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Oracle Application Server Standard Edition One インストレーションおよびスタート・ガイド
10g リリース2(10.1.2) for Linux x86
B19169-01
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製品およびインストールの概要

Oracle Application Server Standard Edition Oneは、強力な統合製品です。 この製品が持つ様々な機能を最適化するためには、このマニュアルを通して、まずは製品に関する基本的な事柄を習得する必要があります。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 製品の概要

Oracle Application Server Standard Edition Oneは、中小企業や大規模な組織内の部門別ユーザーのニーズに対応する、完全なWebインフラストラクチャを提供します。

Oracle Application Server Standard Edition Oneには、次のものが含まれています。

1.2 新機能

Oracle Application Server Standard Edition Oneには、次の新機能があります。

1.3 インストールの概要

Oracle Application Server Standard Edition Oneで使用できるサービスは、主に次の2つのグループに分かれます。

これらのサービスのグループはいずれも、Oracle Application Server中間層と呼ばれます。 OracleAS Portalをインストールすると、Oracle Application Server Infrastructureもインストールされます。 OracleAS Portal中間層では、OracleAS Infrastructureが機能している必要があります。J2EE and Web Services中間層では必要ありません。

以降の項では、これらのサービスの詳細を説明します。

1.3.1 Oracle J2EE and Web Services

Oracle J2EE and Web Servicesには、Oracle HTTP ServerやOracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)などのアプリケーションの配置に使用するコンポーネントが含まれています。図1-1に、インストール構成を示します。

図1-1 J2EE and Web Services用の構成


画像の説明

1.3.2 OracleAS Portal

OracleAS Portalサービスには、J2EE and Web Servicesのすべてのコンポーネントに加えて、Identity ManagementとMetadata Repositoryを使用するOracle Instant Portalが含まれています。 製品に含まれるMetadata Repositoryを使用するかわりに、既存のデータベースをMetadata Repositoryとして使用することもできます。

使用可能ないずれかのOracleAS Portalサービスをインストールするように選択すると、Oracle Universal Installerは連鎖インストールを実行します。この場合、まず該当するすべてのインフラストラクチャ・コンポーネントがインストールおよび構成され、次に中間層コンポーネントがインストールおよび構成されます。

1.3.2.1 新しいメタデータ・リポジトリを使用するOracleAS Portal

新しいメタデータ・リポジトリを使用する場合、図1-2に示すように、Oracle Application Server Standard Edition One Infrastructure(Identity ManagementおよびMetadata Repository)がインストールされます。

図1-2 新しいメタデータ・リポジトリを使用するOracleAS Portalの構成


画像の説明

1.3.2.2 既存のメタデータ・リポジトリを使用するOracleAS Portal

既存のメタデータ・リポジトリを使用する場合は、図1-3に示すように、Oracle Application Server Standard Edition One Infrastructure(Identity Managementのみ)がインストールされます。

図1-3 既存のメタデータ・リポジトリを使用するOracleAS Portalの構成


画像の説明

この構成では、OracleAS PortalおよびIdentity Managementをインストールする前に、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistant(OracleAS Metadata Repository Creation Assistant)を使用して、既存のデータベースにMetadata Repositoryを作成する必要があります。 OracleAS Metadata Repository Creation Assistantは別のCDに収録されています。


注意

OracleAS Metadata Repository Creation Assistantの詳細は、第III部を参照してください。 


1.3.3 基本インストールと拡張インストール

表1-1に、各インストール・タイプで使用可能なサービスのグループの概要を示します。

表1-1 Oracle Application Server Standard Edition Oneのインストール・タイプ 
インストール・タイプ  使用可能なサービス 

基本 

  • J2EE and Web Services

  • Identity Managementと新しいMetadata Repositoryを使用するOracleAS Portal

 

拡張 

  • J2EE and Web Services

  • Identity Managementと新しいMetadata Repositoryを使用するOracleAS Portal

  • Identity Managementと既存のMetadata Repositoryを使用するOracleAS Portal

 

基本(ワンクリック)インストールでは、ユーザーは最初のインストール画面で質問に回答するように求められます。その後は、ユーザーとの対話なしに製品のインストールに進みます。 すべてのコンポーネントに対してデフォルト値が使用されます。

拡張インストールでは、高度なカスタマイズと柔軟性によって、追加の言語のインストール、ポート構成オプションの指定、Metadata Repositoryとしての既存のデータベースの使用(OracleAS Portalのインストールの場合のみ)、およびデータベース構成(OracleAS Portalのインストールの場合のみ)が可能になります。

