2.9 CONFIGURE

目的

CONFIGUREコマンドを使用すると、特定のデータベースに対するRMANのバックアップ、リストア、複製およびメンテナンス・ジョブに影響する永続構成を作成または変更できます。構成は、明示的に消去または変更するまで、そのデータベースに対するすべてのRMANセッションに有効です。SHOWコマンドを使用すると、1つ以上のデータベースの構成を表示できます。

関連項目:

RMAN環境の構成方法は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください

前提条件

このコマンドは、RMANプロンプトでのみ実行してください。

FOR DB_UNIQUE_NAME句を指定しない場合は、RMANをターゲット・データベースに接続する必要があります。ターゲット・データベースはマウントまたはオープン状態である必要があります。

CDBで構成設定を作成または変更するには、rootに接続する必要があります。PDBへの接続時には、設定を構成することはできません。

使用上の注意

CONFIGUREコマンドは、ターゲット・データベース構成を、常にターゲット・データベースの制御ファイル内に格納します。RMANをリカバリ・カタログとともに使用すると、登録されているデータベースごとに永続的な構成設定がカタログ内にも保存されます。

RMANのデフォルト構成の設定

RMANのCONFIGURE設定には、デフォルト値があります。CLEARオプションを指定してCONFIGUREコマンドを再実行すると、このコマンドのあらゆる設定をデフォルトに戻すことができますが、この方法で個々のパラメータをクリアすることはできません。たとえば、次のコマンドは有効です。

CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE sbt CLEAR

次のコマンドは無効です。

CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE sbt MAXPIECESIZE 5M CLEAR

Data Guard環境でのRMANの構成

Data Guard環境でRMANを使用する場合は、常にリカバリ・カタログを使用することをお薦めします。CONFIGUREコマンドを使用すると、Data Guard環境の個々のプライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースに対する永続的なRMAN構成(バックアップの保存方針、表領域の除外および補助名の設定は除く)を作成できます。このように、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースに、様々なチャネル構成、自動バックアップの場所などを設定できます。

FOR DB_UNIQUE_NAME句を使用すると、RMANがTARGETとして接続されていないデータベースを構成できます。CONFIGURE DB_UNIQUE_NAMEを使用すると、新しいフィジカル・スタンバイ・データベースをリカバリ・カタログに認識させて、暗黙的に登録できます。

セマンティクス

configure

構文要素 説明
DB_UNIQUE_NAME db_unique_name CONNECT IDENTIFIER 'connect_string'

DB_UNIQUE_NAMEで指定されたフィジカル・スタンバイ・データベースのネット・サービス名を指定します。CONNECT IDENTIFIER文字列には、データベースのユーザー名とパスワードを指定しないでください。

また、RMANはTARGETとしてプライマリ・データベースにも接続している必要があります。RMANは、リカバリ・カタログに接続している必要があります。

RESYNC CATALOG FROM DB_UNIQUE_NAMEコマンドを実行すると、Data Guard環境のデータベースは、ネット・サービス名を使用してdb_unique_nameデータベースと接続します。たとえば、スタンバイ・データベースの一意の名前がstandby1で、ネット・サービス名がsby1であるとします。RMANをTARGETとしてプライマリ・データベースに接続し、CONFIGURE DB_UNIQUE_NAME 'standby1' CONNECT IDENTIFIER 'sby1'を実行します。この環境のすべてのプライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースでstandby1にOracle Net接続を確立する必要がある場合は、ネット・サービス名sby1が使用されます。

注意: ターゲット・データベースが他のスタンバイ・データベースまたはプライマリ・データベースに接続する必要がある場合は、既存のData Guard認証メカニズムを使用して、SYSDBAまたはSYSBACKUPユーザーとして接続します。

最近、RMANをTARGETとしてプライマリ・データベースに接続し、CONFIGURE ... FOR DB_UNIQUE_NAME standby_newを使用してスタンバイ・データベースstandby_newのバックアップ設定を構成したとします。ただし、RMANはTARGETとしてstandby_newに接続されていません。このような場合に、RESYNC CATALOG FROM DB_UNIQUE_NAME standby_newを実行できます。プライマリ・データベースでは、スタンバイ・データベースへのOracle Net接続を確立するために接続識別子を使用します。後でRMANをスタンバイ・データベースに接続する場合は、RMANによってリカバリ・カタログからマウント済の制御ファイルに構成が送信されます。

注意: CONFIGURE DB_UNIQUE_NAMEで指定されたデータベースがリカバリ・カタログに登録されていない場合は、RMANによって暗黙的に登録されます。

CLEAR

パラメータをデフォルト設定に戻します。詳細は、「使用上の注意」を参照してください。

delalConf

アーカイブREDOログの削除方針を構成します。

AUXNAME FOR DATAFILE datafileSpec CLEAR | TO 'filename'

指定したターゲット・データファイルの補助ファイル名を'filename'に構成します(例2-54を参照)。補助ファイル名の指定を解除するには、CLEARを指定します。

TSPITRを実行しているか、DUPLICATEを使用している場合は、AUXNAMEを設定すると、プロシージャ中に手動で補助ファイル名を指定しなくても、補助データベースで使用するファイル名を事前に構成できます。リカバリ・セットにCONFIGURE AUXNAMEは使用できません。SET NEWNAMEを使用する必要があります。

たとえば、データファイルがRAWディスクにあってパフォーマンスの理由で補助データファイルをRAWディスクにリストアする必要がある場合は、TSPITR中にこのコマンドを使用します。一般に、TSPITRでAUXNAMEパラメータを設定するのは、SYSTEMおよびSYSAUX表領域のデータファイルと、ロールバック・セグメントまたはUNDOセグメントが含まれる表領域を対象とした場合です。本番データベースで使用中のファイルを上書きしないでください。このファイルは、TSPITRの完了後に廃棄されます。本質的には、データファイルのAUXNAMEとは、TSPITRがデータファイルの一時コピーを作成できる場所です。

DUPLICATEコマンドでファイル名を変更する場合は、SET NEWNAMEのかわりにCONFIGURE AUXNAMEを使用します。違いは、最初にAUXNAMEを設定すると、別のDUPLICATEコマンドを発行するときにファイル名を再設定する必要がなく、AUXNAME設定は、CONFIGURE AUXNAME ... CLEARを発行するまで有効だということです。一方、SET NEWNAMEコマンドは、DUPLICATEコマンドを実行するたびに再発行する必要があります。

関連項目: RMAN TSPITRの実行方法については『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を、RMANを使用したデータベースの複製方法については『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

backupConf

デフォルトのバックアップ・オプション(多重化、最適化、表領域の除外、バックアップ・セットのサイズ、保存方針など)を構成します。

cfauConf

制御ファイルの自動バックアップ設定を構成します。

COMPRESSION ALGORITHM 'algorithm_name'

圧縮されたバックアップ・セットの作成時に、RMANが使用するアルゴリズムを指定します。

デフォルトの圧縮アルゴリズム設定はBASICで、Advanced Compressionオプションは必要ありません。

ただし、Advanced Compressionオプションを有効にすると、次のいずれかの圧縮レベルを選択できます。

  • HIGH : ネットワーク速度が限定要因となっている、速度が遅いネットワークを使用するバックアップに最適です

  • MEDIUM: ほとんどの環境に適しています。圧縮率と速度が最適化されています。

  • LOW: バックアップ・スループットへの影響を最小限に抑えます。CPUリソースが限定要因となっている環境に適しています。

注意: 基本的に圧縮率はLOWからHIGHへと高くなります。ただし、圧縮率の上昇に応じて、消費されるCPUリソースが多くなります。

様々な圧縮レベルのパフォーマンスはデータベースのデータ、ネットワーク構成、システム・リソースおよびコンピュータ・システムの種類と機能によって異なるため、パフォーマンスについて広く当てはまる統計を示すことはできません。最適な圧縮レベルは、CPUへの帯域幅およびCPUの実際の速度に関するご使用のシステムのバランスによって異なります。ご使用の環境で、データに対して様々な圧縮レベルをテストすることを強くお薦めします。バックアップ・セットの圧縮レベルが組織のパフォーマンス要件および該当する品質保証契約を満たすようにするには、環境、ネットワーク・トラフィックの特徴(ワークロード)およびデータセットに基づいて圧縮レベルを選択します。

