21 Oracle Real-Time Integration Business Insightを使用したドキュメントの拡張

ドメインを拡張して、ビジネス・ユーザー向けに設計されたアプリケーション、Oracle Real-Time Integration Business Insightを追加できます。このアプリケーションを使用すると、ユーザーはWebベースのダッシュボードおよびレポートを使用して、ビジネスレベルのメトリックをモデル化、収集およびモニターできます。

この章の内容は次のとおりです。

Business Insightの構成時に使用される変数

この章のタスクを実行する際には、この項にリストされているディレクトリ変数を参照します。

いくつかのディレクトリ変数の値については、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」に定義されています。

  • ORACLE_HOME

  • ASERVER_HOME

  • MSERVER_HOME

  • WEB_DOMAIN_HOME

さらに、「エンタープライズ・トポロジによって必要とされる物理および仮想IPアドレス」で定義されている仮想IP (VIP)アドレスを参照してください。

  • ADMINVHN

この章で説明するアクションは、次のホスト・コンピュータで実行されます。

  • SOAHOST1

  • SOAHOST2

  • WEBHOST1

  • WEBHOST2

  • BAMHOST1

  • BAMHOST2

Oracle Insightをドメインに追加するための前提条件

Oracle Insightを既存のOracle SOA Suiteドメインに追加する前に、前提条件が満たされていることを確認してください。

Oracle Insightをドメインに追加するためのインストール要件について

この章では、図3-2に示すように、Oracle SOA Suite (SOA、OSB、BPMおよびBAM)がすでに実行中のドメインでOracle Real-Time Integration Business Insightを構成することを前提としています。

デフォルトのOracle SOA SuiteおよびOracle Real-Time Integration Business Insightトポロジでは、Oracle InsightをBAM Managed Serversにターゲット指定します。ビジネス・メトリックを収集するために、InsightsエージェントもOSBおよびSOAサーバーにデプロイします。『Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールと構成』で、Oracle Real-Time Integration Business Insightドメインの構成に関する項を参照してください。サービス移行、JDBCストア、WebLogicプロキシ・プラグイン、SOAサーバーおよびその他の構成に関する推奨のベスト・プラクティスが、既存のBAMサービスにはすでに適用されていることを前提にしています。

次の項を参照してください。

デフォルトのトポロジでは、Oracle InsightはOracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Managementディストリビューションに含まれているため、Oracle Insightをインストールする必要はありません。Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの理解に示すように、Oracle InsightはOracle SOA Suiteのインストール時にOracleホーム・ディレクトリにインストールされます。

Oracle Insightのデータベース・スキーマ要件について

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行して、必要なOracle BAMスキーマおよびSOAスキーマを作成すると、データベースに、Oracle Insightに必要なスキーマが作成されます。そのため、Oracle Insightを対象にRCUを実行する必要はありません。

既存のインストールのバックアップ

既存のFusion Middlewareホームとドメインをバックアップしていない場合は、今すぐバックアップします。

既存のFusion Middlewareホームとドメインをバックアップするには、エンタープライズ・デプロイメントのバックアップとリカバリの実行を参照してください。

Oracle Insightをドメインに追加するためのロードマップ

Oracle Real-Time Integration Business Insight用にSOAドメインを拡張する前に、ドメインの拡張のために実行する必要がある、大まかなステップを把握しておいてください。

ステップ 説明 詳細情報

構成ウィザードによる、管理サーバー・ドメイン・ホーム内のドメインの拡張

Oracle Insightコンポーネントを追加するために、SOAドメイン拡張します。

Oracle Real-Time Integration Business Insightを追加するためのSOAドメインの拡張

管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリへのドメイン構成の伝播

Oracle Insightでは、WebLogic Serverの起動スクリプトに多少の更新が必要です。これらの変更は、packコマンドとunpackコマンドを使用して伝播させます。

ドメイン・ディレクトリおよびマシンへの拡張済ドメインの伝播

Oracle Insight管理グループへのSOA管理者ロールの追加

このステップにより、一連の資格証明を使用して、様々な製品固有の管理ユーティリティにアクセスできます。

Oracle Insight管理グループへのエンタープライズ・デプロイメント管理ユーザーの追加

関係するサーバーの起動

Oracle Insightサーバーにより、既存のドメインが拡張されます。そのため、管理サーバーおよびそれぞれのノード・マネージャはSOAHOST1およびSOAHOST2で稼働しています。

