2.6 BACKUP
目的
BACKUP
コマンドを使用すると、データベース(プライマリまたはスタンバイ)、表領域、データファイル(現行またはコピー)、制御ファイル(現行またはコピー)、サーバー・パラメータ・ファイル、アーカイブREDOログ・ファイルまたはバックアップ・セットのバックアップを作成できます。
前提条件
RMANがターゲット・データベースに接続されている必要があります。TARGET
としてデータベースに接続する方法については、CONNECTおよびRMAN
コマンドを参照してください。
データベースのアーカイブ・モード
ターゲット・データベースのモードがARCHIVELOG
の場合は、データベースが、現行の制御ファイルでマウントされているかまたはオープンされている必要があります。データベースがオープンされているときに作成されたバックアップには、一貫性がありません。一貫性のないバックアップをリストアした後は、データベースに一貫性を持たせるために、REDOログ・ファイルを適用する必要があります。
ターゲット・データベースのモードがNOARCHIVELOG
の場合は、バックアップの作成時に一貫性のある停止を行った後で、データベースがマウントされている必要があります。停止の一貫性が保たれるのは、NORMAL
、IMMEDIATE
またはTRANSACTIONAL
オプションを指定して、SHUTDOWN
コマンドを正しく実行できた場合のみです。インスタンス障害が発生した場合やSHUTDOWN ABORT
を実行した後で、RMANを使用して、NOARCHIVELOG
のデータベースをバックアップすることはできません。
クロス・プラットフォーム・トランスポート用のデータのバックアップ
別のプラットフォームにデータをトランスポートするバックアップ・セットを作成するには、ターゲット・データベースのCOMPATIBLE
パラメータが12.0.0以上である必要があります。
クロス・プラットフォーム・トランスポート用にデータベース全体をバックアップするには、ソース・プラットフォームと宛先プラットフォームが同じエンディアン形式を使用している必要があります。ソース・データベースが、読取り専用モードで開かれている必要がある。
クロス・プラットフォーム・トランスポート用に表領域をバックアップする際にALLOW INCONSISTENT
句が使用されていない場合、表領域は読取り専用モードである必要があります
バックアップ・メディア
ファイルをバックアップできるのは、有効なメディアに対してのみです。DEVICE TYPE DISK
を指定すると、ランダム・アクセス・ディスクにバックアップが作成されます。バックアップは、データファイルを格納できる任意のデバイスに作成できます。文CREATE TABLESPACE
tablespace_name
DATAFILE
'
filename
'
が正しく動作すれば、'
filename
'
は有効なバックアップ・パス名です。DEVICE TYPE sbt
を指定した場合は、メディア・マネージャがサポートするメディアであれば、どのメディアにでもファイルをバックアップできます。
Oracle Databaseのファイルをディスクにバックアップする場合、そのファイルの論理ブロック・サイズは、バックアップ先デバイスの物理ブロック・サイズの偶数倍である必要があります。たとえば、ブロック・サイズが2KBのディスク・デバイスは、論理ブロック・サイズが2KB、4KB、6KBなどのOracleファイルのバックアップ先としてのみ使用できます。実際には、ほとんどのディスク・ドライブの物理ブロック・サイズは512バイトのため、この制限事項がバックアップに影響することはほとんどありません。ただし、BACKUP ... DEVICE TYPE DISK
コマンドを使用して、書込み可能CDやDVD、またはより大容量の物理ブロック・サイズを持つその他のデバイスにデータベースをバックアップする場合は、この制限事項を考慮する必要がある場合があります。
チャネル
指定したデバイス・タイプに自動チャネルが構成されていない場合は、BACKUP
を実行するたびにチャネルをデバイスに手動で割り当てる必要があります。手動チャネルを割り当てていない場合、RMANではCONFIGURE
コマンドで設定されたデフォルトのチャネルが使用されます。RMANには事前構成済のDISK
チャネルがありますが、事前構成済のsbt
チャネルはありません。
注意:
ディスク・テストAPIを使用するバックアップは本番バックアップではサポートされません。かわりに、事前構成済のDISK
チャネルを使用するか、DISK
チャネルを手動で割り当ててください。
使用上の注意
RMANでバックアップできるのは、データファイル、制御ファイル、サーバー・パラメータ・ファイル、アーカイブREDOログ・ファイル、およびこれらのファイルのRMANバックアップのみです。その他のデータベース関連ファイル(ネットワーク構成ファイル、パスワード・ファイル、ブロック・チェンジ・トラッキング・ファイルなど)およびOracleホーム・ディレクトリの内容は、バックアップできません。また、外部表やBFILE
データ型などのOracle Databaseの一部の機能についても、同様に、前述のファイル以外のファイルにデータが格納されます。RMANでは、これらのファイルをバックアップできません。
注意:
非CDBがプラガブル・データベース(PDB)として別のマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)に組み込まれると、非CDBのバックアップは使用できなくなります。
BACKUP
コマンドは、RMANでは独立した複数のバックアップ手順に分けられています。独立した各手順は、特定のデバイスに割り当てられたチャネルで実行できます。割り当てられているチャネルが複数ある場合に、1つのチャネルで障害が発生するか、またはバックアップ手順の実行中に問題が発生すると、RMANは、別のチャネルで作業の完了を試行します。RMANは、チャネルでフェイルオーバーが発生すると、V$RMAN_OUTPUT
、対話方式セッションまたはログ・ファイルへの出力にメッセージをレポートします。
あるプラットフォームで作成されたRMANバックアップを異なるプラットフォームにトランスポートできるのは、バックアップの作成時にFOR TRANSPORT
句またはTO PLATFORM
句を使用する場合のみです。
以前のリリースのOracle Databaseで作成されたRMANバックアップは、データベースの移行またはアップグレードの実行後に使用できます。この手順の詳細は、My Oracle SupportのNote 790559.1 (https://support.oracle.com/rs?type=doc&id=790559.1
)を参照してください。
データベースのDBIDではなく、DB_NAME
を変更すると、RMANは以前のDB_NAME
で作成されたデータベースのバックアップをリストア可能とみなします。
増分バックアップ
レベル0の増分
バックアップでは、バックアップ対象のデータファイルのすべてのデータ・ブロックがバックアップされます。レベル0の増分バックアップの内容はFULL
バックアップと同じですが、全体バックアップとは異なり、増分バックアップ方法の一部分です。
レベル1のバックアップでは、変更されたブロックのみがバックアップされます。レベル1の増分バックアップは、差分またはCUMULATIVE
のいずれかです。CUMULATIVEの場合は、最新のレベル0のバックアップ以降に変更されたすべてのブロックがバックアップされます。差分の場合は、最新のレベル0またはレベル1の増分バックアップ以降に更新されたブロックがバックアップされます。スタンバイ・データベースのレベル1バックアップは、プライマリ・データベースのレベル0バックアップに適用できます。また、プライマリ・データベースのレベル1バックアップは、スタンバイ・データベースのレベル0バックアップに適用できます。
レベル0の増分バックアップは、バックアップ・セットまたはイメージ・コピーのいずれかにできますが、レベル1の増分バックアップは、バックアップ・セットのみが可能です。
レベル1の増分バックアップを作成しようとすると、データベースでチェックが実行されます。このチェックによって、増分バックアップがその後のRECOVER
コマンドで使用できることが確認されます。チェックの内容は、次のとおりです。
-
レベル0バックアップが、
BACKUP
コマンド内のデータファイルごとに、増分方法の基本バックアップとして存在していること。レベル0バックアップのステータスはUNAVAILABLE
でないことが必要です。レベル0バックアップが存在しない場合は、レベル0バックアップが自動的に作成されます。 -
レベル0以降の十分な増分バックアップがあり、これから作成する増分バックアップで使用できること。
注意:
増分バックアップの作成時、RMANでは、親インカネーションからのバックアップが有効であるとみなされます。たとえば、レベル0バックアップを作成した後、OPEN RESETLOGS
を実行するとします。レベル1の増分バックアップを作成すると、RMANによって、RESETLOGS
より前のレベル0バックアップ以降に変更されたすべてのブロックがバックアップされます。レベル1バックアップを作成する場合は、RMANによって、現行のデータベース・インカネーションまたは親データベース・インカネーションでレベル0が使用できない場合のみ、新しいレベル0バックアップが作成されます。
プライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースでブロック・チェンジ・トラッキングを有効にすると、増分バックアップのパフォーマンスを向上できます。この場合、RMANでは、変更されたブロックがブロック・チェンジ・トラッキング・ファイルに記録されます。
チェンジ・トラッキング・ファイルには、バックアップ間のデータファイルの変更をマークするビットマップが保持されます。データベースでは、各バックアップを行う前にビットマップの切替えが行われます。Oracle Databaseでは、最新の8回のバックアップを網羅するブロック・チェンジ・データが保持されるように、チェンジ・トラッキング・ファイルの領域が自動的に管理されます。ビットマップが8個まで作成されると、最新のビットマップが現行の変更を追跡するビットマップによって上書きされます。
最初のレベル0の増分バックアップでは、データファイル全体がスキャンされます。その後の増分バックアップでは、ブロック・チェンジ・トラッキング・ファイルを使用して、最後のバックアップの後に変更されたとマークされているブロックのみがスキャンされます。増分バックアップの最適化は、ブロック・チェンジ・トラッキング・ファイルの最も古いビットマップ以降に作成された親バックアップに基づいてのみ行われます。
増分バックアップを計画するときは、ビットマップの制限が8個であることに注意してください。たとえば、レベル0のデータベース・バックアップを作成した後、差分増分バックアップを7回実行すると、ブロック・チェンジ・トラッキング・ファイルには8個のビットマップが含まれます。次に、累積レベル1の増分バックアップを作成すると、現在の変更を追跡するビットマップによって親(レベル0)のバックアップに対応するビットマップが上書きされるため、RMANはバックアップを最適化できなくなります。
関連項目:
ブロック・チェンジ・トラッキングの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
RMANでは、CDB全体、root、1つ以上のPDB、およびPDBの1つ以上の表領域をバックアップできます。バックアップは、イメージ・コピーまたはバックアップ・セットの形式にできます。BACKUP
コマンドを使用して、クロス・プラットフォーム・データ・トランスポート用のバックアップ・セットを作成することもできます。
バックアップ操作を実行する前にCDBおよびPDBに接続する方法の詳細は、「CDBおよびPDBへの接続」を参照してください。
関連項目:
CDB、PDBおよび疎データベースのバックアップの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照してください
疎データベースのバックアップ
RMANを使用すると、疎データベースをバックアップできます。これはバックアップ・セット形式またはイメージ・コピー形式でのバックアップで、1つの疎データ・ファイルのほか、複数の疎データ・ファイルを含む表領域、複数の疎データ・ファイルを含むPDB、および複数の疎PDBを含むCDBが対象となります。疎バックアップは、専用デルタ・ストレージ・スペースからの疎データ・ファイルのデータ・ブロックを含むRMANオブジェクトです。疎バックアップを実行するには、疎データベースのCOMPATIBLE
初期化パラメータが12. 2以上であることが必要です。