注意: サポートされているアルゴリズムは、V$RMAN_COMPRESSION_ALGORITHMビューに示されています。

関連項目: 『Oracle Databaseリファレンス』V$RMAN_COMPRESSION_ALGORITHMに関する説明を参照してください。

OPTIMIZE FOR LOAD

{TRUE|FALSE}

圧縮バックアップを要求したときに、事前圧縮ブロック処理をOracle Databaseが実行するかどうかを指定します。デフォルトはTRUEです。FALSEを指定すると、事前圧縮処理が有効になります。デフォルトの動作では、事前圧縮ブロック処理は実行されません。こうした処理は、余分なCPUリソースを消費する可能性があるうえ、1行も挿入または削除されていない、ロードしただけのデータのみを含むブロックに対しては必要ありません。FALSEを指定すると、追加のCPUリソースを使用して、事前圧縮ブロック処理が実行されます。事前圧縮ブロック処理では、内部ブロックのクリーンアップおよびデフラグが実行されるため、バイナリ圧縮のレベルが向上します。

関連項目: このオプションの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

AS OF RELEASE

'バージョン'

リリース・バージョンを指定します。バージョン番号にはリリース番号書式が使用され、リリースを完全修飾するために最大5つの数値が使用されます。たとえば、10.2.0.3.0および11.2は使用可能な値です。このため、将来のリリースで圧縮アルゴリズムが維持されるようになっています。

deviceConf

デバイスのデフォルトのバックアップ設定(デフォルトのバックアップ・デバイス、デバイスのチャネル構成、各デバイスのデフォルトのバックアップ・タイプ、並列度など)を構成します。

ENCRYPTION

データベースまたは表領域に透過モードの暗号化設定を指定します。

この構成は、SET ENCRYPTIONコマンドによるオーバーライドがないかぎり適用されます。個々の表領域に指定されているオプションは、データベース全体に指定されているオプションより優先されます。

関連項目: 様々なモードのバックアップの暗号化については「バックアップ・セットの暗号化」を、透過的データ暗号化については『Oracle Database Advanced Securityガイド』を参照してください

   ALGORITHM 'algorithm_name'

バックアップ・セットの書込み時に使用するデフォルトの暗号化アルゴリズムを指定します。V$RMAN_ENCRYPTION_ALGORITHMSに、使用可能な値が示されています。CLEARオプションを指定すると、データベースがデフォルトにリセットされます。

   FOR DATABASE [ON | OFF | CLEAR]

データベース全体に対して透過的暗号化を有効にするかどうかを指定します。使用できるオプションは次のとおりです。

  • ONを指定すると、すべてのデータベース・ファイルの暗号化が有効になります。

  • OFFを指定すると、すべてのデータベース・ファイルの暗号化が無効になります。

  • CLEARを指定すると、OFFのデフォルト設定がリストアされます。

注意: パスワードの暗号化を有効にするには、SET ENCRYPTION IDENTIFIED BYコマンドを使用する必要があります。

   FOR TABLESPACE tablespace_name [ON | OFF | CLEAR]

1つ以上の表領域に対して透過的暗号化を有効にするかどうかを指定します。表領域に対して構成された設定は、常に、データベース・レベルで設定された構成によってオーバーライドされます。使用できるオプションは次のとおりです。

  • ONを指定すると、指定した表領域の暗号化が有効になります(ただし、SET ENCRYPTION OFF FOR ALL TABLESPACESが使用されている場合を除く)。

  • OFFを指定すると、指定した表領域の暗号化が無効になります(ただし、SET ENCRYPTION ON FOR ALL TABLESPACESが使用されている場合を除く)。

  • CLEARを指定すると、指定した表領域の暗号化は、データベース全体に対する現行のデフォルトによって決定されます。

注意: パスワードの暗号化を有効にするには、SET ENCRYPTION IDENTIFIED BYコマンドを使用する必要があります。

FOR TABLESPACE pdb_name:tablespace_name [ON | OFF | CLEAR]

CDB内の表領域の名前。同じ名前の表領域が複数のデータベースにある場合があります。名前の前の修飾子によって、表領域が一意に識別されます。pdb-nameはPDBの名前です。

FOR TABLESPACEに関する前述の説明を参照してください。

RMAN OUTPUT TO KEEP FOR integer DAYS

RMAN出力ロギングを、integerで指定された日数に構成します。RMANコマンドの出力に関する情報は、2つのビューRC_RMAN_OUTPUTV$RMAN_OUTPUTに格納されています。出力ロギングをintegerの日数に構成すると、integerの日数よりも古いすべてのロギング・エントリが、RC_RMAN_OUTPUTビューとV$RMAN_OUTPUTビューの両方から削除されます。

たとえば、既存の出力ロギング構成に20日間が設定されているとします。出力ロギングを10日間に変更するには、CONFIGUREコマンドを使用します。10日間よりも古いすべてのロギング・エントリが、RC_RMAN_OUTPUTV$_RMAN_OUTPUTから削除されます。

RMAN出力ロギングを無効にするには、次の例に示すとおり、integerに0(ゼロ)を設定します。

CONFIGURE RMAN OUTPUT TO KEEP FOR 0 DAYS; 

出力ロギングを無効にすると、RC_RMAN_OUTPUTビューおよびV$RMAN_OUTPUTビューにログ情報が格納されません。RC_RMAN_OUTPUTの既存のロギング・エントリは、削除されます。

CLEAR

既存のRMAN出力ロギング構成を消去し、7日間(デフォルト)に設定し直します。

RMANによって、出力ロギング情報がRC_RMAN_OUTPUTビューおよびV$RMAN_OUTPUTビューに格納されます。出力ロギング構成を消去すると、7日間(デフォルト値)よりも古いすべてのロギング・エントリが、RC_RMAN_OUTPUTビューから削除されます。V$RMAN_RMAN_OUTPUTビューにある7日間よりも古いエントリは、すぐには削除されません。このビューに許可される最大行数を超えたときにのみ削除されます。

SNAPSHOT CONTROLFILE NAME TO 'filename'

スナップショット制御ファイルの名前と場所を'filename'に設定します。CONFIGURE SNAPSHOT CONTROLFILE NAME CLEARを実行すると、RMANではスナップショット制御ファイル名がデフォルトに設定されます。

スナップショット制御ファイル名のデフォルト値はプラットフォーム固有であり、Oracleホームに依存します。たとえば、一部のUNIXシステムでは、デフォルトは?/dbs/snapcf_@.fです。制御ファイル名を消去し、Oracleホームを変更すると、スナップショット制御ファイルのデフォルト位置も変更されます。

スナップショット制御ファイル名は、そのデータベースに対してのみ有効です。プライマリ・データベースで、スナップショット制御ファイル名をデフォルト値以外に設定したとします。DUPLICATEを使用してスタンバイ・データベースを作成すると、スタンバイ・データベース上のスナップショット制御ファイルの場所は、デフォルト値に設定されます。必要であれば、スタンバイ・データベース上のスナップショットの場所をデフォルト値以外に設定できます。

関連項目: スナップショット制御ファイルの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

forDbUniqueNameOption

Data Guard環境のDB_UNIQUE_NAMEで指定されたデータベースのリカバリ・カタログ内にRMAN構成を作成します。リカバリ・カタログ内のデータベースは、db_unique_nameを使用して1つのみ指定することも、ターゲット・データベースのDBIDを共有するすべてのデータベースをALLで指定することもできます(後者の場合、DBIDはSET DBIDコマンドで指定することもできます)。

Data Guard環境で操作を実行する場合は、リカバリ・カタログが必要です。RMANは、マウント済またはオープン状態のデータベース(プライマリとスタンバイのいずれでも可)にTARGETとして接続されているか、またはターゲット・データベースをSET DBIDコマンドで指定する必要があります。したがって、この句を使用すると、スタンバイ・データベースまたはプライマリ・データベースにTARGETとして接続しなくても、スタンバイ・データベースの永続的な構成を作成できます。たとえば、スタンバイ・データベースの作成後に構成を適用できるように、データベースの作成前にこの構成を作成することができます(例2-56を参照)。

FOR DB_UNIQUE_NAMEを指定すると、リカバリ・カタログ内の構成メタデータが直接更新されます。RMANがTARGETとして接続するデータベースの構成がFOR DB_UNIQUE_NAMEで変更されていた場合、RMANは、リカバリ・カタログの構成メタデータに基づいてマウントされている制御ファイルを更新します。

注意: このデータベースにTARGETとして接続していないときに、CONFIGUREをスタンバイ・データベースでローカルに実行し、次に同じデータベースに対してCONFIGURE FOR DB_UNIQUE_NAMEを実行できます。この場合、リカバリ・カタログ内の構成が、そのデータベースの制御ファイル内の構成をオーバーライドします。

delalConf

この副次句は、アーカイブREDOログの削除方針の永続構成を管理します。

構文要素 説明

ARCHIVELOG DELETION POLICY

アーカイブREDOログが削除可能になる条件を決定します。

アーカイブ・ログの削除方針は、ログのすべてのアーカイブ先(高速リカバリ領域も含む)に適用されます。この方針は、バックアップ・セット内のアーカイブREDOログ・ファイルには適用されません。

高速リカバリ領域内のアーカイブREDOログ・ファイルのみが自動的に削除されます。BACKUP ... DELETE INPUTDELETE ARCHIVELOGまたはDELETE OBSOLETEコマンドを実行すると、ログのアーカイブ先(リカバリ領域も含む)からログを手動で削除できます。FORCEが削除コマンドに指定されていない場合、これらの削除コマンドはアーカイブ・ログの削除方針に従います。FORCEが指定されていると、削除コマンドはアーカイブ・ログの削除方針を無視します。

リカバリ領域では、削除可能なログが可能なかぎり長く保持されます。ディスク領域が必要になると、まず最も古いログから削除されます。リカバリ領域のディスク容量が厳しくなると、Oracle Streamsで必要なアーカイブREDOログ・ファイルが削除される場合があります。

注意: この削除方針は、外部アーカイブREDOログ・ファイルには適用されません。外部アーカイブREDOログ・ファイルは、LogMinerセッション中にロジカル・スタンバイ・データベースで受け取ったログです。これらのログは、プライマリ・データベースから転送されていますが、通常のアーカイブREDOログ・ファイルとは異なり、別のDBIDが使用されています。外部アーカイブREDOログ・ファイルは、ロジカル・スタンバイ・データベースでバックアップおよびリストアすることはできません。

 TO APPLIED ON [ALL] STANDBY

次の条件が両方とも満たされている場合に、アーカイブREDOログ・ファイルが削除可能になります。

  • そのアーカイブREDOログ・ファイルが、必要なスタンバイ・データベースに適用済であること。

  • そのログが、BACKED UP ... TIMES TO DEVICE TYPE削除方針で不要とされていること。BACKED UP方針が設定されていない場合、この条件が常に満たされます。

有効なスタンバイ・リモート・データベースが存在する場合、この方針は、プライマリ・データベース、スタンバイ・データベースおよびFAR SYNCスタンバイ・データベースに適用されます。

プライマリ・データベースでは、スタンバイに適用された後、アーカイブREDOログ・ファイルが削除可能になります。スタンバイ・データベースが存在しない場合、RMANはポリシーとしてTO NONEを使用します。スタンバイ・データベースでは、アーカイブREDOログ・ファイルは、スタンバイ・データベースおよび任意のカスケード・スタンバイ・データベースに適用された後、削除可能です。

どのリモートの宛先が考慮されるかは、次の条件によって異なります。

  • ALLを指定しなかった場合は、必須であるすべてのリモートの宛先に適用した後、アーカイブREDOログ・ファイルは削除可能になります。

  • ALLを指定した場合、アーカイブREDOログ・ファイルは、すべてのリモートの宛先で適用済または消費済であれば削除可能です(リモートの宛先が必須かどうは関係しません)。

    たとえば、スタンバイ・データベースsby1のみがログを受け取るリモートの宛先でも、他のリモートの宛先が、sby1の同じ場所を参照してログを適用するとします。ALLを指定すると、sby1は、プライマリ・データベース上のログがsby1で必要なくなるとすぐに消費済のマークを付けますが、同じ場所を参照する他のリモートの宛先で適用または消費されるまで、このログの削除は許可されません。

注意: TO APPLIED句を、NONE句またはTO SHIPPED句のいずれかと同時に指定することはできません。

関連項目: 詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

   BACKED UP integer TIMES TO DEVICE TYPE deviceSpecifier

次の条件が両方とも満たされている場合に、アーカイブREDOログ・ファイルが削除可能になります。

  • 指定されたデバイス・タイプ上に、指定された数のアーカイブ・ログ・バックアップが存在すること。

  • そのログが、TO SHIPPED TO ... STANDBYまたはTO APPLIED ON ... STANDBY削除方針で不要とされていること。TO SHIPPED TO方針が設定されていない場合、この条件が常に満たされます。

この句を指定して削除方針を構成すると、指定したデバイス・タイプにinteger回のバックアップが存在しないかぎり、BACKUP ARCHIVELOGコマンドによってログがコピーされます。ログのinteger回のバックアップが存在する場合は、BACKUP ARCHIVELOGコマンドはログをスキップします。このように、アーカイブ・ログの削除方針は、BACKUP ARCHIVELOGコマンドのデフォルトのNOT BACKED UP integer TIMES句として機能します。BACKUPコマンドにFORCEオプションを指定すると、この削除方針をオーバーライドできます。

関連項目: deviceSpecifierを参照してください

   TO NONE

アーカイブ・ログの削除方針を無効にします。これがデフォルトの設定です。

アーカイブREDOログ・ファイルは、高速リカバリ領域の内部または外部に配置できます。ログは、それがどこに配置されていても、手動コマンドで削除できます。高速リカバリ領域内のログのみが、データベースによって自動的に削除されます。

  • ターゲット・データベース用にリモート宛先が構成されているときは、アーカイブREDOログ・ファイルは、高速リカバリ領域の内部に格納されているか外部に格納されているかにかかわらず、LOG_ARCHIVE_DEST_nで指定された必須のリモート宛先に転送されている場合に削除可能です。

  • リモート宛先が構成されていないときは、高速リカバリ領域内のアーカイブREDOログ・ファイルは、ディスクまたはSBTに1回以上バックアップされている場合、またはバックアップ保存方針に従ってログが不要になっている場合に削除可能です。

    バックアップ保存方針でログが不要であるとみなされるのは、そのログが保証付きリストア・ポイントで必要とされていないことに加え、フラッシュバック・データベースからも必要とされていない場合のみです。SYSDATE-'DB_FLASHBACK_RETENTION_TARGET'より後に作成されたアーカイブREDOログ・ファイルは、フラッシュバック・データベースに必要です。

たとえば、アーカイブREDOログ・ファイルが、必須であるリモートの宛先に転送済であるとします。このログは、リカバリ期間の保存方針によると不要ですが、まだバックアップされていません。その場合、ログは削除可能です。または、ログが不要になり、SBTにバックアップ済であるとします。ただし、必須であるリモートの宛先には転送されていません。その場合は、ログは削除可能ではありません。

削除方針がNONEに設定されているときに、高速リカバリ領域外にあるアーカイブREDOログ・ファイルに対して削除コマンドを実行したとすると、RMANは、削除コマンドに指定された条件のみに基づいて処理を行います。

TO SHIPPED TO [ALL] STANDBY

次の条件が両方とも満たされている場合に、アーカイブREDOログ・ファイルが削除可能になります。

  • そのアーカイブREDOログ・ファイルが、必須であるリモートの宛先に転送済であること。

  • そのログが、BACKED UP ... TIMES TO DEVICE TYPE削除方針で不要とされていること。BACKED UPの削除方針が設定されていない場合、この条件が常に満たされます。

有効なスタンバイ・リモート・データベースが存在する場合、このポリシーはプライマリ・データベース、スタンバイ・データベース、FAR SYNCスタンバイ・データベースに適用されます。

  • プライマリ・データベースの場合:

    • 有効なスタンバイ構成が存在する場合、アーカイブREDOログ・ファイルは、そのスタンバイに転送された後、削除可能になります。

    • 有効なスタンバイ・データベースが存在しない場合、RMANはデフォルト・ポリシーとしてTO NONEを使用します。

  • スタンバイ・データベースの場合:

    • 有効なカスケード・スタンバイ構成が存在する場合、アーカイブREDOログ・ファイルは、そのカスケード・スタンバイ・データベースに転送された後、削除可能になります。

    • 有効なカスケード・スタンバイ構成が存在しない場合、RMANは、デフォルト・ポリシーとしてTO NONEを使用します。

どのリモートの宛先が考慮されるかは、次の条件によって異なります。

  • ALLを指定しなかった場合は、必須であるリモートの宛先にのみ転送された後、アーカイブREDOログ・ファイルは削除可能です。

  • ALLを指定した場合は、ログは、すべてのリモートの宛先に転送されれば削除可能です(リモートの宛先が必須かどうは、関係しません)。

注意: TO SHIPPED句を、NONE句またはTO APPLIED句のいずれかと同時に指定することはできません。

関連項目: 詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

backupConf

この副次句は、BACKUPコマンドに関する永続構成を管理します。構成の1つに、バックアップの最適化があります。バックアップの最適化を有効にした場合、ファイルがデバイス・タイプにバックアップ済であれば、それと同じファイルが同じデバイス・タイプにバックアップされることはありません。

バックアップの最適化を行う場合に、ファイルが同じかどうかおよびファイルがスキップされる可能性があるかどうかを判断する基準を表2-3に示します。また、この表では、バックアップの最適化が有効で、同一ファイルのバックアップをスキップするかどうかを決定する必要がある場合に、RMANによって使用されるアルゴリズムも説明します。RMANによってバックアップがスキップされない場合は、指定されたそのとおりにバックアップが作成されます。

表2-3 バックアップの最適化アルゴリズム

ファイル・タイプ 同一ファイル条件 バックアップの最適化が有効な場合のバックアップ・アルゴリズム

データファイル

データファイルのDBID、チェックポイントSCN、作成SCN、およびRESETLOGSのSCNおよび時刻は、すでにバックアップ内にあるデータファイルと同じである必要があります。データファイルは、NORMALモードでオフラインにされているか、読取り専用か、または正常にクローズされている必要があります。

リカバリ期間ベースの保存方針が有効な場合、RMANがデータファイルをスキップするかどうかはバックアップ・メディアによって決まります。

テープへのバックアップの場合、最新のバックアップがリカバリ期間よりも古ければ、同一データファイルのバックアップが存在していても、RMANによってデータファイルのバックアップがもう1つ作成されます。こうして、期限切れのテープのリサイクルが可能になります。

ディスクへのバックアップの場合は、同一データファイルがディスク上で使用可能であれば、そのバックアップがリカバリ期間の開始時よりも古くても、RMANによってバックアップはスキップされます。期間ベースの保存方針では、必要とされる場合、RMANによって古い方のバックアップも保持されます。

保存方針がCONFIGURE RETENTION POLICY TO REDUNDANCY rを使用して有効になっている場合は、指定したデバイス上に同一ファイルのバックアップがn個以上存在するときのみ、RMANによってバックアップがスキップされます(ここで、n=r+1です)。

有効になっている保存方針がない場合は、指定したデバイス上に同一ファイルのバックアップがn個以上存在するときのみ、RMANによってバックアップがスキップされます。このnの値は、RMANによって次の優先順位で検索されます(リストの上位にある値が、下位にある値よりも優先されます)。

  1. BACKUP ... COPIES n

  2. SET BACKUP COPIES n

  3. CONFIGURE DATAFILE BACKUP COPIES FOR DEVICE TYPE ... TO n

  4. n=1

アーカイブREDOログ

アーカイブREDOログのスレッド、順序番号およびRESETLOGSのSCNと時刻が、すでにバックアップ内にあるアーカイブ・ログと同じである必要があります。

指定したデバイス上に同一ファイルのバックアップがn個以上存在するときのみ、バックアップがスキップされます。このnの値は、RMANによって次の優先順位で検索されます(リストの上位にある値が、下位にある値よりも優先されます)。

  1. BACKUP ... COPIES n

  2. SET BACKUP COPIES n

  3. CONFIGURE ARCHIVELOG BACKUP COPIES FOR DEVICE TYPE ... TO n

  4. n=1

バックアップ・セット

バックアップ・セットのレコードIDおよびタイムスタンプが、既存のバックアップ・セットと同じである必要があります。

指定したデバイス上に同一ファイルのバックアップがn個以上存在するときのみ、バックアップがスキップされます。デフォルトでは、n=1です。nの値が他にある場合は、次の優先順位で検索されます(リストの上位にある値が、下位にある値よりも優先されます)。

  1. BACKUP ... COPIES n

  2. SET BACKUP COPIES n

  3. n=1

構文要素 説明
{ARCHIVELOG | DATAFILE} BACKUP COPIES FOR DEVICE TYPE deviceSpecifier TO integer

指定したデバイス・タイプ上での、DATAFILE(データファイルと制御ファイルの両方)またはARCHIVELOGファイルのバックアップ・セットごとのコピー数を指定します(例2-51を参照)。作成できるコピー数は、1(デフォルト)から4です。

RMANでは、ディスクまたはテープにバックアップを多重化できますが、テープとディスクにバックアップを同時に多重化することはできません。テープへのバックアップ時に、コピーの数が、使用可能なテープ・デバイスの数を超えないようにしてください。また、COPIESが2以上の場合、ターゲット・データベースでBACKUP_TAPE_IO_SLAVES初期化パラメータを有効にする必要があります。

制御ファイルの自動バックアップは多重化されません。また、高速リカバリ領域では多重化が許可されません。

BACKUPコマンドまたはSET BACKUP COPIESコマンドで多重化が指定された場合、CONFIGUREの設定はオーバーライドされます。

BACKUP OPTIMIZATION [ON | OFF | CLEAR]

バックアップの最適化をONまたはOFF(デフォルト)にします。CLEARを指定すると、最適化はデフォルト値のOFFに戻ります。

バックアップの最適化が使用可能になるのは、次の条件がすべて満たされている場合です。

  • CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION ONコマンドを実行済の場合。

  • BACKUP DATABASEBACKUP ARCHIVELOG(ALLまたはLIKEオプションを指定)、BACKUP BACKUPSET ALLBACKUP RECOVERY AREABACKUP RECOVERY FILESまたはBACKUP DATAFILECOPYを実行する場合。

  • RMANのジョブに、単一のデバイス・タイプのチャネルのみが使用される場合。

最適化によって、ファイルがデバイス・タイプにバックアップ済である場合は、RMANでは、同じファイルが同じデバイス・タイプにバックアップされないようになります。RMANでは、バックアップ中に、バックアップの最適化によってすべてのファイルがスキップされてもエラーは発行されません。バックアップ保存方針は、バックアップの最適化でどのファイルがスキップされるかに影響します。

2つのファイルが同じであるためには、ファイルの内容が表2-3に説明されている要件を満たしている必要があります。バックアップ・ピースをディスク上またはOracle Secure Backupで管理されているメディア上に作成する場合、UNDOデータがアクティブなトランザクションに属していなければ、最適化によって、そのデータはバックアップから除外されます。

注意: BACKUP ... DELETE INPUTを実行すると、バックアップ中に最適化によってスキップされるファイルであるかどうかに関係なく、指定したアーカイブREDOログがすべて削除されます。

注意: BACKUPコマンドのFORCEオプションを使用すると、バックアップの最適化をオーバーライドできます。

関連項目: RMANによってファイルのバックアップをスキップできるかどうかを判断する方法は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

EXCLUDE FOR TABLESPACE tablespace_name [CLEAR]

指定した表領域をBACKUP DATABASEコマンドおよびRESTORE DATABASEコマンドから除外します(例2-53を参照)。SYSTEM表領域は除外できません。

BACKUPコマンドは、デフォルトでは表領域を除外しません。このオプションを使用するには、宣言する必要があります。除外は個々のデータファイルではなく表領域の属性として格納されます。そのため、除外は現在のデータファイル・セットに適用されるのみでなく、将来この表領域に追加されるすべてのファイルにも適用されます。表領域を除外した後、その表領域に対してCONFIGURE ... CLEARを実行すると、除外が行われないデフォルトの構成に戻ります。

その場合も、BACKUPコマンドで明示的に指定するか、BACKUP DATABASEコマンドでNOEXCLUDEオプションを指定すると、除外した表領域をバックアップできます。同様に、RESTORE TABLESPACEコマンドで指定すると、除外した表領域をリストアできます。