表1-2に、基本インストールと拡張インストールのカスタマイズ・オプションの相違の概要を示します。

表1-2  基本インストールと拡張インストールの機能
操作またはオプション  基本  拡張 

Oracleホームの指定 

可 

可 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

可 

可 

データベース名とパスワードの指定(OracleAS Portalのみ) 

可 

可 

追加の言語の選択 

不可 

可 

ポート構成の指定(自動または手動) 

不可 

可 

Oracle Internet Directoryのネームスペースの指定(OracleAS Portalのみ) 

不可 

可 

データベース構成オプションの指定(OracleAS Portalのみ) 

不可 

可 

スキーマ・パスワードの指定(OracleAS Portalのみ) 

不可 

可 

データベースとして使用する既存のリポジトリの指定(OracleAS Portalのみ) 

不可 

可 

Configuration Assistant 

可 

可 


注意

  • OracleAS Portalのインストールでは、インストール・ディレクトリを指定するように求められます。このディレクトリがOracleホーム・ディレクトリの一部になります。 詳細は、1.4.2項「Oracleホーム・ディレクトリ」を参照してください。

  • 基本インストール画面では、データベース・アカウントと、SYSSYSTEMDBSNMPおよびSYSMANアカウントで使用されるパスワードを1つのみ指定できます。 拡張インストールでは、各アカウントに対して同じパスワードを指定することも、異なるパスワードを指定することもできます。

 

1.3.4 一般的なインストール手順

Oracle Application Server Standard Edition Oneをインストールするための手順は次のとおりです。

  1. 最新情報については、次のドキュメントを参照してください。

    • Oracle Application Serverリリース・ノート

      最新のリリース・ノートは、Oracle Technology Networkのサイト(http://www.oracle.com/technology/documentation)にあります。

  2. 第2章を読んで、Oracle Application Server Standard Edition Oneを実行するコンピュータが要件を満たしていることを確認します。この章では、インストーラで自動的に実行されるチェックの概要についても説明します。

  3. 第3章「J2EE and Web Servicesのインストール」または第4章「OracleAS Portalのインストール」を読んで、インストール手順の詳細を理解します。

  4. 第6章「インストール後の作業」を読んで、インストールが正常に完了した直後に実行する必要がある作業について確認します。

  5. Oracle Application Server Standard Edition Oneをインストールしたら、「ようこそ」ページにアクセスしてデモをいくつか実行し、インストールが成功したことを確認します。

1.4 Oracle Application Server Standard Edition Oneをインストールする前に知っておく必要のあること

この項では、Oracle Application Server Standard Edition Oneをインストールする前に知っておく必要のあることについて説明します。 この項の内容は次のとおりです。

1.4.1 Oracle Application Server Standard Edition Oneをインストールできる場所

Oracle Application Server Standard Edition Oneは、単一のコンピュータにインストールする必要があります。

1.4.2 Oracleホーム・ディレクトリ

インストール中、Oracle Application Server Standard Edition Oneをインストールするディレクトリのフルパスを入力するように求められます。 このディレクトリをOracleホームと言います。

たとえば、Oracle Application Server Standard Edition Oneを/oracle/OraHome_SEOneにインストールした場合、OrarcleホームはOraHome_SEOneになります。


注意

Oracleホーム・ディレクトリへのパスには空白を使用できません。 たとえば、「/opt/oracle/app server/infra10_1_2」では「app server」の部分に空白が含まれているため、このディレクトリにはインストールできません。インストーラでは、このパスの入力後にいくつかの画面が進むまで、これがチェックされません。 


関連項目

名前の使用方法については、1.4.2.1項「Oracleホームの名前の指定」を参照してください。 

J2EE and Web Servicesのみをインストールするよう選択した場合、インストール中に指定したディレクトリのみが作成され、Oracleホーム・ディレクトリになります。

使用可能な2つのOracleAS Portalサービスのいずれかをインストールする場合、Oracleホーム・ディレクトリは2つ作成されます。1つはOracleAS Infrastructure用、もう1つはOracleAS Portal用です。

user-specified-dir変数は、インストール中に指定するディレクトリです。


注意

使用可能な2つのOracleAS Portalサービスのいずれかを同じコンピュータ上にインストールする場合、各インスタンス(OracleAS InfrastructureおよびOracleAS Portal)の環境を設定するスクリプトを作成する必要があります。これによって、バイナリが適切なOracleホームから実行されるようにします。 設定する必要がある環境変数には、ORACLE_HOMEPATHが含まれます。 