管理対象サーバーの起動

WLS_BAM管理対象サーバーの検証

管理コンソールに表示されるサーバーのステータスが「実行中」であることを確認し、URLにアクセスしてサーバーのステータスを確認します。

Insight追加後の管理対象サーバーの検証

WLS_BAM管理対象サーバーに対するOracle HTTP Serverの更新

Oracle HTTP ServerがOracle Insightにルーティングできるようにするには、必要なディレクティブをOracle HTTP Serverの構成ファイルに追加して、WebLogicClusterパラメータをクラスタ内のノードの一覧に設定します。

WLS_BAM管理対象サーバーに対するOracle HTTP Serverの構成

WebLogic Serverプロキシ・プラグインの構成

Oracle Insightに対してWebLogic Serverプロキシ・プラグインを有効にします。

WebLogicプロキシ・プラグインの構成

Oracle HTTP Serverを介したアクセスの検証

サーバーのステータスが「実行中」であることを確認します。

ハードウェア・ロード・バランサを介したOracle Insightへのアクセスの検証

Oracle Real-Time Integration Business Insightを追加するためのSOAドメインの拡張

この項では、Oracle Real-Time Integration Business Insightを追加して、既存のエンタープライズ・デプロイメントのSOAドメインを拡張する手順について説明します。

ドメインを拡張するには、次のタスクを実行する必要があります。

構成ウィザードの起動

注意:

ドメインで起動スクリプトに直接カスタマイズを追加した場合、それらのカスタマイズは構成ウィザードによって上書きされます。ドメイン内のすべてのサーバーに適用されるサーバー起動パラメータをカスタマイズするには、setUserOverridesLate.shというファイルを作成して構成します。たとえば、WebLogic Serverクラスパスにカスタム・ライブラリを追加し、サーバーを実行するための追加のJAVAコマンドライン・オプションを指定するか、追加の環境変数を指定します。このファイルに追加されたカスタマイズはドメインのアップグレード操作中に保存され、PackおよびUnpackコマンドを使用する際にリモート・サーバーに継承されます。

ドメインの構成を開始するには:

  1. WebLogic Serverコンソールから、このドメイン拡張により変更される管理対象サーバーを停止します。影響を受けない管理対象サーバーは、オンラインのままにすることができます。

    注意:

    Oracle Insightコンポーネントのこの特定のドメインは、WLS_BAMn、WLS_SOAn、WLS_OSBnの各管理対象サーバーを変更します。サーバーをシャットダウンしたことを確認してください。

  2. ドメインの構成中に、構成のロック、保存、アクティブ化が行われないように、管理サーバーを停止します。
  3. 次のディレクトリに移動し、WebLogic Server構成ウィザードを起動します。
    ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin 
    ./config.sh 

Oracle Insightの構成ウィザード画面のナビゲート

このステップでは、Business Activity Monitoringを含めるドメインの拡張で作成したドメインを拡張して、Oracle Real-Time Integration Business Insightコンポーネントを追加します。

ドメイン作成および構成には次のタスクが含まれます。

タスク1   ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。

「ドメインの場所」フィールドで、ASERVER_HOME変数の値を選択します。これは、「エンタープライズ・デプロイメント用の初期インフラストラクチャ・ドメインの作成」で作成した管理サーバー・ドメイン・ホームの完全なパスを表します。

ディレクトリの場所の変数の詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください

ヒント:

この画面に示されるその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成タイプに関する項を参照してください。

タスク2   構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面で「製品テンプレートを使用してドメインを更新」が選択されていることを確認した後に、次のテンプレートを選択します。

  • Insight SOAエージェント - 12.2.1.3.0 [soa]

  • Insight Service Busエージェント - 12.2.1.3.0 [osb]

  • Insight - 12.2.1.3.0 [soa]

「次」をクリックします。

タスク3   GridLink Oracle RACデータベース接続の詳細情報の指定

ドメインに必要なFusion Middlewareスキーマを参照するためのドメインをすでに構成済であるため、すべてのフィールドが事前移入されています。Insightは既存のSOAのデータソースを使用するため、新しいデータソースをドメインに追加する必要はありません。

注意:

拡張前に作成されたカスタム・データソース(リース・データソースなど)は、この画面の前に表示されます。「データソース」行を確認し、「次へ」をクリックします。テスト・データソース画面で、その妥当性が確認されます。「次」をクリックします。

