Oracle ASMインスタンスの初期化パラメータ
この項では、Oracle ASMインスタンス初期化パラメータの設定について説明します。
Oracle ASMインスタンスをインストールして初期構成を実行するには、Oracle Universal Installer(OUI)とOracle ASMコンフィギュレーション・アシスタント(ASMCA)を使用します。
単一インスタンスOracle DatabaseまたはOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境にOracle ASMインスタンスをインストールしたら、Oracle ASMの最終構成を実行できます。構成する必要があるのは、いくつかのOracle ASM固有のインスタンス初期化パラメータのみです。通常、デフォルト値で十分です。
次の内容について説明します。
関連項目:
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初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください
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初期化パラメータ・ファイルについては、『Oracle Database管理者ガイド』
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Oracle ASMのインストールおよび構成の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーションおよびアップグレード・ガイド』
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Oracle ASMのベスト・プラクティスについては、Oracle Technology Network Webサイト
http://www.oracle.com/technetwork/database/cloud-storage/index.html
の「Oracle Cloud Storage」ページを参照してください。
Oracle ASMインスタンスの初期化パラメータ・ファイルについて
Oracle ASMをOracle Restart(スタンドアロン)構成でインストールすると、Oracle Universal Installer(OUI)により、Oracle ASMインスタンス用に別のサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)とパスワード・ファイルが作成されます。ASM SPFILEはインストール時にディスク・グループに格納されます。
Oracle ASMをクラスタOracle ASM環境にインストールする場合、OUIはディスク・グループ内にOracle ASM用に1つの共有SPFILEを作成します。
Oracle ASMインスタンスをアップグレードするときに、ASM SPFILEが元々共有ファイルシステムにあった場合には、Oracle ASMインスタンスをアップグレードしてもSPFILEは同じ場所に保持されます。元のOracle ASMインスタンスがPFILEを使用していた場合、アップグレード後もインスタンスはPFILEを使用し続けます。
SPFILEまたはテキストベースの初期化パラメータ・ファイル(PFILE)は、Oracle ASMインスタンス・パラメータ・ファイルとして使用できます。SPFILEをOracle ASMクラスタ環境で使用する場合は、ディスク・グループまたはクラスタ・ファイルシステムにSPFILEを配置する必要があります。Oracle ASM SPFILEはディスク・グループに配置することをお薦めします。既存のOracle ASM SPFILEに対して作成された新しいエイリアスを使用してOracle ASMインスタンスを起動することはできません。
共有Oracle Grid Infrastructureホームを使用しない場合、Oracle ASMインスタンスではPFILEを使用できます。データベース初期化パラメータ・ファイルに適用されるファイル名、デフォルトの場所、および検索順序に関するルールは、Oracle ASM初期化パラメータ・ファイルにも適用されます。
Oracle ASMインスタンスが初期化パラメータ・ファイルを検索する場合、検索順序は次のとおりです。
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Grid Plug and Play(GPnP)プロファイルに指定された初期化パラメータ・ファイルの場所
-
GPnPプロファイルに場所が設定されていない場合、検索順序は次のように変ります。
-
Oracle ASMインスタンス・ホームのSPFILE
たとえば、Linux環境のOracle Grid Infrastructureホームでは、Oracle ASM用のSPFILEのデフォルト・パスは次のとおりです。
$ORACLE_HOME/dbs/spfile+ASM.ora
-
Oracle ASMインスタンス・ホームのPFILE
-
注意:
PFILEまたはSPFILEは、構成でOracle ASMインスタンスのデフォルト以外の初期化パラメータを使用する場合に必要です。
Oracle ASM初期化パラメータ・ファイルは、SQL*Plus、ASMCAおよびASMCMDコマンドを使用して管理できます。
関連項目:
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ASMCA GUIおよびコマンドライン・インタフェースの詳細は、「ASMCAによるOracle ASMの管理」
-
spbackup
、spcopy
、spmove
など、Oracle ASM SPFILEを管理するためのASMCMDコマンドの詳細は、「ASMCMDインスタンス管理コマンド」 -
初期化パラメータ・ファイルの作成とメンテナンスの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』
-
CREATE
SPFILE
SQL文を使用したSPFILEの作成の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』
Oracle ASM初期化パラメータ・ファイルのバックアップ、コピーおよび移動について
Oracle ASM SPFILEは、spbackup
、spcopy
またはspmove
の各ASMCMDコマンドを使用して、バックアップ、コピーまたは移動できます。
加えて、Oracle ASMインスタンスに接続されている場合、SQL CREATE
SPFILE
を使用すると、Oracle ASM SPFILEを作成できます。
また、特定のプラットフォームで使用できるコマンド(Linuxの場合はcp
など)により、Oracle ASM SPFILEをコピーおよび移動できます。
SPFILEまたはPFILEをコピーまたは移動した後で、新しい場所のSPFILEまたはPFILEを使用するには、そのSPFILEまたはPFILEを使用してインスタンスを再起動する必要があります。
次の内容について説明します。
関連項目:
-
SPFILEを管理するためのASMCMDコマンドの詳細は、「spbackup」、「spcopy」および「spmove」
-
初期化パラメータ・ファイルの作成とメンテナンスの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
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CREATE
SPFILE
SQL文を使用したSPFILEの作成の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』 -
Grid Plug and Play(GPnP)の詳細は、『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド』を参照してください。
SPFILEのディスク・グループに対する作成、コピーおよび移動
ディスク・グループのCOMPATIBLE.ASM
ディスク・グループ属性が11.2
以上に設定されている場合、Oracle ASM SPFILEをディスク・グループに作成、コピーまたは移動できます。
たとえば、インスタンスをOracle ASM 11gリリース1 (11.1)からOracle ASM 11gリリース2 (11.2)にアップグレードした後、Oracle ASM SPFILEを、COMPATIBLE.ASM
が11.2
に設定されているディスク・グループに配置できます。ディスク・グループの互換性属性の詳細は、「ディスク・グループの互換性」を参照してください。
次の手順では、Oracle ASM 11gリリース2 (11.2)インスタンスで$ORACLE_HOME/dbs/asmpfile.ora
に格納されているPFILEを使用していることが前提となっています。SQL CREATE
SPFILE
文を使用して、ローカル・ファイルシステムまたは共有ファイルシステムに格納されているPFILEからSPFILEを作成できます。PFILEが存在しない場合は、SQL CREATE
PFILE
文を使用して作成できます。
SPFILEをディスク・グループで作成するには、次の手順を実行します。
ディスク・グループ内のOracle ASM SPFILEのバックアップ・コピーの作成
この項では、ASMCMDコマンドを使用して別のディスク・グループにOracle ASM SPFILEのバックアップ・コピーを作成する手順について説明します。必要に応じて、バックアップ・コピーを使用してOracle ASM SPFILEをリストアできます。
ソースとターゲットのディスク・グループには、ディスク・グループ属性COMPATIBLE.ASM
を11.2
以上に設定する必要があります。
spcopy
コマンドを使用してOracle ASM SPFILEのコピーを別のディスク・グループに作成するには、次の手順を実行します。
ディスク・グループ内の現在のOracle ASM SPFILEファイルが破損している場合、またはディスク・グループがアクセス不可である場合、spset
またはspcopy
を-u