1.4.2.1 Oracleホームの名前の指定

各Oracleホーム・ディレクトリには、自動的に名前が付けられます。

J2EE and Web Servicesのみをインストールする場合、Oracleホームの名前はoracleas1になります。

使用可能な2つのOracleAS Portalサービスのいずれかをインストールする場合、Oracleホームの名前は次のようになります。

Oracleホームの名前に使用できるのは英数字およびアンダースコア(_)で、文字数は最大で128文字です。

中間層(OracleAS Portalなど)はOracleAS Infrastructure(OracleAS Metadata Repositoryなど)のサービスに依存しているため、OracleAS Infrastructureのサービスを開始した後に中間層のサービスが開始されます。

1.4.2.2 空ではないOracleホームへのインストール

Oracle Application Server Standard Edition Oneは、いくつかのファイルがすでに含まれているディレクトリにはインストールできません。 たとえば、インストールを取り消した場合やインストールに失敗した場合は、ディレクトリをクリーンアップしてから、そのディレクトリにOracle Application Server Standard Edition Oneを再インストールする必要があります。 また、インストーラはインストールを修復することもできません。 空ではないディレクトリのクリーンアップ方法の手順は、G.3.4項「「空でないディレクトリにインストールしようとしている」という内容のメッセージが表示される」を参照してください。

1.4.3 Oracle Application Serverインスタンスとインスタンス名

J2EE and Web Servicesのみをインストールする場合、コンピュータ上に1つの中間層インスタンスが作成されます。インストール中、このインスタンスの名前を指定するように求められます。 このインスタンスには、Oracleホームとは異なる名前を指定できます(たとえば、seoneというインスタンス名を指定できます)。

使用可能な2つのOracleAS Portalサービスのいずれかをインストールする場合、コンピュータ上には2つのインスタンスが作成されます。1つはOracleAS Infrastructure用、もう1つは中間層用です。 基本インストールを実行する場合は、中間層のインスタンス名のみを指定します。OracleAS Infrastructureのインスタンス名は自動的に生成されます。 詳細は、5.3項「「ようこそ」画面」を参照してください。

拡張インストールを実行する場合は、OracleAS Infrastructureと中間層(OracleAS Portal)のインスタンス名を個別に指定するように求められます。 詳細は、5.11項「インスタンス名とias_adminパスワードの指定」を参照してください。

インストール後にインスタンス名を変更することはできません。

Oracle Application Serverでは、指定されたインスタンス名にホスト名とドメイン名を追加し、完全なインスタンス名にします。 たとえば、c1という名前のコンピュータにインスタンスをインストールする場合、インスタンスの名前をseone1にすると、ドメイン名がmydomain.comであれば、インスタンスのフルネームはseone1.c1.mydomain.comになります。

インスタンス名に使用できる文字

インスタンス名に使用できるのは、英数字(A-Za-z0-9)およびアンダースコア(_)文字のみです。

インスタンス名には、使用できる文字数の制限はありません。

Oracle Application Serverインスタンス名での制限

Oracle Application Server Standard Edition Oneインスタンスの名前には、コンピュータのホスト名を使用しないでください。

Oracle Application Serverでのインスタンス名の使用

インスタンス名が重要なのは、Oracle Application Server Standard Edition Oneでインスタンスを一意に識別するのに使用されるためです。 そのため、使用可能な2つのOracleAS Portalサービスのいずれかを拡張インストールする場合、OracleAS InfrastructureとOracleAS Portalに異なる名前を指定する必要があります。

Oracle Enterprise Manager Application Server Control(Application Server Control)を使用してOracle Application Server Standard Edition Oneを管理する場合、画面にインスタンス名が表示されます。 インスタンス名をクリックして、そのインスタンスにインストールされているコンポーネント、コンポーネントの稼働/停止状態、コンポーネントのログ・ファイルなど、インスタンスの詳細を表示できます。 Application Server Controlは、Oracle Application Server Standard Edition Oneのためのブラウザベースの管理ツールです。

関連項目

この管理ツールに関する詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。 

また、一部のdcmctlコマンドには、パラメータとしてインスタンス名が必要なものもあります。dcmctlは、Oracle Application Serverインスタンスを管理するためのコマンドライン・ツールです。

関連項目

dcmctlの詳細は、『Distributed Configuration Management管理者ガイド』を参照してください。 

1.4.4 ias_adminユーザーとそのパスワードの制限

インストーラにより、ias_adminユーザーのパスワードを指定するように求められます。 ias_adminユーザーは、Oracle Application Server Standard Edition Oneの管理ユーザーです。

Oracle Application Server Standard Edition Oneでは、最初のインストール画面で指定したias_adminパスワードが、次の場合にも使用されます。

ias_adminパスワードの制限

ias_adminユーザーのパスワードは、Oracle Internet Directoryのパスワード・ポリシーに準拠している必要があります。

Oracle Internet Directoryに定義されたパスワード・ポリシーに加え、ias_adminユーザーのパスワードには次の制限もあります。

Oracle Application Serverを管理するためにApplication Server Controlにログインするときは、ias_adminユーザーとしてログインするため、パスワードを覚えておく必要があります。 パスワードを忘れた場合は、リセットできます。

