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Oracle® Application Expressインストレーション・ガイド
リリース18.1
E98589-01
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B.4 Oracle Application Expressのダウンロードとインストール

Oracle Application Expressのダウンロードとインストールについて理解します。

この項では、Oracle Application Expressをダウンロードとインストールする方法について説明します。Oracle Application Expressをインストールする方法は、インストール先データベースのタイプによって異なります。

B.4.1 Application Expressのインストール

Oracle Application Expressのダウンロード・ページからZIPファイルをダウンロードしてOracle Application Expressをインストールします。

Oracle Application Expressをインストールするには、次のステップを実行します。

  1. 開発が英語のみで行われるインストールの場合は、Oracle Application Expressのダウンロード・ページからファイルapex_18.1_en.zipをダウンロードします。開発が英語以外の言語でも行われる場合は、Oracle Application Expressのダウンロード・ページからapex_18.1.zipをダウンロードします。次を参照してください。
    http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/apex/downloads/index.html
    

    ご使用のリリースがこのマニュアルの発行時点より新しい場合、実際のファイル名が異なる場合があります。

  2. ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
    • 英語のみの場合は、次のとおり、ディレクトリ名を変更せずにapex_18.1_en.zipを解凍します。

      • UNIXおよびLinuxの場合: $ unzip apex_18.1_en.zipを解凍します。

      • Windowsの場合: Windowsエクスプローラでファイルapex_18.1_en.zipをダブルクリックします。

    • 複数言語の場合は、ディレクトリ名を変更せずにapex_18.1.zipを解凍します。

      • UNIXおよびLinuxの場合: $ unzip apex_18.1.zip

      • Windowsの場合: Windowsエクスプローラでapex_18.1.zipファイルをダブルクリックします。

    注意:

    ファイルを解凍するディレクトリ・ツリーは深くならないようにし、空白を含むディレクトリの下には格納しないようにします。たとえば、Windowsの場合はC:\TEMPに解凍します。

  3. 作業ディレクトリをapexに変更します。
  4. SQL*Plusを起動し、Oracle Application Expressがインストールされているデータベースに、SYSDBAロールが指定されているSYSとして接続します。次に例を示します。
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  5. デフォルト・プロファイルに対して既存のすべてのパスワード複雑性ルールを有効にします。
  6. 適切なインストール・オプションを選択します。

    完全開発環境ではアプリケーションを開発するため、アプリケーション・ビルダー環境へのすべてのアクセス権があります。ランタイム環境ではアプリケーションは変更できず、実行することができます。

    使用可能なインストール・オプションは次のとおりです。

    • 完全な開発環境。次の4つの引数を記載された順序どおりに渡し、apexins.sqlを実行します。

      @apexins.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
      

      各要素の意味は次のとおりです。

      • tablespace_apexは、Oracle Application Expressアプリケーション・ユーザーの表領域の名前です。

      • tablespace_filesは、Oracle Application Expressファイル・ユーザーの表領域の名前です。

      • tablespace_tempは一時表領域または一時表領域グループの名前です。

      • imagesは、Oracle Application Expressイメージの仮想ディレクトリです。EPGを使用するインストールの場合、/i/はimages引数に必須の値です。将来的にOracle Application Expressのアップグレードをサポートするために、仮想イメージ・ディレクトリを/i/と定義します。

      次に例を示します。

      @apexins.sql SYSAUX SYSAUX TEMP /i/

      注意:

      次のエラーが表示された場合にはSQL*Plusを終了し、SQL*Plusを起動する前に、作業ディレクトリを、インストール・ファイルを解凍した場所(例: WindowsではC:\TEMP)に変更します。

