コマンド行からRCUを実行する方法の詳細は、次の各トピックを参照してください。
-silent
コマンドは、コマンドの入力後に最小限のやり取りでRCUを実行する場合に使用します。 -interactive
コマンドは、RCUグラフィカル・インタフェースを実行する場合に使用します。-silent
と-interactive
のどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。-createRepository
操作を使用してリポジトリを作成します。-generateScript
操作を使用してスクリプトを生成します。DBA権限を持つユーザーは、後でスクリプトを実行してシステム・ロード・フェーズを完了できます。-dataLoad
操作を使用して、リポジトリにデータをロードできます。-dropRepository
操作を使用して、リポジトリを削除します。-listComponents
コマンドを使用して、特定のOracleホームに含まれる使用可能な有効なコンポーネントのリストを生成します。-listSchemas
コマンドを使用して、指定したデータベースで有効なスキーマのリストを生成します。コマンド行からRCUを実行する場合は、モード、操作およびパラメータ(必要な場合)を指定する必要があります。したがって、操作に使用できる構文および様々なコマンド行パラメータを理解していることを確認してください。
RCUのコマンド行インタフェースの構文は、次のとおりです。
rcu mode operation {parameters}
2つのモード(-silent
および-interactive
)と8つの操作(-generateResponseFile
、-responseFile
、-createRepository
、-generateScript
、-dataLoad
、-dropRepository
、-listComponents
および-listSchemas
)があります。コマンドは次のように記述できます。
rcu [-silent | -interactive] [-generateResponseFile | -responseFile | -createRepository | -generateScript | -dataLoad |
-dropRepository | -listComponents | -listSchemas]
{parameters}
次の項では、各モード、操作およびパラメータについて説明します。
-silent
モードと-interactive
モードの2つです。コマンド行から使用できるRCUモードは、-silent
モードと-interactive
モードの2つです。
表3-1 コマンド行から使用可能なRCUモード
コマンド | 説明 |
---|---|
|
コマンド行から最小限のやり取りで、またはやり取りなしでRCUを実行します。 詳細は、「-silentコマンドの使用」を参照してください。 |
|
RCUグラフィカル・インタフェースを実行します。 (指定されているかどうかに関係なく)このコマンドにより、レスポンス・ファイルまたはコマンド行で指定されたとおりに、特定の画面に情報をあらかじめ設定することができます。あらかじめ情報を設定できるのは、「リポジトリの作成」および「データベース接続の詳細」画面です。 詳細は、「-interactiveコマンドの使用」を参照してください。 |
コマンド行から実行できるRCU操作は8つです。
表3-2 コマンド行から実行可能なRCU操作
コマンド | 説明 |
---|---|
|
詳細は、「コマンド行からのRCUレスポンス・ファイルの作成を参照してください |
|
詳細は、「レスポンス・ファイルを使用したRCU操作の実行」を参照してください |
|
詳細は、「コマンドラインからのリポジトリの作成」を参照してください。 |
|
詳細は、「コマンド行からのシステム・ロード・スクリプトの生成」を参照してください。 |
|
詳細は、「コマンド行からのリポジトリへのデータのロード」を参照してください。 |
|
詳細は、「コマンド行からのリポジトリの削除」を参照してください。 |
|
詳細は、「コマンド行からのOracleホームのコンポーネントのリストの生成」を参照してください |
|
詳細は、「コマンド行からのデータベースにおけるスキーマ・リストの生成」を参照してください。 |
RCUコマンド行パラメータは、コマンド行に直接パラメータを入力するか、レスポンス・ファイルを使用することで、入力としてRCUに渡すことができます。
表3-3 RCUのコマンド行パラメータとその説明
パラメータ | 必須かどうか | 有効な操作 | 説明 |
---|---|---|---|
|
いいえ |
|
|
|
いいえ |
|
|
|
いいえ |
|
接続するデータベースのタイプ。 完全なDBA権限を持つユーザーとしてシステム・ロードと製品ロードを同時に実行する場合、有効なオプションは システム・ロードおよび製品ロードを同時に実行する権限を持たないが、スクリプトを生成する必要がある場合は、 システム・ロードおよび製品ロードの詳細は、「システム・ロードおよび製品ロードについて」を参照してください。 |
|
はい |
|
データベースに接続するための資格証明。 OracleまたはEBR対応のデータベースについては、次の形式を使用します。 host:port:sid または: host:port/service その他すべてのデータベース・タイプについては、次の形式を使用します。 server_name/host:port:database_name |
