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Oracle Application Server Standard Edition One インストレーションおよびスタート・ガイド
10g リリース2(10.1.2) for Linux x86
B19169-01
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A
削除と再インストール

この付録では、Oracle Application Serverの削除および再インストールのプロセスについて説明します。

A.1 Oracle Application Server Standard Edition Oneの削除

次に示すのは、Oracle Application Server Standard Edition Oneを削除するための高度な手順です(詳細は後述)。

  1. 次のコマンドを使用してOracle Universal Installerを開始します。

    $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller -deinstall
    
    

    図A-1に示す画面が表示されます。

    図A-1 選択したOracleホームを削除するための「インベントリ」ボックス


    画像の説明

    削除するOracleホーム・ディレクトリを選択し、「削除」をクリックして次に進みます。

    J2EE and Web Servicesのみを削除する場合は、手順3に進んでください。

    OracleAS Portalを削除する場合は、このまま手順2に進んでください。

  2. 図A-2のような「確認」ボックスが表示されます。 このボックスには、削除するOracleホームのリストが表示されます。 「はい」をクリックして、削除の対象を確定します。

    図A-2 「確認」ボックス


    画像の説明

  3. 削除処理がしばらく続行された後、図A-3の画面が表示されます。 この画面には「このOracleホーム内のファイルおよびデータが削除される」という内容の警告が表示されます。

    図A-3 Oracleホーム内のファイル削除に関する削除警告メッセージ


    画像の説明

    J2EE and Web Servicesのみを削除する場合は、「OK」をクリックして手順4に進んでください。

    OracleAS Portalを削除する場合は、この警告メッセージが2度表示されます。 これは、OracleAS Portalをインストールした際、OracleAS Portal用とOracleAS Infrastructure用の2つのOracleホームが作成されるためです。

    詳細は、1.4.2項「Oracleホーム・ディレクトリ」を参照してください。いずれの場合も「OK」をクリックして、次の手順に進みます。

  4. 削除処理が最後まで実行されます。 ファイルの削除処理に関するログは、次のファイルの中で指定された場所に作成されます。

    /etc/oraInst.loc
    
    
  5. 中間層インスタンスに対して削除ツールを実行します。 詳細は、A.3.2項「構成解除ツールによる中間層の削除」を参照してください。

  6. OracleAS Infrastructureインスタンスを削除します。 詳細は、A.3.3項「構成解除ツールによるOracleAS Infrastructureの削除」を参照してください。

  7. 残りのファイルをクリーン・アップします。


    注意

    • 既存のデータベース上にOracleAS Metadata RepositoryをインストールするためのOracle Application Server Metadata Repository Creation Assistant(OracleAS Metadata Repository Creation Assistant)を使用してOracleAS Metadata Repositoryを削除する場合は、OracleAS Metadata Repository Creation Assistantの「削除」オプションを選択します。 OracleAS Metadata Repository Creation Assistantは、Oracle Internet Directoryへの登録を削除する場合にも使用できます。

    • Infrastructureインスタンスを削除すると、そのInfrastructureに依存する中間層インスタンスはすべて使用できなくなります。 引き続き必要な中間層インスタンスは、別のInfrastructureのサービスを使用できるように構成することが可能です。 詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

     

削除またはクリーン・アップの対象

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)のインスタンスを削除するには、表A-1のリストにある項目をクリーン・アップする必要があります。 手順はこの付録内で後述します。

表A-1 削除の対象 
クリーン・アップの対象  使用するツール 

Oracleホーム・ディレクトリにあるファイル 

インストーラ

インストーラで削除されないファイルについては、rmコマンドを使用すれば削除できます。 

削除したインスタンスに対応するインベントリ・ディレクトリ内のエントリ 

インストーラ 

Farmページに表示されているインスタンス名 

インストーラ 

削除したインスタンスに対応する/etcディレクトリ内のエントリ 

これらのエントリは手動で削除する必要があります。 場合に応じて、次のいずれかの手順を参照してください。

  • 中間層を削除する場合は、手順7

  • OracleAS Infrastructureを削除する場合は、手順4

 

削除したインスタンスに対応するOracle Internet Directory内のエントリ 

構成解除ツール 

このインストーラでは、個々のコンポーネントのカスタム削除を実行することはできません。

A.2 OracleAS Metadata Repository Creation Assistantの削除

この項では、必要がなくなったOracleAS Metadata Repository Creation Assistantを削除する手順を説明します。

ただし、OracleAS Metadata Repositoryの削除または登録取消しを行うには、OracleAS Metadata Repository Creation Assistantが必要です。

  1. OracleAS Metadata Repository Creation Assistantをインストールしたときと同じオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

  2. Oracle Universal Installerを起動します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
    

    ORACLE_HOMEは、OracleAS Metadata Repository Creation Assistantのインストール・ディレクトリです。

  3. 次に示すインストーラの手順に従います。

    1. 「ようこそ」画面: 「製品の削除」をクリックします。

    2. 「インベントリ」画面: 削除するOracleAS Metadata Repository Creation Assistantを選択し、「削除」をクリックします。

