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Oracle® Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成
12c (12.2.1.2.0)
E82758-01
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3 コマンド行からのリポジトリ作成ユーティリティの実行

コマンド行インタフェース(CLI)は、アプリケーションのデプロイ時に、Oracle Fusion MiddlewareインストーラおよびEnterprise Managerとの統合を行うために必要です。また、Xサーバーが構成されていない場合や、適切な表示機能を持たないtelnet端末を使用している場合にも、CLIを使用できます。

コマンド行からRCUを実行する方法の詳細は、次の各トピックを参照してください。

3.1 コマンド行の構文およびパラメータ

コマンド行からRCUを実行する場合は、モード、操作およびパラメータ(必要な場合)を指定する必要があります。したがって、操作に使用できる構文および様々なコマンド行パラメータを理解していることを確認してください。

RCUのコマンド行インタフェースの構文は、次のとおりです。

rcu mode operation {parameters}

2つのモード(-silentおよび-interactive)と8つの操作(-generateResponseFile-responseFile-createRepository-generateScript-dataLoad-dropRepository-listComponentsおよび-listSchemas)があります。コマンドは次のように記述できます。

rcu [-silent | -interactive] [-generateResponseFile | -responseFile | -createRepository | -generateScript | -dataLoad | 
-dropRepository | -listComponents | -listSchemas] 
{parameters}

次の項では、各モード、操作およびパラメータについて説明します。

3.1.1 コマンド行から使用可能なRCUモード

コマンド行から使用できるRCUモードは、-silentモードと-interactiveモードの2つです。

表3-1 コマンド行から使用可能なRCUモード

コマンド 説明

-silent

コマンド行から最小限のやり取りで、またはやり取りなしでRCUを実行します。

詳細は、「-silentコマンドの使用」を参照してください。

-interactive

RCUグラフィカル・インタフェースを実行します。-silent-interactiveのどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。

(指定されているかどうかに関係なく)このコマンドにより、レスポンス・ファイルまたはコマンド行で指定されたとおりに、特定の画面に情報をあらかじめ設定することができます。あらかじめ情報を設定できるのは、「リポジトリの作成」および「データベース接続の詳細」画面です。

詳細は、「-interactiveコマンドの使用」を参照してください。

3.1.2 コマンド行から実行可能なRCU操作

コマンド行から実行できるRCU操作は8つです。

表3-2 コマンド行から実行可能なRCU操作

コマンド 説明

-generateResponseFile

-silentを指定してRCUを実行し、有効なすべてのRCUコマンド行パラメータを含むRCUレスポンス・ファイルを生成します。

詳細は、「コマンド行からのRCUレスポンス・ファイルの作成を参照してください

-responseFile

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、レスポンス・ファイルを使用してRCU操作を実行します。

詳細は、「レスポンス・ファイルを使用したRCU操作の実行」を参照してください

-createRepository

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、リポジトリを作成します。

詳細は、「コマンドラインからのリポジトリの作成」を参照してください。

-generateScript

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、システム・ロード用のスクリプトを生成します。

詳細は、「コマンド行からのシステム・ロード・スクリプトの生成」を参照してください。

-dataLoad

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、リポジトリにデータをロードします。

詳細は、「コマンド行からのリポジトリへのデータのロード」を参照してください。

-dropRepository

-silent-interactiveのいずれかを指定してRCUを実行し、リポジトリを削除します。

詳細は、「コマンド行からのリポジトリの削除」を参照してください。

-listComponents

-silentを指定してRCUを実行し、指定されたOracleホームのコンポーネントのリストを生成します。

詳細は、「コマンド行からのOracleホームのコンポーネントのリストの生成」を参照してください

-listSchemas

-silentを指定してRCUを実行して、特定のデータベースでスキーマをリストします。

詳細は、「コマンド行からのデータベースにおけるスキーマ・リストの生成」を参照してください。

3.1.3 RCUコマンド行パラメータ

RCUコマンド行パラメータは、コマンド行に直接パラメータを入力するか、レスポンス・ファイルを使用することで、入力としてRCUに渡すことができます。

表3-3 RCUのコマンド行パラメータとその説明

パラメータ 必須かどうか 有効な操作 説明

-compInfoXMLLocation

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

ComponentInfo.xmlファイルの場所へのフルパス。デフォルトの場所は、ORACLE_HOME/oracle_common/rcu/config (UNIXオペレーティング・システム)またはORACLE_HOME\oracle_common\rcu\config (Windowsオペレーティング・システム)です。

-storageXMLLocation

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

StorageInfo.xmlファイルの場所へのフルパス。デフォルトの場所は、ORACLE_HOME/oracle_common/rcu/config (UNIXオペレーティング・システム)またはORACLE_HOME\oracle_common\rcu\config (Windowsオペレーティング・システム)です。

