Oracle Tuxedo システムのインストール

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インストール後の作業の実行

以下の節では、Oracle Tuxedo をインストールした後の作業について説明します。

 


Oracle Tuxedo のディレクトリ構造について

インストール プログラムは、Oracle Tuxedo ソフトウェアのフル インストール時に次のディレクトリ構造を作成します。フル インストールには、Oracle Tuxedo サーバおよびクライアント ソフトウェア コンポーネントに加えて、リンク レベルの暗号化 (LLE) およびセキュア ソケット レイヤ (SSL) 暗号化ソフトウェア パッケージが含まれます。

図 6-1 Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) のディレクトリ構造

Oracle Tuxedo 10g Release 3 (10.3) のディレクトリ構造

この図の製品ディレクトリ (tuxedo10g リリース 3 (10.3)) は、Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) のデフォルト ディレクトリです。デフォルト名はインストール時に変更することができます。

次の表では、Oracle Tuxedo ディレクトリ構造の最上位にあるディレクトリおよびファイルについて簡単に説明します。

ディレクトリ名
説明
samples

注意 : サンプルは、Tuxedo 10gR3 インストール時に選択しないとインストールされません。

Oracle Tuxedo を使用して独自のアプリケーションを開発する方法を学習できるように用意されたサンプル コードおよびリソースが格納されています。samples ディレクトリには以下のサブディレクトリが格納されています。
  • atmi
    Oracle Tuxedo アプリケーション トランザクション モニタ インタフェース (ATMI) サーバ ソフトウェアの数多くの機能を具体的に示す簡単なアプリケーションの集合
  • corba
    Oracle Tuxedo Common Object Request Broker Architecture (CORBA) C++ サーバ ソフトウェアの数多くの機能を具体的に示す簡単なアプリケーションの集合
  • jolt
    Oracle Jolt サーバ ソフトウェアの数多くの機能を具体的に示す簡単なアプリケーションの集合
help
Oracle Tuxedo Administration Console のヘルプ ファイルが格納されています。
jre ディレクトリ
Java Runtime Environment (JRE) のバージョン 1.5.x を格納するディレクトリ。JRE 1.5.x は、Oracle Tuxedo インストール プログラムに必要な Java 仮想マシン (JVM) を提供します。このバージョンの JRE は Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) と共に配布されます。JRE は、Oracle Tuxedo をインストールするときに Oracle ホーム ディレクトリに自動的にインストールされます。

注意 : JRE を開発用に使用することはできません。Oracle Tuxedo Java クライアント アプリケーションを開発するには、Java Development Kit (JDK) をシステムにインストールしておく必要があります。

bin
Tuxedo、Jolt、および SNMP エージェントの実行可能プログラムが格納されています。
uninstaller
Oracle Tuxedo ソフトウェアをアンインストールするために必要なコードが格納されています。
locale
システム メッセージのローカライズをサポートするサブディレクトリが格納されています。C サブディレクトリには、デフォルト ロケールのメッセージ カタログ (米国の英語) が格納されています
cobinclude
COBOL プログラムで使用する .cbl エントリが格納されています。
lib
動的共有ライブラリ (Oracle Tuxedo が動的共有ライブラリを使用するプラットフォーム用) を含むコンパイル済みのオブジェクト ファイルと、Oracle Tuxedo クライアントおよびサーバをビルドするために必要なその他のファイルが格納されています。
include
C および C++ 言語のヘッダ ファイルに加えて、OMG IDL ファイルも格納されています。unicode および xercesc サブディレクトリが格納されており、rpc サブディレクトリが格納される場合があります (プラットフォームによって異なる)。
udataobj
Oracle Tuxedo に必要なその他のディレクトリおよびファイルが格納されています。udataobj ディレクトリには、以下のサブディレクトリおよびファイルが格納されています。
  • security
    デフォルトの Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) フィルタ ファイル (bea_ldap_filter.dat) と LLE および SSL 関連の暗号化ファイルが格納されています。
  • jolt
    インストール対象として選択した Oracle Jolt ソフトウェア コンポーネント用のファイルが格納されています。
  • snmp
    etc ディレクトリが格納され、その下には SNMP エージェント コンフィグレーション ファイルや MIB ファイルなどが格納されています。
  • java
    Java アプリケーションを実行するために必要なクラスおよび Java アーカイブ ファイルが格納されています。
  • webgui
    Oracle Tuxedo Administration Console 用の Java および画像ファイルが格納されています。
  • tlisten.pw (ファイル)
    インストール時に指定した tlisten 管理用パスワードが格納されています。
tux.env (ファイル)
UNIX システムのみ : UNIX でのインストール用の Oracle Tuxedo 環境変数を格納しており、変数を設定する際のモデルとなります。

 


Oracle Tuxedo のアーキテクチャについて

次の図に、Oracle Tuxedo アーキテクチャの基礎となる Oracle Tuxedo ドメインを示します。

図 6-2 Oracle Tuxedo アーキテクチャの概略

Oracle Tuxedo アーキテクチャの概略

Tuxedo ドメイン (Tuxedo アプリケーションともいう) は Tuxedo システムを基盤としたビジネス ソフトウェア プログラムであり、UBBCONFIG という 1 つのコンフィグレーション ファイルによって定義および制御されます。Tuxedo ドメインは、多くのシステム プロセス、1 つ以上のアプリケーション クライアント プロセス、1 つ以上のアプリケーション サーバ プロセス、およびネットワーク経由で接続された 1 つ以上のコンピュータ マシンで構成されます。

以下の節では、インストール後のチェックを行う前に知っておく必要がある Oracle Tuxedo に関する重要な用語および概念を簡単に説明します。

現時点では用語を完全に理解する必要はありません。必要に応じてこれらの節を参照してください。インストール後の手順の中でこれらの用語を見つけたら、該当する節に戻って正確な意味を確認してください。

UBBCONFIG ファイル

Oracle Tuxedo ドメインは、コンフィグレーション ファイルによって制御されます。このファイルには、インストール時の設定に基づくパラメータが定義されています。テキスト形式のコンフィグレーション ファイルは UBBCONFIG と呼ばれますが、ファイルの内容が『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』の「UBBCONFIG(5)」に示されているフォーマットに従っている限り、コンフィグレーション ファイルには任意の名前を付けることができます。

Tuxedo ドメイン用の UBBCONFIG ファイルには、アプリケーションを起動するために必要なすべての情報 (そのリソース、マシン、グループ、サーバ、利用可能なサービスなどのリスト) が格納されています。UBBCONFIG ファイルは 9 つのセクションで構成され、そのうちの 5 つ (RESOURCESMACHINESGROUPSSERVERS、および SERVICES) はすべてのコンフィグレーションで必須です。

MASTER マシン

Tuxedo ドメインの MASTER マシン (または MASTER ノード) は、そのドメインの UBBCONFIG ファイルを保持し、UBBCONFIG ファイルの RESOURCES セクションで MASTER マシンとして指定されています。Tuxedo ドメインの開始、停止、および管理はすべて MASTER マシンから行います。

