この章では、Oracle VM Serverを使用してゲスト仮想マシンを作成する方法を説明します。 準仮想化ゲストとハードウェア仮想化ゲストは、テンプレートまたはvirt-installコマンドライン・ツールを使用して作成できます。 virt-installは、インタラクティブ・シェルとして使用することも、コマンドラインからすべてのパラメータを一度に設定することもできます。 次の形式で、複数のパラメータをvirt-installツールに指定できます。
virt-install [options]
virt-installコマンドライン・ツールのパラメータは、付録A「コマンドライン・ツール」を参照してください。
また、ゲスト仮想マシンは、Oracle VM Managerを使用して作成することもできます。これは、ゲストを作成する場合の推奨方法です。 Oracle VM Managerでのゲストの作成の詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』を参照してください。
準仮想化ゲストの方がハードウェア仮想化ゲストよりパフォーマンスが優れているため、可能な場合は、準仮想化ゲストを作成することをお薦めします。
ゲスト仮想マシンを作成するには、インストール・ツリーまたはテンプレートへのアクセス権が必要です。 ホストIPアドレスおよびホスト名が必要な場合もあります。
この章の構成は次のとおりです。
作成可能な、サポートされているゲスト・オペレーティング・システムのリストについては、『Oracle VM Serverリリース・ノート』を参照してください。
virt-installコマンドライン・ツールまたはOracle VM Managerを使用して、ローカル・ハード・ディスクまたはCD-ROMから準仮想化ゲスト仮想マシンを作成することはできません。 ただし、インストール・ツリーを作成してNFS共有としてマウントするか、あるいはHTTPまたはFTPを介して使用できるようにすることはできます。 たとえば、ISOファイルを作成してマウントし、NFSを介して使用できるようにするには、次のように指定します。
# mkdir -p /el/EL5-x86 # mount -o ro,loop /path/to/Enterprise-R5-x86-dvd.iso /el/EL5-x86 # exportfs *:/el/EL5-x86/
ゲスト仮想マシンを作成するときに、インストール先を次のように指定します。
nfs:example.com:/el/EL5-x86
同様に、example.comというコンピュータでHTTP経由でアクセスできるインストール・ツリーを設定するには、次のように指定します。
# cd /var/www/html # mkdir EL5-x86 # mount -o ro,loop /path/to/Enterprise-R5-x86-dvd.iso EL5-x86
ゲスト仮想マシンを作成するときに、インストール先を次のように指定します。
http://example.com/EL5-x86
注意: 複数のISOファイル(CD)がある場合は、各ISOファイル(CD)をマウントし、内容を1つのディレクトリにコピーできます。 これによって、すべてのISOファイルが同じ場所から使用できるようになります。 |
ゲストは、テンプレートを使用して作成できます。 また、Oracle VM Managerにテンプレートを登録し、そのテンプレートを使用してゲストを作成することもできます。 Oracle VM Managerでのテンプレートの使用の詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』を参照してください。
テンプレートは、.tgzファイルとして圧縮されます。 テンプレートには、最小限のゲスト構成ファイル(vm.cfgおよびsystem.img)が含まれています。テンプレートは、一般にFTPサーバーまたはHTTPサーバーに格納されています。 次の例に、HTTPサーバーからのOracle Enterprise Linuxテンプレートのダウンロード方法とそのテンプレートを使用したゲストの作成方法を示します。
テンプレートからゲスト仮想マシンを作成するには、次の手順を実行します。
rootユーザーとしてOracle VM Serverにログインします。
Oracle VMテンプレートの.zipファイルをOracle VM Serverにダウンロードし、/OVS/seed_poolディレクトリに配置します。
解凍ツールを使用して、このファイルを解凍します。 解凍ツールは、次のURLからダウンロードできます。
.tgzファイルを抽出します。 この手順によって、テンプレートの名前でディレクトリが作成されます。 このディレクトリには、テンプレートのファイルが含まれています。 次に例を示します。
# cd /OVS/seed_pool
# tar xzf OVM_template_name.tgz
これによって、次のディレクトリ構造が作成されます。
/OVS/seed_pool/OVM_template_name | |- System.img (operating system image file) |- extra.img (optional additional image file(s)) |- vm.cfg (virtual machine configuration file) |- README
ディレクトリを仮想マシンのファイルがある場所に変更します。
# cd /OVS/seed_pool/OVM_template_name
次のコマンドを実行して、新しいMACアドレスを生成します。
#export PYTHONPATH=/opt/ovs-agent-2.3#python -c "from OVSCommons import randomMAC; print randomMAC()"
vm.cfgファイルを編集して、vif
で始まる行を次のように変更します。
vif = [ 'mac=00:16:3E:xx:xx:xx', ] # for PVM
または
vif = [ 'type=netfront, mac=00:16:3E:xx:xx:xx', ] # for PVHVM
ここで、00:16:3E:xx:xx:xx
は、6で生成されたMACアドレスです。
Oracle VM Serverコマンドラインからゲスト仮想マシンを作成して起動します。
# xm create vm.cfg
VNCを使用して、ゲスト仮想マシンのコンソールに接続します。
次のコマンドを実行して、VNCポート番号を検索します。
# xm list -l OVM_template_name |grep location
これによって、ゲスト仮想マシンのVNCコンソールに割り当てられているポート番号が表示されます。 複数の行が表示される場合もありますが、次のような行が表示されます。
(location 0.0.0.0:5901)
VNC Viewerを使用してゲスト仮想マシンに接続するときに、このポート番号(この例では5901)を使用します。
別のコンピュータから任意のVNC Viewerを使用して、ゲスト仮想マシンに接続します。 たとえば、Oracle Enterprise Linuxでは、次のコマンドを使用します。
# vncviewer hostname:vnc_port
ここで、hostnameはOracle VM ServerのIPアドレスまたはホスト名、vnc_portはaで検索したポート番号です。
テンプレートで必要なゲスト仮想マシンの構成をすべて完了します。
ゲストが作成され、起動されます。
次の例に、virt-installコマンドライン・ツールによる準仮想化ゲストの作成方法とハードウェア仮想化ゲストの作成方法を示します。 ここでは、インタラクティブなセッションを使用します。 コマンドライン・オプションとして、virt-installパラメータを一度に渡すこともできます。 具体的に示すと、次のようにkickstartオプションを渡すことができます。
virt-install -x ks=options
準仮想化ゲストまたはハードウェア仮想化ゲストを対話形式で作成する手順は、次のとおりです。
rootとしてコマンドライン・シェルを開き、virt-installコマンドライン・ツールを実行してインタラクティブなインストール・プロセスを開始します。
# virt-install
そのホストでハードウェア仮想化ゲストを作成する場合は、次の質問が表示されます。
Would you like a fully virtualized guest (yes or no)?
ハードウェア(完全)仮想化ゲストを作成すると、Microsoft Windowsのようなオペレーティング・システムを、修正せずに実行できます。 準仮想化ゲストを作成する場合はno
、ハードウェア仮想化ゲストを作成する場合はyes
を入力します。 [Enter]を押します。
次の質問が表示されます。
What is the name of your virtual machine?
これは、ゲストを識別するラベルです。 ゲスト構成ファイル名として使用され、/etc/xen/nameとして保存されます。 また、多くのxmコマンドでも使用されます。 次のようにゲストの名前を入力します。
myguest
構成ファイルが作成されます。 [Enter]を押します。
次の質問が表示されます。
How much RAM should be allocated (in megabytes)? Setting the RAM to a value less than 256 megabytes is not recommended.
ゲストに割り当てるRAMサイズの入力を要求されます。 RAMはゲストにのみ割り当てられ、dom0からは使用できません。 コンピュータで使用できるRAMの量を確認するには、xm info
コマンドを実行してfree_memory
列を確認します。 空きメモリーがメガバイト単位で表示されます。 これがゲストに割り当てることのできるRAMの総量です。 次のように、ゲストに割り当てるRAMの量をメガバイト単位で入力します。
1024
[Enter]を押します。
次の質問が表示されます。
What would you like to use as the disk (path)?
ゲストには、virt-installで割り当てられたディスク・ストレージが、1つの物理ハード・ディスクのように単一の仮想ハード・ディスクとして表示されます。 これはhdaと表示され、通常の物理ハードウェアと同様にパーティション化してゲストで管理できます。 次のように、ゲストのディスク・イメージとして使用されるローカルの絶対パスとファイル名を入力します。
/OVS/running_pool/myguest/System.img
ゲストへの完全なディスクとしてエクスポートされます。 [Enter]を押します。
前の手順で指定したファイルが存在しない場合、次の質問が表示されます。
How large would you like the disk to be (in gigabytes)?
ゲスト用の仮想ディスクのサイズをギガバイト単位で入力します。 この例では、8GBを入力します。 たとえば、次のように入力します。
8
[Enter]を押します。
次の質問が表示されます。
Would you like to enable graphics support (yes or no)?
グラフィックス・サポートは、ゲストが仮想グラフィックス・カードを使用できるかどうかによって決まります。 ハードウェア仮想化ゲストを作成する場合は、この質問の回答を常にyes
にする必要があります。 準仮想化ゲストを作成する場合は、yes
またはno
を選択できます。 [Enter]を押します。
virt-installユーティリティでは、準仮想化ゲストとハードウェア仮想化ゲストに対して別々のインストール場所が要求されます。 準仮想化ゲストは、NFS、FTPおよびHTTPを使用して、インストール・ツリーからインストールできます。 ハードウェア仮想化ゲストは、dom0のISOファイルからインストールできます。
準仮想化ゲストを作成する場合は、次の質問が表示されます。
What is the install location?
これは、Anacondaによって使用される形式のOracle Enterprise Linuxインストール・ツリーへのパスです。 NFS、FTPおよびHTTPの場所がサポートされています。 次に例を示します。
nfs:example.com:/path/to/tree/ http://example.com/path/to/tree/ ftp://example.com/path/to/tree/
次のように、インストール・ツリーのパスを入力します。
http://example.com/EL5-x86
[Enter]を押します。
注意: インストール場所は、ネットワーク上にする必要があります。 ローカル・ディスクまたはCD-ROMからはインストールを実行できません。 詳細は、第4.2項「インストール・ツリーの作成」を参照してください。 |
ハードウェア仮想化ゲストを作成する場合は、次の質問が表示されます。
What would you like to use for the virtual CD image?
これは、dom0のファイル・システム上のISOファイルへのパスです。 次に例を示します。
/mypath/myISO.iso
[Enter]を押します。
注意: NFS、FTPおよびHTTPの場所はサポートされていません。 ISOファイルはマウントしないでください。virt-installがISOファイルをマウントして、そのファイルからインストールを開始します。 |
ゲスト・オペレーティング・システム・インストーラが起動します。 7でグラフィックス・サポートを有効にした場合は、VNSウィンドウとグラフィカル・インストーラが表示されます。 グラフィックス・サポートを無効にすると、テキスト・ベースのインストーラが表示されます。 たとえば、Oracle Enterprise Linuxのテキスト・ベースのインストールは次のように表示されます。
ゲスト・オペレーティング・システムのインストールを完了するには、プロンプトに従ってください。
準仮想化ゲストを手動で作成する手順は、次のとおりです。
ルート・ファイル・システムの作成
ルート・ファイル・システムの移入
ゲストの構成
ルート・ファイル・システムを作成する手順は、次のとおりです。
ゲストのルート・パーティションを作成します。 ルート・パーティションは、次のいずれかになります。
物理パーティション
論理ボリューム・マネージャ対応の仮想ブロック・デバイス
ファイル対応の仮想ブロック・デバイス
次のいずれかの方法でルート・ファイル・システムを作成します。
物理ディスク・パーティションの使用
ゲスト・ルートのディスク・パーティションを作成します。
パーティションにファイル・システムを作成します。
論理ボリューム・マネージャ対応の仮想ブロック・デバイスの使用
特に効果的な方法は、ゲスト・ファイル・システムのサポートとして論理ボリューム・マネージャ(LVM)ボリュームを使用することです。これによって、ボリュームの動的な拡張と縮小、スナップショットなどの機能を実行できます。
LVMボリュームをサポートするパーティションを初期化するには、次を入力します。
# pvcreate /dev/sda10
物理パーティションにvgというボリューム・グループを作成します。
# vgcreate vg /dev/sda10
myvmdisk1という4GBの論理ボリュームを作成します。
# lvcreate -L4096M -n myvmdisk1 vg
これで、/dev/vg/myvmdisk1を使用できます。 パーティションにファイル・システムを作成します。
# mkfs -t ext3 /dev/vg/myvmdisk1
ファイル対応の仮想ブロック・デバイスの使用
4GBのファイル対応の仮想ブロック・デバイスを作成するには、次を入力します。
# dd if=/dev/zero of=vm1disk bs=1k seek=4096k count=1
ディスク・ファイルにファイル・システムを作成します。
# mkfs -t ext3 vm1disk
ファイル・システムの作成の確認が求められます。 ファイル・システムの作成を確認して、y
を入力します。
ゲストのルート・ファイル・システムには、複数の方法で移入できます。
dom0のルート・ファイル・システムのコピー
オペレーティング・システムのインストール
dom0のルート・ファイル・システムをコピーするには、/mntにゲスト・ルート・パーティションをマウントします。
# mount -t <File system type> <Guest Root Partition> /mnt
ルート・ファイル・システムをdom0からdomUにコピーします。
# rsync -avH /boot /mnt # rsync -avH /root /mnt # rsync -avH /dev /mnt # rsync -avH /var /mnt # rsync -avH /etc /mnt # rsync -avH /usr /mnt # rsync -avH /bin /mnt # rsync -avH /sbin /mnt # rsync -avH /lib /mnt
64ビットのコンピュータを使用している場合、次を入力します。
# rsync -avH /lib64 /mnt
すべてのコンピュータに対して処理を続行します。
# rsync -avH /selinux /mnt # mkdir /mnt/{proc,sys,home,tmp} # chmod 777 /mnt/tmp # unmount /mnt
オペレーティング・システムをインストールします。 インストールには複数の方法があります。
CD-ROMからのOracle VM Server対応のオペレーティング・システムのインストール
ネットワーク・ドライブからのOracle VM Server対応のオペレーティング・システムのインストールまたはPXE(Preboot Execution Environment)のインストール
ゲストのルート・ファイル・システムを作成した後、その構成をふまえてゲスト構成ファイルを修正します。 たとえば、/etc/hosts、/etc/fstabおよびネットワーク構成ファイルを更新します。
ゲストを構成するには、次のゲスト構成ファイルを修正します。
/mnt/etc/fstabを編集して、ゲストでマウントされたファイル・システムを記述します。
/dev/sda1 / ext3 defaults 1 1 none /dev/pts devpts gid=5,mode=620 0 0 none /dev/shm tmpfs defaults 0 0 none /proc proc defaults 0 0 none /sys sysfs defaults 0 0
/dev/sda1は、構成ファイルで設定されるdomUのルートです。
/mnt/etc/sysconfig/networkを編集して、有効なホスト名を設定します。
GATEWAYは、dom0と同じ値です。
ホスト名は、仮想マシンの名前(mycomputer.example.comなど)です。使用する名前は、一意で、別のマシンでは使用されていないものにします。
NETWORKING=yes HOSTNAME=mycomputer.example.com GATEWAY=139.185.48.1
/mnt/etc/hostsファイルを編集して、IPアドレスとホスト名を設定します。 使用するIPアドレスは、一意で、別のコンピュータでは使用されていないものにします。
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost 139.185.48.212 mycomputer.example.com hostname
/mnt/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0ファイルを編集します。 vifと同じMACアドレスを使用します。 そのゲスト・オペレーティング・システムに対して複数のMACアドレスがエクスポートされる場合は、dom0で、eth1、eth2のように、複数のネットワーク・インタフェースを構成する必要があります。
NETMASKおよびBROADCASTアドレスは、dom0の対応するネットワーク・インタフェースと一致させる必要があります。
HWADDRは、MACアドレスvifと同じです。
IPADDRは、/mnt/etc/hostsファイルと同じです。
DEVICE=eth0 BOOTPROTO=static HWADDR=00:50:56:02:ff:d3 IPADDR=10.1.1.1 NETMASK=255.255.254.0 BROADCAST=10.1.1.255 ONBOOT=yes TYPE=Ethernet
/lib/tlsを/lib/tls.disabledに移動します。
# mv /mnt/lib/tls /mnt/lib/tls.disabled
/mntをアンマウントします。
# unmount /mnt
ゲストを作成します。
# xm create -c /etc/xen/domain-config-file
ゲストのコンソールを取得します。
#xm console [Domainname|DomainID]
ゲスト仮想マシンが作成され、起動されます。
ハードウェア仮想化ゲストを手動で作成する手順は、次のとおりです。
CD-ROMパックまたはネットワーク・インストール方法(PXEインストール)を使用して、ディスクにオペレーティング・システムをインストールします。
ゲスト構成ファイル/etc/xen/domain.cfgを作成します。 これは、(高度なオプションを使用しない)最小限のハードウェア仮想化ゲスト構成ファイルです。 使用する構成に合わせて、このファイルを修正します。
#Config File for Full virtualization import os, re arch = os.uname()[4] if re.search('64', arch): arch_libdir = 'lib64' else: arch_libdir = 'lib' # Kernel for hvm domain will be hvmloader kernel="/usr/lib/xen/boot/hvmloader" builder='hvm' # Memory in MB for HVM guest domU memory=3000 # Name of domain name="hvm-dom" # No of virtual cpus vcpus=4 # Mac address and corresponding bridge vif=[ 'mac=00:50:56:1e:34:b5 , bridge=xenbr0' ] # Disk in which Guest OS is installed disk=[ 'phy:/dev/cciss/c0d1,hda,w' ] # Here /dev/cciss/c0d1 is the disk onwhich OS is installed. device_model='/usr/' + arch_libdir + '/xen/bin/qemu-dm' # Enable vnc library sdl=0 vnc=1 # Vncviewer no is 1 vncviewer=1 # Password to access the vnc for this guest vncpasswd="welcome" vnclisten="0.0.0.0" ne2000=1 serial='pty' # Enable USB usb=1 usbdevice='mouse'
構成ファイルの例については、付録C「ゲスト構成」を参照してください。
構成ファイルを修正できるように、/mntにゲスト・ルート・ファイル・システムをマウントします。
/mnt/etc/sysconfig/networkを編集して、ホスト名を指定します。
GATEWAYは、dom0と同じです。
ホスト名は、仮想マシンの名前(mycomputer.example.comなど)です。使用する名前は、一意で、別のコンピュータでは使用されていないものにします。
NETWORKING=yes HOSTNAME=mycomputer.example.com GATEWAY=10.1.1.1
/mnt/etc/hostsファイルを編集して、ホスト名とIPアドレスを設定します。 使用するIPアドレスは、一意で、別のマシンでは使用されていないものにします。
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost 10.1.1.1 mycomputer.example.com hostname
/mnt/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0を編集します。
vifと同じMACアドレスを使用します。 複数のMACアドレスがゲスト・オペレーティング・システムにエクスポートされる場合、eth1やeth2などの複数のネットワーク・インタフェースを構成する必要があります。
NETMASKおよびBROADCASTアドレスは、dom0の対応するネットワーク・インタフェースと一致させる必要があります。
HWADDRは、vifのMACアドレスと同じです。
IPADDRは、/mnt/etc/hostsファイルと同じです。
DEVICE=eth0 BOOTPROTO=static HWADDR=00:50:56:02:ff:d3 IPADDR=10.1.1.1 NETMASK=255.255.254.0 BROADCAST=10.1.1.255 ONBOOT=yes TYPE=Ethernet
ハードウェア仮想化ゲストの場合、/etc/fstabファイルの修正は必要ありません。 ハードウェア仮想化ゲストは、通常のオペレーティング・システムと同様に起動されます。 通常どおり、起動時にパーティション表が読み取られます。
/mntをアンマウントします。
# unmount /mnt
ゲストを作成します。
# xm create -c /etc/xen/domain-config-file
VNCViewerを使用して、ゲストを表示します。
# vncviewer hostname_of_dom0
# password : welcome
ゲストが表示されます。
ハードウェア仮想化ゲストを準仮想化ゲストに変換できます。 準仮想化ゲストとしての直接インストールはサポートされていないため、この例では、Oracle Enterprise Linux 4 Update 4を使用します。また、このオペレーティング・システムでは準仮想化ドライバを使用できます。 この例では、ハードウェア仮想化ゲストとしてOracle Enterprise Linuxをインストールした後、準仮想化ゲストに変換する手順を示します。
Oracle Enterprise Linux 4 Update 5の準仮想化ゲストを作成する手順は、次のとおりです。
Oracle Enterprise-R4-U5-x86_64-dvd.isoイメージをOracle VM Serverコンピュータのローカル・ファイル・システムにコピーします。
# ls -l /root/Enterprise-R4-U5-x86_64-dvd.iso -rw-r--r-- 1 root root 2530611200 Aug 2 13:03 /root/Enterprise-R4-U5-x86_64-dvd.iso
ゲスト・ディスク・イメージとして使用される論理ボリュームを作成します。
# lvcreate -L8G -n el4u5 VolGroup00
virt-installコマンドライン・ツールを実行し、ハードウェア仮想化マシンのdomUを作成して、Oracle Enterprise Linuxオペレーティング・システムをインストールします。
# virt-install -n el4u5 -f /dev/VolGroup00/el4u5 -v -c /root/Enterprise-R4-U5-x86_64-dvd.iso -r 512 --vnc
次のエラー・メッセージが表示されたときは、
main: unable to connect to host: Connection refused (111)
VNCViewerを実行して、ゲスト・コンソールを再接続する必要があります。
# vncviewer :0
Oracle Enterprise Linuxのインストールが開始されます。 インストールで、次の項目を選択します。
インストール・タイプ: サーバー
パッケージ選択: デフォルト
パーティション・レイアウト・タイプ: ゲストに単一のルート・パーティションが使用されていることを確認します。 仮想ディスクの構成に、LVMは使用しないでください。 スワップ・パーティションまたは/usrや/bootなどの他の場所にマウントされた他のパーティションを作成しないでください。
ファイアウォール: 無効
SELinux: 無効
ネットワーク: DHCPまたは固定IPアドレスのいずれかのネットワーク設定を構成します。
Oracle Enterprise Linuxのインストールが完了した後、ゲストを再起動します。 ゲストが自動的に再起動しない場合、次のようにxmコマンドライン・ツールを使用して、ゲストを再起動します。
# xm list Name ID Mem VCPUs State Time(s) Domain-0 0 944 2 r----- 5670.8 # xm create el4u5 Using config file "/etc/xen/el4u5". Started domain el4u5 # vncviewer :0
DHCPを介して割り当てられている場合、ゲストのIPアドレスまたはホスト名に注意します。
Oracle VM ServerインストールCD-ROMのextra_kernels/EL4U5PV_64ディレクトリにあるOracle Enterprise Linux 4 Update 5のdomUカーネルをゲストにコピーします。
# cd extra_kernels/EL4U5PV_64/
# scp kernel-xenU-version.EL.x86_64.rpm 10.1.1.1:
rootとしてゲストにログインし、/etc/modprobe.confファイルの内容を次に置き換えます。
alias scsi_hostadapter xenblk alias eth0 xennet
kernel-xenU RPMをインストールします。
# rpm -ivh kernel-xenU-version.EL.x86_64.rpm warning: kernel-xenU-version.EL.x86_64.rpm: V3 DSA signature: NOKEY, key ID b38a8516 Preparing... ########################################### [100%] 1:kernel-xenU ########################################### [100%] WARNING: No module xenblk found for kernel version.ELxenU, continuing anyway
ゲストの/boot/grub/grub.confファイルを編集して、このエントリを示すようにデフォルトを変更します。
title Enterprise Linux Enterprise Linux AS (version.ELxenU) root (hd0,0) kernel /boot/vmlinuz-version.ELxenU ro root=LABEL=/ initrd /boot/initrd-version.ELxenU.img
ゲストを停止します。 ホスト構成ファイルの/etc/xen/el4u5を次のようなエントリに変更します。
name = "el4u5" memory = "512" disk = [ 'phy:/dev/VolGroup00/el4u5,hda,w', ] bootloader="/usr/bin/pygrub" vcpus=1 on_reboot = 'restart' on_crash = 'restart'
xmコマンドライン・ツールを使用して、ゲストを再起動します。
# xm create -c el4u5
ハードウェアの構成が表示されます。
ネットワーク・アダプタおよびキーボードの構成を削除します。
ゲストにログインし、/etc/sysconfig/hwconfファイルを削除します。
ゲストを停止します。
ゲスト構成ファイルの/etc/xen/el4u5を修正して、次のようなvifエントリを追加します。
name = "el4u5" memory = "512" disk = [ 'phy:/dev/VolGroup00/el4u5,hda,w', ] vif = [ 'bridge=xenbr0', ] bootloader="/usr/bin/pygrub" vcpus=1 on_reboot = 'restart' on_crash = 'restart'
ゲストを起動して、rootとしてログインします。 次のコマンドを実行します。
# ifconfig eth0
HWaddr(MACアドレス)に注意します。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0ファイルの内容を次に置き換えます。
TYPE=Ethernet DEVICE=eth0 BOOTPROTO=dhcp ONBOOT=yes HWADDR=xx:xx:xx:xx:xx:xx
ゲストのifconfigコマンドで通知された実際のMACアドレスにxx:xx:xx:xx:xx:xxを置き換えます。
ホストで、domU構成ファイルの/etc/xen/el4u5を編集して、MACアドレスをvifエントリに追加します。
vif = [ 'mac=xx:xx:xx:xx:xx:xx, bridge=xenbr0', ]
ゲストのifconfigコマンドで通知された実際のMACアドレスにxx:xx:xx:xx:xx:xxを置き換えます。
次のように、xm createコマンドでゲストを起動します。
# xm create /etc/xen/el4u5
これでゲストを使用できます。
Red Hat Enterprise Linux 3.8またはRed Hat Enterprise Linux 3.9を使用して準仮想化ゲストを作成することはできません。 最初にハードウェア仮想化ゲストを作成した後、準仮想化ゲストに変換する必要があります。
第4.4項「virt-installを使用したゲストの作成」の説明に従って、Red Hat Enterprise Linux 3.8またはRed Hat Enterprise Linux 3.9を使用してハードウェア仮想化ゲストを作成します。
https://linux.oracle.com/switch.html
の手順に従って、ゲスト・オペレーティング・システムのネットワーク更新サーバーをOracle更新サーバー(ULN)に切り替えます。
第4.7項「ハードウェア仮想化ゲストの準仮想化ゲストへの変換」の説明に従って、ハードウェア仮想化ゲストを変換します。
最適なパフォーマンスを実現するために、ハードウェア仮想化ゲストに準仮想化ドライバをインストールできます。 準仮想化ドライバは最適化され、ゲスト仮想マシンのオペレーティング・システムのパフォーマンスを向上させます。
ハードウェア仮想化ゲストとしてOracle Enterprise Linux Release 4 Update 4をインストールするには、ハードウェアの準仮想化ドライバのインストールが必要な場合があります。 この項では、これらの準仮想化ドライバのインストール手順を示します。
Windowsオペレーティング・システムの準仮想化ドライバをインストールする手順は、『Oracle VM Windows Paravirtual Drivers Installation Guide』を参照してください。
Oracle Enterprise Linuxゲスト・オペレーティング・システムの準仮想化ドライバをインストールする手順は、次のとおりです。
次のURLのOracle Unbreakable Linux Network(ULN)から準仮想化ドライバをダウンロードしてインストールします。
http://linux.oracle.com/
kmod-xenpv-kernel_typeというパッケージ名を検索します。 たとえば、ゲストのhugememカーネルを実行している場合は、次のコマンドでドライバをインストールします。
# up2date kmod-xenpv-hugemem
/etc/modprobe.confファイルを修正して、既存のeth0行をコメント・アウトして次の行を追加します。
alias scsi_hostadapter xen_vbd alias eth0 xen_vnif
depmodを実行します。
/etc/xen/vm.cfgファイルを編集して、vifエントリを次に置き換えます。
vif = [ '', ] # for PVM
または
vif = [ 'type=netfront, ', ] # for PVHVM
ドメインを停止します。
# xm shutdown mydomain
ドメインを起動します。
# xm create /OVS/running_pool/myguest/vm.cfg
kudzuのプロンプトが表示されたら、古いネットワーク構成を削除します。
新しく起動したゲスト・オペレーティング・システムで、次のコマンドを実行してeth0の新しいMACアドレスを検索します。
# ifconfig eth0
/etc/xen/vm.cfgファイルを編集して、新しいMACアドレスを追加します。
vif = [ 'mac=xx:xx:xx:xx:xx:xx, bridge=xenbr0', ] # for HVM
または
vif = [ 'type=netfront, mac=xx:xx:xx:xx:xx:xx, bridge=xenbr0', ] # for PVHVM
次の内容で/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0ファイルを作成または編集します。
TYPE=Ethernet DEVICE=eth0 BOOTPROTO=dhcp ONBOOT=yes HWADDR=xx:xx:xx:xx:xx:xx
新しいinitrdイメージを作成します。 ゲスト・オペレーティング・システムのカーネル・バージョンを使用します。
# mkinitrd -f /boot/initrd-version.ELsmp.img version.ELsmp --omit-scsi-modules --with=xen-vbd --with=xen-vnif --preload xen-vbd --preload xen-vnif
ドメインを再起動します。
/boot/grub/grub.confファイルを編集して、kernel行の最後に次のコマンドを追加します。
kernel /vmlinuz-version.el5 ro root=LABEL=/ clock=pit nohpet nopmtimer hda=noprobe hdb=noprobe ide0=noprobe