| Oracle® TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイド リリース18.1 F16947-03 |
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この章では、クライアント・インストール環境とクライアント・インスタンスを作成および管理する方法について説明します。必要なステップの完了後、TimesTenクライアントを使用して、TimesTen ScaleoutのデータベースまたはTimesTen Classicのデータベースに接続できます。この章では、Windowsプラットフォームについては扱いません。Windowsプラットフォームの詳細は、第3章「WindowsでのTimesTenのインストールおよび管理」を参照してください。
用語を確認し、前提条件を満たしていることを確認してください。詳細は、第1章「TimesTen Classicでのインストール・プロセスの概要」を参照してください。
TimesTen Scaleoutの詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイドのTimesTen Scaleoutの概要を参照してください。
この章の例は、macOSホストで実行しますが、クライアントのみのインストール環境およびクライアントのみのインスタンスをサポートするプラットフォームにも該当します。
内容は次のとおりです。
インスタンス管理者は、ディストリビューションを解凍してクライアント・インストール環境をインストールします。詳細は、「ディストリビューション・メディアおよびディストリビューション」および「インスタンス管理者」を参照してください。
内容は次のとおりです。
インスタンス管理者のプライマリ・グループからアクセス可能なTimesTenクライアント・インストール環境を作成するには、次のようにします。
適切なディストリビューション・ファイルを、適切なアクセス可能な場所に配置します。
インストールのための目的のディレクトリを作成します。
インストールのための目的のディレクトリにディレクトリを変更します。
そのディレクトリにディストリビューションを解凍します。
macOSホストでの次の例では、プライマリ・グループがtimestenであるttuser1が、/swdir/TimesTen/ttinstallersにあるディストリビューション・ファイルからクライアント・インストール環境をmacclientinstall (現在のディレクトリのサブディレクトリ)に作成します。このインストール環境には、timestenのメンバーがアクセスできます。
% mkdir macclientinstall
% cd macclientinstall
% unzip /swdir/TimesTen/ttinstallers/timesten181410.client.macos64.zip
[...UNZIP OUTPUT...]
インストールされているファイルの最上位レベルのディレクトリは、tt18.1.4.1.0という形式です。
たとえば、このディレクトリはmacclientinstallの下に作成されます。
dr-xr-x--- 19 ttuser1 timesten 4096 Aug 2 22:07 tt18.1.4.1.0
tt18.1.4.1.0ディレクトリには、次のようなファイルが含まれています(すべてのファイルがリストされているわけではありません)。
dr-xr-x--- 2 ttuser1 timesten 4096 Aug 2 22:07 bin dr-xr-x--- 3 ttuser1 timesten 4096 Aug 2 22:07 include dr-xr-x--- 2 ttuser1 timesten 4096 Aug 2 22:07 info dr-xr-x--- 2 ttuser1 timesten 4096 Aug 2 22:07 lib dr-xr-x--- 8 ttuser1 timesten 4096 Aug 2 22:07 plsql dr-xr-x--- 3 ttuser1 timesten 4096 Aug 2 22:07 ttoracle_home
インストールを検証するには、ttInstallationCheckユーティリティを実行します。また、インストール・ディレクトリおよびサブディレクトリを確認できます。
この例では、インストール環境が検証され、成功します。
%installation_dir/tt18.1.4.1.0/bin/ttInstallationCheck This installation has been verified.