疎バックアップの実行時、RMANはデフォルトでデルタ・ストレージ・スペースの疎データ・ファイルのデータ・ブロックをバックアップします。バックアップ対象のデータ・ファイルの論理データ・ブロックはバックアップされません。疎データベース環境内のバックアップ対象のデータ・ファイルは読取り専用であることが必要です。
疎データベースに対して従来のフル・バックアップまたは増分バックアップを実行して、ローカルとリモートの両方のデータ・ブロックをバックアップする場合は、FROM NONSPARSE
オプションを使用してバックアップを実行できます。
COMPATIBLE
初期化パラメータが12.2未満のデータベースの場合、RMANは引き続き、疎データベースに対して非疎モードで従来のバックアップおよびリカバリ操作を実行します。
バックアップ・セットの暗号化
RMANでは、バックアップ・セットに書き込まれるデータを透過的に暗号化し、RESTORE
操作で必要な際に復号化できます。ディスクに暗号化バックアップを作成するには、データベースでAdvanced Security Optionを使用している必要があります。暗号化バックアップをテープに直接作成するには、RMANでOracle Secure Backup SBTインタフェースを使用している必要があります。Oracle Secure Backup以外のSBTライブラリを使用して暗号化されたRMANバックアップを作成しようとすると、RMANによりORA-19916
エラーが発行されます。
RMANでは、バックアップの暗号化に複数の暗号化アルゴリズムを使用できます(アルゴリズムのリストはV$RMAN_ENCRYPTION_ALGORITHMS
にあります)。RMANは、次の3つの暗号化モードによるバックアップをサポートしています。
-
透過的暗号化: データがすでにOracle DatabaseのTransparent Data Encryption (TDE)で保護されている場合、RMANは特別なDBAの介入なく、暗号化されたバックアップを作成およびリストアできます
-
パスワード・ベースの暗号化: バックアップ時にパスワードが指定され、バックアップをリストアする場合に同じパスワードを適用する必要があります
-
デュアル・モードの暗号化: 透過的暗号化またはパスワード・ベースの暗号化の場合と同様に使用してバックアップを作成でき、Oracleソフトウェア・キーストアまたは復号化時にDBAが指定するパスワードのいずれかに基づいて、復号化を実行できます
注意:
キーストアベースの暗号化は、パスワードが必要ないため、パスワードベースの暗号化より安全です。パスワード・ベースの暗号化は、バックアップをトランスポータブルにする必要があるため、必要な場合のみ使用してください。
CONFIGURE
およびSET
コマンドで、データベース・バックアップの暗号化設定を管理します。詳細は、これらのコマンドのリファレンス・エントリを参照してください。アーカイブREDOログ・ファイルが含まれているバックアップ・セットは、次の条件に該当する場合に暗号化されます。
-
バックアップの作成時に
SET
ENCRYPTION ON
が有効になっている。 -
暗号化が、データベース全体または1つ以上の表領域に対して構成されている。
関連項目:
-
バックアップの暗号化の概要、その使用方法、および様々なモードの暗号化の選択方法については、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照してください
-
TDE表領域の暗号化とOracleソフトウェア・キーストアの詳細は、『Oracle Database Advanced Securityガイド』を参照してください
スタンバイ・データベースのバックアップ
RMANのBACKUP
コマンドでは、スタンバイ・サイトでバックアップが実行されることを除き、スタンバイ・データベースをプライマリ・データベースとまったく同様にバックアップします。プライマリ・データベースはスタンバイ・データベースのバックアップには影響を与えません。
バックアップを実行するためにスタンバイ・データベースに接続する際、AUXILIARY
キーワードではなくTARGET
キーワードを使用します。
バックアップ実行時のスタンバイ・データベースの状態によって、バックアップの一貫性が確保されるかどうかが決まります。一貫性のあるバックアップを行うには、スタンバイ・データベースを正常にシャットダウン、マウントし、リカバリ・モードにならないようにする必要があります。これ以外の状態では一貫性のないバックアップとなり、メディア・リカバリをしてリストアする必要があります。
Data Guard環境でのRMANのバックアップ
Data Guard環境でRMANの操作を行う場合は、リカバリ・カタログが必要です。カタログを使用することにより、すべてのプライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースで、RMANのすべての操作を透過的に実行できるようになります。この環境では、プライマリ・データベースのバックアップを、任意のスタンバイ・データベースにオフロードできます。RMANバックアップは、交換可能です。RMANをNOCATALOG
モードで使用する場合、Recovery Managerは、マウントされている制御ファイル内のメタデータのみを使用します。
Data Guard環境では、バックアップまたはコピーを作成するデータベースはファイルに関連付けられます。たとえば、RMANがデータベースprod
にTARGET
として接続し、そのデータベースをバックアップする場合、このデータベースのバックアップはprod
に関連付けられます。CHANGE
... RESET DB_UNIQUE_NAME
を使用してバックアップを別のデータベースに関連付けないかぎり、バックアップは作成されたデータベースとの関連付けを維持します。
バックアップの関連付けとアクセス可能性は異なります。リカバリ・カタログでは、ディスク・バックアップはデータベースが作成されたData Guard環境のデータベースのみからアクセス可能とみなされますが、あるデータベース上で作成されたテープ・バックアップの場合は、すべてのデータベースからアクセス可能とみなされます。バックアップ・ファイルがいずれのデータベースにも関連付けられていない場合、リカバリ・カタログ・ビュー内のバックアップ・ファイルに関する行のSITE_KEY
列にnull
が表示されます。デフォルトでは、SITE_KEY
がnull
のファイルは、RMANがTARGET
として接続されているデータベースに関連付けられます。
Data Guard環境では、RMANのコマンドはアクセス可能ないずれのバックアップに対しても操作を実行できます。たとえば、データベースprod
とstandby1
が異なるホスト上に存在するとします。RMANが、prod
上のデータファイル1を本番ホスト上の/prodhst/disk1/df1.dbf
とテープに対してバックアップします。さらに、standby1
上のデータファイル1をスタンバイ・ホスト上の/sby1hst/disk2/df1.dbf
とテープに対してバックアップします。RMANがデータベースprod
にTARGET
として接続されている場合は、スタンバイ・ホスト上にある/sby1hst/disk2/df1.dbf
のバックアップに対してRMANの操作は実行できません。ただし、RMANは、standby1
で作成されたテープ・バックアップはリストア可能とみなします。
注意:
スタンバイ・ホストからプライマリ・ホストへ(またはその逆方向に)バックアップをFTPすると、そのバックアップにCATALOG
を実行できます。ファイルは、ターゲット・データベースによってカタログに追加された後に、ターゲット・データベースに関連付けられます。
RMANからバックアップにアクセス可能である場合、プライマリまたはスタンバイ・データベースに接続していれば、RMANのメンテナンス・コマンド(CHANGE
、CROSSCHECK
、DELETE
など)をバックアップに使用できます。
関連項目:
Data Guard環境でRMANを使用してファイルのバックアップおよびリストアを実行する方法については、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。
クロス・プラットフォーム・トランスポート用のデータのバックアップ
BACKUP
コマンドでは、あるプラットフォームから別のプラットフォームへデータベース全体、データファイル、または表領域をトランスポートするために使用されるバックアップ・セットを作成できます。クロス・プラットフォーム・バックアップを作成するには、BACKUP
コマンドでFOR TRANSPORT
句またはTO PLATFORM
句のいずれかを使用します。V$TRANSPORT_TABLESPACE
ビューには、クロス・プラットフォーム・トランスポートがサポートされるプラットフォームのリストが含まれます
関連項目:
クロス・プラットフォーム・データ・トランスポート用のバックアップ・セットを作成する方法の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください
TO PLATFORMおよびFOR TRANSPORTと互換性がない句のリスト
BACKUP
コマンドを使用して、クロス・プラットフォーム・データ・トランスポート用のバックアップ・セットを作成できます。バックアップがクロス・プラットフォーム・トランスポート用であることを指定するには、FOR TRANSPORT
句またはTO PLATFORM
句のいずれかを使用します。
FOR TRANSPORT
句またはTO PLATFORM
句を使用すると、BACKUP
コマンドで、次の句を使用することができません。
-
CUMULATIVE
-
forRecoveryOfSpec
-
keepOption
-
notBackedUpSpec
-
PROXY
-
SECTION SIZE
-
TAG
-
VALIDATE
構文
(backupOperand::=、backupSpec::=、backupSpecOperand::=)
(backupTypeSpec::=、deviceSpecifier::=、fileNameConversionSpec::=、formatSpec::=、toDestSpec::=、forRecoveryOfSpec::=、keepOption::=、notBackedUpSpec::=、sizeSpec::=、skipSpec::=)
(archivelogRecordSpecifier::=、completedTimeSpec::=、copyOfSpec::=、datafileCopySpec::=、datafileSpec::=、backupSpecOperand::=)
(formatSpec::=、toDestSpec::=、keepOption::=、notBackedUpSpec::=、sizeSpec::=、skipSpec::=)
セマンティクス
この句は、バックアップするオブジェクトと、バックアップの制御オプションを指定します。構文図は、「backupOperand::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
|
|
バックアップするオブジェクトを1つ以上指定します。
|
|
|
アーカイブREDOログ・ファイルもバックアップの対象にします(例2-13を参照)。RMANによって次の手順が実行されます。
CDBでは、 注意: 注意: バックアップの最後にオンラインREDOログがアーカイブされていない場合、そのバックアップに 注意: この句を、 |
|
backupOperand
この副次句は、デバイス・タイプ、出力形式などのオプションを指定します。構文図は、「backupOperand::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
作成するバックアップのタイプ(バックアップ・セット( 関連項目: 詳細は、「 |
|
|
バックアップの作成時に使用するチャネルの名前を指定します。この名前には大/小文字の区別があります。たとえば 例2-23に示すように、 注意: |
|
物理的な破損チェックを通過したデータ・ブロックと索引ブロックについて、論理的な破損がないかどうかをテストします(例2-25を参照)。このオプションを使用すると、通常1から3%のオーバーヘッドが付加されます。 たとえば、行ピースまたは索引エントリの論理的な破損がないかどうかを調べます。RMANは論理的な破損を見つけると、アラート・ログとサーバー・セッション・トレース・ファイルにそのブロックのログを書き込みます。 デフォルトでは、
|
|
