SNMP エージェント管理ガイド

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管理フレームワークへの Oracle SNMP エージェントの統合

以下の節では、Oracle SNMP エージェントを管理フレームワークに統合する方法について説明します。

 


Oracle SNMP エージェントの MIB ファイルについて

Oracle SNMP エージェントには、bea.asn1mib.txt という 2 種類の SNMP MIB ファイルが用意されています。bea.asn1 ファイルは、SNMP ネットワーク管理フレームワークが Tuxedo アプリケーションの管理に必要なローカル (管理ステーション上の) MIB の部分を設定するために使用します。mib.txt ファイルは bea.asn1 ファイルから作成され、Tuxedo SNMP エージェント (tux_snmpd) が起動時に管理対象ノードのローカル SNMP MIB を設定するために使用します。

注意 : 以下では、bea.asn1 ファイルのみについて説明します。

 


管理フレームワークでの Oracle SNMP エージェントの使用

Oracle SNMP エージェントを管理フレームワークで使用するには、次の手順に従います。

  1. Oracle Tuxedo の SNMP MIB を管理フレームワークにロードします。
  2. SNMP MIB には、Oracle SNMP エージェントを介してアクセスできるさまざまな管理対象オブジェクトのデータ型とアクセス パーミッションが定義されます。また、Oracle SNMP エージェントによって生成されるイベント通知も定義されます。このため、MIB は Oracle Tuxedo リソースの管理に必要な情報を管理フレームワークに提供します。

    デフォルトでは、SNMP MIB ファイル bea.asn1 は、tux_prod_dir/udataobj/snmp/etc ディレクトリにインストールされます。この MIB ファイルを、管理フレームワークの管理データベースにインポートする必要があります。管理フレームワークによっては、このプロセスを MIB のロードを呼びます。Oracle SNMP エージェントでテスト済みの管理フレームワークのリストについては、『Oracle Tuxedo リリース ノート』を参照してください。

  3. システム管理の目的を満たすために必要な情報の種類を決定します。
  4. たとえば、管理対象リソースの特定の属性をモニタするかどうか、特定の Oracle Tuxedo システム イベントの発生時に通知を生成するかどうかなどです。

  5. 受信する Oracle Tuxedo システム イベントに対する管理フレームワークの応答をコンフィグレーションします。
  6. 詳細については、「Oracle Tuxedo イベント通知の統合」を参照してください。

  7. パフォーマンスと障害管理たのために、マネージャのポーリング規則またはデータ収集規則をコンフィグレーションします。
  8. 傾向分析には、関連オブジェクトの値の定期的な収集が重要です。この分析は、容量計画とロード バランシングに役立ちます。また、ポーリングによるアラームの生成は、障害管理に役立ちます。

  9. (省略可能) Oracle SNMP エージェント インテグレータのポーリング規則を定義します。
  10. Oracle SNMP エージェント インテグレータで Oracle SNMP エージェントを SMUX サブエージェントとして使用する場合、一部のしきい値チェックを Oracle SNMP エージェント インテグレータに負担させることができます。設定したしきい値に達すると、Oracle SNMP エージェント インテグレータはエンタープライズ固有のトラップを生成します。選択したしきい値のチェックを Oracle SNMP エージェント インテグレータに肩代わりさせることで、管理フレームワークのポーリング アクティビティによって消費されるネットワーク帯域幅が減少します。

  11. エージェントを設定して開始します。
  12. Oracle SNMP エージェントを設定および開始する手順については、「管理対象ノードでの Oracle SNMP エージェントの設定」を参照してください。

 


Oracle Tuxedo イベント通知の統合

Oracle Tuxedo システムのイベント トラップを管理フレームワークに統合するには、次の手順に従います。

  1. 管理対象ドメイン用の Tuxedo イベント ブローカ (TMSYSEVT) が実行されていることを確認します。詳細については、「管理対象ノードでの Oracle SNMP エージェントの設定」を参照してください。
  2. Oracle SNMP エージェントは、Tuxedo イベント ブローカ サーバ (TMSYSEVT) が実行されていない場合は Tuxedo イベント通知を受信しません。Tuxedo イベント ブローカ サーバの詳細については、『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』の TMSYSEVT(5) のリファレンス ページを参照してください。