ttInstallationCheckユーティリティの詳細は、このマニュアルのttInstallationCheckユーティリティを参照してください。Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスのttInstallationCheckも参照してください。
TimesTenのクライアントのみのインストール環境では、最上位レベルのinstallation_dir/tt18.1.4.1.0ディレクトリの下に次のサブディレクトリが含まれています(このリストに含まれていないサブディレクトリもあります)。
bin: TimesTenユーティリティおよび実行可能ファイル
include: TimesTen includeファイル。timesten.h (TimesTen ODBC機能用)およびtt_errCode.h (TimesTenエラー・コードの詳細)
lib: TimesTenライブラリ
plsql: TimesTen PL/SQLのファイルおよびリソース
ttoracle_home: Oracle Database Instant Clientのファイルおよびリソース(OCI、Pro*C/C++およびODP.NET用)
インスタンス管理者がディストリビューションを解凍し、その結果としてインストール環境が作成された後、次のステップではTimesTenクライアント・インスタンスを作成します。これを行うには、installation_dir/tt18.1.4.1.0/binディレクトリにあるttInstanceCreateユーティリティを実行します。
ノート:
ディストリビューションを解凍したユーザー(インストール環境の作成者)のみが、インストール環境からインスタンスを作成できます。
このユーザーは、TimesTenユーザー・グループのメンバーである必要があります。
このユーザーは、このインスタンス、およびインストール環境に関連付けられている他のすべてのインスタンスのインスタンス管理者になることができる唯一のユーザーです。
内容は次のとおりです。
ttInstanceCreateユーティリティのオプションを指定できます。
コマンドラインで
ファイル内に
ユーティリティが実行されるとき、対話的に
-helpオプションを指定してttInstanceCreateを実行し、使用可能なオプションを表示することもできます。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスのttInstanceCreateを参照してください。
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ノート: macOSまたはLinux 32ビット・ホストでクライアントのみのインストールを行う場合、ttInstanceCreate -clientonlyオプションは任意です。 |
TimesTenのクライアント・インスタンスは、TimesTen ScaleoutのデータベースまたはTimesTen Classicのデータベースに接続するために使用できます。
クライアント・インスタンスを作成するには、installation_dir/tt18.1.4.1.0/bin領域に移動し、ttInstanceCreateユーティリティを実行します。
クライアント・インスタンスを作成したら、DSNを設定し、手順に従ってクライアントからサーバーに接続できます。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTen ClientおよびTimesTen Serverの使用に関する項を参照してください。
クライアント・インスタンスの作成例を次に示します。
例4-1 ttInstanceCreate: クライアント・インスタンスの対話形式での作成
この例では、ttInstanceCreateユーティリティを対話形式で実行してクライアント・インスタンスを作成します。インストール・ディレクトリからユーティリティを実行できます。ユーザーの入力は太字で示されています。
%installation_dir/tt18.1.4.1.0/bin/ttInstanceCreate * Client installation detected. NOTE: Each TimesTen instance is identified by a unique name. The instance name must be a non-null alphanumeric string, not longer than 255 characters. Please choose an instance name for this installation? [ tt181 ] clientmac Instance name will be 'clientmac'. Is this correct? [ yes ] Where would you like to install the clientmac instance of TimesTen? [/home/ttuser ] /scratch/ttuser Creating instance in /scratch/ttuser/clientmac ... INFO: Mapping files from the installation to /scratch/ttuser/clientmac/install The 18.1 Release Notes are located here : '/installation_dir/tt18.1.4.1.0/README.html'
例4-2 ttInstanceCreate: コマンドラインでのオプションの指定
この例では、ttInstanceCreateユーティリティを実行し、コマンドラインで名前および場所を指定します。(-locationオプションで指定したディレクトリの名前は、ttInstanceCreateユーティリティを実行する前に存在している必要があります。)サポートされているオプションについては、Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスのttInstanceCreateを参照してください。
ttInstanceCreateユーティリティは必ずインストール・ディレクトリから実行してください
%installation_dir/tt18.1.4.1.0/bin/ttInstanceCreate -name clientmac -location /scratch/ttuser * Client installation detected. Creating instance in /scratch/ttuser/clientmac ... INFO: Mapping files from the installation to /scratch/ttuser/clientmac/install The 18.1 Release Notes are located here : '/installation_dir/tt18.1.4.1.0/README.html'
