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Oracle® R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド
リリース1.5.1
E88294-01
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4.2 SERVERスクリプトについて

serverという名前の1つのスクリプトによって、Oracle R Enterprise Serverのインストールおよび管理が管理されます。Oracle R Enterpriseのサーバー側コンポーネントのインストール、アンインストール、アップグレードまたは構成が必要になったときにはいつでも、serverスクリプトを再実行できます。

4.2.1 SERVER操作の概要

serverスクリプトでは、次の操作がサポートされています。

  • Oracle R Enterprise Serverのインストール

  • Oracle R Enterpriseサーバーのアンインストール

  • Oracle R Enterprise Serverのアップグレードおよび旧インストールからのデータの移行

  • Supporting Packagesのインストール(使用可能な場合)

  • データベース・ユーザーの作成または構成(存在しない場合)

注意:

serverスクリプトを使用して、Supporting Packagesをインストールし、ユーザーを作成できます。また、次の各項で説明するように、これらのタスクを個別に実行することもできます。

4.2.2 SERVER構文

serverスクリプトでは、そのアクティビティを指示する一連のコマンドライン引数がサポートされています。スクリプトは、インタラクティブ・モード、バッチ・モードまたはハイブリッド・モードで実行できます。引数なしでスクリプトを実行すると、Oracle R Enterprise Serverがインタラクティブ・モードでインストールまたはアップグレードされ、Supporting Packagesのインストールが試行されて、データベース・ユーザーが作成または構成されます。

serverスクリプトのコマンドライン引数については、次の表で説明しています。スクリプトの引数は、Linux、UNIXおよびWindowsで同じです。LinuxまたはUNIXシステムで次のコマンドを実行すると、引数のリストおよび短い説明が表示されます。

./server.sh -h
or
./server.sh --help

Windowsシステムで次のコマンドを実行すると、引数のリストおよび短い説明が表示されます。

server.bat -h
or
server.bat --help

表4-1 SERVERスクリプトのコマンドライン引数

引数 説明

-y

プロンプトを表示しません。

-i--install

Oracle R Enterprise Serverをインストールまたはアップグレードします。

インストールまたはアップグレードでは、デフォルトで次の処理が行われます。

  • Supporting Packagesのインストール(存在する場合)

  • データベース・ユーザーの作成または構成(存在しない場合)。

-u--uninstall

Oracle R Enterpriseサーバーをアンインストールします。

  • --keep (デフォルト)を使用した場合、rqsysメタデータおよびPL/SQLパッケージはデータベースから削除されますが、OracleホームのライブラリおよびRパッケージは保持されます(部分アンインストール)。

  • --fullを使用した場合、OracleホームのライブラリおよびRパッケージも、データベース内のrqsysメタデータおよびPL/SQLパッケージも削除されます(完全アンインストール)。

「Oracle R Enterpriseのアンインストール」を参照してください。

-s--setup-user

Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザーを作成または構成します(デフォルト)。

--keep

Oracle R Enterprise Serverをアンインストールするときに、OracleホームのRパッケージおよびライブラリは保持しますが、データベース・オブジェクトは削除します。Oracleホーム内の他のデータベースに影響を与ることなく、単一データベース・インスタンスまたはプラガブル・データベース(PDB)からOracle R Enterpriseのサポートを削除できます。

「部分アンインストールの実行」を参照してください。

--full

Oracle R Enterprise Serverをアンインストールするときに、OracleホームのRパッケージおよびライブラリも、データベース・オブジェクトも削除します。

「完全アンインストールの実行」を参照してください。

--no-supp

--installと組み合せて指定した場合、Supporting Packagesはインストールされません。デフォルトでは、使用可能なSupporting Packagesがあればインストールされます。

--no-user

--installと組み合せて指定した場合、Oracle R Enterpriseユーザーは作成されません。デフォルトでは、ユーザーが存在していなければ作成されます。

--admin

Oracle R Enterpriseユーザーにrqadminロールを付与します。デフォルトでは、rqadminロールは付与されていません--adminオプションの使用には、十分な注意が必要です。これはバッチ・モードでのみ使用可能です。

