Oracle Tuxedo システムのインストール

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Oracle Tuxedo システムの 10g リリース 3 (10.3) へのアップグレード

以下の節では、簡易アップグレードおよびホット アップグレードの手順に従って、Oracle Tuxedo または Oracle WebLogic Enterprise アプリケーションを Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) にアップグレードする方法について説明します。

 


アップグレードするためのマシンの準備作業

Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) ソフトウェアをインストールする前に、必要なバージョンのオペレーティング システムとコンパイラがインストールされていることを確認します。サポートされている各プラットフォームのオペレーティング システムとコンパイラについては、「Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」を参照してください。

 


アップグレード手順の選択

Oracle Tuxedo ソフトウェアまたは Oracle WebLogic Enterprise ソフトウェアの旧バージョンがインストールされているプラットフォームに Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) をインストールする場合は、次の手順をよく読んでください。

アップグレードするためにアプリケーションを停止できる場合は、停止してから簡易アップグレードを実行します。簡易アップグレードの実行手順については、「簡易アップグレードの実行」を参照してください。

アップグレードするためにアプリケーションを停止できない場合は、ホット アップグレードを実行すると、以下のソフトウェア製品から Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) にアップグレードする際にも企業内のアプリケーションを停止する必要がありません。

既存のアプリケーションを停止しなくても、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) ソフトウェアを既存の Oracle Tuxedo または Oracle WebLogic Enterprise ドメインに追加したり、新しい Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) アプリケーション サーバをそれらのドメインに追加したりすることができます。ホット アップグレードの実行手順については、「ホット アップグレードの実行」を参照してください。

 


ファイルのバックアップ

インストール前にバックアップし、インストール後に復元しなければならないファイルがあります。こうしたファイルに対する変更はすべて、新しい Oracle Tuxedo ソフトウェアのインストールに伴って上書きされます。

これらのファイルをもう一度変更することを避けるには、次の手順に従います。

  1. RM ファイルを一時ディレクトリにバックアップします。RM ファイルには、buildtmsbuildXAJS などのコマンドが使用するデータベース ベンダ固有の設定が格納されています。このファイルは、tux_prod_dir/udataobj ディレクトリにあります。ここで tux_prod_dir は Oracle Tuxedo または Oracle WebLogic Enterprise ソフトウェアをインストールしたディレクトリです。
  2. tuxwsvr.ini ファイルと webgui.ini ファイルを一時ディレクトリにバックアップします。これらのファイルには、Oracle Tuxedo Administration Console サーバおよび GUI 用にカスタマイズした初期化情報が格納されています。tuxwsvr.ini ファイルは tux_prod_dir/udataobj ディレクトリにあり、webgui.ini ファイルは tux_prod_dir/udataobj/webgui ディレクトリにあります。
  3. CATNAMESjrepository、および jrly.config ファイルをバックアップします。CATNAMES ファイルは、tux_prod_dir/locale ディレクトリにあります。jrepository ファイルと jrly.config ファイルは、tux_prod_dir/udataobj/jolt ディレクトリにあります。
  4. tux_prod_dir ディレクトリに追加したすべてのファイルを一時ディレクトリに移動します。
  5. インストールが完了したら、これらのファイルを元の場所に戻します。

 


簡易アップグレードの実行

簡易アップグレードでは以下の操作を行います。

  1. アプリケーションを停止します。
  2. ファイルのバックアップ」で説明したとおりにファイルをバックアップします。
  3. tmunloadcf(1) コマンドを実行して、MASTER マシンにあるテキスト形式のコンフィグレーション ファイルを更新します。
  4. 以前のバイナリ形式のコンフィグレーション ファイルをバックアップします。
  5. Oracle Tuxedo 9.1 マシンをアップグレードする場合、「Oracle Tuxedo のアンインストール」の説明に従って Oracle Tuxedo システム ソフトウェアをアンインストールします。
  6. Oracle WebLogic Enterprise または Oracle Tuxedo 10.0 以前のソフトウェアを実行している Windows マシンをアップグレードする場合、「Windows 2003 Server の追加アップグレード手順の実行」で説明する追加手順を行います。
  7. Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) ソフトウェアは、少なくとも MASTER マシンとバックアップ MASTER マシンにインストールします。
  8. MASTER マシン上で tmloadcf(1) を実行して、テキスト形式のコンフィグレーション ファイルを再ロードします。
  9. 必要に応じて、アプリケーション プログラムを再コンパイルおよび再リンクします。
  10. アプリケーションを再起動します。
  11. 時間があれば、コンフィグレーション内のほかのマシンも停止してアップグレードします。

