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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース12.1.2.9.0 for Linux x86-64
E85927-01
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2 Oracle Database Applianceのインストールとデプロイメントの準備

これらのトピックは、Oracle Database Applianceが配置される前にセットアップ・タスクを実行するためのチェックリストとして使用します。

タスク:

My Oracle SupportへのサポートIDの登録

ハードウェア・サポートID (SI)をMy Oracle Supportアカウント・プロファイルに追加します。

ハードウェアSIは、Oracle Database Applianceの購入時に提供されます。新規ソフトウェア・ライセンスを取得する場合は、新規ソフトウェアSIも登録する必要があります。SIの登録プロセスは完了するまで最大24時間かかる場合があります。

注意:

登録したSIがない場合、Oracleからサポートを受けたりソフトウェアを入手することはできません。

Oracle Database Applianceの構成オプションの計画

Oracle Database Applianceをベア・メタルまたは仮想化プラットフォームのデプロイ構成を使用してデプロイできます。

ベア・メタル構成の場合、使用可能にするCPUコア数と、必要なデータベース構成オプションがある場合はそのオプションを決定する必要があります。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・インストールの場合、これらの項を確認して追加の構成オプションを検討します。

トピック:

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのオプションの選択

仮想化プラットフォームのオプションと、共有ディスクや仮想ローカル・エリア・ネットワークなどのオプションの要件を確認します。

仮想マシンを実装する前に、その実行方法と稼働場所を決定する必要があります。要件に基づいて、高可用性オプションの選択、CPUおよびネットワーク・アクセスについて競合する仮想マシン間の干渉を低減するオプションの選択が可能です。さらに、より多くのストレージ領域を提供するオプション、または仮想マシンの自動起動の有効化を可能にするオプションも選択できます。これらのオプションの一部には、Oracle Database Applianceサーバーに必要な構成以外で追加のネットワーク構成が必要です。

デフォルトのOracle Database Applianceには、各ノードに1つのローカル・リポジトリが含まれます。そのリポジトリの最大サイズは、Oracle Database Applianceハードウェアによって異なります。

  • Oracle Database Appliance X5-2仮想化プラットフォーム: 350GB

  • Oracle Database Appliance X4-2仮想化プラットフォーム: 350GB

  • Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォーム: 350GB

  • Oracle Database Applianceバージョン1: 250GB

デフォルト・リポジトリに仮想マシンを作成した場合、仮想マシンは配置されたノードでのみ稼働できます。仮想マシンは1つのノードでのみ稼働できるため、フェイルオーバー機能がありません。

共有マシン環境の柔軟性を最大限にするには、共有リポジトリを仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)とともに使用します。共有リポジトリでは高可用性オプションが使用可能になり、ストレージ容量が増強され、ローカル・ストレージの使用が低減されます。VLANを使用すると、仮想マシンのネットワーク・トラフィックを分割できます。

共有ディスク上にホストされた共有リポジトリを使用すると、仮想マシンではOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループ、DATAおよびRECOの領域が使用されます。共有ディスクを使用する場合、仮想マシンを変換して次のようにできます。

  • リポジトリを使用できる場合はいつでも自動的に始動する

  • 優先ノードで実行する

  • 優先ノードが使用できない場合は、他のノードを始動するか、他のノードにフェイルオーバーする

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのデプロイでは、同じネットワーク・インタフェース・カード(NIC)ポートで複数のVLANがサポートされます。各VLANは、基本的に、同じ物理接続上の他のVLANを使用して動作する独立した論理ネットワークです。

VLANを使用することで、必要な物理接続およびNICの数を最小にし、さらにトラフィックを同時に分離します。各VLANには、異なるVLAN IDが割り当てられます。ネットワーク・スイッチでは、VLAN IDを使用して、同じリンク上で動作する異なるVLAN間のトラフィックを分離します。VLANの構成後、VLANは個別の物理接続とまったく同様に機能します。

注意:

仮想LANは、使用する前に物理スイッチで構成する必要があります。

データベース構成オプションの選択

これらのトピックを使用して、計画済のOracle Database Appliance構成について決定します。

これらのトピックは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)、Oracle RAC One Nodeの正しいテンプレートを選択し、初期データベースを構成するためのテンプレートをサイズ設定するのに役立ちます。この情報は、ベア・メタルまたは仮想化プラットフォームのデプロイ中に初期データベースの構成を計画する場合に該当します。

システム構成チェックリストの完了に進む前に、決定や、データベース・テンプレートに必要な情報を記録します。

注意:

Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用してOracle Database Appliance上にデータベースを作成しないでください。Oracle Appliance Managerはデータベース構成用にのみ使用します。Oracle Appliance Managerを使用してOracle Databaseインスタンスをデプロイすると、Oracle Database Appliance上でこれらのデータベースが確実に正しく構成、最適化およびサポートされます。

トピック:

Oracle Database Applianceのデータベース・デプロイメント・オプションの選択

デプロイ中に初期データベースの作成を計画している場合、これらのリストを使用してOracle Databaseデプロイメント・オプションを選択し、デプロイの準備をします。

Oracle Appliance Managerでは、Oracle Database Applianceの内部にミラー化されたディスク上にOracle Databaseソフトウェアをインストールします。Oracle Appliance Managerコンフィギュレータの初期デプロイ中に、データベースの作成ができ、あるいはデータベース作成を先送りできます。

オプション:

  • Enterprise Edition: 次の特性がある、Oracle Database 12cリリース1 Enterprise Edition (自動フェイルオーバーなし)

    • シングル・インスタンスのOracle Database Enterprise Editionホーム

    • Oracle Databaseソフトウェアは両方のノードへインストールされる

  • Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC) One Node: 次の特性がある、Oracle RAC One Node 12cリリース1

    • Oracle RAC One Nodeに指定のOracle Database Applianceホーム・ノードがある

    • 両方のサーバーにOracle RAC One Nodeソフトウェアがインストール済

    • 自動フェイルオーバーが構成済

    • Enterprise Editionライセンスが必要

    • 各サーバーにOracle RAC One Nodeライセンスが必要

      例外: 1つのサーバーをバックアップ・サーバーとして指定する場合、10日ルールに従ってライセンスなしでサーバーを使用可能。

      注意:

      10日ルールの詳細は、『Oracle Software Investment Guide』を参照してください。

      http://www.oracle.com/us/corporate/pricing/sig-070616.pdf

  • Oracle RAC: 次の特性がある、Oracle Real Application Clusters 12cリリース1

    • Oracle RACホーム

    • 両方のサーバーにOracle RACソフトウェアがインストール済

    • Enterprise Editionライセンスが必要

    • 各サーバーにOracle RACライセンスが必要(10日ルールに不適格)

Oracle Database Applianceのデータベース・テンプレートの選択

Oracle Database Applianceソフトウェアには、Oracleのベスト・プラクティスが組み込まれた、様々なデータベースのクラス用に最適化された事前構成済のテンプレートが含まれています。

Oracle Database Applianceモデルが異なると、利用可能なCPU数、メモリー容量、その他リソースが異なるため、テンプレートによってはモデルでサポートされない場合があります。

各Oracleデータベース・テンプレートには、様々なワークロード・プロファイルおよびパフォーマンス特性があります。

  • メモリー要件(システム・グローバル領域(SGA)とプログラム・グローバル領域(PGA)のサイズから算出)

  • 処理要件(プロセス数から算出)

  • ロギング要件(ログ・バッファ・サイズおよびオンラインREDOログ・サイズに基づく)

  1. Oracle Databaseのサイズの詳細は、『Oracle Database Appliance管理およびリファレンス・ガイド』の付録B(Oracle Database Applianceのデータベースのサイズ設定)にあるガイドラインを参照してください

  2. 次の表を使用して、使用するテンプレートがOracle Database Applianceハードウェア・モデルで使用可能かどうかを判断します。

表2-1 データベース・テンプレートの名前および可用性

テンプレート名 V1 X3-2 X4-2 X5-2

Odb-01

使用可能

使用可能

使用可能

使用可能

Odb-01

使用可能

使用可能

使用可能

使用可能

Odb-02

使用可能

使用可能

使用可能

使用可能

Odb-04

使用可能

使用可能

使用可能

使用可能

Odb-06

使用可能

使用可能

使用可能

使用可能

Odb-12

使用可能

使用可能

使用可能

使用可能

Odb-16

使用不可

使用可能

使用可能

使用可能

Odb-24

使用不可

使用不可

使用可能

使用可能

Odb-32

使用不可

使用不可

使用不可

使用可能

Odb-36

使用不可

使用不可

使用不可

使用可能

注意:

Oracle Database Applianceテンプレートを使用することをお薦めします。これらのテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されています。

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームにデプロイする予定のOracle Databaseが1つのみの場合は、そのOracle Databaseに選択するテンプレートと同じ名前を持つODA_BASEのテンプレートを使用することをお薦めします。