      SP2-0310: ファイル"apexins.sql"をオープンできません

    • ランタイム環境。次の引数を記載された順序どおりに渡し、apxrtins.sqlを実行します。

      @apxrtins.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
      

      各要素の意味は次のとおりです。

      • tablespace_apexは、Oracle Application Expressアプリケーション・ユーザーの表領域の名前です。

      • tablespace_filesは、Oracle Application Expressファイル・ユーザーの表領域の名前です。

      • tablespace_tempは一時表領域または一時表領域グループの名前です。

      • imagesは、Oracle Application Expressイメージの仮想ディレクトリです。将来的にOracle Application Expressのアップグレードをサポートするために、仮想イメージ・ディレクトリを/i/と定義します。

      次に例を示します。

      @apxrtins.sql SYSAUX SYSAUX TEMP /i/

Oracle Application Expressをインストールすると、3つの新しいデータベース・アカウントが作成されます。

  • APEX_180100: Oracle Application Expressのスキーマおよびメタデータを所有するアカウント。

  • FLOWS_FILES: Oracle Application Expressのアップロードされたファイルを所有するアカウント。

  • APEX_PUBLIC_USER - Oracle REST Data ServicesまたはOracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用したOracle Application Expressの構成に使用する最小限の権限が付与されたアカウント。

RESTful Webサービスを構成した場合、次の追加アカウントが作成されます。

  • APEX_REST_PUBLIC_USER -Oracle Application Expressに格納されているRESTfulサービスの定義を呼び出す際に使用されるアカウント。

  • APEX_LISTENER - Oracle Application Expressに格納されているRESTfulサービスの定義を照会するために使用されるアカウント。

以前のリリースからアップグレードすると、FLOWS_FILESはすでに存在し、APEX_PUBLIC_USERが存在しない場合にはこれが作成されます。

参照:

B.4.2 インスタンス管理アカウントの作成または更新

インスタンス管理者アカウントを作成または更新する方法を理解します。

この項では、インスタンス管理者アカウントを作成または更新する方法を説明します。

ヒント:

Oracle Application Expressの以前のリリースからアップグレードする場合は、この項をスキップしてください。アップグレード・シナリオでは、インスタンス管理者のアカウントとパスワードは保存され、前のリリースから継承されます。

B.4.2.1 インスタンス管理者の概要

インスタンス管理者は、ワークスペースのプロビジョニング、機能とインスタンス設定の構成、セキュリティの管理など、Oracle Application Expressインスタンス全体の管理を担当するスーパーユーザーです。

管理タスクを実行するために、Oracle Application Express管理サービス・アプリケーションにサインインします。

参照:

『Oracle Application Express管理ガイド』「Oracle Application Express管理サービス」

B.4.2.2 apxchpwd.sqlについて

apxchpwd.sqlスクリプトを実行して、インスタンス管理者アカウントを作成または更新します。

apxchpwd.sqlスクリプトを実行すると、インスタンス管理者アカウントを作成または更新できます。次のシナリオでは、apxchpwd.sqlスクリプトを実行する必要があります。

  • Oracle Application Expressの新規インストール - apxchpwd.sqlを実行して、インスタンス管理者アカウントとパスワードを作成します。

  • ランタイム環境の開発環境への変換 - apxchpwd.sqlを実行して、インスタンス管理者アカウント・パスワードを変更します。

  • インスタンス管理者パスワードの変更 - apxchpwd.sqlを実行して、既存のインスタンス管理者アカウントのパスワードを変更します。

  • インスタンス管理者アカウントのロック解除 - apxchpwd.sqlを実行して、既存のインスタンス管理者アカウントのロックを解除します。

ヒント:

Oracle Application Expressの前のリリースからアップグレードする場合、apxchpwd.sqlを実行する必要はありません。アップグレード・シナリオでは、インスタンス管理者のアカウントとパスワードは保存され、前のリリースから継承されます。

B.4.2.3 apxchpwd.sqlの実行

apxchpwd.sqlスクリプトを実行して、インスタンス管理者アカウントを作成、更新します。

インスタンス管理者アカウントを作成または更新するには、次のステップを実行します。

  1. 作業ディレクトリを、インストール・ソフトウェアを解凍したapexディレクトリに変更します。
  2. SQL*Plusを起動し、Oracle Application Expressがインストールされているデータベースに、SYSDBAロールが指定されているSYSとして接続します。次に例を示します。
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  3. apxchpwd.sqlを実行します。次に例を示します。
    @apxchpwd.sql
    