 


Windows 2003 Server の追加アップグレード手順の実行

Oracle WebLogic Enterprise または Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) 以前のソフトウェアを実行している Windows 2003 マシンでは、クリーンな状態で作業を始めるために、次の手順を実行してから Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) ソフトウェアをインストールします。

  1. Tuxedo TListen および Oracle procMGR サービスを停止します。[スタート] メニューから、[すべてのプログラム|管理サービス|サービス] の順にクリックします。[サービス] ウィンドウが表示されます。
  2. 注意 : Tuxedo Oracle procMGR サービスは、Oracle Tuxedo 6.5 または Oracle WebLogic Enterprise 5.1 では IPC Helper と呼ばれています。
  3. TListen サービスのエントリまでスクロールして選択し、[停止] ボタンをクリックします。[状態] 値が [開始] から空白に変わります。次に、Oracle procMGR (IPC Helper) サービスまでスクロールして選択し、[停止] ボタンをクリックします。エラーが発生することはありますが、サービスの [状態] 値は [開始] から空白に変わります。[閉じる] ボタンをクリックします。
  4. Windows の [アプリケーションの追加と削除] を使用して、前のバージョンの Oracle Tuxedo または Oracle WebLogic Enterprise ソフトウェアを削除します。[スタート] メニューから、[設定|コントロール パネル|アプリケーションの追加と削除] をクリックします。[アプリケーションの追加と削除のプロパティ] ウィンドウが表示されます。
  5. 前のバージョンの Oracle Tuxedo または Oracle WebLogic Enterprise ソフトウェアのエントリまでスクロールして選択し、[追加と削除] ボタンをクリックします。
  6. 注意 : WebLogic Enterprise 5.1 の C++ コンポーネントと Java コンポーネントの両方がインストールされている場合、Java ソフトウェアを先に削除してから C++ ソフトウェアを削除する必要があります。
  7. ソフトウェアをアンインストールするかどうかを確認するメッセージが表示されたら、[はい] を選択します。削除が終了すると、[コンピュータからプログラムを削除] ウィンドウが表示されます。
  8. 一般にはインストール後にファイルを追加したことが理由で、すべてのディレクトリを削除できなかった場合は、[詳細] ボタンをクリックすると、どのディレクトリが削除されずにシステムに残っているかを確認できます。削除されなかったディレクトリに、変更済みのサンプル ファイルなど、インストール後に変更したファイルが含まれている場合は、それらを一時ディレクトリに移動します。
  9. アンインストールが終了したらシステムを再起動します。

 


Tuxedo 6.5 から Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) へのアップグレード

Tuxedo 6.5 から Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) にアップグレードする場合、以下の点に注意してください。

 


ホット アップグレードの実行

ホット アップグレードを実行する前に、「ファイルのバックアップ」で説明したとおりにファイルをバックアップします。

ホット アップグレードでは、MASTER マシンとバックアップ MASTER マシンを順番に停止する必要がありますが、コンフィグレーション内の残りのマシンは停止する必要がありません。

アップグレード前の注意

ホット アップグレードによっていったん MASTER マシンを Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) に移行したら、バックアップ マシンを Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) にアップグレードするまで、代理のバックアップ マシンを元に戻すことはできません。つまり、MASTER マシンの移行は元に戻せません。移行が完了したら、MASTER マシンを以前に動作していた Oracle Tuxedo バージョンに戻すことはできません。

MASTER が旧リリースの Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) マシン上で tmadmin(1) を実行する場合、UPGRADE ファイルはカレント ディレクトリにある必要があります (「ホット アップグレードの例」を参照)。このファイルがカレント ディレクトリにあることを確認するには、たとえば、Tuxedo アプリケーション ディレクトリ (%APPDIR% (Windows)/ $APPDIR (UNIX) ディレクトリ) から tmadmin を実行します。