異なるリリースの Tuxedo システム ソフトウェアを実行する複数のマシンで構成された Tuxedo ドメインでは、MASTER マシンがそのドメインで最上位リリースの Tuxedo システム ソフトウェアを実行しなければなりません。

TUXCONFIG ファイル

TUXCONFIG ファイルは、バイナリ形式の UBBCONFIG ファイルです。このファイルを作成するには tmloadcf(1) コマンドを実行します。このコマンドは、UBBCONFIG を解析し、TUXCONFIG 環境変数が参照している場所にバイナリ形式の TUXCONFIG ファイルをロードします。UBBCONFIG と同じく、TUXCONFIG ファイルには任意の名前を付けることができます。

Tuxedo ドメインの MASTER マシンには、TUXCONFIG ファイルのマスタ コピーが格納されています。TUXCONFIG ファイルのコピーは、Tuxedo システムを MASTER マシン上で起動するたびに、Tuxedo ドメインにあるその他のすべてのサーバ マシン (非 MASTER マシン) に伝播されます。

TUXCONFIG 環境変数

TUXCONFIG 環境変数は、tmloadcf(1) コマンドがバイナリ形式の TUXCONFIG ファイルをロードする MASTER マシン上の場所を定義します。この場所は、TUXCONFIG をロードするデバイスまたはシステム ファイルで終わる絶対パス名で設定しなければなりません。

TUXCONFIG パス名の値は、UBBCONFIG ファイルの MACHINES セクションで指定します。この値は、Tuxedo ドメインの MASTER マシンおよびその他すべてのサーバ マシンに対して指定します。システムの起動時にバイナリ形式の TUXCONFIG ファイルのコピーを非 MASTER マシンに伝播した場合、そのコピーは、TUXCONFIG パス名の値に従って非 MASTER マシンに保存されます。

TUXDIR 環境変数

TUXDIR 環境変数は、MASTER マシン上の Oracle Tuxedo ソフトウェアの製品インストール ディレクトリを定義します。製品インストール ディレクトリの名前で終わる絶対パス名で設定しなければなりません。

TUXDIR パス名の値は、UBBCONFIG ファイルの MACHINES セクションで指定します。この値は、Tuxedo ドメインの MASTER マシンおよびその他すべてのサーバ マシンに対して指定します。

 


Windows システムのレジストリを使用したアクセス制限の強化

Oracle Tuxedo で提供されるクライアント プログラムは、自分のパーミッションを持つユーザによって直接実行されます。さらに、ネイティブ クライアント (サーバ プログラムと同じマシンで実行中のクライアント) を実行するユーザは、UBBCONFIG ファイルにアクセスしたり、掲示板 (アプリケーションを制御するパラメータおよびアプリケーションの統計情報を格納するために確保されている共有メモリの一部) などのプロセス間通信 (IPC) のメカニズムにアクセスできます。

ネイティブ クライアントは Oracle Tuxedo 機能にアクセスするために、アプリケーション管理者の ID (tpsysadm) を使用して Oracle Tuxedo アプリケーションに参加します。ただし、tpsysadm は信頼性のあるユーザであるため、この設定では Oracle Tuxedo システムがユーザ認証を省略します。

Windows 2003 サーバ マシンでセキュリティの認証が行われるようにするには、次の手順に従います。

  1. [スタート|ファイル名を指定して実行] をクリックし、[ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスに「regEdt32」と入力してから、[OK] をクリックして [レジストリ エディタ] ウィンドウを表示します。
  2. [HKEY_LOCAL_MACHINESoftwareOracle SystemsTuxedo10.3.0.0_VS2005] の順に選択します。
  3. [SECURITYPermissions] の順に選択します。
  4. [Everyone] のアクセス権を無効にし、管理者特権を持つユーザのアクセスだけを設定します。

 


環境設定

Oracle Tuxedo を使用して Oracle Tuxedo アプリケーションをビルドして実行する前に、環境変数を設定する必要があります。以下の表は、さまざまな環境変数を定義してまとめたものです。

表 6-1 Oracle Tuxedo コア環境変数
環境変数
説明
TUXDIR
このマシンで Oracle Tuxedo ソフトウェアをインストールした製品ディレクトリの絶対パス名。TUXDIR は、サーバとクライアントのみのマシンの両方で設定する必要があります。
APPDIR
このサーバ マシンでアプリケーションおよび管理サーバが起動するアプリケーション ディレクトリの絶対パス名。APPDIR は、1 つまたは複数のディレクトリに設定することができます。
TUXCONFIG
バイナリ形式の TUXCONFIG ファイルが置かれているサーバ マシン上のファイルまたはデバイスの絶対パス名。TUXCONFIG を作成するには、UBBCONFIG コンフィグレーション ファイルに対して tmloadcf(1) コマンドを実行します。
WEBJAVADIR
このサーバ マシン上の Oracle Tuxedo Administration Console 用の Java および画像ファイルの絶対パス名。

表 6-2 Oracle Tuxedo クライアントのみの環境変数
環境変数
説明
WSENVFILE
このワークステーションに対して設定するすべての環境変数を収めたファイルの名前。この変数のデフォルト値はありません。
TOBJADDR
Tuxedo リモート CORBA クライアント: Tuxedo サーバ マシンのリスナのアドレスです。サーバの UBBCONFIG ファイルで指定したホストおよびポートと、大文字と小文字の違いも含めて正確に一致する必要があります。

表 6-3 COBOL 環境変数
環境変数
説明
COBCPY
コンパイラで使用される COBOL COPY の各ファイルが置かれたディレクトリ。
COBOPT
コンパイルのコマンドラインで使用する引数。

表 6-4 Java 環境変数
環境変数
説明
JAVA_HOME
このマシンで Java Development Kit (JDK) 1.5.x をインストールしたディレクトリの絶対パス名。Java アプリケーションのビルドと実行に必要です。*
JDKDIR
JAVA_HOME 値に設定します。
CLASSPATH
このマシン上のクラスおよび Java アーカイブ ファイルの絶対パス名。Java アプリケーションの実行に必要です。
* Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) では、JDK は配布されません。

Windows システムでの環境変数の設定

Windows 2003 サーバ マシンでは、環境を設定するには以下の環境変数を設定する必要があります。

set TUXDIR=pathname_of_Oracle_Tuxedo_product_directory
set APPDIR=pathname_of_Oracle_Tuxedo_application_directory
set TUXCONFIG=pathname_of_TUXCONFIG_file
set WEBJAVADIR=%TUXDIR%\udataobj\webgui\java
set PATH=%APPDIR%;%TUXDIR%\bin;\bin;%PATH%

TUXDIRAPPDIR、および TUXCONFIG の例は次のとおりです。

TUXDIR=C:\Oracle\tuxedo10gR3
APPDIR=C:\home\me\simpapp
TUXCONFIG=%APPDIR%\tuxconfig

