2.10 CONNECT

目的

CONNECTコマンドを使用すると、RMANとターゲット・データベース、補助データベースまたはリカバリ・カタログ・データベースとの接続を確立できます。

前提条件

データベースへのSQL*Plus接続と同様に、データベースへのRMAN接続が指定され、認証されます。唯一異なるのは、ターゲット・データベースまたは補助データベースへのRMAN接続では、SYSBACKUP権限またはSYSDBA権限が必要なことです。

関連項目:

注意:

適切なセキュリティ・プラクティスとして、コマンドラインにプレーン・テキストでパスワードを入力しないことが必要です。RMANでは、RMANプロンプトで要求された場合にのみパスワードを入力してください。パスワード保護については、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

関連項目:

コマンドラインの接続オプションについては、RMANを参照してください。

CONNECT TARGETCONNECT CATALOGおよびCONNECT AUXILIARYコマンドは、そのコマンドで指定するデータベースにRMANがまだ接続されていない場合にかぎり、RMANプロンプトからのみ実行できます。別のターゲット、カタログまたは補助データベースに接続するには、新規RMANセッションを開始する必要があります。

使用上の注意

次のすべての条件が満たされている場合、RMANセッションはNOCATALOGモードで実行されます。

  • RMANの起動時に、CATALOGまたはNOCATALOGを指定しなかったこと。

  • RMANセッションで、CONNECT CATALOGをまだ実行していないこと。

  • RMANリポジトリ接続が必要なBACKUPなどのコマンドを実行すること(例2-61を参照)。

CDBおよびPDBへの接続

RMANはマルチテナント環境でのバックアップおよびリカバリ操作の実行を完全にサポートします。マルチテナントのアーキテクチャによって、Oracle Databaseは、0、1または多数のユーザー作成のプラガブル・データベース(PDB)を含むマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)として機能することが可能になります。CDBまたはPDBへのRMAN接続を確立するプロセスは、非CDBの場合と似ています。オペレーティング・システム認証またはパスワード・ファイル認証のいずれかを使用できます。

関連項目:

CDBに接続するには、「connectStringSpec」の説明に従って、共通のSYSDBAまたは共通のSYSBACKUP権限を持つ共通ユーザーとしてrootに接続します。

PDBに接続するには、共通ユーザーまたはローカル・ユーザーのいずれかとして接続できます。接続を作成するユーザーは、「connectStringSpec」で説明する権限が必要です。

注意:

TARGETとしてPDBに接続すると、リカバリ・カタログに接続できません。

CDB全体またはrootでの操作を実行するには、TARGETとしてrootに接続します。接続を作成するユーザーは、共通のSYSDBAまたは共通のSYSBACKUP権限を持つ共通ユーザーである必要があります。複数のPDBで操作を実行するには、TARGETとしてrootに接続します。接続を作成するユーザーは、共通のSYSDBAまたは共通のSYSBACKUP権限を持つ共通ユーザーである必要があります。単一のPDBでの操作を実行するには、TARGETとして、rootまたはPDBのいずれかに接続することができます。PDBに接続するには、接続を作成するユーザーは、connectStringSpecで説明する権限が必要です。

関連項目:

CDBおよびPDBへの接続の詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照してください

セマンティクス

構文要素 説明

CONNECT AUXILIARY

RMANと補助データベース・インスタンスとの接続を確立します。

補助インスタンスは、TRANSPORT TABLESPACEおよびDUPLICATEコマンドで使用されます。また、RMANのTSPITR中にも使用されます。

CONNECT CATALOG

RMANとリカバリ・カタログ・データベースとの接続を確立します。

リカバリ・カタログが仮想プライベート・カタログ(CREATE CATALOGを参照)の場合、このカタログに接続するRMANクライアントのパッチ・レベルは、10.1.0.6または10.2.0.3である必要があります。Oracle9iのRMANクライアントは、仮想プライベート・カタログに接続できません。このバージョン制限は、Oracle Database 11gのベース・リカバリ・カタログへのRMANクライアント接続には影響しません。基本カタログに仮想プライベート・カタログのユーザーがいる場合も同様です。