RMANで作成する同一バックアップの数( 複数のフォーマット文字列を使用して、コピーに異なる名前と場所を指定できます。例2-22に、ディスクの様々な場所に多重化されたバックアップを示します。 RMANでは、ディスクまたはテープにバックアップを多重化できますが、テープとディスクにバックアップを同時に多重化することはできません。テープへのバックアップ時に、コピーの数が、使用可能なテープ・デバイスの数を超えないようにしてください。また、 複数のコマンドで多重化を指定できます。優先順位は次のとおりで、リストの上位にある設定で下位にある設定がオーバーライドされます。 注意: このオプションは、 注意: 高速リカバリ領域にファイルを作成する場合、多重化は使用できません。 |
|
最新のレベル0バックアップ以降に使用されたデータ・ブロックをコピーします(例2-16を参照)。 注意: このオプションは、 |
|
指定したデバイス・タイプ専用の自動チャネルを割り当てます。たとえば、ディスクおよびテープ・チャネルを構成してから、 BACKUP DEVICE TYPE DISK DATABASE;
注意: 関連項目: |
|
各バックアップ・セットに、integerで指定する台数以上のディスクからのデータファイルを移入するようにRMANに指示します。 このパラメータは、データファイルまたは制御ファイルのバックアップ時に、オペレーティング・システムからRMANにディスク競合情報およびノードのアフィニティ・データを送信可能な場合にのみ有効です。この機能を手動で無効にするには、 たとえば、データファイルが10台のディスクに分散されるとします。データがディスクから毎秒10バイトで送信され、テープ・ドライブでストリームを維持するために毎秒50バイトが必要な場合は、
注意: I/Oは、テープ・ストリームの維持に必要なディスクの最小台数を越えて分散させないでください。必要以上に分散させた場合、パフォーマンスは向上せず、ファイルのリストア時間が増加します。 |
バックアップ・コマンドの最長実行時間に関連するオプションを指定します。 関連項目: 「 |
|
このオプションは、 関連項目: ファイルの名前変更パターンについては、「 |
|
|
各出力バックアップ・セットに含める入力ファイルの最大数を指定します。このパラメータは、 各 次の BACKUP AS BACKUPSET (DATAFILE 3, 4, 5, 6, 7) (DATAFILE 8, 9); BACKUP AS BACKUPSET DATAFILE 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9; BACKUP AS BACKUPSET DATAFILE 3, ... 72; 最初のコマンドでは、RMANによって、データファイル3、4、5、6、および7は1つのバックアップ・セットに含められ、データファイル8および9は別のバックアップ・セットに含められます。2番のコマンドでは、RMANによって、すべてのデータファイルが1つのバックアップ・セットに含められます。3番目のコマンドの省略記号はデータファイル3から72を表します。この場合、70のデータファイルをバックアップすることになるため、RMANは64ファイルを1つのバックアップ・セットに含め、6ファイルを別のバックアップ・セットに含めます。 デフォルトでは、チャネル・リソースを最適に使用するために、RMANによって、ファイルがバックアップ・セットに分割されます。バックアップされるファイルの数が、チャネル数で除算されます。その結果が64未満の場合は、その値が 注意: バックアップ・セット内のバックアップ・ピースの数は指定できません。 |
|
RMANにバックアップの最適化を無視させます。つまり、 注意: |
|
ターゲット・データベース上のファイルを、補助インスタンス上の指定された場所にコピーします。
関連項目: 例2-30を参照してください |
補助インスタンス上の出力イメージのコピーに名前を付けるパターンを指定します。このパスは、補助ホスト上で有効である必要があります。 関連項目: 有効な置換変数については、「 |
|
|
補助インスタンスの |
|
出力バックアップ・ピースまたはイメージ・コピーに名前を付けるパターンを指定します(例2-17を参照)。 ディスク・バックアップのデフォルトの場所は、高速リカバリ領域が有効かどうかと、
RMANバックアップを、Oracle Managed Files形式の名前で高速リカバリ領域に作成するには、 注意: Oracle Managed Filesのファイル名は、バックアップ用の形式として指定できません。たとえば、 バックアップ・ピースにはそれぞれ一意の名前を付ける必要があります。バックアップ・ピースのファイル名の最大長はプラットフォームによって異なります。メディア・マネージャへのバックアップの場合は、サポートされているMedia Management APIのバージョンの制限によっても長さが制限されます。SBT 1.1をサポートしているベンダーは、14文字までのファイル名をサポートしている必要があります。SBT 1.1のベンダーによってはさらに長いファイル名をサポートしている場合もあります。SBT 2.0をサポートしているベンダーは、512文字までのファイル名をサポートする必要があります。SBT 2.0のベンダーによってはさらに長いファイル名をサポートしている場合もあります。 1つの 注意: 関連項目: 有効な置換変数については、「 |
|
バックアップが作成されるディレクトリを指定します。このパラメータは、SBTチャネルではなくディスクに対して有効です。バックアップ・ファイルはOracle Managed Files(OMF)ディレクトリに作成されます。 |
イメージ・コピーのロールフォワード時に使用する増分バックアップとして作成するバックアップを識別します。 関連項目: 「 |
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バックアップ・セットを使用してクロス・プラットフォーム・バックアップを作成します。データファイル、表領域またはデータベース全体をバックアップできます。クロス・プラットフォーム表領域のバックアップを作成する際に、トランスポートされた表領域のメタデータをバックアップするには、 クロス・プラットフォーム・バックアップによって作成されるバックアップ・セットは、制御ファイルでカタログ化されません。 クロス・プラットフォーム・トランスポートのためにデータベース全体をバックアップする前に、データベースが読取り専用モードであることを確認します。ソースと宛先が同じエンディアン形式を使用する場合にのみ、データベースをトランスポートできます。 表領域をバックアップする際に 関連項目: 「クロス・プラットフォーム・トランスポート用のデータのバックアップ」を参照してください 注意: バックアップ・セットを使用するクロス・プラットフォーム・バックアップは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)からサポートされます。 |
|
読取り専用モードでない表領域をバックアップすることができます。
バックアップは作成されますが、これらの表領域には一貫性がないため、ターゲット・データベースに直接組み込むことはできません。後で、これらの表領域が読取り専用モードのときに、表領域の増分バックアップを作成する必要があります。この増分バックアップには、表領域メタデータのエクスポート・ダンプ・ファイルを含むバックアップ・セットを作成するための 関連項目: 非一貫性表領域バックアップの作成およびリストアの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
|
バックアップ・セットを使用してPDBのクロス・プラットフォーム一貫性バックアップを作成します。PDBを異なるCDBに組み込むために必要なメタデータは、filenameを使用して指定したXMLファイルに格納されます。 このバックアップを使用して、サポートされている任意のプラットフォームへのPDBのクロス・プラットフォーム・トランスポートを実行できます。トランスポートするPDBは、切断する前にクローズする必要があります。このPDBが属するCDBは、読取り/書込みモードであることが必要です。 |
|
バックアップに含まれているデータファイルのすべてのブロックのバックアップを作成します。 全体バックアップは、その後の増分バックアップに影響せず、増分バックアップ計画の一部分とはみなされません。ただし、イメージ・コピーの全体バックアップについては、 注意: 未使用ブロックの圧縮( |
|
最後の増分 増分バックアップの説明は、「増分バックアップ」を参照してください。 |
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指定したSCN以上のSCNで変更されたすべてのデータファイル・ブロックが含まれている、指定したすべてのデータファイルの増分バックアップを作成します。 このオプションを使用するのは、プライマリ・データベースの変更に基づいてスタンバイ・データベースをリフレッシュするような場合です(例2-24および『Oracle Data Guard概要および管理』のRMANバックアップに関する章を参照)。このバックアップには、スタンバイ・データベースが作成された時点または最後に同期されたとき以降に変更されたすべてのブロックが含まれます。スタンバイ・データベースでは、 ボリューム・シャドウ・コピー・サービス(VSS)のスナップショットに基づいて増分バックアップを作成していない場合は、 Windows環境では、 注意: 関連項目: VSSを使用してバックアップを作成する方法については、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。 |
バックアップが不要とみなされないように、そのバックアップについて構成されている保存方針をオーバーライドします(例2-26を参照)。
注意:
注意: 注意: 関連項目: |
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バックアップ・セットの最大サイズを指定します(例2-17を参照)。すべてのバックアップ・セットは、このサイズに制限されます。 バックアップ・セットは複数のテープにわたって作成可能なため、各データファイルのブロックは複数のテープに書き込まれる場合があります。マルチボリュームのバックアップ・セットのいずれかのテープで障害が発生すると、1つのテープのみでなく、すべてのテープ上のデータが失われます。バックアップ・セットには、必ず、ファイルの一部ではなく1つのファイル全体が含まれるため、各バックアップ・セットが1つのテープに収まるように、 サイズはバイト単位(デフォルト)、KB単位( 各バックアップ・セット内のデフォルトのファイル数は、 注意: このオプションを |
指定した数のバックアップが存在している(かつ不要になっていない)かどうか、または指定した日付以降にログがバックアップされているかどうかによって、バックアップするアーカイブREDOログ・ファイルのセットを制限します。 関連項目: 「 |
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チェックサムとは、データ・ブロックの内容によって計算した数字のことです。 注意: デフォルトでは、 バックアップ・データファイルのリストア時には、 注意: チェックサムのチェックは 関連項目: |
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このパラメータを |
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バックアップを格納するメディア・プールを指定します。 注意: このオプションは、 |
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プロキシ・コピー機能を使用して、指定したファイルをバックアップし、メディア管理ソフトウェアがストレージ・デバイスとディスク上のデータファイルとの間のデータ転送を制御できるようにします。メディア・マネージャ(RMANではなく)がデータ移動の方法と時期を決めます。
注意: 注意: このオプションは、 |
|
プロキシ・コピーを実行できない場合は、従来のバックアップ・セットを作成しないで、データベースからエラー・メッセージを発行します。プロキシ・コピーで障害が発生したときにRMANで従来型コピーを試行しない場合は、 |
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RMANで、 |
|
