出力セレクタ: 空でない最初の値

「空でない最初の値」出力セレクタでは、マージ対象のレコードを検索し、検出された空でない最初の値を出力属性の値として選択します。複数のデータ・ソースから入力レコードをマージする場合、マージされる値の優先ソースを指定するために、レコードが検査される順序を指定できます。

「空でない最初の値」出力セレクタは、あるデータ・ソースの値を他よりも優先する場合に使用します。たとえば、レコードを拡張するときに、参照データ表の値(空でない場合)を優先して使用する場合です。作業データの値が出力セレクタに入力されており、参照データ表の属性の値が空の場合は、作業データの値のみが選択されます。

また、特定のビジネス・ルールを使用してデータを選択する方法がなくても、各出力属性になんらかのデフォルト出力値を設定する必要があり、出力を手動でレビューして値が正しいことをチェックする必要がある場合も、「空でない最初の値」セレクタを使用できます。これにより、必要な出力を解決するための時間を短縮できます。

1つのデータ・ソースを使用し、各グループに複数のレコードが含まれる場合、「空でない最初の値」セレクタでは、数値属性の場合は最低値、日付属性の場合は最早日付、文字列属性の場合はアルファベット順にソートされた最初の値が選択されます。これにより、同じ照合プロセスが複数回実行されても、出力選択が確定的になります。

次の表に、構成オプションを示します。

構成 説明

入力

入力データ・セットからの任意のタイプの属性。

オプション

なし。出力選択には、入力属性の順序が重要です。属性を順番に入力すると、選択では1番目の属性が優先され、1番目の属性に値がない場合のみ2番目の属性が使用されます。

この例では、信頼できる参照データ・ストリームから顧客の住所データを拡張する際に、「空でない最初の値」出力セレクタを使用してPostCode属性の値を選択します。参照データ・ストリームが使用可能な場合は、ここから郵便番号を選択します。使用不可の場合は、作業データ内の元の郵便番号値を保持します。このため、両方のPostCode属性を入力しますが、出力セレクタは参照データ・ストリームを最初に使用します。

出力例

次の表に、前述のように構成された「空でない最初の値」セレクタを使用した出力の例を示します。

表1-103 「空でない最初の値」セレクタを使用した出力の例

参照データ・ストリームからの入力値 作業データ・ストリームからの入力値 出力値

CB4 1UW

CB4 1YW

CB4 1UW

CB4 3DD

CB4 3DD

CB4 3DD

CB4 0WS

null

CB4 0WS

null

SW11 5QB

SW11 5QB

null

null

null (注意を参照)

注意:

出力でnull値が選択されたとき、出力属性に対して「Nullの許可」設定の選択が解除されている場合のみ選択エラーとみなされます。そうでない場合、null値の選択は正しいとみなされます。