ODA_BASEテンプレートと同じサイズ分類のデータベース・テンプレートを選択する必要はありません。たとえば、小サイズのODA_BASEテンプレートを使用して2つの極小サイズ・データベースをホストできます。また、大サイズのODA_BASEテンプレートを使用すると、1つの大サイズ・データベースと1つの小サイズ・データベースをホストしたり、1つの中サイズ・データベース、1つの小サイズ・データベースおよび2つの極小サイズ・データベースをホストしたりできます。

注意:

選択したデータベース・テンプレートの合計要件がODA_BASEテンプレートの容量を超えないよう注意してください。ODA_BASEのサイズは、初期デプロイメントの完了後に調整できるため、ODA_BASEを拡張して、ODA_BASEで扱うデータベースを増やすことができます。

必要なコアの計算

計画済のOracle Databaseのテンプレートを選択したら、ワークロード・タイプを特定し、テンプレートをサポートするのに必要なCPUの合計数を決定します。

Oracle Database Applianceテンプレートは、Oracle Databaseワークロードの特定のタイプに合わせて構成およびチューニングされています。

  • 汎用テンプレート

  • オンライン分析トランザクション・テンプレート(OLTP)

  • 意思決定支援サービス・テンプレート(DSS)

  • メモリー内データベース・テンプレート

これらのテンプレートは、特定のコア数で動作するよう設計されています。ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きなデータベース・テンプレート・サイズを選択できます。テンプレート・サイズは後になって、システム・グローバル領域(SGA)とプログラム・グローバル領域(PGA)のサイズやコア数を調節することにより調整できます。

計画済の使用方法のためのテンプレートを選択するには、『Oracle Database Appliance管理およびリファレンス・ガイド』の付録B「Oracle Database Applianceのデータベースのサイズ設定」を参照してください。

関連項目

  • 『Oracle Database Appliance管理およびリファレンス・ガイド』

システム要件の情報収集

これらのチェックリストを使用して、Oracle Database Applianceをデプロイする前に情報を収集します。

トピック:

デプロイメント前に必要な情報のリスト

Oracle Database Applianceをデプロイするための準備に必要なストレージとネットワークの情報を収集します。

rootパスワードのセキュリティ要件を確認し、ストレージ要件およびネットワーク管理要件を判別し、Oracle Database Applianceハードウェアの配置前に必要な構成をすべて実行します。

セキュリティ要件

  • Oracle Database Applianceには、どのルート・パスワードを使用する必要がありますか。ルート・パスワードは、ご使用のシステムのセキュリティ要件に従う必要があります。

  • 一般的なシステム・セキュリティにおいて、セキュアなオペレーティング・システムは重要な基盤です。ご使用のオペレーティング・システムのデプロイメントが、一般的なセキュリティ・プラクティスに準拠していることを確認します。

ストレージ管理要件

ストレージ管理は、Oracle Database Applianceに統合されています。追加のストレージ構成は必要ありません。

Oracle Database Applianceには、操作ファイル(オペレーティング・システム、Oracle Grid Infrastructureホーム、Oracle Databaseホーム、ツール)、ユーザー・データ(データベース・ファイル)およびログ・ファイル(データベースREDOログ)用に統合されたストレージが含まれています。操作ファイルは、各サーバー内のミラー化された内部システム・ディスクに格納されています。

データ・ファイルおよびデータベースREDOログ・ファイルは、共有ディスクに格納されます。

  • Oracle Database Appliance X6-2-HA、X5-2、Oracle Database Appliance X4-2およびOracle Database Appliance X3-2では、データ・ファイルはストレージ・シェルフおよびオプションのストレージ拡張シェルフに格納されます。データベースREDOログ・ファイルは、ストレージ・シェルフの半導体ドライブ(SSD)およびオプションのストレージ拡張シェルフに格納されます。

  • Oracle Database Applianceバージョン1では、データ・ファイルは共有ストレージ・ベイに格納され、データベースREDOログ・ファイルは共有ストレージ・ベイの半導体ドライブ(SSD)に格納されます。ストレージ拡張シェルフを追加するオプションはありません。

Oracle Database Appliance X6-2-HAには、追加のデータベース・キャッシュにACFSを使用するASMディスク・グループとして構成される、400 GB SSDが含まれます。また、Oracle Database Appliance X6-2-HAでは、データベースREDOログの他属性キャッシュのために200 GB SSDが4つ使用されます。

Oracle Database Appliance X5-2には、追加のデータベース・キャッシュにACFSを使用するASMディスク・グループとして構成される、4つの400 GB SSDが含まれます。また、Oracle Database Appliance X5-2では、データベースREDOログの他属性キャッシュのために200 GB SSDが4つ使用されます。