|
いいえ |
|
エディション名。これは、 |
|
はい |
|
データベース・ユーザー名(たとえば、Oracleデータベースの このパラメータは、 |
|
いいえ |
|
データベース・ユーザー・ロール(たとえば、Oracleデータベースの これは、 |
|
いいえ |
- |
Unicodeのサポートについて、 |
|
いいえ |
|
スキーマの作成に失敗した場合に、スキーマのクリーンアップをスキップするかどうか。有効な値は |
|
いいえ |
|
スキーマの作成に失敗した場合、スキーマのクリーン・アップ時に表領域の削除をスキップするかどうか。有効な値は 失敗したコンポーネントの表領域をスキーマのクリーン・アップ時に残しておく場合は、 |
|
いいえ |
|
システム・ロード・リポジトリに対して生成されたスクリプトを保存する場所を指定します。 |
|
いいえ |
|
すべてのスキーマに同じパスワードを使用するかどうか。有効な値は |
|
いいえ |
|
ご使用のコンポーネントの依存スキーマが、RCUによって自動的に選択されるかどうか。有効な値は |
|
いいえ |
|
値が 有効な値は |
|
いいえ |
|
RCUで作成する新しいすべての表領域を暗号化するどうかを指定します。RCUの起動時に、TDE (Transparent Data Encryption)がデータベース(OracleまたはOracle EBR)内で有効化されている場合にのみ、このオプションは有効です。TDE表領域を暗号化すると、表領域に格納される機密データを暗号化できます。 有効な値は RCUが起動される前に作成された表領域は、このオプションを使用して暗号化できません。 |
|
いいえ |
|
このパラメータを使用すると、 有効な値は |
|
いいえ |
|
variablename |
|
いいえ |
|
スキーマの接頭辞。スキーマの接頭辞の詳細は、「スキーマ作成の計画」および「コンポーネントの選択(作成操作用)」を参照してください。 このパラメータは、 または、このパラメータは、 |
|
はい |
|
追加または削除するコンポーネントのID。1つのコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。 -component component_ID
複数のコンポーネントを指定するには、次の形式を使用します。 -component component_ID -component component_ID 有効なコンポーネント(スキーマ)IDのリストについては、「リポジトリ作成ユーティリティのスキーマ、IDおよび表領域について」を参照してください。依存コンポーネントが原因で複数のコンポーネントが必要な場合があります。たとえば、Audit Services ( -component OPSS -component IAU |
|
いいえ |
|
コンポーネントの表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。 |
|
いいえ |
|
コンポーネントの一時表領域名。このオプションを使用する場合は、この表領域がデータベースに存在している必要があります。 |
|
いいえ |
|
ウォレット・ファイルを作成して、データベース・ユーザー・パスワード、スキーマ・パスワードおよびカスタム変数パスワードなどのRCUパスワードをセキュアに格納する場合に、このパラメータを指定します。 RCUは、Oracleウォレットに格納されたパスワード資格証明を受け入れます。つまり、生成されたウォレットを後でサイレント状態で使用し、コマンド行にパスワードを直接入力せずに、RCUにパスワードを指定できます。 ウォレットは、レスポンス・ファイルと同一のディレクトリに生成されます。 |
|
いいえ |
|
スキーマの作成または削除で使用したRCUパスワードが格納されているウォレット・ディレクトリの絶対パス。ウォレットを使用してRCUにパスワードを渡すようにすると、RCUは必要なパスワードを指定されたディレクトリから取得します。このオプションは、サイレント・モードでのみ有効です。 このオプションを使用している場合、ウォレットがすでに存在し、必要なパスワードを含んでいる必要があります。ウォレットに必要なパスワードが含まれていない場合、RCUはコマンド行でパスワードを指定するように求めます。 このディレクトリには、有効な |
|
いいえ |
|
レスポンス・ファイル・ディレクトリの絶対パス。 これを指定すると、RCUは これを指定しない場合、デフォルトで、RCUはレスポンス・ファイルを |
|
いいえ |
|
レスポンス・ファイルに追加するOracleホーム内のコンポーネントに対するコンポーネントIDのカンマ区切りリスト。指定されたOracleホームに対する有効なコンポーネントIDのリストを生成する方法は、「コマンド行からのOracleホームのコンポーネントのリストの生成」を参照してください。 これを指定しない場合、デフォルトで、Oracleホーム内の有効なすべてのコンポーネントが、レスポンス・ファイルに追加されます。 |
|
いいえ |
|
このオプションは、サイレント・モードで検証チェックを実行して、指定した操作の前提条件がすべて満たされているかどうかを検証するために使用します。 このオプションは、操作を実行するために必要な前提条件のチェックのみを行って終了する点に注意してください。詳細は、「前提条件を検証する-validateパラメータの使用」を参照してください。 |
|
いいえ |
|
スキーマの接頭辞のカンマ区切りリスト。指定した場合、RCUでは指定した接頭辞を持つスキーマのみがリストされます。 |
-silent
コマンドは、コマンドの入力後に最小限のやり取りでRCUを実行する場合に使用します。
このコマンドでは、必須のコマンド行パラメータをすべて指定する必要があります。次に例を示します。
rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser database_user -component component
このシナリオでは、データベースおよびコンポーネント・スキーマのパスワードをコマンド行で指定するように求められます。複数のコンポーネントを指定する場合は、コンポーネントの指定順にパスワードを入力するように求められます。
RCUパラメータを直接コマンド行で入力するのではなく、特定の入力値を含むファイルの場所および名前を指定できます。このファイル(レスポンス・ファイルと呼ばれます)により、テキスト・ファイルを使用して、有効なすべてのコマンド行パラメータの値をRCUに渡すことができます。RCUの実行時に、すべての値がレスポンス・ファイルから読み込まれ、スキーマを作成または削除します。詳細は、「レスポンス・ファイルの使用」を参照してください。
コマンド行とのやり取りをまったく行わないようにする場合は、必要なパスワードをすべて含むテキスト・ファイル(1行に1個のパスワード)を作成し、-f
オプションを使用してこのパスワード・ファイルをRCUに渡すことができます。たとえば、passwordfile.txt
というファイルを作成する場合は、次のコマンドを使用できます。
rcu -silent -createRepository -connectString database_connect_string -dbUser database_user -component component1_name -component component2_name -f < passwordfile.txt
passwordfile.txt
ファイルの行は、次の順になります。
database_password component1_schema_password component2_schema_password
ファイルのパスワードを、コマンド行のコンポーネントと同じ順序で指定することが重要です。
インストールが完了したら、パスワード・ファイルを削除する必要があります。パスワードはクリアテキスト形式で保持されるため、インストール後もパスワード・ファイルが残っていると、セキュリティ上の危険があります。
プレーン・テキストのパスワードを使用するのではなく、すべての必要なパスワードを含むOracleウォレット・ファイルを作成し、-walletDir
パラメータを使用して、このファイルをRCUに渡すこともできます。この場合、RCUではウォレットに格納されているパスワードを要求しません。詳細は、「パスワードを格納するウォレットの使用」を参照してください。
-silent
モードでのRCUの実行に関する詳細は、次の各トピックを参照してください。
—validate
オプションを使用すると、すべてのRCU前提条件が満たされているかどうかを検証できます。コマンド行からの操作を実行する前に、サイレント・モードで—validate
オプションを使用すると、すべてのRCU前提条件が満たされているかどうかを検証できます。
RCUの実行時に-validate
オプションを指定すると、RCUは指定された操作の前提条件をすべて検証してから終了します。たとえば、このコマンドにより、コマンド行のパラメータの値を検証し、スキーマの作成前にデータベースの最小要件が満たされているかどうかを検証します。
次の例に示すように、—validate
オプションは検証チェックを実行するために、任意の有効な操作に追加できます。
./rcu -silent -createRepository -useSamePasswordForAllSchemaUsers true -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -selectDependentsForComponents true -schemaPrefix DEV -component MDS -component OPSS -component STB -component BIPLATFORM -validate
前提条件チェックに失敗すると、RCUはゼロ以外の終了コードを返して、コンソールに問題を出力します。コマンドの出力とログ・ファイルを参照して手動で問題を解決してください。その後で、—validate
コマンドを再実行して、すべてのチェックに問題がないことを確認します。
すべての前提条件チェックに合格すると、終了ステータスはゼロ(0)になります。
次の表に、検証チェックが失敗した場合にRCUが返す終了コードの詳細を示します。
検証チェック | 説明 | 終了コードの数値 |
---|---|---|
データベース接続性のチェック |
スキーマを作成または削除するデータベースに提示した接続資格証明を検証します。 このチェックにより、データベース接続文字列、ユーザー名およびパスワードに指定した値を使用してデータベース接続が確立できることを確認します。
|
|
グローバルな前提条件のチェック |
グローバルな たとえば、このチェックによって、データベースのバージョンとデータベース初期化パラメータの値を検証します。 |
|
スキーマ接頭辞のチェック |
|
|
コンポーネント名のチェック |
