この章で説明する手順では、Oracle Service Bus (OSB)を追加してエンタープライズ・デプロイメント・トポロジを拡張するプロセスを示します。
親トピック: エンタープライズ・デプロイメントの構成
Oracle Service Busをエンタープライズ・トポロジに追加する際、既存のSOAドメインに追加することも、Oracle SOA Suiteドメインとは別にOracle Service Bus用の新たなドメインを作成することもできます。
詳細は、「Oracle Service Busのトポロジ・オプションについて」を参照してください。
Oracle Service Busを別個のドメイン内に構成すると決定した場合、トポロジにOracle Service Busを追加する手順を使用する際に、次の点に留意してください。
SOA管理対象サーバーまたはSOAクラスタへの参照はすべて無視してください。ドメインのこれらの要素が存在するのは、Oracle SOA Suiteを含めることですでに拡張されたドメインを拡張する場合のみです。
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行して、Oracle Service BusドメインのSOAINFRAスキーマを作成する必要があります。このスキーマは、Oracle Service Busで必要とされます。Oracle Service Busドメインには、一意のSOAINFRAスキーマとスキーマ接頭辞を使用する必要があります。
この章のタスクを実行する際、この項にリストするディレクトリ変数を使用します。
いくつかのディレクトリ変数の値については、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」に定義されています。
ORACLE_HOME
ASERVER_HOME
MSERVER_HOME
JAVA_HOME
OHS_DOMAIN_HOME
さらに、「エンタープライズ・トポロジによって必要とされる物理および仮想IPアドレス」で定義されている次の仮想IP (VIP)アドレスを参照することになります。
ADMINVHN
この項のアクションは、次のホスト・コンピュータで実行します。
SOAHOST1
SOAHOST2
WEBHOST1
WEBHOST2
OSBをトポロジに追加する前に、初期Infrastructureドメインの作成に必要な手順をすでに実行し、ドメインを拡張してOracle SOA Suiteを追加していることを確認する必要があります。
表14-1は、Oracle Service Busのために既存のSOAドメインまたは既存のインフラストラクチャ・ドメインを拡張する、大まかな手順をリストして説明します。
表14-1 Oracle Service Busを追加するためのSOAドメインの拡張手順
手順 | 説明 | 詳細情報 |
---|---|---|
Oracle Service Busソフトウェアのインストール |
ターゲット・システムへのOSBソフトウェアのインストール |
|
オプションで、サポートされているデータベースにSOAINFRAスキーマをインストールします。 |
OSBでは、 OSBドメインで使用されるSOAINFRAスキーマには一意のスキーマを使用してください。 |
|
オプションで、新しいInfrastructureドメインを作成します。 |
OSBを独自のドメインで実行する場合は、まずInfrastuctureドメインを作成して、OSBを含めることでこのドメインを拡張できるようにする必要があります。 |
|
ドメイン拡張のための構成ウィザードの実行 |
Oracle Service Busコンポーネントを追加するためにSOAまたはInfrastructureドメインを拡張します |
|
トランザクション・リカバリのためのデフォルトの永続ストアの構成 |
クラスタ内のサーバーでトランザクション回復サービスの移行機能を活用するには、サーバーとそのバックアップ・サーバーからアクセス可能な場所にトランザクション・ログを格納します。 |
|
SOAHOST1の管理対象サーバー・ディレクトリ、さらにはSOAHOST2へのドメイン構成の伝播 |
Oracle Service Busでは、WebLogic Serverの起動スクリプトに多少の更新が必要です。これらの変更は、packコマンドとunpackコマンドを使用して伝播させます。 |
|
Oracle Service Busサーバーの起動 |
Oracle Service Busサーバーは既存のドメインを拡張します。そのため、管理サーバーおよびそれぞれのノード・マネージャはSOAHOST1およびSOAHOST2で稼働しています。 |
|
WLS_OSB管理対象サーバーの検証 |
管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認し、URLにアクセスしてサーバーのステータスを確認します。 |
|
WLS_OSBn管理対象サーバーについてのOracle HTTP Serverの構成 |
Oracle Service BusコンソールおよびOracle Service BusサービスにOracle HTTP Serverからルーティングできるようにするため、WebLogicClusterパラメータをこのクラスタにあるノードのリストに設定します。 |
|
Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証 |
サーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。 |
