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以下の節では、Tuxedo アプリケーションを管理するためにユーザが利用できる BEA Tuxedo 管理プロセスについて説明します。
次の図で示されているように、Tuxedo アプリケーションを管理するための BEA Tuxedo 管理プロセスでは、BEA Tuxedo 管理情報ベース (MIB) に基づいて作成されたさまざまなツールが包括的に利用されています。
BEA Tuxedo の MIB には、Tuxedo アプリケーションの操作に必要なすべての情報が格納されています。Tuxedo の MIB は、すべてのアプリケーションで共通の TM_MIB と、それぞれが BEA Tuxedo システムのサブシステムを記述する次のコンポーネント MIB で構成されます。
MIB リファレンス ページ (TM_MIB(5)
、汎用リファレンス ページ MIB(5)
) は、『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』で定義されています。
次のリストで簡単に説明されている BEA Tuxedo 管理ツールは、MIB との各種インタフェースを提供します。
MIB は、以下の BEA Tuxedo システム コンポーネントにアクセスします。
TUXCONFIG
ファイルのコピーを格納します。MIB は TUXCONFIG
ファイルを更新し、TUXCONFIG
ファイルから情報を読み込みます。
Java および Web 技術に基づく BEA Tuxedo Administration Console では、実質的にどこからでも、セキュリティ認可を与えられていれば自宅からでも BEA Tuxedo アプリケーションを操作できます。Administration Console は Java ベースのアプレットであり、Web ブラウザにダウンロードして Tuxedo アプリケーションをリモートで管理することができます。
Administration Console は、複数層型システムの管理に必要な多くのタスクを簡略化します。システム イベントのモニタ、システム リソースの管理、管理オブジェクトの作成とコンフィグレーション、およびシステムの統計情報の表示ができます。
BEA Tuxedo システムの各リリースでは、リリースの時点で利用可能なブラウザがサポートされています。Oracle Tuxedo Administration Console でサポートされているブラウザについては、『Oracle Tuxedo システムのインストール』の「Oracle Tuxedo Administration Console の起動」を参照してください。
現時点の Oracle Tuxedo Administration Console では、BEA Tuxedo リリース 7.1 以後に導入された機能がサポートされていません。
初めて Web にアクセスして Oracle Tuxedo Administration Console を起動すると、次のメイン ウィンドウが表示されます。
メイン ウィンドウは、主に次の 4 つの要素から構成されます。
[Tree View] ペインはメイン GUI ウィンドウの左側に表示されます。ツリーは、1 つの BEA Tuxedo アプリケーションを構成する管理オブジェクトの階層構造です。オブジェクトのネストのレベルと親オブジェクトを示すことによって、オブジェクト間の関係がグラフィカルに表されます。ツリー全体 (Tuxedo アプリケーション内の設定可能なあらゆる種類のすべてのオブジェクト) を表示するか、またはオブジェクトのサブセットを表示することができます。
アプリケーションを設定してアクティブにすると、アプリケーション内の管理クラス オブジェクトを表すラベル付きのアイコンがツリーに表示されます。
ツリーには、管理オブジェクトそれぞれに対して 1 つずつ、複数のルートが含まれます。最初のルートは、Tuxedo アプリケーションから構成されます。次のルートには、BEA Tuxedo TM_MIB で定義されるオブジェクト クラスが表示されます。オブジェクト クラスの各セットは Tuxedo アプリケーションの一部です。3 番目のレベルは、オブジェクト クラスに属すオブジェクトのインスタンスを表します。
たとえば、アプリケーション内に、SITE1 に存在する romeo
と juliet
という 2 つのマシンが含まれているとします。両方のマシンがオブジォクトなので、それらが属しているオブジェクト クラスの名前 Machines
の下に表示されます。つまり、次のように表示されます。
Machines
SITE1/romeo
SITE1/juliet
ツリー内の各オブジェクトの名前の前にはアイコンが付いています。たとえば、各マシンはコンピュータのアイコンで表され、各クライアントは人の形で表されます。
コンフィグレーション ツールは、選択したクラスの BEA Tuxedo システム オブジェクトの属性を設定したり変更するためのユーティリティです。ツリーのオブジェクトを選択すると、そのオブジェクトの [Configuration Tool] ペインがメイン ウィンドウの右側に表示されます。