注意:

Oracle Database Appliance X6-2-HAおよびX4-2には900 GBの共有ディスクが同梱されており、Oracle Database Appliance X5-2には4 TBの共有ディスクが同梱されています。ディスク・ハードウェアの容量は1 KB = 1,000バイトという式を使用して計算されますが、ソフトウェアの記憶域要件は1 KB = 1,024バイトに基づいています。この24バイトの差により、定格容量900 GBのディスクには使用できるソフトウェア記憶域が実際には約838 GBしかなく、4 TBのディスクには実際には3.725 TBしかないことになります。

ネットワーク管理要件

ネットワークの構成に指定する名前とアドレスがドメイン・ネーム・システム(DNS)サーバーで構成されていることを確認してください。パッチ・セット1以降を使用すると、DNSサーバーが使用不可能であっても、指定したアドレスは、IPの名前およびアドレスの解決を提供するために/etc/hostsファイルで構成されます。

Oracle Database Appliance X6-2-HA、X5-2またはOracle Database Appliance X4-2をデプロイする場合、オプションで、銅線パブリック・ネットワークまたはファイバー・パブリック・ネットワークに接続できます。また、Oracle Database Appliance X6-2-HAまたはX5-2でファイバー・ネットワークに接続するには、InfiniBandカードを10 GbE SFP+ファイバー・カードに置き換える必要があります。ネットワーク計画が正しいタイプのパブリック・ネットワークに基づいていることを確認します。

単一クライアント・アクセス名(SCAN)を使用できるようにするため、DNSサーバーを使用して解決することをお薦めします。クラスタにアクセスするための単一名を保持することで、クライアントではEZConnectクライアントとシンプルなJDBC thin URLを使用して、クラスタ内のアクティブ・サーバーに関係なく、クラスタで実行中のあらゆるOracle Databaseにアクセスできます。SCANにより、これらのデータベースへのクライアント接続のロード・バランシングおよびフェイルオーバーが実現します。SCANは、クラスタ内のOracle Databaseのクラスタ別名として機能します。

DNSサーバーを使用せずにデプロイする場合、DNSサーバーおよびSCANを後で追加できます。SCANを追加する場合、それらのSCANの追加VIPアドレスを指定する必要があります。

正しく構成されたOracle Database Applianceには、ノードに対して同じサブネット上に少なくとも6つのパブリック・アドレスが必要です。

  • 各ノードのパブリックIP名およびアドレス

  • 各ノードの仮想IP名およびアドレス

  • クラスタのSCANに解決される2つのアドレス。

すべての名前は、英数字とハイフン("-")は使用できるがアンダースコア("_")は使用できないという、RFC 952標準に準拠している必要があります。

各ノードにパブリック・インタフェース用のIPアドレスを指定します。このインタフェースは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのbond0またはEth1 (Eth2とEth3のボンド)で、ノードのホストIPアドレスに使用されます。

カスタム・インストールを選択した場合、次のうち必要なオプションのインタフェースに名前およびアドレスを指定できます。

  • bond1 (イーサネット・ボンド):すべてのOracle Database Applianceプラットフォームに適用されます。

  • bond2 (イーサネット・ボンド):Oracle Database Applianceバージョン1にのみ適用されます。

  • xbond0 (バックアップなどの大容量転送用):Oracle Database Applianceバージョン1にのみ適用されます。

bond1およびbond2を、管理、バックアップ、障害時リカバリまたはネットワーク・インタフェースを必要とするその他のオプションに使用します。Oracle Database Applianceのネットワーク接続を構成する際はネットマスクとゲートウェイの両方が必要なので、各インタフェースにこれらを指定する準備をします。

さらに、次の質問に対する答えも決めておきます。

  • 各サーバーのローカル・システム時間が同期されるように、各サーバーにネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)サービスが構成されていますか。

    NTPサーバーがあり、NTPを使用してOracle Database Applianceノード間の時刻を同期化する場合、サーバーのアドレスを指定する準備をしてください。NTPサーバーにアドレスを指定していない場合、Oracle Grid Infrastructureソフトウェアが、クラスタ時刻同期化サービス(CTSS)を使用して、ノード間の時刻の同期化を構成します。

  • Oracle Database Applianceの単一障害点を回避するため、パブリックIPアドレス・ケーブルを冗長化されたスイッチに接続していますか。高可用性を実現するために、冗長化されたスイッチを使用することをお薦めします。