|
OracleファイルとFTPアダプタの高可用性化 |
OracleファイルとFTPアダプタのアウトバウンド操作に対する高可用性を、データベースのmutexロック操作を使用して実現します。 |
|
Oracle Service Bus構成のバックアップ |
この後の手順でエラーが発生した場合の即座のリストアを目的として、ドメイン構成をバックアップします。 |
現在のドメインを拡張する前に、既存のデプロイメントが必要な前提条件を満たしていることを確認します。
インストールのバックアップ - 既存のFusion Middlewareホームとドメインをバックアップしていない場合は、今すぐバックアップすることをお薦めします。
既存のFusion Middlewareホームとドメインをバックアップするには、「SOAエンタープライズ・デプロイメントにおけるバックアップとリカバリの実行」を参照してください。
共有記憶域のOracleホームにInfrastructureおよびSOAソフトウェア・バイナリがインストールされ、SOAHOST1とSOAHOST2から使用できることを確認します。
Oracle Service BusがSOAと同じドメイン内に構成されている場合は、適切なSOAINFRAスキーマ(wlsbjmsrpDataSourceによって使用されるもの)がすでに使用可能になっていること。OSBが独自のドメイン内に構成されている場合、RCUを実行し、SOAドメインで使用されているSOAINFRAスキーマとは異なるスキーマ接頭辞を使用して、サポートされているデータベースにSOAINFRAスキーマをインストールする必要があります。
前の章の説明どおりに、ノード・マネージャ、管理サーバー、(任意でSOAサーバー)、およびWSMサーバーをすでに構成していること。必要に応じて、サーバー移行、トランザクション・ログ、一貫性など、SOAシステムのその他のすべての構成手順が完了していること。
各ホスト・コンピュータのシステム・クロックが同期していることを確認します(まだ、確認していない場合)。これは、各クラスタ内のホストで可能なかぎり同時にdateコマンドを実行することで行えます。
また、そのために使用できるサードパーティおよびオープンソースのユーティリティもあります。
OSBインストーラを使用して、エンタープライズ・デプロイメントにOracle Service Busをインストールできます。
表14-2は、インストール・プログラムの各画面の説明です。
表14-2 OSBのインストール画面
画面 | 説明 |
---|---|
ようこそ |
製品のインストーラの紹介画面です。 |
自動更新 |
この画面では、使用可能なパッチを探してMy Oracle Supportを自動的に検索するか、組織にすでにダウンロードしたパッチを探してローカル・ディレクトリを自動的に検索します。 |
インストールの場所 |
この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。 既存のSOAドメインを拡張する場合は、OSBソフトウェアをSOAソフトウェアがすでにインストールされている既存のOracleホームにインストールします。 OSBを別のドメイン内に構成する場合は、OSBソフトウェアをInfrastructureのOracleホームにインストールします。 |
インストール・タイプ |
この画面を使用してインストールのタイプと、それに従ってインストールされる製品および機能を選択します。 このトポロジの場合は、「Service Bus」を選択します。 |
前提条件チェック |
この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。 警告メッセージまたはエラー・メッセージが表示された場合、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureインストールおよび構成のシステム環境の確認ロードマップに関する項で、次のドキュメントのいずれかを参照できます。 |
インストールの進行状況 |
この画面では、インストールの進行状況を参照できます。 |
インストール完了 |
インストールが完了すると、この画面が表示されます。この画面の情報を確認してから、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。 |
SOAHOST2用に別の共有記憶域ボリュームまたはパーティションを構成している場合は、SOAHOST2にもソフトウェアをインストールする必要があります。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントをインストールおよび構成する場合の共有記憶域の推奨事項」を参照してください。
Oracleホーム(ソフトウェア・バイナリが含まれている)をインストールする場所は、ホストによって異なることに注意してください。ご使用のOracleホーム・ディレクトリの正しい場所を特定するには、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」のガイドラインを参照してください。
インストールの完了後、次のタスクを正常に実行することでインストールを検証できます。
インストール・ログ・ファイルの内容を確認し、何も問題が発生していないことを確認します。ログ・ファイルとその場所の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Universal Installerによるソフトウェアのインストールのインストール・ログ・ファイルの理解に関する項を参照してください。