コンフィグレーション ツール領域のタブ付きフォルダは、管理オブジェクトの属性に関する情報を表示したり入力するための電子フォームです。オブジェクトの管理クラス (マシンやサーバなど) ごとに、フォルダがあります。クラスに対応付けられている属性の数は、クラスによって大きく異なります。そのため、オブジェクトを選択してコンフィグレーション ツールを開くと、どこからでも 1 ~ 8 個のフォルダが表示されます。
コンフィグレーション ツール領域にデータが入力されると、タブ付きページの下に 4 つのボタンが表示されます。これらのボタンを使用すると、フォルダで行うコンフィグレーション作業を制御できます。
ツールバーには、頻繁に行う管理操作のためのツールを呼び出す 12 個のボタンが並んでいます。ボタンには、アイコンと名前が付いています。次の表は、各ボタンについて示しています。
BEA Tuxedo は、BEA Tuxedo システムに基づいて作成されたアプリケーションの各構成要素を管理するためのコマンドを提供します。これらのコマンドを使用すると、共通の管理ユーティリティにアクセスできます。管理ユーティリティでは、次のタスクを行うことができます。
アプリケーションは、コマンドライン ユーティリティを使用してコンフィグレーションできます。具体的には、テキスト エディタを使用してアプリケーションのコンフィグレーション ファイル (UBBCONFIG) を作成および編集し、tmloadcf
というコマンドライン ユーティリティを使用してテキスト ファイル (UBBCONFIG
) をバイナリ ファイル (TUXCONFIG) に変換できます。この後、アプリケーションを起動します。
次のリストは、アプリケーションのコンフィグレーションに使用できるコマンドライン ユーティリティを示しています。
tmloadcf(1)
- マスタ マシンで実行されるコマンドであり、アプリケーションの UBBCONFIG
ファイルをバイナリの TUXCONFIG
ファイルにコンパイルできるようにします。tmloadcf
コマンドは、TUXCONFIG 環境変数で定義された場所にバイナリ ファイルをロードします。tmunloadcf(1)
- マスタ マシンで実行されるコマンドであり、バイナリの TUXCONFIG
ファイルを元のテキスト形式に変換して、UBBCONFIG
ファイルと TUXCONFIG
ファイルを同期できるようにします。tmunloadcf
コマンドは、テキスト形式を標準出力に出力します。注意 : | バイナリの TUXCONFIG ファイルを動的に更新しても、テキストの UBBCONFIG ファイルは更新されません。 |
tpusradd(1)
、tpusrdel(1)
、tpusrmod(1)
- 認可のためのユーザ データベースを作成および管理するコマンド。tpgrpadd(1)
、tpgrpdel(1)
、tpgrpmod(1)
- アクセス制御リストを使用して、サービス、キュー、イベントへのアクセスを認めることにより、ユーザ グループを作成して管理するためのコマンド。tpacladd(1)
、tpaclcvt(1)
、tpacldel(1)
、tpaclmod(1)
- アプリケーションのアクセス制御リストを作成して管理するためのコマンド。これらのコマンドによって、セキュリティ関連の認可機能を使用できるようになります。
アプリケーションを一度コンフィグレーションすると、次のコマンドライン ユーティリティを使用してアプリケーションを操作できるようになります。
tmboot(1)
- マスタ マシンで実行されるコマンドであり、アプリケーション サーバを一元的に起動できるようにします。tmboot
コマンドは TUXCONFIG 環境変数を読み込んで、アプリケーションの TUXCONFIG ファイルの位置を特定します。tmboot
コマンドは、TUXCONFIG
を共有メモリにロードして掲示板を確立します。変更内容は、マルチ マシン ドメインのリモート サーバ マシンに伝播されます。tmadmin(1)
- 通常はマスタ マシンで実行される対話型メタ コマンドであり、アプリケーションをコンフィグレーション、モニタ、およびチューニングするサブコマンドを実行できるようにします。tmadmin
コマンドは、(コンフィグレーション モードで) アプリケーションが起動する前、またはアプリケーションの実行中に使用できます。tmconfig(1)
- 通常はマスタ マシンで実行されるもう 1 つの対話型メタ コマンドであり、アプリケーションをコンフィグレーション、モニタ、およびチューニングするサブコマンドを実行できるようにします。tmconfig
コマンドは、アプリケーションの実行中にのみ使用できます。tmconfig
コマンドは tmadmin
コマンドより効果的ですが、使いやすさは劣ります。tmshutdown(1)
- マスタ マシンで実行されるコマンドであり、アプリケーション サーバを一元的に停止できるようにします。tmshutdown
コマンドは、TUXCONFIG
環境変数を読み込んでアプリケーションの TUXCONFIG
ファイルの位置を特定します。
コマンドライン ユーティリティの qmadmin(1)
を使用すると、アプリケーション キューのすべての管理機能を実行できます。tmadmin
コマンドや tmconfig
コマンドと同じように、qmadmin
は多くのサブコマンドを実行できるようにする対話型のメタ コマンドです。
1 つの BEA Tuxedo アプリケーションで、複数のアプリケーション キュー デバイスを設定し、複数のサーバ マシン上でアプリケーション キューを実行できます。各マシンにはそれぞれ専用のキュー デバイスがあり、qmadmin
