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Oracle Application Server Standard Edition One インストレーションおよびスタート・ガイド
10g リリース2(10.1.2) for Linux x86
B19169-01
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システムおよびインストール要件

この章では、Oracle Application Server Standard Edition Oneのインストールおよび実行に関する要件を示します。 この章の内容は次のとおりです。

2.1 Linuxシステムのハードウェア要件

表2-1に、Oracle Application Server Standard Edition Oneを実行するためのハードウェア要件を示します。 インストーラにより、この要件の多くがインストール・プロセス開始時にチェックされ、満たされていない要件がある場合には警告されます。 ユーザーはインストーラによってチェックされない要件のみを確認して時間を節約できます。 インストーラによりチェックされない要件については、該当する列を参照してください。

また、次のようにrunInstallerコマンドを実行すると、実際にインストールを行わずに、インストーラによるシステム・チェックのみを実行できます。 runInstallerコマンドは、Oracle Application Server CD-ROM(Disk 1)またはDVD(application_serverディレクトリ)にあります。

CD-ROM:

prompt> mount_point/1012disk1/runInstaller -executeSysPrereqs

DVD:

prompt> mount_point/application_server/runInstaller -executeSysPrereqs

表2-1 Linuxシステムのハードウェア要件 
項目  最小要件  インストーラによるチェック 

プロセッサの種類 

Pentium(32ビット) 

なし 

プロセッサ速度 

450 MHz以上 

あり 

ネットワーク 

Oracle Application Serverは、ネットワークに接続されていないスタンドアロン・コンピュータにインストールできます。 後からネットワーク構成を変更する場合は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してOracle Application Serverの再構成に関する情報を確認してください。 

なし 

IP 

コンピュータのIPアドレスには、静的アドレスとDHCPを使用して割り当てたアドレスのどちらでも使用できます。 後からIP構成を変更する場合は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してOracle Application Serverの再構成に関する情報を確認してください。 

なし 

メモリー 

各インストール・タイプに指定されているメモリー要件は、Oracle Application Serverをインストールおよび実行するのに十分な物理メモリーです。 ただし、ほとんどの本番サイトでは1 GB以上の物理メモリー構成が必要です。 通信量の多いサイトでは、メモリーをさらに増やすことによってパフォーマンスを向上させることができます。 Javaアプリケーションで増量したメモリーを活用するには、OC4Jプロセスに割り当てられた最大ヒープを増やすか、OC4Jプロセスを追加構成する必要があります。 詳細は、『Oracle Application Serverパフォーマンス・ガイド』を参照してください。

実際のインストールに最適なメモリーの容量を決定するには、サイトの負荷テストを行うのが最善です。アプリケーションや利用パターンによって、リソースの要件は大幅に異なることがあります。 また、メモリーを監視するオペレーティング・システムのユーティリティでは、共有メモリーを示すなどの理由で、メモリー使用を実際より多く報告するものもあります。メモリー要件を決定するには、負荷テストの際に、物理メモリーの追加によるパフォーマンスの向上を監視することをお薦めします。 メモリーおよびプロセッサ・リソースをテスト用に構成する方法は、各プラットフォーム・ベンダーのドキュメントを参照してください。

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2.0.1): 1 GB

メモリーの容量を調べるには、次のコマンドを実行します。

# grep MemTotal /proc/meminfo

 

あり 

ディスク領域 

OracleAS Infrastructure, J2EE and Web Cache with Portal: 4 GB

  • J2EE and Web Services: 450 MB

  • メタデータ・リポジトリを使用するOracleAS Portal: 3.4 GB

  • 既存のメタデータ・リポジトリを使用するOracleAS Portal: 約2 GB

インストーラに表示されるディスク領域要件の数値は正しくない場合があります。 ディスク領域要件は、ここに示したものが正しい数値です。

空きディスク領域の容量を調べるには、次のようにdfコマンドを実行します。

prompt> df -k dir

dirには、Oracleホーム・ディレクトリを指定します。Oracleホーム・ディレクトリがまだない場合は、その親ディレクトリを指定します。 たとえば、Oracle Application Serverを/opt/oracle/infraディレクトリにインストールする場合、dirには、/opt/oracleまたは/opt/oracle/infraディレクトリ・パスを指定します。  

なし 

/tmpディレクトリの空き領域 

400 MB

/tmpディレクトリ内の空き領域の容量を調べるには、次のようにdfコマンドを実行します。

prompt> df -k /tmp

/tmpディレクトリに十分な空き領域がない場合は、環境変数TMPを設定することにより、別のディレクトリを指定できます。 詳細は、「TMPおよびTMPDIR」を参照してください。  

あり 

スワップ領域 

1.5 GBの使用可能なスワップ領域

使用可能なスワップ領域の容量を調べるには、次のコマンドを実行します。

# grep SwapTotal /proc/meminfo

スワップ領域を追加構成する方法は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。 

あり 

モニター 

256色表示機能

モニターの表示機能を調べるには、次のコマンドを実行します。

prompt> /usr/X11R6/bin/xdpyinfo

depths行を確認します。 この行が8以上になっている必要があります。この値はピクセル当たりのビット数です。 

あり 

2.2 Linuxのソフトウェア要件

使用しているLinuxのディストリビューションに応じて次のいずれかの項を参照し、ソフトウェア要件のチェックに関する情報を確認してください。

Oracleでは、Linuxベンダーによってサポートされないカスタマイズ・カーネルまたはカスタマイズ・モジュールはサポートされません。

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)は、ネットワークに接続されていないLinuxシステムにインストールできます。また、Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)は、DHCPを使用するように構成されているLinuxコンピュータにもインストールできます。 ネットワークに接続されていないコンピュータにOracle Application Serverをインストールする場合は、静的IPアドレスまたはループバックIPアドレスを使用するようにそのコンピュータを構成する必要があります。 そして、自分自身のホスト名を静的IPアドレスまたはループバックIPアドレスに解決するようにそのコンピュータを構成します。

2.2.1 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1システムのソフトウェア要件

表2-2に、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1システムのソフトウェア要件を示します。その後に、これらの要件、およびOracle Application Serverをインストールするための追加要件をコンピュータが満たしているかどうかを確認する手順を示します。


注意

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)は、次のオペレーティング・システム固有ソフトウェアでの動作が保証されています。 サポートされているオペレーティング・システム固有ソフトウェア(JDKのバージョンやオペレーティング・システムのバージョンなど)の最新のリストは、次のOracleMetaLinkを参照してください。

http://metalink.oracle.com 


表2-2 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1システムのソフトウェア要件 
項目  説明 

オペレーティング・システム 

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1

Red Hatの詳細は、次のURLを参照してください。

http://www.redhat.com 

Red Hat Update 

Update 5 

Red Hatのパッチ 

Red Hatによって承認されているErrata 49カーネルまたはそれ以降のErrataパッチ

たとえば、使用しているRed Hat Linuxのタイプに応じて、次のいずれかが適用されている必要があります。

  • kernel-2.4.9-e.49

  • kernel-smp-2.4.9-e.49

  • kernel-enterprise-2.4.9-e.49

 

ソフトウェア・パッケージ

(これらのバージョン以降がインストールされていることを確認してください) 

glibc-2.2.4-32.17
glibc-common-2.2.4-32.17
gcc-2.96-128.7.2
gcc-c++-2.96-128.7.2
pdksh-5.2.14-22
openmotif-2.1.30-12
sysstat-4.0.1-15.2.1as
compat-glibc-6.2-2.1.3.2
compat-libstdc++-6.2-2.9.0.16
libstdc++-2.96-128.7.2
gnome-libs-1.2.13-16
binutils-2.11.90.0.8-12.4
make-3.79.1-8
db1-1.85-7
db3-3.3.11-5

 

システムがすべての要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを調べるには、次のコマンドを実行します。