    画面に表示されるステップに従います。ユーザー名、パスワードおよび電子メール・アドレスを入力するように求められます。アカウントのユーザー名が存在しない場合は作成されます。

参照:

SQL*Plusの詳細は、『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』を参照してください

B.4.3 プロセスの再起動

インストールの開始前に停止したプロセスを再起動します。

Oracle Application Expressをインストールした後で、インストールの開始前に停止したプロセスを再起動する必要があります。また、Oracle HTTP Serverも再起動します。

B.4.4 APEX_PUBLIC_USERアカウントの構成

Oracle Application Expressを適切に動作させるには、APEX_PUBLIC_USERアカウントの正しい構成が重要です。

B.4.4.1 APEX_PUBLIC_USERアカウントについて

インストール時にAPEX_PUBLIC_USERアカウントに作成されるランダムなパスワードについて理解します。

APEX_PUBLIC_USERアカウントは、新しいOracle Application Expressのインストール時にランダムなパスワードとともに作成されます。新しいインストール環境でデータベース・アクセス記述子(DAD)を構成するには、まず、このアカウントのパスワードを変更する必要があります。

B.4.4.2 APEX_PUBLIC_USERアカウントのロック解除

SQL文を実行してAPEX_PUBLIC_USERアカウントのロックを解除します。

ヒント:

以前のリリースのOracle Application Expressからアップグレードする場合、このステップは不要です。

APEX_PUBLIC_USERアカウントをロック解除するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動し、Oracle Application Expressがインストールされているデータベースに、SYSDBAロールが指定されているSYSとして接続します。Oracle Database 12c以降のCDBを構成する場合、このステップの完了時にルート・コンテナCDB$ROOTに接続していることを確認してください。

    次に例を示します。

    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    ALTER USER APEX_PUBLIC_USER ACCOUNT UNLOCK
    

B.4.4.3 APEX_PUBLIC_USERアカウントのパスワードの変更

SQL文を実行してAPEX_PUBLIC_USERアカウントのパスワードを変更します。

ヒント:

以前のリリースのOracle Application Expressからアップグレードする場合、このステップは不要です。

APEX_PUBLIC_USERアカウントのパスワードを変更するには、次のステップを実行します。

  1. SQL*Plusを起動し、Oracle Application Expressがインストールされているデータベースに、SYSDBAロールが指定されているSYSとして接続します。Oracle Database 12c以降のCDBを構成する場合、このステップの完了時にルート・コンテナCDB$ROOTに接続していることを確認してください。

    次に例を示します。

    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. 次の文を実行します。
    ALTER USER APEX_PUBLIC_USER IDENTIFIED BY new_password
    

    new_passwordは、APEX_PUBLIC_USERに設定する新しいパスワードです。後続のセクションでDADを作成する場合に、このパスワードを使用します。

B.4.4.4 Oracle Database 11gでのパスワードの有効期限について

APEX_PUBLIC_USERを変更してPASSWORD_LIFE_TIMEパラメータを無期限に設定することで、パスワードの期限切れを防ぐことができます。

Oracle Database 11gのデフォルト・プロファイルでは、パラメータPASSWORD_LIFE_TIMEは180に設定されています。Oracle Database 11gおよびOracle Application Expressを使用している場合、これによりAPEX_PUBLIC_USERのパスワードは180日間で期限切れになります。このため、パスワードを変更するまで、Oracle Application Expressインスタンスが使用できなくなります。

この動作を回避するには、PASSWORD_LIFE_TIMEパラメータが無制限に設定されている別のプロファイルを作成し、APEX_PUBLIC_USERアカウントを変更して、これを新しいプロファイルに割り当てます。

参照:

プロファイルの作成およびデータベース・ユーザーへの割当ての詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。