Oracle ASMのアップグレード後の推奨作業

Oracle ASMのアップグレード後に、Oracle ASMパスワードのリセットおよびディスク・グループの構成などの作業を行うことをお薦めします。

ASMディスク・グループでの共有パスワード・ファイルの作成

COMPATIBLE.ASMディスク・グループ属性を拡張する場合は、共有パスワード・ファイルを作成します。

COMPATIBLE.ASMディスク・グループ属性を12.1以降に拡張した場合、ASMディスク・グループに共有パスワード・ファイルを作成する必要があります。

参照:

ディスク・グループでの共有パスワード・ファイルの管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください

Oracle ASMパスワードのリセットによる大/小文字区別の強制

パスワードの大/小文字区別の強制を活用するには、データベースのアップグレード作業中に既存のユーザーのパスワードをリセットする必要があります。

Oracle Database 11gリリース1 (11.1)より前のリリースでは、パスワードで大文字と小文字は区別されません。パスワードでの大/小文字の区別を強制できます。たとえば、パスワードがhPP5620qrの場合、hpp5620QRまたはhPp5620Qrと入力すると失敗します。

新しいOracle ASMインスタンスの場合は、追加の作業や追加の管理要件はありません。アップグレードしたOracle ASMのインスタンスの場合は、各ユーザーのパスワードをALTER USER文でリセットする必要があります。

ノート:

Oracle Databaseのデフォルトのセキュリティ設定が適用されている場合、パスワードは8文字以上にする必要があり、welcomeoracleなどのパスワードは使用できません。詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

Oracle ASMとOracle Databaseのディスク・グループの互換性の拡張

ソフトウェア・バージョンをまたいでOracle DatabaseとOracle ASMのディスク・グループの互換性設定を拡張できます。

注意:

COMPATIBLE.RDBMS属性を拡張した場合、前の設定に戻ることはできません。COMPATIBLE.RDBMS属性を拡張する前に、ディスク・グループを使用するすべてのデータベースのCOMPATIBLE初期化パラメータの値が少なくともCOMPATIBLE.RDBMSの新しい設定に設定されていることを確認します。

互換性を拡張することにより、新しいリリースのみで使用可能な新機能が有効になります。ただし、こうすることで、ソフトウェアの古いリリースではディスク・グループが非互換になります。ディスクの互換性を拡張する操作は、元に戻すことができません。

compatible.rdbmsおよびcompatible.asm属性を使用して、データベース・インスタンスおよびOracle ASMインスタンスからディスク・グループにアクセスするのに必要な最小ソフトウェア・リリースをそれぞれ指定します。たとえば、次のALTER DISKGROUP文によって、ディスク・グループasmdg2のOracle ASMの互換性が拡張されます。

ALTER DISKGROUP asmdg2 SET ATTRIBUTE 'compatible.asm' = '12.2'

この場合、ディスク・グループを管理できるのはリリース12.2以上のOracle ASMソフトウェアのみですが、データベース・クライアントはリリース11.2以上であれば、このディスク・グループを使用できます。

参照:

ディスク・グループの互換性の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください

ALTER DISKGROUP文およびCREATE DISKGROUP文でのディスク・グループの互換性属性の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください

Oracle ASMの優先読取りの障害グループの設定

Oracle ASM管理者は、一部のディスクを読取りI/O操作のための優先読取りディスクとして指定できます。

ASM管理者がOracle ASMの優先読取りの障害グループを定義すると、Oracle ASMは、常にプライマリ・コピーを読み取るのではなく、最も近い優先読取りディスクに存在するエクステントから読み取ることができます。

参照: