10 SQL*Plusによるデータベース管理
この章では、SQL*Plusで使用可能なデータベース管理ツールの概要を説明します。ここでは、次の項目について説明します。
この章は、データベース管理者向けです。この機能を使用するには、データベース管理者の権限が必要です。
データベース管理の詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。
10.1 概要
データベースの起動、停止などの特別な操作は、データベース管理者(DBA)が行います。DBAは、一般ユーザーには割り当てられていない権限を所有しています。この章で概要を説明するコマンドは、通常、DBAが使用します。
SQL*Plusでのセキュリティおよびロールの詳細は、「 SQL*Plusのセキュリティ」を参照してください。
10.2 データベースの起動および停止の概要
すべてのユーザーが、Oracle Databaseを利用できるとはかぎりません。データベースをオープンまたはクローズするか、あるいはインスタンスを起動または停止するには、DBA権限を持っているか、SYSOPERまたはSYSDBAで接続する必要があります。それ以外のユーザーは、Oracle Databaseの現在の状態を制御できません。
10.2.1 データベースの起動
データベースを起動するには:
例10-1 インスタンスの起動
データベースをマウントせずにOracle Databaseインスタンスを起動するには、次のように入力します。
STARTUP NOMOUNT
例10-2 データベースのマウント
インスタンスを起動し、データベースをクローズしたままマウントするには、次のように入力します。
STARTUP MOUNT
例10-3 データベースのオープン
Oracle Databaseサーバーのパラメータ・ファイルINITSALES.ORAを使用してインスタンスを起動し、SALESというデータベースをマウントおよびオープンして、データベース管理者に対してアクセスを制限するには、次のように入力します。
STARTUP OPEN sales PFILE=INITSALES.ORA RESTRICT
SALESは、INITSALES.ORAパラメータ・ファイルのDB_NAMEパラメータで指定したデータベース名です。
10.2.4 PDBの停止
プラガブル・データベース(PDB)を停止するには:
ノート:
-
現在のコンテナがPDBの場合、
SHUTDOWN
コマンドは、CDBインスタンスではなくPDBのみをクローズします。 -
PDBには、非CDBの
SHUTDOWN TRANSACTIONAL
またはSHUTDOWN ABORT
コマンドと同等のSHUTDOWN
コマンドはありません。
データベース起動の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。また、「STARTUP 」コマンドも参照してください。
10.3 REDOログ・ファイル
各Oracle Databaseには、2つ以上のREDOログ・ファイルが用意されています。1つのデータベースに対するREDOログ・ファイルのセットは、データベースのREDOログと呼ばれます。
REDOログは、データに加えられた変更を記録するために使用されます。たとえば、データベースに障害が発生した場合、REDOログを使用してデータベースをリカバリします。REDOログ自体の障害を防ぐため、Oracle Databaseでは、REDOログのミラー化によって、2つ以上のREDOログのコピーを異なるディスクに保持できます。
10.3.1 ARCHIVELOGモード
データベースをARCHIVELOGモードでオープンすると、オンラインREDOログをアーカイブできます。
アーカイブREDOログには、データベースに加えられたすべての変更が永久に保存されているため、SQL ALTER SYSTEMコマンドを使用すると、インスタンス障害のみでなくディスク障害も完全にリカバリできます。
REDOログ・ファイルおよびデータベースのアーカイブ・モードの詳細は、「ARCHIVE LOG」コマンドを参照してください。
アーカイブされた現行のログ・ファイルの詳細を表示するには、次のように入力します。
ARCHIVE LOG LIST
Database log mode Archive Mode
Automatic archival Enabled
Archive destination /vobs/oracle/dbs/arch
Oldest online log sequence 221
Next log sequence to archive 222
Current log sequence 222
10.4 データベースのリカバリ
破損したデータベースがARCHIVELOGモードの場合、完全メディア・リカバリまたは不完全メディア・リカバリの操作の候補となります。メディア・リカバリ操作を開始するには、RECOVERコマンドを使用します。データのリカバリの詳細は、「RECOVER 」コマンドを参照してください。
リカバリ操作を開始するには、DBA権限が必要です。
制御ファイルのバックアップ・ファイルを使用し指定時間までにデータベースをリカバリするには、次のように入力します。
RECOVER DATABASE UNTIL TIME '1998-11-23:12:47:30'- USING BACKUP CONTROLFILE
2つのオフライン表領域をリカバリするには、次のように入力します。
RECOVER TABLESPACE ts1, ts2
表領域のリカバリを続行する前に、対象の表領域がオフラインになっていることを確認してください。