールされるように、アプリケーション・シードがアプリケーション・ルートと同期されます。それが完了すると、アプリケーション・シードを使用して作成されたPDBにアプリケーションがインストールされます。アプリケーション・ルートのアプリケーションがアップグレードまたはパッチ適用される場合、アプリケーション・シードをアプリケーション・ルートと同期して、これらの変更を適用する必要があります。

アプリケーション・シードは、CREATE PLUGGABLE DATABASE文にAS SEED句を含めることで作成します。

アプリケーション・コンテナにはゼロまたは1つのアプリケーション・シードを含めることができます。AS SEED句を使用してアプリケーション・シードを作成する場合、名前は指定しません。アプリケーション・シード名は常にapplication_container_name$SEEDで、application_container_nameはアプリケーション・シードのアプリケーション・コンテナの名前です。たとえば、salesactアプリケーション・コンテナのアプリケーション・シードの名前はsalesact$SEEDである必要があります。

新規アプリケーション・シードの作成時に、CREATE PLUGGABLE DATABASE文でアプリケーション・コンテナの管理者を指定する必要があります。この文では、管理者をアプリケーション・コンテナのローカル・ユーザーとして作成し、PDB_DBAロールを管理者にローカルに付与します。

40.2.1.2 アプリケーション・シードの準備

アプリケーション・シードを作成する前に、前提条件を満たす必要があります。

アプリケーション・シードを作成する前に、次の前提条件が満たされていることを確認してください。

  • CDBが存在していることが必要です。

    「CDBの作成および構成」を参照してください。

  • CDBは、読取り/書込みモードである必要があります。

  • アプリケーション・シードが属するアプリケーション・コンテナは読取り/書込みモードである必要があります。

  • 現在のユーザーは、アプリケーション・シードが属するアプリケーション・ルートを現在のコンテナとして持つ共通ユーザーである必要があります。

  • 現行ユーザーにはCREATE PLUGGABLE DATABASEシステム権限が必要です。

  • アプリケーション・シードにアプリケーション・コンテナのアプリケーションを含めるには、アプリケーションをアプリケーション・ルートにインストールする必要があります。

40.2.1.3 アプリケーション・シードの作成

アプリケーション・シードは、CREATE PLUGGABLE DATABASE文にAS SEED句を含めることで作成します。

アプリケーション・コンテナ内のアプリケーション・シードは、CDB内のシードと同様です。アプリケーション・シードにより、アプリケーション・コンテナの要件を素早く簡単に満たすアプリケーションPDBを作成できます。

アプリケーション・シードを作成する前に、「アプリケーション・シードの準備」で説明した前提条件を満たします。
  1. SQL*Plusで、現在のコンテナがアプリケーション・ルートであることを確認します。
  2. CREATE PLUGGABLE DATABASE文を実行し、アプリケーション・シードを作成するためのAS SEED句を含めます。要求された場合には、他の句を指定します。
    アプリケーション・シードを作成した後、それはマウント・モードになり、そのステータスはNEWになります。アプリケーション・シードのオープン・モードは、V$PDBSビューのOPEN_MODE列を問い合せることで表示できます。CDB_PDBSまたはDBA_PDBSビューのSTATUS列を問い合せて、アプリケーション・シードのステータスを表示できます。
    新規デフォルト・サービスがアプリケーション・シードに対して作成されます。サービスにはアプリケーション・シードと同じ名前があり、アプリケーション・シードへのアクセスに使用できます。このサービスにアクセスするクライアントには、Oracle Net Serviceが正しく構成されている必要があります。
  3. 新規アプリケーション・シードを読取り/書込みモードでオープンします。
  4. Oracle Databaseの新規アプリケーション・シードを読取り/書込みモードでオープンして、新規アプリケーション・シードのアプリケーション・コンテナへの統合を完了する必要があります。アプリケーション・シードを読取り専用モードでオープンしようとすると、エラーが返されます。アプリケーション・シードを読取り/書込みモードでオープンした後、そのステータスはNORMALになります。
  5. 次のアクションを1つ以上実行します。
    • アプリケーション・シードがCDBシードから作成された場合は、コンテナをアプリケーション・シードに切り替えて、SYNC句を指定したALTER PLUGGABLE DATABASE文を使用して、アプリケーション・シードを同期します。アプリケーション・ルートを同期すると、アプリケーション・シードにアプリケーション・ルートのアプリケーションの1つ以上がインスタンス化されます。
    • アプリケーション・シードがアプリケーション・ルートから作成された場合は、コンテナをアプリケーション・シードに切り替えて、pdb_to_apppdb.sqlスクリプトを実行してアプリケーション・ルートをアプリケーションPDBに変換します。
    アプリケーション・シードがアプリケーションPDBをクローニングすることによって作成された場合、これらのアクションは必要ありません。
  6. アプリケーション・シードをクローズし、オープン読取り専用モードでオープンします。
  7. アプリケーション・シードをバックアップします。
    アプリケーション・シードは、バックアップしていないとリカバリできません。