関連項目

詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。 

1.4.5 グローバル・データベース名とそのパスワードの制限

データベースは、そのグローバル・データベース名によって識別されます。 グローバル・データベース名は、次の2つの部分で構成されます。

database_name.database_domain

例: sales.us.yourcompany.com

この例では、salesがデータベース名、us.yourcompany.comがデータベース・ドメインです。

グローバル・データベース名を指定する際には、次のガイドラインに従ってください。

指定した値は、最初のピリオドまでがDB_NAME初期化パラメータの値になります。 最初のピリオドの後ろに指定した値は、DB_DOMAIN初期化パラメータの値になります。

DB_NAMEパラメータの値は、自動的に環境変数ORACLE_SIDにも割り当てられます。この環境変数によって、Oracleデータベース・インスタンスの名前が定義されます。

データベース・パスワードの制限

通常、Oracleデータベースには、SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSNMPデータベース管理アカウント(スキーマ)のパスワードが必要です。 Oracle Application Server Standard Edition Oneの基本インストールの場合、最初のインストール画面で指定したグローバル・データベース・パスワードが、これらのすべてのアカウントで使用されます。

データベース・パスワードの制限は、次のとおりです。

データベース・パスワードの推奨事項

データベース・パスワードを選択する際のいくつかの推奨事項を次に示します。

1.4.6 言語およびロケールの設定

基本インストールを実行すると、AL32UTF8キャラクタ・セットでリポジトリ・データベースが作成され、英語およびOracle Universal Installerを実行しているロケールのメッセージでOracle Application Server Standard Edition Oneがインストールされます。 追加の言語が必要な場合、拡張インストールを実行して、「言語の選択」画面で必要な言語を選択する必要があります。 この画面の詳細は、5.5項を参照してください。

インストールする追加の言語を選択すると、それらの言語の表示に必要なフォントとともに、選択した言語でメッセージがインストールされます。

1.4.6.1 Oracle Application Server Standard Edition Oneのインストール後の追加の言語のインストール

インストール後により多くの言語をサポートする必要性が生じた場合は、Portal Language Assistantツールを実行して、それらの言語用の翻訳をロードする必要があります。また、OracleAS Metadata Repository Upgrade Assistant and Utilities CD-ROMから中間層ディレクトリに必要なフォント・ファイルをコピーする必要もあります。

1.4.6.2 Portalユーザー・インタフェース・メッセージのインストール

Portalの翻訳済リソース・ファイルは、次のディレクトリにあります。

$ORACLE_HOME/portal/admin/plsql/nlsres/ctl

追加の言語をサポートするには、これらのファイルをリポジトリ・データベースにロードする必要があります。

翻訳をロードするには、次のコマンドを使用します。

ptllang -lang lang_code [-i install_type]
                        [-s portal_schema]
                        [-sp portal_schema_password]
                        [-c portal_db_connect_string]

関連項目

詳細は、『Oracle Application Server Portal構成ガイド』を参照してください。 

表1-3に、このコマンドのオプションの構成パラメータを示します。

表1-3 ptllangコマンドの構成パラメータ 
パラメータ  説明 

-lang 

インストールする言語の略称。

関連項目: サポートされているすべての略称のリストについては、『Oracle Application Server Portal構成ガイド』にあるOracleAS Portalの言語および言語の略称に関する表を参照してください。 

-i 

インストール・タイプ。

このパラメータにはtypicalまたはcustomを設定できます。 typicalモードでは、スクリプトは自動的に登録済のOracleAS Metadata Repositoryに接続します。 カスタマ・データベースのOracleAS Portalスキーマの場合は、customモードを使用します。

デフォルト: typical 

-s 

OracleAS Portalスキーマ名。

デフォルト: portal 

-sp 

OracleAS Portalスキーマ・パスワード。 パスワードはOracle Internet Directoryから取得するか、またはSQLPlusを使用して変更できます。

関連項目: 『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。 

-c 

OracleAS Metadata Repositoryがインストールされているデータベースへの接続文字列。書式は次のとおりです。

DbHostName:DbPortNumber:DbServiceName 

ptllangコマンドの例を次に示します。

ptllang -lang ja -i custom -s portal -sp welcome1 -c host:1521:orasid

1.4.6.3 Oracle Unicodeフォントのインストール要件

インストールされるフォントは、インストール中に選択した言語のApplication Server Controlコンソールおよびヘルプに必要なフォント(AlbanyフォントのALBANWTJ.TTF、ALBANWTK.TTFなど)のみです。そのため、一部のテキストが、インストール中に選択していない言語の制御文字として表示される場合があります。