    # cat /etc/issue
    Red Hat Linux Advanced Server release 2.1AS/¥m (Pensacola)
    
    


    注意

    動作保証およびサポートされているのは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1および3.0と、SUSE Linux Enterprise Server 8および9です。 サポートされているLinuxオペレーティング・システムの最新のリストは、OracleMetaLink(http://metalink.oracle.com)を参照してください。 


  3. Update 5がインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

    # cat /etc/redhat-release
    Red Hat Linux Advanced Server release 2.1AS/¥m (Pensacola Update 5)
    
    

    Update 5がインストールされている場合は、Errata 49およびすべての必須ソフトウェア・パッケージもインストールされています。

  4. インストールされているLinuxカーネルのバージョンを調べるには、次のコマンドを実行します。

    # uname -r
    kernel-smp-2.4.9-e.49
    
    

    この例では、バージョンは2.4.9、Errataは49であることが示されています。必要に応じてカーネルをアップグレードする方法については、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

    関連項目

    Red Hatのパッチの詳細は、http://www.redhat.comを参照してください。 

  5. その他のパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージが見つからない場合は、次のコマンドでパッケージをダウンロードおよびインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    

    パッケージをインストールする際は、適切なアーキテクチャ向けに最適化されたrpmファイルであることを確認します。 rpmファイルのアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name --queryformat "%{arch}¥n"
    
    

    次の例では、rpmファイルのglibcはIntelアーキテクチャ向けに最適化されたものであることが示されています。

    # rpm -q glibc --queryformat "%{arch}¥n"
    i686 
    
    

2.2.2 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0システムのソフトウェア要件

表2-3に、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0システムのソフトウェア要件を示します。その後に、これらの要件、およびOracle Application Server Standard Edition Oneをインストールするための追加要件をコンピュータが満たしているかどうかを確認する手順を示します。


注意

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)は、次のオペレーティング・システム固有ソフトウェアでの動作が保証されています。 サポートされているオペレーティング・システム固有ソフトウェア(JDKのバージョンやオペレーティング・システムのバージョンなど)の最新のリストは、次のOracleMetaLinkを参照してください。

http://metalink.oracle.com.  


表2-3  Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0システムのソフトウェア要件
項目  説明 

オペレーティング・システム 

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0

Red Hatの詳細は、http://www.redhat.comを参照してください。 

Red Hat Update 

Update 3 

Red Hatのパッチ 

使用しているRed Hat Linuxのタイプに応じて、次のいずれかが適用されている必要があります。

  • kernel-2.4.21-20.EL

  • kernel-smp-2.4.21-20.EL

  • kernel-hugemem-2.4.21-20.EL

 

ソフトウェア・パッケージ

(これらのバージョン以降がインストールされていることを確認してください) 

glibc-2.3.2-95.27
glibc-common-2.3.2-95.27
binutils-2.14.90.0.4-35
compat-glibc-7.x-2.2.4.32.6
compat-libstdc++-7.3-2.96.128
compat-libstdc++-devel-7.3-2.96.128
gcc-3.2.3-42
gcc-c++-3.2.3-42
libstdc++-3.2.3-42
libstdc++-devel-3.2.3-42
openmotif21-2.1.30-8
pdksh-5.2.14-21
setarch-1.3-1
make-3.79.1-17
gnome-libs-1.4.1.2.90-34.1
sysstat-4.0.7-4.EL3.3
compat-db-4.0.14-5
control-center-2.2.0.1-13.i386.rpm
xscreensaver-4.10-8.i386.rpm

注意:

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0では、openmotif 21-2.1.30-8がopenmotif 2.1.30-8に相当するバージョンとなります。openmotif 21-2.1.30-8パッケージは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0のディストリビューションのディスク番号3から、次のようにしてインストールできます。

$ rpm -ivh openmotif21-2.1.30-8

 

システムがすべての要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを調べるには、次のコマンドを実行します。

    # cat /etc/issue
    Red Hat Linux Advanced Server release 3 (Taroon)
    
    


    注意

    動作保証およびサポートされているのは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1および3.0と、SUSE Linux Enterprise Server 8および9です。 サポートされているLinuxオペレーティング・システムの最新のリストは、OracleMetaLink(http://metalink.oracle.com)を参照してください。  


  3. Update 3がインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

    # cat /etc/redhat-release
    Red Hat Enterprise Linux AS release 3 (Taroon Update 3)
    
    
  4. その他のパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージが見つからない場合は、次のコマンドでパッケージをダウンロードおよびインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    

    パッケージをインストールする際は、適切なアーキテクチャ向けに最適化されたrpmファイルであることを確認します。 rpmファイルのアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name --queryformat "%{arch}¥n"
    
    

    次の例では、rpmファイルのglibcはIntelアーキテクチャ向けに最適化されたものであることが示されています。

    # rpm -q glibc --queryformat "%{arch}¥n"
    i686 
    
    
  5. hugememカーネルを使用している場合は、次のコマンドを実行してアーキテクチャを設定します。

    prompt> setarch i386
    
    

2.2.3 SUSE Linux Enterprise Server 8システムのソフトウェア要件

表2-4に、SUSE Linux Enterprise Server 8システムのソフトウェア要件を示します。その後に、これらの要件、およびOracle Application Serverをインストールするための追加要件をシステムが満たしているかどうかを確認する手順を示します。


注意

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)は、次のオペレーティング・システム固有ソフトウェアでの動作が保証されています。 サポートされているオペレーティング・システム固有ソフトウェア(JDKのバージョンやオペレーティング・システムのバージョンなど)の最新のリストは、OracleMetaLink(http://metalink.oracle.com)を参照してください。 


表2-4 SUSE Linux Enterprise Server 8システムのソフトウェア要件 
項目  要件 

オペレーティング・システム 

SUSE Linux Enterprise Server 8

SUSE Linux Enterprise Serverの詳細は、次のURLを参照してください。

http://www.suse.com

SP3はOracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)が動作することが保証されています。

SUSE Linux Enterprise Server 8 SP3では、次に示すバージョン以降のカーネルがサポートされます。

  • k_smp-2.4.21-138

  • k_deflt-2.4.21-138

  • k_psmp-2.4.21-138

 

ソフトウェア・パッケージ

(これらのバージョン以降がインストールされていることを確認してください) 

glibc-2.2.2-124
gcc-3.2.2-38
gcc-c++-3.2.2-38
pdksh-5.2.14
openmotif-2.1.30MLI4
sysstat-4.0.3
libstdc++-3.2.2
make-3.79.1-407
binutils-2.12.90.0.15-50
compat-2003.1.10-0

 

システムがすべての要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを調べるには、次のコマンドを実行します。

    # cat /etc/issue
    Welcome to SUSE Linux Enterprise Server 8 (i586) - Kernel ¥r (¥l)
    
    


    注意

    動作保証およびサポートされているのは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1および3.0と、SUSE Linux Enterprise Server 8および9です。 サポートされているLinuxオペレーティング・システムの最新のリストは、OracleMetaLink(http://metalink.oracle.com)を参照してください。 


  3. サービス・パックのバージョンを調べるには、次のコマンドを実行します。

    # uname -r
    k_smp-2.4.21-138
    
    
  4. その他のパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージが見つからない場合は、次のコマンドでパッケージをダウンロードおよびインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    

    パッケージをインストールする際は、適切なアーキテクチャ向けに最適化されたrpmファイルであることを確認します。 rpmファイルのアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name --queryformat "%{arch}¥n"
    
    