インストールの内容は、インストール中に選択したオプションによって異なります。
Oracle Service Busを追加すると、次のディレクトリおよびサブディレクトリが追加されます。
ORACLE_HOME/osb/
bin
common
config
doc
financial
L10N
lib
osb
plugins
tools
インストール後のディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Fusion Middlewareの主要ディレクトリに関する項を参照してください。
構成ウィザードでは、Oracle Service Busを追加して、既存のエンタープライズ・デプロイメントのSOAドメインを拡張することができます。拡張を完了するには、一連の追加タスクを実行する必要があります。
ドメインの拡張には、次のタスクが含まれます。
注意:
ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverrides.sh
という名前のファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のjavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うように構成できます。このファイルに追加したカスタマイズは、ドメインのアップグレード操作時に保持され、pack
コマンドとunpack
コマンドの使用時にリモート・サーバーに継承されます。
ドメインの構成を開始するには:
この手順では、「Oracle SOA Suiteを含めるドメインの拡張」で作成したドメインを拡張して、Oracle Service Busソフトウェア・コンポーネントと管理対象サーバーを追加します。
Oracle Service Busを追加して管理サーバーとWSM-PMクラスタのみを含むドメインを拡張する場合の手順は、この項で説明する手順とほぼ同じになりますが、画面に表示される一部のオプション、ライブラリ、コンポーネントは異なる場合があります。
次の各項で説明する手順を実行し、静的クラスタを使用してトポロジのドメインを作成して構成します。
この項で説明する手順を実行して、静的クラスタで使用するトポロジのドメインを作成して構成します。
注意:
この項で説明する手順を使用し、静的クラスタを使用して既存のドメインを拡張することができます。この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行うか、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。
ドメインを作成して構成するためのタスクは次のとおりです。
「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。
「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数の値を選択します。これは、「エンタープライズ・デプロイメント用の初期インフラストラクチャ・ドメインの作成」で作成した管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。
ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください
この画面に示されるその他のオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成の構成タイプに関する項を参照してください。
「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。
Oracle Service Bus - 12.2.1.2.0[osb]
初期ドメインを作成するために使用したため、次の追加のテンプレートもすでに選択されているはずです。
Oracle Enterprise Manager - 12.2.1.2.0[em]
Oracle WSM Policy Manager - 12.2.1.2.0[oracle_common]
Oracle JRF - 12.2.1.2.0[oracle_common]
WebLogic Coherenceクラスタの拡張 - 12.2.1.2.0[wlserver]
この画面に示されるオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のテンプレートに関する項を参照してください。
「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択します。
Infrastructureドメインに必要なFusion Middlewareスキーマを参照するためのドメインをすでに構成済であるため、すべてのフィールドが事前移入されています。
すべてのフィールドにおける資格証明が、Oracle Fusion Middleware Infrastructureの構成中に指定したものと同じであることを確認します。
データベース接続情報の確認が完了した後で、「RCU構成の取得」をクリックします。操作に成功すると、「接続結果ログ」に次の出力が示されます。
Connecting to the database server...OK Retrieving schema data from database server...OK Binding local schema components with retrieved data...OK Successfully Done.