追加の必要なフォントは、Oracle Application Server Metadata Repository Upgrade Assistant and Utilities CD-ROMの/utilities/fontsフォルダに収録されています。

サポートが必要になる可能性のある言語のフォントのリストを次に示します。

これらのフォントをインストールするには、中間層のインストール後に次の手順を実行します。

  1. Oracle Application Server Metadata Repository Upgrade Assistant and Utilities CD-ROMの/utilities/fontsフォルダに移動します。

  2. /utilities/fontsディレクトリの内容を、中間層マシンの次のフォルダにコピーします。

    $ORACLE_HOME/jdk/jre/lib/fonts
    
    

1.4.7 ポート

Oracle HTTP Server、Oracle Enterprise Manager Application Server Controlなど、多くのOracle Application Serverコンポーネントでポートを使用します。インストーラにデフォルトのポート番号を割り当ててもらうことも、ユーザーが指定したポート番号を使用することもできます。

この項では、ポートに関する次の項目について説明します。

1.4.7.1 ポートが使用中かどうかの確認

ポートが使用されているかどうかを確認するには、netstatコマンドを次のように実行します。

/> netstat -an | grep portnum

1.4.7.2 ポート番号のリストの取得

ポート番号のリストは、次の方法で取得できます。

1.4.7.3 デフォルトのポート番号の使用

こうしたコンポーネントでデフォルトのポート番号を使用する場合は、特に何もする必要はありません。 すべてのデフォルト・ポートの番号およびその範囲のリストは、付録C「デフォルトのポート番号」を参照してください。 各コンポーネントに対し、ポート範囲内で1つ以上のポートが使用できることを確認します。 インストーラが空きポートを範囲内で検出できない場合、そのインストールは失敗します。


注意

  • インストーラでは、/etc/servicesファイルで指定されたポート番号の割当ては行われません。 インストーラにより特定のポート番号の割当てが行われないようにするには、そのポート番号を/etc/servicesファイルに指定してください。 たとえば、ポート7777をあるアプリケーションのために予約しておきたい場合は、次に示す行を/etc/servicesファイルに追加します。

    myApplication      7777/tcp
    
    

    この行が/etc/servicesファイル内にある場合は、いずれのコンポーネントに対してもポート7777の割当てが行われることはありません。

  • デフォルトの構成では、/etc/servicesファイルには、ポート389(LDAP用)およひポート636(LDAP/SSL用)が指定されています。 これらのポートは時に、Oracle Internet Directoryのデフォルト・ポートになる場合があります。 そのため、これらのポート番号をOracle Internet Directoryに使用する場合は、/etc/servicesファイルに指定されているこれらの行を削除するかまたはコメント・アウトする必要があります。 ある行をコメント・アウトするには、次のようにして行の先頭に#を追加します。

    # ldap   389/tcp   # Lightweight Directory Access Protocol
    # ldap   389/udp   # Lightweight Directory Access Protocol
    # ldaps  636/tcp   # LDAP protocol over TLS/SSL (was sldap)
    # ldaps  636/udp   # LDAP protocol over TLS/SSL (was sldap)
    
    

    /etc/servicesファイルでこの行をコメント・アウトも削除もしなければ、ポート389およびポート636のインストーラによる割当ては行われません。 この場合、範囲内に属するいずれかのポート番号がOracle Internet Directoryに割り当てられます。 デフォルト・ポートの番号およびその範囲のリストは、付録C「デフォルトのポート番号」を参照してください。

 

1.4.7.4 カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)

インストーラがコンポーネントにカスタムのポート番号を割り当てるようにするには、次の手順を実行します。

  1. コンポーネント名とポート番号の入ったファイルを作成します。 このファイルは通常staticports.iniファイルという名前ですが、任意の名前を付けることができます。

  2. インストーラの「ポート構成オプションの指定」画面で、「手動」を選択し、staticports.iniファイルにフルパスを入力します。

    ファイルへのフルパスを指定しないと、インストーラはファイルを見つけることができません。この場合、インストーラはすべてのコンポーネントにデフォルトのポートを割り当てますが、警告は一切表示されません。

staticports.iniファイルの書式

staticports.iniファイルの書式は次のとおりです。 port_numは、コンポーネントに使用するポート番号に置き換えます。

# staticports.ini Template File
 
# This file is a template for specifying port numbers at installation time.
# To specify a port number, uncomment the appropriate line (remove #) and
# replace "port_num" with the desired port number.
# 
# Please refer to Oracle Application Server  10g Standard Edition one 
# Installation Guide for instructions on how to use this file.
# This file cannot be specified on the command line when launching OUI
 