    次の例では、rpmファイルのglibcはIntelアーキテクチャ向けに最適化されたものであることが示されています。

    # rpm -q glibc --queryformat "%{arch}¥n" 
    i686
    
    
  5. 次のようにして、Perlの実行可能ファイルへのシンボリック・リンクを作成します(まだ作成していない場合)。

    # ln -sf /usr/bin/perl /usr/local/bin/perl
    
    
  6. 次のようにして、fuserの実行可能ファイルへのシンボリック・リンクを作成します(まだ作成していない場合)。

    # ln -sf /bin/fuser /sbin/fuser
    
    
  7. SUSE Linux Enterprise Serverシステムにorarunパッケージがインストールされている場合は、oracleユーザーとして次の手順を実行し、環境を設定しなおします。

    1. 次のコマンドを実行します。

      prompt> cd /etc/profile.d 
      prompt> mv oracle.csh oracle.csh.bak
      prompt> mv oracle.sh oracle.sh.bak
      prompt> mv alljava.sh alljava.sh.bak
      prompt> mv alljava.csh alljava.csh.bak
      
      
    2. $HOME/.profileファイルをテキスト・エディタで開き、次の行をコメント・アウトします。

      . ./.oracle
      
      
    3. oracleユーザー・アカウントからログアウトします。

    4. oracleユーザー・アカウントにログインし、変更内容を有効にします。

  8. なんらかのJavaパッケージがシステムにインストールされている場合は、Java環境変数(JAVA_HOMEなど)の設定を解除します。


    注意

    SUSE Linux Enterprise Serverのディストリビューションに付属するJavaパッケージはインストールしないことをお薦めします。 


  9. /etc/servicesファイルを開き、次のポート範囲がコンピュータ上で使用可能であることを確認します。

    • ポート3060〜3129: Oracle Internet Directoryで必要

    • ポート3130〜3199: Oracle Internet Directory(SSL)で必要

    • ポート1812〜1829: Oracle Enterprise Manager(コンソール)で必要

    • ポート1830〜1849: Oracle Enterprise Manager(エージェント)で必要

    • ポート1850〜1869: Oracle Enterprise Manager(RMI)で必要

    必要に応じて、/etc/servicesファイルからエントリを削除し、コンピュータを再起動します。 エントリの削除には、CD-ROM Disk 1のutils/3167528/ディレクトリまたはDVDのapplication_server/utils/3167528/ディレクトリにあるPerlスクリプトを使用できます。 このスクリプトはrootユーザーとして実行します。 このスクリプトはパッチ3167528としても入手できます。このパッチは次のURLから入手できます。

    http://metalink.oracle.com

    これらのポートが使用できない場合は、インストールの際、そのポートに関連付けられるConfiguration Assistantが起動に失敗します。

  10. Network Information Service(NIS)を使用する場合は、次の手順を実行します。

    1. /etc/yp.confファイルに次の行が記述されていることを確認します。

      hostname.domainname broadcast
      
      
    2. /etc/nsswitch.confファイルに次の行が記述されていることを確認します。

      hosts: files nis dns
      
      
  11. /etc/hostsファイルのlocalhostエントリがIPv4エントリであることを確認します。 localhostのIPエントリがIPv6形式である場合、インストールは失敗します。 次の例はIPv6エントリです。

    # special IPv6 addresses
    ::1             localhost ipv6-localhost ipv6-loopback
    ::1             ipv6-localhost ipv6-loopback
    
    

    この例の/etc/hostsファイルを修正するには、localhostエントリを次のようにコメント・アウトします。

    # special IPv6 addresses
    # ::1             localhost ipv6-localhost ipv6-loopback
    ::1             ipv6-localhost ipv6-loopback
    
    

    エントリのコメント・アウトには、CD-ROM Disk 1のutils/4015045/ディレクトリまたはDVDのapplication_server/utils/4015045/ディレクトリにあるPerlスクリプトを使用できます。 このスクリプトはrootユーザーとして実行します。 このスクリプトはパッチ4015045としても入手できます。このパッチは次のURLから入手できます。

    http://metalink.oracle.com

2.2.4 SUSE Linux Enterprise Server 9システムのソフトウェア要件

表2-5に、SUSE Linux Enterprise Server 9システムのソフトウェア要件を示します。その後に、これらの要件、およびOracle Application Serverをインストールするための追加要件をシステムが満たしているかどうかを確認する手順を示します。


注意

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)は、次のオペレーティング・システム固有ソフトウェアでの動作が保証されています。 サポートされているオペレーティング・システム固有ソフトウェア(JDKのバージョンやオペレーティング・システムのバージョンなど)の最新のリストは、OracleMetaLink(http://metalink.oracle.com)を参照してください。  


表2-5 SUSE Linux Enterprise Server 9システムのソフトウェア要件 
項目  説明 

オペレーティング・システム 

SUSE Linux Enterprise Server 9

SUSE Linux Enterprise Serverの詳細は、次のURLを参照してください。

http://www.suse.com

SUSE Linux Enterprise Server 9では、次に示すバージョン以降のカーネルがサポートされます。

  • kernel-bigsmp-2.6.5-7.97

  • kernel-default-2.6.5-7.97

  • kernel-smp-2.6.5-7.97

 

ソフトウェア・パッケージ

(これらのバージョン以降がインストールされていることを確認してください) 

glibc-2.3.3-98.28
gcc-3.3.3-43.24
gcc-c++-3.3.3-43.24
libstdc++-3.3.3-43.24
libstdc++-devel-3.3.3-43.24
openmotif21-libs-2.1.30MLI4-119.1
pdksh-5.2.14-780.1
make-3.80-184.1
gnome-libs-1.4.1.7-671.1
gnome-libs-devel-1.4.1.7-671.1
sysstat-5.0.1-35.1
binutils-2.15.90.0.1.1-32.5
db1-1.85-85.1
compat-2004.7.1-1.2

 

システムがすべての要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを調べるには、次のコマンドを実行します。

    # cat /etc/issue
    Welcome to SUSE Linux Enterprise Server 9 (i686) - Kernel ¥r (¥l)
    
    


    注意

    動作保証およびサポートされているのは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1および3.0と、SUSE Linux Enterprise Server 8および9です。 サポートされているLinuxオペレーティング・システムの最新のリストは、OracleMetaLink(http://metalink.oracle.com)を参照してください。 


  3. カーネルのバージョンを調べるには、次のコマンドを実行します。

    # uname -r
    kernel-bigsmp-2.6.5-7.97
    
    
  4. その他のパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージが見つからない場合は、次のコマンドでパッケージをダウンロードおよびインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    

    パッケージをインストールする際は、適切なアーキテクチャ向けに最適化されたrpmファイルであることを確認します。 rpmファイルのアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name --queryformat "%{arch}¥n"
    
    

    次の例では、rpmファイルのglibcはIntelアーキテクチャ向けに最適化されたものであることが示されています。

    # rpm -q glibc --queryformat "%{arch}¥n" 
    i686
    
    
  5. 次のようにして、Perlの実行可能ファイルへのシンボリック・リンクを作成します(まだ作成していない場合)。

    # ln -sf /usr/bin/perl /usr/local/bin/perl
    
    
  6. 次のようにして、fuserの実行可能ファイルへのシンボリック・リンクを作成します(まだ作成していない場合)。

    # ln -sf /bin/fuser /sbin/fuser
    
    
  7. SUSE Linux Enterprise Serverシステムにorarunパッケージがインストールされている場合は、oracleユーザーとして次の手順を実行し、環境を設定しなおします。

    1. 次のコマンドを実行します。

      prompt> cd /etc/profile.d 
      prompt> mv oracle.csh oracle.csh.bak
      prompt> mv oracle.sh oracle.sh.bak
      prompt> mv alljava.sh alljava.sh.bak
      prompt> mv alljava.csh alljava.csh.bak
      