TUXDIRAPPDIR、および TUXCONFIG 環境変数は、UBBCONFIG ファイルの MACHINES セクションの TUXDIRAPPDIR、および TUXCONFIG パラメータの値と一致しなければなりません。コマンドライン シェルから環境変数を設定する代わりに、Oracle Administration プログラムの [Environment] ページを使用する方法があります。『Windows NT での Tuxedo システムの使用』の「環境変数を設定および修正する」を参照してください。

Windows 2003 Server は、PATH 変数に設定されたパスを使って、動的に読み込み可能な必須ライブラリ ファイルにアクセスします。具体的には、次の順序で動的に読み込み可能なライブラリ ファイルが検索されます。

  1. Oracle Tuxedo アプリケーションのインストール元ディレクトリ
  2. カレント ディレクトリ
  3. Windows システム ディレクトリ (C:\WINDOWS\System32 など)
  4. Windows ディレクトリ (C:\WINDOWS など)
  5. PATH 環境変数に設定されているディレクトリ

環境変数の詳細については、『Windows NT での Tuxedo システムの使用』の「環境変数を設定および修正する」を参照してください。

UNIX システムでの環境変数の設定

UNIX サーバ マシンの環境を設定するには、次のように環境変数を設定し、エクスポートします。

TUXDIR=pathname_of_Oracle_Tuxedo_product_directory
APPDIR=pathname_of_Oracle_Tuxedo_application_directory
TUXCONFIG=pathname_of_TUXCONFIG_file
WEBJAVADIR=$TUXDIR/udataobj/webgui/java
PATH=$APPDIR:$TUXDIR/bin:/bin:$PATH
LD_LIBRARY_PATH=$APPDIR:$TUXDIR/lib:/lib:/usr/lib:$LD_LIBRARY_PATH

注意 : HP-UX システムの場合にのみ、LD_LIBRARY_PATH の代わりに SHLIB_PATH を使用します。
また、AIX システムの場合にのみ、LD_LIBRARY_PATH の代わりに LIBPATH を使用します。

export TUXDIR APPDIR TUXCONFIG WEBJAVADIR PATH LD_LIBRARY_PATH

TUXDIRAPPDIR、および TUXCONFIG の例は次のとおりです。

TUXDIR=/home/Oracle/tuxedo10gR3
APPDIR=/home/me/simpapp
TUXCONFIG=$APPDIR/tuxconfig

TUXDIRAPPDIR、および TUXCONFIG 環境変数は、UBBCONFIG ファイルの MACHINES セクションの TUXDIRAPPDIR、および TUXCONFIG パラメータの値と一致しなければなりません。UNIX システム上でこれらの環境変数やその他の環境変数を設定するモデルとして、Oracle Tuxedo 製品ディレクトリにある tux.env という Bourne シェル スクリプトを使用します。

 


tlisten プロセスの開始

アプリケーション管理者は、アプリケーションを起動する前に、ネットワーク接続された Oracle Tuxedo アプリケーションの各マシンの tlisten プロセスを開始する必要があります。tlisten プロセスを使用すると、管理者と MASTER マシンで実行中の Oracle Tuxedo ソフトウェアは、非 MASTER マシンで実行中の Oracle Tuxedo プロセスを開始、停止、および管理することができます。たとえば、tmboot(1) を使用すると、非 MASTER マシン上の Oracle Tuxedo システム サーバを開始できます。一般に、tlisten は、サーバ マシン上で実行中の Oracle Tuxedo アプリケーションごとに 1 つ必要です。

Oracle Tuxedo のインストール時にポート 3050 で tlisten プロセスを開始するインストーラ プログラムに加えて、tlisten プロセスを開始できます。

マシンの種類
担当管理者
開始方法
Windows 2003 サーバ
Oracle Tuxedo アプリケーション管理者
Oracle Administration プログラムの [Listener] ページ。詳細については、『Windows NT での Tuxedo システムの使用』の「tlisten プロセスを自動的に起動する」を参照してください。
コマンドライン シェルから tlisten プロセスを手動で開始します。
UNIX サーバ
UNIX システム管理者
UNIX 初期化 (起動) スクリプトの一部として開始します。
Oracle Tuxedo アプリケーション管理者
cron ジョブとして開始します。
コマンドライン シェルから tlisten プロセスを手動で開始します。

tlisten の呼び出し

どの場合でも、tlisten を呼び出す基本的な構文は同じです。

%TUXDIR%\bin\tlisten -l nlsaddr [-u appuid] (Windows)
$TUXDIR/bin/tlisten [-d devname] -l nlsaddr [-u appuid] (UNIX)

-l オプションは必須です。-l に渡す引数は、UBBCONFIG ファイルにある NETWORK セクションの NLSADDR パラメータの値と一致していなければなりません。NLSADDR の値の調べ方については、『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』の「UBBCONFIG(5)」を参照してください。

devname の値は、ネットワーク プロバイダのデバイス名 (Starlan など) です。tlisten プロセスがソケットで動作している場合、-d オプションは不要です。

appuid の値は、Oracle Tuxedo アプリケーション管理者のユーザ識別子 (UID) またはログイン名です。これは、UBBCONFIG ファイルの RESOURCES セクションにある UID パラメータの値と一致している必要があります。

注意 : UNIX システム上で UID を取得するには、id コマンドを実行します。

UNIX マシンでは、このコマンドが root によって実行されるインストール スクリプトの一部である場合、-u appuid オプションを使用して、このマシンにインストールされている Oracle Tuxedo ソフトウェアのオーナーの有効な UID で tlisten プロセスを実行します。tlisten が Oracle Tuxedo アプリケーション管理者によって cron ジョブとして、または手動で開始される場合、ジョブは既に適切なアカウントによって所有されているので、-u オプションは必要ありません。

tlisten コマンドについては、『Tuxedo コマンド リファレンスの「tlisten(1)」を参照してください。Windows 2003 サーバ マシン上で tlisten プロセスを開始する手順については、『Windows NT での Tuxedo システムの使用』の「tlisten プロセスを自動的に起動する」を参照してください。

tlisten パスワード

Oracle Tuxedo では、インストール時に指定した管理用パスワードを使用して、認可されていない管理要求や操作 (tmboot(1) など) から、Oracle Tuxedo がインストールされているマシンを保護します。tlisten(1) または wlisten(1) ゲートウェイ プロセスを介して管理通信情報がこのマシンに到着するたびに、Oracle Tuxedo は tlisten パスワードでそれらのアクセスを認証します。

tlisten パスワードは、クリア テキスト形式の英数字であることが必要です。長さは 80 文字までです。

Oracle Tuxedo アプリケーション内にある 2 台のマシンが交信するには、共通のパスワードが必要です。そのため、単一アプリケーション内にある複数のマシンに Oracle Tuxedo をインストールする場合は、必ず同じパスワードを使用します。ただし、Oracle Tuxedo のインストール時にマシンごとに異なるパスワードを使用した場合は、そのマシンの交信相手となる既存のマシンの tlisten.pw ファイルに、tlistpwd(1)$TUXDIR ユーティリティを使用してそのマシンのパスワードを追加する必要があります。

