14 Oracle Trace File Analyzerスタート・ガイド
この項では、様々なオペレーティング・システムでのOracle Trace File Analyzerのインストール方法について説明します。
- サポートされている環境
Oracle Trace File Analyzerは、Oracle DatabaseおよびOracle Clusterwareのすべてのサポートされているバージョンで使用できます。 - rootユーザーとしてのLinuxまたはUNIXでのOracle Trace File Analyzerのインストール(デーモン・モード)
Oracle Trace File Analyzerの最大限の機能を取得するには、rootとしてインストールします。 - 非rootユーザーとしてのLinuxまたはUNIXでのOracle Trace File Analyzerのインストール(非デーモン・モード)
rootとしてインストールできない場合は、Oracle Trace File AnalyzerをOracleホーム所有者としてインストールします。 - Microsoft WindowsでのOracle Trace File Analyzerのインストール
- Microsoft WindowsでのOracle Trace File Analyzerのインストール(非デーモン・モード)
- Oracle Trace File Analyzerの主なディレクトリ
インストール・タイプ基づいて、ora_homeディレクトリおよびbinディレクトリは異なる場合があります。 - Oracle Trace File Analyzerコマンドのインタフェース
tfactlツールは、コマンドライン・インタフェース、シェル・インタフェース、およびメニュー・インタフェースとして機能します。 - 機密データのマスキング
機密データのマスキングは、Oracle Trace File Analyzerを構成してログ・ファイルの機密データをマスキングするオプションの機能です。 - Oracle Trace File Analyzerへのアクセスの保護
tfactlコマンドの実行は、権限のあるユーザーに制限されます。 - Oracle Trace File Analyzerのアンインストール
14.1 サポートされている環境
Oracle Trace File Analyzerは、Oracle DatabaseおよびOracle Clusterwareのすべてのサポートされているバージョンで使用できます。
Oracle Trace File Analyzerは、次のオペレーティング・システムで動作します。
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Linux OEL
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Linux RedHat
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Linux SuSE
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Linux Itanium
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zLinux
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Oracle Solaris SPARC
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Oracle Solaris x86-64
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AIX
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HPUX Itanium
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HPUX PA-RISC
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Microsoft Windows 64-bit
Oracle Trace File Analyzerは、Oracle Databaseでサポートされているオペレーティング・システムの各バージョンでサポートされています。Java Runtime Editionのバージョン1.8を使用してください。
Oracle Clusterwareのインストールは、バージョン11.2.0.4および12.1.0.2以降のOracle Trace File Analyzerに付属しています。ただし、このインストールには、Oracle Databaseの多くのツールが含まれていません。オラクルは、Oracle Trace File Analyzerの最新バージョンを年に複数回リリースしています。これらの新しいリリースには新機能とバグ修正が含まれています。
My Oracle Supportノート1513912.1から、Oracleデータベース・サポート・ツール・バンドルが付属した最新のOracle Trace File Analyzerを取得してください。
14.2 rootユーザーとしてのLinuxまたはUNIXでのOracle Trace File Analyzerのインストール(デーモン・モード)
Oracle Trace File Analyzerの最大限の機能を取得するには、rootとしてインストールします。
Oracle Trace File Analyzerは、アクセスを許可するユーザーを判別するためにアクセス制御リスト(ACL)を保持します。デフォルトでは、GRID_HOME所有者およびORACLE_HOME所有者は、それぞれの診断にアクセスできます。他のユーザーは、診断収集を実行できません。
Oracle Trace File Analyzerがすでにインストールされている場合、再インストールすると既存の場所へのアップグレードが実行されます。Oracle Trace File Analyzerがまだインストールされていない場合、推奨される場所は/opt/oracle.tfaです。
rootとしてインストールするには、次のようにします。
ローカル・インストールまたはクラスタ・インストールを実行するように要求されます。
クラスタ・インストールでは、すべてのクラスター・ノードに対して、rootへのパスワードなしのSSHユーザー等価性が必要です。まだ構成していない場合、インストールにより、パスワードなしのSSHユーザー等価性がオプションで設定され、終了時に削除されます。
パスワードなしのSSHの使用を希望しない場合は、ローカル・インストールを使用して各ホストにインストールします。tfactl syncnodesコマンドを実行して、関連するSSL証明書を生成してデプロイします。
Oracle Trace File Analyzerは、クラスタ・レディ・サービス(CRS)の停止時に使用できる必要があるため、CRSによって管理されません。
インストールにより、Oracle Trace File Analyzerで自動起動が構成されます。自動起動の実装は、プラットフォームによって異なります。Linuxでは、initか、initに代わるupstartやsystemdなどが使用されます。Microsoft Windowsでは、Windowsサービスが使用されます。
14.3 非ルート・ユーザーとしてのLinuxまたはUNIXでのOracle Trace File Analyzerのインストール(非デーモン・モード)
rootとしてインストールできない場合は、Oracle Trace File AnalyzerをOracleホーム所有者としてインストールします。
このインストール・モードでは、Oracle Trace File Analyzerの機能は縮小されます。
次のタスクは実行できません。
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自動診断収集
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リモート・ホストからの診断収集
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Oracleホーム所有者が読取り可能でないファイル(例:
/var/log/messages)や特定のOracle Clusterwareデーモン・ログの収集。
Oracleホーム所有者としてインストールするには、–extracttoオプションを使用します。–extracttoオプションを使用して、インストール場所をOracle Trace File Analyzerに指示します。また、–javahomeオプションを使用して、使用するJREを指定します。より新しいバージョンを入手済の場合を除き、Oracleホームですでに入手可能なJREを使用します。