      
    2. $HOME/.profileファイルをテキスト・エディタで開き、次の行をコメント・アウトします。

      . ./.oracle
      
      
    3. oracleユーザー・アカウントからログアウトします。

    4. oracleユーザー・アカウントにログインし、変更内容を有効にします。

  8. なんらかのJavaパッケージがシステムにインストールされている場合は、Java環境変数(JAVA_HOMEなど)の設定を解除します。


    注意

    SUSE Linux Enterprise Serverのディストリビューションに付属するJavaパッケージはインストールしないことをお薦めします。 


  9. /etc/servicesファイルを開き、次のポート範囲がシステム上で使用可能であることを確認します。

    • ポート3060〜3129: Oracle Internet Directoryで必要

    • ポート3130〜3199: Oracle Internet Directory(SSL)で必要

    • ポート1812〜1829: Oracle Enterprise Manager(コンソール)で必要

    • ポート1830〜1849: Oracle Enterprise Manager(エージェント)で必要

    • ポート1850〜1869: Oracle Enterprise Manager(RMI)で必要

    必要に応じて、/etc/servicesファイルからエントリを削除し、コンピュータを再起動します。 エントリの削除には、CD-ROM Disk 1のutils/3167528/ディレクトリまたはDVDのapplication_server/utils/3167528/ディレクトリにあるPerlスクリプトを使用できます。 このスクリプトはrootユーザーとして実行します。 このスクリプトはパッチ3167528としても入手できます。このパッチは次のURLから入手できます。

    http://metalink.oracle.com

    これらのポートが使用できない場合は、インストールの際、そのポートに関連付けられるConfiguration Assistantが起動に失敗します。

  10. Network Information Service(NIS)を使用する場合は、次の手順を実行します。

    1. /etc/yp.confファイルに次の行が記述されていることを確認します。

      hostname.domainname broadcast
      
      
    2. /etc/nsswitch.confファイルに次の行が記述されていることを確認します。

      hosts: files nis dns
      
      
  11. /etc/hostsファイルのlocalhostエントリがIPv4エントリであることを確認します。 localhostのIPエントリがIPv6形式である場合、インストールは失敗します。 次の例はIPv6エントリです。

    # special IPv6 addresses
    ::1             localhost ipv6-localhost ipv6-loopback
    ::1             ipv6-localhost ipv6-loopback
    
    

    この例の/etc/hostsファイルを修正するには、localhostエントリを次のようにコメント・アウトします。

    # special IPv6 addresses
    # ::1             localhost ipv6-localhost ipv6-loopback
    ::1             ipv6-localhost ipv6-loopback
    
    

    エントリのコメント・アウトには、CD-ROM Disk 1のutils/4015045/ディレクトリまたはDVDのapplication_server/utils/4015045/ディレクトリにあるPerlスクリプトを使用できます。 このスクリプトはrootユーザーとして実行します。 このスクリプトはパッチ4015045としても入手できます。このパッチは次のURLから入手できます。

    http://metalink.oracle.com

2.3 カーネル・パラメータとシェル制限の確認

次の項では、カーネル・パラメータの値とシェル制限の確認について説明します。

2.3.1 Linuxでのカーネル・パラメータの構成

OracleAS Metadata RepositoryまたはOracleAS Web Cacheをインストールするコンピュータでは、カーネル・パラメータを最小値に設定する必要があります。 また、ソフトウェアのパフォーマンスを向上させるために、シェル制限を設定する必要があります。

この項では、OracleAS Metadata RepositoryおよびOracleAS Web Cache用のカーネル・パラメータ設定について説明します。 この項の内容は次のとおりです。

2.3.1.1 OracleAS Web Cache用のカーネル・パラメータ設定

この項は、OracleAS Web Cacheをインストールする場合にのみ参照してください。


注意

  • J2EE and Web Services中間層をインストールする場合、OracleAS Web Cacheコンポーネントはオプションです。

  • Portal and Wireless中間層をインストールする場合、OracleAS Web Cacheコンポーネントは必ずインストールされます。

 

OracleAS Web Cache用のカーネル・パラメータを確認または再設定するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行し、nofileカーネル・パラメータが65536以上の値に設定されているかどうかを確認します。

    prompt> ulimit -Hn
    
    
  2. 65536未満の値が戻された場合は、テキスト・エディタで/etc/security/limits.confファイルを開き、次の行を追加します。

    *       hard    nofile  65536
    
    

    /etc/security/limits.confファイルは、rootユーザーでなければ編集できません。

  3. コンピュータを再起動して、新しい値を有効にします。

2.3.1.2 OracleAS Metadata Repository用のカーネル・パラメータ設定

次の表に示したカーネル・パラメータが、表中の推奨値以上の値に設定されているかどうかを確認します。その後の手順で、値を確認および設定する方法を示します。


注意

Linuxのスレッド・モデルでは、スレッドごとにプロセスが1つ作成されます。Oracle Application Serverは、高度にマルチスレッド化することでパフォーマンスを向上させています。 このため、Linuxカーネルで数百個のプロセスを処理できることが必要となります。 


パラメータ    ファイル 

semmsl

semmns

semopm

semmni 

256

32000

100

142 

/proc/sys/kernel/sem 

shmall 

2097152 

/proc/sys/kernel/shmall 

shmmax 

2147483648 

/proc/sys/kernel/shmmax 

shmmni 

4096 

/proc/sys/kernel/shmmni 

msgmax 

8192 

/proc/sys/kernel/msgmax 

msgmnb 

65535 

/proc/sys/kernel/msgmnb 

msgmni 

2878 

/proc/sys/kernel/msgmni 

file-max 

131072 

/proc/sys/fs/file-max 

ip_local_port_range 

10000 65000 

/proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range 


注意

  • semmnsパラメータには、各OracleデータベースのPROCESSES初期化パラメータの合計値に、最大の値をもう1度加算し、さらにデータベース1つにつき10を加算した値を設定する必要があります。

  • パラメータの現在の値が、この表に示した値よりも大きい場合、そのパラメータの値を変更する必要はありません。

 

これらのカーネル・パラメータに現在指定されている値を確認し、必要に応じて変更するには、次の手順を実行します。

  1. 次のようなコマンドを実行して、カーネル・パラメータの現在の値を表示します。


    注意

    現在の値を書き留めて、変更する必要のある値を確認するようにしてください。 


    パラメータ  コマンド 

    semmslsemmnssemopmsemmni 

    # /sbin/sysctl -a | grep sem

    セマフォ・パラメータの値がこの順序で表示されます。 

    shmallshmmaxsemmni 

    # /sbin/sysctl -a | grep shm 

    msgmaxmsgmnbmsgmni 

    # /sbin/sysctl -a | grep msg 

    file-max 

    # /sbin/sysctl -a | grep file-max 

    ip_local_port_range 

    # /sbin/sysctl -a | grep ip_local_port_range

    ポート番号の範囲が表示されます。 


  2. カーネル・パラメータの値が推奨値と異なっている場合は、次の手順を実行します。

    1. テキスト・エディタで/etc/sysctl.confファイルを作成するか既存のものを開き、次のような行を追加または編集します。

      kernel.shmall = 2097152
      kernel.shmmax = 2147483648
      kernel.shmmni = 4096
      # semaphores: semmsl, semmns, semopm, semmni
      kernel.sem = 256 32000 100 142
      fs.file-max = 131072
      net.ipv4.ip_local_port_range = 10000 65000
      kernel.msgmni = 2878
      kernel.msgmax = 8192
      kernel.msgmnb = 65535
      
      

      /etc/sysctl.confファイルで値を指定すると、コンピュータを再起動したときにそれらの行が永続化されます。

    2. 次のコマンドを実行して、カーネル・パラメータの現在の値を変更します。

      # /sbin/sysctl -p
      
      

      コマンドの出力に目を通し、値が正しいことを確認します。 値が正しくない場合は、/etc/sysctl.confファイルを編集してから再度このコマンドを実行します。