指定されたコンポーネント・スキーマ名のリストを検証します。 作成操作の場合、RCUは特定の接頭辞のコンポーネントが存在していないことと、依存コンポーネントが選択されていることを確認します。 |
|
スキーマ・パスワードのチェック |
指定されたスキーマ・パスワードがサポートされているパターンに従っていることと、30文字を超えていないことを検証します。 |
|
コンポーネント前提条件のチェック |
各コンポーネントのコンポーネント固有の前提条件を検証します。 前提条件は、コンポーネント・リポジトリ構成ファイル( |
|
表領域の検証チェック |
表領域名を検証し、表領域の前提条件が満たされているかどうかを検証します。 |
|
カスタム変数のチェック |
コンポーネントのカスタム変数と変数の値を検証します。 |
|
スクリプトの場所の検証チェック |
|
|
RCUをコマンド行で実行している場合、パスワード資格証明(たとえば、スキーマ・パスワード)をOracleウォレット・ファイル内に格納できます。このウォレット・ファイルは、コマンド行からRCUに指定できます。
RCUをコマンド行で実行する場合、デフォルトで、RCUにより必要ないずれかのパスワードの値の入力を求められます。コマンド行でのパスワードの入力を避けるために、必要なパスワード資格証明を安全に保存するウォレット・ファイルを作成できます。ここで、walletDir
パラメータを使用してウォレットの場所を指定し、RCUにウォレットを渡すことができます。
RCUを使用したウォレットの作成
RCUパスワードを指定するウォレットは、レスポンス・ファイルの作成の一部としてRCUにより生成されます。
RCUグラフィカル・インタフェースを使用してウォレットを作成する方法は、「グラフィカル・インタフェースからのRCUレスポンス・ファイルの作成」を参照してください。
RCUコマンド行インタフェースを使用してウォレットを作成する方法は、「コマンド行からのRCUレスポンス・ファイルの作成」を参照してください。
ウォレットが作成されると、このファイルを再び使用して、複数のセッションでパスワードを格納および指定できます。
RCUでは、自動ログイン・ウォレットのみがサポートされていることに注意してください(ウォレットを開くためのパスワードが不要)。パスワードで保護されたウォレットは、サポートされていません。
RCUによりウォレットが生成されると、RCUは接頭辞の付いたスキーマ名をキー/エイリアスとして使用してスキーマ・パスワードを格納し、これにより、複数のセッションで同一のウォレットを再び使用することが簡単になります。データベース・ユーザー・パスワードでは、エイリアスはデータベース・ユーザー名(たとえば、SYS)です。すべてのスキーマに対して同一のパスワードが使用されると、RCUは、エイリアスprefix_COMMON_SCHEMA_PASSWORDを使用して、パスワードをウォレットに保存します。
例3-1 -walletDirパラメータの使用
ウォレットを作成し必要なパスワードを含めてから、—walletDir
パラメータを使用してこのファイルをRCUに渡すと、コマンド行にパスワードを直接入力する必要がありません。または、ウォレットの場所は、レスポンス・ファイルを使用してRCUに指定されます。
次に例を示します。
./rcu -silent -createRepository -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:example_sid -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix DEV -component MDS -component STB -walletDir /home/exampleuser/wallet
ウォレットをRCUに渡す場合、RCUでは、次のような必要なすべてのパスワードがウォレットに存在している必要があります。
データベース・ユーザー・パスワード
スキーマ・パスワード
カスタム変数パスワード(Oracle Data Integratorの場合)
この例では、ウォレットには、データベース・ユーザー(sys)、メタデータ・サービス(MDS)スキーマおよびサービス表(STB)スキーマに対するパスワードが含まれている必要があります。ウォレットに必要なすべてのパスワードが含まれていない場合、コマンド行でパスワードを指定するように求められます。
-interactive
コマンドは、RCUグラフィカル・インタフェースを実行する場合に使用します。-silent
と-interactive
のどちらも指定されていない場合は、これがデフォルトです。
RCU操作を効率よく進めるために、コマンド行で情報を指定してグラフィカル・インタフェースに追加できます。たとえば、RCUを次のコマンドで実行するとします。
./rcu
「データベース接続の詳細」ページには、次のように空白のフィールドが表示されます。
一方、コマンド行でいくつかのパラメータを指定してRCUを実行するとします。
./rcu -interactive -createRepository -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:example_sid -dbUser SYS -component MDS
「データベース接続の詳細」ページには、コマンド行で指定された情報が反映されます。