    注意:

    • アプリケーション・シードの作成中にエラーが返された場合、作成されているアプリケーション・シードはUNUSABLE状態になります。CDB_PDBSまたはDBA_PDBSビューを問い合せてアプリケーション・シードの状態を確認したり、アラート・ログをチェックしてアプリケーション・シードの作成エラーの詳細を確認できます。使用できないアプリケーション・シードは削除するしかありません。

    • アプリケーション・ルートのアプリケーションがアプリケーション・ルートでアップグレードまたはパッチ適用される場合、アプリケーション・シードをアプリケーション・ルートと同期して、変更を含める必要があります。

例40-7 CDBシードからのアプリケーション・シードの作成

この例では、次の要因を想定しています。

  • アプリケーション・シードは、salesactというアプリケーション・コンテナに作成されています。

  • ストレージ制限は、アプリケーション・シードには不要です。したがって、STORAGE句は必要ありません。

  • アプリケーション・シードにはデフォルトの表領域は必要ありません。

  • PATH_PREFIX句は必要ありません。

  • FILE_NAME_CONVERT句およびCREATE_FILE_DEST句は必要ありません。

    CDBに対してOracle Managed Filesが有効であるか、またはPDB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータが設定されています。CDBシードに関連付けられているファイルは、Oracle Managed Files構成または初期化パラメータ設定に基づいて新しい場所にコピーされます。

  • ターゲットの場所に、作成される新しい一時ファイルと同じ名前のファイルはありません。したがって、TEMPFILE REUSE句は必要ありません。

  • Oracleの事前定義されたロールをPDB_DBAロールに付与する必要はありません。

前述の要因により、次の文はCDBシードからアプリケーション・シードを作成し、アプリケーション・シードを開き、コンテナをアプリケーション・シードに切り替え、アプリケーション・シードをアプリケーション・ルート内のすべてのアプリケーションと同期し、アプリケーション・シードを閉じ、読取り専用オープン・モードでアプリケーション・シードを開きます。

CREATE PLUGGABLE DATABASE AS SEED ADMIN USER actseedadm IDENTIFIED BY password;
ALTER PLUGGABLE DATABASE salesact$SEED OPEN;
ALTER SESSION SET CONTAINER=salesact$SEED;
ALTER PLUGGABLE DATABASE APPLICATION ALL SYNC;
ALTER PLUGGABLE DATABASE CLOSE IMMEDIATE;
ALTER PLUGGABLE DATABASE OPEN READ ONLY;

アプリケーション・コンテナ名はsalesactであるため、アプリケーション・シード名はsalesact$SEEDです。

指定されたローカル管理者の名前を持つローカル・ユーザーが作成され、このユーザーにアプリケーション・シードでローカルにPDB_DBA共通ロールが付与されます。このユーザーがアプリケーション・シードの作成時に管理者権限を付与されていない場合は、SYSおよびSYSTEM共通ユーザーを使用してアプリケーション・シードを管理します。

アプリケーション・シードは、作成時にアプリケーション・ルートと同期されます。このため、アプリケーション・シードにはアプリケーション・ルートにインストールされているアプリケーション、およびそれらのアプリケーションの一部であるアプリケーション共通オブジェクトが含まれています。アプリケーション・シードを使用して新しいアプリケーションPDBを作成した場合、アプリケーションPDBにはインストールされているアプリケーションおよびアプリケーション共通オブジェクトも含まれています。

例40-8 アプリケーションPDBからのアプリケーション・シードの作成

この例では、次の要因を想定しています。

  • アプリケーション・シードは、salesactというアプリケーション・コンテナに作成されています。

  • アプリケーション・シードは、salesapppdbというアプリケーション・コンテナのアプリケーションPDBに作成されています。

  • ストレージ制限は、アプリケーション・シードには不要です。したがって、STORAGE句は必要ありません。

  • アプリケーション・シードにはデフォルトの表領域は必要ありません。

  • PATH_PREFIX句は必要ありません。

  • FILE_NAME_CONVERT句およびCREATE_FILE_DEST句は必要ありません。

    CDBに対してOracle Managed Filesが有効であるか、またはPDB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータが設定されています。アプリケーション・ルートに関連付けられているファイルは、Oracle Managed Files構成または初期化パラメータ設定に基づいて新しい場所にコピーされます。