オプションとともに使用して、作成済のバックアップ・コピーによりOracle ASM SPFILEファイルをリストアできます。
次に例を示します。
ASMCMD [+] > spcopy -u +FRA/spfileCopyASM.ora +DATA2/ASM/spfileASM.ora
Oracle ASMの自動メモリー管理について
自動メモリー管理では、MEMORY_TARGET
パラメータによってOracle ASMインスタンスとデータベース・インスタンスの両方のメモリー関連のパラメータが自動的に管理されます。自動メモリー管理は、MEMORY_TARGET
パラメータが明示的に設定されていない場合でも、Oracle ASMインスタンスに対してデフォルトで有効になります。MEMORY_TARGET
に使用されるデフォルト値は、ほとんどの環境に適しています。これは、完全なOracle ASMメモリー管理を行うために設定する必要がある唯一のパラメータです。Oracle ASMの自動メモリー管理を使用することを強くお薦めします。
Oracle ASMインスタンスでは、ORA-04031エラーが発生し、自動メモリー管理が有効になっている場合、MEMORY_TARGET
およびMEMORY_MAX_TARGET
に設定された値を自動的に増やすことができます。MEMORY_MAX_TARGET
に明示的に値が設定されている場合は、ORA-04031が発生するたびに、MEMORY_TARGET
値が既存のMEMORY_TARGET
値の10%または128 MBのいずれか大きい方の分ずつ増えますが、顧客が指定したMEMORY_MAX_TARGET
値を超えることはありません。MEMORY_MAX_TARGET
が明示的に設定されていない場合は、MEMORY_TARGET
およびMEMORY_MAX_TARGET
が既存のMEMORY_TARGET
値の10%または128 MBのいずれか大きい方の分ずつ、最大5回まで増えます。新しいMEMORY_TARGET
設定およびMEMORY_MAX_TARGET
設定を使用するには、Oracle ASMインスタンスを再起動する必要があります。
MEMORY_TARGET
の値は設定せずにメモリー関連の他のパラメータの値を設定した場合、Oracleはこれらのメモリー・パラメータの値に基づいてMEMORY_TARGET
の最適値を内部で計算します。データベース・インスタンスの場合と同様に、MEMORY_TARGET
はMEMORY_MAX_TARGET
パラメータの値まで動的に増やすことができます。
推奨事項ではありませんが、Oracle ASMパラメータ・ファイルでMEMORY_TARGET
の値を0
に設定するか、ALTER
SYSTEM
SET
MEMORY_TARGET
=0
文を実行することで自動メモリー管理を無効にできます。自動メモリー管理を無効にすると、Oracleは自動共有メモリー管理および自動PGAメモリー管理に戻ります。Oracle ASM SGAメモリーを手動で管理するためにOracle Database 10gリリース2 (10.2)の機能に戻すには、ALTER
SYSTEM
SET
SGA_TARGET=0
文も実行します。Oracle ASMインスタンスでの自動メモリー管理パラメータの作用は、明記されていないかぎり、Oracle Databaseインスタンスでの作用と同じです。
注意:
-
Linux環境では、
/dev/shm
が使用できない、あるいは小さい場合、自動メモリー管理は機能しません。詳細は、Oracle Database管理者リファレンス for Linux and UNIX-Based Operating Systemsを参照してください。自動メモリー管理をサポートするプラットフォームについては、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 -
Oracle ASMの
MEMORY_TARGET
の最小値は1GBです。MEMORY_TARGET
にこれより小さい値を設定すると、MEMORY_TARGET
の値は自動的に1GBに増やされます。 -
Oracle Exadata環境でのメモリー初期化パラメータの推奨設定については、Oracle Exadataのドキュメントを参照してください。
関連項目:
-
Oracle ASMとは異なるデータベース・インスタンスの自動メモリー管理機能の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
-
メモリー管理方法の概要は、『Oracle Database概要』を参照してください。
Oracle ASM初期化パラメータの推奨設定
この項では、Oracle ASMの次の初期化パラメータについて説明します。
関連項目:
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初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
-
初期化パラメータ・ファイルの作成とメンテナンスの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