ネットワーク管理者に対するIPアドレスに関する質問

Oracle Database Applianceに関して構成するIPアドレスが次の3つの条件を満たすことをネットワーク管理者に確認します。

  1. 静的なIPアドレス。

  2. 他のすべてのIPアドレス、仮想IP (VIP)アドレス(Oracle Real Application Clusters通信で使用)およびSCANアドレスと同じサブネットにある。

  3. これには次の機能が含まれます。

    • 1つのパブリックIPアドレス(インストール前に各ノードのDNSサーバー上に構成され、そのノードに対して解決可能)。

    • 各ノードのVIPアドレス(DNSサーバー上に構成されるが、現在は使用されていない)。

    • 次の特性がある、Oracle Database ApplianceのSCAN:

      • SCANとして指定された名前に2つのIPアドレスが関連付けられ、両方のアドレスがランダムな順序でDNSサーバーによってリクエスタに返されるように、インストール前にDNSサーバー上で構成されている

      • インストール前にDNSサーバー上に構成され、現在は使用されていないアドレスに解決される

      • 数字以外で始まる名前が使用されている

注意:

プライベート・ネットワークのIPアドレスおよびサブネットは変更しないでください。

注意:

SCANをNetwork Information Service (NIS)で構成することはできません。

追加情報

InfiniBandカードを10 GbE SFP+ファイバー・カードに置き換える方法の詳細は、『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』を参照してください。SCANに関する包括的概要は、Oracle Technology Networkのテクニカル・ペーパー、『Oracle Single Client Access Name (SCAN)』、および『Oracle Grid Infrastructure Installation Guide for Linux』を参照してください。

関連項目

  • 『Oracle Grid Infrastructure Installation Guide for Linux』

システム詳細のチェックリスト

チェックリストを使用して、Oracle Database Applianceの入手のために必要なシステム情報を収集します。システムの値を記録します。

表2-2 Oracle Database Applianceのシステム構成情報のチェックリスト

システム情報 説明

Oracle Database Applianceシステムの名前

Oracle Database Applianceで実行しているクラスタの名前を指定します。この名前は、Oracle Database Applianceネットワーク・アドレスのデフォルトのルート・ワードとしても使用されます。この名前は、RFC 952標準に記載されているホスト名の仕様に準拠している必要があります。たとえばこの名前は、英数字の名前である必要があり、数字で始めることはできません。

選択する名前は、次に示す各要素に割り当てられる名前の最初の部分のデフォルトになります。デフォルト(生成された名前)は変更可能です。

  • ノード1とノード2のOracle ILOMホスト名(それぞれsystemname1-ilomおよびsystemname2-ilom)

  • SCANホスト名(systemname-scan)

  • ノード0およびノード1のパブリックIPアドレス(それぞれsystemname1およびsystemname2)

  • ノード0およびノード1の仮想IPアドレス(それぞれsystemname1-vipおよびsystemname2-vip)

構成タイプ

標準。デフォルト値が最も多く使用される構成です。

カスタム(オラクル社推奨)。この構成では次のいずれかまたはすべてについてデフォルト値を上書きできます。

  • データベース・ブロック・サイズ、言語、地域、バックアップ・ファイルの場所、またはDATAおよびRECOディスク・グループのディスク冗長性レベル

  • Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)サーバー

  • Oracle Auto Service Request (Oracle ASR)構成

  • Oracle Cloud File Systemのマウント・ポイントとファイル・システムのサイズ

  • ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)サービス・サーバー

モード

ベア・メタルまたは仮想化プラットフォーム

領域

Oracle Database Applianceシステムを操作する予定のリージョンを選択します。

タイムゾーン

Oracle Database Applianceシステムを操作する予定のタイム・ゾーンを選択します。

初期データベースの詳細(デプロイメント時に作成した場合)

  • データベース名

  • 標準またはコンテナ・データベース

  • クラス(データベース・テンプレート)

  • データベース言語

  • データベース・デプロイメント(Oracle Enterprise Edition単一インスタンス、Oracle RAC One Node、Oracle RAC)

  • (コンテナ・データベースのみ)データ・ファイル・サイズ(GB)

rootのパスワード

システムのrootパスワードを指定するよう求められます。指定したrootパスワードが、一般的なセキュリティ・プラクティスに準拠していることを確認します。

注意:

13文字を超えるホスト名は使用しないでください。ホスト名にはすべて小文字を使用することをお薦めします。名前はシステム名から生成されます。たとえば、システム名にmysystemを使用する場合、生成されるホスト名はmysystem0およびmysystem1となります。生成されるホスト仮想IP名はmysystem0-vipおよびmysystem1-vip、さらにILOM名はmysystem0-ilomおよびmysystem1-ilomのようになります。

