4.5.3 オンデマンドのカスタム収集の実行

カスタム収集オプションを使用して、特定のノード、コンポーネントおよびディレクトリから診断データを収集します。

デフォルトでは、Oracle Trace File Analyzerは次のように動作します。

  • クラスタ内のすべてのノードから収集します。

  • すべてのOracleデータベースおよびOracle Grid Infrastructureコンポーネントから収集します。

  • 収集を次の形式のzipファイルとしてリポジトリ・ディレクトリに圧縮します。

    repository/collection_date_time/node_all/node.tfa_date_time.zip
  • リモート・ノードから開始ノードにすべてのzipファイルをコピーします。

  • 関連する時間の前後でファイルを切り捨てます。

  • 検出した関連するコア・ファイルをすべて含めます。

さらに、Oracle Trace File Analyzer Collectorは、指定された他のディレクトリからもファイルを収集します。

トピック:

4.5.3.1 特定のノードからの収集

特定のノードから収集するには:

  1. 特定のノードから収集するには、次のようにします。
    tfactl diagcollect –node list of nodes
    次に例を示します。
    $ tfactl diagcollect -last 1d -node myserver65

4.5.3.2 特定のコンポーネントからの収集

特定のコンポーネントから収集するには:

  1. 特定のコンポーネントから収集するには、次のようにします。
    tfactl diagcollect component

    次に例を示します。

    データベースhrdbおよびfdbから過去1日間のすべてのファイルを切捨ておよび収集するには、次のようにします。
    $ tfactl –diagcollect –database hrdb,fdb –last 1d
    node1およびnode2から過去6時間に更新されたすべてのCRSファイル、オペレーティング・システム・ログおよびCHMOS/OSWデータを切捨ておよび収集するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -crs -os -node node1,node2 -last 6h
    指定の開始時間と終了時間の間に更新された、node1のすべてのOracle ASMログを切捨ておよび収集するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -asm -node node1 -from "2016-08-15" -to "2016-08-17"
    使用可能なコンポーネント・オプションは次のとおりです。

    表4-3 コンポーネント・オプション

    コンポーネント・オプション 説明

    -database database_names

    カンマ区切りリストで指定したデータベースからデータベース・ログを収集します。

    -asm

    Oracle ASMログを収集します。

    -crsclient

    GIBASE/diag/clients下のクライアント・ログを収集します。

    -dbclient

    DB ORABASE/diag/clients下のクライアント・ログを収集します。

    -dbwlm

    DBWLMログを収集します。

    -tns

    TNSログを収集します。

    -rhp

    RHPログを収集します。

    -procinfo

    すべてのプロセスについて/procからGathers stackおよびfdを収集します。

    -afd

    AFDログを収集します。

    -crs

    CRSログを収集します。

    -wls

    WLSログを収集します。

    -emagent

    EMAGENTログを収集します。

    -oms

    OMSログを収集します。

    -ocm

    OCMログを収集します。

    -emplugins

    EMPLUGINSログを収集します。

    -em

    EMログを収集します。

    -acfs

    ACFSログおよびデータを収集します。

    -install

    Oracleインストール関連のファイルを収集します。

    -cfgtools

    CFGTOOLSログを収集します。

    -os

    /var/log/messagesなどのオペレーティング・システム・ファイルを収集します。

    -ashhtml

    生成されたASHのHTMLレポートを収集します。

    -ashtext

    生成されたASHのテキスト・レポートを収集します。

    -awrhtml

    AWRHTMLログを収集します。

4.5.3.3 特定のディレクトリからの収集

特定のディレクトリから収集するには:

  1. タイプや最後に更新された時刻に関係なく、他のディレクトリのすべてのファイルを収集に含めるには、次のようにします。
    tfactl diagcollect –collectdir dir1,dir2,...dirn

    次に例を示します。

    過去12時間に更新されたすべてのCRSファイルに加えて、開始ノードの/tmp_dir1および/tmp_dir2のすべてのファイルを切捨ておよび収集するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect –crs –collectdir /tmp_dir1,/tmpdir_2
  2. すべてのディレクトリから収集するには、次のようにします。
    tfactl diagcollect -collectalldirs

    Oracle Trace File Analyzerは、時刻や時間範囲に関係なく、ディレクトリ内のすべてのファイルから収集します。

    次に例を示します。

    過去1日間に更新されたすべての標準トレースおよび診断ファイルに加えて、更新された時期に関係なく、任意のcollectallディレクトリのすべてのファイルを収集するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -since 1d -collectalldirs

関連項目

4.5.3.4 収集名の変更

収集名を変更するには:

  1. 独自の名前を使用して収集を整理するには、次のようにします。
    –tag tagname

    ファイルはリポジトリ内のtagnameディレクトリに収集されます。

    次に例を示します。
    $ tfactl diagcollect -since 1h -tag MyTagName
    Collecting data for all nodes
    ....
    ....
    
