2 必要な外部ソフトウェア・コンポーネントのインストール

この章では、EDQをサポートするソフトウェア・コンポーネントのインストール方法について説明します。

ノート:

これらのソフトウェア・コンポーネントは、EDQをインストールする前にインストールする必要があります。

この章の内容は次のとおりです。

手順の前提条件

この項の手順を実行する前に、まず「Enterprise Data Qualityインストールの計画」を読んで要件を満たしてください

EDQをサポートするJava Development Kitのインストール

EDQおよびアプリケーション・サーバーは、両方Java Development Kit (JDK)に依存しています。JDKでは、Javaアプリケーションのコンパイルおよびデバッグを行うためのJavaランタイム環境(JRE)およびツールが提供されます。

次の表を使用して、適切なJDKを識別し、EDQをインストールしているプラットフォームにインストールします。

プラットフォーム 使用するJDK

AIX

IBM JDK。これはAIXでサポートされるJDKのみです。

HP-UX

HP JDK

Solaris

Oracle JDK

Linux

Oracle JDK

Windows

Oracle JDK

プラットフォームごとにサポートされているJDKのバージョンについては、次に示すEnterprise Data Quality動作保証マトリックスを参照してください

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

次の場所で提供されている手順を使用して、適切なJDKをダウンロードしてインストールします

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html

ノート:

Solarisシステムでは、Javaアプリケーションを実行するために32ビットと64ビットの両方のJDKをインストールする必要があります。

JDKをインストールしたディレクトリをノートにとっておきます。アプリケーション・サーバーのインストール中にこのディレクトリを指定する必要があります。このディレクトリへのパスを、このドキュメントではJDK_HOMEディレクトリと示します。たとえば、JDK_HOMEは次のいずれかになる可能性があります。

LinuxおよびUNIX:

/opt/jdk1.8

Windows:

C:\Program Files\Java\jdk1.8

ノート:

デフォルトのインストール・ディレクトリC:\Program Files\Java\jdk1.8のように、JDK_HOMEディレクトリに空白が含まれている場合は、C:\Progra~1\Java\jdk1.8のように、JAVA_HOME環境変数をディレクトリのWindows短縮名に設定する必要があります。

EDQをサポートするアプリケーション・サーバーのインストール

最大セキュリティの場合、アプリケーション・サーバー(Oracle WebLogic ServerまたはApache Tomcat)を構成して、HTTPSのみを使用する必要があります。暗号化されていないHTTPアクセスを無効化する必要があります。HTTPSが提供されるOracle HTTP ServerまたはApache HTTP Serverなどのフロントエンドをかわりに使用できます。

次のアプリケーション・サーバーのいずれかを選択してダウンロードします。

ノート:

選択したアプリケーション・サーバーにより使用できるデータベースが決まります。Oracle WebLogic Serverでは、Oracle Databaseを使用し、Oracle Fusion Middleware環境にEDQをインストールする必要があります。Apache Tomcatでは、Oracle DatabaseまたはPostgreSQL Databaseのどちらも使用でき、スタンドアロン・アプリケーションとしてEDQをインストールできます。PostgreSQLは本番の使用でサポートされていません。

Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール(Oracle WebLogic Serverを含む)

Oracle WebLogic Serverにインストールする場合、Oracle WebLogic ServerおよびJRFの両方をインストールします。このリリースのEDQでサポートされているWebLogic Serverバージョンを表示するには、次に示すEnterprise Data Quality動作保証マトリックスを参照してください

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

Oracle WebLogic ServerおよびJRFをダウンロードおよびインストールするには、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』を参照してください。

ノート:

Fusion Middleware Infrastructureインストーラを使用します。無料のWebLogic Serverディストリビューションを開発者に使用しないでください。このインストーラにはEDQに必要なすべてのファイルが含まれていません。

WebLogic Serverインストールへのディレクトリ・パスを、このドキュメントではWLS_HOMEディレクトリと示します。

Apache Tomcatのインストール

このリリースのEDQでサポートされているTomcatバージョンを表示するには、次に示すEnterprise Data Quality動作保証マトリックスを参照してください

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

Apache Tomcatをダウンロードおよびインストールするには、次に示すApache Software Foundation Server Webサイトに移動します。

http://tomcat.apache.org

Tomcatのインストール後に、次のタスクを実行します。

  1. EDQをサポートするJava Development KitのインストールでインストールしたJava Development Kit (JDK)を使用するようにTomcatを構成するには、ローカルのsetenv.shファイルにJDKパスを追加します。

  2. (推奨)Tomcatがサービスとして起動するように構成します。

  3. Tomcatを実行するオペレーティング・システム・ユーザーを作成します。このユーザーはEDQインストールおよび構成ディレクトリを所有する必要があります。このアカウントを使用して、EDQドメインを管理し、EDQアプリケーションにログインします。EDQのディレクトリの詳細は、「EDQディレクトリ要件」を参照してください

EDQをサポートするデータベースのインストール

この項には、EDQリポジトリを含むデータベースのインストールおよび構成に特有の情報が含まれます。

  • Oracle WebLogic ServerをEDQアプリケーション・サーバーとして使用している場合、Oracle Databaseをインストールする必要があります。

  • アプリケーション・サーバーとしてApache Tomcatを使用する場合、本番用にサポートされているデータベースはOracle Databaseです。PostgreSQLデータベースは、開発またはテスト目的でのみサポートされます。

サポートしているデータベースのバージョンを表示するには、次の場所を参照します。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

ノート:

「Oracle WebLogic Serverを使用したEnterprise Data Qualityの構成」または「Apache Tomcatを使用したEnterprise Data Qualityの構成」 (選択したアプリケーション・サーバーに応じて)でEDQを構成する際に、3つのスキーマと3人のユーザーを作成します。

EDQをサポートするOracle Databaseのインストール

サポートされるOracle Database製品およびインストール手順は、次に示すOracle DatabaseのWebサイトからダウンロードできます。

http://www.oracle.com

EDQをサポートするOracle Databaseの構成

次の構成要素は、EDQとともに使用するOracleデータベースをインストールまたは構成するときに、必須または推奨されます。

次が必須です。

  • 「データベースの作成と構成」インストール・オプションを選択します。

  • Unicode文字セットを使用するようにデータベースを構成し、EDQが文字セットの幅広い範囲のデータを取得および処理できるようにします。詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』「Unicodeを使用した多言語データベースのサポート」を参照してください。

  • EDQではデータベースにデータベース管理者(DBA)ユーザー・アカウントが必要です。このデータベース・アカウントは、インストールおよび構成プロセス中に、EDQに固有のデータベース・アカウントおよびオブジェクトを作成するために使用します。

次を推奨します。

  • EDQをサポートするためにOracleメモリー構造および表領域構成を指定する場合は、次の構成を選択することをお薦めします。

    • 4GBのプログラム・グローバル領域(PGA)

    • 4GBのシステム・グローバル領域(SGA)

    • 20GB undo表領域

    • 20GB temp表領域

    • 結果データベース(EDQRESULTSスキーマ)用の120GBの表領域(4x30GBファイル)

    • 構成データベース(EDQCONFIGスキーマ)用の30GBの表領域(1x30GBファイル)

  • SESSIONSおよびPROCESSESパラメータの値を大きくする必要がある場合があります。推奨値は次のとおりですが、これらのパラメータは、最適なパフォーマンスを得るために、後で調整が必要になる場合があります。

    SESSIONS=500

    PROCESSES=500

    これらの値の適切な設定の詳細は、データベース管理者に連絡してください。

EDQをサポートするPostgreSQLデータベースのインストール

PostgreSQL製品およびインストール手順は、次に示す公式のPostgreSQL Webサイトからダウンロードできます。

http://www.postgresql.org

ノート:

PostgreSQLがオペレーティング・システムに付属する場合、そのリリースがEDQでサポートされるリリースであるかどうかを、次に示す動作保証マトリックスで確認します。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

EDQをサポートするPostgreSQLデータベースの構成

次の構成要素は、EDQとともに使用するPostgreSQLデータベースをインストールまたは構成するときに、必須または推奨されます。

次が必須です。

  • PostgreSQL dataディレクトリ(var/lib/pgsql/data/postgresql.confなど)にある、postgresql.confファイルを編集して最大403の接続を許可します。