RCUグラフィカル・インタフェースを実行するときには、特定の入力値(たとえば、データベース接続情報)を含むファイル(レスポンス・ファイル)の場所と名前を指定できます。これらは、グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用する通常のセッションで要求される値です。レスポンス・ファイルに入力した値は、特定のRCU画面に情報を設定するために使用できます。詳細は、「レスポンス・ファイルの使用」を参照してください。
RCUの実行前に、特定の操作の実行に必要な情報をレスポンス・ファイルで指定できます。たとえば、データベース接続の詳細、追加または削除するコンポーネントのリスト、およびスキーマ接頭辞を、レスポンス・ファイルを使用してRCUに指定します。
レスポンス・ファイルは、RCUセッションの自動化に使用できます。レスポンス・ファイルを使用してRCUを実行すると、RCUは操作を完了するためにレスポンス・ファイルで指定された情報を読み込みます。
詳細は、以下のトピックを参照してください。
-generateResponseFile
コマンドを使用して、レスポンス・ファイルを生成します。-responseFile
コマンドを使用して、レスポンス・ファイルを使用した操作を実行します。RCUへの入力を指定するレスポンス・ファイルを使用して、コマンド行またはグラフィカル・インタフェースからの操作を自動化します。レスポンス・ファイルはプロパティ・ファイルであり、操作を実行するためのすべてのRCUコマンド行パラメータは、このファイルによってRCUへの入力として指定できます。
RCU Command Line Parametersを直接コマンド行で入力するのではなく、テキスト・ファイルを使用して、これらのパラメータの値をRCUに指定できます。このファイルは、RCUグラフィカル・インタフェース(RCU画面で指定された値を使用し)、またはコマンド行から生成されます。レスポンス・ファイルを作成すると、その後で操作を実行する際にテキスト・エディタでパラメータを変更して使用することも、そのまま変更を加えずに使用することもできます。
コマンド行からのRCUの実行にレスポンス・ファイルを使用すると、レスポンス・ファイルで指定した値は、一般的なサイレントRCUセッション時にコマンド行に通常指定するRCUパラメータの値になります。RCUグラフィカル・インタフェースの実行にレスポンス・ファイルを使用すると、レスポンス・ファイルで指定した値は、特定の画面のフィールドにあらかじめ情報を設定するために使用されます。
「サマリー」画面の「レスポンス・ファイルの保存」オプションを使用して、RCU画面で指定した情報をレスポンス・ファイルに保存します。
「レスポンス・ファイルの保存」オプションをクリックすると、このファイルを作成する場所を指定するように求められます。デフォルトで、RCUは$HOME/.rcu
ディレクトリにレスポンス・ファイルを保存します。
レスポンス・ファイルにはパスワード情報を含める必要があるため、RCUには、RCU画面で指定したパスワードを安全にウォレットに格納するための「パスワードをウォレットに保存」オプションが用意されています。生成されたウォレットをサイレント状態で使用し、RCUに必要なパスワードを指定することができ、コマンド行にパスワードを直接入力する必要がありません。コマンド行からRCUを実行するときには、コマンド行またはレスポンス・ファイルでウォレットの場所をRCUに渡すことができます。RCUにウォレット・ディレクトリを渡していないと、必要なパスワードの入力を求められるようになります。
-generateResponseFile
コマンドを使用して、レスポンス・ファイルを生成します。
RCUレスポンス・ファイルを生成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu -silent -generateResponseFile [-responseFileDir absolute_path_of_response_file_directory] [-schemaPrefix schema_prefix] [-componentList list_of_component_IDs] [-createWallet] [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]] [-selectDependentsForComponents [true|false]] [-dbUser database_username]
—createWallet
パラメータが指定される場合、—dbUser
および—schemaPrefix
の値が必要です。そうではない場合、—dbUser
および—schemaPrefix
パラメータはオプションです。RCUでは、接頭辞の付いたスキーマ名およびデータベース・ユーザー名をキー/エイリアスとして使用して、スキーマ・パスワードおよびデータベース・ユーザー・パスワードをそれぞれウォレットに格納します。
—createWallet
および—useSamePasswordForAllSchemaUsers true
をコマンド行に指定する場合、すべてのスキーマ・パスワードはウォレットで同一の値に設定されます。
—createWallet
が指定されると、RCUにより、ウォレットに格納される各パスワードの値を入力するように求められます。
次に、UNIXオペレーティング・システムでレスポンス・ファイルを生成する場合のサンプル・コマンドを示します。
./rcu -silent -generateResponseFile -componentList OPSS,IAU -schemaPrefix DEV -createWallet -responseFileDir /home/exampleuser/rcu -useSamePasswordForAllSchemaUsers true -selectDependentsForComponents true -dbUser sys