[Infrastructure]
#Oracle Internet Directory port = port_num
#Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num
#Oracle Certificate Authority SSL Server Authentication port = port_num
#Oracle Certificate Authority SSL Mutual Authentication port = port_num
#Ultra Search HTTP port number = port_num
#Oracle HTTP Server port = 80
#Oracle HTTP Server Listen port = port_num
#Oracle HTTP Server SSL port = port_num
#Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
#Oracle HTTP Server Diagnostic port = port_num
#Java Object Cache port = port_num
#DCM Java Object Cache port = port_num
#DCM Discovery port = port_num
#Oracle Notification Server Request port = port_num
#Oracle Notification Server Local port = port_num
#Oracle Notification Server Remote port = port_num
#Application Server Control port = port_num
#Application Server Control RMI port = port_num
#Oracle Management Agent port = port_num
#Log Loader port = port_num
 
 
[Portal]
#Ultra Search HTTP port number = port_num
#Oracle HTTP Server port = port_num
#Oracle HTTP Server Listen port = port_num
#Oracle HTTP Server SSL port = port_num
#Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
#Oracle HTTP Server Diagnostic port = port_num
#Java Object Cache port = port_num
#DCM Java Object Cache port = port_num
#DCM Discovery port = port_num
#Oracle Notification Server Request port = port_num
#Oracle Notification Server Local port = port_num
#Oracle Notification Server Remote port = port_num
#Application Server Control port = port_num
#Application Server Control RMI port = port_num
#Oracle Management Agent port = port_num
#Web Cache HTTP Listen port = port_num
#Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_num
#Web Cache Administration port = port_num
#Web Cache Invalidation port = port_num
#Web Cache Statistics port = port_num
#Log Loader port = port_num
#Discoverer OSAgent port = port_num
 
 
[j2ee]
#Ultra Search HTTP port number = port_num
#Oracle HTTP Server port = port_num
#Oracle HTTP Server Listen port = port_num
#Oracle HTTP Server SSL port = port_num
#Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
#Oracle HTTP Server Diagnostic port = port_num
#Java Object Cache port = port_num
#DCM Java Object Cache port = port_num
#DCM Discovery port = port_num
#Oracle Notification Server Request port = port_num
#Oracle Notification Server Local port = port_num
#Oracle Notification Server Remote port = port_num
#Application Server Control port = port_num
#Application Server Control RMI port = port_num
#Oracle Management Agent port = port_num
#Web Cache HTTP Listen port = port_num
#Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_num
#Web Cache Administration port = port_num
#Web Cache Invalidation port = port_num
#Web Cache Statistics port = port_num
#Log Loader port = port_num

このファイルを作成する最も簡単な方法は、CD-ROM(Disk 1)またはDVDにあるstaticports.iniファイルをテンプレートとして使用することです。

  1. staticports.iniファイルをCD-ROMまたはDVDからハード・ディスクにコピーします。 表1-4には、CD-ROMおよびDVD内でこのファイルが格納されている場所が示してあります。

    表1-4 CD-ROMおよびDVDのstaticports.iniファイルの場所 
    メディア  staticports.iniファイルの場所 

    CD-ROM 

    Disk1/stage/Response/staticports.ini 

    DVD 

    CD-ROM 

  2. ローカル・コピー(ハード・ディスク上にあるファイル)を編集して必要なポート番号を含めます。

    staticports.iniファイルですべてのコンポーネントのポート番号を指定する必要はありません。 ファイルにないコンポーネントでは、インストーラによりデフォルトのポート番号が使用されます。

    インストール中にOracleAS Metadata Repositoryで使用されるポート(ポート1521)の変更はできませんが、インストール後に変更できます。

    関連項目

    詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。 

    次の例では、Application Server ControlのポートといくつかのOracleAS Web Cacheのポートを設定します。指定されていないコンポーネントには、インストーラによってデフォルトのポート番号が割り当てられます。

    Application Server Control port = 2000
    Web Cache Administration port = 2001
    Web Cache Invalidation port = 2002
    Web Cache Statistics port = 2003
    
    

    インストールが完了したら、$ORACLE_HOME/installにあるportlist.iniファイルで、割り当てられたポートを確認できます。


    注意

    ポート番号は65535を超えることはできません。 


    インストーラでは、メモリーをチェックすることにより、ファイルに指定されたポートが使用可能であることが確認されます。つまり、インストーラが検出できるのは、実行中のプロセスで使用されているポートのみです。 アプリケーションで使用されているポートを調べるために構成ファイルが確認されることはありません。

