Oracle Tuxedo システムのインストール

     前  次    新しいウィンドウで目次を開く     
ここから内容の開始

Oracle Tuxedo のサイレント インストール

以下の節では、サイレント インストールを使用して Windows および UNIX システムに Oracle Tuxedo をインストールする方法について説明します。

 


サイレント インストールとは

サイレント インストールでは、インストール前に作成しておいたテキスト ファイルからコンフィグレーションの設定を読み取ります。インストール中にユーザが操作を行う必要はありません。サイレント インストールは、Windows システムと UNIX システムのいずれでも利用できます。

サイレント インストールは、インストールのコンフィグレーションを一度設定した上で、そのコンフィグレーションを使用して数多くのマシンにインストールを繰り返す方法です。

注意 : サイレント インストールを使用することは、「License Agreement」に同意したことになります。この場合、「Software License Agreement」も条件に同意する画面も表示されません。

 


はじめに

Oracle WebLogic Enterprise または Oracle Tuxedo 9.1 以前のソフトウェアからアップグレードする場合は、「Oracle Tuxedo システムの 10g リリース 3 (10.3) へのアップグレード」で説明されている手順に従ってください。その後、この節に戻って Oracle Tuxedo のインストールを続行します。

Windows システムで Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) を旧バージョンの Tuxedo と一緒に使用する場合は、「Oracle インストール プログラム」を参照してください。

 


サイレント インストールの主な操作

サイレント インストール プロセスでは次の 2 つの操作を行います。

  1. インストールに使用する Oracle ホーム ディレクトリ、製品ディレクトリ、およびインストール セットなどのコンフィグレーション情報が格納されたテンプレート ファイルを作成します。
  2. 手順の詳細については、「テンプレート ファイルの作成」を参照してください。「Windows テンプレート ファイル」と「UNIX テンプレート ファイル」には、テンプレート ファイルの 2 つのサンプルがあります。

  3. テンプレート ファイルで指定した値を使用してインストール プロセスを起動します。
  4. 手順の詳細については、「Windows システム上でのサイレント インストール プロセスの起動」および「UNIX システム上でのサイレント インストール プロセスの起動」を参照してください。

 


テンプレート ファイルの作成

サイレント インストールで使用するテンプレートを作成するには、次の手順に従います。

  1. プラットフォーム固有のテンプレート ファイルを表示します。次のテンプレートを使用できます。
  2. テンプレート ファイルの内容をコピーして、installer.properties という名前のテキスト ファイルに保存します。
  3. installer.properties ファイルで、次の表に示したキーワードの値を変更して必要なコンフィグレーションを作成します。
  4. 表 4-1 installer.properties ファイル
    キーワード
    入力する値
    INSTALLER_UI=
    (UNIX and Windows)
    インストール モード。デフォルトは silent です。この値を変更しないでください。
    ORACLEHOME=
    (UNIX and Windows)
    Oracle ホーム ディレクトリの絶対パス名。Oracle ホーム ディレクトリの詳細については、「Oracle ホーム ディレクトリ」を参照してください。
    USER_INSTALL_DIR=
    (UNIX and Windows)
    製品ディレクトリの絶対パス名。
    警告 : Windows システムで旧バージョンの Tuxedo と Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) を一緒に実行するには、各バージョンの製品ディレクトリに異なる名前を付ける必要があります。
    INSTALL_SAMPLES
    yes」を指定すると、Tuxedo 10gR3 サンプルがインストールされます。
    no」を指定すると、Tuxedo 10gR3 サンプルはインストールされません。
    LDAP_HOSTNAME=
    (Unix & Windows)
    Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) サーバの完全修飾名 (たとえば pcwiz.mydomain.com)。表末の注意を参照してください。
    LDAP_PORTID=
    (Unix & Windows)
    ローカル マシンが LDAP サーバとの通信に使用するポート番号 (たとえば 389)。*表末の注意を参照してください。
    TLISTEN_PORT
    (Windows)
    ローカル マシンが TLISTEN サーバとの通信に使用するポート番号 (たとえば 1357)。
    LDAP_BASE_OBJECT=
    (Unix & Windows)
    LDAP サーバで検索するための基本オブジェクトの固有名 (たとえば o=beasys.com)。表末の注意を参照してください。
    LDAP_FILTER_FILE=
    (Unix & Windows)
    マシン上の LDAP フィルタ ファイルの絶対パス名 (C:\oracle\tuxedo10gR3\udataobj\security\
    bea_ldap_filter.dat
    など)。表末の注意を参照してください。
    TLISTEN_PASSWORD=
    (Unix & Windows)
    指定する tlisten パスワード。パスワードは、長さが 80 文字以内のクリア テキスト形式の英数字からなる文字列でなければなりません。Oracle Tuxedo Administration Console にログインする場合には、このパスワードの入力を求められます。
    CHOSEN_INSTALL_SET=
    選択したインストール セット。この値は、以下のいずれかに設定する必要があります。
    注意 : 大文字と小文字を区別しなければ有効にならず、次に示したとおりに指定しないとインストールが正しく行われません。無効なオプションを使用すると、インストールが正しく行われません。
    注意 : インストール セット名の後にスペースを入れないでください。インストール セット名の後にスペースが存在する場合、デフォルト モードの Full Install が使用されます。
    • Full (フル インストール)
    • Server (サーバのみのインストール)
    • Client (フル クライアント インストール)
    • ATMI (ATMI クライアントのみのインストール)
    • CORBA (CORBA クライアントのみのインストール)
    • Jolt (Jolt クライアントのみのインストール)
    • DNET (Tuxedo .NET ワークステーション クライアントのみのインストール (Windows プラットフォームのみ))
    サイレント モード インストールでは、インストール セットのカスタマイズはできません。各インストール セットの詳細については、「インストール セット」を参照してください。