これらの理由から、tlisten.pw ファイルには複数の管理用パスワードを追加できます。1 つのパスワード ファイルには、20 のパスワードを 1 行に 1 つずつ格納できます。

注意 : tlisten.pw ファイルは、システムによって暗号化されています。パスワードを追加または変更するには、tlistpwd(1) ユーティリティを使用する必要があります。

 


UBBCONFIG ファイルの編集

Oracle Tuxedo アプリケーションは、コンフィグレーション ファイルによって制御されます。このファイルには、インストール時の設定に基づくパラメータが定義されています。Oracle Tuxedo のマニュアルではこのコンフィグレーション ファイルを UBBCONFIG と呼んでいますが、ファイルの内容が『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』の「UBBCONFIG(5)」に示されているフォーマットに従っている限り、このファイルに任意の名前を付けることができます。通常、コンフィグレーション ファイル名は文字列 ubb で開始し、その後にわかりやすい名前を続けます。たとえば、simple の場合は ubbsimple というファイル名にします。

Oracle Tuxedo のインストールで配布される ATMI ベースの基本的な simpapp アプリケーションの UBBCONFIG ファイル、ubbsimple を例として考えてみます。Windows システムではこのアプリケーションはディレクトリ %TUXDIR%\samples\atmi\simpapp にあり、UNIX システムではディレクトリ $TUXDIR/samples/atmi/simpapp にあります。

次のサンプル リストは、ubbsimple を示しています。サンプル リスト内の例は、Windows または UNIX システムに配布された ubbsimple ファイルから変更されて、例で示した Windows および UNIX システムのパス名の値が含まれています。

コード リスト 6-1 ATMI ベースの simpapp アプリケーションの ubbsimple
 #ident “@(#)apps:simpapp/ubbsimple   $Revision: 1.3 $

#Skeleton UBBCONFIG file for the Tuxedo Simple Application.
#Replace the <bracketed> items with the appropriate values.

*RESOURCES
IPCKEY <Replace with a valid IPC Key>

#Example:
#IPCKEY 123456

DOMAINID simpapp
MASTER simple
MAXACCESSERS 10
MAXSERVERS 5
MAXSERVICES 10
MODEL SHM
LDBAL N

*MACHINES
DEFAULT:
APPDIR=“<Replace with the current directory pathname>”
TUXCONFIG=“<Replace with your TUXCONFIG Pathname>”
TUXDIR=“<Directory where Tuxedo is installed>”
#Windows
 #Example:
# APPDIR=“C:\home\me\simpapp”
# TUXCONFIG=“C:\home\me\simpapp\tuxconfig”
# TUXDIR=“C:\oracle\tuxedo10gR3”
 #UNIX
 #Example:
# APPDIR=“/home/me/simpapp”
# TUXCONFIG=“/home/me/simpapp/tuxconfig”
# TUXDIR=“/home/oracle/tuxedo10gR3”

<Machine-name> LMID=simple

#Example:
#beatux LMID=simple

*GROUPS
GROUP1
LMID=simple GRPNO=1 OPENINFO=NONE

*SERVERS
DEFAULT:
CLOPT=“-A”
simpserv SRVGRP=GROUP1 SRVID=1

*SERVICES
TOUPPER

実際のコンフィグレーション ファイルでは、お使いのアプリケーションに固有の値で、角括弧内の文字列を置き換えてください。次の表は、すべてのコンフィグレーション ファイルで定義する必要があるパラメータの例です。

パラメータ名
指定内容
IPCKEY
アプリケーションで使用する構造体が置かれた共有メモリ セグメントを識別する数値キー。この値は 32,768 より大きく 262,143 未満でなければなりません。
machine_name
マシンのノード名。Windows 2003 Server システムでノード名を取得するには、システム管理者に問い合わせてください。UNIX システムでノード名を取得するには、uname -n コマンドを実行します。
APPDIR = string
このマシン上でアプリケーションと管理サーバが起動する 1 つまたは複数のディレクトリのリスト。
Windows の場合、string の値は 1 つのディレクトリの絶対パス名です。この値の後に、定義されているマシン上にある別のディレクトリのパス名が、セミコロン区切りのリストとして続く場合があります。
UNIX の場合、string の値は 1 つのディレクトリの絶対パス名です。この値の後に、定義されているマシン上にある別のディレクトリのパス名が、コロン区切りのリストとして続く場合があります。
TUXCONFIG = string
バイナリ形式の TUXCONFIG ファイルを作成するマシン上のファイルまたはデバイスの絶対パス名。TUXCONFIG を作成するには、UBBCONFIG ファイルに対して tmloadcf(1) コマンドを実行します。
TUXDIR = string
Oracle Tuxedo ソフトウェアがインストールされているマシンの製品ディレクトリの絶対パス名。

APPDIRTUXCONFIG、および TUXDIR は、Oracle Tuxedo アプリケーション内のすべてのマシンに設定する必要があります。UBBCONFIG ファイルの編集時にほかのパラメータを確認する必要がある場合は、『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』の「UBBCONFIG(5)」を参照してください。

UBBCONFIG ファイルの編集は、tmloadcf(1) を実行して IPC 要件を確認する前に行う必要があります。次の節を参照してください。最初に UBBCONFIG ファイルを編集せずに tmloadcf を実行すると、構文エラーになります。

 


UBBCONFIG での TYPE パラメータの使用

コンフィグレーション ファイルにある MACHINES セクションの TYPE パラメータは、異なるマシン間にメッセージが渡された際の外部データ表現 (XDR) エンコード/デコード ルーチンの呼び出しを指定します。同じ種類のマシンの場合でも、各マシンのコンパイラが異なるときは、「異なる」マシンとして扱います。そのような場合は、各マシンにユニークな TYPE 文字列を指定して、すべてのメッセージが強制的にエンコード/デコード ルーチンを通過するようにします。

 


IPC 要件のチェック

Oracle Tuxedo システムでは、UNIX のプロセス間通信 (IPC) 資源を頻繁に使用します。大半のシステムでは、各種 IPC 資源のサイズと数量を制御するパラメータのデフォルト値が、小さな Oracle Tuxedo アプリケーションの実行に最低限必要な値よりも低く設定されています。そのため、パラメータによってはリセットが必要なものがあります。UBBCONFIG ファイルの編集後、アプリケーションに対して IPC リソースが適切に設定されているどうかを判断する必要があります。

この処理を実行するには、編集後の UBBCONFIG ファイルを入力として指定して、次の tmloadcf(1) コマンドを入力します。

tmloadcf -c UBBCONFIG

-c オプションを使用すると、tmloadcf プログラムではアプリケーションに必要最小限の IPC リソースのリストが出力されますが、TUXCONFIG ファイルの作成も更新も行われません。

次のリストは、ubbsimple の値に基づいた出力レポートです。

コード リスト 6-2 tmloadcf -c の出力結果
Ipc sizing (minimum /T values only)...
Fixed Minimums Per Processor
SHMMIN: 1
SHMALL: 1
SEMMAP: SEMMNI
Variable Minimums Per Processor
SEMUME, A SHMMAX
SEMMNU, * *
Node SEMMNS SEMMSL SEMMSL SEMMNI MSGMNI MSGMAP SHMSEG
------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------
sftuxe 17 5 12 A + 1 13 26 75K

where 1 <= A <= 8.