ASM_DISKGROUPS
SQLのALTER
DISKGROUP
ALL
MOUNT
文が発行されると、ASM_DISKGROUPS
初期化パラメータでは、Oracle ASMインスタンスが起動時にマウントするディスク・グループ名のリストを指定します。
NOMOUNT
起動オプションを指定しないかぎり、Oracle ASMインスタンスの起動プロセスはALTER
DISKGROUP
ALL
MOUNT
を実行します。
ASM_DISKGROUPS
パラメータのデフォルト値はNULL
文字列です。
ASM_DISKGROUPS
パラメータは動的です。サーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を使用している場合は、ほとんどの場合、ASM_DISKGROUPS
の値を手動で変更する必要はありません。ディスク・グループが正常に作成またはマウントされると、Oracle ASMによってパラメータにディスク・グループが自動的に追加されます。また、ディスク・グループが削除されると、Oracle ASMによりディスク・グループがパラメータから自動的に削除されます。ただし、手動ディスマウントではSPFILEは更新されません。
注意:
Oracle Flex ASM構成では、ディスマウント時にディスク・グループがSPFILEから削除されることはありません。ディスク・グループは、リモート・インスタンスがアクセスできるように常に自動マウントする必要があります。リモート・インスタンスは、Oracle Database、Oracle IOServer、またはOracle ASMインスタンスとは異なるノードに配置されているOracle ASMプロキシのインスタンスです。
ASM_DISKGROUPS
パラメータを動的に設定する例を次に示します。
SQL> ALTER SYSTEM SET ASM_DISKGROUPS = DATA, FRA;
テキスト初期化パラメータ・ファイル(PFILE)を使用している場合は、インスタンスの起動時に自動的にマウントされるように、初期化パラメータ・ファイルを編集してディスク・グループの名前を追加する必要があります。自動的にマウントされる必要のないディスク・グループの名前を削除する必要があります。
初期化ファイル内のASM_DISKGROUPS
パラメータの例を次に示します。
ASM_DISKGROUPS
=
DATA,
FRA
注意:
ALTER DISKGROUP
...ALL MOUNT
コマンドまたはALTER DISKGROUP
...ALL DISMOUNT
コマンドを発行しても、ASM_DISKGROUPS
の値に影響はありません。
Oracle Database 12cリリース1以降では、Oracle ASM構成で最大511のディスク・グループをサポートします。Oracle Databaseリリース12cリリース1よりも前のOracle ASM構成では、サポートされるディスク・グループは63個までです。
関連項目:
-
起動時にマウントされるディスク・グループの詳細は、「起動時のディスク・グループのマウントについて」
-
Oracle ASMディスク・グループのマウントの詳細は、「ディスク・グループのマウントおよびディスマウント」
-
Oracle Flex ASMの詳細は、「Oracle Flex ASMの管理」
-
ASM_DISKGROUPS
初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
ASM_DISKSTRING
ASM_DISKSTRING
初期化パラメータでは、Oracle ASMインスタンスによって検出されるディスクのセットを制限する文字列のカンマ区切りリストを指定します。
検出文字列には、ワイルドカード文字を含めることができます。文字列のいずれかに一致するディスクのみが検出されます。同じディスクを2回検出することはできません。
検出文字列の書式は、使用しているOracle ASMライブラリとオペレーティング・システムによって異なります。パターン一致がサポートされます。デフォルトのパターン一致の詳細は、使用しているオペレーティング・システム固有のインストレーション・ガイドを参照してください。
たとえば、Linuxサーバーで、検出プロセスの対象をOracle ASMフィルタ・ドライバ(Oracle ASMFD)またはASMLIBを使用しないOracle ASMインスタンスの/dev/rdsk/mydisks
ディレクトリ内のディスクのみに限定するには、ASM_DISKSTRING
初期化パラメータを次のように設定します。
/dev/rdsk/mydisks/*
アスタリスクは必須です。
名前がdisk3
またはdisk4
で終わるディスクのみを含めるように検出プロセスを制限するには、Linuxシステム上でASM_DISKSTRING
を次のように設定できます。
ASM_DISKSTRING
=
'/dev/rdsk/*disk3'
, '/dev/rdsk/*disk4'
パスの最初の文字として?
文字を使用すると、対象がOracleホーム・ディレクトリまで広がります。オペレーティング・システムによっては、?