ヒント:
「RCUデータ」オプションの詳細は、Oracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成のサービス表スキーマの理解に関する項を参照してください。
この画面に示されるその他のオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のデータ・ソースのデフォルトに関する項を参照してください。
「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面で、コンポーネント・スキーマとしてOSB JMSレポート・プロバイダを選択します。
スキーマを選択すると、ページ上のフィールドがアクティブ化され、データベース接続フィールドに自動的に値が移入されます。
「GridLinkへ変換」をクリックし、「次へ」をクリックします。
「GridLink Oracle RACコンポーネント・スキーマ」画面で、次の表に示すように、RACデータベースおよびコンポーネント・スキーマへの接続に必要な情報を入力します。
要素 | 説明と推奨値 |
---|---|
SCAN、ホスト名とポート |
「SCAN」チェック・ボックスを選択します。 「ホスト名」フィールドに、Oracle RACデータベースのSingle Client Access Name (SCAN)アドレスを入力します。 「ポート」フィールドには、データベースのリスニング・ポートを入力します( |
「ONSホスト」と「ポート」 |
「ONSホスト」フィールドには、Oracle RACデータベースのSCANアドレスを入力します。 「ポート」フィールドには、ONSリモート・ポートを入力します(通常は |
FANの有効化 |
データベースがFANイベントを受信して処理できるように、「FANの有効化」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。 |
「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面を使用して、構成したデータソース接続をテストします。
「ステータス」列に示される緑色のチェック・マークは、テストが成功したことを表します。問題が発生した場合は、この画面の「接続結果ログ」セクションに示されるエラー・メッセージを確認し、問題を修正してから接続テストを再試行してください。
この画面に示されるその他のオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のテスト・コンポーネント・スキーマに関する項を参照してください。
目的のトポロジに応じたドメインの構成を完了するには、「拡張構成」画面で次のオプションを選択します。
トポロジ
サーバー・テンプレート、管理対象サーバー、クラスタ、仮想ターゲットおよびCoherenceの設定の追加、削除または変更。
ファイル・ストア
「管理対象サーバー」画面で、サーバーのリストにOracle SOA Suite用の新しい管理対象サーバーが表示されます。このサーバーは、タスク2「構成テンプレートの選択」で選択したOracle SOA Suite構成テンプレートによって自動的に作成されました。
次のタスクを実行して、デフォルトのOracle SOA Suite管理対象サーバーを変更して2つ目のOracle SOA Suite管理対象サーバーを作成します。
デフォルトのOracle SOA Suite管理対象サーバーの名前をWLS_OSB1
に変更します。
「追加」をクリックして新しい管理対象サーバーを作成し、そのサーバーにWLS_OSB2
と名前を付けます。
ヒント:
ここで推奨するサーバー名は、このドキュメント全体で使用します。別の名前を選択する場合は、必要に応じてそれらの名前に置き換えてください。
表14-3の情報を使用して、各管理対象サーバーの残りの列を入力します。
OSBサーバーのサーバー・グループとして「OSB-MGD-SVRS-ONLY」を選択します。デフォルトで選択されているOSB-MGD-SVRS-COMBINEDの選択を解除します。
「次へ」をクリックします。
「管理対象サーバー」画面のオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成の管理対象サーバーに関する項を参照してください。
表14-3 構成ウィザードでのOracle Service Bus管理対象サーバーの構成
名前 | リスニング・アドレス | リスニング・ポート | SSLリスニング・ポート | SSL有効 | サーバー・グループ |
---|---|---|---|---|---|
WLS_SOA1 |
SOAHOST1 |
8001 |
n/a |
いいえ |
SOA-MGD-SVRS-ONLY |
WLS_SOA2 |
SOAHOST2 |
8001 |
n/a |
いいえ |
SOA-MGD-SVRS-ONLY |
WLS_WSM1 |
SOAHOST1 |
7010 |
n/a |
いいえ |
JRF-MAN-SVR WSMPM-MAN-SVR |
WLS_WSM2 |
SOAHOST2 |
7010 |
n/a |
いいえ |
JRF-MAN-SVR WSMPM-MAN-SVR |
WLS_OSB1 |
SOAHOST1 |
8011 |
n/a |
いいえ |
OSB-MGD-SVRS-ONLY |
WLS_OSB2 |
SOAHOST2 |
8011 |
n/a |
いいえ |
OSB-MGD-SVRS-ONLY |
WLS_SOA管理対象サーバーは、Oracle Service Busを含めて既存のOracle SOA Suiteドメインを拡張する場合に表示されます。
このタスクでは、Oracle SOA Suiteソフトウェアのターゲットとすることができる管理対象サーバーのクラスタを作成します。