移行時には、Oracle Tuxedo データ ストレージ領域に関して次のガイドラインに従うように注意してください。

停止時間を最短にするために、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) を MASTER およびバックアップ MASTER マシンにインストールしつつ、旧リリースのクライアントおよびサーバを作成したディレクトリと並行して %APPDIR%/ $APPDIR によって定義される各マシンのディレクトリですべてのクライアントおよびサーバを再ビルドすることをお勧めします。つまり、旧リリースのアプリケーションと Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) アプリケーションの両方を各マシンで使用できるようにします。この処理は不可欠というわけではありませんが、実行することをお勧めします。

Oracle Tuxedo ソフトウェアは、最大 256 バイトのデバイス リスト パス エントリをサポートしています (旧リリースでは 64 バイト)。Oracle Tuxedo の旧リリースで作成されたキュースペース、TLOG ファイル、その他のコンフィグレーション ファイルは、このリリースでも認識およびサポートされます。ただし、Oracle Tuxedo 8.0 以前のリリースで作成されたデバイス リストは、パス名が 64 バイトに制限されています。このため、将来 64 バイトを超える長さのパス名を使用してキュースペースに新しい領域を追加しようと考えており、更新時にこのようなキュースペースが空の場合、システム管理者はホット アップグレード時にキュースペース デバイス リストとキュースペースを作成できます。多くのアプリケーションは、アップグレード中にキュースペースを保持する必要があり、それらを再作成できません。さらに、ほとんどのアプリケーションは将来キュースペースに領域を追加する必要がないか、または現在使用しているパス名以下の長さのパス名を使用して領域を追加できます。このキュースペースの再作成はまったくの任意であり、ここでの説明はあくまで補完的なものです。

ホット アップグレード手順

この節では、ホット アップグレードのタスクについて説明します。

  1. 次のように環境を設定する必要があります。
    • コンフィグレーションにバックアップ MASTER マシンを用意します。
    • コンフィグレーション内の MODEL オプションを MP に設定します。
    • コンフィグレーション内の MIGRATE オプションを設定します。
  2. Oracle Tuxedo 9.1 マシンをアップグレードする場合、「Oracle Tuxedo のアンインストール」の説明に従って Oracle Tuxedo システム ソフトウェアをアンインストールします。
  3. Oracle WebLogic Enterprise または Oracle Tuxedo 9.1 以前のソフトウェアを実行している Windows 2003 マシンをアップグレードする場合、「Windows 2003 Server の追加アップグレード手順の実行」で説明する追加手順を行います。
  4. バックアップ MASTER マシンを停止します。
  5. バックアップ MASTER マシンに Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) ソフトウェアをインストールし、バックアップ マシンを再起動します。
  6. 旧リリースが動作する MASTER マシンを、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) が動作するバックアップ MASTER マシンに移行します。
  7. バックアップ MASTER となったマシンを停止します。
  8. Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) を古い MASTER マシンにインストールします。
  9. Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) を使用して、手順 7 で停止したマシンを再起動します。