文字をパスの他の場所で使用すると、1文字のワイルドカードになります。
ASM_DISKSTRING
パラメータのデフォルト値はNULL
文字列です。NULL
値を使用すると、デフォルト・パスで、Oracle ASMインスタンスが読取りおよび書込みアクセス権を持つシステム内の全ディスクが検索されます。デフォルトの検索パスは、プラットフォーム固有です。デフォルトの検索パスの詳細は、ご使用のオペレーティング・システム用のインストレーション・ガイドを参照してください。
クラスタ内のすべてのOracle ASMインスタンスが固有の検出文字列のいずれかを使用してディスクを検出できないかぎり、Oracle ASMではそのディスクを使用できません。すべてのノードで名前が同じである必要はありませんが、クラスタ内のすべてのノードで全ディスクが検出可能である必要があります。そのため、場合によっては、初期化パラメータを動的に変更して新しいストレージを追加できるようにする必要があります。
関連項目:
-
ディスク検出の詳細は、「Oracle ASMディスク検出」
-
Oracle Exadata用のOracle ASM検出文字列の書式は、Oracle Exadataのドキュメントを参照してください。
-
ASM_DISKSTRING
初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
ASM_IO_PROCESSES
ASM_IO_PROCESSES
初期化パラメータでは、Oracle IOServer (IOS)サーバー・インスタンスで開始されるIOワーカー・プロセスの数を指定します。
このパラメータは、Oracle Grid Infrastructureホームで稼働しているOracle IOServerインスタンスに対してのみ適用されます。
IOServerインスタンスは、クライアント・クラスタの資格証明ファイルの生成時に、Oracle Grid Infrastructure構成で自動的に起動されます。クライアント・クラスタ内で稼働しているIOServerインスタンスの数を構成できます。
ほとんどの場合、デフォルト値で動作します。ただし、高いIO負荷の下では、デフォルトよりも高い値が適切な場合もあります。
関連項目:
-
Oracle IOServerおよびOracle Flex ASMの詳細は、「Oracle Flex ASMの概要」
-
ASM_IO_PROCESSES
初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
ASM_POWER_LIMIT
ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータでは、ディスク・グループのディスク・リバランスのデフォルトの指数を指定します。
値の範囲は0
から1024
です。デフォルト値は1
です。値0
の場合、リバランスは無効です。値が大きいほどリバランス操作の完了は早くなりますが、I/Oオーバーヘッドとリバランス処理が増える可能性があります。
-
ディスク・グループのASM互換性が
11.2.0.2
以上(たとえばCOMPATIBLE.ASM
=11.2.0.2
)に設定されているディスク・グループの場合、リバランス指数の可能な値の範囲は0
から1024
です。 -
ディスク・グループのASM互換性が
11.2.0.2
よりも低く設定されているディスク・グループの場合、可能な値の範囲は0
から11
です。ASM_POWER_LIMIT
の値が11
よりも高い場合、11
の値がこのディスク・グループに使用されます。
ディスク・グループのリバランス操作の指数は、次の文のPOWER
句で指定することもできます。SQLのALTER
DISKGROUP
..REBALANCE
statement.POWER
句で指定可能な値の範囲は、ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータと同じです。ASM互換性が11.2.0.2
よりも低く設定されたディスク・グループに対しPOWER
句に11
よりも大きい値を指定すると、警告が表示されて、11
と同じPOWER
の値がリバランスに使用されます。
ディスク・グループのリバランス操作の指数の指定は、リバランス操作のみに影響を及ぼし、ディスク・グループへの新しい割当てには影響しません。
注意:
-
ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータは0
に設定しないことをお薦めします。 -
Oracle Exadata環境またはOracle Data Appliance環境では、
ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータを0
に設定できません。
関連項目:
-
ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータとPOWER
句の詳細は、「ディスク・グループの手動リバランス」と「リバランス操作の調整」 -
ディスク・グループの互換性の詳細は、「ディスク・グループの互換性」
-
ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』 -
ALTER
DISKGROUP
REBALANCE
SQL文のPOWER
句の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』
ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS
ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS
初期化パラメータの値は、特定のインスタンスによって優先的に読み取る必要がある障害グループを指定する文字列のカンマ区切りリストです。
注意:
ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS
初期化パラメータは、Oracle ASM 12cリリース2 (12.2)で非推奨となったので、将来のリリースでサポートされなくなる可能性があります。
ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS
パラメータ設定はインスタンス固有です。デフォルト値はNULL
です。このパラメータは、通常、クラスタ化されたOracle ASMインスタンスに使用され、その値はノードによって異なってもかまいません。
次に例を示します。
diskgroup_name1
.failure_group_name1
, ...