-databaseType

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

-listSchemas

接続するデータベースのタイプ。

完全なDBA権限を持つユーザーとしてシステム・ロードと製品ロードを同時に実行する場合、有効なオプションはORACLESQLSERVERIBMBD2MYSQLまたはEBRです。

システム・ロードおよび製品ロードを同時に実行する権限を持たないが、スクリプトを生成する必要がある場合は、ORACLEおよびEBRデータベース・タイプのみを使用できます。

システム・ロードおよび製品ロードの詳細は、「システム・ロードおよび製品ロードについて」を参照してください。

-connectString

はい

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

-listSchemas

データベースに接続するための資格証明。

OracleまたはEBR対応のデータベースについては、次の形式を使用します。

host:port:sid

または:

host:port/service

その他すべてのデータベース・タイプについては、次の形式を使用します。

server_name/host:port:database_name

-edition

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

-listSchemas

エディション名。これは、databaseType=EBRを指定する場合にのみ有効です。

-dbUser

はい

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

-generateResponseFile

-listSchemas

データベース・ユーザー名(たとえば、OracleデータベースのSYSユーザー)。

このパラメータは、-generateResponseFile操作中に—createWalletが指定された場合に必要です。RCUでは、ウォレットを生成する際に、データベース・ユーザー名をキー/エイリアスとして使用して、データベース・ユーザー・パスワードを格納します。—createWalletパラメータが指定されない場合、データベース・ユーザー名はオプションです。

-dbRole

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

-listSchemas

データベース・ユーザー・ロール(たとえば、OracleデータベースのSYSユーザーの場合はSYSDBA)。

これは、-dbUserを指定し、ロールがSYSDBAの場合のみ必要です。

-unicodeSupport

いいえ

-createRepository

-dropRepository

Unicodeのサポートについて、YesまたはNoを指定します。デフォルトはYesです。これは、databaseType=SQLSERVERを指定する場合にのみ有効です。

-skipCleanupOnFailure

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

スキーマの作成に失敗した場合に、スキーマのクリーンアップをスキップするかどうか。有効な値はYesまたはNoのいずれかです。デフォルトはNoです。

-skipTablespaceDroponFailure

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

スキーマの作成に失敗した場合、スキーマのクリーン・アップ時に表領域の削除をスキップするかどうか。有効な値はYesまたはNoのいずれかです。デフォルトはNoです。

失敗したコンポーネントの表領域をスキーマのクリーン・アップ時に残しておく場合は、Yesを指定します。失敗したコンポーネントの表領域をスキーマのクリーン・アップ時に削除する場合は、Noを指定します。

-scriptLocation

いいえ

-generateScript

システム・ロード・リポジトリに対して生成されたスクリプトを保存する場所を指定します。

-useSamePasswordForAllSchemaUsers

いいえ

-createRepository

-dataLoad

-generateResponseFile

すべてのスキーマに同じパスワードを使用するかどうか。有効な値はtrueまたはfalseです。デフォルトは、falseです。

-selectDependentsForComponents

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

-generateResponseFile

ご使用のコンポーネントの依存スキーマが、RCUによって自動的に選択されるかどうか。有効な値はtrueまたはfalseです。デフォルトは、falseです。

-honorOMF

いいえ

-createRepository

-generateScript

値がtrueに設定されると、RCUはOracle Managed Files (OMF)の命名形式を使用してデータファイルを作成します。

有効な値はtrueまたはfalseです。デフォルトは、falseです。

-encryptTablespace

いいえ

-createRepository

-generateScript

RCUで作成する新しいすべての表領域を暗号化するどうかを指定します。RCUの起動時に、TDE (Transparent Data Encryption)がデータベース(OracleまたはOracle EBR)内で有効化されている場合にのみ、このオプションは有効です。TDE表領域を暗号化すると、表領域に格納される機密データを暗号化できます。

有効な値はtrueまたはfalseです。デフォルトは、falseです。値がtrueに設定されると、TDEがデータベースで有効化されている場合にのみ、RCUで作成したすべての新しい表領域が暗号化されます。

RCUが起動される前に作成された表領域は、このオプションを使用して暗号化できません。

-skipTablespaceDrop

いいえ

-dropRepository

このパラメータを使用すると、-dropRepository操作中に表領域の削除をスキップできます。

有効な値はYesまたはNoのいずれかです。Yesを指定すると、表領域の削除をスキップします。デフォルトはNoです。

-variables

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

variablename=value形式のカンマ区切り変数。RCUの環境変数のリストについては、「RCUの環境変数」を参照してください。

-schemaPrefix

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

-generateResponseFile

スキーマの接頭辞。スキーマの接頭辞の詳細は、「スキーマ作成の計画」および「コンポーネントの選択(作成操作用)」を参照してください。

このパラメータは、-createRepository-generateScript-dataLoadおよび-dropRepository操作用に必要です。

または、このパラメータは、-generateResponseFile操作中に—createWalletパラメータが指定された場合に必要です。RCUでは、ウォレットを生成する際に、接頭辞の付いたスキーマ名をキー/エイリアスとして使用してスキーマ・パスワードを格納します。—createWalletパラメータが指定されない場合、スキーマ接頭辞はオプションです。