クラスタの「フロントエンド・ホスト」プロパティも設定します。これにより、WebLogic Serverは必要に応じてWebサービス・コールバックやその他のリダイレクトを、各リクエストのHOSTヘッダーにあるアドレスではなく、ロード・バランサ上の
にリダイレクトするようになります。 soa.example.com
soa.example.com
仮想サーバー・アドレスの詳細は、「ハードウェア・ロード・バランサでの仮想ホストの構成」を参照してください。
「クラスタ」画面を使用して、新しいクラスタを作成します。
「追加」ボタンをクリックします。
「クラスタ名」フィールドで、OSB_Cluster
を指定します。
「フロントエンド・ホスト」フィールドでosb.example.com
を指定します。
「フロントエンドHTTPポート」に80
を指定し、「フロントエンドHTTPSポート」に443
を指定します。
「動的サーバー・グループ」ドロップダウン・リストで、未指定
を選択します。
注意:
デフォルトでは、クラスタ内のサーバー・インスタンスは、ユニキャストを使用して相互に通信します。クラスタ通信を変更してマルチキャストを使用する場合、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの管理でユニキャストまたはマルチキャストを選択するための考慮事項に関する項を参照してください。
この画面に示されるオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のクラスタに関する項を参照してください。
「次へ」をクリックして続行します。
「次へ」をクリックして続行します。
「サーバーのクラスタへの割当」画面で、次のようにサーバーをクラスタに割り当てます。
WLS_SOA管理対象サーバーは、Oracle Service Busを含めて既存のOracle SOA Suiteドメインを拡張する場合に表示されます。
SOA_Cluster - SOAドメインを拡張する場合
WLS_SOA1
WLS_SOA2
WSM-PM_Cluster:
WLS_WSM1
WLS_WSM2
OSB_Cluster:
WLS_OSB1
WLS_OSB2
「次へ」をクリックします。
この画面に示されるオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のサーバーのクラスタへの割当に関する項を参照してください。
「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。ポート番号値は、初期インフラストラクチャ・メインの作成中に定義されているため、9991
のままにします。
Coherenceライセンス情報については、Oracle Fusion Middlewareライセンス情報ユーザー・マニュアルのOracle Coherence製品に関する項を参照してください。
次のエントリが表示されることを確認します。
名前 | ノード・マネージャのリスニング・アドレス |
---|---|
SOAHOST1 |
SOAHOST1 |
SOAHOST2 |
SOAHOST2 |
ADMINHOST |
ADMINVHN |
その他のすべてのフィールドはデフォルト値のままにします。
「次へ」をクリックします。
「サーバーのマシンへの割当」画面で、次のようにサーバーをマシンに割り当てます。
ADMINHOST:
AdminServer
SOAHOST1
WLS_SOA1 (SOAドメインを拡張する場合)
WLS_WSM1
WLS_OSB1
SOAHOST2:
WLS_SOA2 (SOAドメインを拡張する場合)
WLS_WSM2
WLS_OSB2
この画面に示されるオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のサーバーのマシンへの割当に関する項を参照してください。
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
「次へ」をクリックして次の画面に進みます。
構成セッションで作成したJMSファイル・ストアを構成します(Wsee FileStore
、UMS JMS FileStore
、およびFileStore
)。
「JMSファイル・ストア」画面で、各OSB永続ストアに次のディレクトリを割り当てます。
ORACLE_RUNTIME/domain_name/OSB_Cluster/jms
この例では、ORACLE_RUNTIMEを、ご使用の環境の変数値に置き換えます。OSB_Clusterを、OSBクラスタに割り当てた名前に置き換えます。
表示されるJMS構成警告は無視してください。
注意:
MDSファイルの保存場所をカスタマイズする必要はありません。それらは開発モードでのみ使用されます。本番環境では、MDSはデータベース内で永続化されます。
「構成サマリー」画面には、これから作成するドメインに関する詳細な構成情報が表示されます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。
変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで任意の画面に戻れます。
「更新」をクリックするまで、ドメインの作成は開始されません。
この画面に示されるオプションの詳細は、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成の構成サマリーに関する項を参照してください。
「構成に成功しました」画面に、構成したドメインに関する次の項目が表示されます。
ドメインの場所
管理サーバーURL
どちらの項目も後で必要になるためメモしてください。ドメインの場所は、管理サーバーの起動に使用するスクリプトへのアクセスで必要になります。また、管理サーバーのURLはWebLogic Server管理コンソールとOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlへのアクセスで必要になります。