The number of expected application clients per processor should be added to each MSGMNI value.

出力レポートでは、IPC 資源が従来の UNIX 名で識別されます。従来の名前と UNIX プラットフォーム固有の名前のマッピングを確認するには、「Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」で該当するプラットフォームのデータ シートを参照してください。従来の名前と Windows 2003 プラットフォーム固有の名前のマッピングを確認するには、『Windows NT での Tuxedo システムの使用』の「Windows システムと UNIX システムの IPC リソース名の対応」を参照してください。

このサンプル出力レポートは、simpapp の実行にはシステムで SEMUMESEMMNU、および SEMMNS を少なくとも 17 に設定する必要があることを示しています。SEMMSL は 5 以上、SEMMNISEMMAP は A の値が 3 であれば 4 以上に設定する必要があります。MSGMNI は 13 以上、MSGMAP は 26 以上でなければなりません。SHMMAXSHMSEG の積は 75 KB 以上になることが必要です。

IPC 値はアプリケーションによって異なるので、ここで示す数値は小さなコンフィグレーションでの例にすぎません。IPC 資源を使用する別のクライアントまたはサーバ アプリケーションが Oracle Tuxedo アプリケーションと同じシステムで実行している場合は、両方のアプリケーションの要件を満たす必要があります。アプリケーションに参加するすべてのマシンが十分な IPC 資源を使用できなければなりません。

IPC 資源が不十分な場合は、該当する IPC パラメータの値を大きくします。Windows 2003 Server システムの現在の IPC 値を変更する手順については、『Windows NT での Tuxedo システムの使用』の「システムのパフォーマンスが最大限になるように IPC リソースを設定する」を参照してください。UNIX システムの現在の IPC 値を変更する手順については、「Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」を参照してください。

 


汎用デバイス リスト (UDL: Universal Device List) とトランザクション ログの作成

グローバル トランザクションに参加するアプリケーション内の各マシンで、汎用デバイス リスト (UDL) を作成し、グローバル トランザクション ログ (TLOG) の UDL エントリを定義します。TLOG は、トランザクションが終了するまで、トランザクションに関する情報が保持されているログです。

TLOG の定義

UDL を作成し、TLOG の UDL エントリを定義する前に、グローバル トランザクションに参加するアプリケーション内の各マシンで、UBBCONFIG ファイルの MACHINES セクションの以下のパラメータを設定する必要があります。

パラメータ名
指定内容
TLOGDEVICE = string
このマシン用の分散トランザクション処理 (DTP) TLOG を格納する Oracle Tuxedo ファイルシステム。このパラメータを指定しないと、マシンには TLOG がないものと見なされます。
TLOGOFFSET = offset
デバイスの先頭から Oracle Tuxedo ファイルシステムの開始点 (このマシンの DTP トランザクション ログを格納) までのページ単位の数値のオフセット。デフォルト値は 0 です。
TLOGNAME = string
このマシンの DTP トランザクション ログの名前。値を指定しない場合は、デフォルトの TLOG が指定されます。
TLOGSIZE = size
このマシンの DTP トランザクション ログのサイズ (ページ単位)。指定しない場合、デフォルトは 100 ページです。

TLOG が 100 ブロックを超えることはほとんどありません。また、ディスク パーティションは TLOG よりはるかに大きいので、同じデバイス上に TUXCONFIG ファイルと TLOG の両方を格納します。その場合、デバイスのパス名を TUXCONFIGFSCONFIG 環境変数に設定します。

UDL と TLOG の UDL エントリの作成

TLOGDEVICE の UDL エントリは、TLOG が必要な各マシンで手動で作成する必要があります。エントリを作成するのは TUXCONFIG をロードする前でも後でもかまいませんが、アプリケーションを起動する前でなければなりません。

デバイス リストの作成コマンドの crdl にアクセスするには、アプリケーションを起動していない状態で tmadmin -c を呼び出します。-c オプションを指定すると、コンフィグレーション モードで tmadmin が呼び出されます。

グローバル トランザクションに参加するアプリケーション内の各マシンで、UDL と TLOG の UDL エントリを作成するには、次の手順に従います。

  1. アプリケーション管理者として MASTER マシンにログインします。
  2. 次のコマンドを入力します。
  3. tmadmin -c
    crdl -z config -b blocks

    -z config には、UDL の格納先デバイス (TLOG の常駐先デバイス) の絶対パス名を指定します。-bblocks には、デバイスに割り当てるブロック数を指定します。config の値は、UBBCONFIG ファイルにある MACHINES セクションの TLOGDEVICE パラメータの値と一致していなければなりません。ブロック数は、TLOGSIZE の値より大きくなければなりません。-z を指定しないと、config の値はデフォルトによって FSCONFIG 環境変数の値に設定されます。

  4. グローバル トランザクションに参加する残りの非 MASTER マシンにアプリケーション管理者としてログインして、手順 2 を繰り返します。

TLOGDEVICE が 2 つのマシン間でミラーリングされる場合は、片方のマシンに対して手順 3 を実行する必要はありません。TLOG を障害から回復できるようにするには、TLOG をミラーリング可能なデバイス上に配置する必要があります。

 


simpapp を実行してインストールを確認する

Oracle Tuxedo ソフトウェアが正しくインストールされているかどうかを確認する方法の 1 つは、インストール時に提供される 1 つまたは複数のサンプル アプリケーションを実行することです。サンプル アプリケーションでは、ATMI および CORBA クライアントと、ATMI および CORBA C++ サーバの機能が具体的に示されます。

以下の節では、インストールした Oracle Tuxedo の ATMI および CORBA C++ 関連の部分を確認する手順について説明します。

simpapp アプリケーションは非分散アプリケーションです。つまり、1 台のマシン上で動作します。Oracle Tuxedo ソフトウェアをインストールした数分後に起動して動作できるように設計されています。

simpapp アプリケーションは、文字列を小文字から大文字に変換する TOUPPER という 1 つのサービスを提供します。クライアントは、大文字に変換する小文字の文字列だけを引数にして呼び出されます。サーバは変換後の文字列をクライアントに返し、クライアントはその文字列を出力します。

次の例を参照してください。

simpcl “hello world”