./installTFAplatform -extractto install_dir -javahome jre_home14.4 Microsoft WindowsでのOracle Trace File Analyzerのインストール
ローカル・インストールまたはクラスタ・インストールを実行するように、インストーラによって要求されます。クラスタ・インストールを選択すると、インストーラはリモートでクラスタ・ノード上にOracle Trace File Analyzerをインストールします。
または、各ホスト上でローカル・インストールを実行できます。tfactl syncnodesコマンドを実行して、関連するSSL証明書を生成してデプロイします。
14.5 Microsoft WindowsでのOracle Trace File Analyzerのインストール(非デーモン・モード)
Oracle Trace File AnalyzerをWindowsサービスとして自動的に実行しない場合は、非デーモン・モードでインストールします。このインストール・モードでは、Oracle Trace File Analyzerの機能は縮小されます。
次のタスクは実行できません。
-
自動診断収集
-
リモート・ホストからの診断収集
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Oracleホーム所有者が読取り可能でないファイルの収集
14.6 Oracle Trace File Analyzerの主なディレクトリ
インストール・タイプに基づいて、ora_homeディレクトリおよびbinディレクトリは異なる場合があります。
Oracle ClusterwareとともにOracle Trace File Analyzerをインストールした場合、tfa_homeはGRID_HOME内にあります。
表14-1 Oracle Trace File Analyzerの主なディレクトリ
| ディレクトリ | 説明 |
|---|---|
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コマンドライン・インタフェースの Oracle Clusterwareがインストールされている場合、 |
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Oracle Trace File Analyzerが診断収集を格納するディレクトリ。 |
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システムに関するデータが格納されるBerkeleyデータベースが含まれています。 |
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Oracle Trace File Analyzerのトラブルシューティング用のツール。 |
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次の収集に含めるファイルをここに配置し、その後、削除されるようにしてください。 |
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Oracle Trace File Analyzerの操作に関するログが含まれています。 |
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ログ・マスキング制御ファイルなどのリソース・ファイルが含まれています。 |
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環境に関する追加のメタデータが含まれています。 |
14.7 Oracle Trace File Analyzerコマンドのインタフェース
tfactlツールは、コマンドライン・インタフェース、シェル・インタフェース、およびメニュー・インタフェースとして機能します。
表14-2 Oracle Trace Fileのインタフェース
| インタフェース | コマンド | 使用方法 |
|---|---|---|
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コマンドライン |
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コマンドラインですべてのコマンド・オプションを指定してください。 |
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シェル・インタフェース |
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コンテキストを設定および変更し、シェル内からコマンドを実行してください。 |
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メニュー・インタフェース |
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メニュー・ナビゲーション・オプションを選択してから、実行するコマンドを選択してください。 |
14.8 機密データのマスキング
機密データのマスキングは、Oracle Trace File Analyzerを構成してログ・ファイルの機密データをマスキングする、オプションの機能です。
マスキングを構成するには:
14.9 Oracle Trace File Analyzerへのアクセスの保護
tfactlコマンドの実行は、権限のあるユーザーに制限されます。
tfactlは、次を行うためのコマンドライン・インタフェースとシェルを提供します。
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診断を実行し、選択した時刻からの関連ログ・データをすべて収集します。
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その時刻の前後でログ・ファイルを切り捨て、診断に必要なデータのみを収集します。
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クラスタ内の必要なノードから、切捨て済のすべての診断を収集してパッケージ化し、単一ノード上の1つのパッケージにすべてを統合します。
権限のある非rootユーザーは、tfactlコマンドのサブセットを実行できます。その他すべてのtfactlコマンドには、rootアクセスが必要です。権限のないユーザーはtfactlコマンドを実行できません。
デフォルトでは、次のユーザーがtfactlコマンドのサブセットにアクセスできます。
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Oracle Grid Infrastructureホーム所有者
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Oracle Databaseホーム所有者
LinuxおよびUNIXでは、Oracle Trace File Analyzerがrootとしてインストールされている場合にのみユーザー・アクセスを適用できます。Oracle Trace File Analyzerが非rootとして、またはWindowsにインストールされている場合には、ユーザー・アクセスは適用されません。
tfactlへのユーザー・アクセスをプロビジョニングするには:
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tfactlへのアクセス権を持つユーザーをリストするには、次のようにします。tfactl access lsusers -
tfactlにアクセスするユーザーを追加するには、次のようにします。tfactl access add –user user [-local]デフォルトでは、
–localを使用してローカル・ノードに制限されている場合を除き、アクセス・コマンドはクラスタ全体に適用されます。 -
tfactlへのアクセスからユーザーを削除するには、次のようにします。tfactl access remove –user user [-local] -
tfactlへのアクセスからすべてのユーザーを削除するには、次のようにします。tfactl access removeall [-local] -
ユーザー・アクセスをデフォルトにリセットするには、次のようにします。
tfactl access reset -
ユーザー・アクセスを有効にするには、次のようにします。
tfactl access enable -
ユーザー・アクセスを無効にするには、次のようにします。
tfactl access disable
関連項目