9.4 ポリシー・セットの管理

Oracle Database QoS Managementシステムを初めて構成するか、新しいポリシー・セットを作成するかにかかわらず、ポリシー・セットの作成にはポリシー・セットの作成ウィザードを使用します。

既存のポリシー・セットを変更するにはポリシー・セットの編集ウィザードを使用します。

ノート:

新しいポリシー・セットを作成することに決めた場合は、既存のパフォーマンス・ポリシーとユーザーが追加したパフォーマンス・クラスをすべて再作成する必要があります。格納されているポリシー・セットに対して行った変更は、ポリシー・セット・ウィザードの最後のページで「ポリシー・セットの発行」をクリックするまで保存されません。

9.4.1 ポリシー・セットの編集

システムのポリシー・セットを変更できます。

既存のポリシー・セットを変更するには、次のステップを実行します。

  1. クラスタ・ターゲット・メニューから、「管理」「サービスのクオリティ管理」「ポリシー・セットの編集」の順に選択します。

    ポリシー・セット・エディタ・ウィザードが開始します。

  2. ポリシー・セット・エディタ・ウィザードの最初のページで、現在のサーバー・プール設定を確認できます。

    このページで、Oracle Database QoS Managementで管理するサーバー・プールを指定します。サーバー・プールの「管理」ボックスが選択解除されている場合、そのサーバー・プールを使用するサーバー、データベースまたはワークロードはOracle Database QoS Managementによって表示または管理されません。「詳細」列には、構成違反の詳細と、サーバー・プールの管理を有効にするために実行する修正処理が表示されます。

    終了したら、「次へ」をクリックします。

    「ポリシー・セット・エディタ: パフォーマンス・クラス」ページが表示されます。
  3. 2番目のページでは、システムのパフォーマンス・クラスを作成、編集、名前変更または削除できます。新しいパフォーマンス・クラスを作成するか、「パフォーマンス・クラスの編集」ボタンを使用して既存のパフォーマンス・クラスの分類子を変更できます。

    「すべてを開く」リンクを使用して各パフォーマンス・クラスの分類子を表示するか、個々のパフォーマンス・クラス・エントリを展開してそのパフォーマンス・クラスの分類子のみを表示できます。

    編集するパフォーマンス・クラスを選択し、適切なアクション・ボタン(「パフォーマンス・クラスの編集」「パフォーマンス・クラス名の変更」、または「パフォーマンス・クラスの削除」)をクリックします。このポリシー・セットのパフォーマンス・クラスを作成する場合は、「パフォーマンス・クラスの追加」をクリックします。

    終了したら、「次へ」をクリックします。

  4. パフォーマンス・クラスを作成または変更した後、次のステップは分類子の評価順序の設定です。

    分類子は作業リクエストが配置されるパフォーマンス・クラスを決定するため、このステップは非常に重要です。パフォーマンス・クラスを選択し、分類子の右にある矢印キーを使用してリスト内のエントリを上下に移動します。

    作業リクエストがシステムに入ると、作業リクエストが分類子に照らして評価されます。最初にTRUEに評価された式によって、作業リクエストが属するパフォーマンス・クラスが決まります。よりきめ細かな分類子をリストの上部に配置し、より汎用的な分類子をリストの下部に配置する必要があります。

  5. パフォーマンス・クラスの順序を設定した後、次のステップはパフォーマンス・ポリシーの編集とパフォーマンス目標の設定です。

    このページでは、次の処理を実行できます。

    • 新しいパフォーマンス・ポリシーの作成

    • 既存のパフォーマンス・ポリシーの編集、コピーまたは削除

    • QoS Managementで自動的に実装できるリソース割当て方法を指定します。

    ノート:

    DefaultPolicyパフォーマンス・ポリシーは変更できませんが、このポリシーをコピーし、新しいパフォーマンス・ポリシーの基礎として使用できます。

  6. パフォーマンス・ポリシーを構成した後で、ポリシー・セットの発行直後に有効にするパフォーマンス・ポリシーを選択する必要があります。

    優先するパフォーマンス・ポリシーを選択し、「ポリシーの設定」をクリックします。終了したら、「次へ」をクリックします。

  7. ポリシー・セットをOracle Database QoS Managementシステムに発行する前に、ポリシー・セット構成の確認を求められます。
    • 変更が意図したとおりの場合は、「ポリシー・セットの発行」をクリックします。
    • 表示されている設定のいずれかを変更する必要がある場合は、「戻る」または「取消」ボタンをクリックします。