データファイルまたはデータファイルのコピーのバックアップ時に作成される各バックアップ・セクションのサイズを指定します。 このパラメータを設定すると、RMANでマルチセクション・バックアップを作成できます。マルチセクション・バックアップの場合は、RMANでは、ファイル・セクション(ファイル内の連続したブロック範囲)を1つ含むバックアップ・ピースが作成されます。マルチセクション・バックアップのセクションは、すべて同じサイズになります。 ファイル・セクションを使用すると、RMANでは、複数のステップで、1つの大きなデータファイルのバックアップを処理できます。RMANのチャネルは、各ステップを個々にパラレルで処理することが可能で、各チャネルではマルチセクション・バックアップ・セットの1つのセクションが生成されます。 マルチセクション・バックアップは、イメージ・コピーまたはバックアップ・セットのいずれかとして保存できます(全体と増分の両方)。マルチセクション・イメージ・コピーまたは増分バックアップを作成するには、 関連項目: マルチセクション・イメージ・コピーの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 注意: RMANでは常に、 ファイルのサイズより大きいセクション・サイズを指定した場合、RMANはファイルのマルチセクション・バックアップを使用しません。小さなセクション・サイズを指定した結果、セクションの数が256を超えると、RMANは、正確に256になる値までセクション・サイズを増やします。 注意: このパラメータをRMAN構文のどこに指定するかによって、同じバックアップ・ジョブの中でも、ファイルごとに異なるセクション・サイズを指定できます。 注意: |
データファイルまたはアーカイブREDOログ・ファイルがアクセス不能、オフラインまたは読取り専用である場合はバックアップから除外します。 関連項目: 詳細は、「 |
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バックアップ・セット、プロキシ・コピー、データファイル・コピーまたは制御ファイル・コピーに対してユーザー指定のタグ名を指定します。タグは、 タグ名には、大/小文字の区別はありません。名前は30文字以下にしてください。使用する文字は、ターゲット・ファイル・システムのファイル名に使用できる有効な文字に限定されています。たとえば、ASMでは内部的に使用するファイル名にハイフン( 一般的に、タグ名は タグ名を指定しない場合、デフォルトでは、バックアップ用のタグが作成されます(制御ファイルの自動バックアップを除く)。デフォルトのタグは、
注意: タグは、バックアップ・セット( |
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クロス・プラットフォーム・バックアップがトランスポートされる宛先プラットフォームの完全名を指定します。 クロス・プラットフォーム・バックアップによって作成されるバックアップ・セットは、制御ファイルでカタログ化されません。 バックアップがクロス・プラットフォーム・バックアップであることを指定するには、 関連項目: 「FOR TRANSPORT」を参照してください 関連項目: クロス・プラットフォーム・バックアップを作成する前にデータベースまたは表領域が開いているモードの詳細は、「クロス・プラットフォーム・トランスポート用のデータのバックアップ」を参照してください 注意: バックアップ・セットを使用するクロス・プラットフォーム・バックアップは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)からサポートされます。 |
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読取り専用モードでない表領域をバックアップすることができます。
関連項目: 「ALLOW INCONSISTENT」を参照してください |
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バックアップ・セットを使用してPDBのクロス・プラットフォーム一貫性バックアップを作成します。PDBを異なるCDBに組み込むために必要なメタデータは、filenameを使用して指定したXMLファイルに格納されます。 このバックアップを使用して、指定したプラットフォームへのPDBのクロス・プラットフォーム・トランスポートを実行できます。PDBは切断する前にクローズする必要があります。CDBは、読取り/書込みモードであることが必要です。 |
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指定されたファイルをスキャンして内容を検査し、そのファイルがバックアップ可能かどうか、およびデータ・ブロックが破損していないかどうかをテストします。 出力ファイルは作成されません。このオプションは、バックアップで指定されたデータベース・ファイルに対して
注意: バックアップ・セットのバックアップは検証できません。 |
backupSpec
この副次句は、バックアップの対象とする1つ以上のオブジェクトのリストを指定します。backupSpec句ごとに、1つ以上のバックアップ・セット(AS BACKUPSET
)またはイメージ・コピー(AS COPY
)が生成されます。AS BACKUPSET
では、オブジェクト・リストで指定したか自動的に選択されたデータファイルの数が、各バックアップ・セットでデフォルトの制限の4個のデータファイルまたは16個のアーカイブREDOログ・ファイルを超えている場合は、backupSpec句で複数のバックアップ・セットが作成されます。構文図は、「backupSpec::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
バックアップ対象となるアーカイブREDOログ・ファイルの範囲を指定します。 CDB内にアーカイブREDOログをバックアップするには、 アーカイブREDOログ・ファイルのバックアップ作成時に、RMANでアーカイブ・ログのフェイルオーバーを自動的に実行できます。RMANは、指定されたログ順序番号およびスレッドに対応する1つ以上のアーカイブ・ログが使用可能な場合に、ログのバックアップを作成します。また、RMANがバックアップ中のコピーに破損ブロックが含まれている場合は、同じアーカイブREDOログ・ファイルの他のコピー内で該当ブロックの正常なコピーが検索されます。 このコマンドでバックアップ対象のログが見つからなくても、RMANはエラーを発行しません。この状況になるのは、前回の
注意: 関連項目: 構文については「 |
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バックアップ・セットのバックアップを指定します。このパラメータを
RMANでは、バックアップ・セットのバックアップ時に、バックアップ・セット・フェイルオーバーが実行されます。バックアップ対象となるコピーが破損または欠落している場合は、使用可能なバックアップ・コピーがすべて検索されます。この動作は、複数のアーカイブ先に存在しているアーカイブREDOログ・ファイルのバックアップを作成する場合の、RMANの動作と同じです。 バックアップ・セットのバックアップ時にバックアップの最適化が有効な場合、同じバックアップ・セットが同じデバイス・タイプにバックアップされていると、RMANでは、そのバックアップ・セットのバックアップはスキップされます。
注意: 暗号化されたバックアップ・セットに対して 注意: |
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すべてのバックアップ・セットを指定します。 CDBに対して使用する場合、RMANは削除されたPDBのバックアップのバックアップをスキップします。削除されたPDBのバックアップ・セットをバックアップする方法はありません。 |
完了時刻に基づいてバックアップ・セットを指定します。 関連項目: 「 |
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主キーに基づいてバックアップ・セットを指定します。バックアップ・セットの主キーは、 |
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1つ以上のバックアップ・セットをタグ名で識別します。複数のバックアップ・セットに同じタグ名が設定されている場合、それらすべてのバックアップ・セットがバックアップされます。 |
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バックアップのための制御ファイル・コピーを1つ以上指定します。 制御ファイルのコピーは、 注意: 制御ファイルの自動バックアップは、制御ファイルのコピーではありません。 |
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ファイル名で制御ファイルのコピーを指定します。 |
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制御ファイルのすべてのコピーを指定します。 |
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ファイル名のパターンで制御ファイルのコピーを指定します。パーセント記号( |
データファイルの前回のイメージ・コピーのバックアップを作成します(制御ファイルに対しても行われる場合があります)。 関連項目: 「 |
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現行の制御ファイルを指定します。バックアップ・セットとしてバックアップする場合、RMANは読取り一貫性のためにスナップショット制御ファイルを最初に作成します。スナップショット制御ファイルの場所は、
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データベース内のすべてのデータファイルのバックアップを作成します。バックアップ・セットを生成した場合、RMANではデータファイルおよび制御ファイルのみを含めることができ、アーカイブREDOログ・ファイルは含めることができません。 CDBでは、そのCDB全体のすべてのデータファイルのバックアップを作成します。CDB全体をバックアップするには、rootに接続します。PDBでは、PDB内のすべてのデータファイルのバックアップを作成します。PDBをバックアップするには、そのPDBに接続します。「CDBおよびPDBへの接続」を参照してください。 アプリケーション・コンテナでは、アプリケーション・コンテナのすべてのデータ・ファイルのバックアップを作成します。これには、アプリケーション・ルートに加え、このアプリケーション・ルートに属するすべてのアプリケーションPDBが含まれます。
データベースの全体バックアップは、通常、イメージ・コピーまたは圧縮されたバックアップ・セットのいずれかです。イメージ・コピーは、作成時に発生するCPUのオーバーヘッドが許容範囲内である場合、いくつかの用途(増分更新バックアップ計画での使用など)でバックアップ・セットより高い柔軟性を示します。また、圧縮されたバックアップ・セットによってストレージをより有効に使用できます。 注意: 注意: CDBのバックアップ時にプロキシPDBはバックアップされません。 関連項目: データベースにBIGFILEの表領域が含まれる場合のバックアップ動作については、 |
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CDBで、rootのデータ・ファイルのバックアップを作成します。共通の アプリケーション・コンテナで、アプリケーション・ルートのファイルのバックアップを作成します。 前述の |
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カンマ区切りのリストで指定された1つ以上のPDB内のデータファイルのバックアップを作成します。「CDBおよびPDBへの接続」の説明に従って、rootに接続します。 アプリケーション・コンテナで、1つ以上のアプリケーションPDBまたはアプリケーション・ルートのファイルのバックアップを作成します。
注意: プロキシPDBのバックアップはサポートされていません |
1つ以上のデータファイル・イメージ・コピーのファイル名を指定します。 関連項目: 詳細は、「 |
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1つ以上のデータファイルのリストを指定します。データファイル1をバックアップするときのRMANの動作については、 関連項目: 「 |
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クロス・プラットフォーム表領域バックアップの実行中にデータ・ポンプ・エクスポート・ダンプ・ファイルを作成することを指定します。 エクスポート・ダンプ・ファイルには、トランスポートされる読取り専用表領域のメタデータが含まれています。このメタデータは、宛先データベースで表領域に接続するために必要です。ダンプ・ファイルは、別のバックアップ・セットに作成されます。 この句を、 |
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エクスポート・ダンプ・ファイルが含まれるバックアップ・ピースを格納するために使用されるパターンを指定します。 |