-component

はい

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

追加または削除するコンポーネントのID。1つのコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。

-component component_ID

複数のコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。

-component component_ID -component component_ID

有効なコンポーネント(スキーマ)IDのリストについては、「リポジトリ作成ユーティリティのスキーマ、IDおよび表領域について」を参照してください。依存コンポーネントが原因で複数のコンポーネントが必要な場合があります。たとえば、Audit Services (IAU)のスキーマがまだ存在しない場合は、Oracle Platform Security Services (OPSS)スキーマは作成できません。このような場合は、両方のスキーマを指定する必要があります。

-component OPSS -component IAU

-tablespace

いいえ

-createRepository

-generateScript

コンポーネントの表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。

-tempTablespace

いいえ

-createRepository

-generateScript

コンポーネントの一時表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。

-createWallet

いいえ

-generateResponseFile

ウォレット・ファイルを作成して、データベース・ユーザー・パスワード、スキーマ・パスワードおよびカスタム変数パスワードなどのRCUパスワードをセキュアに格納する場合に、このパラメータを指定します。

RCUは、Oracleウォレットに格納されたパスワード資格証明を受け入れます。つまり、生成されたウォレットを後でサイレント状態で使用し、コマンド行にパスワードを直接入力せずに、RCUにパスワードを指定できます。

ウォレットは、レスポンス・ファイルと同一のディレクトリに生成されます。

-walletDir

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

-listSchemas

スキーマの作成または削除で使用したRCUパスワードが格納されているウォレット・ディレクトリの絶対パス。ウォレットを使用してRCUにパスワードを渡すようにすると、RCUは必要なパスワードを指定されたディレクトリから取得します。このオプションは、サイレント・モードでのみ有効です。

このオプションを使用している場合、ウォレットがすでに存在し、必要なパスワードを含んでいる必要があります。ウォレットに必要なパスワードが含まれていない場合、RCUはコマンド行でパスワードを指定するように求めます。

このディレクトリには、有効なcwallet.ssoファイルが含まれる必要があります。RCUでは、自動ログイン・ウォレット(ウォレットを開くためのパスワードが不要)のみがサポートされています。

-responseFileDir

いいえ

-generateResponseFile

レスポンス・ファイル・ディレクトリの絶対パス。

これを指定すると、RCUはrcuResponseFile.propertiesという名前のレスポンス・ファイルを指定されたディレクトリに生成します。

これを指定しない場合、デフォルトで、RCUはレスポンス・ファイルを$HOME/.rcuディレクトリに生成します。

-componentList

いいえ

-generateResponseFile

レスポンス・ファイルに追加するOracleホーム内のコンポーネントに対するコンポーネントIDのカンマ区切りリスト。指定されたOracleホームに対する有効なコンポーネントIDのリストを生成する方法は、「コマンド行からのOracleホームのコンポーネントのリストの生成」を参照してください。

これを指定しない場合、デフォルトで、Oracleホーム内の有効なすべてのコンポーネントが、レスポンス・ファイルに追加されます。

-validate

いいえ

-createRepository

-generateScript

-dataLoad

-dropRepository

このオプションは、サイレント・モードで検証チェックを実行して、指定した操作の前提条件がすべて満たされているかどうかを検証するために使用します。

このオプションは、操作を実行するために必要な前提条件のチェックのみを行って終了する点に注意してください。詳細は、「前提条件を検証する-validateパラメータの使用」を参照してください。

-schemaPrefixes

いいえ

-listSchemas

スキーマの接頭辞のカンマ区切りリスト。指定した場合、RCUでは指定した接頭辞を持つスキーマのみがリストされます。

3.2 -silentコマンドの使用

-silentコマンドは、コマンドの入力後に最小限のやり取りでRCUを実行する場合に使用します。

このコマンドでは、必須のコマンド行パラメータをすべて指定する必要があります。次に例を示します。

rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser database_user -component component

このシナリオでは、データベースおよびコンポーネント・スキーマのパスワードをコマンド行で指定するように求められます。複数のコンポーネントを指定する場合は、コンポーネントの指定順にパスワードを入力するように求められます。

RCUパラメータを直接コマンド行で入力するのではなく、特定の入力値を含むファイルの場所および名前を指定できます。このファイル(レスポンス・ファイルと呼ばれます)により、テキスト・ファイルを使用して、有効なすべてのコマンド行パラメータの値をRCUに渡すことができます。RCUの実行時に、すべての値がレスポンス・ファイルから読み込まれ、スキーマを作成または削除します。詳細は、「レスポンス・ファイルの使用」を参照してください。