注意 : LDAP_HOSTNAMELDAP_PORTIDLDAP_BASE_OBJECTLDAP_FILTER_FILE キーワードは省略可能です。
注意 : これらのキーワードとその値は、セキュア ソケット レイヤ (SSL) 暗号化を使用する場合にのみ指定します。それ以外の場合には、行の先頭にハッシュ記号 (#) を付けてこれらの行をコメント文にします。
注意 : TLISTEN_PORT および TLISTEN_PASSWORD キーワードは省略可能です。
注意 : これらのキーワードとその値は、Server (サーバのみのインストール) を選択する場合にのみ指定します。

テンプレート ファイルでは、コメント行の先頭にハッシュ記号 (#) を付けます。インストーラ プログラムは、ハッシュ記号で始まる行を読み取りません。

 


Windows システム上でのサイレント インストール プロセスの起動

ソフトウェアのサイレント インストールには、標準インストールと同じくらいの時間がかかります。サイレント インストールでは、インストールが開始されたことを示すインストール プログラムの初期ウィンドウが表示されます。

Windows システム上でサイレント インストール プロセスを起動するには、次の手順に従います。

  1. Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」で説明するハードウェアおよびソフトウェア要件を満たす Windows システムを選びます。
  2. Windows XP システムは、Oracle Tuxedo クライアント コンポーネントのみをサポートしています。

  3. Administrator または Administrator グループのメンバーとして Windows システムにログインします。
  4. Windows システムに Oracle Tuxedo サーバ コンポーネントをインストールするには管理者特権が必要です。Oracle Tuxedo クライアント コンポーネントのみをインストールする場合には管理者特権は不要です。

  5. Oracle Tuxedo のインストールに必要な空き容量があることを確認します。
  6. ディスク容量の要件については、「Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」を参照してください。重要なディスク領域の割り当ての情報については、「ファイルおよびデータベースの管理とディスク領域の割り当て」を参照してください。

  7. Oracle Tuxedo を Oracle の Web サイトからダウンロードしてインストールする場合は、次の手順に従います。
    1. コマンドライン シェルを開きます。
    2. http://www.oracle.com/technology/software/index.html にアクセスし、使用しているプラットフォームに対応した Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) インストール ファイルをダウンロードします。
    3. インストーラをダウンロードしたディレクトリに移動し、次のコマンドを入力してインストール プログラムを起動します。
    4. prompt> filename.exe -f path\installer.properties

      filename は Oracle Tuxedo インストーラ ファイルの名前を表し、pathinstaller.properties ファイルのフルパスまたは相対パス名を表します。