  • ターゲットの場所に、作成される新しい一時ファイルと同じ名前のファイルはありません。したがって、TEMPFILE REUSE句は必要ありません。

前述の要因により、次の文はアプリケーション・ルートからアプリケーション・シードを作成して、アプリケーション・シードを開き、アプリケーション・シードを閉じて、アプリケーション・シードを読取り専用オープン・モードで開きます。

CREATE PLUGGABLE DATABASE AS SEED FROM salesapppdb;
ALTER PLUGGABLE DATABASE salesact$SEED OPEN;
ALTER PLUGGABLE DATABASE CLOSE IMMEDIATE;
ALTER PLUGGABLE DATABASE OPEN READ ONLY;

アプリケーション・コンテナ名はsalesactであるため、アプリケーション・シード名はsalesact$SEEDです。

アプリケーション・シードがアプリケーションPDBから作成されました。このため、アプリケーション・シードにはアプリケーション・ルートにインストールされているアプリケーション、およびそれらのアプリケーションの一部であるアプリケーション共通オブジェクトが含まれています。アプリケーション・シードを使用して新しいアプリケーションPDBを作成した場合、アプリケーションPDBにはインストールされているアプリケーションおよびアプリケーション共通オブジェクトも含まれています。

例40-9 アプリケーション・ルートからのアプリケーション・シードの作成

この例では、次の要因を想定しています。

  • アプリケーション・シードは、salesactというアプリケーション・コンテナに作成されています。アプリケーション・シードは、アプリケーション・コンテナのルートからクローニングされます。

  • ストレージ制限は、アプリケーション・シードには不要です。したがって、STORAGE句は必要ありません。

  • アプリケーション・シードにはデフォルトの表領域は必要ありません。

  • PATH_PREFIX句は必要ありません。

  • FILE_NAME_CONVERT句およびCREATE_FILE_DEST句は必要ありません。

    CDBに対してOracle Managed Filesが有効であるか、またはPDB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータが設定されています。アプリケーション・ルートに関連付けられているファイルは、Oracle Managed Files構成または初期化パラメータ設定に基づいて新しい場所にコピーされます。

  • ターゲットの場所に、作成される新しい一時ファイルと同じ名前のファイルはありません。したがって、TEMPFILE REUSE句は必要ありません。

前述の要因により、次の文はアプリケーション・ルートからアプリケーション・シードを作成し、アプリケーション・シードを開き、コンテナをアプリケーション・シードに切り替え、pdb_to_apppdb.sqlスクリプトを実行してアプリケーション・ルートをアプリケーションPDBに変換し、アプリケーション・シードを閉じ、読取り専用オープン・モードでアプリケーション・シードを開きます。

CREATE PLUGGABLE DATABASE AS SEED FROM salesact;
ALTER PLUGGABLE DATABASE salesact$SEED OPEN;
ALTER SESSION SET CONTAINER=salesact$SEED;
@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/pdb_to_apppdb.sql
ALTER PLUGGABLE DATABASE CLOSE IMMEDIATE;
ALTER PLUGGABLE DATABASE OPEN READ ONLY;

アプリケーション・コンテナ名はsalesactであるため、アプリケーション・シード名はsalesact$SEEDです。

アプリケーション・シードはアプリケーション・ルートから作成されました。このため、アプリケーション・シードにはアプリケーション・ルートにインストールされているアプリケーション、およびそれらのアプリケーションの一部であるアプリケーション共通オブジェクトが含まれています。アプリケーション・シードを使用して新しいアプリケーションPDBを作成した場合、アプリケーションPDBにはインストールされているアプリケーションおよびアプリケーション共通オブジェクトも含まれています。

40.2.2 アプリケーション・コンテナからのアプリケーション・シードの切断

アプリケーション・コンテナからアプリケーション・シードを切断できます。

40.2.2.1 アプリケーション・シードの切断について

アプリケーション・シードを切断すると、アプリケーション・シードがアプリケーション・コンテナから関連付け解除されます。アプリケーション・シードを使用しなくなった場合は、アプリケーション・シードを切断します。