コマンド行とのやり取りをまったく行わないようにする場合は、必要なパスワードをすべて含むテキスト・ファイル(1行に1個のパスワード)を作成し、-fオプションを使用してこのパスワード・ファイルをRCUに渡すことができます。たとえば、passwordfile.txtというファイルを作成する場合は、次のコマンドを使用できます。

rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser database_user -component component1_name -component 
component2_name -f < passwordfile.txt

passwordfile.txtファイルの行は、次の順になります。

database_password
component1_schema_password
component2_schema_password

ファイルのパスワードを、コマンド行のコンポーネントと同じ順序で指定することが重要です。

インストールが完了したら、パスワード・ファイルを削除する必要があります。パスワードはクリアテキスト形式で保持されるため、インストール後もパスワード・ファイルが残っていると、セキュリティ上の危険があります。

プレーン・テキストのパスワードを使用するのではなく、すべての必要なパスワードを含むOracleウォレット・ファイルを作成し、-walletDirパラメータを使用して、このファイルをRCUに渡すこともできます。この場合、RCUではウォレットに格納されているパスワードを要求しません。詳細は、「パスワードを格納するウォレットの使用」を参照してください。

-silentモードでのRCUの実行に関する詳細は、次の各トピックを参照してください。

3.2.1 前提条件を検証する-validateパラメータの使用

コマンド行からの操作を実行する前に、サイレント・モードで—validateオプションを使用すると、すべてのRCU前提条件が満たされているかどうかを検証できます。

RCUの実行時に-validateオプションを指定すると、RCUは指定された操作の前提条件をすべて検証してから終了します。たとえば、このコマンドにより、コマンド行のパラメータの値を検証し、スキーマの作成前にデータベースの最小要件が満たされているかどうかを検証します。

次の例に示すように、—validateオプションは検証チェックを実行するために、任意の有効な操作に追加できます。

./rcu -silent -createRepository -useSamePasswordForAllSchemaUsers true -databaseType ORACLE
-connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID  -dbUser sys -dbRole sysdba 
-selectDependentsForComponents true -schemaPrefix DEV -component MDS -component OPSS 
-component STB -component BIPLATFORM -validate

前提条件チェックに失敗すると、RCUはゼロ以外の終了コードを返して、コンソールに問題を出力します。コマンドの出力とログ・ファイルを参照して手動で問題を解決してください。その後で、—validateコマンドを再実行して、すべてのチェックに問題がないことを確認します。

すべての前提条件チェックに合格すると、終了ステータスはゼロ(0)になります。

次の表に、検証チェックが失敗した場合にRCUが返す終了コードの詳細を示します。

検証チェック 説明 終了コードの数値

データベース接続性のチェック

スキーマを作成または削除するデータベースに提示した接続資格証明を検証します。

このチェックにより、データベース接続文字列、ユーザー名およびパスワードに指定した値を使用してデータベース接続が確立できることを確認します。

-encryptTablespace trueオプションを指定すると、RCUはTDE (Transparent Data Encryption)がデータベースで有効化されているかどうかを検証します。

  • データベース接続の失敗: 100

  • サポートされていないデータベース・タイプ: 101

  • 空のフィールド: 102

  • 無効なポート: 103

グローバルな前提条件のチェック

グローバルなComponentInfo.xmlファイル(ORACLE_HOME/oracle_common/rcu/config内のファイル)にリストされたグローバルな前提条件を検証します。

たとえば、このチェックによって、データベースのバージョンとデータベース初期化パラメータの値を検証します。

  • グローバルな前提条件の失敗: 200

  • メタデータの初期化に失敗: 201

  • TDE無効: 202

スキーマ接頭辞のチェック

-schemaPrefixパラメータを検証します。

  • 作成操作の場合、RCUは接頭辞が所定のパーターンに従っていて、許容された文字数を超えていないことを確認します。

  • 削除操作の場合、RCUはスキーマ接頭辞がすでに存在していることを確認します。

  • スキーマ接頭辞の検証に失敗: 300

コンポーネント名のチェック

指定されたコンポーネント・スキーマ名のリストを検証します。

作成操作の場合、RCUは特定の接頭辞のコンポーネントが存在していないことと、依存コンポーネントが選択されていることを確認します。

  • コンポーネントの検証に失敗: 400

  • コンポーネント依存性の検証に失敗: 401

スキーマ・パスワードのチェック

指定されたスキーマ・パスワードがサポートされているパターンに従っていることと、30文字を超えていないことを検証します。

  • スキーマ・パスワードの検証に失敗: 700

コンポーネント前提条件のチェック

各コンポーネントのコンポーネント固有の前提条件を検証します。

前提条件は、コンポーネント・リポジトリ構成ファイル(component.xml)にリストされています。このファイルは、各コンポーネントのORACLE_HOME/product_directory/common/sql/componentにあります。