RMANがデフォルトのNOCATALOGモードである場合に、RMANセッションでCONNECT CATALOGコマンドを使用しようとすると、RMAN-06445エラーが発行されます(Usage Notesを参照)。

注意: Data Guard環境でRMANを使用する場合は、リカバリ・カタログを使用する必要があります。

CONNECT TARGET

RMANとターゲット・データベースとの接続を確立します。

注意: Data Guard環境では、RMANはフィジカル・スタンバイ・データベースにTARGETとして接続できます。リカバリ・カタログでDB_UNIQUE_NAMEが認識されていないものの、DBIDで登録済データベースを識別するデータベースに対してCONNECT TARGETを実行すると、そのデータベースは、自動的かつ暗黙的にリカバリ・カタログに登録されます。

    connectStringSpec

データベースの接続情報を指定します。

例2-60 リカバリ・カタログを使用しないターゲット・データベースへの接続

この例では、RMANをNOCATALOGモードで起動してから、Oracle Netサービス名がprod1のターゲット・データベースに接続します。sbuは、SYSBACKUP権限を付与されたユーザーです。

% rman NOCATALOG
RMAN> CONNECT TARGET "sbu@prod1 AS SYSBACKUP";

target database Password: password
connected to target database: PROD1 (DBID=39525561)

例2-61 デフォルトのNOCATALOGモードでのターゲット・データベースへの接続

この例では、CATALOGまたはNOCATALOGのいずれも指定せずに、RMANを起動してから、オペレーティング・システム認証を使用してターゲット・データベースに接続します。CONNECT CATALOGコマンドが実行されていないため、BACKUPコマンドを実行すると、RMANはデフォルトのNOCATALOGモードになります。

% rman
RMAN> CONNECT TARGET /
RMAN> BACKUP DATABASE;

RMANセッションのこの時点では、セッションがデフォルトのNOCATALOGモードになっているため、CONNECT CATALOGを実行できません。このセッションでカタログに接続しようとすると、次のエラーが発生します。

RMAN> CONNECT CATALOG rco@catdb

RMAN-00571: ===========================================================
RMAN-00569: =============== ERROR MESSAGE STACK FOLLOWS ===============
RMAN-00571: ===========================================================
RMAN-06445: cannot connect to recovery catalog after NOCATALOG has been used

例2-62 ターゲット・データベース、リカバリ・カタログ・データベースおよび補助データベースへの接続

この例では、ターゲット・データベースにはオペレーティング・システム認証機能を使用して接続し、リカバリ・カタログおよび補助データベースにはパスワード・ファイルを使用して接続します。sbuは、SYSBACKUP権限を付与されたユーザーです。RMANによってパスワードの入力を求められます。

% rman
RMAN> CONNECT TARGET;

connected to target database: PROD (DBID=39525561)

RMAN> CONNECT CATALOG rco@catdb;
 
recovery catalog database Password: password
connected to recovery catalog database

RMAN> CONNECT AUXILIARY "sbu@dupdb AS SYSBACKUP";

auxiliary database Password: password
connected to auxiliary database: DUPDB (not mounted)

例2-63 オペレーティング・システム認証を使用したrootへの接続

この例では、オペレーティング・システム認証を使用してCDBのrootに接続します。デフォルトでは、SYSDBA権限を使用して接続が確立されます。

%rman
RMAN> CONNECT TARGET /

例2-64 ローカル・ユーザーとしてのPDBへの接続

この例では、hr_pdb PDBでSYSBACKUP権限を付与されたローカル・ユーザーsbu_pdbとして、PDB hr_pdbに接続します。hrpdbは、PDB hr_pdbに対応するネット・サービス名です。

%rman
RMAN> CONNECT TARGET "sbu_pdb@hrpdb AS SYSBACKUP";