アプリケーション・シードの切断は、PDBの切断と似ています。アプリケーション・シードを切断するには、アプリケーション・ルートに接続し、ALTER PLUGGABLE DATABASE文を使用して、XMLファイルまたは.pdbファイルを指定します。XMLファイル(拡張子.xml)を指定すると、それには切断後にアプリケーション・シードに関するメタデータが含まれます。このSQL文によってXMLファイルが作成され、このXMLファイルには、ターゲットCDBでCREATE PLUGGABLE DATABASE文を使用し、それをPDBまたはアプリケーションPDBとして接続できるようにするために必要な情報が含められます。.pdbファイルを指定すると、それにはアプリケーション・シードについて記述したXMLファイルおよびアプリケーション・シードで使用されるファイル(データファイルやウォレット・ファイルなど)の圧縮アーカイブが含まれます。.pdbファイルにより、単一の圧縮されたファイル(複数ファイルではない)を新しい場所にコピーし、PDBまたはアプリケーションPDBとして接続できます。

切断する前に、アプリケーション・シードがクローズされている必要があります。アプリケーション・シードを切断する場合、切断されたアプリケーション・シードはマウント・モードになります。切断操作により、記録するアプリケーション・シードのデータファイルに、たとえばアプリケーション・シードが正常に切断されたことなどの変更が加えられることがあります。依然としてアプリケーション・コンテナの一部であるため、切断されたアプリケーション・シードはCDB全体のRMANバックアップに含まれています。このような方法によるバックアップは、切断されたアプリケーション・シードが将来必要になった場合に備えてアーカイブするのに便利です。

アプリケーション・シードをアプリケーション・コンテナから完全に削除するには、それを削除できます。切断されたアプリケーション・シードに対してサポートされる操作は、アプリケーション・シードの削除のみです。アプリケーション・シードは、同じアプリケーション・コンテナに再接続する前に、アプリケーション・コンテナから削除する必要があります。アプリケーション・シードは、アプリケーション・コンテナに接続されているときにのみ使用可能です。

関連項目:

40.2.2.2 アプリケーション・シードの切断

アプリケーション・シードを切断する場合は、前提条件を満たす必要があります。

次の前提条件を満たしている必要があります。

  • 現在のユーザーにはSYSDBAまたはSYSOPER管理権限が必要であり、その権限は共通で付与されているか、またはアプリケーション・コンテナでローカルに付与されている必要があります。ユーザーは、接続時にAS SYSDBAまたはAS SYSOPERを使用して権限を行使する必要があります。

  • アプリケーション・シードは少なくとも1回オープンされている必要があります。

注意:

透過的データ暗号化で暗号化されているデータが含まれたアプリケーション・シードを切断する場合は、『Oracle Database Advanced Securityガイド』の指示に従います。

アプリケーション・シードを切断するには:

  1. SQL*Plusで、現在のコンテナが、アプリケーション・シードが属するアプリケーション・コンテナのアプリケーション・ルートであることを確認します。

    「現在のコンテナについて」および「SQL*Plusを使用したCDB内のコンテナへのアクセス」を参照してください。

  2. アプリケーション・シードをクローズします。

    Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)環境では、アプリケーション・シードがすべてのインスタンスでクローズされている必要があります。

  3. UNPLUG INTO句を指定してALTER PLUGGABLE DATABASE文を実行し、切断するアプリケーション・シードおよびアプリケーション・シードのXMLメタデータ・ファイルまたは.pdbファイルの名前と場所を指定します。

例40-10 アプリケーション・シードsalesact$SEEDの切断

このALTER PLUGGABLE DATABASE文は、アプリケーション・シードsalesact$SEEDを切断し、salesact$SEED.xmlメタデータ・ファイルを/oracle/data/ディレクトリに作成します。

ALTER PLUGGABLE DATABASE salesact$SEED UNPLUG INTO '/oracle/data/saleact$SEED.xml';

40.2.3 アプリケーション・シードの削除

DROP PLUGGABLE DATABASE文を使用して、アプリケーション・シードを削除できます。アプリケーション・シードが必要ではなくなった場合は削除できます。

アプリケーション・シードを削除する場合、CDBの制御ファイルが変更され、削除されたアプリケーション・シードへの参照がすべて除外されます。アプリケーション・シードに関連付けられているアーカイブREDOログ・ファイルおよびバックアップは削除されませんが、Oracle Recovery Manager (RMAN)を使用して削除できます。

アプリケーション・シードを削除する場合、次のいずれかの句を使用して、アプリケーション・シードのデータファイルを保持または削除できます。

  • KEEP DATAFILESはデフォルトであり、データファイルを保持します。

    KEEP DATAFILESが指定されていても、アプリケーション・シードの一時ファイルは不要になったため削除されます。

  • INCLUDING DATAFILESでは、ディスクからデータファイルを削除します。

    アプリケーション・シードがSNAPSHOT COPY句を指定して作成された場合は、アプリケーション・シードを削除する際にINCLUDING DATAFILESを指定する必要があります。