      注意 : installer.properties という名前のファイルがインストーラ (tuxedo81_win.exe など) と同じディレクトリに存在する場合、サイレント モードではこのファイルが自動的に指定されます。しかし、installer.properties が異なるディレクトリに存在する場合は、-f コマンドライン オプションを使用してこのファイルを指定する必要があります。たとえば、filename.exe -f path\installer.properties と指定します。
  8. ソフトウェアが正常にインストールされたことを確認するには、「インストール後の作業の実行」を参照してください。
  9. Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) のインストールが終了したら、システムに再ログインします。

 


UNIX システム上でのサイレント インストール プロセスの起動

ソフトウェアのサイレント インストールには、標準インストールと同じくらいの時間がかかります。サイレント インストールでは、起動メッセージに続いて、インストールが開始されたことを示す「Installing . . .」というメッセージが表示されます。

UNIX システム上でサイレント インストール プロセスを起動するには、次の手順に従います。

  1. Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」で説明するハードウェアおよびソフトウェア要件を満たす UNIX システムを選びます。
  2. Oracle Tuxedo 管理者として UNIX システムにログインします。
  3. Oracle Tuxedo のインストールに必要な空き容量があることを確認します。
  4. ディスク容量の要件については、「Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」を参照してください。重要なディスク領域の割り当ての情報については、「ファイルおよびデータベースの管理とディスク領域の割り当て」を参照してください。

  5. Oracle Tuxedo を Oracle の Web サイトからダウンロードしてインストールします。
    1. http://www.oracle.com/technology/software/index.html にアクセスし、使用しているプラットフォームに対応した Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) インストール ファイルをダウンロードします。
    2. インストーラをダウンロードしたディレクトリに移動し、次のコマンドを入力してインストール プログラムを起動します。
    3. prompt> sh filename.bin -f path/installer.properties

      filename は Oracle Tuxedo インストーラ ファイルの名前を表し、pathinstaller.properties ファイルのフルパスまたは相対パス名を表します。

      注意 : installer.properties という名前のファイルがインストーラ (tuxedo81_sol.bin など) と同じディレクトリに存在する場合、サイレント モードではこのファイルが自動的に指定されます。しかし、installer.properties が異なるディレクトリに存在する場合は、-f コマンドライン オプションを使用してこのファイルを指定する必要があります。たとえば、filename.exe -f path/installer.properties と指定します。
  6. ソフトウェアが正常にインストールされたことを確認するには、「インストール後の作業の実行」を参照してください。

 


Windows テンプレート ファイル

この Windows テンプレート ファイルのサンプル (installer.properties) は、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) のサイレント インストール用です。