タスク4   JDBC接続のテスト

「JDBCデータ・ソースのテスト」画面で、すべての接続が正常であることを確認します。

接続のテストは自動的に行われます。「ステータス」列に結果が表示されます。正常でない接続がある場合は、「前へ」をクリックして前の画面に戻り、入力を訂正します。

すべての接続に成功したら「次へ」をクリックします。

タスク5   拡張構成の選択

「次へ」をクリックして、続行します。

タスク6   構成の仕様の確認とドメインの構成

「構成のサマリー」画面には、拡張しようとする構成情報の詳細が含まれます。この画面に示された各項目の詳細を調べて、情報に間違いがないことを確認します。

変更が必要な場合は、「戻る」ボタンを使用するか、ナビゲーション・ペインで画面を選択することで、任意の画面に戻れます。

「更新」をクリックして、ドメインの拡張を実行します。

終了したら、「構成の進行状況」画面で「次へ」をクリックします。

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成サマリーに関する項を参照してください。

タスク7   ドメイン・ホームと管理サーバーURLのメモ

「構成に成功しました」画面には、構成したばかりのドメインについて、次の項目が表示されます。

  • ドメインの場所

  • 管理サーバーURL

どちらの項目も後で必要になるため、メモしておく必要があります。ドメインの場所は、管理サーバーの起動に使用するスクリプトへのアクセスで必要になります。また、URLは管理サーバーへのアクセスで必要になります。

「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。

タスク8   管理サーバーの起動

管理サーバーを起動して、ドメインに行った変更が適用されたことを確認します。

ドメイン・ディレクトリおよびマシンへの拡張済ドメインの伝播

Insightコンポーネントを含めることでドメインを拡張し、SOAHOST1上の管理サーバーを再起動したら、そのドメイン変更をドメイン・ディレクトリおよびマシンに伝播する必要があります。

次の表は、変更をすべてのドメイン・ディレクトリとマシンに伝播するために必要なステップをまとめたものです。

タスク 説明 詳細情報

SOAHOST1での拡張済ドメインの圧縮

packコマンドを使用して、新しいBAMサーバー構成が含まれる新しいテンプレートJARファイルを作成します。

ドメインを圧縮する場合は、insightdomaintemplateExtBAM.jarというテンプレートJARファイルを作成します。

SOAHOST1での拡張済ドメインの圧縮

SOAHOST1の管理対象サーバー・ディレクトリでのドメインの解凍*

SOAHOST1のローカル記憶域上の管理対象サーバー・ディレクトリにテンプレートJARファイルを解凍します。

SOAHOST1の管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリでのドメインの解凍

SOAHOST2でのドメインの解凍

SOAHOST2のローカル記憶域上の管理対象サーバー・ディレクトリにテンプレートJARファイルを解凍します。

SOAHOST2でのドメインの解凍

*個別のホストでOracle BAMを構成する場合は、すべてのノード、つまりBAMHOST1、BAMHOST2、SOAHOST1,およびSOAHOST2でドメインを解凍します。

Insight追加後の管理対象サーバーの起動と検証

Insightでドメインを拡張したら、サーバーを再起動し、管理者グループにInsightAdminロールを追加して、InsightとBAMのURLへのアクセスを検証する必要があります。

管理対象サーバーの起動

ドメインの拡張、管理サーバーの再起動、およびドメインの他のホストへの伝播を完了したら、構成したSOA、OSBおよびBAMサーバーを起動します。

  1. Fusion Middleware Controlログイン画面を表示するには、ブラウザに次のURLを入力します。
    http://ADMINVHN:7001/em
    
  2. 管理サーバー資格証明を使用してFusion Middleware Controlにログインします。
  3. 「ターゲット・ナビゲーション」ペインで、ドメインを開き、ドメイン内の管理対象サーバーを表示します。
  4. SOA、OSBおよびBAM管理対象サーバーを選択し、Oracle WebLogic Serverツールバーで「起動」をクリックします。

    注意:

    BAMサーバーは、ポリシー・アクセス・サービスに依存して機能するため、BAMサーバーが起動する前に、ドメイン内のWSM-PM管理対象サーバーが稼働し、アクセス可能な状態になっている必要があります。

AdministratorsグループへのInsightAdminロールの追加

起動操作が完了し、管理対象サーバーのOracle Insight構成を検証する前に、InsightAdmin管理ロールをエンタープライズ・デプロイメントの管理グループ(SOA Administrators)に追加します。

このタスクを実行するには、「Oracle SOA Suite製品の管理のためのロールの構成」を参照してください。

Insight追加後の管理対象サーバーの検証

管理対象サーバーを起動し、管理者グループにInsightAdminロールを追加するとき、InsightとBAMのURLへのアクセスを検証します。

注意:

クラスタ用のフロントエンド・アドレスが構成されている場合は、Insightを正しく検証するために、Web層(OHSまたはOTD)に必要なURLが定義されていることを確認してください。