「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。
ドメイン拡張プロセスの間に管理サーバーを実行していた場合は、続行する前にサーバーを再起動します。
管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。
Oracle WebLogic Serverでは、システムのクラッシュやネットワーク障害からの回復時にトランザクション・ログを使用します。
各管理対象サーバーでは、サーバーが調整およびコミットする、完了していない可能性のあるトランザクションに関する情報を格納するトランザクション・ログを使用します。
Oracle WebLogic Serverは、システム・クラッシュやネットワーク障害のリカバリでこのトランザクション・ログを使用します。クラスタ内の管理対象サーバーに対してトランザクション・リカバリ・サービスの移行機能を活用するには、管理対象サーバーとそのバックアップ・サーバーからアクセス可能な場所にトランザクション・ログを格納します。
注意:
トランザクション・リカバリ・サービスの移行機能を有効にするには、クラスタにある他のサーバーで使用可能な永続記憶域ソリューションの場所を指定します。クラスタ内のすべての管理対象サーバーがこのディレクトリにアクセスできる必要があります。また、このディレクトリは、サーバーを再起動する前にも存在している必要があります。
お薦めする場所は、デュアル・ポートのSCSIディスクまたはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)です。記憶域エラーが発生した場合に確実に保護するには、記憶域レベルで適切な複製およびバックアップ・メカニズムを設定しておくことが重要です。
この情報は、ファイルベースのトランザクション・ログに適用されます。トランザクション・ログに対して、データベース・ベースの永続ストアを構成することもできます。詳細は、エンタープライズ・デプロイメントでのTLOGおよびJMSに対する永続ストアの使用を参照してください。
静的クラスタでのデフォルト永続ストアの構成手順は、静的クラスタでのトランザクション・リカバリ用のデフォルト永続ストアの構成を参照してください。
OSBインスタンスを含めることでドメインを拡張し、SOAHOST1上の管理サーバーを再起動したら、そのドメイン変更をドメイン・ディレクトリおよびマシンに伝播する必要があります。
更新済ドメインをWEBHOST1およびWEBHOST2マシンに伝播する必要はありません。それらのホスト・コンピュータ上のOracle HTTP Serverインスタンスに対する変更はないためです。
詳細は、次の項を参照してください。
表14-4は、変更をすべてのドメイン・ディレクトリとマシンに伝播するために必要な手順をまとめたものです。
表14-4 ドメイン変更をドメイン・ディレクトリおよびマシンに伝播するために必要なタスクのサマリー
タスク | 説明 | 詳細情報 |
---|---|---|
SOAHOST1での拡張済ドメインの圧縮 |
Packコマンドを使用して、新しいOSBサーバー構成が含まれる新しいテンプレートJARファイルを作成します。 ドメインを圧縮する場合は、 |
|
SOAHOST1の管理対象サーバー・ディレクトリでのドメインの解凍 |
SOAHOST1のローカル記憶域上の管理対象サーバー・ディレクトリにテンプレートJARファイルを解凍します。 |
|
SOAHOST2でのドメインの解凍 |
SOAHOST2のローカル記憶域上の管理対象サーバー・ディレクトリにテンプレートJARファイルを解凍します。 |
ドメインの拡張、管理サーバーの再起動、および他のホストへのドメインの伝播を完了したら、次の手順を使用して、WLS_OSB1サーバーを起動し、そのサーバーが正常に構成されていることを検証します。
WLS_OSB1管理対象サーバーのOracle Service Bus構成を検証する前に、Oracle Service BusのMiddlewareAdministrators
管理ロールをエンタープライズ・デプロイメント管理グループ(SOA Administrators
)に追加して、外部LDAPディレクトリにIntegrationAdministrators
グループを追加します。
このタスクを実行するには、「Oracle SOA Suite製品の管理のためのロールの構成」を参照してください。
WLS_OSB1およびWLS_OSB2管理対象サーバーが稼働したら、「トランザクション・リカバリ用デフォルト永続ストアの構成」で実行した手順に基づいて、トランザクション・ログ・ディレクトリとトランザクション・ログが想定どおりに作成されていることを確認します。
ORACLE_RUNTIME/domain_name/OSB_Cluster/tlogs
_WLS_WLS_OSB1000000.DAT
_WLS_WLS_OSB2000000.DAT
Web層のWebサーバー・インスタンスを構成して、拡張したドメイン内の適切なクラスタにパブリックURLと内部URLの両方に対するリクエストをルーティングする方法を理解することが重要です。
注意:
osb_vh.conf
に次のURLを追加し、OHS/OTDを通じて使用できるようにする必要があります。<Location /RNOWOSB> WLSRequest ON WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011 WLProxySSL ON WLProxySSLPassThrough ON </Location>
osb.example.com/endpoint/RNOWOSB/
