1 Enterprise Data Qualityのインストールの計画
この章の内容は次のとおりです。
EDQの概要
EDQでは、データ品質の把握、改善、保護および制御に使用される、包括的なデータ品質管理環境を提供します。このソフトウェアは、ベスト・プラクティスのプライマリ・データ管理、データ統合、ビジネス・インテリジェンスおよびデータ移行イニシアティブを容易にします。カスタマ・リレーションシップ・マネジメント(CRM)および他のアプリケーションに統合されたデータ品質を提供します。
このドキュメントでは、EDQをサポートするために必要なコンポーネントの選択、インストールおよび構成に沿ってガイドします。
インストールおよび構成タスクの概要
この項(表1-1)では、実行するEDQインストールおよび構成タスクの概要について実行順に説明します。
表1-1 EDQ製品のインストール手順のタスク
タスク | 実行するアクション |
---|---|
EDQをサポートする外部ソフトウェア・コンポーネントについて理解して選択します。 |
「EDQコンポーネントおよびバージョンの選択」を参照してください |
EDQシステム要件を満たします。 |
「EDQシステム要件を満たす」を参照してください |
Oracle Software Delivery CloudからEDQインストール・ファイルを取得します。 |
「EDQのダウンロード」を参照してください |
JDKおよび選択したアプリケーション・サーバーおよびデータベース・コンポーネントをインストールします。 |
「必要な外部ソフトウェア・コンポーネントのインストール」を参照してください |
EDQソフトウェアをインストールします。 |
「Enterprise Data Qualityのインストール」を参照してください |
EDQの構成 |
手順については、「Oracle WebLogic Serverを使用したEnterprise Data Qualityの構成」または「Apache Tomcatを使用したEnterprise Data Qualityの構成」を参照してください |
システム・パラメータの設定。 |
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次のステップ |
ログインと基本的な使用の情報は、「Enterprise Data Qualityの構成後の次のステップ」を参照してください |
(オプション)以前のEDQリリースからアップグレードします。 |
Oracle WebLogic ServerまたはApache Tomcatを使用する場合、「Enterprise Data Qualityのアップグレード」を参照してください |
EDQコンポーネントおよびバージョンの選択
次の項では、EDQのサポートに必要なコンポーネントと、それらのコンポーネントおよびEDQのサポートされるバージョンを示します。
EDQに必要なコンポーネントの正しい組合せの選択
EDQはJavaサーブレット・エンジン、Java Web Startグラフィカル・ユーザー・インタフェース、およびデータベース内のデータ・リポジトリを使用する、Java Webアプリケーションです。そのため、次のコンポーネントへのアクセスが必要です。
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Java Development Kit (JDK)
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Webサービスを提供するJavaアプリケーション・サーバー。Oracle WebLogic ServerおよびApache Tomcatがサポートされます。
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構成データ、作業データ、およびプロセスで実行される作業結果を保存する、構造化問合せ言語(SQL)リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)。Oracle Databaseがサポートされます。
次のアプリケーション・サーバーおよびデータベースは、EDQで使用するためにサポートされます。
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Oracle WebLogic 12.2.1(Fusion Middleware Infrastructure 12.2.1パッケージ)またはApache Tomcat 8。
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Oracle Database 11.2.0.4+または12.1.0.1+。
これらのコンポーネントのインストール手順は、「必要な外部ソフトウェア・コンポーネントのインストール」で説明しています。これらの各コンポーネントのサポートされるバージョンについては、「サポートされているプラットフォームとコンポーネントのバージョン」を参照してください。
親トピック: EDQのコンポーネントとバージョンの選択
サポートされているプラットフォームとコンポーネントのバージョン
インストール前に、動作保証プラットフォーム、JDK、データベース、アプリケーション・サーバー、およびEDQのリリースのリストを確認します。この情報は、次に示すEnterprise Data Quality動作保証マトリックスにリストされています
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
親トピック: EDQのコンポーネントとバージョンの選択
EDQシステム要件を満たす
この項では、EDQのハードウェア要件およびソフトウェア要件について説明します。これらの要件は、EDQ製品に対し、Oracleにより動作保証され、サポートされているサーバー構成です。
ディスクおよびメモリー要件
EDQが実行する必要があるタスクによっては、タスク実行に使用されるハードウェアに多大な負荷がかかる可能性があります。EDQサーバーに推奨される最小限のハードウェア仕様は、次のとおりです。
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8GBの物理メモリー(4GBはEDQ Java仮想マシン(JVM)に割当て)
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4つ以上の論理CPU
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データベース・サーバー上に500GB以上のハード・ディスク領域。EDQが生成する作業データを含むEDQ結果スキーマには、少なくともEDQで処理が想定されるソース・データの20倍の量を含めるのに十分な容量が必要です。同じプロジェクトで同時に動作するEDQユーザーが多い場合には、このサイズは増大する可能性があります。大量のユーザー変更の参照データおよびケース管理データがなければ、構成スキーマは小さいまま(通常は5GBより少ない)です。
ノート:
これらの推奨値は、特定のデプロイメントに対するサイズ変更のアドバイスを示すものではなく、固有の環境でのサイズ要件のテストの開始点です。EDQへの処理負荷により、より大きいマシンまたは多くのマシンのデプロイが適切な場合があります。
親トピック: EDQシステム要件を満たす
EDQディレクトリ要件
EDQでは1つのインストール・ディレクトリおよび2つの構成ディレクトリを使用します。その内容のいずれかに手動で更新を適用する必要がある場合に備えて、これらのディレクトリの場所を記録しておきます。
EDQインストール・ディレクトリ
インストール・プロセス中に、EDQインストール・ファイルを含むインストール・ディレクトリを指定する必要があります。このディレクトリはEDQホーム(EDQ_HOME
)ディレクトリと呼ばれ、次のような名前です。
-
EDQをOracle Fusion Middleware製品パックの一部としてインストールしている場合、EDQホーム・ディレクトリはOracle Fusion Middlewareホーム(インストール)ディレクトリのサブディレクトリとしてインストールする必要があります。通常のデフォルトのFusion Middlewareホーム・ディレクトリは、プラットフォームに応じて、次のようになります。
LinuxおよびUNIX:
/opt/Oracle/Middleware/FMW_HOME
Windows:
C:\Oracle\Middleware\FMW_HOME
ノート:
Middleware
ホーム・ディレクトリを、このガイドでは、FMW_HOME
と示します。 -
Apache Tomcatアプリケーション・サーバーを使用する場合、任意のディレクトリにEDQホーム・ディレクトリをインストールできます。
EDQホーム・ディレクトリには、約1GBのハードディスク容量が必要です。
EDQ構成ディレクトリ
EDQには、プログラム・ファイルを含むEDQホーム(インストール)ディレクトリとは別の2つの構成ディレクトリが必要です。構成ディレクトリは次のとおりです。
-
ベース構成ディレクトリ: このディレクトリにはデフォルトの構成データが含まれます。EDQがインストールされると、ベース構成ディレクトリ内のファイルの変更、名前の変更、または移動はできません。
-
ローカル構成ディレクトリ: このディレクトリにはデフォルト構成のオーバーライドが含まれます。EDQはベース構成ディレクトリを調べる前に、まずこのディレクトリにオーバーライドがあるかどうか調べます。ローカル構成ディレクトリ内のファイルは、EDQのカスタマイズまたは拡張のために変更できます。
構成ディレクトリの名前と場所は次のとおりです。
-
Oracle WebLogic Serverを使用している場合、構成ウィザードは、
oedq.home
(ベース構成ディレクトリ)およびoedq.local.home
(ローカル構成ディレクトリ)の名前で、自動的にEDQドメイン内に構成ディレクトリを作成して移入します。インストール・パスの例は次のとおりです。WLS_HOME/user_projects/domains/edq/config/fmwconfig/edq/oedq.home WLS_HOME/user_projects/domains/edq/config/fmwconfig/edq/oedq.local.home
-
Apache Tomcatを使用している場合、構成ディレクトリを任意の場所に任意の名前で作成し、構成ユーティリティがそれらに移入します。インストール手順の中で、ディレクトリを作成するように促されます。
デフォルトのEDQインストールで、構成ディレクトリは合計約1MBを占有します。EDQインスタンスがlandingarea
を使用する場合、処理および書出しのためにファイルがロードされると、この合計が増える可能性があります。
親トピック: EDQシステム要件を満たす
UNIXシステムのリソース要件(ulimit)
アプリケーション・サーバーをホストするUNIXシステムの構成方法によっては、アプリケーション・サーバーで1GBを超えるファイルを作成できない場合があります。これによって、ファイルを使用して処理のためにEDQにデータを転送する場合に、大きなデータセットの処理能力が制限されることになります。変更する必要がある最も一般的な制限は、アプリケーション・サーバーのユーザー('weblogic'など)が作成できる処理の数です。大きなサーバーでは、多くの場合、これを65536などに増やす必要があります。
システム・リソースの制限はulimit
コマンドにより制御されます。デフォルトのulimit
値は、ulimit -a
コマンドを使用して表示できます。ファイル・サイズ、処理の制限、およびファイル操作制限の設定を確認します。ファイル・サイズにおけるハードulimit
は、アプリケーション・サーバーのアカウントに応じて、上方修正や削除する必要がある場合もあります。必要な場合は、システム管理者に相談してください。
親トピック: EDQシステム要件を満たす
仮想ハードウェア
Oracle VM Serverなどの仮想化ツールを使用すると、仮想化されたシステムにEDQをインストールできます。仮想システムおよび物理システムは、どちらもこのドキュメントに示されている最小限のハードウェア要件を満たす必要があります。
1つの物理システムに複数の仮想システムをデプロイする場合にロード・バランシング・ソフトウェアを使用するときは、ロード・バランシング・ソフトウェアを慎重に調整する必要があります。通常、EDQでは、中間層(ほとんどの処理を実行する)の相当な計算力およびメモリーおよびデータベース(データおよび結果を書き込む)の大容量の表領域が必要です。バッチ間で、システムにかかる負荷は非常に少量です。データのバッチ処理中、EDQでは急激にハードウェアがCPUバウンドまたはI/Oバウンドまで使用されます。仮想化されたロード・バランシングが適切に構成されていない場合、パフォーマンスは最適にはなりません。
親トピック: EDQシステム要件を満たす
オペレーティング・システム・ユーザー
オペレーティング・システムのユーザー・アカウントは、サーバー上のEDQのインストールとアップグレード、およびアプリケーション・サーバーのインストールに使用します。このユーザーはすべてのプラットフォームで必要です。このユーザーは、EDQインストール・ディレクトリ(EDQ_HOME
)、構成ディレクトリ、およびすべてのデータベース・ディレクトリに対して完全な権限(読取り、書込みおよび実行)を持つ必要があります。このユーザー・アカウントを、このドキュメントではEDQインストール・ユーザーと呼びます。EDQのディレクトリの詳細は、「EDQディレクトリ要件」を参照してください
ノート:
UNIXまたはLinuxオペレーティング・システムにインストールする場合に、rootユーザーをEDQインストール・ユーザー・アカウントとして使用しないでください。
親トピック: EDQシステム要件を満たす
EDQのダウンロード
EDQインストールおよび構成ファイルをダウンロードするには、次に示すOracle Technology Network Webサイトから汎用パッケージ・インストーラを入手します。
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次のURLをWebブラウザに入力します。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/oedq/overview/index.html
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サインイン/登録をクリックします。
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ダウンロードするOracle Enterprise Data Qualityメディア・パックを検索して選択します。
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「ダウンロード」ボタンをクリックします。
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ファイルを保存するディレクトリを参照します。保存をクリックしてファイルのダウンロードを開始します。ZIPファイルがダウンロードされます。
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ZIPファイルを一時ディレクトリに解凍します。