  • コンポーネント前提条件の失敗: 500

表領域の検証チェック

表領域名を検証し、表領域の前提条件が満たされているかどうかを検証します。

  • 表領域の検証に失敗: 600

  • 表領域からコンポーネントへのマッピングの検証に失敗: 601

カスタム変数のチェック

コンポーネントのカスタム変数と変数の値を検証します。

  • カスタム変数の検証に失敗: 800

スクリプトの場所の検証チェック

–scriptLocation引数に指定された値を検証し、値がnullまたは空であるかどうかを確認します。

  • –scriptLocation引数の値が無効または指定されていない: 900

3.2.2 パスワードを格納するウォレットの使用

RCUをコマンド行で実行している場合、パスワード資格証明(たとえば、スキーマ・パスワード)をOracleウォレット・ファイル内に格納できます。このウォレット・ファイルは、コマンド行からRCUに指定できます。

RCUをコマンド行で実行する場合、デフォルトで、RCUにより必要ないずれかのパスワードの値の入力を求められます。コマンド行でのパスワードの入力を避けるために、必要なパスワード資格証明を安全に保存するウォレット・ファイルを作成できます。ここで、walletDirパラメータを使用してウォレットの場所を指定し、RCUにウォレットを渡すことができます。

RCUを使用したウォレットの作成

RCUパスワードを指定するウォレットは、レスポンス・ファイルの作成の一部としてRCUにより生成されます。

ウォレットが作成されると、このファイルを再び使用して、複数のセッションでパスワードを格納および指定できます。

RCUでは、自動ログイン・ウォレットのみがサポートされていることに注意してください(ウォレットを開くためのパスワードが不要)。パスワードで保護されたウォレットは、サポートされていません。

RCUによりウォレットが生成されると、RCUは接頭辞の付いたスキーマ名をキー/エイリアスとして使用してスキーマ・パスワードを格納し、これにより、複数のセッションで同一のウォレットを再び使用することが簡単になります。データベース・ユーザー・パスワードでは、エイリアスはデータベース・ユーザー名(たとえば、SYS)です。すべてのスキーマに対して同一のパスワードが使用されると、RCUは、エイリアスprefix_COMMON_SCHEMA_PASSWORDを使用して、パスワードをウォレットに保存します。

例3-1 -walletDirパラメータの使用

ウォレットを作成し必要なパスワードを含めてから、—walletDirパラメータを使用してこのファイルをRCUに渡すと、コマンド行にパスワードを直接入力する必要がありません。または、ウォレットの場所は、レスポンス・ファイルを使用してRCUに指定されます。

次に例を示します。

./rcu -silent -createRepository -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:example_sid -dbUser sys -dbRole sysdba 
-schemaPrefix DEV -component MDS -component STB -walletDir /home/exampleuser/wallet

ウォレットをRCUに渡す場合、RCUでは、次のような必要なすべてのパスワードがウォレットに存在している必要があります。

  • データベース・ユーザー・パスワード

  • スキーマ・パスワード

  • カスタム変数パスワード(Oracle Data Integratorの場合)

この例では、ウォレットには、データベース・ユーザー(sys)、メタデータ・サービス(MDS)スキーマおよびサービス表(STB)スキーマに対するパスワードが含まれている必要があります。ウォレットに必要なすべてのパスワードが含まれていない場合、コマンド行でパスワードを指定するように求められます。

3.3 -interactiveコマンドの使用

-interactiveコマンドは、RCUグラフィカル・インタフェースを実行する場合に使用します。-silent-interactiveのどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。

RCU操作を効率よく進めるために、コマンド行で情報を指定してグラフィカル・インタフェースに追加できます。たとえば、RCUを次のコマンドで実行するとします。

./rcu

「データベース接続の詳細」ページには、次のように空白のフィールドが表示されます。

一方、コマンド行でいくつかのパラメータを指定してRCUを実行するとします。

./rcu -interactive -createRepository -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:example_sid -dbUser SYS -component MDS

「データベース接続の詳細」ページには、コマンド行で指定された情報が反映されます。

RCUグラフィカル・インタフェースを実行するときには、特定の入力値(たとえば、データベース接続情報)を含むファイル(レスポンス・ファイル)の場所と名前を指定できます。これらは、グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用する通常のセッションで要求される値です。レスポンス・ファイルに入力した値は、特定のRCU画面に情報を設定するために使用できます。詳細は、「レスポンス・ファイルの使用」を参照してください。

3.4 レスポンス・ファイルの使用

RCUの実行前に、特定の操作の実行に必要な情報をレスポンス・ファイルで指定できます。たとえば、データベース接続の詳細、追加または削除するコンポーネントのリスト、およびスキーマ接頭辞を、レスポンス・ファイルを使用してRCUに指定します。

レスポンス・ファイルは、RCUセッションの自動化に使用できます。レスポンス・ファイルを使用してRCUを実行すると、RCUは操作を完了するためにレスポンス・ファイルで指定された情報を読み込みます。

詳細は、以下のトピックを参照してください。

3.4.1 レスポンス・ファイルについて

レスポンス・ファイルはプロパティ・ファイルであり、操作を実行するためのすべてのRCUコマンド行パラメータは、このファイルによってRCUへの入力として指定できます。