となります。こうすると、新しいエンドポイントごとにWeb層の構成ファイルを変更する必要がなくなり、OAMを使用している場合には、SSOにリソース構成が1つで済むという利点もあります。 <Location /endpoint> WLSRequest ON WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011 WLProxySSL ON WLProxySSLPassThrough ON </Location>
このドメインでOracle Traffic Directorを構成した場合、状況によっては、Oracle Traffic Director構成に別のオリジン・サーバー・プール、仮想サーバーまたはルートを追加する必要があります。各Oracle Fusion Middleware製品のOracle Traffic Directorの要件を理解するための情報と、オリジン・サーバー・プール、仮想サーバーおよびルートを追加する手順は、エンタープライズ・デプロイメント用のOracle Traffic Director仮想サーバーの定義を参照してください。
Oracle Service Busクラスタにリクエストを正しくルーティングするようにWeb層のOracle HTTP Serverインスタンスを構成するには、次の手順を使用して、soa.example.com仮想サーバーのパラメータを作成して定義するOracle HTTP Server構成ファイルを追加作成します。
この手順では、「管理およびOracle Web Services Manager用のOracle HTTP Serverの構成」で説明されているOracle HTTP Server構成タスクが実行済であることを想定しています。
パラメータを設定する手順は次のとおりです。
例14-1 osb_vh.confファイル
<VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName https://osb.example.com:443 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit <Location /sbinspection.wsil > WLSRequest ON WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011 WLProxySSL ON WLProxySSLPassThrough ON </Location> <Location /sbresource > WLSRequest ON WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011 WLProxySSL ON WLProxySSLPassThrough ON </Location> <Location /osb > WLSRequest ON WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011 WLProxySSL ON WLProxySSLPassThrough ON </Location> <Location /alsb > WLSRequest ON WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011 WLProxySSL ON WLProxySSLPassThrough ON </Location> <Location /default> WLSRequest ON WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011 WLProxySSL ON WLProxySSLPassThrough ON </Location> </VirtualHost>
例14-2 admin_vh.confファイル
# The admin URLs should only be accessible via the admin virtual host <VirtualHost WEBHOST1:7777> ServerName admin.example.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit # Admin Server and EM <Location /console> WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /consolehelp> WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /em> WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /sbconsole > WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /servicebus> WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> <Location /lwpfconsole > WLSRequest ON WebLogicHost ADMINVHN WeblogicPort 7001 </Location> </VirtualHost>
ドメインにOracle Service Busをインストールして構成した後、次のような構成後タスクを検討します。
Oracle SOA SuiteとOracle Service Busは、同じデータベース、ファイルおよびFTP JCAアダプタを使用します。
Oracle SOA Suiteを構成する前にOracle リポジトリ作成ユーティリティを使用するときに、これらのアダプタに必要なデータベース・スキーマを作成します。データベース・アダプタの構成は、WebLogic Serverのリソース・レベルでは必要ありません。