「RQADMINロールについて」を参照してください。

--sys PASSWORD

sysパスワード。

「オペレーティング・システム認証について」で説明するように、オペレーティング・システム認証に基づいてスクリプトが実行されている場合、sysパスワードは必要ありません。

--pdb NAME

マルチテナントのコンテナ・データベース(CDB)内のプラガブル・データベース(PDB)の名前。

マルチテナント・アーキテクチャを使用すると、Oracle Databaseを、0、1または多数のプラガブル・データベース(PDB)を含むプラガブル・データベースを含むコンテナ・データベースとして機能させることができます。マルチテナント・アーキテクチャの詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。

--perm PERM

rqsysの永続表領域。

--temp TEMP

rqsysの一時表領域。

--rqsys PASSWORD

rqsysパスワード。

「RQSYSスキーマについて」を参照してください。

--user-perm PERM

Oracle R Enterpriseユーザーの永続表領域。

--user-temp TEMP

Oracle R Enterpriseユーザーの一時表領域。

--pass PASSWORD

Oracle R Enterpriseユーザーのパスワード。

--user USER

Oracle R Enterpriseのデータベース・ユーザー名。

4.2.3 SERVERの例

このトピックでは、次の例を示します。

関連項目:

出力付きの例については、例A-1

4.2.3.1 デフォルトのインタラクティブ・インストール

Linux、UNIXまたはWindowsシステムがシステム要件で指定されている要件を満たす場合、このコマンドによりOracle R Enterprise Serverのデフォルトの初回インストールが実行されます。

LinuxまたはUNIXの場合:

./server.sh

Windowsの場合:

server.bat

例A-1に示すとおり、デフォルトのインタラクティブ・インストールでは次の処理が実行されます。

  • 環境の情報が出力されます。

  • パスワードとrqsysの永続表領域および一時表領域の入力を求めるプロンプトが表示されます。

  • Supporting Packagesをインストールするかどうか確認するプロンプトが表示されます。(デフォルトでは、Supporting Packagesが使用可能な場合はインストールされます。)

  • Oracle R Enterpriseのユーザー・アカウントを作成するかどうか確認するプロンプトが表示されます。(デフォルトでは、ユーザーが存在しない場合は作成されます。)ユーザーの作成時に、永続表領域および一時表領域の入力を求めるプロンプトが表示されます。

4.2.3.2 デフォルトのバッチ・インストール

この例では、バッチ・モードで実行するよう指定された、デフォルトのインタラクティブ・インストールで示されているようなインストールを示します。

LinuxまたはUNIXの場合:

./server.sh  -y  --install  --setup-user  --sys ORASYSPSWD, 
          --perm SYSAUX  --temp TEMP  --rqsys RQSYSPSWD 
          --user-perm USERS  --user-temp TEMP  --pass RQUSERPSWD  --user RQUSER

Windowsの場合:

server.bat  -y  --install  --setup-user  --sys ORASYSPSWD, 
          --perm SYSAUX  --temp TEMP  --rqsys RQSYSPSWD 
          --user-perm USERS  --user-temp TEMP  --pass RQUSERPSWD  --user RQUSER

4.2.3.3 インタラクティブ・モードでのユーザー構成

serverスクリプトにより、ユーザーが存在しない場合は自動的に作成または構成されます。既存のユーザーの名前を指定すると、Oracle R Enterpriseをサポートするようにそのユーザーが構成されます。

例8-2を参照してください。

4.2.3.4 バッチ・モードでのユーザー構成

この例では、serverスクリプトの実行で、デフォルトのバッチ・インストールで作成されたユーザーにrqadminロールを付与する方法を示します。--admin引数は、バッチ・モードでのみ使用可能です。

LinuxまたはUNIXの場合:

./server.sh  -y  --setup-user  --admin  --sys ORASYSPSWD -
          -pass RQUSERPSWD  --user RQUSER

Windowsの場合:

server.bat  -y  --setup-user  --admin  --sys ORASYSPSWD -
          -pass RQUSERPSWD  --user RQUSER
 

「RQADMINロールについて」を参照してください。