注意:
物理的に切り離された複数のサイトに広がるノードで構成されるOracle Extended Clusterでは、PREFERRED_READ.ENABLED
ディスク・グループ属性によって優先読取り機能をディスク・グループに対して有効にするかどうかを制御します。優先読取り機能が有効である場合、この機能により、インスタンスでは自身と同じサイトにあるディスクを特定し、そこから読み取ることができるため、パフォーマンスが向上します。PREFERRED_READ.ENABLED
が有効になっていてもいなくても、Oracle ASMインスタンスまたはクラスタ内のクライアント・インスタンスの障害グループ・レベルにASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS
初期化パラメータ(下位互換性のために使用可)を使用して、優先読取りを設定できます。
ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS
で設定された障害グループ値は、PREFERRED_READ.ENABLED
サイト値よりも優先されます。クライアント・インスタンスでのASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS
の値は、Oracle ASMインスタンスでの値よりも優先されます。
関連項目:
-
優先読取りの障害グループの詳細は、「優先読取りの障害グループ」
-
PREFERRED_READ.ENABLED
ディスク・グループ属性の詳細は、「PREFERRED_READ.ENABLED」 -
拡張クラスタ内の優先ディスクの構成については、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』
-
ASM_PREFERRED_READ_FAILURE_GROUPS
初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
DB_CACHE_SIZE
DB_CACHE_SIZE
パラメータの設定により、バッファ・キャッシュのサイズが決まります。
自動メモリー管理を使用する場合、DB_CACHE_SIZE
初期化パラメータの値を設定する必要はありません。
このバッファ・キャッシュは、メタデータ・ブロックを格納します。このパラメータのデフォルト値は、ほとんどの環境に適しています。
関連項目:
-
DB_CACHE_SIZE
初期化パラメータの設定については、『Oracle Database管理者ガイド』 -
メモリー構成の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』
-
DB_CACHE_SIZE
パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
DIAGNOSTIC_DEST
DIAGNOSTIC_DEST
初期化パラメータでは、インスタンスの診断が格納されるディレクトリを指定します。
Oracle Grid Infrastructureインストールの場合、Oracle ASMインスタンスのデフォルト値は$ORACLE_BASE
ディレクトリです。
例3-1にOracle ASMインスタンスの診断ディレクトリの例を示します。
例3-1 Oracle ASMインスタンスの診断ディレクトリの例
$ ls $ORACLE_BASE/diag/asm/+asm/+ASM alert cdump hm incident incpkg ir lck metadata stage sweep trace
関連項目:
-
DIAGNOSTIC_DEST
初期化パラメータの設定と障害診断のインフラストラクチャについては、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 -
DIAGNOSTIC_DEST
パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
INSTANCE_TYPE
INSTANCE_TYPE
初期化パラメータには、インスタンスがデータベース・インスタンス、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンスまたはOracle ASMプロキシ・インスタンスのどれであるかを指定します。
初期化ファイル内のINSTANCE_TYPE
パラメータの例を次に示します。
INSTANCE_TYPE
=
ASM
値asm
およびrdbms
に加えて、INSTANCE_TYPE
は、Oracle Flex ASM構成でasmproxy
に設定できます。
関連項目:
-
Oracle Flex ASMの詳細は、「Oracle Flex ASMの管理」
-
INSTANCE_TYPE
パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
LARGE_POOL_SIZE
LARGE_POOL_SIZE
パラメータの設定は、大きな割当てに使用されます。
自動メモリー管理を使用する場合、LARGE_POOL_SIZE
初期化パラメータの値を設定する必要はありません。
このパラメータのデフォルト値は、ほとんどの環境に適しています。
関連項目:
-
LARGE_POOL_SIZE
初期化パラメータの設定については、『Oracle Database管理者ガイド』 -
メモリー構成の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』