この例では、レスポンス・ファイルおよびウォレットは/home/exampleuser/rcu
ディレクトリに作成され、コマンド行に指定された情報(コンポーネントのリストなど)がレスポンス・ファイルに追加されます。
-responseFile
コマンドを使用して、レスポンス・ファイルを使用した操作を実行します。RCUへの入力を指定するレスポンス・ファイルを使用して、コマンド行またはグラフィカル・インタフェースからの操作を自動化します。
レスポンス・ファイルを使用してグラフィカル・インタフェースを実行すると、RCUは特定のRCU画面(「データベース接続の詳細」画面など)に、レスポンス・ファイルで指定した入力値に基づいた情報を事前に設定します。コマンド行からRCUを実行するように選択すると、コマンド行にこれらのパラメータを直接入力せずに、レスポンス・ファイルを使用して、有効なすべてのRCUパラメータを指定できます。
次に、RCUレスポンス・ファイルを使用してRCU操作を実行するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文を示します。
rcu [-silent|-interactive] -responseFile absolute_path_of_response_file
次に、UNIXオペレーティング・システムで、レスポンス・ファイルを使用してサイレントRCUセッションを自動化するサンプル・コマンドを示します。
./rcu -silent -responseFile /home/exampleuser/rcu/rcuResponseFile.properties
注意:
パラメータの値をコマンド行およびレスポンス・ファイルに指定した場合、RCUはコマンド行で指定された値を使用します。
RCUを実行する前に、レスポンス・ファイルに必要な情報を指定していることを確認してください。レスポンス・ファイル内の一部の必須プロパティで値が指定されていない場合、RCUを実行すると、RCUは通知を発行し、終了します。
特定のデータベース(たとえば、SQL Server)に接続するには、RCUを実行する場合、dbRole
パラメータは通常必要ありません。ただし、RCUレスポンス・ファイルが生成されると、デフォルトで、dbRole
パラメータにレスポンス・ファイルで必要であることを示すマークが表示されます。その結果、レスポンス・ファイルを使用している場合、SQL Serverのようなデータベースへの接続にデータベース・ロールが不要な場合でも、dbRole
フィールドを空白にすることはできません。
完全なSYSまたはSYSDBA権限を持つユーザーであり、かつデータベース・アクセスに有効な認証資格証明を提示できる場合、-createRepository
操作を使用してリポジトリを作成します。
リポジトリを作成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu [-silent | -interactive] -createRepository [-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location] [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location] [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-unicodeSupport [Yes|No]] [-skipCleanupOnFailure [true|false]] [-skipTablespaceDropOnFailure [Yes|No]] [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]] [-selectDependentsForComponents [true|false]] [-honorOMF [true|false]] [-encryptTablespace [true|false]] [-variables variablename=value] [-schemaPrefix schema_prefix] -component component_ID [-tablespace component_tablespace_name] [-tempTablespace component_temp_tablespace_name] [-walletDir absolute_path_of_wallet_directory] [-validate]
-component
を指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、「リポジトリ作成ユーティリティのスキーマ、IDおよび表領域について」に一覧表示されています。
スキーマを作成する前に、ロードするコンポーネントのすべての依存性を認識し、指定する必要があります。たとえば、SOAINFRA
スキーマはMDS
スキーマとORASDPM
スキーマに依存します。MDS
スキーマとORASDPM
スキーマの両方を指定せずにSOAINFRA
スキーマをロードしようとした場合、またはMDS
スキーマとORASDPM
スキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、ロードが実行される前にRCUが停止します。