カスタム・ノードのネットワーク・アドレス構成のチェックリスト

このトピックのチェックリストを使用して、Oracle Database Applianceに必要なIPアドレスを特定します。

デフォルトで、ネットワーク・インタフェースの名前は、インストール中に指定したOracle Database Applianceのシステム名から導出されます。またOracle Appliance Managerコンフィギュレータを使用すると、パブリックIPアドレスのアドレスは、ノード0用のパブリックIPアドレスに指定したアドレスから順に自動的に割り当てられます。生成される他のIPアドレスは、順に、ノード1のパブリック・アドレス、ノード0の仮想IPアドレス、ノード1の仮想IPアドレスおよびSCANアドレスです。

デフォルト値をそのまま使用するか、またはシステム管理者が指定するアドレスを使用してカスタム構成を行うことができます。「同じサブネット」列に「はい」がリストされているすべてのアドレスが、相互に同じサブネット上にあることを確認します。

Oracle Database Applianceベア・メタル・デプロイメントの最小IPアドレス要件

表2-3 Oracle Database Applianceベア・メタル・デプロイメントの最小IPアドレス要件

IPの種類 最小IPアドレス・カウント IPアドレスのデフォルト値 自分で指定する値 同じサブネット

ホスト・パブリック・アドレス

2

デフォルトなし

デフォルトなし

はい

ホスト・プライベート・アドレス

4

192.168.16.24

192.168.16.25

192.168.17.24

192.168.17.25

該当しない: プライベート・アドレスはデプロイメント前に定義されるため、変更しないでください。

Oracle Database Appliance X5-2でInfiniBandを使用している場合、IPアドレス192.168.17.24および192.168.17.25は使用されません。

はい

Oracle RAC VIP

2

デフォルトなし

デフォルトなし

はい

単一クライアント・アクセス名(SCAN)

2

デフォルトなし

デフォルトなし

はい

Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)

2

デフォルトなし

デフォルトなし

いいえ

ユーザー仮想マシン

適用外

デフォルトなし

デフォルトなし

いいえ

Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・デプロイメントの最小IPアドレス要件

表2-4 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・デプロイメントの最小IPアドレス要件

IPの種類 最小IPアドレス・カウント IPアドレスのデフォルト値 自分で指定する値 同じサブネット

ホスト・パブリック・アドレス

2 (ODA_BASE用)

2 (Dom0の場合)

(合計4)

192.168.16.24

192.168.16.25

192.168.17.24

192.168.17.25

デフォルトなし

Oracle Database Appliance X5-2でInfiniBandを使用している場合、IPアドレス192.168.17.24および192.168.17.25は使用されません。

はい

ホスト・プライベート・アドレス

2

192.168.16.24 (Dom0の場合)

192.168.16.25 (Dom0の場合)

192.168.16.27 (ODA_BASE)

192.168.16.28 (ODA_BASE)

該当しない: プライベート・アドレスはデプロイメント前に定義されるため、変更しないでください

はい

Oracle RAC VIP

2

デフォルトなし

デフォルトなし

はい

単一クライアント・アクセス名(SCAN)

2

デフォルトなし

デフォルトなし

はい

Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)

2

デフォルトなし

デフォルトなし

いいえ

ユーザー仮想マシン

各仮想マシンに対して1つ以上

デフォルトなし

デフォルトなし

いいえ

Oracle Appliance Managerデプロイメント計画の作成

スタンドアロンOracle Database Applianceコンフィギュレータを使用して、オフライン・デプロイメント計画を作成し、実際のデプロイメントの前にネットワーク設定を検証します。

デプロイする際にシステムを構成する場合は、Oracle Database Applianceの基本ソフトウェアに含まれるオンライン・コンフィギュレータを待機し、これを使用します。アプライアンスを配置する前にコンフィギュレータを使用して構成ファイルを作成する場合は、これらのトピックを参照してください。

トピック:

スタンドアロンOracle Database Applianceコンフィギュレータについて

Oracle Database Applianceの構成ファイルを作成するために、スタンドアロンOracle Database Appliance Managerコンフィギュレータをダウンロードするかどうかを決定します。

スタンドアロンのOracle Appliance Managerコンフィギュレータは、デプロイ・プランを生成したり実際のデプロイ前にネットワーク設定を検証できるJavaベースのツールです。

デプロイメント前にこのツールを使用するには、ローカル・クライアント・システムにコンフィギュレータをダウンロードして実行します。ローカル・クライアントはLinux、UNIX、MAC、またはWindowsシステムです。