を実行して、各サーバ マシン上の特定のアプリケーション キュー デバイスをモニタしたり管理することができます。
BEA Tuxedo Domains (マルチ ドメイン) アプリケーションを作成するには、既存の BEA Tuxedo アプリケーションを他のドメインと統合します。そのためには、システム サーバ (DMADM
、GWADM
、および GWTDOMAIN
) のドメイン ゲートウェイ グループを UBBCONFIG
ファイルに追加する必要があります。これらのサーバについては、「Oracle Tuxedo Domains (マルチ ドメイン) サーバ」で説明します。
Domains コンフィグレーションに関与する BEA Tuxedo アプリケーションのすべての Domains コンフィグレーション情報は、DMCONFIG
というファイルに格納されます。UBBCONFIG
ファイルと同様に、DMCONFIG
ファイルも任意の名前を持つことができます。ただし、そのファイルの内容が『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』のリファレンス ページ「DMCONFIG(5)
」で説明されている形式に準拠している場合に限ります。テキスト エディタを使用して DMCONFIG
ファイルを作成および編集し、dmloadcf
というコマンドライン ユーティリティを使用してテキスト ファイル (DMCONFIG
) をバイナリ ファイル (BDMCONFIG
) に変換します。BDMCONFIG
ファイルは、DMADM
サーバを実行するマシン上に配置する必要があります。
注意 : | DMADM サーバは、Tuxedo ドメインのどのマシン (マスタ マシン、非マスタ マシン) でも実行できます。 |
次のリストは、Domains コンフィグレーションに関与する BEA Tuxedo アプリケーションのシステム サーバのドメイン ゲートウェイ グループを設定および操作するために使用できるコマンドライン ユーティリティを示しています。
dmloadcf(1)
- DMADM
サーバと同じマシン上で実行されるコマンドであり、アプリケーションの DMCONFIG
ファイルをバイナリの BDMCONFIG
ファイルにコンパイルできるようにします。dmloadcf
コマンドは、BDMCONFIG
環境変数で定義された場所にバイナリ ファイルをロードします。dmunloadcf(1)
- DMADM
サーバと同じマシン上で実行されるコマンドであり、バイナリの BDMCONFIG
ファイルを元のテキスト形式に変換して、DMCONFIG
ファイルと BDMCONFIG
ファイルを同期できるようにします。dmunloadcf
コマンドは、テキスト形式を標準出力に出力します。注意 : | バイナリの BDMCONFIG ファイルを動的に更新しても、テキストの DMCONFIG ファイルは更新されません。 |
dmadmin(1)
- 通常は DMADM
サーバと同じマシン上で実行される対話型メタ コマンドであり、ドメイン ゲートウェイ グループをコンフィグレーション、モニタ、およびチューニングするサブコマンドを実行できるようにします。dmadmin
コマンドは、(コンフィグレーション モードで) アプリケーションが起動する前、またはアプリケーションの実行中に使用できます。DMADM(5)
」、「DMCONFIG(5)
」、「GWADM(5)
」、「GWTDOMAIN(5)
」、および「UBBCONFIG(5)
」
BEA Tuxedo MIB は、Tuxedo アプリケーションの管理に使用します。MIB では、すべての Tuxedo ドメインで必要とされるアプリケーションの構成要素を定義します。MIB では、Tuxedo アプリケーションがクラス (サーバ、グループ、マシン、ドメインなど) として定義されます。各クラスは、各種の属性 (ID、状態など) によって特徴付けられるオブジェクトから構成されます。
Tuxedo サーバ マシンがアクティブになると、そのサービスの名前が掲示板 (BB) で宣言されます。掲示板は、MIB の実行時 (動的) 表現です。掲示板は、MIB のグローバルおよびローカルの状態変化がポストされる場所です。Tuxedo システムでは、マスタ マシン上にあるバイナリの TUXCONFIG
ファイルを使用して掲示板を作成し、TUXCONFIG
のコピーをアプリケーション内の非マスタ マシンに転送してそれらのマシンで掲示板を設定します。掲示板は、Tuxedo アプリケーションの各サーバ マシンで実行します。
次の図は、Oracle Tuxedo MIB の操作の概略です。
AdminAPI は、BEA Tuxedo MIB のシステム設定に直接アクセスして操作するためのアプリケーション プログラミング インタフェースです。AdminAPI を使用すると、ログ ファイルのモニタやアプリケーションの動的な再コンフィグレーションなどの管理タスクを自動化し、人が行う作業を減らすことができます。このような利点は、ミッション クリティカルなリアルタイム アプリケーションで重要です。MIB プログラミング インタフェースを使用すると、BEA Tuxedo システムにおける操作を簡単に管理することができます。特に、独自のプログラムを使用してアプリケーションのモニタ、コンフィグレーション、チューニングを行うことができます。MIB は、次のように定義されます。