EXCLUDE FOR TABLESPACE pdb_name:tablespace_name [CLEAR]

PDB内の表領域の名前。同じ名前の表領域が複数のPDBにある場合があります。名前の前の修飾子によって、表領域が一意に識別されます。pdb-nameはPDBの名前です。

EXCLUDE FOR TABLESPACEに関する前述の説明を参照してください。

MAXSETSIZE

チャネル上で作成される各バックアップ・セットの最大サイズを指定します。CLEARオプションを指定すると、MAXSETSIZEをデフォルト値のUNLIMITEDに戻すことができます。

注意: このオプションは、BACKUP AS COPYでは無視されます。

   TO sizeSpec

各バックアップ・セットの最大サイズを、integer(GB、KBまたはMB)で指定します。

   TO UNLIMITED

バックアップ・セットのサイズを制限しません。

RETENTION POLICY

RMANで不要マークが付けられた、つまり不要となり削除可能になっているバックアップ・セットおよびコピーについて、現行の永続的な方針を指定します。

時間が経過すると、保存方針で指定された条件に従ってバックアップ・セットとコピーに不要マークが付けられます。高速リカバリ領域内の不要なバックアップ・セットおよびコピーは、領域が必要になるとRMANによって自動的に削除されます。高速リカバリ領域外にある不要なファイルが自動的に削除されることはありません。削除するには、DELETE OBSOLETEコマンドを手動で実行する必要があります。

バックアップの場合、保存方針の基本単位はバックアップ・セット(バックアップ・ピースではない)またはイメージ・コピーです。たとえば、BACKUP AS BACKUPSET COPIES 4 TABLESPACE usersを実行すると、4つの同一バックアップ・ピースに多重化されるバックアップ・セットが1つ作成されます。保存方針では、これは4つの別々のバックアップではなく、1つのバックアップとみなされます。

注意: CLEARオプションを使用すると、RETENTION POLICYをデフォルトのREDUNDANCY 1に戻すことができます。

   TO NONE

保存方針機能を使用禁止にします。RMANでは、バックアップ・セットおよびコピーは不要とみなされません。

   TO RECOVERY WINDOW OF integer DAYS

RMANでデータベースをリカバリ可能な時間枠を指定します。

時間枠は、現在の時刻(SYSDATE)からリカバリを必要とする最も過去の日付であるリカバリ可能ポイントまでです。リカバリ可能ポイントは、SYSDATE - integerで指定された日数分過去の時点を示します。この設定を使用して、削除された表領域またはデータ・ファイルのリストアまたはリカバリを行います。

注意: REDUNDANCYオプションとRECOVERY WINDOWオプションを同時に指定することはできません。一度に有効な保存方針のタイプは1つのみです。

   TO REDUNDANCY integer

データファイルおよび制御ファイルごとに、integerで指定した数の全体バックアップまたはレベル0バックアップを保存します。保存方針のデフォルト設定は、REDUNDANCY 1です。この設定では、現在のデータ・ファイルのセットのみが考慮されます。

データファイルまたは制御ファイルの全体バックアップまたはレベル0バックアップがintegerで指定した数よりも多く存在する場合、RMANでは、余分なファイルには不要マークが付けられます。次に、RMANでは保存されているバックアップのうち最も古いものが判断され、そのバックアップより古いすべてのアーカイブREDOログ・ファイルおよびログのバックアップに不要マークが付けられます。DELETE OBSOLETEコマンドを実行すると、不要なデータファイル・バックアップ(全体または増分)、制御ファイルのバックアップ、およびアーカイブ・ログのバックアップまたはイメージ・コピーが削除されます。

次の使用例では、増分バックアップ計画において冗長度がどのように機能するかについて説明します。冗長度レベルが1であるとします。月曜日の正午にレベル0のデータベース・バックアップを、火曜日と水曜日の正午にレベル1の累積バックアップを、木曜日の正午にレベル0のバックアップを実行します。各日次バックアップの直後に、DELETE OBSOLETEを実行します。水曜日にDELETEコマンドを実行しても、火曜日のレベル1のバックアップは冗長でないため、削除されません。火曜日のレベル1のバックアップは、火曜日の正午から水曜日の正午までの時点に月曜日のレベル0のバックアップをリカバリするために使用できます。ただし、木曜日のDELETEコマンドでは、以前のレベル0およびレベル1のバックアップが削除されます。

注意: REDUNDANCYオプションとRECOVERY WINDOWオプションを同時に指定することはできません。一度に有効な保存方針のタイプは1つのみです。

cfauConf

この副次句は、制御ファイルの自動バックアップに関する永続構成を作成します。

構文要素 説明

CONTROLFILE AUTOBACKUP

制御ファイルの自動バックアップ機能を制御します。

デフォルトでは、制御ファイルの自動バックアップは、COMPATIBLE初期化パラメータが12.2以上に設定されているCDBおよびスタンドアロン・データベースに対して有効になります。

注意: 制御ファイルの自動バックアップ機能を有効にすることをお薦めします。

   ON

次のような状況で、制御ファイルの自動バックアップを実行します。

  • RMANプロンプトでBACKUPまたはCREATE CATALOGコマンドが発行された後。

  • RUNブロック内のBACKUPコマンドの後に、BACKUP以外のコマンドが続いている場合。

  • RUNブロックの終わり(そのブロックの最後のコマンドがBACKUPだった場合)。

  • ARCHIVELOGモードでのデータベース構造の変更後。NOARCHIVELOGモードでは、構造の変更後にデータベースの自動バックアップは実行されません。

    表領域の追加、表領域やデータファイルの状態の変更(オンライン化など)、新規オンラインREDOログの追加、ファイル名の変更、新規REDOスレッドの追加、フラッシュバック・データベースの有効化または無効化などの、構造の変更。前述の状況で発生する自動バックアップとは異なり、このタイプの自動バックアップはディスクにのみ行われます。CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FOR DEVICE TYPE DISKを実行すると、デフォルト以外のディスクの場所を設定できます。

    Oracle 11gリリース2以上のRMANでは、データベースの構造が変更されるたびに新しい制御ファイルのバックアップを作成する方法ではなく、数分ごとに発生するすべての構造変更に対して単一の自動バックアップ・ファイルを作成する方法が採用されています。

バックアップ・ジョブまたはコピー・ジョブで割り当てた最初のチャネルによって自動バックアップが作成され、独自のバックアップ・セットに格納され、構造の自動バックアップ後にデフォルトのディスク・チャネルによってバックアップが作成されます。RMANは、制御ファイルとサーバー・パラメータ・ファイルを同じバックアップ・ピースに書き込みます。制御ファイルの自動バックアップが完了すると、データベースによってバックアップ・ピースへのフルパスとデバイス・タイプを含むメッセージがアラート・ログに書き込まれます。

ディスク上の自動バックアップのデフォルトの場所は、高速リカバリ領域(構成されている場合)またはプラットフォーム固有の場所(構成されていない場合)です。RMANでは、現行の制御ファイルは、デフォルトのフォーマット%Fを使用して自動的にバックアップされます。CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMATおよびSET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMATコマンドを使用して場所およびファイル名の形式を変更できます。

自動バックアップを複数の場所に書き込むようにRMANを構成することはできません。制御ファイルのバックアップを複数作成するには、バックアップ・ジョブの最後のコマンドをBACKUP CURRENT CONTROLFILE FORMATコマンドにします(これによって、FORMATで指定した場所に制御ファイルがバックアップされ、その後自動バックアップが実行されます)。

注意: RUNブロック内またはRMANプロンプトのいずれかでSET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMATコマンドを指定すると、そのセッション内のみで構成済の自動バックアップ形式がオーバーライドされます。優先順位は次のとおりです。

  1. RUNブロック内のSET

  2. RMANプロンプトのSET

  3. CONFIGURECONTROLFILEAUTOBACKUPFORMAT

自動バックアップ形式は、CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUPOFFに設定されていても構成できますが、この場合、RMANでは自動バックアップが生成されません。RMANで自動バックアップを作成するには、CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUPONに設定する必要があります。