この呼び出しによって次のように出力されます。

Returned string is: HELLO WORLD

simpapp には、ATMI バージョンと CORBA バージョンがあります。ATMI バージョンは、ATMI サーバ、ATMI クライアント、および UBBCONFIG ファイルで構成されています。CORBA バージョンは、CORBA C++ サーバと CORBA C++ クライアントで構成されています。

simpapp を実行して Oracle Tuxedo ATMI ソフトウェアのインストールを確認する

Oracle Tuxedo ATMI ソフトウェアが正しくインストールされているかどうかを確認するには、ATMI バージョンの simpapp アプリケーションを実行します。このアプリケーションは、Windows システムではディレクトリ %TUXDIR%\samples\atmi\simpapp にあり、UNIX システムではディレクトリ $TUXDIR/samples/atmi/simpapp にあります。

注意 : サンプルは、Tuxedo 10gR3 インストール時にインストールすることを選択しないとインストールされません。

次の 2 つの節で説明する手順は、simpapp ディレクトリの README ファイルと、『サンプルを使用した Oracle Tuxedo アプリケーションの開発方法』の「simpapp (簡単な C 言語アプリケーション) のチュートリアル」にも記載されています。

Windows システム上で simpapp を実行して Oracle Tuxedo ATMI ソフトウェアのインストールを確認する

Windows システム上で ATMI バージョンの simpapp をコンフィグレーションして実行するには、次の手順に従います。

  1. Administrator または Administrator グループのメンバーとして Windows システムにログインし、コマンドライン シェルを開きます。
  2. サンプル アプリケーション用の作業ディレクトリを作成し、そのディレクトリに移動します。
  3. cd C:\home\me
    mkdir atmi
    cd atmi
  4. Oracle Tuxedo システムが使用する環境変数を設定します。「Windows システムでの環境変数の設定」を参照してください。APPDIRTUXCONFIG を次のように設定します。
  5. set APPDIR=C:\home\me\atmi
    set TUXCONFIG=%APPDIR%\tuxconfig
    注意 : WEBJAVADIR 環境変数を設定する必要はありません。
  6. simpapp 用のファイルを作業ディレクトリにコピーします。コンフィグレーション ファイルと ubbsimple のいずれかを編集する必要があります。作業ディレクトリ内のすべてのファイルに対するパーミッションを確認し、必要に応じて、パーミッションをフル アクセスに変更します。たとえば、次のように入力します。
  7. copy %TUXDIR%\samples\atmi\simpapp\*.* *.*
    attrib -R /S *.*
  8. 次のコマンドを入力して、simpapp クライアントおよびサーバ プログラムをコンパイルします。
  9. buildclient -o simpcl -f simpcl.c
    buildserver -o simpserv -f simpserv.c -s TOUPPER
  10. サンプルのコンフィグレーション ファイル ubbsimple で、山かっこで囲まれた文字列を Oracle Tuxedo システムのインストール条件に合わせた値に置き換えます。ubbsimple 内のコメントには、ファイルのカスタマイズ方法が記載されています。ubbsimple ファイルの以下のパラメータを設定します。
    • IPCKEY を有効な IPC キーに設定します。この値は、32,768 より大きく、262,143 未満でなければなりません。
    • APPDIR を「C:\home\me\atmi」に設定します。
    • TUXCONFIG$APPDIR/tuxconfig に対応するリテラル パス名 (この例では、「C:\home\me\atmi\tuxconfig」) に設定します。
    • TUXDIR を、Oracle Tuxedo ソフトウェアをインストールしたマシンの製品ディレクトリの絶対パス名 (「C:\oracle\tuxedo10gR3」など) に設定します。
    • MACHINE-NAME をシステム名に設定します。Windows システムでは、MACHINE-NAME は大文字で入力する必要があります。
    • 注意 : ubbsimple ファイル内の APPDIRTUXCONFIG、および TUXDIR パラメータの設定は、APPDIRTUXCONFIG、および TUXDIR 環境変数の設定に一致していなければなりません。
  11. tuxconfig というファイルを生成する tmloadcf(1) を呼び出して、バイナリ形式の編集済みコンフィグレーション ファイルを作成します。このファイルは、TUXCONFIG 環境変数によって参照され、実行時にアプリケーション コンフィグレーションの説明を Oracle Tuxedo システムに提供します。
  12. tmloadcf -y ubbsimple
  13. 次のコマンドを入力して simpapp を起動します。
  14. tmboot -y

    起動が成功すると、次のような画面が表示されます。手順 10 に進みます。

    コード リスト 6-3 tmboot -y の出力結果
    Booting all admin and server processes in C:\home\me\atmi\tuxconfig
    INFO: Oracle Tuxedo(r) System Release 10.3.0.0
    INFO: Serial #: 000102-9125503751, Maxusers 25
    Booting admin processes ...
    exec BBL -A:
    process id=24180 ...Started.
    Booting server processes ...
    exec simpserv -A :
    process id=24181 ...Started.
    2 processes started.
  15. 起動が失敗した場合は、アプリケーション ディレクトリ (%APPDIR%, C:\home\me\atmi) にある ULOG.mmddyy というログを調べます。文字列 mmddyy は、ファイル名の末尾となる日付 (現在の月、日、および年を表す数字) のプレースホルダです。ログの最後に、
  16. can’t create enough semaphores for BB

    などのメッセージがある場合は、オペレーティング システムでコンフィグレーションされているプロセス間通信 (IPC) リソースが simpapp の実行に適していないと考えられます。

    これが正しいかどうかを確認するには、Oracle Tuxedo システム コマンドの tmloadcf(1) を呼び出し、コンフィグレーション ファイルの名前を指定します。次の例を参照してください。

    tmloadcf -c %APPDIR%\ubbsimple

    オペレーティング システムでコンフィグレーションされている現在の IPC パラメータ値が、tmloadcf の出力結果で示された最低限の値 (Variable または Fixed) よりも小さい場合は、そのパラメータの値を大きくする必要があります。プラットフォームの現在の IPC 値の決定方法と変更方法については、『Windows NT での Tuxedo システムの使用』の「システムのパフォーマンスが最大限になるように IPC リソースを設定する」を参照してください。

  17. 起動が成功した場合は、クライアントを呼び出すことができます。たとえば、次のコマンドを入力します。
  18. simpcl “hello world”

    次のように表示されます。

    Returned string is: HELLO WORLD
  19. 操作が終了したら、次のコマンドで simpapp を停止します。
  20. tmshutdown -y