次に、UNIXオペレーティング・システムでOPSSスキーマを作成するサンプル・コマンドを示します。
./rcu -silent -createRepository -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS
SYSまたはSYSDBA権限のないユーザーであるか、データベース・アクセスに有効な認証資格証明を提示できない場合、-generateScript
操作を使用してスクリプトを生成します。DBA権限を持つユーザーは、後でスクリプトを実行してシステム・ロード・フェーズを完了できます。
システム・ロード・スクリプトを生成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu [-silent | -interactive] -generateScript [-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location] [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location] [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]] [-skipTablespaceDropOnFailure [Yes|No]] [-scriptLocation script_location] [-selectDependentsForComponents [true|false]] [-honorOMF [true|false]] [-encryptTablespace [true|false]] [-variables variablename=value] [-schemaPrefix schema_prefix] -component component_ID [-tablespace component_tablespace_name] [-tempTablespace component_temp_tablespace_name] [-walletDir absolute_path_of_wallet_directory] [-validate]
-component
を指定する場合は、正しいコンポーネントIDを使用する必要があります。コンポーネントIDは、「リポジトリ作成ユーティリティのスキーマ、IDおよび表領域について」に一覧表示されています。
スクリプトの作成前に、すべてのコンポーネントの依存関係を意識して指定する必要があります。たとえば、SOAINFRA
スキーマはMDS
スキーマとORASDPM
スキーマに依存します。MDS
スキーマとORASDPM
スキーマの両方を指定せずにSOAINFRA
スキーマを指定する場合、またはMDS
スキーマとORASDPM
スキーマがデータベースにまだ存在していない場合は、操作が完了する前にRCUが停止します。
次に、UNIXオペレーティング・システムでシステム・ロード・スクリプトを作成するサンプル・コマンドを示します。
./rcu -silent -generateScript -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys
-dbRole sysdba -scriptLocation /tmp/RCUdate_timestamp_random_number/logs/ -schemaPrefix TEST
-component OPSS -component MDS
DBA権限を持つユーザーがシステム・ロード・スクリプトを実行した後で、すべてのユーザーは-dataLoad
操作を使用して、リポジトリにデータをロードできます。
リポジトリにデータをロードするためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu [-silent | -interactive] -dataLoad [-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location] [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location] [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-skipCleanupOnFailure [Yes|No]] [-skipTablespaceDropOnFailure [Yes|No]] [-useSamePasswordForAllSchemaUsers [true|false]] [-selectDependentsForComponents [true|false]] [-variables variablename=value] [-schemaPrefix schema_prefix] -component component_ID [-walletDir absolute_path_of_wallet_directory] [-validate]
次に、UNIXオペレーティング・システムでデータのロードを実行するサンプル・コマンドは次のとおりですう。
./rcu -silent -dataLoad -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS -component MDS
-dropRepository
操作を使用して、リポジトリを削除します。