    「ポリシー・セットの発行」をクリックすると、ダッシュボードに戻ります。

9.4.2 ポリシー・セットへのサーバー・プールの追加

サーバー・プールは、クラスタまたはデータベース管理者がOracle Enterprise Manager Cloud ControlまたはServer Control (SRVCTL)を使用して作成します。

関連項目:

9.4.3 サーバー・プール設定の変更

サーバー・プール設定を変更するには、ポリシー・セットに対してサーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを構成します。

サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドを構成した場合は、サーバー・プールの作成時に指定したパラメータのかわりに、サーバー・プールに対して指定する新しいパラメータが使用されます。

ノート:

リストされているサーバー・プールの最小および最大設定は変更できますが、このインタフェースを使用して追加のサーバー・プールを作成することはできません。ここで行った変更は、発行された後、関連付けられたパフォーマンス・ポリシーがアクティブな場合、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの「サーバー・プールの管理」セクションの現在のサーバー・プール・プロパティ設定を変更します。

  • Oracle Enterprise Manager Cloud ControlまたはSRVCTLの「サーバー・プールの管理」ページを使用して、サーバー・プール・パラメータを手動で変更できます。
    Oracle Database QoS Managementを有効にした場合は、この方法を使用してサーバー・プール構成を変更しないでください。サーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドとサーバー・プール構成の手動変更の両方を使用すると、現在のポリシー・セットに対して指定したサーバー・プールのディレクティブ・オーバーライドによって手動設定がオーバーライドされるため、混乱が生じることがあります。

9.4.4 ポリシー・セットへのデータベース・サービスの追加

追加サービスを作成して、新規サービスの使用を特定のアプリケーションまたはユーザーに制限することで、より詳細なレベルでワークロード・パフォーマンスを監視できます。

データベース・サービスをポリシー・セットに追加するには、新規データベース・サービスごとにパフォーマンス・クラスを作成または変更する必要があります。
  1. データベース管理者は、SRVCTLまたはOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、Oracle Clusterwareで管理するデータベース・サービスを作成します。Enterprise Manager Cloud Controlの「データベース・ターゲット」ページの「可用性」メニューを使用して、Oracle RACデータベースのサービスを作成できます。
  2. QoS管理者は、ポリシー・セットに1つ以上のパフォーマンス・クラスを追加するか、新しいデータベース・サービスを含むように既存のパフォーマンス・クラスを変更します。

ノート:

Oracle Database QoS Managementにはデータベース・サービスがdb_name:service_nameとして表示されるため、サービス名はデータベース内で一意である必要があります。

9.4.5 ポリシー・セットを更新して新規データベースを追加

新しいデータベースをクラスタに追加すると、Oracle Database QoS Managementを構成して、このデータベースのワークロードを管理または監視できます。

  1. データベース管理者は、最初にクラスタ・データベースをサーバーにホストするようクラスタまたはシステム管理者にリクエストします。
  2. クラスタまたはデータベース管理者は、指定された最小ノード数で新しいサーバー・プールを作成します。
    クラスタまたはデータベース管理者は、新しいサーバー・プールを作成するかわりに、既存のサーバー・プールへのアクセス権を付与することもできます。
  3. データベース管理者は、割り当てられたサーバー・プールに新しいデータベースを作成します。
    データベース管理者は、Oracle Database QoS Managementで管理するように新しいデータベースが適切に構成されていることを確認します。
  4. データベース管理者は、SRVCTLまたはOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、Oracle Clusterwareが新しいデータベースについて管理するデータベース・サービスを作成します。
  5. データベース管理者は、Cloud Controlの「データベース・ターゲット」ページからデータベースでOracle Database QoS Managementを有効にします。
  6. Cloud Controlの「ポリシー・セットの編集」リンクを使用して、QoS管理者は、「ポリシー・セット」に新しいサーバー・プールを追加、「ポリシー・セット」に1つ以上のパフォーマンス・クラスを追加、または新しいデータベース・サービスを含むように既存のパフォーマンス・クラスを変更します。
  7. 新しいポリシー・セットの発行を完了すると、Oracle Database QoS Managementによって新しいデータベースが監視および管理されます。
  8. オプションqosctl qosadmin -updatepolicysetを使用して、コマンド行からポリシー・セットを更新できます。これは、サイレント・モードで、またはスクリプトを実行して、新しいデータベースやサービスを追加する場合に便利です。