  • Unicode文字セットを使用するようにPostgreSQLデータベースを構成し、EDQが文字セットの幅広い範囲のデータを取得および処理できるようにします。詳細は、次に示すPostgreSQL Webサイトの「ドキュメント」リンクをクリックしてください。

    http://www.postgresql.org

  • EDQを使用してPostgreSQLデータベースを使用するには、データベース・リスニングを使用可能にする必要があります。「ローカル・データベース接続の確認」を参照してください

  • Linuxシステムでは、パスワード認証を使用するようにPostgreSQLを構成する必要があります。「Linuxシステムでのパスワード認証の有効化」を参照してください

次を推奨します。

Windowsにインストールする場合は、次に示すPostgreSQL Webサイトからダウンロードできるグラフィカル・インストーラを使用することをお薦めします。

http://www.postgresql.org

ダウンロード・ページの各オペレーティング・システムに、グラフィカル・インストーラへのリンクが用意されています。

ローカル・データベース接続の確認

この項では、PostgreSQLデータベースのローカル接続がデータベース・リスニングがオンになるように適切に構成されていること、またパスワードが認証で受け入れられることの確認方法について説明します。

  1. EDQデータベース・ユーザーとしてシステムにログインします。
  2. (Windowsのみ)MS-DOSコマンド・プロンプト(cmd.exe)を探し、実行します。
  3. データベース・サーバーが実行中であることを確認します。詳細は、次に示すPostgreSQL Webサイトでインストール済バージョンのPostgreSQLドキュメントを参照してください。
  4. PostgreSQL dataディレクトリに移動します。たとえば、Linuxの場合は/var/lib/pgsql/data、Windowsの場合はC:\Program Files\PostgreSQL\9.3\dataです。
  5. プラットフォームに応じて、次のいずれかのコマンドを入力して、pg_hba.confファイルを開きます。

    Linuxコマンドラインの場合

    tail pg_hba.conf

    Windowsコマンドラインの場合

    TYPE pg_hba.conf

    ファイルの内容が表示されます。次にその抜粋を示します。

    # TYPE  DATABASE        USER            ADDRESS                 METHOD
    # "local" is for Unix domain socket connnections only
    local  all              all                                     ident 
    
    # IPv4 local connections:
    host    all             all             127.0.0.1/32            md5
    # IPv6 local connections:
    host    all             all             ::1/128                 md5
    
  6. IPv4およびIPv6ローカル接続が、前のステップのコンソール出力に示すように構成されていることを確認します。ADDRESS列の固有のデータベースのアドレスを使用します。
Linuxシステムでのパスワード認証の有効化

Linuxシステムでは、PostgreSQLのインストール・ディレクトリのdataサブディレクトリのpg_hba.confファイル(たとえば、/var/lib/pgsql/data/pg_hba.conf)を編集して、パスワード認証を使用するようにPostgreSQLを構成する必要があります。ident sameuserエントリを探し、それらの値をmd5に変更します。

リモート接続の構成

PostgreSQLデータベースがEDQのインストール場所とは別のシステムにインストールされている場合、そのシステムは他のホストからの接続を受け入れるように構成されている必要があります。これは、すべてのPostgreSQL環境に当てはまります。

  1. PostgreSQLデータベースのdataディレクトリを特定します。
  2. postgresql.confファイルを編集します。
  3. 次の行を探します。

    #listen_addresses = 'localhost'

  4. 次の行を挿入して、PostgreSQLがリモート・ホストからの接続を受け入れるようにします。

    listen_addresses = '*'

  5. pg_hba.confファイルを編集し、addr/maskを使用して次の行を追加しEDQを実行しているホストのサブネットを特定します。

    host all all addr/mask md5

    たとえば、host all all 192.168.0.0/24 md5とすると、IPアドレスが192.168.0.0から192.168.0.255のすべてのホストからの接続が許可され、host all all 0.0.23.56/32 md5とすると、IPアドレス10.0.23.56からの接続のみを受け入れられます。