  3. Oracle SNMP Agent beamgr.conf コンフィグレーション ファイルの TRAP_HOST エントリを修正して、エージェントによって生成されるトラップの送り先となる管理マシンの場所を指定します。詳細については、「管理対象ノードでの Oracle SNMP エージェントの設定」を参照してください。
  4. まだ行っていない場合、Oracle SNMP エージェントの bea.asn1 MIB ファイルを管理フレームワークにロードします。
  5. たとえば、HP OpenView Network Node Manager の場合、次の図を参照して次の手順を行います。

    1. [Options|Load/Unload MIBs: SNMP] を選択します。
    2. 図 4-1 HP OpenView で [Load/Unload MIBs] を選択


      HP OpenView で [Load/Unload MIBs] を選択

    3. [Load] を選択します。
    4. Oracle SNMP エージェント コンフィグレーション ファイル (bea.asn1) のパスを指定します。デフォルトでは、このファイルは次の場所にインストールされます。
    5. tux_prod_dir\udataobj\snmp\etc\bea.asn1 (Windows)
      tux_prod_dir/udataobj/snmp/etc/bea.asn1 (UNIX)

    6. [OK] を選択します。
  6. 管理フレームワークをコンフィグレーションして、受信する Tuxedo SNMP トラップに対する適切なアクションを定義します。
  7. 管理コンソールでの Tuxedo SNMP トラップの表示方法、または指定されたイベントに対して管理フレームワークが実行するアクションを変更できます。たとえば、一部の定型の情報通知を無視することを選択できます。例として、HP OpenView でイベント コンフィグレーションを参照するには次の手順を行います。

    1. [Options|Event Configuration] を選択します。
    2. エンタープライズ tuxedo を選択します。
    3. イベント タイプを選択します (HP Open View では networkFlowTrap など)。
    4. 選択したタイプのイベントの受信に対する管理フレームワークの応答をカスタマイズします。[Edit|Modify Event in OpenView] を選択します。次の図に示す [Event Configuration] ウィンドウが表示されます。
    5. 図 4-2 HP OpenView の [Event Configuration] ウィンドウ


      HP OpenView の [Event Configuration] ウィンドウ

      イベント コンフィグレーションの修正によって、イベントの受信時にイベントを無視するか、ポップアップ通知を生成するか、またはプログラムまたはスクリプトを実行できます。また、上の図に示したように、Tuxedo イベントの新しいカテゴリを作成することもできます。

複数のドメインを管理している場合のオブジェクト値の取得と変更

複数の Oracle Tuxedo ドメインをモニタするには、モニタ対象ドメインごとに Tuxedo SNMP エージェントを実行します。このエージェントは、Oracle SNMP エージェント インテグレータの下で SMUX サブエージェントとして実行する必要があります。

SMUX サブエージェントとして複数のエージェントがノード上で実行されている場合、SNMP マネージャからエージェントへの Set または Get 要求は次の形式のコミュニティ名を使用して処理する必要があります。

community@logical_agent_name

以下に例を示します。

public@payrollagent

この例では、payrollagent は Oracle SNMP エージェント インテグレータによって要求が送られるエージェントを識別する論理エージェント名です。

Oracle SNMP エージェント インテグレータのポーリングで生成されたイベントの統合

Oracle SNMP エージェント インテグレータを使用して、Oracle Tuxedo オブジェクトまたは他の管理対象リソースをポーリングできます。Oracle SNMP エージェント インテグレータのしきい値チェック アクティビティを管理フレームワークに統合するには、次の手順に従います。

  1. Oracle SNMP エージェント インテグレータのポーリング規則を設定します。
  2. ポーリング規則は、Oracle SNMP エージェントの beamgr.conf コンフィグレーション ファイルの RULE_ACTION エントリで定義します。

  3. Oracle SNMP エージェント インテグレータによって生成されるイベントを認識するように管理フレームワークをコンフィグレーションします。
  4. たとえば、HP OpenView では、次の手順で新しいイベント タイプを追加します。

    1. [Options|Event Configuration] を選択します。
    2. beaSystemDescr を選択します。
    3. [Edit|Add Event] を選択します。
    4. 表示されたウィンドウで、イベント番号として次の番号を使用します。

      .1.3.6.1.4.1.140.1.1.0.specific_trap_number

  5. Oracle SNMP エージェント インテグレータからの着信イベントに対して適切な応答を行うように管理フレームワークをコンフィグレーションします。

詳細については、「Oracle SNMP エージェント インテグレータを使用したポーリング」を参照してください。


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