    指定されたポートが使用できないことが検出されると、インストーラにより警告が表示されます。インストーラでは、使用できないポートの割当ては行われません。この問題を解決するには、次の手順を実行します。

    1. staticports.iniファイルを編集して別のポートを指定するか、そのポートを使用しているアプリケーションをシャットダウンします。

    2. 再試行」をクリックします。 インストーラはstaticports.iniファイルの再読取りを行い、ファイル内のエントリを再確認します。

portlist.iniファイルのstaticports.iniファイルとしての使用

staticports.iniファイルには、インストール後に作成される$ORACLE_HOME/installportlist.iniファイルと同じ書式が使用されます。 Oracle Application Server Standard Edition Oneをすでにインストールしている場合で、同じポート番号を別のインストールでも使用するには、最初のインストールのportlist.iniファイルを、それ以降のインストールのstaticports.iniファイルとして使用できます。

ただし、staticports.iniでは「Oracle Management Agent port」の行は、portlist.iniの「Enterprise Manager Agent port」に相当するという違いに注意してください。

インストーラがカスタム・ポートではなくデフォルトのポートを使用する原因となるエラー条件

staticports.iniファイルは念入りに確認してください。間違いがあると、インストーラでは警告を表示せずにデフォルトのポートを使用します。

次のような点を確認します。

1.4.8 ポート1521がすでに使用されている場合

インストーラはポート1521をOracleAS Metadata Repositoryのリスナー(リリース10.1.0.3)用に構成します。 このポートは、staticports.iniファイルでは変更できません。


注意

コンピュータに、EXTPROCキーでIPCプロトコルを使用するリスナーがある場合、そのキーが別の値を持つように変更する必要があります。 これは、OracleAS Metadata RepositoryのリスナーがEXTPROCキーを使用する必要があるためです。 


Oracleデータベース・リスナーなどの既存のアプリケーションがポート1521をすでに使用している場合、インストーラを実行する前になんらかの措置が必要になることがあります。  詳細は次の項を参照してください。

1.4.8.1 ポート1521が既存のOracle データベースで使用されている場合

Oracleデータベースをすでに実行しているコンピュータにOracleAS Metadata Repository用の新規のデータベースをインストールする場合は、両方のデータベースのリスナーが競合しないことを確認してください。

既存のデータベースとOracleAS Metadata Repositoryのデータベースの両方で同じリスナーが使用できる場合があります。 これには、既存のリスナーとポート番号を考慮する必要があります。表1-5に、各種シナリオとその結果を示します。

インストール後、OracleAS Metadata Repositoryのリスナーが別のポートを使用するように変更できます。

関連項目

詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。 

表1-5 OracleAS Metadata Repositoryをインストールするコンピュータに既存のデータベースがある場合のシナリオとその結果
既存のリスナーのリリース  既存のリスナーがポート1521を使用  既存のリスナーがポート1521以外を使用 

10.1.0.2より前 

既存データベース用とOracleAS Metadata Repository用の2つのリスナーが必要です。

シナリオ1: 既存のリスナーがポート1521を使用し、リスナーのリリースは10.1.0.2より前であるを参照してください。 

既存データベース用とOracleAS Metadata Repository用の2つのリスナーが必要です。

シナリオ3: 既存のリスナーがポート1521以外を使用を参照してください。 

10.1.0.2以上 

既存のリスナーは、既存のデータベースとOracleAS Metadata Repositoryの両方をサポートします。

シナリオ2: 既存のリスナーがポート1521を使用し、リスナーのリリースは10.1.0.2以上であるを参照してください。 

既存データベース用とOracleAS Metadata Repository用の2つのリスナーが必要です。

シナリオ3: 既存のリスナーがポート1521以外を使用を参照してください。 

リスナーのリリースを確認するには、次のコマンドを実行します。

/> cd $ORACLE_HOME/bin
/> lsnrctl version

ここでORACLE_HOMEは、データベースのホーム・ディレクトリです。

同じコマンドを使用して、リスナーのポートを確認することもできます。

コマンドの出力例を次に示します。

/> ./lsnrctl VERSION LSNRCTL for Linux: Version 10.1.0.3.0 - Production on 19-MAR-2005 
19:46:54
Copyright (c) 1991, 2004, Oracle.  All rights reserved.
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(PORT=1521))TNSLSNR for Linux: Version 10.1.0.2.0 
- Production
        TNS for Linux: Version 10.1.0.2.0 - Production
        Unix Domain Socket IPC NT Protocol Adaptor for Linux: Version 10.1.0.2.0 -         
Production
        Oracle Bequeath NT Protocol Adapter for Linux: Version 10.1.0.2.0 - Production
               TCP/IP NT Protocol Adapter for Linux: Version 10.1.0.2.0 - Production,,
The command completed successfully