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現行および前回のすべての高速リカバリ領域の指定先に作成されたリカバリ・ファイルをバックアップします。バックアップはSBTおよびディスクに作成できます。バックアップをディスクに作成する場合は、「toDestSpec」で説明されている リカバリ・ファイルには、全体および増分のバックアップ・セット、制御ファイルの自動バックアップ、データファイルのコピーおよびアーカイブREDOログ・ファイルが含まれます。アーカイブREDOログ・ファイルが存在しないか破損している場合、RMANはバックアップに使用できるログの正常なコピーが、リカバリ領域の外にないかどうかを確認します。フラッシュバック・ログ、現行の制御ファイルおよびオンラインREDOログ・ファイルはバックアップされません。
注意: 高速リカバリ領域が現在有効でなくても、以前に有効化されていた場合は、前回の高速リカバリ領域の場所に作成されたファイルがバックアップされます。 |
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ディスク上のすべてのリカバリ・ファイルを、高速リカバリ領域に格納されているか、ディスク上の別の場所に格納されているかに関係なくバックアップします。バックアップはSBTまたはディスクに作成できます。バックアップをディスクに作成する場合は、「toDestSpec」で説明されている リカバリ・ファイルには、全体および増分のバックアップ・セット、制御ファイルの自動バックアップ、アーカイブREDOログ・ファイルおよびデータファイルのコピーが含まれます。
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サーバー・パラメータ・ファイルをバックアップ・セットに含めます。サーバー・パラメータ・ファイルのバックアップでは、 RMANは、ターゲット・データベースで使用中のサーバー・パラメータ・ファイルをバックアップします。サーバー・パラメータ・ファイルは、インスタンスが初期化パラメータ・ファイルによって起動された場合にはバックアップされません。 |
TABLESPACE tablespace_name |
1つ以上の表領域の名前を指定します。RMANは、表領域名をデータファイルのリストに内部的に変換してから、表領域を現在構成しているデータファイルをすべてバックアップします。 CDBのrootに接続している場合は、rootの表領域を参照します。PDBに直接接続している場合は、PDBの表領域を参照します。CDBまたはPDBへの接続の詳細は、「CDBおよびPDBへの接続」を参照してください。 ローカル管理の一時表領域のバックアップを作成することはできません(ディクショナリ管理表領域のバックアップは作成できます)。 次の条件が満たされる場合は、トランスポート後に読み書き両用に設定されなかったトランスポータブル表領域についてもバックアップを作成できます。
前述の条件のいずれかが満たされない場合、RMANは、読み書き両用に設定されていないトランスポータブル表領域を自動的にスキップします。条件のいずれかが満たされない場合にトランスポータブル表領域を明示的に指定すると、表領域が存在しないというエラーがRMANによって発行されます。 注意: ユーザーが表領域の名前を変更すると、その変更がRMANによって検出され、次回の再同期化時にリカバリ・カタログが更新されます。 |
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backupSpecOperand
この副次句は、backupSpec
句に影響する様々なオプションとパラメータを指定します。また、多くの副次句はbackupOperand
でも使用されます。ここでは、backupOperand
では通常共有されないオプションを示します。構文図は、「backupSpecOperand::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
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バックアップが正常に実行された後で、入力ファイルを削除します。 このオプションを指定できるのは、アーカイブREDOログ・ファイル、データファイルのコピー(
注意: アーカイブREDOログ・ファイルは、可能な場合は高速リカバリ領域内に保持され、ディスク領域が必要になると自動的に削除されます。 |
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タグ名でファイルを指定します(例2-18を参照)。tag_nameと一致するファイルのみがバックアップされます。他のいくつかのコマンドとの関係で定義されます。 |
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現行の制御ファイルのスナップショットを作成し、 注意: このオプションは、 |
backupTypeSpec
この副次句は、BACKUP
コマンドの出力形式(バックアップ・セットまたはイメージ・コピー)を指定します。構文図は、「backupTypeSpec::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
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指定されたデバイス上にバックアップ・セットを作成します。これがデフォルトのバックアップ・タイプです。 テープにバックアップする場合およびレベル1の増分バックアップを任意のバックアップ先に作成する場合に使用できるのは、
暗号化されたバックアップを使用している場合、異なる暗号化設定が使用されている表領域からのデータ・ファイルは、同じバックアップ・セットに書き込むことができません。 RMANでは、ブロック・サイズの異なるファイルのバックアップを同じバックアップ・セット内に作成することはできません。RMANでは、ブロック・サイズの異なる表領域のバックアップを作成できますが、それぞれ異なるサイズのデータファイルが専用バックアップ・セットに入れられます。 未使用ブロックの圧縮が適用されている場合、RMANは現在表に割り当てられているブロックのみを読み取ります。さらに、RMANは、各ブロックのヘッダーにブロックが未使用であることを示すマークが付けられていないかを確認します。ブロックが未使用である場合、ブロックはバックアップに書き込まれません。 未使用ブロックの圧縮は、次の5つの条件がすべて満たされている場合に自動的に実行されます。
注意: 未使用のブロックが破損していても問題ありません。未使用ブロックの圧縮では、破損しているブロックは読み込まれません。このため、RMANが破損を検出することはありません。 各バックアップ・セットには、1つ以上のバックアップ・ピースが含まれます。これは、バックアップ対象のデータを含むRMAN固有の物理ファイルです。 RMANでは、完全バックアップ・セットのみがRMANリポジトリに記録されます。部分バックアップ・セットは記録されません。 注意: 1つのバックアップ・セットを複数のチャネルに分散することはできません。また、1つの入力ファイルを複数のバックアップ・セットに分散することもできません。 関連項目: RMANでOracle Secure Backupを使用する方法については、『Oracle Secure Backup管理者ガイド』を参照してください。 |
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RMANは、バックアップ・セットに書き込まれたデータを圧縮するため、バックアップ・セット全体のサイズは小さくなります。バックアップ・セットを作成するすべてのバックアップで、圧縮されたバックアップ・セットを作成できます。圧縮されたバックアップ・セットのリストア方法と圧縮されていないバックアップ・セットのリストア方法に違いはありません。 RMANは、データをバックアップ・セットに書き込む際にバイナリ圧縮アルゴリズムを適用します。この圧縮方法は、多くのメディア・マネージャ・ベンダーが提供している圧縮方法に類似しています。ローカル接続されたテープ・デバイスにバックアップする場合は、通常、メディア管理ベンダーが提供する圧縮の方が バックアップ・セットを圧縮する場合、ある程度のCPUオーバーヘッドが発生します。ターゲット・データベースが最大またはそれに近い負荷で実行されていると、このオーバーヘッドが許容できないほど大きくなる場合があります。他のほぼすべての環境では、バックアップ・セットを圧縮すると、CPUのオーバーヘッドに値するだけのディスク領域が確保されます。 |
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(バックアップ・セットではなく)イメージ・コピーを作成します。 イメージ・コピーは、元のファイルのバイト単位の同一コピーです。データファイル、制御ファイル、データファイル・コピー、制御ファイル・コピーおよびアーカイブREDOログ・ファイルのイメージ・コピー・バックアップを作成することができます。イメージ・コピー・ファイルはディスクにのみ格納できます。増分更新バックアップを使用している場合、レベル0の増分はイメージ・コピー・バックアップである必要があります。 デフォルトでは、 RMANでは、次の規則に従ってコピーの作成場所を選択します(優先順位の高い順に示しています)。
イメージ・コピー・バックアップの作成およびリストアは、RMANを使用するか、またはファイルをコピーするためのオペレーティング・システム固有のコマンドを使用して実行できます。RMANを使用する場合は、コピーがRMANリポジトリに記録され、リストアおよびリカバリで簡単に使用できます。RMANを使用しない場合は、 イメージ・コピーのイメージ・コピーは作成できますが、バックアップ・セットのコピーは作成できません。バックアップ・セットのバックアップを作成するには、 |
AS SPARSE BACKUPSET |
疎データ・ファイルの疎バックアップをバックアップ・セット形式で作成します。この句を使用するには、バックアップするデータベースの 非疎データベースに対してこのコマンドを使用する場合、RMANは従来のバックアップをバックアップ・セット形式で実行します。 この設定は、CONFIGUREコマンドを使用して設定されたデフォルトのデバイス・タイプ・パラメータをオーバーライドします。 バックアップ・セット形式の詳細は、 |
AS NONSPARSE BACKUPSET |
疎環境のデータ・ファイルについて、従来の(疎ではない)バックアップをバックアップ・セット形式で作成します。ソース・データ・ファイルは、疎であっても、疎でなくてもかまいません。この句を使用するには、バックアップするデータベースの バックアップ・セット形式の詳細は、 |
AS SPARSE COMPRESSED BACKUPSET |
疎データ・ファイルの疎バックアップを圧縮されたバックアップ・セット形式で作成します。この句を使用するには、データベースの 非疎データベースに対してこのコマンドを使用する場合、RMANは従来のバックアップを圧縮されたバックアップ・セット形式で実行します。 この設定は、CONFIGUREコマンドを使用して設定されたデフォルトのデバイス・タイプ・パラメータをオーバーライドします。 圧縮されたバックアップ・セット形式の詳細は、 |
AS NONSPARSE COMPRESSED BACKUPSET |
疎環境のデータ・ファイルについて、従来の(疎ではない)バックアップを圧縮されたバックアップ・セット形式で作成します。ソース・データ・ファイルは、疎であっても、疎でなくてもかまいません。この句を使用するには、データベースの 圧縮されたバックアップ・セット形式の詳細は、 |
AS SPARSE COPY |
疎データ・ファイルの疎バックアップをイメージ・コピー形式で作成します。この句を使用するには、データベースの 非疎データベースに対してこのコマンドを使用する場合、RMANは従来の全体バックアップをイメージ・コピー形式で実行します。 この設定は、CONFIGUREコマンドを使用して設定されたデフォルトのデバイス・タイプ・パラメータをオーバーライドします。 イメージ・コピー形式の詳細は、 |
AS NONSPARSE COPY |
疎環境のデータ・ファイルについて、従来の(疎ではない)バックアップをイメージ・コピー形式で作成します。ソース・データ・ファイルは、疎であっても、疎でなくてもかまいません。この句を使用するには、データベースの イメージ・コピー形式の詳細は、 |
copyOfSpec
この副次句は、BACKUP
コマンドの出力形式(バックアップ・セットまたはイメージ・コピー)を指定します。構文図は、「copyOfSpec::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