インスタンス・ホーム・ディレクトリおよびサブディレクトリは、情報を得るために確認できます。インスタンスを作成すると、各インスタンスの$TIMESTEN_HOMEの下に次のサブディレクトリが含まれています(このリストには含まれていないサブディレクトリもあります)。
bin: そのインスタンスに適応するように調整された、インスタンス固有のTimesTenユーティリティおよび実行可能ファイル
これに含まれるttenv.sh (またはttenv.csh)によって、TimesTen環境の環境変数がセッションに適するように設定され、setuproot.shをrootとして実行することで、オペレーティング・システムが再起動されるたびにデータ・インスタンスを自動的に起動させることができます。
ttenvを実行すると、binディレクトリもパスに追加されます。
conf: TimesTenインスタンスの構成ファイルであるtimesten.confファイルが含まれます
diag: デーモン・ログとエラー・ログを含む診断出力
info: TimesTenインスタンスの永続状態が格納されているTimesTenデーモンの作業ディレクトリ
install: このインスタンスに関連付けられているインストール内容を参照するシンボリック・リンク。
plsql: 次のサブディレクトリが含まれます。
utl_file_dir: UTL_FILEパッケージを使用してPL/SQLブロックによる読取りや書込みが可能な唯一のディレクトリ
インスタンスの構成ファイルは、TimesTenインスタンスの属性を定義します。詳細は、「インスタンスの構成ファイル(timesten.conf )」を参照してください。
サンプル・ファイルを次に示します。コメントは「#」で示されています。
# TimesTen Instance Configuration File # Created by ttInstanceCreate # Commented values are default values hostname=host1 client_only=yes timesten_release=18.1 instance_name=clientmac daemon_port=- admin_user=myadmin admin_uid=12345 group_name=ttgroup instance_guid=FE8D9351-E749-41B4-AEC9-6E27BCA882A5 verbose=1
ttInstanceModifyユーティリティはインスタンスの属性を変更します。クライアント・インスタンスに関連するttInstanceModifyオプションは、-installおよび-tnsadminオプションです。
変更されるクライアント・インスタンスは、$TIMESTEN_HOME環境変数によって参照されるインスタンスです。$TIMESTEN_HOME/binディレクトリからttInstanceModifyユーティリティを必ず実行してください。
詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』のttInstanceModifyに関する項を参照してください。
次の例があります。
例4-3 ttInstanceModify: 対話形式での実行
この例では、ttInstanceModifyを対話形式で実行します。このユーティリティでは、インスタンスが示すインストールを変更するかどうかを尋ねられます。これは、-installオプションを指定してttInstanceModifyを実行するのと同じです。
この例では、ttinstallインストール環境からttinstalllatestインストール環境にアップグレードします。現在のディレクトリは、clientmacインスタンスのtimesten_homeです。
目的のinstallation_dir/tt18.1.4.1.0ディレクトリへのフルパスを指定します。
% $TIMESTEN_HOME/bin/ttInstanceModify
Instance Info
-------------
Name: clientmac
Version: 18.1.3.5.0
Location: /scratch/ttuser/clientmac
Installation: /swdir/TimesTen/ttinstallations/ttinstall/tt18.1.3.5.0
* Client-Only Installation
Would you like to change the installation that this instance points to? [ no ] yes
Please provide the path to the new installation? [ ]
/swdir/TimesTen/ttinstallations/ttinstalllatest/tt18.1.4.1.0
Are you sure you want to point this instance to the installation in
/swdir/TimesTen/ttinstallations/ttinstalllatest/tt18.1.4.1.0? [ no ] yes
Instance Info (UPDATED)
-----------------------
Name: clientmac
Version: 18.1.4.1.0
Location: /scratch/ttuser/clientmac
Installation: /swdir/TimesTen/ttinstallations/ttinstalllatest/tt18.1.4.1.0
* Client-Only Installation
The instance clientmac now points to the installation in
/swdir/TimesTen/ttinstallations/ttinstalllatest/tt18.1.4.1.0
例4-4 ttInstanceModify: -installの指定
この例では、-installオプションを指定してttInstanceModifyユーティリティを実行し、ttinstallインストールからttinstalllatestインストールにアップグレードします。現在のディレクトリは、clientmacインスタンスのtimesten_homeです。
% $TIMESTEN_HOME/bin/ttInstanceModify -install
/swdir/TimesTen/ttinstallations/ttinstalllatest/tt18.1.4.1.0
Instance Info (UPDATED)