リポジトリを削除するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu [-silent | -interactive] -dropRepository [-compInfoXMLLocation ComponentInfo.xml_file_location] [-storageXMLLocation Storage.xml_file_location] [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-unicodeSupport [Yes|No]] [-selectDependentsForComponents [true|false]] [-skipTablespaceDrop [Yes|No]] [-variables variablename=value] [-schemaPrefix schema prefix] -component component_ID [-walletDir absolute_path_of_wallet_directory] [-validate]
スキーマを削除する場合は、スキーマの依存性を認識する必要があります(リポジトリ作成ユーティリティのスキーマ、IDおよび表領域について」を参照)。たとえば、一部のスキーマにはMDS
スキーマが必要であり、MDS
スキーマを削除すると、MDS
スキーマを必要とするすべてのスキーマが機能しなくなります。
次に、UNIXオペレーティング・システムでOPSSスキーマを削除するサンプル・コマンドを示します。
./rcu -silent -dropRepository -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefix TEST -component OPSS
-listComponents
コマンドを使用して、特定のOracleホームに含まれる使用可能な有効なコンポーネントのリストを生成します。
コンポーネントのリストを生成するためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu -silent -listComponents
このコマンドは、RCUが起動されたOracleホームで使用可能な各コンポーネントの名前、コンポーネントIDおよびサポートされているデータベース・タイプを表示します。
コマンドの出力で各コンポーネントに表示される「コンポーネントID」および「データベース・タイプ」の値は、コマンド行でスキーマを作成する際に、それぞれ-component
および—databaseType
パラメータを使用して指定する必要があります。
-listSchemas
コマンドを使用して、特定のデータベースで有効なスキーマのリストを生成します。
データベース内のスキーマをリストするためのRCUコマンド行インタフェースの完全な構文は、次のとおりです。
rcu -silent -listSchemas [-databaseType [ORACLE|EBR]] -connectString database_connect_string [-edition edition_name] -dbUser database_username [-dbRole database_user_role] [-schemaPrefixes comma_separated_list_of_prefixes] [-walletDir absolute_path_of_wallet_directory]
UNIXオペレーティング・システムでOracleデータベースのスキーマをリストするコマンドの例は、次のとおりです。
./rcu -silent -listSchemas -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba
—schemaPrefixes
引数を使用して、接頭辞のカンマ区切りのリストを指定することもできます。指定した場合、RCUではこれらの接頭辞を持つスキーマのみが表示されます。
次に例を示します。
./rcu -silent -listSchemas -databaseType ORACLE -connectString examplehost.exampledomain.com:1521:exampleSID -dbUser sys -dbRole sysdba -schemaPrefixes DEV,DEV1
RCUの環境変数は、RCUが環境から取得する変数です。環境変数が設定されていない場合は、RCUではデフォルト値が使用されます。
表3-4 RCU環境変数
変数 | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|
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RCUログ・ファイルの場所。 |
|
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RCUログ・ファイル用に この変数を |
|
|
RCUログ・ファイルの名前。 |
|
|
RCUログ・レベルを決定します。 この変数を |
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なし |
この変数は、どのJava Virtual Machine (JVM)引数にも設定できます。 次に例を示します。 setenv RCU_JAVA_OPTIONS -Djava.io.tmpdir=/scratch/mytmpDir |