データベース内のすべてのデータファイルおよび制御ファイルの前回のイメージ・コピーのバックアップを作成します。 CDBで、CDBにあるすべてのデータファイルおよび制御ファイルについて、前回のイメージ・コピーのバックアップを作成します。CDB全体をバックアップするには、rootに接続します。PDBで、PDBにあるすべてのデータファイルおよび制御ファイルについて、前述のイメージ・コピーのバックアップを作成します。PDBをバックアップするには、そのPDBに接続します。「CDBおよびPDBへの接続」を参照してください。 注意: このコマンドの出力は、イメージ・コピーまたはバックアップ・セットにできます。 |
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CDBで、rootにあるデータファイルおよび制御ファイルについて前述のイメージ・コピーのバックアップを作成します。前述の |
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CDBで、1つ以上のPDBにあるデータファイルおよび制御ファイルについて、前回のイメージ・コピーのバックアップを作成します。複数のPDBを指定する場合は、カンマ区切りのリストを使用してください。「CDBおよびPDBへの接続」の説明に従って、rootに接続します。 |
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1つ以上のデータファイルの前回のイメージ・コピーのバックアップを作成します。ファイル番号( 注意: バックアップ対象のイメージ・コピーが1回の 注意: このコマンドの出力は、イメージ・コピーまたはバックアップ・セットにできます。 関連項目: |
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指定した1つ以上の表領域内のデータファイルの前回のイメージ・コピーのバックアップを作成します。 表領域名( 注意: このコマンドの出力は、イメージ・コピーまたはバックアップ・セットにできます。 |
datafileCopySpec
この副次句は、データファイルのコピーを指定します。構文図は、「datafileCopySpec::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
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1つ以上のデータファイル・イメージ・コピーのファイル名を指定します。 |
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データファイルのすべてのイメージ・コピーをバックアップするように指定します。 CDBに対して使用する場合、RMANは削除されたPDBのすべてのコピーのバックアップをスキップします。 |
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ファイル名のパターンを指定します。パーセント記号( |
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データファイルの1つ以上のコピーのリストをタグ名で指定します。このタグの付いたデータファイルのコピーが複数存在する場合、RMANによって特定のデータファイルの最新データファイル・コピーのみがバックアップされます。タグには、大/小文字区別はありません。 |
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バックアップ操作で同一のデータファイルのコピーが組み込まれないようにします(例2-29を参照)。データファイルのコピーが重複している場合は、最新のタイムスタンプを持つファイルが選択されます。 |
duration
この副次句は、データファイルのコピーを指定します。構文図は、「duration::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
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バックアップ・コマンドの最長実行時間を指定します。指定した実行時間内にバックアップ・コマンドが完了しなかった場合、バックアップは停止します。
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MINIMIZE {LOAD | TIME} |
ディスク・バックアップでは、
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forRecoveryOfSpec
この副次句は、バックアップを増分更新バックアップ計画で使用することを指定します。FOR RECOVER OF
を指定する際に、INCREMENTAL LEVEL 1
を指定する必要があります。構文図は、「forRecoveryOfSpec::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
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以前のデータファイル・コピーまたは増分バックアップ以降に行われたすべての変更を増分バックアップに含めるように指定します。デフォルトでは、RMANによって差分増分バックアップが作成されます。RMANで累積バックアップを作成するには、
関連項目: 増分更新バックアップの作成方法は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 |
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バックアップ計画の基礎として使用されるレベル0の増分バックアップのタグを指定します(例2-20を参照)。
注意:
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DATAFILECOPY FORMAT formatSpec |
出力イメージ・コピーに名前を付けるパターンを指定します。 データファイルをデータベースに追加する場合は、新しく作成されたファイルの増分更新バックアップ計画で必要なレベル0のデータファイル・コピーがRMANによって自動的に作成されるため、バックアップ・スクリプトを変更する必要はありません。 |
FOR RECOVER OF TAG tag_name |
たとえば、 |
notBackedUpSpec
RMANでは、この副次句は、同じデバイス・タイプに対してまだバックアップされていないファイルのみをバックアップするように指定します。構文図は、「notBackedUpSpec::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
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この副次句を使用すると、データベースに新規に追加したデータファイルを簡単にバックアップできます。RMANは、データファイル・チェックポイントを検査せずに、まだバックアップされていないデータファイルをバックアップします。バックアップ・セットをバックアップするときに、
BACKUP ARCHIVELOG SEQUENCE 345 NOT BACKED UP 3 TIMES このとき、指定したログがすでに2つの 注意: この句は、バックアップの最適化( |
|
注意: アーカイブREDOログ・ファイルをバックアップ・セットにバックアップしている場合のみ、 ファイルのバックアップの数を決定する場合、RMANは、現行のバックアップと同じデバイス・タイプに作成されているバックアップのみを考慮します。 このオプションは、指定したメディアにアーカイブREDOログ・ファイルをバックアップする場合に便利です。たとえば、各ログの3つ以上のコピーをテープに保存できます。 |
SINCE TIME ' date_string ' |
その日付を過ぎると、RMANがバックアップされていないファイルのバックアップを開始する日付を指定します。
このオプションを使用すると、前回失敗したバックアップ中に処理されなかったデータファイルをバックアップできます。たとえば、データベースをバックアップしても、インスタンスの途中で障害が発生する場合があります。その場合は、 ファイルがバックアップされたかどうかを判断するときには、 |
skipSpec
この副次句は、バックアップから除外するファイルを指定します。構文図は、「skipSpec::=」を参照してください。
構文要素 | 説明 |
---|---|
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次のキーワードで指定する基準に従って、データファイルまたはアーカイブREDOログ・ファイルを除外します。 注意: |
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I/Oエラーのために読み取ることができないデータファイルまたはアーカイブREDOログ・ファイルを除外します。 データファイルは、読取りが不可能な場合にのみアクセス不能とみなされます。一部のオフライン・データファイルは、ディスク上に残っているために読取りが可能です。ディスクから削除または移動されたデータファイルは読み取れないため、アクセス不可能になります。 |
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オフライン・データファイルを除外します。 |
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読取り専用データファイルを除外します。 |
例
例2-13 データベースのバックアップ
この例では、オペレーティング・システム・コマンドラインからRMANクライアントを起動した後、オペレーティング・システム認証を使用してターゲット・データベースに接続します。BACKUP
コマンドによって、すべてのデータファイル、現行の制御ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルおよびアーカイブREDOログ・ファイルがデフォルトのストレージ・デバイスにバックアップされます。
% rman RMAN> CONNECT TARGET / RMAN> BACKUP DATABASE PLUS ARCHIVELOG;
例2-14 疎データベースのバックアップ
この例では、BACKUP
コマンドを使用して、疎データベース(バックアップ・セット形式)およびアーカイブ・ログをバックアップします。
RMAN> BACKUP AS SPARSE BACKUPSET DATABASE PLUS ARCHIVELOG;
例2-15 複数のPDBのバックアップ
この例では、オペレーティング・システム認証を使用してrootに接続した後、PDB hr_pdb
とsales_pdb
のバックアップを作成します。
%rman RMAN> CONNECT TARGET / RMAN> BACKUP PLUGGABLE DATABASE hr_pdb, sales_pdb;
例2-16 累積増分バックアップの実行
この例では、最後に実行されたレベル0の増分バックアップ以降にデータベース上で変更されたすべてのブロックをバックアップします。レベル1バックアップの実行時にレベル0バックアップが存在しない場合は、RMANでは、レベル0バックアップが自動的に作成されます。アクセスできないファイルは、スキップされます。
BACKUP INCREMENTAL LEVEL 1 CUMULATIVE SKIP INACCESSIBLE DATABASE;
例2-17 複数ディスクへのバックアップの分散
この例では、2つの異なるディスクに表領域をバックアップし、RMANにバックアップのパラレル化を自動的に実行させます。FORMAT
文字列の%U
は、出力するイメージ・コピーごとに一意のファイル名を生成する置換変数です。
RUN { ALLOCATE CHANNEL dev1 DEVICE TYPE DISK FORMAT '/disk1/%U'; ALLOCATE CHANNEL dev2 DEVICE TYPE DISK FORMAT '/disk2/%U'; BACKUP AS COPY TABLESPACE SYSTEM, tools, users, undotbs; }
例2-18 タグによるデータファイル・コピーの識別
この例では、データファイルのイメージ・コピーをテープにバックアップします。 このBACKUP
コマンドは、LATESTCOPY
というタグが付いているすべてのデータファイル・コピーを検出してテープにバックアップし、そのバックアップに置換変数を使用した名前を付けます。変数%f