UNIX システム上で simpapp を実行して Oracle Tuxedo ATMI ソフトウェアのインストールを確認する

UNIX システム上で ATMI バージョンの simpapp をコンフィグレーションして実行するには、次の手順に従います。

  1. Oracle Tuxedo アプリケーション管理者として対象マシンにログインし、コマンドライン シェルを開きます。
  2. サンプル アプリケーション用の作業ディレクトリを作成し、そのディレクトリに移動します。
  3. cd /home/me
    mkdir atmi
    cd atmi
  4. Oracle Tuxedo システムが使用する環境変数を設定してエクスポートします。「UNIX システムでの環境変数の設定」を参照してください。APPDIRTUXCONFIG を次のように設定します。
  5. APPDIR=/home/me/atmi
    TUXCONFIG=$APPDIR/tuxconfig
    export APPDIR TUXCONFIG
    注意 : WEBJAVADIR 環境変数を設定する必要はありません。
  6. simpapp 用のファイルを作業ディレクトリにコピーします。コンフィグレーション ファイルと ubbsimple のいずれかを編集する必要があります。クライアントおよびサーバ用のファイル (simpclsimpserv) が実行可能であることと、コンフィグレーション ファイル (ubbsimple) が書き込み可能であることを確認します。たとえば、次のように入力します。
  7. cp $TUXDIR/samples/atmi/simpapp/* .
    chmod 755 simpserv simpcl
    chmod 644 ubbsimple
  8. 次のコマンドを入力して、simpapp クライアントおよびサーバ プログラムをコンパイルします。
  9. buildclient -o simpcl -f simpcl.c
    buildserver -o simpserv -f simpserv.c -s TOUPPER
  10. サンプルのコンフィグレーション ファイル ubbsimple で、山かっこで囲まれた文字列を Oracle Tuxedo システムのインストール条件に合わせた値に置き換えます。ubbsimple 内のコメントには、ファイルのカスタマイズ方法が記載されています。ubbsimple ファイルの以下のパラメータを設定します。
    • IPCKEY を有効な IPC キーに設定します。この値は、32,768 より大きく、262,143 未満でなければなりません。
    • APPDIR を「/home/me/atmi」に設定します。
    • TUXCONFIG$APPDIR/tuxconfig に対応するリテラル パス名 (この例では、「/home/me/atmi/tuxconfig」) に設定します。
    • TUXDIR を、Oracle Tuxedo ソフトウェアをインストールしたマシンの製品ディレクトリの絶対パス名 (「/home/oracle/tuxedo10gR3」など) に設定します。
    • MACHINE-NAME をシステム名に設定します。
    • UNIX マシン上でシステム名を調べるには、次のコマンドを入力します。

      uname -n
      注意 : ubbsimple ファイル内の APPDIRTUXCONFIG、および TUXDIR パラメータの設定は、APPDIRTUXCONFIG、および TUXDIR 環境変数の設定に一致していなければなりません。
  11. tuxconfig というファイルを生成する tmloadcf(1) を呼び出して、バイナリ形式の編集済みコンフィグレーション ファイルを作成します。このファイルは、TUXCONFIG 環境変数によって参照され、実行時にアプリケーション コンフィグレーションの説明を Oracle Tuxedo システムに提供します。
  12. tmloadcf -y ubbsimple
  13. 次のコマンドを入力して simpapp を起動します。
  14. tmboot -y

    起動が成功すると、次のような画面が表示されます。手順 10 に進みます。

    コード リスト 6-4 tmboot -y の出力結果
    Booting all admin and server processes in /home/me/atmi/tuxconfig
    INFO: Oracle Tuxedo(r) System Release 10.3.0.0
    INFO: Serial #: 000102-9125503751, Maxusers 25
    Booting admin processes ...
    exec BBL -A:
    process id=24180 ...Started.
    Booting server processes ...
    exec simpserv -A :
    process id=24181 ...Started.
    2 processes started.
  15. 起動が失敗した場合は、アプリケーション ディレクトリ ($APPDIR, /home/me/atmi) にある ULOG.mmddyy というログを調べます。文字列 mmddyy は、ファイル名の末尾となる日付 (現在の月、日、および年を表す数字) のプレースホルダです。ログの最後に、
  16. can’t create enough semaphores for BB

    などのメッセージがある場合は、オペレーティング システムでコンフィグレーションされているプロセス間通信 (IPC) リソースが simpapp の実行に適していないと考えられます。

    これが正しいかどうかを確認するには、Oracle Tuxedo システム コマンドの tmloadcf(1) を呼び出し、コンフィグレーション ファイルの名前を指定します。次の例を参照してください。

    tmloadcf -c $APPDIR/ubbsimple

    オペレーティング システムでコンフィグレーションされている現在の IPC パラメータ値が、tmloadcf の出力結果で示された最低限の値 (Variable または Fixed) よりも小さい場合は、そのパラメータの値を大きくする必要があります。プラットフォームの現在の IPC 値の決定方法と変更方法については、「Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」を参照してください。

  17. 起動が成功した場合は、クライアントを呼び出すことができます。たとえば、次のコマンドを入力します。
  18. simpcl “hello world”

    次のように表示されます。

    Returned string is: HELLO WORLD
  19. 操作が終了したら、次のコマンドで simpapp を停止します。
  20. tmshutdown -y

simpapp を実行して Oracle Tuxedo CORBA C++ ソフトウェアのインストールを確認する

Oracle Tuxedo CORBA C++ ソフトウェアが正しくインストールされているかどうかを確認するには、CORBA バージョンの simpapp アプリケーションを実行します。このアプリケーションは、Windows システムではディレクトリ %TUXDIR%\samples\corba\simpapp にあり、UNIX システムではディレクトリ $TUXDIR/samples/corba/simpapp にあります。次の 2 つの節で説明する手順は、simpapp ディレクトリの README ファイルと、『サンプルを使用した Oracle Tuxedo アプリケーションの開発方法』の「simpapp (簡単な C 言語アプリケーション) のチュートリアル」にも記載されています。

Windows システム上で simpapp を実行して Oracle Tuxedo CORBA C++ ソフトウェアのインストールを確認する

Windows システム上で CORBA バージョンの simpapp をコンフィグレーションして実行するには、次の手順に従います。

  1. Administrator または Administrator グループのメンバーとして Windows システムにログインし、コマンドライン シェルを開きます。
  2. サンプル アプリケーション用の作業ディレクトリを作成し、そのディレクトリに移動します。
  3. cd C:\home\me
    mkdir corba
    cd corba
  4. Oracle Tuxedo ソフトウェアをインストールした製品ディレクトリが TUXDIR 環境変数で設定されていることを確認します。たとえば、ソフトウェアを C:\oracle\tuxedo10gR3 ディレクトリにインストールした場合は、TUXCONFIG を次のように設定します。
  5. set TUXDIR=C:\oracle\tuxedo10gR3
  6. simpapp ファイルを作業ディレクトリにコピーし、すべてのファイルに対するパーミッションをフル アクセスに変更します。たとえば、次のように入力します。
  7. copy %TUXDIR%\samples\corba\simpapp\*.* *.*
    attrib -R /S *.*
  8. nmake がパスに含まれていることを確認します。
  9. simpapp を自動的に実行するには、runme を入力します。simpapp アプリケーションが起動し、次のメッセージが表示されます。

Testing simpapp
cleaned up
prepared
built
loaded ubb
booted
ran
shutdown
saved results
PASSED