シナリオ1: 既存のリスナーがポート1521を使用し、リスナーのリリースは10.1.0.2より前である

リリース10.1.0.2より前のリスナーには、このOracle Application Serverリリース2(10.1.2)のOracleAS Metadata Repositoryと互換性がありません。 リリース10.1.0.3のリスナーがインストールされるOracleAS Metadata Repositoryをインストールする必要があります。 この後で、この新しいリスナーを使用して、既存のデータベースおよびOracleAS Metadata Repositoryデータベースに対しサービスを提供することができます。

  1. OracleAS Metadata Repositoryをインストールする前に、次のコマンドを使用して既存のリスナーを停止します。

    /> cd $ORACLE_HOME/bin
    /> lsnrctl stop
    
    

    ORACLE_HOMEは、既存のデータベースのホーム・ディレクトリです。

    既存のリスナーを停止しない場合、インストールに失敗します。

  2. OracleAS Metadata Repositoryをインストールします。

    第4章「OracleAS Portalのインストール」にあるOracleAS Metadata Repositoryのいずれかのインストール手順を参照してください。

  3. 必要に応じて、新しいリスナーの構成ファイルを更新します。 リスナーの構成ファイルの名前はlistener.oraで、$ORACLE_HOME/network/adminディレクトリにあります。

    1. 既存のリスナーの構成ファイルのネットワーク・アドレスのエントリを確認します。

      既存のリスナーの構成ファイルに次のネットワーク・アドレスしかない場合、次のネットワーク・アドレスに対しては、OracleAS Metadata Repositoryのリスナーの構成ファイルを編集する必要はありません。

      • TCP Port 1521

      • IPC key EXTPROC

      構成ファイルに他のネットワーク・アドレスがある場合は、それらをOracleAS Metadata Repositoryのリスナーの構成ファイルに追加する必要があります。

    2. 既存のリスナーの構成ファイルのSID_DESCエントリを確認します。

      既存のリスナーの構成ファイルに、既存のデータベースのSID_DESCエントリがある場合は、それらのエントリをOracleAS Metadata Repositoryのリスナーの構成ファイルに追加する必要があります。

    3. 既存のリスナー(リリース10.1.0.2より前のもの)は起動しないでください。 新しいリスナーが両方のデータベースをサポートできるようになったため、既存のリスナーを実行する必要はなくなりました。

シナリオ2: 既存のリスナーがポート1521を使用し、リスナーのリリースは10.1.0.2以上である

既存のリスナーは、既存のデータベースとOracleAS Metadata Repositoryの両方をサポートします。インストーラでは、この構成を自動的に行います。

インストール中、リスナーを実行しておくとができます。

シナリオ3: 既存のリスナーがポート1521以外を使用

リスナーを2つ実行します。既存のリスナーのリリースには関係なく、1つは既存のデータベース用で、もう1つはOracleAS Metadata Repository用になります。

既存のリスナーはポート1521を使用しないため、インストール中に実行していてもかまいません。

1.4.8.2 ポート1521が他のアプリケーションで使用されている場合

ポート1521でリスニングしているアプリケーションが他にある場合、それらが別のポートでリスニングするように再構成する必要があります。 それが可能ではない場合は、OracleAS Metadata Repositoryのインストール中はそのアプリケーションをシャットダウンしてください。 インストール後、OracleAS Metadata Repositoryがポート1521以外のポートを使用するように再構成できます。

関連項目

ポート1521以外のポートを使用するようにOracleAS Metadata Repositoryを再構成する手順は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。 

1.4.9 インストーラがファイルを書き込む場所

インストーラによりファイルの書き込みが行われるディレトクリを、表1-6に示します。

表1-6 インストーラがファイルを書き込むディレクトリ 
ディレクトリ  説明 

Oracleホーム・ディレクトリ 

このディレクトリにはOracle Application Server Standard Edition Oneのファイルが入っています。このディレクトリは、Oracle Application Server Standard Edition Oneのインストール時に指定します。 

インベントリ・ディレクトリ

/etc/oraInst.locで指定) 

インストーラは、インベントリ・ディレクトリを使用して、コンピュータにインストールされたOracle製品の履歴を取ります。インベントリ・ディレクトリは、コンピュータにOracle製品を初めてインストールするときに作成されます。 それ以降のインストールでも、インストーラは同じインベントリ・ディレクトリを使用します。 

/tmpディレクトリ 

インストーラは、インストール時のみに必要なファイルを一時ディレクトリに書き込みます。 一時ディレクトリは、環境変数TEMPによって指定されます。 詳細は、TMPおよびTMPDIRを参照してください。 


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