MIB では、システム (またはアプリケーション) 管理者、システム オペレータ、その他という 3 つのタイプのユーザが定義されています。次の表は、各タイプについて示しています。
クラスとは、BEA Tuxedo アプリケーションを構成するエンティティ (サーバ、マシンなど) のタイプです。属性とは、クラス内のオブジェクトの特徴を表すもので、ID、状態、コンフィグレーション パラメータ、実行時の統計などがあります。属性には、MIB の操作および応答に共通するものや、個々のクラスに共通するものがあります。すべてのクラスには、オブジェクトの状態を示す状態属性があります。
MIB(5)
リファレンス ページに定義されている共通の属性は、クラスに依存しません。これらの属性は、入力操作を制御したり、ユーザが何をしようとしているかを MIB に伝達したり、特定のクラスに依存しない出力バッファの特徴をプログラマに示します。
ACL_MIB(5)
」、「APPQ_MIB(5)
」、「DM_MIB(5)
」、「EVENT_MIB(5)
」、「MIB(5)
」、「TM_MIB(5)
」、および「WS_MIB(5)
」
イベントとは、アプリケーション プログラムまたは BEA Tuxedo システム内で、管理者、オペレータ、またはソフトウェアの興味を引く状態の変化またはその他の事象です。イベントの例には、「株式が指値かそれ以上の値で取り引きされた」や「ネットワーク障害が発生した」などがあります。
BEA Tuxedo イベント ブローカは、BEA Tuxedo ATMI アプリケーションで動作するプロセス間のアプリケーション イベントおよびシステム イベントの非同期ルーティングを実現します。アプリケーション イベントはアプリケーション定義のイベントの発生、システム イベントはシステム定義のイベントの発生を意味します。
アプリケーション定義のイベントは、アプリケーションの設計者によって定義されます。そのため、アプリケーション固有のものです。アプリケーションに対して定義されたすべてのイベントは、アプリケーションで実行されているクライアント プロセスおよびサーバ プロセスによって追跡されます。
システム定義のイベントは、BEA Tuxedo システムのコードによって定義されます。通常、TM_MIB(5)
で定義されたオブジェクトが対応付けられています。システム定義の全イベントのリストは、『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』の「EVENTS(5)
」リファレンス ページに記載されています。これらすべてのイベントは、BEA Tuxedo システムのユーザによって追跡されます。
次の表は、BEA Tuxedo アプリケーションでイベントをモニタできるようにするための基本的な作業を示しています。
EVENTS(5) 」リファレンス ページからシステム定義のイベントを選択します。
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EVENTS(5) によって BEA Tuxedo システムからユーザに提供されるように、アプリケーション イベント サブスクリプションのリストが関心のあるユーザに提供されます。システム定義のイベントの名前はドット (.) で始まり、アプリケーション定義のイベントの名前はドット (.) で始まることはできません。
EVENTS(5) 」、「TMUSREVT(5) 」、「TMSYSEVT(5) 」、および「field_tables(5) 」を参照する必要があります。
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BEA Tuxedo アプリケーションの管理者は、クライアントまたはサーバ プロセスの代わりに、アプリケーション定義イベントまたはシステム定義イベントの公開リストを使用し、tpsubscribe(3c)
を呼び出してサブスクリプションを要求できます。EVENTS(5)
は、システム イベントによって生成された通知メッセージとイベント名 (tppost(3c)
が呼び出されたときに引数として使用される名前) をリストします。サブスクライバは、正規表現のワイルドカード機能を使用して、tpsubscribe
を 1 回呼び出すだけでイベントのカテゴリ全体に対応することができます。
システム定義イベントの各サブスクリプションは、いくつかある通知方法の 1 つを指定します。通知方法の 1 つはメッセージを ULOG に配置することです。EVENT_MIB
の T_EVENT_USERLOG
クラスを使用して、サブスクライバはシステム USERLOG
メッセージを書き込むことができます。イベントが検出されて合致すると、これらのイベントは ULOG に書き込まれます。
イベント ブローカは、MIB オブジェクトの 100 種類以上の状態の変化をシステム イベントとして認識します。システム イベントのポストには、イベントが発生したオブジェクトの現在の MIB 表現が含まれます。
tppost(3c)
」、「tpsubscribe(3c)
」、および「tpunsubscribe(3c)
」EVENTS(5)
」、「EVENT_MIB(5)
」、「TMSYSEVT(5)
」、「TMUSREVT(5)
」、および「UBBCONFIG(5)
」
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