RCU Command Line Parametersを直接コマンド行で入力するのではなく、テキスト・ファイルを使用して、これらのパラメータの値をRCUに指定できます。このファイルは、RCUグラフィカル・インタフェース(RCU画面で指定された値を使用し)、またはコマンド行から生成されます。レスポンス・ファイルを作成すると、その後で操作を実行する際にテキスト・エディタでパラメータを変更して使用することも、そのまま変更を加えずに使用することもできます。

コマンド行からのRCUの実行にレスポンス・ファイルを使用すると、レスポンス・ファイルで指定した値は、一般的なサイレントRCUセッション時にコマンド行に通常指定するRCUパラメータの値になります。RCUグラフィカル・インタフェースの実行にレスポンス・ファイルを使用すると、レスポンス・ファイルで指定した値は、特定の画面のフィールドにあらかじめ情報を設定するために使用されます。

3.4.2 グラフィカル・インタフェースからのRCUレスポンス・ファイルの作成

「サマリー」画面の「レスポンス・ファイルの保存」オプションを使用して、RCU画面で指定した情報をレスポンス・ファイルに保存します。

「レスポンス・ファイルの保存」オプションをクリックすると、このファイルを作成する場所を指定するように求められます。デフォルトで、RCUは$HOME/.rcuディレクトリにレスポンス・ファイルを保存します。

レスポンス・ファイルにはパスワード情報を含める必要があるため、RCUには、RCU画面で指定したパスワードを安全にウォレットに格納するための「パスワードをウォレットに保存」オプションが用意されています。生成されたウォレットをサイレント状態で使用し、RCUに必要なパスワードを指定することができ、コマンド行にパスワードを直接入力する必要がありません。コマンド行からRCUを実行するときには、コマンド行またはレスポンス・ファイルでウォレットの場所をRCUに渡すことができます。RCUにウォレット・ディレクトリを渡していないと、必要なパスワードの入力を求められるようになります。

3.4.3 コマンド行からのRCUレスポンス・ファイルの作成

-generateResponseFileコマンドを使用して、レスポンス・ファイルを生成します。

RCUレスポンス・ファイルを生成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu -silent -generateResponseFile
  [-responseFileDir absolute_path_of_response_file_directory]
  [-schemaPrefix schema_prefix]  
  [-componentList list_of_component_IDs]
  [-createWallet]
  [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]]
  [-selectDependentsForComponents [true|false]]
  [-dbUser database_username]

—createWalletパラメータが指定される場合、—dbUserおよび—schemaPrefixの値が必要です。そうではない場合、—dbUserおよび—schemaPrefixパラメータはオプションです。RCUでは、接頭辞の付いたスキーマ名およびデータベース・ユーザー名をキー/エイリアスとして使用して、スキーマ・パスワードおよびデータベース・ユーザー・パスワードをそれぞれウォレットに格納します。

—createWalletおよび—useSamePasswordForAllSchemaUsers trueをコマンド行に指定する場合、すべてのスキーマ・パスワードはウォレットで同一の値に設定されます。

—createWalletが指定されると、RCUにより、ウォレットに格納される各パスワードの値を入力するように求められます。

次に、UNIXオペレーティング・システムでレスポンス・ファイルを生成する場合のサンプル・コマンドを示します。

./rcu -silent -generateResponseFile -componentList OPSS,IAU -schemaPrefix DEV -createWallet 
-responseFileDir /home/exampleuser/rcu -useSamePasswordForAllSchemaUsers true 
-selectDependentsForComponents true -dbUser sys

この例では、レスポンス・ファイルおよびウォレットは/home/exampleuser/rcuディレクトリに作成され、コマンド行に指定された情報(コンポーネントのリストなど)がレスポンス・ファイルに追加されます。

3.4.4 レスポンス・ファイルを使用したRCU操作の実行

-responseFileコマンドを使用して、レスポンス・ファイルを使用した操作を実行します。RCUへの入力を指定するレスポンス・ファイルを使用して、コマンド行またはグラフィカル・インタフェースからの操作を自動化します。

レスポンス・ファイルを使用してグラフィカル・インタフェースを実行すると、RCUは特定のRCU画面(「データベース接続の詳細」画面など)に、レスポンス・ファイルで指定した入力値に基づいた情報を事前に設定します。コマンド行からRCUを実行するように選択すると、コマンド行にこれらのパラメータを直接入力せずに、レスポンス・ファイルを使用して、有効なすべてのRCUパラメータを指定できます。

次に、RCUレスポンス・ファイルを使用してRCU操作を実行するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文を示します。

rcu [-silent|-interactive] -responseFile absolute_path_of_response_file

次に、UNIXオペレーティング・システムで、レスポンス・ファイルを使用してサイレントRCUセッションを自動化するサンプル・コマンドを示します。

./rcu -silent -responseFile /home/exampleuser/rcu/rcuResponseFile.properties

注意:

  • パラメータの値をコマンド行およびレスポンス・ファイルに指定した場合、RCUはコマンド行で指定された値を使用します。

  • RCUを実行する前に、レスポンス・ファイルに必要な情報を指定していることを確認してください。レスポンス・ファイル内の一部の必須プロパティで値が指定されていない場合、RCUを実行すると、RCUは通知を発行し、終了します。

  • 特定のデータベース(たとえば、SQL Server)に接続するには、RCUを実行する場合、dbRoleパラメータは通常必要ありません。ただし、RCUレスポンス・ファイルが生成されると、デフォルトで、dbRoleパラメータにレスポンス・ファイルで必要であることを示すマークが表示されます。その結果、レスポンス・ファイルを使用している場合、SQL Serverのようなデータベースへの接続にデータベース・ロールが不要な場合でも、dbRoleフィールドを空白にすることはできません。

3.5 コマンド行からのリポジトリの作成

完全なSYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーであり、かつデータベース・アクセスに有効な認証資格証明を提示できる場合、-createRepository操作を使用してリポジトリを作成します。

リポジトリを作成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -createRepository
	[-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location]
	[-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
	[-databaseType [ORACLE|EBR]]
	-connectString database_connect_string
	[-edition edition_name]
	 -dbUser database_username
	[-dbRole database_user_role]
	[-unicodeSupport [Yes|No]]
	[-skipCleanupOnFailure [true|false]]
	[-skipTablespaceDropOnFailure [Yes|No]]
	[-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]]
	[-selectDependentsForComponents [true|false]]
	[-honorOMF [true|false]]
	[-encryptTablespace [true|false]]
	[-variables variablename=value]
	[-schemaPrefix schema_prefix]
	-component component_ID
	[-tablespace component_tablespace_name]
	[-tempTablespace component_temp_tablespace_name]
	[-walletDir absolute_path_of_wallet_directory]
	[-validate]

-componentを指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、「リポジトリ作成ユーティリティのスキーマ、IDおよび表領域について」に一覧表示されています。

スキーマを作成する前に、ロードするコンポーネントのすべての依存性を認識し、指定する必要があります。たとえば、SOAINFRAスキーマはMDSスキーマとORASDPMスキーマに依存します。MDSスキーマとORASDPMスキーマの両方を指定せずにSOAINFRAスキーマをロードしようとした場合、またはMDSスキーマとORASDPMスキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、ロードが実行される前にRCUが停止します。

次に、UNIXオペレーティング・システムでOPSSスキーマを作成するサンプル・コマンドを示します。

./rcu -silent -createRepository -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys 
-dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS

3.6 コマンド行からのシステム・ロード・スクリプトの生成

SYSまたはSYSDBA権限のないユーザーであるか、データベース・アクセスに有効な認証資格証明を提示できない場合、-generateScript操作を使用してスクリプトを生成します。DBA権限を持つユーザーは、後でスクリプトを実行してシステム・ロード・フェーズを完了できます。

システム・ロード・スクリプトを生成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -generateScript
	[-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location]
	[-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
	[-databaseType [ORACLE|EBR]]
	-connectString database_connect_string
	[-edition edition_name]
	-dbUser database_username
	[-dbRole database_user_role]
	[-skipCleanupOnFailure [Yes|No]]
	[-skipTablespaceDropOnFailure [Yes|No]]
 	[-scriptLocation script_location]
	[-selectDependentsForComponents [true|false]]
	[-honorOMF [true|false]]
	[-encryptTablespace [true|false]]
	[-variables variablename=value]
	[-schemaPrefix schema_prefix]
	-component component_ID
	[-tablespace component_tablespace_name]
	[-tempTablespace component_temp_tablespace_name]
	[-walletDir absolute_path_of_wallet_directory]
	[-validate]

-componentを指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、「リポジトリ作成ユーティリティのスキーマ、IDおよび表領域について」に一覧表示されています。

スクリプトの作成前に、すべてのコンポーネントの依存関係を意識して指定する必要があります。たとえば、SOAINFRAスキーマはMDSスキーマとORASDPMスキーマに依存します。MDSスキーマとORASDPMスキーマの両方を指定せずにSOAINFRAスキーマを指定する場合、またはMDSスキーマとORASDPMスキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、操作が完了する前にRCUが停止します。

次に、UNIXオペレーティング・システムでシステム・ロード・スクリプトを作成するサンプル・コマンドを示します。

./rcu -silent -generateScript -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys 
-dbRole sysdba -scriptLocation /tmp/RCUdate_timestamp_random_number/logs/ -schemaPrefix TEST 
-component OPSS -component MDS