その他のアダプタに必要な構成は、「OracleファイルとFTPアダプタの高可用性化」に記載されています。
SOAドメインの拡張としてOracle Service Busを構成する場合は、アダプタに対する構成はすでに行われているため構成に加える必要はありません。
Oracle Service BusをOracle Fusion Middleware Infrastructureドメインの拡張としてデプロイする(Oracle SOA Suiteを含まない)場合は、次の操作を実行する必要があります。
RCUを実行し、Oracle Service Busデータベースに必要なアダプタ・スキーマをシードします(RCUで「SOAインフラストラクチャ」スキーマを選択)。
「OracleファイルとFTPアダプタの高可用性化」の手順を実行します。
OSBは、本質的にはトランザクションでないネイティブ・ポーラー・トランスポートを提供します。これらのトランスポートは、新しいメッセージの電子メール・サーバーまたはソース・ディレクトリをポールし、処理ペイロードを必要なJMS宛先にプッシュします。電子メール、ファイル、FTPおよびSFTPは、このカテゴリに含まれます。
ポーリングベースのトランスポートでは、管理対象サーバーに固定されたトランスポート・ポーラー・スレッドが使用されます。クラスタ内のすべての管理対象サーバーが関連ペイロードを処理できますが、メッセージをポーリングできるのは1つのサーバーのみです。システムを停止から保護するには、ポーラー・スレッドをアプリケーション・スコープのシングルトンとして構成し、関係するJMS宛先に高い可用性があることが必要です。
Oracle Fusion Middleware Enterprise Managerにログインします。
「SOA」→サービスバス→「グローバル設定」にナビゲートし、自動シングルトン・サービス移行を選択します。
Weblogic静的クラスタを使用している場合は、OSB移行可能ターゲットの自動サービス移行(ASM)を構成します。障害が発生した場合に、影響を受けるJMSおよびJTAサービスはクラスタの別のメンバーに自動的に移行されます。
または、OSBクラスタのサーバー全体の移行を構成します。この場合、JMSおよびJTAサービスを含むWLSサーバー全体が別のノードで再起動されます。
IBM WebSphereのMQ接続リソースとMQトランスポートをOracle Service Bus内で使用するには、MQクライアント・ライブラリをクラスパスに追加する必要があります。
必要なMQライブラリをドメイン・ホーム・ディレクトリの次の場所にコピーするのも1つの方法です。
DOMAIN_HOME/lib
これは、カスタム・アサーションおよびJBoss統合サービスの場合にもあてはまります。
JBoss初期コンテキスト・ファクトリ・クラスを使用している場合は、クラスおよび依存クラスをDOMAIN_HOME
/lib
ディレクトリに含めてください。
同様に、カスタム・アサーションの場合は、アサーションに必要なJARファイルを作成し、DOMAIN_HOME
/lib
ディレクトリにそのJARファイルを追加します。
さらに、エンタープライズ・デプロイメントでこれらのサービスを使用するには、必要なライブラリを管理サーバー・ドメイン・ホーム(ASERVER_HOME
/lib
)と管理対象サーバー・ドメイン・ホーム(MSERVER_HOME/lib
)に追加する必要があります。
Oracle Service Busのサービスの構成およびデプロイの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busでのサービスの開発のOracle Service Busコンソールのスタート・ガイドを参照してください。
Oracle Service Busを含めてドメインを拡張した後、管理サーバーと管理対象サーバーがハードウェア・ロード・バランサのフロントエンドのSSL URLにアクセスできることを確認する必要もあります。
これにより、Oracle Service BusのWebサービスとその他のサービスが、フロントエンドのセキュアURLとのコールバックやその他の通信を起動できるようになります。
詳細は、「中間層とハードウェア・ロード・バランサ間のSSL通信の有効化」を参照してください。
Oracleのベスト・プラクティスとしては、ドメインの拡張が正常に完了した後や別の論理ポイントでバックアップを作成することをお薦めします。インストールが正常に行われたことを確認したら、バックアップを作成します。これは、後の手順で問題が発生した場合に即座にリストアするための迅速なバックアップになります。
バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了すると、このバックアップは破棄できます。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了したら、バックアップとリカバリの通常のデプロイメント固有プロセスを開始できます。
構成をバックアップする方法の詳細は、「SOAエンタープライズ・デプロイメントにおけるバックアップとリカバリの実行」を参照してください。
Oracle Service Busが高可用性を実現するように構成するには、フェイルオーバーおよびゼロ・データ損失を実現する自動サービス移行でOracle Service Bus管理対象サーバーを構成します。
サーバー移行の有効化の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントでの自動サービス移行の構成」を参照してください。
可用性を高めるために、データベース内にトランザクション・ログ・ストアとJMSストアを構成することもできます。詳細は、エンタープライズ・デプロイメントでのTLOGおよびJMSに対する永続ストアの使用を参照してください。