   OFF

自動バックアップ機能を無効化します(デフォルト)。

データファイル1を含むすべてのBACKUPコマンドでは、バックアップ・セットに現行の制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルが自動的に組み込まれます。それ以外の場合、RMANはこれらのファイルを含めません。

   CLEAR

この構成をデフォルト設定のOFFに戻します。

   FORMAT FOR  DEVICE TYPE deviceSpecifier  TO formatSpec

指定したデバイス・タイプへの制御ファイルの自動バックアップについて、デフォルトの場所とファイル名の形式を構成します(例2-55を参照)。

デフォルトのフォーマットは、どのデバイスの場合も%Fです。CONFIGUREで指定するデフォルトのフォーマット文字列には、%F置換変数を含める必要があります。他の置換変数を使用すると、エラーが発生します。CLEARを指定すると、フォーマットがデフォルトの%Fに戻ります。

高速リカバリ領域が有効で、フォーマットがデフォルトの'%F'の場合、RMANはautobackupというディレクトリのリカバリ領域に自動バックアップを作成します。有効になっていない場合は、オペレーティング・システム固有の場所(UNIX、LinuxおよびWindowsでは?/dbs)が自動バックアップのデフォルトの場所になります。

SHOWコマンドの出力にある文字列# defaultは、RMANがデフォルトのフォーマットを使用しているタイミングを示します。ディスク・フォーマットを手動で'%F'に構成すると、リカバリ領域が有効な場合でも、RMANはオペレーティング・システム固有のデフォルトの場所に自動バックアップを作成します。自動バックアップがリカバリ領域に作成されるようにフォーマットをデフォルトに戻すには、CONFIGURE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK CLEARを実行します。

formatSpecで、自動ストレージ管理ディスク・グループを指定できます。次の例では、ASMディスク・グループのチャネルを構成します。

CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FOR DEVICE TYPE DISK TO '+dgroup1';

関連項目: %F置換変数のセマンティクスについては、formatSpecを参照してください

deviceConf

この副次句は、チャネルおよびデバイスに関する永続構成を作成します。

構成済チャネルの名前

RMANは構成済チャネルの名前を決定することに注意してください。RMANで使用される規則は、ORA_devicetype_nです。devicetypeDISKまたはsbt_tapeなどのユーザー・デバイスのタイプ、nはチャネル番号です。接頭辞ORA_で始まるチャネル名は、RMAN専用に予約されています。名前がORA_で始まるチャネルを手動で割り当てることはできません。

注意:

デバイス・タイプのsbtsbt_tapeはシノニムですが、RMANへの入力がsbtsbt_tapeのいずれの場合でも、RMANの出力は、常にsbt_tapeが表示されます。

RMANでは、最初のDISKチャネルにORA_DISK_1、2番目のチャネルにORA_DISK_2という名前が付けられ、以降も同様に名前が付けられます。sbtチャネルの場合は、最初のチャネルにORA_SBT_TAPE_1、2番目のチャネルにORA_SBT_TAPE_2という名前が付けられ、以降も同様に名前が付けられます。チャネルをパラレル化すると、RMANによってチャネルは常に番号順に割り当てられます。番号は、1から始まり、パラレル化の設定値(CONFIGURE DEVICE TYPE ... PARALLELISM n)で終わります。

特定の構成済チャネルでBACKUPまたはジョブを実行するには、システムで生成されたチャネル名を使用します。CONFIGURE CHANNELコマンド(deviceConf句を参照)でチャネル番号を指定すると、RMANでは、システム生成のチャネル名に同じ番号が使用されます。

チャネルの自動割当ては、メンテナンス・コマンドにも適用されます。RMANで自動メンテナンス・チャネルを割り当てる場合、他の自動割当てチャネルと同じネーミング規則が使用されます。

Oracle RAC環境の構成済チャネル

Oracle RAC環境でRMANを使用する場合、負荷および可用性に応じて、クラスタ内の様々なインスタンスでセッションを確立するTARGET接続文字列を指定することをお薦めします。

CONNECTオプションを使用して個々のチャネルと特定のOracle RACインスタンスとの接続を構成すると、チャネル構成で指定した特定のインスタンスにRMANスクリプトが依存するようになるため、これはお薦めできません。そのインスタンスのうちの1つが使用できなくなると、バックアップ・スクリプトの実行は失敗します。ロード・バランシング接続文字列を使用すると、RMANスクリプトのコーディングが容易になるうえ、個々のインスタンスの障害に対するリジリエンスが向上します。

CONNECTオプションを使用してRMANチャネルを特定のノードにダイレクトする場合は、チャネル構成でパスワードを使用しないことを強くお薦めします。すべてのインスタンスのSYSACKUP権限を持つユーザーのパスワードがTARGET接続のパスワードと同じ場合は、チャネルをCONNECT "@nodename"で構成する必要があります。RMANはそのチャネルへの接続に、TARGET接続からのユーザーIDとパスワードを使用します。

構文要素 説明
[AUXILIARY] CHANNEL [ integer] DEVICE TYPE deviceSpecifier

構成または消去する標準チャネルまたはAUXILIARYチャネルと、そのチャネルのデバイス・タイプを指定します。

注意: RUNコマンド内でALLOCATE CHANNELを指定して割り当てたチャネルは、構成済の自動チャネルをオーバーライドします。

汎用チャネルを構成するか、チャネルを番号で指定できます。この場合、integer254以下の値です。番号付けされたチャネルの実例は、例2-53を参照してください。

AUXILIARYを指定すると、この構成は補助インスタンスで割り当てられたチャネルにのみ使用されます。ターゲット・インスタンスで割り当てられたチャネルとは異なるパラメータが補助チャネルに必要な場合は、補助チャネルの構成情報を指定します。補助デバイス構成を指定しない場合、RMANはターゲット・データベースのデバイス構成を使用して補助チャネルを構成します。

チャネル・オプションは、1つ以上指定する必要があります。たとえば、CONFIGURE CHANNEL 2 DEVICE TYPE DISKのようなコマンドは発行できませんが、CONFIGURE CHANNEL 2 DEVICE TYPE DISK MAXPIECESIZE 2500Kというコマンドは発行できます。

指定したデバイス・タイプの汎用チャネルについて、新規コマンドにより、そのデバイス・タイプの以前の設定が消去されます。次のコマンドを実行するとします。

CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE sbt MAXPIECESIZE 1G;
CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE sbt FORMAT 'bkup_%U';

2番目のコマンドでは、最初のコマンドのMAXPIECESIZE設定が消去されます。

注意: RMANでは、BACKUPコマンドで同時に複数のデバイス・タイプに対して自動チャネルが割り当てられることはありません。

関連項目: チャネル番号で指定した自動チャネルを構成する方法は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください

   allocOperandList

構成済チャネルの制御オプションを指定します。

デフォルト以外のCONNECTオプションまたはPARMSオプションを使用してチャネルを構成し、バックアップまたはコピーを作成する場合は、同じ構成済チャネルを使用するか、同じオプションを使用して手動でチャネルを割り当てて、これらのバックアップをリストアまたはクロスチェックする必要があります。

FORMATパラメータで、自動ストレージ管理ディスク・グループを指定できます。次の例では、ASMディスク・グループのチャネルを構成します。

CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE DISK FORMAT '+dgroup1';

関連項目: allocOperandListを参照してください

   CLEAR

指定したチャネルを消去します。たとえば、CONFIGURE CHANNEL 1 DEVICE TYPE DISK CLEARはチャネル1のみをデフォルトに戻しますが、CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE DISK CLEARは汎用ディスク・チャネルをデフォルトに戻します。CLEARを指定する場合は、他のチャネル・オプション(PARMSなど)を指定できません。

DEFAULT DEVICE TYPE TO deviceSpecifier

自動チャネルのデフォルトのデバイス・タイプを指定します。デフォルトのデバイス・タイプはDISKです。CLEARを指定すると、デフォルトのデバイス・タイプがDISKに戻ります。

デフォルトでは、BACKUPコマンドで割り当てることができるのは、デフォルトのデバイス・タイプのチャネルのみです。たとえば、自動チャネルをDISKおよびsbtに対して構成し、デフォルトのデバイス・タイプをsbtに設定した場合、BACKUP DATABASEコマンドを実行すると、RMANではテープ・チャネルのみが割り当てられます。この動作をオーバーライドするには、RUNコマンドでチャネルを手動で割り当てる方法と、BACKUPコマンド自体でDEVICE TYPEを指定する方法があります(例2-51を参照)。