オフライン・コンフィギュレータ・セッションが終了すると、デプロイ・プランを構成ファイルに保存できます。Oracle Database Applianceのデプロイの準備ができたら、この構成ファイルをアプライアンスにコピーし、オンラインのOracle Appliance Managerコンフィギュレータを実行して、保存済のプランをインポートおよびデプロイします。また、ファイルのコンテンツを印刷し、この印刷をチェックリストとして使用して外部ネットワーク構成を設定できます。

構成ファイルを保存する前に、ネットワーク設定をテストすることをお薦めします。ネットワーク設定をテストするには、コンフィギュレータを実行するクライアントが、Oracle Database Applianceに使用するのと同じネットワークに接続されている必要があります。

スタンドアロンOracle Database Applianceコンフィギュレータの実行

Oracle Database Applianceの構成ファイルを作成するために、スタンドアロン・コンフィギュレータをダウンロードして実行します。

Oracle Database Applianceソフトウェアのバージョンに対応するスタンドアロンOracle Appliance Managerコンフィギュレータを入手するには、www.oracle.comの次のURLからダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/database/database-appliance/overview/index.html

すべてのバージョンのコンフィギュレータは、「Overview」ページで「Oracle Database Appliance Manager Configurator」リンクをクリックして入手できます。

コンフィギュレータをクライアントにダウンロードしてから、次の手順で実行します。

  1. Windowsクライアント上でコマンドconfig.bat、またはLinux/UNIXクライアント上でコマンド./config.shを使用して、コンフィギュレータを起動します。

    Oracle Appliance Managerの「Welcome」ページが表示されます。

  2. 「Next」をクリックします。
  3. 「Configuration Type」ページで、構成タイプ、環境およびハードウェア・モデルについてオプションを選択します。ロードして編集する既存の構成ファイルがある場合は、「Browse」をクリックして、クライアント上でファイルを探します。

    通常の構成を選択することをお薦めします。SAPアプリケーションをデプロイする場合は、「SAP Application」を選択します。「Custom」オプションは、次の1つ以上の項目について、追加または代替のネットワーク・インタフェースを構成するかデフォルト値を上書きする場合に選択します。

    • データベース・ブロック・サイズ、言語、地域、バックアップ・ファイルの場所、またはDATAおよびRECOディスク・グループのディスク冗長性レベル

    • Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)サーバー

    • Oracle Auto Service Request (Oracle ASR)構成

    • Oracle Cloud File Systemのマウント・ポイントとファイル・システムのサイズ

    • ネットワーク・タイム・プロトコル・サービス・サーバー

    「Typical」または「Custom」オプションを選択する前に、ご使用のバージョンのOracle Database Applianceソフトウェアのデフォルト値を確認するには、「Custom」オプションを使用してコンフィギュレータを実行します。

    Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをインストールしようとしている場合は、「Virtualized Platform」をクリックします。その他の場合は、環境オプションのデフォルトである「Bare Metal」のままにしておいてください。X3-2、X4-2またはX5-2ハードウェアでインストールしている場合は、ハードウェア・オプションとして「ODA-X3-2」「ODA-X4-2」または「ODA-X5-2」をそれぞれ選択するか、デフォルト値「ODA V1」のままにします。

    InfiniBandを2つのOracle Database Applianceサーバーのインターコネクトとして使用する場合は、「InfiniBand」チェック・ボックスを選択します。このオプションは、Oracle Database Appliance X5-2システムでのみ使用できます。

    初回実行時はロードする構成ファイルがないため、 「Browse」オプションは役に立ちません。

    この例では、「Typical」「Virtualized Platform」および「ODA-X5-2」の各オプションが選択されています。

    注意:

    「SAP Application」のオプションは、ベア・メタル・オプションでのみ有効です。

    選択後に、「Next」をクリックします。

  4. 「System Information」ページで、システム名を指定し、リージョンおよびタイム・ゾーンのリストから正しい値を選択します。

    「New Root Password」および「New Root Password (confirm)」フィールドに、rootユーザーの新しいパスワードを入力します。このパスワードは構成ファイルで暗号化され、デプロイメント時にパスワードをリセットするために一時的に暗号化解除されます。

  5. 「Next」をクリックします。
  6. 「Network Information」ページに、ドメイン名、DNSサーバー・アドレス、2つのノードのパブリック・アドレスとVIPアドレス、SCAN名とアドレス、ネットマスク・アドレスおよびゲートウェイ・アドレスを指定します。

    このページにデータを入力するとき、一部のフィールドには、先に入力した値から導出された値が自動的に挿入されます。たとえば、ノード0のパブリックIPアドレスに指定したアドレスが192.0.2.18の場合、デフォルトのノード・アドレスは次のように生成されます。