-----------------------
Name: clientmac
Version: 18.1.4.1.0
Location: /scratch/ttuser/clientmac
Installation: /swdir/TimesTen/ttinstallations/ttinstalllatest/tt18.1.4.1.0
* Client-Only Installation
The instance clientmac now points to the installation in
/swdir/TimesTen/ttinstallations/ttinstalllatest/tt18.1.4.1.0
ttInstanceDestroyユーティリティは、既存のインスタンスを破棄します。破棄されるインスタンスは、インスタンス・ホーム・ディレクトリを示すTIMESTEN_HOME環境変数の現在の設定に基づきます。関連付けられているインストール環境のbinディレクトリにあるttInstanceDestroyユーティリティを実行します。(たとえば、installation_dir/tt18.1.4.1.0/bin。)
インスタンス管理者(インスタンスを作成したユーザー)のみがインスタンスを破棄できます。
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ノート: 破棄するインスタンスに関連付けられたデータベースに対する既存の接続がない必要があります。 |
-helpオプションを指定してttInstanceDestroyユーティリティを実行し、使用可能なオプションをリストします。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory DatabaseリファレンスのttInstanceDestroyを参照してください。
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ノート: -forceオプションを指定すると、確認を求めずに操作が完了します。 |
例4-5 ttInstanceDestroy: クライアント・インスタンスの破棄
この例では、ttInstanceDestroyユーティリティを対話形式で実行してクライアント・インスタンスを破棄します。ユーティリティはinstallation_dir/tt18.1.4.1.0/binディレクトリ(インスタンスのインストール・ディレクトリ)から実行されます。インスタンス・ホーム・ディレクトリ(timesten_home)には、インスタンスに関連付けられたインストール環境の最上位レベルのディレクトリへのシンボリック・リンクであるサブディレクトリ(/install)が含まれています。詳細は、インスタンス・ホームを参照してください。
%installation_dir/tt18.1.4.1.0/bin/ttInstanceDestroy ** WARNING ** The uninstallation has been executed by a non-root user. If the TimesTen daemon startup scripts were installed, you must run $TIMESTEN_HOME/bin/setuproot -uninstall to remove them. If you proceed with this uninstallation, you will have to remove the startup scripts manually. ** WARNING ** All files in the directory: /scratch/ttuser/clientmac will be removed, including any file that you or other users may have created. Are you sure you want to completely remove this instance? [ yes ] yes Installation will remove all the files from /scratch/ttuser/clientmac. Do you want to continue? [ yes ] yes NOTE: /scratch/ttuser/clientmac/info contains information related to the data stores that have been created with this release. If you remove /scratch/ttuser/clientmac/info you will no longer be able to access your data stores, nor would you be able to restore nor migrate your data. NOTE: /scratch/ttuser/clientmac/conf contains information related to the instance configuration. /scratch/ttuser/clientmac Removed The TimesTen instance clientmac has been destroyed.
クライアント・インストール環境を削除(アンインストール)するには、インスタンス管理者が次のステップを実行します。
TimesTenインストール環境の下に、Timestenインスタンス、データベースまたは重要なファイルがないことを確認します。
このインストール環境を使用しているTimesTenインスタンスがないことを確認します。(TimesTenはTimesTenのインストール環境またはインスタンスのインベントリを保持しないため、これを自動的に行う方法はありません。)
インストール環境を使用するインスタンスがある場合は、インストール環境を削除する前に、別のインストール環境を指すようにインスタンスを変更するか、削除する必要があります。詳細は、「TimesTenクライアント・インスタンスの変更」を参照してください。
chmod -Rコマンドなどを使用して、インストール環境への書込み権限を付与します。たとえば、TimesTen 18.1.4.1.0インストール環境が解凍されたインストール・ディレクトリから、次のコマンドを実行します。
% chmod -R 750 installation_dir/tt18.1.4.1.0
rm -rfコマンドなどを使用して、tt18.1.4.1.0ディレクトリおよびそこに含まれているすべてのファイルとサブディレクトリを削除します。インストール・ディレクトリから、次のコマンドを実行します。
% rm -rf installation_dir/tt18.1.4.1.0
インストール・ディレクトリが空の場合は、必要に応じて削除します。