コード リスト 4-1 Windows installer.properties テンプレート ファイル
INSTALLER_UI=silent
### Locale ###
USER_LOCALE=en
### Oracle Home Directory ###
### NOTE: backslashes must be escaped.###
ORACLEHOME=c:\\oracle\\tuxedo10gR3
### Product Installation Directory ###
USER_INSTALL_DIR=c:\\oracle\\tuxedo10gR3
### LDAP Service Name ###
LDAP_HOSTNAME=pcwiz.mydomain.com
### LDAP PortID ###
LDAP_PORTID=389
### LDAP BaseObject ###
LDAP_BASE_OBJECT="o=beasys.com"
### LDAP Filter File Location ###
LDAP_FILTER_FILE=c:\\oracle\\tuxedo10gR3\\udataobj\\security\\
bea_ldap_filter.dat
### Default Listen Port, User Can Run ###
### Oracle Tuxedo 10gR3 Administration in ###
### Control Panel to Change to Another Port ###
TLISTEN_PORT=1357
### Tlisten Password ###
TLISTEN_PASSWORD=luckluck
### TLISTEN ENCRYPTION###
ENCRYPT_CHOICE_BOOLEAN_2=0
ENCRYPT_CHOICE_BOOLEAN_1=1
SSL_PNAME=test1
SSL_PLOC=test1.pem
SSL_PPASS=passwd
min_crypt_bits_1=0
min_crypt_bits_2=1
min_crypt_bits_3=0
min_crypt_bits_4=0
max_crypt_bits_1=0
max_crypt_bits_2=0
max_crypt_bits_3=1
max_crypt_bits_4=0
### Valid Install Sets, select one:###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Full###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Server###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Client###
### CHOSEN_INSTALL_SET=ATMI###
### CHOSEN_INSTALL_SET=CORBA###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Jolt###
### CHOSEN_INSTALL_SET=DNET###
### NOTE: Spaces should not be included after the install set name.###
### If there are spaces after the install set name, the installation ###
### process uses the default mode Full Install.###
CHOSEN_INSTALL_SET=Full Install
### Install Samples Y/N###
INSTALL_SAMPLES=Yes
注意 : ENCRYPT_CHOICE_BOOLEAN_1=1:1」の場合、tlisten は SSL をサポートします。
ENCRYPT_CHOICE_BOOLEAN_2=1:1」の場合、tlisten は LLE をサポートします。
0 の場合、SSL/LLE はサポートされません。
どちらかの暗号化方法 (SSL または LLE) を 1 に設定する場合、もう一方を 0 に設定する必要があります。
注意 : min_crypt_bits_1: 「1」の場合、最小暗号化ビット 0 が設定されます。「0」の場合は設定されません。
min_crypt_bits_2: 「1」の場合、最小暗号化ビット 56 が設定されます。「0」の場合は設定されません。
min_crypt_bits_3: 「1」の場合、最小暗号化ビット 128 が設定されます。「0」の場合は設定されません。
min_crypt_bits_4: 「1」の場合、最小暗号化ビット 256 が設定されます。「0」の場合は設定されません。
いずれかの暗号化方法を 1 に設定して、他の暗号化方法を 0 に設定する必要があります。
注意 : max_crypt_bits_1: 「1」の場合、最大暗号化ビット 0 が設定されます。「0」の場合は設定されません。
max_crypt_bits_2: 「1」の場合、最大暗号化ビット 56 が設定されます。「0」の場合は設定されません。
max_crypt_bits_3: 「1」の場合、最大暗号化ビット 128 が設定されます。「0」の場合は設定されません。
max_crypt_bits_4: 「1」の場合、最大暗号化ビット 256 が設定されます。「0」の場合は設定されません。
いずれかの暗号化方法を 1 に設定して、他の暗号化方法を 0 に設定する必要があります。
注意 : SSL_PNAME = セキュリティ プリンシパルの名前
注意 : SSL_PLOC = セキュリティ プリンシパルの場所
注意 : SSL_PPASS = セキュリティ プリンシパルのパスワード

 


UNIX テンプレート ファイル

この UNIX テンプレート ファイルのサンプル (installer.properties) は、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) のサイレント インストール用です。

コード リスト 4-2 UNIX installer.properties テンプレート ファイル
INSTALLER_UI=silent
### Locale ###
USER_LOCALE=en
### Installation Mode ###
### Input New Install ###
INSTALL_MODE=New Install
### Oracle Home Directory ###
ORACLEHOME=/home/user/oracle/tuxedo10gR3
### Product Installation Directory ###
USER_INSTALL_DIR=/home/user/oracle/tuxedo10gR3
### LDAP Service Name ###
LDAP_HOSTNAME=pcwiz.mydomain.com
### LDAP PortID ###
LDAP_PORTID=389
### LDAP BaseObject ###
LDAP_BASE_OBJECT="o=beasys.com"
### LDAP Filter File Location ###
LDAP_FILTER_FILE=/home/user/oracle/tuxedo10gR3/udataobj/security/
bea_ldap_filter.dat
### Tlisten Password ###
TLISTEN_PASSWORD=luckluck
### Valid Install Sets, select one:###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Full###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Server###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Client###
### CHOSEN_INSTALL_SET=ATMI###
### CHOSEN_INSTALL_SET=CORBA###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Jolt###
### NOTE: Spaces should not be included after the install set name.###
### If there are spaces after the install set name, the installation ###
### process uses the default mode Full Install.###
CHOSEN_INSTALL_SET=Full Install
CHOSEN_INSTALL_SET=Full Install
### Install Samples Y/N###
INSTALL_SAMPLES=Yes

 


次のステップ

インストール後の作業については、以下の節を参照してください。

Oracle Tuxedo ソフトウェアをコンフィグレーションして、ソフトウェアが正しくインストールされていることを確認する場合、あるいは Oracle Tuxedo ソフトウェアをアンインストールする場合には、「インストール後の作業の実行」を参照してください。


  ページの先頭       前  次