-
LARGE_POOL_SIZE
パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
PROCESSES
PROCESSES
初期化パラメータはOracle ASMに影響しますが、ほとんどの場合、デフォルト値が適しています。
ただし、複数のデータベース・インスタンスがOracle ASMインスタンスに接続されている場合は、次の式を使用できます。n
は、Oracle ASMインスタンスに接続されているデータベース・インスタンスの数です。
非Exadata環境では、推奨設定は次のとおりです。
-
n
< 10の場合は、PROCESSES
= 50*n
+ 50 -
n
>= 10の場合は、PROCESSES
= 10*n
+ 450
Oracle Exadatak環境では、推奨設定はPROCESSES
= MAX
(450 + 10*n
, 1024)です。
関連項目:
-
PROCESSES
初期化パラメータの設定の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』 -
PROCESSES
パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE
REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE
初期化パラメータでは、Oracle ASMインスタンスでパスワード・ファイルをチェックするかどうかを指定します。
このパラメータは、Oracle ASMインスタンスとデータベース・インスタンスに対して同じように機能します。
関連項目:
-
REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE
初期化パラメータの設定については、『Oracle Database管理者ガイド』 -
REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE
パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
SHARED_POOL_SIZE
SHARED_POOL_SIZE
パラメータの設定により、インスタンスの管理に必要なメモリーの量が決まります。
自動メモリー管理を使用する場合、SHARED_POOL_SIZE
初期化パラメータの値を設定する必要はありません。このパラメータの設定は、エクステント・ストレージ用に割り当てられる領域のサイズの決定にも使用されます。このパラメータのデフォルト値は、ほとんどの環境に適しています。
関連項目:
-
SHARED_POOL_SIZE
初期化パラメータの設定については、『Oracle Database管理者ガイド』 -
メモリー構成の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』
-
SHARED_POOL_SIZE
パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
Oracle ASMで使用するデータベース初期化パラメータの設定について
データベース・インスタンスで自動メモリー管理を使用しない場合、Oracle ASMをサポートするにはデータベース・インスタンスのSGAパラメータ設定を少し変更する必要があります。自動メモリー管理を使用する場合、この項で説明するサイズ指定データは、情報としてのみ、またはSGAに使用する適切な値を判断するための補足情報として扱うことができます。自動メモリー管理を使用することを強くお薦めします。
データベース・インスタンス上のSGAサイズ指定に関するガイドラインを次に示します。
-
PROCESSES
初期化パラメータ: 現在の値に16を追加します。 -
LARGE_POOL_SIZE
初期化パラメータ: 現在の値に600Kを追加します。 -
SHARED_POOL_SIZE
初期化パラメータ: 次の問合せの値を集計して、Oracle ASM上にあるか、またはOracle ASMに格納される現在のデータベース記憶域のサイズを求めます。次に、冗長性タイプを確認し、集計値を入力として使用してSHARED_POOL_SIZE
を計算します。SELECT SUM(bytes)/(1024*1024*1024) FROM V$DATAFILE; SELECT SUM(bytes)/(1024*1024*1024) FROM V$LOGFILE a, V$LOG b WHERE a.group#=b.group#; SELECT SUM(bytes)/(1024*1024*1024) FROM V$TEMPFILE WHERE status='ONLINE';
-
外部冗長性を使用しているディスク・グループの場合は、100GBの領域ごとに1MBの追加共有プールと2MBが必要です。
-
標準冗長性を使用しているディスク・グループの場合は、50GBの領域ごとに1MBの追加共有プールと4MBが必要です。
-
高冗長性を使用しているディスク・グループの場合は、33GBの領域ごとに1MBの追加共有プールと6MBが必要です。
-
関連項目:
-
Oracle Databaseインスタンスでのメモリー割当て管理については、『Oracle Database管理者ガイド』
-
メモリーの構成および使用の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』