RESTOREコマンドでは、デフォルトのデバイス・タイプに関係なく、すべての構成済デバイス・タイプの自動チャネルが割り当てられます。RESTOREコマンドは、構成済の各デバイス・タイプのPARALLELISM設定に従います。

DEVICE TYPE deviceSpecifier

このCONFIGUREコマンドで指定された設定の適用対象としてデバイス・タイプ(ディスクまたはsbt)を指定します。CLEARオプションを使用すると、このデバイスのバックアップ・タイプおよび並列度の設定がデフォルトにリセットされます。

CONFIGURE DEVICE TYPEコマンドを実行して、デバイス・タイプのデフォルト設定を構成し、このデバイス・タイプに対してCONFIGURE CHANNELを実行しなかった場合、RMANは、他のチャネル制御オプションを使用せずに、すべてのチャネルを割り当てます。sbtデバイスを構成し、バックアップを次のように実行するとします。

CONFIGURE DEVICE TYPE sbt PARALLELISM 1;
BACKUP DEVICE TYPE sbt DATABASE;

実際には、RMANでは、このバックアップを次のように実行します。

RUN 
{
  ALLOCATE CHANNEL ORA_SBT_TAPE_1 DEVICE TYPE sbt;
  BACKUP DATABASE;
}
   BACKUP TYPE TO [[COMPRESSED] BACKUPSET | COPY]

ディスク・バックアップまたはテープ・バックアップのデフォルトのバックアップ・タイプを構成します。SBTデバイスの場合、COPYオプションはサポートされていません。ディスクの場合のデフォルトは、BACKUPSETです。

BACKUP TYPEBACKUPSETに設定した場合にBACKUPコマンドを使用すると、バックアップが作成されるメディアに関係なく、常に、バックアップ・セットが作成されます。COMPRESSEDオプションを指定すると、作成されるバックアップ・セットにバイナリ圧縮が使用されます。

ディスク・バックアップのデフォルトの場所は、高速リカバリ領域が構成されている場合は高速リカバリ領域です。構成されていない場合は、RMANによってプラットフォーム固有の場所にバックアップが格納されます。バックアップ・ファイル名のデフォルトの形式は%Uです。

   PARALLELISM integer

RMANのジョブに割り当てられるデバイス・タイプに指定された自動チャネルの数を構成します。デフォルトでは、PARALLELISM1に設定されています。

注意: CONFIGURE ... PARALLELISMパラメータは、チャネルの並列度(バックアップおよびリストアの操作時にRMANが割り当てるチャネル数)を指定します。RECOVERY_PARALLELISM初期化パラメータは、インスタンス・リカバリで使用されるプロセス数を指定します。

ディスク・バックアップのPARALLELISM2に設定するとします(例2-52を参照)。デフォルトのデバイス・タイプをディスクに設定し、RMANプロンプトでBACKUP DATABASEを実行すると、2つのディスク・チャネルが割り当てられます。RMANは、常にPARALLELISMで設定された数のチャネルを割り当てますが、実際にはこれらのチャネルのサブセットしか使用されない場合があります。

注意: 手動で番号を取得したn個のチャネルを構成する場合は、PARALLELISM設定がnより大きくても小さくてもかまいません。たとえば、10個の自動チャネルの番号を手動で取得し、PARALLELISM212に設定できます。

デバイス・タイプの並列度をnに変更するには、新規のCONFIGURE DEVICE TYPE ... PARALLELISM nコマンドを実行します。たとえば、次のように、sbtPARALLELISM3に構成してから、2に変更できます。

CONFIGURE DEVICE TYPE sbt PARALLELISM 3;
CONFIGURE DEVICE TYPE sbt PARALLELISM 2;
SPARSE [ON|OFF] 疎データファイルに対するバックアップおよびリカバリを実行する前に、データベースのデバイス・タイプを疎または非疎として構成します。この設定は、データベースのCOMPATIBLE初期化パラメータが12.2以上に設定されている場合にかぎり使用できます。

SPARSE設定をONに設定すると、BACKUPコマンドでは疎バックアップが作成され、RESTOREコマンドでは疎バックアップからのリストア操作が実行されます。デバイスのSPARSE設定をOFFに設定すると、RMANによってデータベースのバックアップおよびリカバリ操作が従来どおりに実行されます。

データベースに対してCOMPATIBLEが12.2以上に設定されている場合、ONがデフォルトの設定になります。この設定は、データベースのデフォルトの疎モードをオーバーライドします。

疎データベースの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照してください

例2-50 デバイスおよびバックアップ・オプションの構成

この例では、デバイス・タイプDISKおよびsbtのチャネルを構成し、デフォルトのデバイス・タイプをsbtに設定します。また、バックアップの最適化を有効にし、リカバリ期間を2週間に構成します。

CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE DISK FORMAT '/disk1/backups/%U';
CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE sbt PARMS 'ENV=(OB_DEVICE_1=tape1)';
CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO sbt;
CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION ON;
CONFIGURE RETENTION POLICY TO RECOVERY WINDOW OF 14 DAYS;

例2-51 デフォルト・デバイス・タイプのオーバーライド

この例では、データファイルと制御ファイルのDISKバックアップについて多重化を2に構成し(ただし、ディスクへの制御ファイルの自動バックアップは特例で、多重化されません)、次いでsbtをデフォルト・デバイスに構成します。

CONFIGURE DATAFILE BACKUP COPIES FOR DEVICE TYPE DISK TO 2;
CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE sbt PARMS 'ENV=(OB_DEVICE_1=tape1)';
CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO sbt;

最初のBACKUPコマンドは、アーカイブREDOログ・ファイルをデフォルトのsbtチャネルにバックアップします。2番目のBACKUPコマンドは、データベースをディスクの場所にバックアップします。ディスク・バックアップの多重化が有効であるため、各出力バックアップ・セットのコピーが2つ作成されます。

BACKUP ARCHIVELOG ALL;
BACKUP DEVICE TYPE DISK 
  DATABASE
  FORMAT '/disk1/db_backup_%U','/disk2/db_backup_%U';

例2-52 ファイル・システムにまたがる自動チャネルの構成

この例では、2つのファイル・システムにまたがる自動ディスク・チャネルを構成します。

CONFIGURE DEVICE TYPE DISK PARALLELISM 2;
CONFIGURE CHANNEL 1 DEVICE TYPE DISK FORMAT '/disk1/%U';
CONFIGURE CHANNEL 2 DEVICE TYPE DISK FORMAT '/disk2/%U';

PARALLELISM2に設定されているため、次のコマンドは出力データを2つのファイル・システム間で分割します。

BACKUP DEVICE TYPE DISK
  DATABASE PLUS ARCHIVELOG;

次のLISTコマンドは、データファイルのバックアップがどのようにパラレル化されたかを示します。

RMAN> LIST BACKUPSET 2031, 2032;
 
List of Backup Sets
===================
 
BS Key  Type LV Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
------- ---- -- ---------- ----------- ------------ ---------------
2031    Full    401.99M    DISK        00:00:57     19-JAN-13
        BP Key: 2038   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20130119T100532
        Piece Name: /disk1/24i7ssnc_1_1
  List of Datafiles in backup set 2031
  File LV Type Ckp SCN    Ckp Time  Name
  ---- -- ---- ---------- --------- ----
  1       Full 973497     19-JAN-13 /disk3/oracle/dbs/t_db1.f
  5       Full 973497     19-JAN-13 /disk3/oracle/dbs/tbs_112.f
 
BS Key  Type LV Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
------- ---- -- ---------- ----------- ------------ ---------------
2032    Full    133.29M    DISK        00:00:57     19-JAN-13
        BP Key: 2039   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20130119T100532
        Piece Name: /disk2/25i7ssnc_1_1
  List of Datafiles in backup set 2032
  File LV Type Ckp SCN    Ckp Time  Name
  ---- -- ---- ---------- --------- ----
  2       Full 973501     19-JAN-13 /disk3/oracle/dbs/t_ax1.f
  3       Full 973501     19-JAN-13 /disk3/oracle/dbs/t_undo1.f
  4       Full 973501     19-JAN-13 /disk3/oracle/dbs/tbs_111.f