ホット アップグレードの詳細については、次節の「ホット アップグレードの例」を参照してください。

ホット アップグレードの例

次の例は、ホット アップグレードのサンプル シナリオとホット アップグレードの実行手順を示したものです。

UNIX プラットフォームで以下のものがあるとします。

次の手順を参照して、アプリケーションのホット アップグレードを実行します。

コード リスト 5-1 一般的なホット アップグレード
MACH1> tmshutdown -B MACH2 -l MACH2
MACH1> Run tmconfig to reset the APPDIR, TUXCONFIG, TUXDIR for MACH2
       MACH2> Kill tlisten process
       MACH2> Load Tuxedo 10gR3 if it is not already loaded
       MACH2> cd $APPDIR2
       MACH2> rm $TUXCONFIG2
       MACH2> >UPGRADE # Indicator that upgrade being done
       MACH2> Reset PATH, LD_LIBRARY_PATH, TUXCONFIG, APPDIR
       MACH2> Rebuild clients and servers, create TLOG
       MACH2> Start Tuxedo 10gR3 tlisten
MACH1> >UPGRADE # Indicator that upgrade being done
MACH1> tmboot -B MACH2 -l MACH2
       MACH2> tmadmin
              master
              y
              psr
              q
       MACH2> tmshutdown -B MACH1 -l MACH1
       MACH2> Run tmconfig to reset the APPDIR, TUXCONFIG, TUXDIR for MACH1
MACH1> Kill tlisten process
MACH1> Load Tuxedo 10gR3 if it is not already loaded
MACH1> cd $APPDIR1
MACH1> rm $TUXCONFIG1
MACH1> Reset PATH, LD_LIBRARY_PATH, TUXCONFIG, APPDIR
MACH1> Rebuild clients and servers, create TLOG
MACH1> Start Tuxedo 10gR3 tlisten
MACH1> rm UPGRADE # Remove indicator that upgrade being done
       MACH2> rm UPGRADE # Remove indicator that upgrade being done
       MACH2> tmboot -B MACH1 -l MACH1
注意 : 上記の例で説明したアップグレードを Windows プラットフォームから実行する場合は、tlisten プロセスを停止した後に Tuxedo Oracle procMGR (Oracle Tuxedo 6.5 または Oracle WebLogic Enterprise 5.1 では IPC Helper) サービスを停止し、tlisten プロセスを開始する前に Oracle procMGR サービスを開始します。

 


アプリケーションの再ビルド

Oracle Tuxedo システムが正しくインストールされたら、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) にアップグレードしたシステム上で実行するすべてのアプリケーション クライアントとサーバを再ビルドする必要があります。また、古い TUXCONFIG ファイルをすべて削除し、新しくインストールされた tmloadcf(1) を使用して、これらのファイルを再ロードする必要もあります。

Oracle Tuxedo システム アプリケーションが分散化されている場合、MASTER マシンとバックアップ MASTER マシンでは、コンフィグレーション内のマシンの中で最も新しいリリースの Oracle Tuxedo システムを実行しなければなりません。ワークステーション クライアントなどほかのマシンでは、以前のリリースの実行可能ファイルをそのまま使用できます。たとえば、MASTER とバックアップ MASTER で Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) を実行していても、そのほかのマシンでは Oracle Tuxedo 6.5 以降が使用されることがあります。

「最新リリースを実行する」というルールには、重要な例外が 1 つあります。Oracle Tuxedo システム サーバ マシンを Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) にアップグレードせずに、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) をワークステーション クライアントだけにインストールすることもできます。つまり、6.5 以降のリリースの場合、MASTER がリリース 6.5 以降を実行するコンフィグレーションに、ワークステーション クライアントが混在してもかまいません。

 


Oracle WebLogic Server への Oracle Jolt 10g リリース 3 (10.3) のインストール

この節では、Oracle WebLogic Server 6.1、7.0、8.1、および Oracle Tuxedo 6.5、7.1、8.0、8.1、9.0、9.1、10.0 で Oracle Jolt 10g リリース 3 (10.3) を使用するユーザのための補足的なインストール手順について説明します。Jolt クライアント パーソナリティ ソフトウェア (Oracle Jolt for Oracle WebLogic Server) を Oracle WebLogic Server 6.1、7.0、または 8.1 マシンにインストールするには、Jolt クライアント パーソナリティ ソフトウェアを Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) マシンから対象 Oracle WebLogic Server マシンにコピーします。もちろん、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) マシンと目的の Oracle WebLogic Server マシンが同じマシンであれば、Jolt クライアント ライブラリ クラス ファイルを CLASSPATH 変数に追加するだけで済みます。

Oracle Jolt for Oracle WebLogic Server クライアント ソフトウェアは、jolt.jarjoltjse.jarjoltwls.jar の 3 つの JAR ファイルで構成されています。これらのファイルを、CLASSPATH 変数設定に追加します。

Oracle WebLogic Server での Jolt 接続プールのコンフィグレーションについては、「Oracle WebLogic Server での Oracle Jolt の使用」を参照してください。


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