3.7 コマンド行からのリポジトリへのデータのロード

DBA権限を持つユーザーがシステム・ロード・スクリプトを実行した後で、すべてのユーザーは-dataLoad操作を使用して、リポジトリにデータをロードできます。

リポジトリにデータをロードするためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -dataLoad
	[-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location]
	[-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
	[-databaseType [ORACLE|EBR]]
	-connectString database_connect_string
	[-edition edition_name]
	-dbUser database_username
	[-dbRole database_user_role]
	[-skipCleanupOnFailure [Yes|No]]
	[-skipTablespaceDropOnFailure [Yes|No]]
	[-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]]
	[-selectDependentsForComponents [true|false]]
	[-variables variablename=value]
	[-schemaPrefix schema_prefix]
	-component component_ID
	[-walletDir absolute_path_of_wallet_directory]
	[-validate]

次に、UNIXオペレーティング・システムでデータのロードを実行するサンプル・コマンドは次のとおりですう。

./rcu -silent -dataLoad -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole 
sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS

3.8 コマンド行からのリポジトリの削除

-dropRepository操作を使用して、リポジトリを削除します。

リポジトリを削除するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu [-silent | -interactive] -dropRepository
	[-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location]
	[-storageXMLLocation Storage.xml_file_location]
	[-databaseType [ORACLE|EBR]]
	-connectString database_connect_string
	[-edition edition_name]
	-dbUser database_username
	[-dbRole database_user_role]
	[-unicodeSupport [Yes|No]]
	[-selectDependentsForComponents [true|false]]
	[-skipTablespaceDrop [Yes|No]]
	[-variables variablename=value]
	[-schemaPrefix schema prefix]
	-component component_ID
	[-walletDir absolute_path_of_wallet_directory]
	[-validate]

スキーマを削除する場合は、スキーマの依存性を認識する必要があります(リポジトリ作成ユーティリティのスキーマ、IDおよび表領域について」を参照)。たとえば、一部のスキーマにはMDSスキーマが必要であり、MDSスキーマを削除すると、MDSスキーマを必要とするすべてのスキーマが機能しなくなります。

次に、UNIXオペレーティング・システムでOPSSスキーマを削除するサンプル・コマンドを示します。

./rcu -silent -dropRepository -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole 
sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS

3.9 コマンド行からのOracleホームのコンポーネントのリストの生成

-listComponentsコマンドを使用して、特定のOracleホームに含まれる使用可能な有効なコンポーネントのリストを生成します。

コンポーネントのリストを生成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu -silent -listComponents

このコマンドは、RCUが起動されたOracleホームで使用可能な各コンポーネントの名前、コンポーネントIDおよびサポートされているデータベース・タイプを表示します。

コマンドの出力で各コンポーネントに表示される「コンポーネントID」および「データベース・タイプ」の値は、コマンド行でスキーマを作成する際に、それぞれ-componentおよび—databaseTypeパラメータを使用して指定する必要があります。

3.10 コマンド行からのデータベースにおけるスキーマ・リストの生成

-listSchemasコマンドを使用して、特定のデータベースで有効なスキーマのリストを生成します。

データベース内のスキーマをリストするためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。

rcu -silent -listSchemas
    [-databaseType [ORACLE|EBR]]
    -connectString database_connect_string
    [-edition edition_name]
    -dbUser database_username
    [-dbRole database_user_role]
    [-schemaPrefixes comma_separated_list_of_prefixes]
    [-walletDir absolute_path_of_wallet_directory]

UNIXオペレーティング・システムでOracleデータベースのスキーマをリストするコマンドの例は、次のとおりです。

./rcu -silent -listSchemas -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID 
-dbUser sys -dbRole sysdba

—schemaPrefixes引数を使用して、接頭辞のカンマ区切りのリストを指定することもできます。指定した場合、RCUではこれらの接頭辞を持つスキーマのみが表示されます。

次に例を示します。

./rcu -silent -listSchemas -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys 
-dbRole sysdba -schemaPrefixes DEV,DEV1

3.11 RCU環境変数

RCUの環境変数は、RCUが環境から取得する変数です。環境変数が設定されていない場合は、RCUではデフォルト値が使用されます。

表3-4 RCU環境変数

変数 デフォルト値 説明

RCU_LOG_LOCATION

/tmp (UNIXオペレーティング・システム)

C:\Users\user_name\AppData\Local\Temp (Windowsオペレーティング・システム)

RCUログ・ファイルの場所。

RCU_TIMESTAMP_LOG_DIR

true

RCUログ・ファイル用にlogdir.yyyy-dd_hh-mmという形式のディレクトリを作成するかどうかを決定します。

この変数をtrueまたはfalseに設定します。

RCU_LOG_NAME

rcu.log

RCUログ・ファイルの名前。

RCU_LOG_LEVEL

ERROR

RCUログ・レベルを決定します。

この変数をSEVEREERRORNOTIFICATIONTRACEのいずれかに設定します。

RCU_JAVA_OPTIONS

なし

この変数は、どのJava Virtual Machine (JVM)引数にも設定できます。

次に例を示します。

setenv RCU_JAVA_OPTIONS -Djava.io.tmpdir=/scratch/mytmpDir