は、絶対ファイル番号を指定します。また、%d
は、データベースの名前を指定します。データファイルのコピーをテープ上に作成したら、LATESTCOPY
というタグが付いているすべてのイメージ・コピーが削除されます。
BACKUP DEVICE TYPE sbt DATAFILECOPY FROM TAG 'LATESTCOPY' FORMAT 'Datafile%f_Database%d'; DELETE COPY TAG 'LATESTCOPY';
例2-19 アーカイブREDOログ・ファイルのバックアップと削除
この例では、2つのアーカイブ先(/disk2/PROD/archivelog/
および/disk1/arch/
)が設定されているとします。このコマンドは、一意の順序番号ごとにアーカイブREDOログを1つバックアップします。たとえば、アーカイブREDOログ1000が両方のディレクトリにある場合、RMANは、このログの1つのコピーのみをバックアップします。ALL
キーワードが指定されたDELETE INPUT
句によって、バックアップの終了後に、両方のアーカイブ・ディレクトリからすべてのアーカイブREDOログを削除します。
BACKUP DEVICE TYPE sbt ARCHIVELOG LIKE '/disk%arc%' DELETE ALL INPUT;
このコマンドでは、次のような出力が表示されます。
Starting backup at 12-MAR-13 allocated channel: ORA_SBT_TAPE_1 channel ORA_SBT_TAPE_1: SID=150 device type=SBT_TAPE channel ORA_SBT_TAPE_1: Oracle Secure Backup channel ORA_SBT_TAPE_1: starting archived log backup set channel ORA_SBT_TAPE_1: specifying archived log(s) in backup set input archived log thread=1 sequence=4 RECID=4 STAMP=616789551 input archived log thread=1 sequence=5 RECID=5 STAMP=616789551 input archived log thread=1 sequence=6 RECID=6 STAMP=616789554 input archived log thread=1 sequence=7 RECID=7 STAMP=616789731 input archived log thread=1 sequence=8 RECID=8 STAMP=616789825 input archived log thread=1 sequence=9 RECID=10 STAMP=616789901 input archived log thread=1 sequence=10 RECID=12 STAMP=616789985 channel ORA_SBT_TAPE_1: starting piece 1 at 12-MAR-13 channel ORA_SBT_TAPE_1: finished piece 1 at 12-MAR-13 piece handle=0vice0g7_1_1 tag=TAG20130312T105917 comment=API Version 2.0,MMS Version 10.1.0.3 channel ORA_SBT_TAPE_1: backup set complete, elapsed time: 00:00:25 channel ORA_SBT_TAPE_1: deleting archived log(s) archived log file name=/disk2/PROD/archivelog/2013_03_09/o1_mf_1_4_2z45sgrc_.arc RECID=4 STAMP=616789551 archived log file name=/disk2/PROD/archivelog/2013_03_09/o1_mf_1_5_2z45sgrc_.arc RECID=5 STAMP=616789551 archived log file name=/disk2/PROD/archivelog/2013_03_09/o1_mf_1_6_2z45sl3g_.arc RECID=6 STAMP=616789554 archived log file name=/disk2/PROD/archivelog/2013_03_09/o1_mf_1_7_2z45z2kt_.arc RECID=7 STAMP=616789731 archived log file name=/disk2/PROD/archivelog/2013_03_09/o1_mf_1_8_2z4620sk_.arc RECID=8 STAMP=616789825 archived log file name=/disk1/arch/archiver_1_8_616789153.arc RECID=9 STAMP=616789825 archived log file name=/disk2/PROD/archivelog/2013_03_09/o1_mf_1_9_2z464dhk_.arc RECID=10 STAMP=616789901 archived log file name=/disk1/arch/archiver_1_9_616789153.arc RECID=11 STAMP=616789901 archived log file name=/disk2/PROD/archivelog/2013_03_09/o1_mf_1_10_2z4670gr_.arc RECID=12 STAMP=616789985 archived log file name=/disk1/arch/archiver_1_10_616789153.arc RECID=13 STAMP=616789985 Finished backup at 12-MAR-13 Starting Control File and SPFILE Autobackup at 12-MAR-13 piece handle=c-28643857-20130312-02 comment=API Version 2.0,MMS Version 10.1.0.3 Finished Control File and SPFILE Autobackup at 12-MAR-13
例2-20 増分更新バックアップのスクリプト作成
バックアップを増分更新することによって、データベースのイメージ・コピーの全体バックアップに伴うオーバーヘッドを避けると同時に、メディアのリカバリ時間を最小限にすることもできます。たとえば、日次バックアップ用のスクリプトを実行する場合に、メディア・リカバリに適用するREDOを1日分より多く持つことはありません。
次のスクリプトを毎日実行するとします。初回実行時には、スクリプトによって、指定したタグを使用してディスク上にデータベースのイメージ・コピーのバックアップが作成されます。2回目の実行では、データベースのレベル1の差分増分バックアップが作成されます。RMANでは、以降のすべての実行で、レベル1の増分バックアップがデータファイルのコピーに適用され、新しいレベル1のバックアップが作成されます。
RUN { RECOVER COPY OF DATABASE WITH TAG 'incr_update'; BACKUP INCREMENTAL LEVEL 1 FOR RECOVER OF COPY WITH TAG 'incr_update' DATABASE; }
例2-21 テープへのディスクベースのバックアップ・セットのバックアップ
最近のバックアップ・セットをディスク上に保持し、古いバックアップ・セットをテープ上に置くことを目標とします。また、同じバックアップ・セットのコピーを、ディスクとテープに同時に保持することは避けるものとします。この例では、2週間より前に作成されたバックアップ・セットはテープにバックアップされ、そのバックアップ・ピースがディスクから削除されます。
BACKUP DEVICE TYPE sbt BACKUPSET COMPLETED BEFORE 'SYSDATE-14' DELETE INPUT;
例2-22 データベース・バックアップの多重化
この例では、COPIES
パラメータを使用して、圧縮されたデータベース・バックアップを2つ(別々のディスクに1つずつ)作成します。出力場所は、FORMAT
パラメータで指定します。
BACKUP AS COMPRESSED BACKUPSET DEVICE TYPE DISK COPIES 2 DATABASE FORMAT '/disk1/db_%U', '/disk2/db_%U';
例2-23 チャネルでのワークロードの分割方法の指定
この例では、CHANNEL
パラメータで、どのチャネルでどのファイルをどこにバックアップするかを指定し、バックアップを明示的にパラレル化します。
RUN { ALLOCATE CHANNEL ch1 DEVICE TYPE sbt PARMS 'ENV=(OB_DEVICE_1=stape1)'; ALLOCATE CHANNEL ch2 DEVICE TYPE sbt PARMS 'ENV=(OB_DEVICE_1=stape2)'; BACKUP (DATABASE # ch1 backs up database to tape drive stape1 CHANNEL ch1) (ARCHIVELOG ALL CHANNEL ch2); # ch2 backs up archived redo log files to tape drive stape2 }
例2-24 スタンバイ・データベースのリフレッシュ用の増分バックアップの作成
この例では、プライマリ・データベースの増分バックアップを作成し、それを使用して関連付けられたスタンバイ・データベースを更新することを目標とします。RMANクライアントを起動し、CONNECT
を使用してTARGET
としてプライマリ・データベースに接続してから、リカバリ・カタログに接続します。BACKUP
コマンドでは、スタンバイ・データベースで適用可能なプライマリ・データベースの増分バックアップを作成し、指定したSCN以降の変更を反映して更新します。
RMAN> CONNECT TARGET /
connected to target database: PROD (DBID=39525561)
RMAN> CONNECT CATALOG rco@catdb
recovery catalog database Password: password
connected to recovery catalog database
RMAN> BACKUP DEVICE TYPE DISK
2> INCREMENTAL FROM SCN 404128 DATABASE
3> FORMAT '/disk1/incr_standby_%U';
例2-25 データファイル・バックアップの破損許容度の指定
この例では、データベースに5つのデータファイルが含まれているとします。SET
MAXCORRUPT
コマンドを使用して、破損は各データファイルで1つのみ許容されることを指定します。BACKUPコマンドで
CHECK LOGICALオプションが指定されているため、RMANは、物理的な破損と論理的な破損の両方をチェックします。
RUN { SET MAXCORRUPT FOR DATAFILE 1,2,3,4,5 TO 1; BACKUP CHECK LOGICAL DATABASE; }
例2-26 アーカイブ目的での一貫性データベース・バックアップの作成
この例では、keepOption
を使用して、1年間は不要とみなされることがないアーカイブ・バックアップ・セットを作成します。この例では、データベースをバックアップし、REDOを現行のオンライン・ログにアーカイブしてこの新しいバックアップに一貫性があることを保証し、データファイル・バックアップを一貫性がある状態にリストアするために必要なアーカイブREDOログ・ファイルのみをバックアップします。
このBACKUP
コマンドでは、このバックアップと一貫性を持つSCNと対応するリストア・ポイントも作成されます。FORMAT
パラメータは、複数のバックアップ・セット内に複数のバックアップ・ピースを作成できるように指定する必要があります。
BACKUP DATABASE FORMAT '/disk1/archival_backups/db_%U.bck' TAG quarterly KEEP UNTIL TIME 'SYSDATE + 365' RESTORE POINT Q1FY06;
例2-27 保存方針からのコピーの除外
次の例では、2つのデータファイルをコピーして、保存方針から永久に除外します。自動バックアップがオフの場合でも、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルもバックアップされます。