  1. 「ドメイン」ホーム・ページに移動し、BAM、SOAおよびOSBの管理対象サーバーが稼働中であることを確認します。
  2. Insightソフトウェアが適切に構成されていることを確認するために、ブラウザに次のURLを入力します。
    http://SOAHOST1:9001/insight/
    http://SOAHOST2:9001/insight/

    個別のホスト・コンピュータでOracle Insightを構成した場合は、SOAHOST1ではなく、BAMHOST1をURLに入力します。

    Insightsのログイン画面が表示されます。weblogic_soaログイン資格証明を入力します。「インサイト」画面が表示されます。
  3. SOAおよびOSBサーバーでInsightエージェントを検証する場合は、次のURLを使用します。
    1. ブラウザに次のURLを入力します。
      http://SOAHOST1:8001/insight-soa/
      http://SOAHOST2:8001/insight-soa/

      procmon warへようこそというメッセージが表示されます。

    2. ブラウザに次のURLを入力します。
      http://SOAHOST1:8011/insight-osb/resources/application.wadl/
      http://SOAHOST2:8011/insight-osb/resources/application.wadl/

      weblogic_soaログイン資格証明を入力します。

      注意:

      静的または動的クラスタへの割当てに従って、適切なポート番号を使用してください。「計算済リスニング・ポート」オプションが選択されている動的クラスタの場合、作成する動的管理対象サーバーごとに増分でポート番号が割り当てられます。

  4. BAMを確認するには、WLS_BAM1およびWLS_BAM2の同等のURLにアクセスします。
    1. ブラウザに次のURLを入力します。
      http://SOAHOST1:9001/bam/composer
      http://SOAHOST2:9001/bam/composer
      BAMコンポーザのログイン画面が表示されます。ログイン資格証明を入力します。BAMコンポーザのメニューが表示されます。
    2. ブラウザに次のURLを入力します。
      http://SOAHOST1:9001/inspection.wsil
      http://SOAHOST2:9001/inspection.wsil

      weblogic_soaログイン資格証明を入力します。リンクのリストが表示されます。

    注意:

    個別のホスト・コンピュータでOracle BAMを構成した場合は、SOAHOSTnではなく、BAMHOSTnをURLに入力します。

拡張したドメイン用のWeb層の構成

Web層のWebサーバー・インスタンスを構成して、拡張したドメイン内の適切なクラスタにパブリックURLと内部URLの両方に対するリクエストをインスタンスでルーティングできるようにします。

考えられるスケールアウト・シナリオの準備での追加のステップは、クロス・コンポーネント・ワイヤリング情報の更新を参照してください。

拡張したドメイン用のOracle Traffic Directorの構成

このドメインでOracle Traffic Directorを構成した場合、状況によっては、Oracle Traffic Director構成に別のオリジン・サーバー・プール、仮想サーバーまたはルートを追加する必要があります。各Oracle Fusion Middleware製品のOracle Traffic Directorの要件を理解するための情報と、オリジン・サーバー・プール、仮想サーバーおよびルートを追加する手順は、エンタープライズ・デプロイメント用のOracle Traffic Director仮想サーバーの定義を参照してください。

WLS_BAM管理対象サーバーに対するOracle HTTP Serverの構成

Oracle HTTP Serverインスタンスの構成ファイルに対して次の変更を行い、Web層のOracle HTTP Serverインスタンスが、Oracle SOA、OSBおよびBAMクラスタ上のOracle InsightソフトウェアにOracle Insightのリクエストを正しくルーティングできるようにします。

これらの手順は、Oracle SOA Suiteと同じホストでOracle BAM/Insightを構成することを前提にしています。Oracle BAMおよびInsight用に別個のホストを使用する場合は、SOAHOSTコンピュータではなくBAMHOSTコンピュータを参照するように、Oracle HTTP Server構成ファイル内のWebLogicClusterパラメータを変更する必要があります。

Oracle HTTP ServerがOracle Insightにリクエストをルーティングできるようにする手順:

  1. WEBHOST1にログインし、ディレクトリを最初のOracle HTTP Serverインスタンス(ohs1)の構成ディレクトリに変更します。
    cd WEB_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs1/moduleconf
    
  2. 次のディレクティブを、soa_vh.confファイルの<VirtualHost>タグ内に追加します。

    注意:

    個別のホストでBAMが構成されている場合。SOAHOST1SOAHOST2をそれぞれBAMHOST1とBAMHOST2に置き換えます。

    <Location /insight >
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:9001,SOAHOST2:9001
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
    <Location /insight-soa>
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:8001,SOAHOST2:8001
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
    