次の前提条件を満たしている必要があります。

  • アプリケーション・シードはマウント・モードであるか、切断されている必要があります。

    「PDBのオープン・モードの変更」を参照してください。

    「アプリケーション・シードの切断」を参照してください。

  • 現在のユーザーにはSYSDBAまたはSYSOPER管理権限が必要であり、その権限は共通で付与されているか、またはアプリケーション・コンテナでローカルに付与されている必要があります。ユーザーは、接続時にAS SYSDBAまたはAS SYSOPERを使用して権限を行使する必要があります。

注意:

これは、破壊的な操作です。

アプリケーション・シードを削除するには:

  1. SQL*Plusで、現在のコンテナが、アプリケーション・シードが属するアプリケーション・コンテナのアプリケーション・ルートであることを確認します。

    「現在のコンテナについて」および「SQL*Plusを使用したCDB内のコンテナへのアクセス」を参照してください。

  2. DROP PLUGGABLE DATABASE文を実行し、アプリケーション・シードを指定します。

例40-11 データファイルを保持した状態でのアプリケーション・シードsalesact$SEEDの削除

DROP PLUGGABLE DATABASE salesact$SEED
  KEEP DATAFILES;

例40-12 アプリケーション・シードsalesact$SEEDとデータファイルの削除

DROP PLUGGABLE DATABASE saleact$SEED
  INCLUDING DATAFILES;

40.3 アプリケーションPDBの作成

アプリケーションPDBを作成するには、アプリケーション・ルートが現在のコンテナであるときに、CREATE PLUGGABLE DATABASE文を実行します。

アプリケーションPDBは、CDBルートにPDBを作成するために使用するSQL文と同じSQL文を使用して作成できます。CREATE PLUGGABLE DATABASE文をアプリケーション・ルートで実行した場合、新しく作成したPDBはアプリケーションPDBです。この文はアプリケーション・ルートで実行する必要があり、そのアプリケーション・ルートに定義されているアプリケーション・データベースに対して明確な依存関係があります。

アプリケーションPDBを作成する前に、「PDBの準備」で説明している前提条件を満たします。また、作成する特定のタイプのPDBの前提条件を満たす必要があります。たとえば、PDBをクローニングする場合は、PDBのクローニングの前提条件を満たしている必要があります。
  1. SQL*Plusで、現在のコンテナがアプリケーション・ルートであることを確認します。
  2. CREATE PLUGGABLE DATABASE文を実行します。
    作成したアプリケーションPDBはマウント・モードになり、そのステータスはNEWです。アプリケーションPDBのオープン・モードは、V$PDBSビューのOPEN_MODE列を問い合せることで表示できます。CDB_PDBSまたはDBA_PDBSビューのSTATUS列を問い合せて、アプリケーションPDBのステータスを表示できます。
    新規デフォルト・サービスがアプリケーションPDBに対して作成されます。サービスにはアプリケーションPDBと同じ名前があり、アプリケーションPDBへのアクセスに使用できます。このサービスにアクセスするクライアントには、Oracle Net Serviceが正しく構成されている必要があります。
  3. 新規アプリケーションPDBを読取り/書込みモードでオープンします。
  4. Oracle Databaseの新規アプリケーションPDBを読取り/書込みモードでオープンして、新規アプリケーションPDBのアプリケーション・コンテナへの統合を完了する必要があります。アプリケーションPDBを読取り専用モードでオープンしようとすると、エラーが返されます。アプリケーションPDBを読取り/書込みモードでオープンした後、そのステータスはNORMALになります。
  5. コンテナをアプリケーションPDBに切り替えます。
  6. SYNC句を指定したALTER PLUGGABLE DATABASE文を使用して、アプリケーションPDBを同期します。
    アプリケーションPDBを同期すると、アプリケーションPDBにアプリケーション・ルートのアプリケーションの1つ以上がインスタンス化されます。
  7. アプリケーションPDBをクローズし、オープン読取り専用モードでオープンします。
  8. アプリケーションPDBをバックアップします。
    アプリケーションPDBは、バックアップしていないとリカバリできません。

    注意:

    • アプリケーションPDBの作成中にエラーが返された場合、作成されているアプリケーションPDBはUNUSABLE状態になります。CDB_PDBSまたはDBA_PDBSビューを問い合せてアプリケーションPDBの状態を確認したり、アラート・ログをチェックしてアプリケーションPDBの作成エラーの詳細を確認できます。使用できないアプリケーションPDBは削除するしかありません。

    • アプリケーション・ルートのアプリケーションがアプリケーション・ルートでアップグレードまたはパッチ適用される場合、アプリケーションPDBをアプリケーション・ルートと同期して、変更を含める必要があります。