KEEP
FOREVER
にはリカバリ・カタログが必要です。
SHUTDOWN IMMEDIATE; STARTUP MOUNT; BACKUP KEEP FOREVER FORMAT '?/dbs/%U_longterm.cpy' TAG LONGTERM_BCK DATAFILE 1 DATAFILE 2; ALTER DATABASE OPEN;
例2-28 バックアップが必要なファイルのバックアップ
データベースおよびアーカイブREDOログ・ファイルをテープに毎晩バックアップするために、次のコマンドを実行するとします。
BACKUP MAXSETSIZE 500M DATABASE PLUS ARCHIVELOG;
RMANでは、複数のバックアップ・セットが生成されるように、先行するコマンドで各バックアップ・セットのサイズの上限が設定されています。バックアップ処理の途中でメディア管理デバイスに障害が発生し、そのデバイスが再起動されるとします。翌日、バックアップ・セットの半分しか完了していないことに気付きます。その場合は、次のコマンドを夕方に実行できます。
BACKUP NOT BACKED UP SINCE TIME 'SYSDATE-1' MAXSETSIZE 500M DATABASE PLUS ARCHIVELOG;
先行するコマンドによって、RMANでは、過去24時間内にバックアップされていないファイルのみがバックアップされます。指定された時間枠のバックアップが使用可能であるとRMANが判断すると、次のような出力が表示されます。
skipping datafile 1; already backed up on 18-JAN-13 skipping datafile 2; already backed up on 18-JAN-13 skipping datafile 3; already backed up on 18-JAN-13
BACKUP
コマンドのすぐ後にNOT
BACKED
UP
SINCE
句を置くと、バックアップするすべてのオブジェクトに影響します。また、その句は、個々のbackupSpec
句の後に置くこともできます。その場合は、その句の制限を受けるbackupSpec
によって指定されたオブジェクトのバックアップのみが作成されます。
例2-29 NODUPLICATESを使用したデータファイルのコピーのバックアップ
この例では、/disk2/df2.cpy
というデータファイル2のデータファイル・コピーを作成します。次に、そのデータファイル・コピーを/disk1
および/disk3
ディレクトリにバックアップします。最後のBACKUP
コマンドで指定されているNODUPLICATES
オプションは、データファイル2
のコピーを1つのみバックアップする必要があることを示しています。
BACKUP AS COPY DATAFILE 2 FORMAT '/disk2/df2.cpy' TAG my_tag; BACKUP AS COPY DATAFILECOPY '/disk2/df2.cpy' FORMAT '/disk1/df2.cpy'; BACKUP AS COPY DATAFILECOPY '/disk1/df2.cpy' FORMAT '/disk3/df2.cpy'; BACKUP DEVICE TYPE sbt DATAFILECOPY ALL NODUPLICATES; # backs up only copy of data file 2
例2-30 オペレーティング・システム・ファイルからASMへのアーカイブ・ログのコピー
BACKUP AS COPY REUSE ARCHIVELOG LIKE "/ade/b/369893928/oracle/work/arc_dest/arcr_1_11_686060575.arc" AUXILIARY FORMAT "+RCVAREA";
例2-31 データファイルのイメージ・コピーとしてのマルチセクション・バックアップ
この例は、データファイルusers_df.dbf
のマルチセクション・バックアップを作成します。バックアップはイメージ・コピーとして作成され、各バックアップ・ピースは150MBを超えることはできません。
BACKUP AS COPY SECTION SIZE 150M DATAFILE '/oradata/dbs/users_df.dbf';
例2-32 データベースのバックアップ・セットとしてのマルチセクション増分バックアップ
この例は、データベースのバックアップ・セットとしてマルチセクション増分バックアップを作成します。増分バックアップには、8564以上のSCNで変更されたすべてのデータファイル・ブロックを含めます。INCREMENTAL FROM SCN
を使用してマルチセクション増分バックアップを作成する場合、FORMAT
句は必須です。
BACKUP FORMAT '/tmp/datafiles/db_incr_ms_%U' INCREMENTAL FROM SCN 8564 SECTION SIZE 400M DATABASE;
例2-33 表領域のマルチセクション増分バックアップ
この例は、表領域orders
のバックアップ・セットとしてマルチセクション増分バックアップを作成します。バックアップを作成する前に、ALLOCATE CHANNEL
コマンドを使用して、3つのチャネルを明示的に割り当てます。そのため、RMANはこれらのチャネルを使用してバックアップ・ピースにパラレルで書き込みます。
run { ALLOCATE CHANNEL MY_CH1 TYPE DISK; ALLOCATE CHANNEL MY_CH2 TYPE DISK; ALLOCATE CHANNEL MY_CH3 TYPE DISK; BACKUP INCREMENTAL LEVEL 1 AS COMPRESSED BACKUPSET SECTION SIZE 100M TABLESPACE sales; };
例2-34 データベース全体のクロス・プラットフォーム・バックアップ
この例は、Linux x86 64ビット・プラットフォームへのトランスポート用に、データベース全体のクロス・プラットフォーム・バックアップを作成します。ソース・プラットフォームはMicrosoft Windows IA (32-bit)で、バックアップはfull_db.bck
というバックアップ・セットに保存されます。バックアップを作成する前に、データベースを読取り専用モードに設定する必要があります。
BACKUP TO PLATFORM='Linux x86 64-bit' FORMAT '/tmp/xplat_backups/full_db.bck' DATABASE;
例2-35 一貫性表領域のクロス・プラットフォーム・バックアップ
この例は、表領域example
をクロス・プラットフォーム・トランスポートのためにバックアップします。バックアップを実行する前に、表領域を読取り専用モードに設定する必要があります。表領域データを含むバックアップ・セットは、example_readonly.bck
と呼ばれます。この表領域をターゲット・データベースに組み込むために必要なメタデータは、バックアップ・セットexample_dmp.bck
に格納されています。
BACKUP FOR TRANSPORT FORMAT '/tmp/xplat_backups/example_readonly.bck' TABLESPACE example DATAPUMP FORMAT '/tmp/xplat_backups/example_dmp.bck';
例2-36 複数のバックアップ・セットを使用した、表領域のクロス・プラットフォーム・バックアップ
この例は、表領域example
のクロス・プラットフォーム・バックアップを複数のバックアップ・セットを使用して作成します。バックアップを作成する前に、表領域が読取り専用であることを確認します。FILESPERSET
に1が設定されているため、各バックアップ・セットには入力ファイルが1つのみ含まれます。バックアップ・セットは、db_multiple_
から始まる一意の名前を使用します。
BACKUP FOR TRANSPORT FILESPERSET 1 FORMAT '/tmp/xplat_backups/db_multiple_%U' TABLESPACE example DATAPUMP FORMAT '/tmp/xplat_backups/db_multiple.dmp';
例2-37 複数のバックアップ・ピースを使用した、表領域のクロス・プラットフォーム・バックアップ
この例は、表領域example
のクロス・プラットフォーム・バックアップを作成します。ALLOCATE CHANNEL
コマンドにMAXPIECESIZE
が設定されているため、バックアップでは複数のバックアップ・ピースが使用されます。バックアップを作成する前に、表領域が読取り専用モードであることを確認します。
RUN { ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE disk MAXPIECESIZE 301464; BACKUP FOR TRANSPORT FORMAT '/tmp/xplat_backups/example_multi-piece.bck' TABLESPACE example DATAPUMP FORMAT '/tmp/xplat_backups/example_multi-piece_dmp.bck';}
例2-38 表領域のクロス・プラットフォーム非一貫性バックアップ
この例は、表領域example
のレベル0のクロス・プラットフォーム増分バックアップを作成します。バックアップを作成する時点で、表領域は読取り/書込みモードであるため、非一貫性バックアップを作成するにはALLOW INCONSISTENT
を使用します。
表領域の非一貫性バックアップを使用して表領域を宛先データベースに直接組み込むことはできないことに注意してください。一貫性のある表領域にするには、表領域が読取り専用のときに作成された表領域の増分バックアップを使用する必要があります。例2-39 クロス・プラットフォーム増分バックアップを作成する方法について説明します。
BACKUP FOR TRANSPORT ALLOW INCONSISTENT INCREMENTAL LEVEL 0 FORMAT '/tmp/xplat_backups/example_inconsist.bck' TABLESPACE example;
例2-39 表領域のクロス・プラットフォーム増分バックアップ
この例は、表領域example
のレベル1のクロス・プラットフォーム増分バックアップを作成します。このバックアップを作成する前に、表領域は読取り専用モードに設定されます。このバックアップには、前回の増分バックアップ作成後に表領域に対して行われた変更が含まれます。バックアップは、example_inconsist_incr.bck
というバックアップ・セットに格納されます。この表領域を宛先データベースに組み込むために必要なメタデータは、バックアップ・セットexample_incr_dmp.bck
に格納されています。
このレベル1の増分バックアップを、例2-38で作成されるレベル0の増分バックアップとともに使用して、表領域exampleを別のプラットフォームにトランスポートできます。宛先データベースでは、最初に例2-38で作成されるレベル0の増分バックアップをリストアして、外部データ・ファイルのセットを作成します。レベル0の増分バックアップが作成されたときに表領域は読取り/書込みモードであったため、これらの外部データファイルには一貫性がありません。その後、レベル1の増分バックアップを外部データファイルに適用します。次に、DATAPUMP
句で指定したバックアップ・セットをリストアして、表領域を宛先データベースに組み込みます。バックアップ・セットを使用した非一貫性表領域のクロス・プラットフォーム・トランスポートの実行例の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
ほとんどのシナリオでは、レベル0の増分バックアップの作成後、表領域を読取り/書込みモードに設定して複数のレベル1の増分バックアップを作成します。最後のレベル1の増分バックアップは、表領域を読取り専用モードに設定して作成されます。このような増分バックアップを作成し、徐々に適用することで、ソース・データベースと宛先データベースの間のデータ相違を最小限に抑えることができます。
BACKUP FOR TRANSPORT INCREMENTAL LEVEL 1 TABLESPACE example FORMAT '/tmp/xplat_backups/example_inconsist_incr.bck' DATAPUMP FORMAT '/tmp/xplat_backups/example_incr_dmp.bck';