例2-53 Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)構成での自動チャネルの構成

この例では、Oracle RACデータベースに2つのノードがあるとします。メディア・マネージャはOracle Secure Backupです。テープ・ドライブtape1node1に直接接続され、テープ・ドライブtape2node2に直接接続されています。この例では、各クラスタ・ノードにSBT自動チャネルを構成します。

この例では、Oracle RACインスタンスnode1およびnode2へのチャネル接続を示します。両方のチャネル接続で、RMANは、ターゲット・データベース接続で入力したユーザー名とパスワードと同じものを使用します。

CONFIGURE DEVICE TYPE sbt PARALLELISM 2;
CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO sbt;
CONFIGURE CHANNEL 1 DEVICE TYPE sbt CONNECT '@node1'
  PARMS 'ENV=(OB_DEVICE=tape1)';
CONFIGURE CHANNEL 2 DEVICE TYPE sbt CONNECT '@node2'
  PARMS 'ENV=(OB_DEVICE=tape2)';

例2-54 補助ファイル名の構成

この例では、CONFIGURE AUXNAMEを使用して、データファイルの新しいファイル名を指定します。DUPLICATEコマンドによって、ディレクトリ構造が異なるリモート・ホストにデータベースが多重化されます。

# set auxiliary names for the data files 
CONFIGURE AUXNAME FOR DATAFILE 1 TO '/oracle/auxfiles/aux_1.f'; 
CONFIGURE AUXNAME FOR DATAFILE 2 TO '/oracle/auxfiles/aux_2.f'; 
CONFIGURE AUXNAME FOR DATAFILE 3 TO '/oracle/auxfiles/aux_3.f'; 
CONFIGURE AUXNAME FOR DATAFILE 4 TO '/oracle/auxfiles/aux_4.f'; 

RUN
{  
  ALLOCATE AUXILIARY CHANNEL dupdb1 TYPE DISK;
  DUPLICATE TARGET DATABASE TO dupdb 
  LOGFILE
    GROUP 1 ('?/dbs/dupdb_log_1_1.f', 
             '?/dbs/dupdb_log_1_2.f') SIZE 4M,
    GROUP 2 ('?/dbs/dupdb_log_2_1.f', 
             '?/dbs/dupdb_log_2_2.f') SIZE 4M REUSE; 
}
# Unspecify the auxiliary names for the data files so that they are not 
# overwritten by mistake:
CONFIGURE AUXNAME FOR DATAFILE 1 CLEAR; 
CONFIGURE AUXNAME FOR DATAFILE 2 CLEAR; 
CONFIGURE AUXNAME FOR DATAFILE 3 CLEAR; 
CONFIGURE AUXNAME FOR DATAFILE 4 CLEAR;

例2-55 制御ファイルの自動バックアップに使用するデフォルトの形式の指定

次の例では、自動バックアップ機能を有効にし、DISKおよびsbtデバイスに対してデフォルトの自動バックアップ形式を構成します。

CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP ON; 
CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK TO '/disk2/%F';
CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE sbt TO 'cf_auto_%F';

例2-56 スタンバイ・データベースの構成の作成

プライマリ・データベースprodが、dgprod3およびdgprod4というDB_UNIQUE_NAME名の2つのスタンバイ・データベースに関連付けられているとします。RMANを起動し、TARGETとしてprodに接続して、リカバリ・カタログに接続するとします。次のコマンドでは、データベースdgprod3およびdgprod4のデフォルトのデバイス・タイプを構成します。

CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO sbt
  FOR DB_UNIQUE_NAME dgprod3;
CONFIGURE DEVICE TYPE sbt PARALLELISM 2
  FOR DB_UNIQUE_NAME dgprod3;
CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO DISK
  FOR DB_UNIQUE_NAME dgprod4;

この構成で2つのスタンバイ・データベースの制御ファイルが更新されるのは、リカバリ・カタログから制御ファイルへの逆方向の再同期が行われた後のみです。この再同期は、ユーザーがdgprod3およびdgprod4に初めて接続するときに行われます。

次のSHOWコマンドは、dgprod3という一意の名前を持つデータベースのデバイス・タイプの永続構成を表示します。

RMAN> SHOW DEVICE TYPE FOR DB_UNIQUE_NAME dgprod3;
RMAN configuration parameters for database with db_unique_name DGPROD3 are:

CONFIGURE DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' PARALLELISM 2 BACKUP TYPE TO BACKUPSET;
CONFIGURE DEVICE TYPE DISK PARALLELISM 1 BACKUP TYPE TO BACKUPSET; # default

次のSHOWコマンドは、リカバリ・カタログが認識しているデータベースで、DBIDが3257174182のすべてのデータベースの永続構成を表示します(DBIDの値は、先行するSET DBIDコマンドで指定されます)。

SHOW ALL FOR DB_UNIQUE_NAME ALL;

例2-57 バックアップの最適化

次の例では、表2-3で示したバックアップの最適化について説明します。バックアップの最適化が無効になっているとします。午前9時に、既存のすべてのアーカイブREDOログ・ファイルの3つのコピーをテープにバックアップします。バックアップをテープに多重化する場合は、BACKUP_TAPE_IO_SLAVES初期化パラメータをtrueにする必要があります。

BACKUP DEVICE TYPE sbt COPIES 3 ARCHIVELOG ALL;

午前11時に、バックアップの最適化を有効にします。

CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION ON;

正午に、次のアーカイブREDOログのバックアップを実行します。

BACKUP DEVICE TYPE sbt COPIES 2 ARCHIVELOG ALL;
Starting backup at 19-JAN-13
current log archived
using channel ORA_SBT_TAPE_1
skipping archived log file /d1/db1r_605ab325_1_34_612112605.arc; already backed up 3 time(s)
skipping archived log file /d1/db1r_605ab325_1_35_612112605.arc; already backed up 3 time(s)
skipping archived log file /d1/db1r_605ab325_1_36_612112605.arc; already backed up 3 time(s)
skipping archived log file /d1/db1r_605ab325_1_37_612112605.arc; already backed up 3 time(s)
skipping archived log file /d1/db1r_605ab325_1_38_612112605.arc; already backed up 3 time(s)
skipping archived log file /d1/db1r_605ab325_1_39_612112605.arc; already backed up 3 time(s)
channel ORA_SBT_TAPE_1: starting archived log backup set
channel ORA_SBT_TAPE_1: specifying archived log(s) in backup set
input archived log thread=1 sequence=40 RECID=170 STAMP=612270506
channel ORA_SBT_TAPE_1: starting piece 1 at 19-JAN-13
channel ORA_SBT_TAPE_1: finished piece 1 at 19-JAN-13 with 2 copies and tag TAG20130119T110827
piece handle=2hi7t0db_1_1 comment=API Version 2.0,MMS Version 10.1.0.0
piece handle=2hi7t0db_1_2 comment=API Version 2.0,MMS Version 10.1.0.0

この場合、BACKUP ... COPIESの設定がCONFIGURE ... COPIESの設定をオーバーライドするため、RMANでは、n=2が設定されます。RMANは、sbtデバイスにログのコピーが2つ以上ある場合にのみ、ログのバックアップをスキップします。午前9時までに生成されたすべてのログについて、各ログの3つのコピーがsbt上に存在するため、RMANはこれらのログのバックアップをスキップします。ただし、午前9時より後に生成されたすべてのログについては、2つのコピーがバックアップされます。これは、そのログがまだテープにバックアップされていないためです。

例2-58 デフォルトの圧縮アルゴリズムの構成

この例では、データベースのAdvanced Compressionオプション(ACO)に対するライセンスを持っていることを前提条件としています。

MEDIUM圧縮アルゴリズムをすべての圧縮バックアップのデフォルトの圧縮アルゴリズムとするには、次のコマンドを発行します。

CONFIGURE COMPRESSION ALGORITHM 'MEDIUM';

この時点から、次のコマンドを発行してMEDIUM圧縮アルゴリズムを使用できるようになります。

BACKUP AS COMPRESSED BACKUPSET DATABASE;

例2-59 疎バックアップの構成

この例では、デフォルトでディスクに対してバックアップ・セット形式で疎バックアップを作成する永続構成を作成します。

CONFIGURE DEVICE TYPE DISK BACKUP TYPE TO BACKUPSET SPARSE ON;