    • ノード0のパブリックIPアドレス: 192.0.2.18

    • ノード1のパブリックIPアドレス: 192.0.2.19

    • ノード0の仮想IP (VIP)アドレス: 192.0.2.20

    • ノード1の仮想IP (VIP)アドレス: 192.0.2.21

    • SCANアドレス(SCAN VIP名に解決される2つのアドレス): 192.0.2.22、192.0.2.23

    関連項目::

    非標準のパブリックIPアドレスの要件に関する情報は「カスタム・ノードのネットワーク・アドレス構成のチェックリスト」を参照

  7. 「Next」をクリックします。
  8. 「Database Information」ページで、初期データベースを作成するかどうかを選択します。データベースを作成するようにチェックボックスを選択すると、データベースの詳細を指定できます。そのような詳細には、データベース名(必須)と次のオプションがあり、使用可能なリストの値を選択します。
    • Is Container Database デフォルトはfalseです。デフォルト値のままにしておくと、コンフィギュレータはコンテナなしのデータベースを構成します

    • Database Type デフォルト・タイプはOLTPです。「DSS」または「In-Memory」を選択することもできます。

    • Database Class デプロイするデータベース・クラスを選択します。Oracle Database Applianceのすべてのモデルですべてのオプションを使用できるわけではありません。デフォルト・クラスはodb-06です。

      関連項目::

      適切なテンプレートの選択に役立つガイドラインは「Oracle Database Applianceのデータベース・テンプレートの選択」

    • Database Language デフォルトの言語はAMERICANです。

    • Database Deployment 次のいずれかを選択します(デフォルトはRAC)。

      • Oracle RAC

      • Oracle RAC One Node

      • Oracle Database Enterprise Edition (Oracle RACなし)

    • Data File Size (GB) コンテナ・データベースを作成するように指定する場合は、このページの最後のフィールドでデータベースのデータ・ファイル・サイズを指定します。(このフィールドは、「Is Container Database」Trueが選択されている場合を除き、入力できません。)初期データベースを作成しない場合は、「Create Initial Database」のチェック・ボックスを選択しないでください。

    • Data Files on Flash Storage データベース全体をフラッシュ・ストレージ(400 GB SSD)に保存する場合はtrueを選択し、それ以外の場合はfalseのままにします。このオプションは、Oracle Database Appliance X5-2システムでのみ使用できます。

    「Next」をクリックします。

  9. 「Network Validation」ページで、ネットワーク設定を検証して、検証出力をファイルに保存するか、または、「Skip Network Validations」チェック・ボックスを選択して検証ステップを省きます。

    構成ファイルを使用してアプライアンスを構成する前にネットワークを検証することをお薦めします。ただし、アプライアンス用に構成されたネットワーク・サブネットに属するサーバーでOracle Appliance Manager Configuratorを実行する必要があります。これを実行しなかった場合、必要な構成を完了したかどうかにかかわらず、検証は失敗します。

    ネットワーク検証が失敗した場合、構成を続行するには、「Skip Network Validations」を選択してから、「Next」を選択します。結果を確認した後、続行する準備ができたら、「Next」をクリックします。検証が失敗した場合は、これらの結果をネットワーク管理者とともに確認するために検証出力を保存します。入力した構成情報を保存し、ネットワーク・アドレスを後で修正するには、「Skip Network Validations」を選択して「Next」をクリックし、次のページに進みます。

  10. 「Summary」ページで、選択した構成オプションを確認します。「Save」をクリックして構成ファイルを保存するか、「Back」をクリックして選択内容を変更します。

    構成ファイルのコンテンツを印刷し、この印刷を使用してデプロイ・プランのために構成エントリを確認できます。コンフィギュレータを再度実行する場合、構成ファイルを後でロードすることもできます。

    Oracle Database Applianceでコンフィギュレータを実行しているとき、初期ネットワークを構成してエンドユーザー・バンドルをインストールするかODA_BASEをデプロイする準備ステップを完了したら、「Install」をクリックして、構成をデプロイできます。デプロイを完了する準備が整っていない場合は、まず「Save」,をクリックし、次に「Finish」をクリックします。構成ファイルの名前および場所をメモします。この構成ファイルをデプロイメント用にOracle Database Applianceにコピーできます。デプロイメント前に訂正する必要がある場合、スタンドアロンOracle Appliance Manager Configuratorを再実行し、構成ファイルをロードし、変更を加えてから、ファイルを再度保存します。