    Logs are being collected to: /scratch/app/crsusr/tfa/repository/MyTagName
    /scratch/app/crsusr/tfa/repository/MyTagName/rws1290666.tfa_Mon_Aug_22_05_26_17_PDT_2016.zip
    /scratch/app/crsusr/tfa/repository/MyTagName/rws1290665.tfa_Mon_Aug_22_05_26_17_PDT_2016.zip
    
  2. zipファイルの名前を変更するには、次のようにします。
    –z zip name
    次に例を示します。
    $ tfactl diagcollect -since 1h -z MyCollectionName.zip
    Collecting data for all nodes
    ....
    ....
    Logs are being collected to: /scratch/app/crsusr/tfa/repository/collection_Mon_Aug_22_05_13_41_PDT_2016_node_all
    /scratch/app/crsusr/tfa/repository/collection_Mon_Aug_22_05_13_41_PDT_2016_node_all/myserver65.tfa_MyCollectionName.zip
    /scratch/app/crsusr/tfa/repository/collection_Mon_Aug_22_05_13_41_PDT_2016_node_all/myserver66.tfa_MyCollectionName.zip
    

関連項目

4.5.3.5 zipファイルのコピーおよびファイルの切捨ての禁止

デフォルトでは、Oracle Trace File Analyzer Collectorは次のように動作します。

  • リモート・ノードから開始ノードにすべてのzipファイルをコピーします。

  • 関連する時間の前後でファイルを切り捨てます。

zipファイルのコピーおよびファイルの切捨てを禁止するには:

  1. zipファイルが開始ノードにコピーされないようにするには、次のようにします。
    –nocopy
    次に例を示します。
    $ tfactl diagcollect -last 1d -nocopy
  2. ファイルが切り捨てられないようにするには、次のようにします。
    –notrim
    次に例を示します。
    $ tfactl diagcollect -last 1d -notrim

4.5.3.6 サイレント収集の実行

  1. サイレント収集を開始するには、次のようにします。
    –silent

    diagcollectコマンドはバックグラウンド・プロセスとして送信されます。

    次に例を示します。
    $ tfactl diagcollect -last 1d -silent

4.5.3.7 コア・ファイルの収集の禁止

  1. コア・ファイルが含まれないようにするには、次のようにします。
    –nocores
    次に例を示します。
    $ tfactl diagcollect -last 1d -nocores

4.5.3.8 インシデント・パッケージング・サービス・パッケージの収集

Oracle Trace File Analyzerは、自動診断リポジトリ(ADR)からファイルを収集するインシデント・パッケージング・サービス(IPS)を呼び出すことができます。
  1. インシデント・パッケージング・サービスを実行するには、次のようにします。
    $ tfactl ips
  2. インシデント・パッケージング・サービスを使用して収集するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -ips
  3. インシデント・パッケージング・サービスのすべてのインシデントを表示するには、次のようにします。
    $ tfactl ips show incidents
  4. インシデント・パッケージング・サービスのすべての問題を表示するには、次のようにします。
    $ tfactl ips show problems
  5. インシデント・パッケージング・サービスのすべての問題を表示するには、次のようにします。
    $ tfactl ips show package
  6. 使用可能なdiagcollectのインシデント・パッケージング・サービス・オプションを表示するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -ips -h
  7. インシデント・パッケージング・サービスの収集を対話的に実行するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -ips

    対話的に実行した場合、収集元の自動診断リポジトリ領域を選択するよう求められます。

  8. インシデント・パッケージング・サービスの収集をサイレント・モードで実行するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -ips -adrbasepath path -adrhomepath path
  9. 標準のdiagcollectオプションを使用して、インシデント・パッケージング・サービスの収集の範囲を制限します。
    たとえば、特定のADR basepath/homepathについてローカル・ノードの過去1時間のインシデント・パッケージング・サービス・パッケージを収集するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -ips -adrbasepath /scratch/app/oragrid -adrhomepath diag/crs/hostname/crs -since 1h -node local
  10. 特定のインシデントIDに関する自動診断リポジトリの詳細を収集するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -ips -incident incident id -node local
  11. 特定の問題IDに関する自動診断リポジトリの詳細を収集するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -ips -problem problem id -node local

    インシデント・パッケージング・サービス・パッケージの内容を変更するには、収集を開始した後、一時停止し、パッケージを操作して、収集を再開します。

  12. ローカル・ノード上の特定のインシデントIDに関する自動診断リポジトリの詳細を収集し、インシデント・パッケージング・サービス・パッケージを操作するために一時停止するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -ips -incident incident id -manageips -node local
  13. 一時停止したOracle Trace File Analyzerのインシデント・パッケージング・サービスの収集をすべて出力するには、次のようにします。
    $ tfactl print suspendedips
  14. 一時停止したOracle Trace File Analyzerのインシデント・パッケージング・サービスの収集を再開するには、次のようにします。
    $ tfactl diagcollect -resumeips collection id