    3. 「確認」画面: 削除対象として目的のコンポーネントが正しく選択されていることを確認します。 「はい」をクリックして、次の手順に進みます。

    4. 「削除の進捗状況」画面: 削除の進捗状況が表示されます。

    5. 削除が完了したらインストーラを終了します。

  4. Oracleホーム・ディレクトリにある残りのファイルを削除します。

    prompt> rm -rf $ORACLE_HOME
    
    

A.3 構成解除ツール

構成解除ツールは、削除を開始する際に使用します。 このツールを使用すると、削除するOracle Application Server Standard Edition Oneインスタンスに対応するエントリをOracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Internet Directoryから削除できます。

A.3.1 構成解除ツールの実行

構成解除ツールを実行するには、Perlインタプリタで$ORACLE_HOME/binにあるdeconfig.plスクリプトを実行します。 Perlインタプリタは、Oracle Application Server Standard Edition Oneに付属しています。

prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
prompt> $ORACLE_HOME/perl/bin/perl deconfig.pl [-u oid_user]
            [-w password] [-r realm] [-dbp sys_db_password]

パラメータを使用せずにスクリプトを実行すると、必要な情報の入力を求めるメッセージが表示されます。

表A-2 deconfig.plに使用できるオプションのパラメータ 
パラメータ  説明 

-u oid_user 

Oracle Internet Directoryユーザーを指定します。

簡単なユーザー名またはユーザーの識別名(DN)を使用して、Oracle Internet Directoryユーザーを指定することも可能です。 たとえば、簡単なユーザー名をjdoe@mycompany.comとすれば、それに対応するDNはcn=jdoe,l=us,dc=mycompany,dc=comとなります。

Oracle Internet Directoryユーザーには、削除対象のOracle Application Serverインスタンスで構成が行われているコンポーネントを削除する権限が必要です。これらの権限は、コンポーネントのインストールおよび構成を行うための権限と同じものです。

たとえば、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracle Application Server Single Sign-Onを実行しているOracleAS Infrastructureインスタンスを削除する場合は、これらのコンポーネントの構成を行う権限がそのユーザーにあることを確認してください。

このツールをOracle Internet Directoryスーパーユーザーとして実行する場合は必ず、orcladminではなくcn=orcladminを使用してください。両者はそれぞれ異なるユーザーを表します。  

-w password 

Oracle Internet Directoryユーザーのパスワードを指定します。 

-r realm 

ユーザー認証の対象となるレルムを指定します。 この値が必要となるのは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムが存在する場合のみです。 

-dbp sys_db_password 

データベースのSYSユーザー用のパスワードを指定します。 これは、Oracle Internet Directoryで使用されるOracleAS Metadata Repositoryデータベースです。

この値が必要となるのは、Oracle Internet Directoryの構成を行うIdentity Management専用のインスタンスを削除する場合のみです。

このパラメータを指定した場合でも、必要がなければパスワードの値は使用されません。 

-hまたは-help 

構成解除ツールのヘルプ情報を表示します。 

構成解除ツールのログは、$ORACLE_HOME/cfgtoollogsDeconfigureWrapper.logファイルに記録されます。

A.3.2 構成解除ツールによる中間層の削除

この項では、構成解除ツールを使用して中間層インスタンスを削除する方法について説明します。

  1. 削除するインスタンスをインストールしたときと同じオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

  2. 削除するインスタンスに関連付けられているプロセスをすべて停止します。

    プロセス停止の詳細は、第9章または『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

  3. 中間層のOracleホームに移動し、構成解除ツールを実行します。

    prompt> cd $ORACLE_HOME/bin
    prompt> $ORACLE_HOME/perl/bin/perl deconfig.pl [parameters]
    
    

    パラメータの詳細は、A.3項を参照してください。

  4. インストーラを起動します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
    
  5. 次に示すインストーラの手順に従います。

    1. 「ようこそ」画面: 「製品の削除」をクリックします。

    2. 「インベントリ」画面: 削除するインスタンスを選択し、「削除」をクリックします。

    3. 「確認」画面: 削除対象として目的のコンポーネントが正しく選択されていることを確認します。 「はい」をクリックして、次の手順に進みます。

    4. 「削除の進捗状況」画面: 削除の進捗状況が表示されます。

    5. 削除が完了したらインストーラを終了します。

  6. 削除したインスタンスのOracleホーム・ディレクトリにある残りのファイルを削除します。

    prompt> rm -rf $ORACLE_HOME
    
    
  7. 削除した中間層に対応する行を/etc/oratabファイルから削除します。

    ファイルの末尾付近に、Oracleホーム・ディレクトリを指定した行があります。 削除したOracleホームに対応する行を削除します。 たとえば、Oracleホームが/private1/j2eeである場合、それに対応する行は次のようになります。