  3. 次のディレクティブを、osb_vh.confファイルの<VirtualHost>タグ内に追加します。
    <Location /insight-osb/resources/>
      WLSRequest ON
      WebLogicCluster SOAHOST1:8011,SOAHOST2:8011
      WLProxySSL ON
      WLProxySSLPassThrough ON
    </Location>
  4. WEBHOST2にログインし、ディレクトリを次の場所に変更して、2番目のOracle HTTP Serverインスタンス(ohs2)の構成ファイルを更新できるようにします。
    cd WEB_DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/ohs2/moduleconf
    
  5. soa_vh.confファイルを開き、ディレクティブを<VirtualHost>タグに追加します。
  6. osb_vh.confファイルを開き、<VirtualHost>タグにディレクティブを追加します。
  7. WEBHOST1とWEBHOST2上のOracle HTTP Serverインスタンスを再起動します。

ハードウェア・ロード・バランサを介したOracle Insightへのアクセスの検証

Oracle Insight URLが、ハードウェア・ロード・バランサからのリクエストを、Oracle HTTP Serverインスタンスを経て中間層のOracle Insightソフトウェアに、正常にルーティングしていることを確認します。

この手順では、Oracle Insightが構成されている管理対象サーバーのフェイルオーバーをテストすることもできます。

URLを検証する手順は次のとおりです。

  1. WLS_BAM1管理対象サーバーが稼働中は、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、WLS_BAM2管理対象サーバーを停止します。
  2. 次のURLにアクセスし、「WLS_BAM1管理対象サーバーの起動」で示すように、HTTPレスポンスを検証します。
    https://soa.example.com/insight
    
  3. 次のURLにアクセスして、Insightエージェントが予想どおりに実行されていることを確認します。
    • https://soa.example.com/insight-soa

      資格証明を使用してログインすると、次のメッセージが表示されます。
      "Welcome to procmon war"
    • https://osb.example.com/insight-osb/resources/application.wadl

      資格証明を使用してログインすると、wadlコンテンツが表示されます。

  4. Oracle WebLogic Server管理コンソールでWLS_BAM2を起動します。
  5. Oracle WebLogic Server管理コンソールでWLS_BAM1を停止します。
  6. /insight URLに再度アクセスし、「WLS_BAM2管理対象サーバーの起動と検証」に示すように、HTTPレスポンスが有効であることを確認します。

InsightモデルへのJTA値の調整

複雑なInsightモデルのアクティブ化に伴うXA操作は、データベースにアクセスする際のレイテンシによる影響を受ける可能性があります。java.sql.SQLException: XA error: XAResource.XAER_NOTA start()などのXA例外が、Insightサーバーのログに記録される可能性があります。こうした例外がある場合は、JTAタイムアウト時間を増やして、アクティブ化完了までの遅延に対処する必要があります。通常は、BamDataSourceのタイムアウトを増やせば十分です。

JTAタイムアウト時間を増やすには、次のステップを実行します。

  1. WebLogicコンソールにログインします。
  2. 「データ・ソース」リンクをクリックします。
  3. 表に表示されるデータ・ソースからBamDataSourceを選択します。
  4. 「トランザクション」タブに移動します。
  5. 「XAトランザクション・タイムアウトの設定」を有効にします。
  6. 「XAトランザクション・タイムアウト」をゼロ(0)に設定します。

この手順で、BamDataSource JTAタイムアウトは、ドメイン・タイムアウトと同じ値に設定されます。デフォルトで30秒です。ただし、適切な動作のためには、データベースでグローバル・ドメインとDistributed_Lock_Timeoutの調整が必要になる場合があります。汎用的なルールとして、データベースのDistributed_Lock_TimeoutはXA DSタイムアウトより大きくなければならず、XA DSタイムアウトはドメインの「グローバル・トランザクション・タイムアウト」以上である必要があります。トランザクションの処理とトランザクション・タイムアウトの管理については、『WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』トランザクションの概要に関する項を参照してください。

構成のバックアップ

Oracleのベスト・プラクティスとしては、ドメインの拡張が正常に完了した後や別の論理ポイントでバックアップを作成することをお薦めします。インストールが正常に行われたことを確認したら、その時点までのバックアップを作成します。後のステップで問題が発生した場合、即座にリストアするために迅速なバックアップが使用されます。

バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了すると、このバックアップは破棄できます。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了したら、バックアップとリカバリの通常のデプロイメント固有プロセスを開始できます。

構成をバックアップする方法の詳細は、「SOAエンタープライズ・デプロイメントにおけるバックアップとリカバリの実行」を参照してください。