  1. サンプルを手動で実行して simpapp プロセスの開始と停止を確認するには、次の手順に従います。
    1. results\setenv と入力します。
    2. tmboot -y と入力します。アプリケーションが複数のプロセスを開始します。
    3. simple_client と入力します。プロンプト String? が表示されます。
    4. 任意の文字列を小文字で入力します。アプリケーションがその文字列を大文字に変換してから小文字に変換します。
    5. tmshutdown -y と入力します。アプリケーションがプロセスを停止します。
  2. ディレクトリを元の状態に復元するには、次の手順に従います。
    1. results\setenv
    2. nmake -f makefile.nt clean

UNIX システム上で simpapp を実行して Oracle Tuxedo CORBA C++ ソフトウェアのインストールを確認する

UNIX システム上で CORBA バージョンの simpapp をコンフィグレーションして実行するには、次の手順に従います。

  1. Oracle Tuxedo アプリケーション管理者として対象マシンにログインし、コマンドライン シェルを開きます。
  2. サンプル アプリケーション用の作業ディレクトリを作成し、そのディレクトリに移動します。
  3. prompt> cd /home/me
    prompt> mkdir corba
    prompt> cd corba
  4. Oracle Tuxedo ソフトウェアをインストールした製品ディレクトリが TUXDIR 環境変数で設定されていることを確認します。たとえばソフトウェアを /home/oracle/tuxedo10gR3 ディレクトリにインストールした場合は、TUXCONFIG を次のように設定してエクスポートします。
  5. prompt> TUXDIR=/home/oracle/tuxedo10gR3
    prompt> export TUXDIR
  6. simpapp ファイルを作業ディレクトリにコピーし、すべてのファイルに対するパーミッションをフル アクセスに変更します。たとえば、次のように入力します。
  7. prompt> cp $TUXDIR/samples/corba/simpapp/* .
    prompt> chmod 777 *
  8. make がパスに含まれていることを確認します。
  9. simpapp を自動的に実行するには、. ./runme.ksh と入力します。simpapp アプリケーションが起動し、次のメッセージが表示されます。
  10. Testing simpapp
    cleaned up
    prepared
    built
    loaded ubb
    booted
    ran
    shutdown
    saved results
    PASSED

  11. simpapp を手動で実行してプロセスの開始と停止を確認するには、次の手順に従います。
    1. prompt> ksh
    2. prompt> ../results/setenv.ksh
    3. prompt> tmboot -y
    4. アプリケーションが複数のプロセスを開始します。

    5. prompt> simple_client
    6. プロンプト String? が表示されます。

    7. prompt> enter_a_word_in_lowercase_letters
    8. アプリケーションがその文字列を大文字に変換してから小文字に変換し、結果を表示します。

    9. prompt> tmshutdown -y
    10. アプリケーションがプロセスを停止します。
  12. ディレクトリを元の状態に復元するには、次の手順に従います。
    1. prompt> ../results/setenv.ksh
    2. prompt> make -f makefile.mk clean

 


XA リソース マネージャを使用する Oracle Tuxedo アプリケーションの buildtms の実行

分散トランザクションおよび XA 準拠のリソース マネージャを使用する Oracle Tuxedo アプリケーションの場合、buildtms コマンドを使用して、トランザクション マネージャ サーバ ロード モジュールを構築する必要があります。この作業は、Windows 2003 Server および UNIX システムで必要です。モジュールを作成したら、Windows 2003 Server システムでは %TUXDIR%\bin に、UNIX システムでは $TUXDIR/bin に格納します。

CORBA C++ University サンプル アプリケーションを実行すると、各サンプルの makefile によって、tms_ora.exe という TMS ロード モジュールが作成されます。したがって、buildtms を別個の操作として実行する必要があるのは、これらのサンプル アプリケーションを実行しない場合だけです。

Oracle Tuxedo アプリケーションに対する buildtms コマンドについては、『Tuxedo コマンド リファレンス』の「buildtms(1)」を参照してください。

 


Oracle Tuxedo のアンインストール

Oracle Tuxedo10g リリース 3 (10.3)、10.0、9.1、9.0、8.1 または 8.0 をアンインストールする場合、関連付けられている Oracle ホーム ディレクトリが削除されるのではなく、インストーラ プログラムによってインストールされたすべての Oracle Tuxedo コンポーネントが削除されます。また、以下のいずれにも該当しない場合は、関連付けられている製品ディレクトリも削除されます。

Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) をアンインストールするには、次の表の該当するプラットフォームの手順を実行します。Oracle Tuxedo 9.1 または 10.0 をアンインストールする場合は、次の表の「Tuxedo 10g Release 3 (10.3)」を「Tuxedo 9.1 または 10.0」に置き換えてください。

Oracle Tuxedo をアンインストールするプラットフォームの種類
実行する手順
Windows
  1. 実行中の Oracle Tuxedo サーバをすべて停止します。tmshutdown コマンドを使用して Oracle Tuxedo アプリケーションを停止する手順については、『Tuxedo コマンド リファレンス』の「tmshutdown(1)」を参照してください。
  2. Windows メニューの [スタート|プログラム|Oracle WebLogic E-Business Platform|Tuxedo 10g Release 3 (10.3)|uninstall] を選択します。
  3. Oracle インストール プログラムの [Uninstaller] ウィンドウが表示されます。

  4. [Uninstall] をクリックしてアンインストール プログラムを起動します。
  5. [Uninstall Complete] ウィンドウの [Exit] をクリックします。
UNIX
  1. 実行中の Oracle Tuxedo サーバをすべて停止します。tmshutdown コマンドを使用して Oracle Tuxedo アプリケーションを停止する手順については、『Tuxedo コマンド リファレンス』の「tmshutdown(1)」を参照してください。
  2. tux_prod_dir/uninstaller ディレクトリに移動します。tux_prod_dir は、Oracle Tuxedo ソフトウェアをインストールした製品ディレクトリを表します。
  3. 2 とおりのソフトウェアのアンインストール方法のいずれかを選択します。
    • GUI モード インストール プログラムを使用する場合は、手順 4 に進みます。
    • コンソール モード手順を使用する場合は、手順 5 に進みます。
  4. GUI モードを使用する方法の場合、プロンプトに対して sh Uninstall_Tuxedo_10gR3 コマンドを入力します。[Uninstaller] ウィンドウで、[Uninstall] をクリックしてアンインストール プログラムを起動し、[Uninstall Complete] ウィンドウの [Exit] をクリックするとアンインストールが完了します。
  5. コンソール モードを使用する方法の場合、プロンプトに対して sh Uninstall_Tuxedo_10gR3 -i console コマンドを入力します。アンインストール処理が完了したら、Enter キーを押してアンインストーラを終了します。

 


Oracle Tuxedo の再インストール

Oracle Tuxedo が既にインストールされているシステム上で Oracle Tuxedo のインストール プログラムを起動すると、インストール プログラムは既存の Oracle Tuxedo ホーム ディレクトリを検出し、以下の処理を行うかどうかをたずねてきます。


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