    3. (SUSE Linux Enterprise Serverのみ)次のコマンドを実行して、再起動時に/etc/sysctl.confファイルが読み込まれるようにします。

      # chkconfig boot.sysctl on
      
      

2.3.2 oracleユーザーに対するシェル制限

Linuxシステム上で動作するソフトウェアのパフォーマンスを向上させるため、デフォルト・シェルに応じて、oracleユーザーに対する次のシェル制限を強化する必要があります。 次の表に各種シェルでの制限を示します。

BourneまたはBashシェルでの制限  Kornシェルでの制限  Cまたはtcshシェルでの制限  強い制限 

nofile 

nofile 

descriptors 

65536 

noproc 

processes 

maxproc 

16384 

シェル制限を強化するには、次の手順を実行します。

  1. /etc/security/limits.confファイルに次の行を追加します。

    *        soft   nproc         2047
    *        hard   nproc         16384
    *        soft   nofile        2048
    *        hard   nofile        65536
    
    
  2. /etc/pam.d/loginファイルに次の行を追加します(この行がまだない場合)。

    session    required     /lib/security/pam_limits.so
    
    
  3. oracleユーザーのデフォルト・シェルの起動ファイルに次の変更を加えます。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合は、/etc/profileファイルに次の行を追加します。

      if [ $USER = "oracle" ]; then
              if [ $SHELL = "/bin/ksh" ]; then
                    ulimit -p 16384
                    ulimit -n 65536
              else
                    ulimit -u 16384 -n 65536
              fi
      fi
      
      
    • Cまたはtcshシェルの場合は、/etc/csh.loginファイルに次の行を追加します。

      if ( $USER == "oracle" ) then
              limit maxproc 16384
              limit descriptors 65536
      endif
      
      

2.4 オペレーティング・システム・グループ

次に該当する場合は、オペレーティング・システム・グループを作成する必要があります。

2.4.1 インベントリ・ディレクトリ用のグループの作成

Oracle製品がインストールされていないコンピュータにOracle Application Serverをインストールする場合は、インベントリ・ディレクトリを所有するためのグループを作成します。 インストーラは、コンピュータにインストールされたOracle製品の履歴を取るためのファイルをインベントリ・ディレクトリに書き込みます。

このマニュアルでは、このオペレーティング・システム・グループをoinstallと呼びます。

インベントリ・ディレクトリ用に専用のグループを作成することで、様々なユーザーがOracle製品をそのコンピュータにインストールできるようになります。 ユーザーは、インベントリ・ディレクトリに対する書込み権限を保持している必要があります。 この権限は、oinstallグループに属することで付与されます。

当該コンピュータへのOracle製品のインストールが初めてである場合は、インストーラによって、インベントリ・ディレクトリ用のグループ名を入力する画面と、インベントリ・ディレクトリの場所を入力する画面が表示されます。

インベントリ・ディレクトリのデフォルトの名前は、oraInventoryです。

コンピュータ上にすでにインベントリ・ディレクトリがあるかどうかわからない場合は、/etc/oraInst.locファイルを確認します。 このファイルには、インベントリ・ディレクトリの場所と、このディレクトリを所有しているグループが記述されます。 このファイルが存在しない場合、そのコンピュータにOracle製品はインストールされていません。

2.4.2 データベース管理者用のグループの作成

この項は、インストーラによって作成される新しいデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールする場合にのみ参照してください。

データベースがマウントされておらず、データベース認証が使用できない場合、データベースはオペレーティング・システム・グループを使用してユーザー権限を判断します。 データベースは、これらのグループおよび権限を次のように認識します。

表2-6 OSDBAおよびOSOPERグループの権限 
グループ  説明 

OSDBA 

データベース管理者グループです。 このグループに属するユーザーには、SYSDBA権限が付与されます。 

OSOPER 

このグループに属するユーザーには、SYSOPER権限が付与されます。これには、基本的なメンテナンスに必要な権限が含まれます。 たとえば、データベースの起動および停止などのデータベース操作に必要な権限が含まれます。 SYSOPER権限は、SYSDBA権限のサブセットです。 

これらのグループ用のオペレーティング・システム・グループを作成する必要があります。

たとえば、dbaというオペレーティング・システム・グループにSYSDBA権限を保持させる場合は、次のようにします。

  1. dbaグループを作成します。

  2. dbaグループのメンバーとして、インストーラを実行します。

別のオペレーティング・システム・グループにSYSDBA権限を保持させる場合、またはSYSDBA権限およびSYSOPER権限を別のグループに関連付ける場合は、dbaグループに属していないユーザーとしてインストーラを実行します。

インストーラを実行しているユーザーがdbaグループに属していない場合は、インストーラによって、データベース管理者権限を保持させるグループの名前を入力する画面が表示されます。 この画面には、OSDBAグループ用とOSOPERグループ用(表2-6を参照)の2つのフィールドが表示されます。 2つのフィールドに、同じオペレーティング・システム・グループを入力することもできます。

2.5 オペレーティング・システム・ユーザー

Oracle製品をインストールおよびアップグレードするためのオペレーティング・システム・ユーザーを作成します。 このマニュアルでは、このユーザーをoracleユーザーと呼びます。 インストーラを実行するoracleユーザーは、次のディレクトリに対する書込み権限を保持している必要があります。

コンピュータに他のOracle製品がインストールされている場合は、このためのユーザーがすでに作成されている可能性があります。 この場合は、Linuxシステム上の/etc/oraInst.locファイルを確認します。 このファイルには、インベントリ・ディレクトリの場所と、このディレクトリを所有しているグループが記述されます。 このファイルが存在しない場合、そのコンピュータにOracle製品はインストールされていません。

Oracle製品をインストールするためのユーザーがまだ作成されていない場合は、次のプロパティを持つユーザーを作成します。

表2-7 インストーラを実行するオペレーティング・システム・ユーザーのプロパティ 
項目  説明 

ログイン名 

ユーザー名には任意の名前を使用できます。 このマニュアルでは、このユーザーをoracleユーザーと呼びます。 

グループ識別子 

oracleユーザーのプライマリ・グループは、oraInventoryディレクトリに対する書込み権限を保持している必要があります。 このグループの詳細は、2.4.1項「インベントリ・ディレクトリ用のグループの作成」を参照してください。

グループ名には任意の名前を使用できます。 このマニュアルでは、oinstallという名前を使用します。 

ホーム・ディレクトリ 

oracleユーザーのホーム・ディレクトリは、他のユーザーのホーム・ディレクトリと同じでもかまいません。 

ログイン・シェル 

デフォルトのログイン・シェルには、C、BourneまたはKornシェルを使用できます。 


注意

oracleユーザーは、Oracle製品のインストールと実行以外には使用しないでください。 oracleユーザーでrootを使用しないでください。 


ローカルのオペレーティング・システム・ユーザーを作成するには、次の手順を実行します。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを実行します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    コマンドの各要素の意味は次のとおりです。

    • -gオプションではプライマリ・グループを指定します。プライマリ・グループは、Oracleインベントリ・グループ(oinstallなど)でなければなりません。

    • -Gオプションではセカンダリ・グループを指定します。セカンダリ・グループには、必ずOSDBAグループを含める必要があり、必要に応じてOSOPERグループも含めます。dbaまたはdba,operのように指定します。

  2. 次のようにしてoracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    
    

オペレーティング・システム・ユーザーが属しているグループを確認するには、そのユーザーの名前を指定してgroupsコマンドを実行します。 次に例を示します。

prompt> groups oracle

オペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照するか、またはシステム管理者に問い合せてください。

2.6 環境変数

Oracle Application Serverをインストールするオペレーティング・システム・ユーザーは、次の環境変数を設定(または設定解除)する必要があります。