    *:/private1/j2ee:N
    
    

ただし、Oracle Internet DirectoryのOracleAS Portalエントリは、構成解除ツールやインストーラでは削除できません。

A.3.3 構成解除ツールによるOracleAS Infrastructureの削除

この項では、OracleAS Infrastructureインスタンスを削除する方法について説明します。

  1. 削除するインスタンスをインストールしたときと同じオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインします。

  2. 削除するインスタンスに関連付けられているプロセスをすべて停止します。

  3. 構成解除ツールを実行します。

    prompt> cd $INFRA_ORACLE_HOME/bin
    prompt> $INFRA_ORACLE_HOME/perl/bin/perl deconfig.pl [parameters]
    
    


    注意

    パラメータの詳細は、A.3項「構成解除ツール」を参照してください。 削除するインスタンスにOracle Internet DirectoryコンポーネントまたはOracle Application Server Single Sign-Onコンポーネントが含まれている場合は、Oracle Internet Directoryスーパーユーザー(cn=orcladmin)として構成解除ツールを実行する必要があります。 削除するインスタンスにOracle Internet DirectoryやOracle Application Server Single Sign-Onが含まれていない場合でも、適切な権限を持つユーザーとしてツールを実行する必要があります。 


  4. 削除した中間層インスタンスに対応する行を/etc/oratabファイルから削除します。

    ファイルの末尾付近に、Oracleホーム・ディレクトリを指定した行があります。 削除するInfrastructureインスタンスにメタデータ・リポジトリが含まれている場合、ファイルには次の2つの行が存在します。

    • *で始まる行

    • データベースSIDで始まる行

    この行を両方とも削除する必要があります。

    たとえば、/private1/infraにインストールされたInfrastructureインスタンスに、asdbというSIDを持つメタデータ・リポジトリが含まれている場合、対応する行は次のようになります。

    asdb:/private1/infra:N
    *:/private1/infra:N
    
    
  5. Oracle Universal Installerを起動します。

    prompt> $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
    
  6. 次に示すインストーラの手順に従います。

    1. 「ようこそ」画面: 「製品の削除」をクリックします。

    2. 「インベントリ」画面: 削除するインスタンスを選択し、「削除」をクリックします。

    3. 「確認」画面: 削除対象として目的のコンポーネントが正しく選択されていることを確認します。 「はい」をクリックして、次の手順に進みます。

    4. 「削除の進捗状況」画面: 削除の進捗状況が表示されます。

    5. 削除が完了したらインストーラを終了します。

  7. 削除したインスタンスのOracleホーム・ディレクトリにある残りのファイルを削除します。

    prompt> rm -rf $ORACLE_HOME
    
    

A.4 ログ・ファイル内の無視できるエラー

J2EE and Web ServicesインスタンスやOracleAS Portalインスタンスの削除後、oraInstalltimestamp.errファイル内にUnable to delete fileUnable to find make fileというエラーが表示されることがありますが、これらは問題のないエラー・メッセージです。

Ignoring Exception during de-install oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
An error occurred during runtime. oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
An error occurred during runtime.
...
Ignoring Exception during de-install oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
Unable to delete file 
/home/j2ee/sysman/emd/targets.xml
oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException: Unable to delete file
/home/j2ee/sysman/emd/targets.xml
at instantiateFileEx.deinstallAction(instantiateFileEx.java:935)
...
Ignoring Exception during de-installoracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException:
Unable to find make file:
/home/j2ee/network/lib/ins_net_client.mk
oracle.sysman.oii.oiil.OiilDeinstallException: Unable to find make file:
/home/j2ee/network/lib/ins_net_client.mk
at ssmakeux.deinstallAction(ssmakeux.java:246)
...

A.5 Oracle Application Serverプロセスのクリーン・アップ

インストールを開始する前に停止しなかったOracle Application Serverプロセスは、そのファイルが削除されてしまうため、終了する必要があります。 実行中のプロセスを確認する場合は、psコマンドを実行します。

prompt> ps -ef

プロセスを終了する場合は、killコマンドを使用します。

prompt> kill -9 process_id

process_idは、psコマンドを実行すれば特定できます。

dcmctlシェル・プロセスを停止する必要がある場合は、exitと入力してシェルを終了してください。

A.6 再インストール

Oracle Application Server Standard Edition Oneインスタンスがすでに存在するディレクトリに、Oracle Application Server Standard Edition Oneインスタンスを再インストールすることはできません。 Oracle Application Server Standard Edition Oneを同じディレクトリに再インストールする場合は、その前に既存のOracle Application Server Standard Edition Oneをいったん削除する必要があります。

A.7 トラブルシューティング

削除に関連してよく発生する問題の解決方法については、G.4項「削除に関する問題とその解決策」を参照してください。


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