関連項目

環境変数の使用方法に関するヒントは、2.6.1項「環境変数に関するヒント」を参照してください。 

ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID

これらの環境変数は設定しないでください。

PATH、CLASSPATHおよびLD_LIBRARY_PATH

環境変数PATHCLASSPATHおよびLD_LIBRARY_PATHは、Oracleホーム・ディレクトリを参照しないように編集します。

DISPLAY

環境変数DISPLAYは、インストーラを表示するXサーバーを指すように設定します。 環境変数DISPLAYの書式は次のとおりです。

hostname:display_number.screen_number

例(Cシェル):

% setenv DISPLAY test.mydomain.com:0.0

例(BourneまたはKornシェル):

$ DISPLAY=test.mydomain.com:0.0; export DISPLAY

次のようにxclockプログラムを実行すると、表示をテストできます。

$ /usr/openwin/bin/xclock &

Oracle Application ServerがXサーバーの実行を必要とするのは、インストール中のみです。 オペレーティング・システムとともにインストールされるフレーム・バッファのXサーバーでは、インストールの間、ユーザーがログイン状態を維持し、フレーム・バッファを動作させておくことが必要となります。 これを行いたくない場合は、X Virtual Frame Buffer(Xvfb)やVirtual Network Computing(VNC)などの仮想フレーム・バッファを使用する必要があります。

Xvfbなどの仮想フレーム・バッファ・ソリューションの入手およびインストール方法は、次のURLのOracle Technology Networkで確認してください。OTNで「フレーム・バッファ(frame buffer)」を検索してください。

http://www.oracle.com/technology

TNS_ADMIN

この項では、次の2つの要件について説明します。

これらの要件は、複数のOracle製品のNet構成ファイルの間で競合が発生しないようにするためのものです。

TNS_ADMINを設定する必要がある場合、またはtnsnames.oraファイルが/etcディレクトリに格納されている場合は、Oracle Application Serverをインストールする前に次の手順を実行します。

  1. tnsnames.oraファイルが/etcに格納されている場合は、このファイルを別のディレクトリに移動します。 または、このファイルの名前を変更します。

  2. 環境変数TNS_ADMINの設定を解除します。

    例(Cシェル):

    % unsetenv TNS_ADMIN
    
    

    例(BourneまたはKornシェル):

    $ unset TNS_ADMIN
    
    

インストール終了後、新たに作成されたtnsnames.oraファイルと既存のtnsnames.oraファイルの内容をマージします。

TMPおよびTMPDIR

インストーラは、一時ディレクトリをスワップ領域として使用します。 インストーラは、一時ディレクトリの場所を確認するために、環境変数TMPおよびTMPDIRをチェックします。 この環境変数が存在しない場合、インストーラは/tmpディレクトリを使用します。

インストーラで/tmp以外の一時ディレクトリを使用するには、環境変数TMPおよびTMPDIRにかわりのディレクトリのフルパスを設定します。 oracleユーザーは、そのディレクトリに対する適切な権限を保持している必要があります。また、そのディレクトリは、2.1項「Linuxシステムのハードウェア要件」に示した要件を満たしている必要があります。

例(Cシェル):

% setenv TMP /tmp2
% setenv TMPDIR /tmp2

例(BourneまたはKornシェル):

$ TMP=/tmp2; export TMP
$ TMPDIR=/tmp2; export TMPDIR

この環境変数を設定していないと、デフォルトのディレクトリの領域が十分でない場合に、環境変数が設定されていないことを示すエラー・メッセージが表示されます。異なるディレクトリを指すように環境変数を設定するか、またはデフォルトのディレクトリに十分な領域を確保する必要があります。 いずれの場合でも、インストールをやり直す必要があります。

ORA_NLS

Oracle Application Serverのインストールを正常に完了させるため、この環境変数の設定は解除してください。

例:

$ unset ORA_NLS

LD_BIND_NOW

LinuxシステムへのOracle Application Serverのインストールを正常に完了させるため、この環境変数の設定は解除してください。

例:

$ unset LD_BIND_NOW

2.6.1 環境変数に関するヒント

ここでは、環境変数の使用に関するヒントを示します。

2.7 /etc/hostsファイル

/etc/hostsファイルに記述された内容は以降の項で説明する項目に影響しますが、インストーラには、hostsファイルを編集することなく必要な値を入力するための別の方法も用意されています。

2.7.1 デフォルトのIdentity Managementレルムの場所

インストーラによってhostsファイルが読み取られ、デフォルトのIdentity Managementレルムの場所が作成されます。 「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面にこの場所が表示されます。

hostsファイルは次のような書式になっている必要があります。

ip_address   fully_qualified_hostname   short_hostname

例:

123.45.67.89   primaryHost.mydomain.com   primaryHost

この例では、デフォルトのIdentity Managementレルムの場所は、dc=mydomain,dc=comのようになります。

このファイルが別の書式を使用している場合は、インストーラは正しくない値を画面に表示します。たとえば、hostsファイルに次の行が含まれていると想定します。

123.45.67.89   primaryHost   primaryHost.mydomain.com  <--- incorrect format

この場合、インストーラは、デフォルトのIdentity Managementレルムとしてdc=primaryHost,dc=comを表示します。 通常、これは、デフォルトのIdentity Managementレルムとして指定する値ではありません。

ヒント

hostsファイルに別の書式を使用する必要がある場合は、必要な書式が使用できるようにファイルを編集し、インストールを実行してから、インストール後にファイルを元の書式に戻すことができます。

hostsファイルを編集できない、または編集しない場合は、デフォルトのIdentity Managementレルムに設定する値を「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面の「カスタム・ネームスペース」フィールドに入力できます。 

2.7.2 Oracle Application Server Single Sign-Onのホスト名

Oracle Application Server Single Sign-Onをインストールする場合で、hostsファイルにコンピュータのホスト名しか記述されておらず、ドメイン名が含まれていない場合は、ホスト名(ドメイン名なし)を使用したSingle Sign-On Serverへのサインオンのみが可能になります。

Single Sign-On Serverへの接続にドメイン名が必要になるようにするには、hostsファイルを編集し、ドメイン名を入れます。 このファイルを編集したくない場合は、インストーラのコマンドライン・パラメータOUI_HOSTNAMEを使用することで、hostsファイルの値を上書きできます。 次に例を示します。

prompt> mount_point/1012disk1/runInstaller OUI_HOSTNAME=myserver.mydomain.com

2.8 ネットワーク関連項目

通常、Oracle Application Serverをインストールするコンピュータはネットワークに接続されており、Oracle Application Serverインストールが入るだけのローカル記憶域があり、表示モニターとCD-ROMドライブまたはDVDドライブがあります。

この項では、このような典型的なシナリオとは異なるコンピュータにOracle Application Serverをインストールする方法について説明します。次のような場合を扱います。

2.8.1 マルチホーム(マルチIP)コンピュータへのインストール

複数のネットワーク・カードを搭載したコンピュータにOracle Application Serverをインストールする場合、インストーラは、/etc/hostsファイルの先頭の名前を使用します。 先頭の名前が使用したい名前でない場合は、次のいずれかを行います。

2.8.2 CD-ROMまたはDVDからハード・ドライブへのコピーとハード・ドライブからのインストール

Oracle Application ServerのCD-ROMまたはDVDからインストールするかわりに、CD-ROMまたはDVDの内容をハード・ドライブにコピーし、そこからインストールを行うこともできます。 これは、ネットワーク上にOracle Application Serverインスタンスを多数インストールする場合、またはOracle Application ServerをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVDドライブがない場合に便利です。

(リモート・コンピュータのCD-ROMまたはDVDドライブからもインストールできます。2.8.3項「リモート・コンピュータのCD-ROMまたはDVDドライブからのインストール」を参照してください。)

ハード・ドライブからインストールする場合、インストーラにより、CD-ROMを交換するよう要求されません。 ファイルが正しい場所にあれば、検出されます(図2-1を参照)。

領域の要件

ハード・ドライブに、CD-ROMの内容またはDVDのapplication_serverディレクトリの内容が入るだけの十分な空き領域があることを確認してください。各CD-ROMは、約650 MBです。つまり、3枚のCD-ROMをコピーする場合、約1.9 GBのディスク領域を必要とします。

DVDのapplication_serverディレクトリは約1.6 GBです。

この領域を、Oracle Application Serverのインストールに必要な領域(表2-1を参照)に加えます。

CD-ROMの内容をコピーする方法
  1. 図2-1に示すようなディレクトリ構造をハード・ドライブ上に作成します。

    親ディレクトリ(この例ではOracleAS_10g_10_1_2になっていますが、任意の名前を付けることができます)を作成し、親ディレクトリの下にDisk1Disk2などのサブディレクトリを作成します。サブディレクトリの名前はDiskNにします。ここでNはCD-ROMの番号です。

    図2-1 CD-ROMをハード・ディスクにコピーするためのディレクトリ構造


    画像の説明

  1. 各CD-ROMの内容を、対応するディレクトリにコピーします。

    prompt> cp -pr /cdrom_mount_point/10.1.2disk1/* /path/to/hard/drive/Disk1/
    prompt> cp -pr /cdrom_mount_point/10.1.2disk2/* /path/to/hard/drive/Disk2/
    ... Repeat for each CD-ROM.
    
    

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Disk1ディレクトリからrunInstallerスクリプトを実行します。 Oracle Application Serverを実行するコンピュータから実行します。

prompt> /path/to/hard/drive/Disk1/runInstaller

DVDのapplication_serverディレクトリの内容をコピーする方法

コマンドラインを使用してapplication_serverディレクトリの内容をコピーするには、次の手順を実行します。

  1. (オプション)application_serverディレクトリをコピーするディレクトリを作成します。

  2. application_serverディレクトリをDVDからハード・ディスクにコピーします。

    prompt> cp -pr /dvd_mount_point/application_server /path/to/hard/drive
    
    

    次の例では、/dvdromがDVDドライブ、/> application_serverがコピー先のディレクトリであると想定しています。

    /> cp -rp /dvdrom/application_server /application_server
    
    

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Oracle Application Serverを実行するコンピュータからrunInstallerスクリプトを実行します。

prompt> /path/to/hard/drive/application_server/runInstaller

/> cd /application_server
/> ./runInstaller

2.8.3 リモート・コンピュータのCD-ROMまたはDVDドライブからのインストール

Oracle Application ServerをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVDドライブがない場合は、対応ディスク・ドライブを搭載するコンピュータのハード・ドライブにこれらのディスクの内容をコピーし(項2.8.2を参照)、そのコンピュータからリモート・インストールを実行します(2.8.4項「リモート・コンピュータへのインストール」を参照)。

2.8.4 リモート・コンピュータへのインストール

リモート・コンピュータ(remote_computer)上のインストーラを実行して、インストーラの画面をローカル・コンピュータ(local_computer)のモニターに表示させることができます。 Oracle Application Serverはリモート・コンピュータにインストールされます。

リモート・インストールを行うには、次の手順を実行します。

  1. local_computerでremote_computerを表示できるようにします。 local_computerのコンソールで次のコマンドを実行します。

    local_computer> xhost +remote_computer
    
    

    xhostが動作していない場合は、インストーラの起動時に「Failed to connect to server」、「Connection refused by server」または「Can't open display」のようなXlibエラーが表示されることがあります。

  2. local_computerからremote_computerにリモート・ログインします(telnetまたはrloginを使用)。 oracleユーザーとしてログインします(2.5項「オペレーティング・システム・ユーザー」を参照)。 このユーザーで環境変数を正しく設定済であることを確認してください(2.6項「環境変数」を参照)。

    local_computer> rlogin -l oracle remote_computer.mydomain.com
    - OR -
    local_computer> telnet remote_computer.mydomain.com
    
    
  3. remote_computerの環境変数DISPLAYを設定して、local_computerを指すようにします。

    例(Cシェル):

    remote_computer> setenv DISPLAY local_computer.mydomain.com:0.0
    
    

    例(BourneまたはKornシェル):

    remote_computer> DISPLAY=local_computer.mydomain.com:0.0; export DISPLAY
    
    
  4. インストーラを実行します。 5.2項「Oracle Universal Installerの起動」を参照してください。


    注意

    PseudoColorカラー・モデルまたはPseudoColorビジュアルをサポートするPC Xエミュレータを使用してインストーラを実行することもできます。 この場合は、PseudoColorビジュアルを使用するようにPC Xエミュレータを設定してからインストーラを実行します。 カラー・モデルまたビジュアル設定を変更する方法は、Xエミュレータのドキュメントを参照してください。 


2.8.5 NFSマウントの記憶域へのインストール

Oracle Application ServerをNFSシステムで実行するには、動作保証されたNFSマウントの記憶域システムを使用する必要があります。

現在、Oracle Application Serverは次のNFSシステムでの動作が保証されています。

NetAppシステムは、少なくともリモート・インストール・ユーザーおよびリモートrootユーザーにエクスポートする必要があります。 これには、次のようにexportfsコマンドを実行します。

prompt> exportfs -i /vol/vol1

最新の動作保証リストは、Oracle Technology Networkのサイト(http://www.oracle.com/technology)を参照してください。

2.8.6 単一のインストールからの複数インスタンスの実行

Oracle Application Serverのコンポーネントを実行できるのは、インストール先のコンピュータ上にかぎられます。 NFSを介してファイルにアクセスできる場合でも、リモート・コンピュータ上のコンポーネントを実行することはできません。

図2-2 Oracle Application Serverを実行できるのはインストール先のコンピュータ上のみ


画像の説明

2.8.7 NISおよびNIS+のサポート

Oracle Application Serverは、Network Information Service(NIS)およびNIS+環境にインストールして実行できます。

2.8.8 DHCPホストへのインストール(Linuxのみ)

Oracle Application Server Standard Edition OneをDHCPネットワークにインストールする場合は、ループバック構成を使用する必要があります。 Oracle Application Server Standard Edition Oneへのアクセスには、ローカルのブラウザを使用する必要があります。 Oracle Application ServerをDHCPネットワークにインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、DHCPサーバーから割り当てられているIPアドレスを確認します。

    $ /sbin/ifconfig -a
    
    

    このIPアドレスは、DHCPを使用するように構成されたインタフェースに関連付けられています。

  2. 次のようにして、ホスト名をループバックIPアドレスに解決するようにホストを構成します。

    1. /etc/hostsファイルに次のエントリを記述して、ホスト名をループバックIPアドレスに解決するようにホストを構成します。

      127.0.0.1 hostname.domainname hostname 
      127.0.0.1 localhost.localdomain localhost 
      
      
    2. 次のコマンドを実行して、ホスト名がループバックIPアドレスに解決されるかどうかを確認します。

      $ /bin/ping hostname.domainname
      
      
  3. 手順2で使用したホスト名を使用して、このマニュアルで説明されているとおりにOracle Application Serverをインストールします。

2.9 インストーラにより実行される前提条件チェック

表2-8に、インストーラにより実行される前提条件チェックを示します。

表2-8 インストーラにより実行される前提条件チェック 
項目  説明 

プロセッサ 

プロセッサ速度の要件については、2.1項「Linuxシステムのハードウェア要件」を参照してください。 

オペレーティング・システムのバージョン 

サポートされているバージョンについては、2.2項「Linuxのソフトウェア要件」を参照してください。 

オペレーティング・システムのパッチ 

必須のパッチのリストは、2.2項「Linuxのソフトウェア要件」を参照してください。 

オペレーティング・システムのカーネル・パラメータ 

必須のカーネル・パラメータのリストは、2.3項「カーネル・パラメータとシェル制限の確認」を参照してください。 

メモリー 

推奨値については、2.1項を参照してください。 

スワップ領域 

推奨値については、2.1項を参照してください。 

TMP領域 

推奨値については、2.1項を参照してください。 

インスタンス名 

インストーラにより、Oracle Application Serverのインストール先のコンピュータに同じ名前のインスタンスがすでに存在しないことがチェックされます。 

Oracleホーム・ディレクトリ名 

インストーラにより、Oracleホーム・ディレクトリ名に空白が含まれていないことがチェックされます。 

Oracleホーム・ディレクトリへのパス 

インストーラにより、Oracleホーム・ディレクトリへのパスが127文字を超えていないことがチェックされます。 

Oracleホーム・ディレクトリの内容 

インストーラにより、Oracleホーム・ディレクトリにインストールの妨げとなるファイルがないことがチェックされます。 

Oracleホーム・ディレクトリ 

中間層を拡張する場合(3.2項「J2EE and Web Servicesのインストール後のOracleAS Portalコンポーネントの追加」を参照)、またはOracle Developer Suite 10gリリース2(10.1.2)が含まれるOracleホームに中間層をインストールする場合(1.4.2項「Oracleホーム・ディレクトリ」を参照)を除き、Oracle Application Serverは新しいディレクトリにインストールする必要があります。 インストールが許可されないシナリオの一例を次に示します。

  • 8.0、8i、9.0.1または9.2データベースのOracleホームへのOracle Application Server(すべてのタイプ)のインストール

  • Oracle Management ServiceのOracleホームへのOracle Application Server(すべてのタイプ)のインストール

  • Oracle Collaboration SuiteのOracleホームへのOracle Application Server(すべてのタイプ)のインストール

  • Oracle HTTP ServerのスタンドアロンOracleホームへのOracle Application Server(すべてのタイプ)のインストール

  • OracleAS Web CacheのスタンドアロンOracleホームへのOracle Application Server(すべてのタイプ)のインストール

  • Oracle9i Developer Suite 9.0.2のOracleホームへのOracle Application Server(すべてのタイプ)のインストール

  • Oracle Application Server Containers for J2EEのスタンドアロンOracleホームへのOracle Application Server(すべてのタイプ)のインストール

  • Oracle9iAS 1.0.2.2のOracleホームへのOracle Application Server(すべてのタイプ)のインストール

  • Oracle Application Server Infrastructureリリース2(9.0.2)または10gリリース2(10.1.2)のOracleホームへのOracle Application Server Middle Tierのインストール

  • Oracle9iASリリース2(9.0.2または9.0.3)Middle TierのOracleホームへのOracle Application Server Middle Tierのインストール

  • OracleAS Infrastructureリリース2(9.0.2)または10gリリース2(10.1.2)のOracleホームへのOracleAS Developer Kitsのインストール

  • Oracle9iAS Middle Tierリリース2(9.0.2または9.0.3)のOracleホームへのOracleAS Developer Kitsのインストール

  • Oracle Developer Suite 9.0.2または10gリリース2(10.1.2)のOracleホームへのOracleAS Developer Kitsのインストール

  • Oracle9iASリリース2(9.0.2)(すべてのタイプ)のOracleホームへのOracleAS Infrastructureのインストール

  • Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2) Middle TierまたはOracleAS Developer KitsのOracleホームへのOracleAS Infrastructureのインストール

  • Oracle Developer Suite 9.0.2または10gリリース2(10.1.2)のOracleホームへのOracleAS Infrastructureのインストール

 

ポート1521 

ポート1521が、すべてのリリースのデータベース・リスナーを含む他のアプリケーションによって使用されている場合、インストーラにより警告が表示されます。 ポート1521を使用しているアプリケーションを停止してから、警告ダイアログ・ボックスの「再試行」をクリックします。

データベース・リスナーがポート1521を使用している場合は、それをメタデータ・リポジトリ・データベースに使用できる可能性があります。 詳細は、1.4.8項「ポート1521がすでに使用されている場合」を参照してください。

他のアプリケーションがポート1521を使用している場合、そのアプリケーションを停止するか、別のポートを使用するように構成する必要があります。または、データベース・リスナーが1521以外のポートを使用するように変更することもできますが、これはインストール終了後に行います。 詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。 

静的ポートの競合 

指定されている場合、インストーラにより、staticports.iniファイルに一覧表示されているポートがチェックされます。 1.4.7.4項「カスタムのポート番号の使用(「静的ポート」機能)」を参照してください。 

モニター 

インストーラにより、モニターが256色以上を表示できるように構成されていることがチェックされます。 

表示の権限 

環境変数DISPLAYで指定されたモニターへの表示権限をユーザーが保持していることがインストーラによりチェックされます。 

環境変数DISPLAY 

インストーラにより、環境変数DISPLAYが設定されていることがチェックされます。 

環境変数TNS_ADMIN 

環境変数TNS_ADMINは設定しないでください。

tnsnames.oraファイルを/etcディレクトリに格納することもできません。 

環境変数
DBCA_RAW_CONFIG 

OracleAS InfrastructureをデータベースまたはOracle Application Server Active Failover Cluster環境にインストールする場合は、RAWパーティションの位置を記述したファイルを指すようにこの環境変数を設定する必要があります。 

クラスタ・ファイル・システム 

インストーラにより、Oracle Application Serverのインストール先がクラスタ・ファイル・システム(CFS)でないことがチェックされます。 

Oracle Enterprise Manager関連のディレクトリが書込み可能かどうか 

このチェックは、中間層を拡張する場合、またはOracle Application Serverを同じOracleホームに再インストールする場合にのみ行われます。 インストーラを実行しているオペレーティング・システム・ユーザーが次のディレクトリに対する書込み権限を保持していることがインストーラによりチェックされます。

  • $ORACLE_HOME/sysman/emd

  • $ORACLE_HOME/sysman/config

  • $ORACLE_HOME/sysman/webapps/emd/WEB-INF/config

 

Oracle Enterprise Manager関連のファイルが存在しているかどうか 

このチェックは、中間層を拡張する場合、またはOracle Application Serverを同じOracleホームに再インストールする場合にのみ行われます。 インストーラにより、次のファイルが存在していることがチェックされます。

  • $ORACLE_HOME/sysman/config/iasadmin.properties

  • $ORACLE_HOME/sysman/webapps/emd/WEB-INF/config/consoleConfig.xml

 

Linuxシステムのカーネルのチェック 

このチェックは、インストール先がLinuxである場合にのみ行われます。 カーネルのバージョンに、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1の場合は2.4.9-e.49以降、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0の場合は2.4.21-20.EL、SUSE Linux Enterprise Server 8の場合は2.4.21、SUSE Linux Enterprise Server 9の場合は2.6.5-7.97という文字列が含まれていることがインストーラにより確認されます。 

Linuxのglibcバージョンのチェック 

このチェックは、インストール先がLinuxである場合にのみ行われます。 glibcのバージョンが、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1の場合はglibc-2.2.4-32.17以降、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0の場合はglibc-2.3.2-95.27以降、SUSE Linux Enterprise Server 8の場合はglibc-2.2.2-124以降、SUSE Linux Enterprise Server 9の場合はglibc-2.3.3-98.28以降であることがインストーラにより確認されます。 

Linuxのパッケージのチェック 

このチェックは、インストール先がLinuxである場合にのみ行われます。インストーラにより、必須のパッケージがインストールされていることが確認されます。 たとえば、gcc、sysstatおよびopenmotifの各パッケージについて、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 2.1の場合は表2-2、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0の場合は表2-3、SUSE Linux Enterprise Server 8の場合は表2-4、SUSE Linux Enterprise Server 9の場合は表2-5で指定されているとおりのものがインストールされているかどうかがチェックされます。 


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